JPH0656771A - 有機化合物単結晶およびその製造方法 - Google Patents

有機化合物単結晶およびその製造方法

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JPH0656771A
JPH0656771A JP23313492A JP23313492A JPH0656771A JP H0656771 A JPH0656771 A JP H0656771A JP 23313492 A JP23313492 A JP 23313492A JP 23313492 A JP23313492 A JP 23313492A JP H0656771 A JPH0656771 A JP H0656771A
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JP
Japan
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group
nitro
solution
single crystal
solvent
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JP23313492A
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English (en)
Inventor
Hiromi Komatsu
裕美 小松
Takeo Shigemoto
建生 重本
Tsunetoshi Sugiyama
常俊 杉山
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JSR Corp
Original Assignee
Japan Synthetic Rubber Co Ltd
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Publication date
Application filed by Japan Synthetic Rubber Co Ltd filed Critical Japan Synthetic Rubber Co Ltd
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  • Heterocyclic Carbon Compounds Containing A Hetero Ring Having Nitrogen And Oxygen As The Only Ring Hetero Atoms (AREA)
  • Plural Heterocyclic Compounds (AREA)
  • Pyrrole Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 一般式(1): 【化1】 〔式中、X, YおよびZは、それぞれ炭素原子、酸素原
子、硫黄原子または窒素原子を表し、酸素原子を除く他
の原子は、水素原子または1価もしくは2価の置換基を
有していてもよく、Arは、芳香族性基を示し、その環上
に置換基を有していてもよい〕で表される化合物からな
り、かつ実質的に互いに並行で光学的に平滑な面を一対
以上有する有機化合物単結晶。特定の溶媒を使用する該
単結晶の製造方法。 【効果】 この有機化合物単結晶は、高い非線形光学特
性を有しかつ従来の有機非線形光学結晶よりカットオフ
波長が短波長である。さらに、光学的に平滑な面を1対
以上有しているので、例えば波長変換素子等の製造に好
適である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、波長変換素子等に用い
られるオプトエレクトロ素子への応用が可能な有機化合
物単結晶とその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、非線形光学結晶として、無機化合
物からなるKH2 PO4 、 LiNbO3 、 (NH4 )H2 PO4 等の無
機誘電体が知られており、一部のものは波長変換材料と
して実用化されている。しかし、最近、これらの無機強
誘電体に比べて大きな非線形光学特性を有するものとし
て、 DAN(2−ジメチルアミノ−5−ニトロアセトアニリ
ド) 、 POM(3−メチル−4−ニトロピリジン−1−オキ
サイド) 等の有機化合物よりなる非線型光学結晶が知ら
れるに至っている。有機化合物単結晶の製造法として
は、主に気相法、融液法および溶液法が知られている。
中でも、溶液法は結晶の成長条件が比較的穏和であるの
で、数mm以上の大きさの良質の単結晶を得る場合には適
している。溶液法には溶媒蒸発法と徐冷法があるがいず
れの方法においても、まず結晶を構成する化合物を溶媒
に溶解して該化合物の飽和溶液を作製し、比較的大きな
単結晶を得る場合には必要に応じて種結晶を該飽和溶液
中に導入し、次に溶媒の蒸発か徐冷により溶解している
化合物の析出を促し、単結晶を得る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一般に、有機化合物の
非線形光学結晶は無機化合物のそれと比較して非線型光
学特性においては優れているものの、強い電子供与性基
や電子求引性基を有するπ電子系を骨格とする有機化合
物の結晶であるためにカットオフ波長が無機化合物によ
る結晶と比較して長波長側にある。例えば、上記のDA
Nのカットオフ波長は 500nmであり、POMの場合は 4
50nmである。そのため、これらの結晶は青色レーザー光
用の波長変換素子としては利用できない。従って、青色
レーザー光用の波長変換素子として利用するために、高
い非線形光学特性を有するばかりでなく、より短波長側
にカットオフを有する非線形光学結晶が強く求められて
いる。比較的大きな有機化合物単結晶の製造法としては
前述のように溶液法が適しているが、使用される溶媒に
よって得られる単結晶の質や外形が大きく影響を受け
る。そこで、本発明の課題は、上記の問題点を解決し、
高い非線型光学特性を有するとともに、短波長側にカッ
トオフを有する有機化合物単結晶を提供することにあ
る。また、従来の溶液法の欠点を改良し、該有機化合物
単結晶を光学的に良質な単結晶として効率的に得ること
ができる製造法、および、所要の晶癖を有する単結晶を
得ることができる製造法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、下記一
般式(1):
【化2】 〔式中、X,YおよびZは、それぞれ炭素原子、酸素原
子、硫黄原子または窒素原子を表し、酸素原子を除く他
の原子は、水素原子または1価もしくは2価の置換基を
有していてもよく、Arは、芳香族性基を示し、その環上
に置換基を有していてもよい〕で表される化合物(以
下、特定化合物という)からなり、かつ実質的に互いに
平行で光学的に平滑な面を一対以上有する有機化合物単
結晶が提供される。
【0005】本発明の有機化合物単結晶を構成する特定
化合物は、上記一般式(1) から明らかなとおり、基Arに
複素環が結合した基本構造を有している。この複素環と
しては、種々のものを例示することができるが、前記
X,YおよびZの各原子の種類で分類して例示すると次
の通りである。
【0006】
【0007】この複素環の一部を構成するX,Yおよび
Zの原子は、水素原子または1価もしくは2価の置換基
を有することができるが、1価の置換基としては、アル
キル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、水
酸基、アシル基、カルボキシル基、カルバモイル基、ア
ミノ基および一般式(2) : X'SCH2 −(式中、X'は、ベ
ンジル基または炭素原子数1〜4のアルキル基を示す)
で表される基を例示することができる。ここでアルキル
基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、
シクロプロピル基、ブチル基、シクロブチル基、ペンチ
ル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル
基、ヘプチル基、シクロヘプチル基、オクチル基、シク
ロオクチル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル
基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、エイコシル基等
の炭素原子数1〜20のものを挙げることができる。また
アルケニル基としては、例えばビニル基、アリル基、ブ
テニル基、ヘキセニル基、ヘキサデセニル基、ブタジエ
ニル基、ヘキサデカジエニル基、ペンタジエニル基、シ
クロペンタジエニル基等の炭素原子数2〜20ものを挙げ
ることができる。アルキニル基としては、例えばエチニ
ル基、プロパルギル基、ブチニル基、ヘキサデシニル基
等の炭素原子数2〜16のものを挙げることができる。ア
リール基としては、例えばフェニル基、ビフェニル基、
ナフチル基等の炭素原子数6〜22のものを挙げることが
できる。アミノ基としては、アミノ基の他に、メチルア
ミノ基、ジメチルアミノ基、ベンジルアミノ基、t−ブ
トキシカルボニルアミノ基、ベンジルオキシカルボニル
アミノ基等を挙げることができる。さらに前記一般式
(2) で表される基としては、例えば(メチルチオ)メチ
ル基、(ベンジルチオ)メチル基等を挙げることができ
る。
【0008】また前記X,YおよびZの原子が有するこ
とのできる2価の置換基としては、アルキリデン基、ア
ルケニリデン基、イミノ基、オキソ基、チオキソ基等を
例示することができる。ここでアルキリデン基として
は、例えばメチレン基、エチリデン基、プロピリデン
基、ブチリデン基、ペンチリデン基、ヘキシリデン基、
オクチリデン基、デシリデン基、ドデシリデン基、テト
ラデシリデン基、ヘキサデシリデン基、オクタデシリデ
ン基、エイコシリデン基等の炭素原子数1〜20のものを
挙げることができる。アルケニリデン基としては、例え
ばビニリデン基、プロペニリデン基、ブテニリデン基、
ヘキセニリデン基等の炭素原子数1〜20のものを挙げる
ことができる。アルキニリデン基としては、例えばプロ
ピニリデン基、ブチニリデン基、ヘキサデシニリデン基
等の炭素原子数3〜16のものを挙げることができる。
【0009】また上述した1価もしくは2価の置換基
は、例えばその水素原子の一部もしくは全部が置換され
ていてもよく、このような置換基としては、例えばメチ
ル基、エチル基等のアルキル基;ビニル基、アリル基等
のアルケニル基;エチニル基等のアルキニル基、フェニ
ル基、ナフチル基、キノリル基等のアリール基;ベンジ
ル基、フェネチル基等のアラルキル基;フッ素、塩素、
臭素、ヨウ素等のハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ
基、ベンジルオキシ基、メトキシベンジルオキシ基等の
アルコキシ基;フェニルオキシ基、ニトロフェニルオキ
シ基等のアリールオキシ基;アミノ基、ジメチルアミノ
基、t−ブトキシカルボニルアミノ基、ベンジルオキシ
カルボニルアミノ基、ニトログアニジノ基、トルエンス
ルホニルグアニジノ基等のアミノ基;メトキシカルボニ
ル基、エトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル
基等のアルコキシカルボニル基;t−ブチルチオ基、ベ
ンジルチオ基等のアルキルチオ基;ベンジルイミダゾリ
ル基、ベンジルオキシイミダゾリル基等のイミダゾリル
基;水酸基;シアノ基;カルボキシル基;ニトロ基等を
挙げることができる。
【0010】本発明において、上述した複素環として好
適なものとしては、2−オキサゾリジノン環(X=酸素
原子,Y=炭素原子,Z=炭素原子)であり、特に4位
の炭素原子(Z)に、炭素原子数1〜7のアルキル基、
炭素原子数6〜8のアリール基(例えばフェニル基、o
−,m−またはp−トリル基等)、炭素原子数7〜9の
アラルキル基(例えばベンジル基、フェニルエチル基
等)および前記式(2) で表される基(例えば(メチルチ
オ)メチル基、(ベンジルチオ)メチル基等)等の置換
基が結合したものが好適である。
【0011】さらに一般式(1) において、前記Arの芳香
族性基は炭素環式芳香族性基でもヘテロ環式芳香族性基
でもよい。炭素環式芳香族性基としては、フェニル基、
ナフチル基、アズレニル基等を例示することができ、ま
たヘテロ環式芳香族性基としては、ピリジニル基、キノ
リル基、イソキノリル基、チエニル基、フリル基、ピロ
リル基、イミダゾリル基、ピリミジニル基等を例示する
ことができる。これらの芳香族性基は、その環上に置換
基を有していてもよく、かかる置換基としては、例え
ば、ニトロ基、シアノ基、アルコキシカルボニル基、ア
ルキルカルボニル基、パーフルオロアルキルカルボニル
基、パーフルオロアルキル基などの電子吸引性基、およ
びアミノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ
基、アルキルカルボニルアミノ基、パーフルオロアルキ
ルカルボニルアミノ基、水酸基、アルコキシ基、アリー
ルオキシ基、アルキル基、ハロゲン等の電子供与性基を
挙げることができ、これらは2種以上の組み合わせで、
前記芳香族性基の芳香環上に置換されていることができ
る。
【0012】このような置換基を有する炭素環式芳香族
性基の具体例としては、例えば2−ニトロフェニル基、
3−ニトロフェニル基、4−ニトロフェニル基、 2,4−
ジニトロフェニル基、2−シアノフェニル基、3−シア
ノフェニル基、4−シアノフェニル基、 2,4−ジシアノ
フェニル基、3−メトキシカルボニル基、4−メトキシ
カルボニル基、3−エトキシカルボニル基、4−エトキ
シカルボニル基、2−アセチルフェニル基、3−アセチ
ルフェニル基、4−アセチルフェニル基、4−トリフル
オロアセチルフェニル基、2−トリフルオロメチルフェ
ニル基、3−トリフルオロメチルフェニル基、4−トリ
フルオロメチルフェニル基、5−フルオロ− 2,4−ジニ
トロフェニル基、2−アセチルアミノ−4−ニトロフェ
ニル基、2−トリフルオロアセチルアミノ−4−ニトロ
フェニル基、2−ジメチルアミノ−4−ニトロフェニル
基、2−(t−ブトキシカルボニル)アミノ−4−ニト
ロフェニル基、2−(ベンジルオキシカルボニル)アミ
ノ−4−ニトロフェニル基、4−アセチルアミノ−3−
ニトロフェニル基、4−トリフルオロアセチルアミノ−
3−ニトロフェニル基、4−ジメチルアミノ−3−ニト
ロフェニル基、4−(t−ブトキシカルボニル)アミノ
−3−ニトロフェニル基、4−(ベンジルオキシカルボ
ニル)アミノ−3−ニトロフェニル基、4−アセチルア
ミノ−2−ニトロフェニル基、4−トリフルオロアセチ
ルアミノ−2−ニトロフェニル基、4−ジメチルアミノ
−2−ニトロフェニル基、4−(t−ブトキシカルボニ
ル)アミノ−2−ニトロフェニル基、4−(ベンジルオ
キシカルボニル)アミノ−2−ニトロフェニル基、2−
メトキシ−5−ニトロフェニル基、4−メトキシ−5−
ニトロフェニル基、3−フルオロ−4−ニトロフェニル
基、3−フルオロ−6−ニトロフェニル基、4−ニトロ
−1−ナフチル基、5−ニトロ−1−ナフチル基、6−
ニトロ−1−ナフチル基、7−ニトロ−1−ナフチル
基、8−ニトロ−1−ナフチル基、4−ニトロ−2−ナ
フチル基、5−ニトロ−2−ナフチル基、6−ニトロ−
2−ナフチル基、7−ニトロ−2−ナフチル基、8−ニ
トロ−2−ナフチル基、1−アズレニル基、2−アズレ
ニル基等を挙げることができる。
【0013】同様にして置換基を有するヘテロ環式芳香
族性基の具体例としては、3−ニトロ−2−ピリジニル
基、4−ニトロ−2−ピリジニル基、5−ニトロ−2−
ピリジニル基、6−ニトロ−2−ピリジニル基、3−シ
アノ−2−ピリジニル基、4−シアノ−2−ピリジニル
基、5−シアノ−2−ピリジニル基、6−シアノ−2−
ピリジニル基、 3,4−ジシアノ−2−ピリジニル基、4
−アミノ−5−ニトロ−2−ピリジニル基、4−ニトロ
−2−キノリル基、5−ニトロ−2−キノリル基、6−
ニトロ−2−キノリル基、8−ニトロ−2−キノリル
基、4−ニトロ−1−イソキノリル基、5−ニトロ−1
−イソキノリル基、6−ニトロ−1−イソキノリル基、
8−ニトロ−1−イソキノリル基、4−メチル−1−イ
ソキノリル基、3−ニトロ−2−チエニル基、4−ニト
ロ−2−チエニル基、5−ニトロ−2−チエニル基、2
−ニトロ−3−チエニル基、3−クロロ−2−チエニル
基、3−ニトロ−2−フリル基、4−ニトロ−2−フリ
ル基、5−ニトロ−2−フリル基、2−ニトロ−3−フ
リル基、3−クロロ−2−フリル基、3−ニトロ−2−
ピロリル基、4−ニトロ−2−ピロリル基、5−ニトロ
−2−ピロリル基、1−メチル−2−イミダゾリル基、
1−メチル−4−ニトロ−5−イミダゾリル基、1−メ
チル−5−ニトロ−4−イミダゾリル基、5−ニトロ−
2−ピリミジニル基等を挙げることができる。
【0014】本発明において、特に好ましいArは、ジニ
トロフェニル基、2−アセチルアミノ−4−ニトロフェ
ニル基、ニトロ−2−ピリジニル基および4−ニトロフ
ェニル基である。特にジニトロフェニル基および2−ア
セチルアミノ−4−ニトロフェニル基の場合には、前述
した複素環の4位の原子(Z)に、炭素原子数1〜6の
アルキル基または炭素原子数6〜8のアリール基が結合
していることが好適である。またArがニトロ−2−ピリ
ジニル基の場合には、前述した複素環の4位の原子
(Z)に、炭素原子数1〜7のアルキル基、炭素原子数
6〜9のアリール基または前記式(2) で表される基が結
合していることが好適である。
【0015】本発明において、上述した一般式(1) で表
される特定化合物の具体例としては、例えば下記式で表
されるものを例示することができる。
【化3】
【化4】
【化5】
【化6】
【化7】
【化8】
【化9】
【化10】 〔式中、AcはCH3 CO基を表す]
【0016】本発明において、特に好適な化合物として
は、3−(5−ニトロ−2−ピリジニル)−4−メチル
−2−オキサゾリジノン、3−(5−ニトロ−2−ピリ
ジニル)−4−エチル−2−オキサゾリジノン、3−
(5−ニトロ−2−ピリジニル)−4−イソプロピル−
2−オキサゾリジノン、3−(5−ニトロ−2−ピリジ
ニル)−4−イソブチル−2−オキサゾリジノン、3−
(5−ニトロ−2−ピリジニル)−4− sec−ブチル−
2−オキサゾリジノン、3−(5−ニトロ−2−ピリジ
ニル)−4−フェニル−2−オキサゾリジノン、3−
(5−ニトロ−2−ピリジニル)−4−ベンジル−2−
オキサゾリジノン、3−(5−ニトロ−2−ピリジニ
ル)−4−ベンジルチオメチル−2−オキサゾリジノン
等のピリジニル環を芳香族性基として有する2−オキサ
ゾリジノン環を有する化合物が挙げられる。
【0017】単結晶の晶癖と光学的な平滑さおよびその面 本発明の有機化合物単結晶は、実質的に互いに平行で光
学的に平滑な面を1対以上有する。そのため、波長変換
素子等への利用に好適である。ここで、一対の面が「実
質的に互いに平行で光学的に平滑」であるとは、低損失
で光の入射、伝播、反射または出射を可能とする面であ
ることを意味する。より具体的には、互いに平行な二つ
の面の一方の面に光が入射した時、他方の面から60%以
上の透過率で光が出射されることを意味する。このよう
な実質的に互いに平行で光学的に平滑な面は、気相法や
溶液法により自然に形成された面でもよいし、切削、劈
開、研磨等の結晶の加工によって得られた面でもよい。
このような面の面積は、照射されるレーザー光の口径を
越えて大きいことが必要であり、例えばレーザー光の口
径の 1.5倍以上、好ましくは5倍以上である。具体的に
は、 1.5×1.5 (mm2 )の面積が望まれるが5×5(mm
2 )以下で十分である。
【0018】特定化合物の製造 本発明の有機化合物単結晶を構成する特定化合物は、下
記式(2) Ar−NH−Z−Y−XH (2) 〔式中、R,X,Y,ZおよびArは、前記のとおり〕で
表される化合物(以下、「N−置換アミノアルコール」
という)を環化させることによって製造することができ
る。以下に、N−置換アミノアルコール(式(2) におい
て、X=0、Y=Z=CHR)の環化反応の代表的な方
法を挙げる。
【0019】ホスゲンを用いる方法;N−置換アミノア
ルコールの溶液にホスゲンを導入し、反応させて特定化
合物を得る。この際の反応温度は、−20〜110 ℃であ
る。この反応において使用される溶媒としては、反応に
不活性であれば特に限定されず種々のものを使用するこ
とができる。具体例としては、脂肪族系炭化水素類、芳
香族系炭化水素類、ハロゲン系炭化水素類、エーテル類
等を挙げることができる。これらのうち、好ましいもの
は、ヘキサン、ベンゼン、トルエン、ジクロロメタン、
クロロホルム、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル
等である。反応に用いるホスゲンは、例えば四塩化炭素
を発煙硫酸を用いて分解する方法およびクロロギ酸トリ
クロロメチルを活性炭で分解する方法(日本化学会編、
「新実験化学講座」、Vol.19, p.245 ;丸善(1978)参
照)によって発生させることができる。ホスゲンの使用
量は、通常、N−置換アミノアルコールに対して大過剰
である。発生したホスゲンを反応系内に導入する方法と
しては、ガス状のまま反応系内にバブリングさせる方
法、冷却凝集させて液体とした後に滴下する方法、前述
した溶媒に発生したホスゲンを溶解させた後に滴下する
方法等を用いることができる。またこの反応は塩基の存
在下で行なってもよく、その際用いられる塩基として
は、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、炭
酸ナトリウム、炭酸カリウム、トリエチルアミン、ピリ
ジン等を例示することができる。塩基の使用量は、通
常、N−置換アミノアルコール1モルに対して0.05〜10
モルである。
【0020】二置換カーボネートを用いる方法;N−置
換アミノアルコールの溶液に二置換カーボネートを導入
し、反応させて特定化合物を得る。この際の反応温度
は、−20〜110 ℃である。この反応において、二置換カ
ーボネートとしては、通常、ジメチルカーボネート、ジ
エチルカーボネート、ジフェニルカーボネート等が好適
に使用される。この二置換カーボネートの使用量は、N
−置換アミノアルコール1モルに対して化学量論的等量
もしくは過剰量であり、通常、1〜2モルである。この
反応において使用される溶媒としては、反応に不活性で
あれば特に限定されず種々のものを使用することができ
る。具体例としては、脂肪族系炭化水素類、芳香族系炭
化水素類、ハロゲン系炭化水素類、エーテル類、スルホ
キシド類、アミド類等を挙げることができる。これらの
うち、好ましいものは、ジクロロメタン、クロロホル
ム、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等である。
この反応は、塩基の存在下において行なうことが好適で
あり、その際用いられる塩基としては、ナトリウムメト
キシド、ナトリウムエトキシド、炭酸ナトリウム、炭酸
カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、酢酸ナ
トリウム、トリエチルアミン、ピリジン等を例示するこ
とができる。塩基の使用量は、通常、N−置換アミノア
ルコール1モルに対して0.05〜1モルである。
【0021】クロロギ酸エステルを用いる方法;N−置
換アミノアルコールの溶液にクロロギ酸エステルを導入
し、反応させて特定化合物を得る。この際の反応温度
は、−20〜110 ℃である。用いるクロロギ酸エステルと
しては、クロロギ酸メチル、クロロギ酸エチル、クロロ
ギ酸フェニル等を挙げることができる。クロロギ酸エス
テルの使用量は、N−置換アミノアルコール1モルに対
して化学量論的等量もしくは過剰量であり、通常、1〜
2モルである。この反応において使用される溶媒として
は、反応に不活性であれば特に限定されず種々のものを
使用することができる。具体例としては、脂肪族系炭化
水素類、芳香族系炭化水素類、ハロゲン系炭化水素類、
エーテル類、スルホキシド類、アミド類等を挙げること
ができる。これらのうち、好ましいものは、ジクロロメ
タン、クロロホルム、テトラヒドロフラン、ジエチルエ
ーテル等である。この反応は塩基の存在下において行な
うことが好適であり、その際用いられる塩基としては、
ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、炭酸ナ
トリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カ
リウム、酢酸ナトリウム、トリエチルアミン、ピリジン
等を例示することができる。塩基の使用量は、通常、N
−置換アミノアルコール1モルに対して0.05〜1モルで
ある。
【0022】1,1'−カルボニルジイミダゾールを用いる
方法;N−置換アミノアルコールの溶液に1,1'−カルボ
ニルジイミダゾールを導入し、反応させて特定化合物を
得る。この際の反応温度は、−20〜110 ℃である。この
反応において使用される溶媒としては、反応に不活性で
あれば特に限定されず種々のものを使用することができ
る。具体例としては、脂肪族系炭化水素類、芳香族系炭
化水素類、ハロゲン系炭化水素類、エーテル類等を挙げ
ることができる。これらのうち、好ましいものは、ヘキ
サン、ベンゼン、トルエン、ジクロロメタン、クロロホ
ルム、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等であ
る。1,1'−カルボニルジイミダゾールの使用量は、N−
置換アミノアルコール1モルに対して化学量論的等量も
しくは過剰量であり、通常、1〜2モルである。この反
応は塩基の存在下で行なってもよく、その際用いられる
塩基としては、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエト
キシド、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、トリエチルア
ミン、ピリジン等を例示することができる。塩基の使用
量は、通常、N−置換アミノアルコール1モルに対して
0.05〜1モルである。また、上記において、1,1'−カル
ボニルジイミダゾールの代わりに1,1'−カルボニルビス
(2−メチルイミダゾール)または1,1'−カルボニルジ
− 1,2,4−トリアゾールを用いても、同様にして特定化
合物を得ることができる。
【0023】また前記式(3) で表されるN−置換アミノ
アルコール以外にも、例えばN−(芳香族またはヘテロ
芳香族)−2−ヒドロキシエタン酸アミド(以下、「N
−置換ヒドロキシエタン酸アミド」という)、3−(芳
香族またはヘテロ芳香族)アミノ−4−ヒドロキシブタ
ン酸もしくは2−(芳香族またはヘテロ芳香族)アミノ
−4−ヒドロキシブタン酸(これらを単に「ヒドロキシ
ブタン酸」と称する)、またはN−(芳香族またはヘテ
ロ芳香族)アミノ酸(以下、「N−置換アミノ酸」とい
う)を用いることにより特定化合物を合成することがで
きる。以下に、これらの方法について簡単に説明する。
【0024】N−置換ヒドロキシエタン酸アミドとアル
デヒドまたはケトンとの反応を利用する方法;N−置換
ヒドロキシエタン酸アミドを酸または脱水縮合剤の存在
下アルデヒドまたはケトンと反応させ、 1,3−オキサゾ
リジン−4−オンとすることにより、特定化合物を得る
ことができる。この際の反応温度は、−20〜110 ℃であ
る。この反応において使用される溶媒としては、反応に
不活性であれば特に限定されず種々のものを使用するこ
とができる。具体例としては、脂肪族系炭化水素類、芳
香族系炭化水素類、ハロゲン系炭化水素類、エーテル類
等を挙げることができる。これらのうち、好ましいもの
は、ベンゼン、トルエン等である。用いるアルデヒドと
しては、例えばホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、
プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、イソブチル
アルデヒド、ベンズアルデヒド、アニスアルデヒド、ニ
コチンアルデヒド、シクロヘキサンカルボアルデヒド等
を挙げることができる。また用いるケトンとしては、例
えばアセトン、エチルメチルケトン、ジエチルケトン、
アセトフェノン、プロピオフェノン、ベンジルメチルケ
トン等を挙げることができる。用いるアルデヒドまたは
ケトンの使用量は、N−置換ヒドロキシエタン酸アミド
1モルに対して化学量論的等量もしくは過剰量であり、
通常、1〜5モルである。
【0025】ヒドロキシブタン酸を用いる方法;3−
(芳香族またはヘテロ芳香族)アミノ−4−ヒドロキシ
ブタン酸または2−(芳香族またはヘテロ芳香族)アミ
ノ−4−ヒドロキシブタン酸を環化させてラクトンとす
ることにより、特定化合物が得られる。この環化反応
は、上記ヒドロキシブタン酸を適当な溶媒中で加熱する
ことによって容易に行うことができる。この際の反応温
度は、50〜145 ℃である。この反応において使用される
溶媒としては、反応に不活性であれば特に限定されず種
々のものを使用することができる。具体例としては、脂
肪族系炭化水素類、芳香族系炭化水素類、ハロゲン系炭
化水素類、エーテル類等を挙げることができる。これら
のうち、好ましいものは、ベンゼン、トルエン、キシレ
ン、N,N'−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシ
ド等である。
【0026】N−置換アミノ酸を用いる方法;N−置換
アミノ酸の溶液に塩化チオニル、五塩化リンまたはホス
ゲンを導入することによりN−カルボキシ無水物として
特定化合物を得る。この際の反応温度は、−20〜110 ℃
である。この反応において使用される溶媒としては、反
応に不活性であれば特に限定されず種々のものを使用す
ることができる。具体例としては、脂肪族系炭化水素
類、芳香族系炭化水素類、ハロゲン系炭化水素類、エー
テル類等を挙げることができる。これらのうち、好まし
いものは、ジオキサン、テトラヒドロフラン等である。
用いる塩化チオニル、五塩化リンまたはホスゲンの使用
量は、N−置換アミノ酸1モルに対して化学量論的等量
もしくは過剰量であり、通常、1〜5モルである。
【0027】上述した特定化合物を合成するために使用
するN−置換アミノアルコール、N−置換ヒドロキシエ
タン酸アミド、ヒドロキシブタン酸およびN−置換アミ
ノ酸は、それぞれ次の方法によって合成することができ
る。
【0028】N−置換アミノアルコールの合成 なお、以下において前記一般式(1) のRに相当する置換
基をα位に有するα−アミノ酸を単に「置換アミノ酸」
と称し、また2位に上記のRに相当する置換基を有する
2−アミノエタノール誘導体を単に「置換アミノアルコ
ール」と称し、またα位に上記のRに相当する置換基を
有するα−アミノ酸エステルを「置換アミノ酸エステ
ル」と称する。さらに環上に上記のRに相当する置換基
を有するエポキシドを「置換エポキシド」と称する。
【0029】製造方法1;D−、L−、またはDL−置
換アミノ酸のカルボキシル基を還元し、D−、L−、ま
たはDL−置換アミノアルコールとした後、そのアミノ
基を芳香族基またはヘテロ芳香族基で修飾する方法。こ
の方法において、置換アミノ酸のカルボキシル基の還元
法としては、ボラン試薬を用いるボラン還元法を挙げる
ことができる(M. Hudlicky, "Reductionsin Organic
Chemistry", Willy, New York, 1984参照)。このボラ
ン還元法は、還元反応に際してラセミ化が起こらず、光
学活性を有する置換アミノ酸の還元に有効に適用され
る。このボラン還元法を適用する置換アミノ酸として
は、ホモアラニン、ノルバリン、ロイシン、イソロイシ
ン、tert−ロイシン、ノルロイシン、フェニルグリシ
ン、S−メチルシステイン、S−ベンジルシステイン等
を例示することができる。この場合、ボラン試薬として
は、ボラン−ジメチルスルフィド錯体、ボラン−ピリジ
ン錯体、ボラン−ジメチルアミン錯体、ボラン−ジエチ
ルアミン錯体、ボラン−t−ブチルアミン錯体、ボラン
−テトラヒドロフラン錯体、ボラン−モルフォリン錯
体、ボラン−エーテル錯体、ジボラン等を使用すること
ができる。これらのうちで好ましいものは、ボラン−ジ
メチルスルフィド錯体、ボラン−エーテル錯体およびジ
ボランである。このボラン試薬の使用量は、置換アミノ
酸1モルに対して化学量論的に等量もしくは過剰量であ
り、好ましくは1〜2モルである。
【0030】また、還元反応は、三フッ化ホウ素ジエチ
ルエーテル、ホウ酸トリメチル、三塩化アルミニウム、
四塩化チタン等のルイス酸の存在下で行うことが好まし
く、特に三フッ化ホウ素ジエチルエーテルの存在下で行
うことが好適である(米国特許第 3,935,280号明細書参
照)。この場合、上記ルイス酸の使用量は、置換アミノ
酸1モルに対して化学量論的に等量もしくは過剰量であ
り、好ましくは1〜2モルである。また、還元反応の温
度は、通常、0〜110 ℃である。この還元反応は、乾燥
窒素ガス、乾燥アルゴンガス等の不活性ガス雰囲気下で
行うことが望ましい。またこの還元反応は、通常、溶媒
中で行われる。使用される溶媒としては、該還元反応に
不活性であれば特に限定されるものではなく、種々のも
のを使用することができるが、具体的には、脂肪族系ま
たは芳香族系炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類、エー
テル類等を挙げることができる。特に好適なものは、テ
トラヒドロフラン、ジエチルエーテルおよびトルエンで
ある。
【0031】上記の還元反応により得られた置換アミノ
アルコールのアミノ基を芳香族基またはヘテロ芳香族基
で修飾する手段としては、芳香族またはヘテロ芳香族環
上に脱離基を有する誘導体を該置換アミノアルコールと
反応させる方法を挙げることができる。この芳香族また
はヘテロ芳香族環上の脱離基としては、例えばフルオロ
基、クロロ基、ブロモ基、ヨード基、p−トルエンスル
ホニルオキシ基、メタンスルホニルオキシ基、トリフル
オロメタンスルホニルオキシ基等を例示することがで
き、特にクロロ基およびトリフルオロメタンスルホニル
オキシ基が好適である。かかる脱離基を有する誘導体の
使用量は、置換アミノアルコール1モルに対して化学量
論的に等量もしくは過剰量であり、好ましくは1〜2モ
ルである。
【0032】この反応を完結させるためには、塩基の存
在下で反応を行うことが望ましい。この塩基としては、
無機塩基類、3級アミン類、ピリジン類等を例示するこ
とができ、特に好適に使用されるものは、トリエチルア
ミン、ピリジンおよび炭酸カリウムである。該塩基の使
用量は、通常、置換アミノアルコール1モルに対して化
学量論的に等量もしくは過剰量であり、好ましくは1〜
2.5 モルである。反応温度は、通常、0〜100 ℃であ
り、また反応は溶媒の存在下で行われる。この溶媒とし
ては、芳香族炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類、エー
テル類、アルコール類、ケトン類、スルホキシド類、ア
ミド類等を例示することができ、特に好適に使用される
ものは、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン
および N,N−ジメチルホルムアミドである。
【0033】製造方法2;D−、L−、またはDL−置
換アミノ酸エステルを還元し、D−、L−、またはDL
−置換アミノアルコールとした後、そのアミノ基を芳香
族基またはヘテロ芳香族基で修飾する方法。上記におい
て、置換アミノ酸エステルの還元法としては、水素化ア
ルミニウム還元法、水素化ホウ素還元法、水素添加法等
を例示することができる(M. Hud-licky, "Reductions
in Organic Chemistry", Willy, New York, 1984 参
照)。これらの方法を適用する置換アミノ酸エステルと
しては、製造方法1で例示した置換アミノ酸のメチルエ
ステル、エチルエステル等を挙げることができる。水素
化アルミニウム還元法においては、用いる還元剤として
は、水素化アルミニウム、水素化アルミニウムリチウ
ム、水素化アルミニウムナトリウム、水素化アルミニウ
ムマグネシウム、水素化ジメトキシアルミニウムリチウ
ム、水素化トリメトキシアルミニウムリチウム、水素化
トリス(t−ブトキシ)アルミニウム、水素化ビス(2
−メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウム、水素化
ジイソブチルアルミニウム等を挙げることができ、これ
らのうちでも、水素化アルミニウムリチウムおよび水素
化ジメトキシアルミニウムリチウムが好適である。これ
ら還元剤は、通常、置換アミノ酸エステル1モルに対し
て 0.5〜10モルの割合で使用される。この場合の還元反
応は、通常、溶媒中で行われる。用いる溶媒としては、
該還元反応に不活性であれば特に限定されず、種々のも
のを使用することができるが、具体的には、脂肪族系ま
たは芳香族系炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類、エー
テル類等を挙げることができる。特に好適に使用される
のは、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、トルエ
ンである。また、還元反応の温度は、通常、−20〜110
℃である。なお、この水素化アルミニウム還元法におい
ては、出発物質として、置換アミノ酸エステル以外にも
置換アミノ酸エステル塩酸塩を使用することもできる。
【0034】水素化ホウ素還元法においては、用いる還
元剤として、水素化ホウ素リチウム、水素化ホウ素ナト
リウム、水素化ホウ素カルシウム、水素化ホウ素亜鉛、
水素化トリエチルホウ素リチウム、水素化トリエチルホ
ウ素ナトリウム、水素化トリメトキシホウ素ナトリウム
等を例示することができ、好ましくは水素化ホウ素ナト
リウムおよび水素化ホウ素リチウムが使用される。これ
ら還元剤は、通常、置換アミノ酸エステル1モルに対し
て 0.5〜20モルの割合で使用される。この場合の還元反
応も通常、溶媒中で行われ、用いる溶媒としては、該反
応に不活性であれば特に限定されず、種々のものを使用
することができるが、具体的には、脂肪族系または芳香
族系炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類、エーテル類、
アルコール類等を挙げることができる。特に好適に使用
されるのは、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテルお
よびトルエンである。また、この還元反応の温度は、通
常、−20〜110 ℃である。なお、この水素化ホウ素還元
法においても、出発物質として、置換アミノ酸エステル
以外に置換アミノ酸エステル塩酸塩を使用することがで
きる。
【0035】水素添加法においては、触媒として、通
常、ラネーニッケル、銅クロマイト、亜鉛クロマイト、
酸化レニウム、パラジウム等が使用される。これら触媒
の使用量は、通常、置換アミノ酸エステル1モルに対し
て 0.00002〜0.02モルである。この還元反応は、通常、
溶媒中で行われる。この溶媒としては、脂肪族系または
芳香族系炭化水素類、エステル類、カルボン酸類、エー
テル類、アルコール類、ケトン類等を例示することがで
きる。特に好適に使用されるのは、メタノールおよびエ
タノールである。またこの還元反応は、常圧で水素ガス
雰囲気下で行うことができ、またオートクレーブを用い
て加圧下に水素ガスを強制的に圧入することによって行
うこともできる。この還元反応の温度は、通常、0〜30
0 ℃である。上述した還元反応により得られた置換アミ
ノアルコールのアミノ基を芳香族基またはヘテロ芳香族
基で修飾する方法としては、製造方法1で述べた方法を
採用することができる。
【0036】製造方法3;D−、L−、またはDL−置
換アミノ酸エステルのアミノ基を芳香族基またはヘテロ
芳香族基で修飾した後、そのエステル基を還元する方
法。前記アミノ基を芳香族基またはヘテロ芳香族基で修
飾する方法としては、製造方法1で挙げられた置換アミ
ノアルコールのアミノ基を芳香族基またはヘテロ芳香族
基で修飾する方法を採用することができる。これにより
得られたN−(芳香族またはヘテロ芳香族)アミノ酸エ
ステルの還元は、製造方法2で挙げられた水素化アルミ
ニウム還元法、水素化ホウ素還元法、水素添加法等の還
元法を採用することができる。
【0037】製造方法4;置換エポキシドを芳香族また
はヘテロ芳香族アミン誘導体で開環させ、置換アミノア
ルコールとする方法。ここで使用される置換エポキシド
としては、例えばプロピレンオキシド、 1,2−エポキシ
ブタン、 1,2−エポキシペンタン、 1,2−エポキシヘキ
サン、 1,2−エポキシオクタン、 2,3−エポキシプロピ
ルベンゼン、ブタジエンモノオキシド、スチレンオキシ
ド等を例示することができる。また、ここで使用される
芳香族またはヘテロ芳香族アミン誘導体としては、芳香
族またはヘテロ芳香族アミンの他に、芳香族またはヘテ
ロ芳香族トリメチルシリルアミン、リチウム芳香族また
はヘテロ芳香族アミド等を例示することができる。これ
ら誘導体の使用量は、通常、置換エポキシド1モルに対
して1〜20モルである。この反応は、反応系にアルミ
ナ、チタニウムテトライソプロポキシド等を存在させる
ことによって促進させることができる。この際、アルミ
ナ、チタニウムテトライソプロポキシド等の使用量は、
置換エポキシド1モルに対して、通常、1〜100 モルで
ある。なお、この反応は、通常、溶媒中で行われ、用い
る溶媒としては、該反応に不活性であれば特に限定され
ず、種々のものを使用することができるが、具体的に
は、脂肪族系または芳香族系炭化水素類、ハロゲン化炭
化水素類、エーテル類、アルコール類、ケトン類、スル
ホキシド類、アミド類等を挙げることができる。特に好
適に使用されるのは、ジエチルエーテル、ジメチルスル
ホキシド、N−メチルピロリドンおよび N,N−ジメチル
ホルムアミドである。また、この反応温度は、通常、0
〜100 ℃である。この方法は、特に1段で目的とするN
−置換アミノアルコールを得ることができる点で有利で
ある。
【0038】N−置換ヒドロキシエタン酸アミドの合成 N−置換ヒドロキシエタン酸アミドは、ヒドロキシエタ
ン酸のカルボキシル基を活性化させた後、芳香族アミン
またはヘテロ芳香族アミンと反応させる方法によって合
成することができる。ヒドロキシエタン酸のカルボキシ
ル基を活性化させる方法としては、塩化チオニル、オキ
ザリルクロリド、三塩化リン等の塩素化剤と反応させる
方法、ジシクロヘキシルカルボジイミド等の縮合剤と反
応させる方法等を挙げることができる。塩素化剤または
縮合剤の使用量は、ヒドロキシエタン酸に対して化学量
論的に等量もしくは過剰量であり、好ましくは1〜2モ
ルである。芳香族アミンとしては、例えば4−ニトロア
ニリン 2,4−ジニトロアニリン、4−シアノアニリン、
2,4−ジシアノアニリン、4−メトキシカルボニルアニ
リン等を挙げることができる。また、ヘテロ芳香族アミ
ンとしては、例えば5−ニトロ−2−アミノピリジン、
5−シアノ−2−アミノピリジン、6−ニトロ−2−ア
ミノキノリン、4−ニトロ−2−アミノチオフェン等を
挙げることができる。芳香族アミンまたはヘテロ芳香族
アミンの使用量は、ヒドロキシエタン酸に対して化学量
論的に等量もしくは過剰量であり、好ましくは1〜2モ
ルである。反応温度は、通常0〜150 ℃であり、また、
反応は溶媒の存在下で行われる。この溶媒としては、脂
肪族炭化水素類、芳香族炭化水素類、ハロゲン化炭化水
素類、エーテル類等を例示することができ、特に好適に
使用されるものは、ジエチルエーテル、ジブチルエーテ
ルおよびテトラヒドロフランである。
【0039】ヒドロキシブタン酸の合成 ヒドロキシブタン酸は、例えば次の方法によって合成す
ることができる。3−アミノ−4−ヒドロキシブタン酸
誘導体または4−アミノ−2−ヒドロキシブタン酸誘導
体のアミノ基を芳香族基またはヘテロ芳香族基で修飾す
る方法。この方法においては、芳香族またはヘテロ芳香
族環上に脱離基を有する誘導体を3−アミノ−4−ヒド
ロキシブタン酸誘導体または4−アミノ−2−ヒドロキ
シブタン酸誘導体と反応させる方法を挙げることができ
る。この脱離基としては、例えばフルオロ基、クロロ
基、ブロモ基、ヨード基、p−トルエンスルホニルオキ
シ基、メタンスルホニルオキシ基、トリフルオロメタン
スルホニルオキシ基等を例示することができ、特にクロ
ロ基およびトリフルオロメタンスルホニルオキシ基が好
適である。かかる脱離基を有する芳香族誘導体またはヘ
テロ芳香族誘導体の使用量は化学量論的等量もしくは過
剰量であり、好ましくは1〜2モルである。この反応を
完結させるためには、塩基の存在下で反応を行うことが
望ましい。この塩基としては、無機塩基類、3級アミン
類、ピリジン類等を挙げることができ、特に好適に使用
されるものは、トリエチルアミン、ピリジンおよび炭酸
カリウムである。該塩基の使用量は、通常、3−アミノ
−4−ヒドロキシブタン酸誘導体または4−アミノ−2
−ヒドロキシブタン酸誘導体に対して化学量論的に等量
もしくは過剰量であり、好ましくは1〜1.5 モルであ
る。反応温度は、通常、0〜100 ℃であり、また、反応
は溶媒の存在下で行われる。この溶媒としては、芳香族
炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類、エーテル類、アル
コール類、ケトン類、スルホキシド類、アミド類を例示
することができ、特に好適に使用されるものは、ジメチ
ルスルホキシド、N−メチルピロリドンおよび N,N−ジ
メチルホルムアミドである。
【0040】N−置換アミノ酸の合成 N−置換アミノ酸は、前述したN−置換アミノアルコー
ルの製造方法1に示した置換アミノアルコールのアミノ
基を芳香族基またはヘテロ芳香族基で修飾する方法を置
換アミノ酸に適用することによって容易に合成すること
ができる。
【0041】特定化合物の単結晶の製造 本発明の有機化合物単結晶は、以上のように得られた一
般式(1) で表される特定化合物から、以下に概略を説明
する公知の気相法、溶融法および溶液法のいずれの方法
によっても製造することができる。気相法による場合、
例えば、ガラス製試験管等に特定化合物を詰め、試験管
を封じて行なう封管法により容易に単結晶が得られる。
また、ある基板上に特定化合物の分子を積層させる方
法、いわゆるエピタキシャル法により薄膜状の単結晶を
得ることもできる。 溶融法による場合、ノルマルフリ
ージング法、ゾーンメルティング法等を適宜選択するこ
とができる。さらに、ガラスキャピラリーを利用するこ
とでファイバー状に結晶化することもできる。 溶液法
による場合、まず特定化合物を溶媒に溶解して該化合物
の飽和溶液を作製し、次に溶媒の蒸発か除冷により溶解
している特定化合物の析出を促し、単結晶を得る。この
際に、目的とする単結晶が、最長部分の長さが2〜3mm
程度以下である場合には一般に種結晶の導入は不要であ
るが、これを超える比較的大きな単結晶を得る場合には
一般に種結晶を該飽和溶液中に導入し単結晶として成長
させる。より具体的には、ある特定の温度で特定化合物
と溶媒とから飽和溶液を作り、1日程度以上放置して結
晶が析出しないことを確認した後、種結晶を1つ飽和溶
液中に導入する。ここで用いる飽和溶液は、例えば、特
定化合物を溶媒に溶解させたときの特定温度における飽
和濃度よりも30%程度過剰になるように添加し、一度温
度を上げて完全に溶解させた後温度を徐々に低下させて
先の特定温度で一定に保つ。すると、その溶液から特定
化合物の析出、沈澱が起こる。沈澱が生じてから24時間
以上経過後のその溶液から上澄み液をろ過して取り、単
結晶成長容器に移して使用する。種結晶はプラチナ線等
で溶液内に吊るしてもよいし、成長容器底あるいは成長
容器内に配置した基板上に置いてもよい。次に、1〜3
日間さらに放置して種結晶の様子を視察し、わずかに溶
けるかまたは変化しないことを確認後、溶媒の蒸発また
は溶液の冷却を行って溶液に溶解している特定化合物の
析出を促し、種結晶を成長させる。該溶液法で用いられ
る成長容器は、入れた溶液の温度制御が可能な容器が好
ましくは、例えば、温度コントロールされた循環液を流
すことができるジャケット部分を有する2重底のガラス
または金属製のフラスコが挙げられる。また、種結晶
は、例えば、次のようにして調製する。フラスコ内に結
晶成長に用いる溶媒を入れて、特定化合物を室温におけ
る飽和濃度より10〜30%程度過剰になるように加え、一
度温度を上げて完全に溶解させた後温度を徐々に下げて
室温で放置する。通常、約3日〜7日後にフラスコ中に
1mm×3mm程度の大きさの種結晶ができる。溶液法の改良1 本発明者らは、上記の溶液法による有機化合物単結晶の
製造の効率化を目的として使用する溶媒を検討した結
果、特定の溶解度の有する溶媒の使用が有利であること
を見出した。即ち、本発明によれば、特定化合物を該特
定化合物を含む溶液から晶出させる工程を有する、所謂
溶液法において、前記溶液に用いられた溶媒が、該該特
定化合物の25℃における溶解度が溶媒 100g当り1〜50
g、好ましくは10〜35gである溶媒である、有機化合物
単結晶の製造方法が提供される。かかる特定の溶解度を
有する溶媒を使用すると、溶液に溶解している特定化合
物の析出を容易に制御できることができ、適度な速度で
質の高い単結晶を得ることができる。これは、溶解度が
高すぎると単結晶表面に分子がとりこまれる速度より結
晶表面に分子が供給される速度が上回り、単位格子のず
れ等が起こりやすくなるし、逆に小さすぎると成長速度
が遅くなるからである。この方法に用いることができる
有機溶媒としては、例えば、ケトン類、エーテル類、エ
ステル類、脂肪族炭化水素類、芳香族化合物類、ハロゲ
ン化炭化水素、アルコール類、硫黄化合物類、窒素化合
物類が挙げられ、目的とする個々の特定化合物ごとに所
定の溶解度となるように溶媒を選択すればよい。溶媒は
一種単独でもよいし二種以上からなる混合溶媒でもよ
い。溶媒をさらに具体的に説明すると、ケトン類として
はアセトン、メチルエチルケトン、2−ペンタノン、3
−ペンタノン、2−ヘキサノン、2−ヘプタノン、アセ
トフェノン、シクロヘキサノン等が例示される。エーテ
ル類としては、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテ
ル、ジオキサン、テトラヒヒドロラン、ジイソブチルエ
ーテル、ジブチルエーテル、ジイソプロピルエーテル等
が例示される。エステル類としては、ギ酸エチル、ギ酸
イソプロピル、ギ酸ブチル、ギ酸イソブチル、酢酸メチ
ル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸イソ
ブチル、炭酸ジエチル等が例示される。脂肪族炭化水素
類としては、ノルマルペンタン、ノルマルヘキサン、ノ
ルマルヘプタン、ノルマルオクタン、2−メチルブタ
ン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等が例示さ
れる。芳香族炭化水素類としては、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、アニソール、フェノール、クメン、エチ
ルベンゼン等が例示される。ハロゲン化炭化水素類とし
ては、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、
1,1−ジクロロエタン、 1,2−ジクロロエタン、クロロ
ベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロエチレン、テ
トラエチレン、 1,2−ジブロモエタン、ブロモベンゼン
等が例示される。アルコール類としては、メタノール、
エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1
−ブタノール、2−ブタノール、1−ペンタノール、イ
ソブチルアルコール、2−メトキシエタノール、シクロ
ヘキサノール等が例示される。硫黄含有溶媒としては、
ジメチルスルホキシド等が例示される。窒素含有溶媒と
しては、アセトニトリル等が例示される。上記の溶媒を
一種単独で使用する場合には、これらの中でも、アセト
ン、メチルエチルケトン、アセトフェノン、ジエチルエ
ーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ギ酸エチ
ル、酢酸メチル、酢酸エチル、ベンゼン、トルエン、ジ
クロロメタン、 1,1−ジクロロエタン 1,2−ジクロロエ
タン、メタノール、エタノール等が好ましい。また、2
種の溶媒からなる混合溶媒を使用する場合には、好まし
い組合せとして、ケトン類とエステル類、ケトン類とハ
ロゲン化炭化水素類、ケトン類と芳香族炭化水素類、ケ
トン類とアルコール類、ハロゲン化炭化水素類とエステ
ル類、ハロゲン化炭化水素類と芳香族炭化水素類、ハロ
ゲン化炭化水素類とアルコール類、エステル類と芳香族
炭化水素類、エステル類とアルコール類等が挙げられ
る。さらに具体的には、アセトンと酢酸エチル、アセト
ンとジクロロメタン、アセトンと 1,2−ジクロロエタ
ン、アセトンとベンゼン、アセトンとエタノール、酢酸
エチルとベンゼン、酢酸エチルとジクロロメタン、酢酸
エチルと 1,2−ジクロロエタン、酢酸エチルとエタノー
ル、ベンゼンとジクロロメタン、ベンゼンと 1,2−ジク
ロロエタン、ジクロロメタンとエタノール、 1,2−ジク
ロロエタンとエタノール等の組合せが挙げられる。3種
の溶媒からなる混合溶媒としては、ケトン類とエステル
類とハロゲン化炭化水素類、ケトン類とエステル類と芳
香族化合物類、ケトン類とハロゲン化炭化水素類と芳香
族化合物類、エステル類とハロゲン化炭化水素と芳香族
化合物類等の組合せが例示される。これらの中でも好ま
しい組合せは、アセトンと酢酸エチルとジクロロメタ
ン、アセトンと酢酸エチルと1,2−ジクロロエタン、ア
セトンと酢酸エチルとベンゼン、アセトンとジクロロメ
タンとベンゼン、アセトンと 1,2−ジクロロエタンとベ
ンゼン、酢酸エチルとジクロロメタンとベンゼン、酢酸
エチルと 1,2−ジクロロエタンとベンゼン等である。二
種以上の溶媒からなる混合溶媒を使用する場合の溶媒組
成は、いずれの構成溶媒の含有量も1容量%以上、さら
には10容量%以上であることが好ましい。溶液法の改良2 溶液法では使用される溶媒によって単結晶の晶癖が決定
される。本発明者らは、溶液法を実施する際に特定の条
件を満たす2種以上の溶媒からなる混合溶媒を使用する
と、厚みがあり、波長変換素子等に利用する上で加工に
適した形状の有機化合物単結晶が得られることを見出し
た。即ち、本発明によれば、特定化合物を該特定化合物
を含む溶液から晶出させる工程を有する、特定化合物の
単結晶を製造する方法において、前記溶液に用いられた
溶媒が、一種単独で溶媒として使用された場合に得られ
る結晶の晶癖が相互に異なる2種以上の溶媒の混合溶媒
である、有機化合物単結晶の製造方法が提供される。こ
こで言う晶癖とは結晶の外形を意味する。上記の方法に
使用する2種以上の溶媒の組合せの好ましい例として
は、ケトン類とエステル類、ケトン類とハロゲン化炭化
水素類、ケトン類と芳香族炭化水素類、ハロゲン化炭化
水素類とエステル類、ハロゲン化炭化水素類と芳香族炭
化水素類、エステル類と芳香族炭化水素類等が挙げられ
る。特に好適な溶媒の組合せとしては、例えば、アセト
ンと酢酸エチル、アセトンとジクロロメタン、アセトン
と 1,2−ジクロロエタン、アセトンとベンゼン、酢酸エ
チルとベンゼン、ジクロロメタンと酢酸エチル、 1,2−
ジクロロエタンと酢酸エチル、 1,2−ジクロロエタンと
ベンゼン、ジクロロメタンとベンゼン等が挙げられる。
2種以上の溶媒を組み合わせる際の混合比は、いずれの
構成溶媒の割合も5容量%以上、さらには20容量%以上
であることが好ましい。
【0042】上記のようにして得られた結晶は、非線形
光学素子として好適に利用することができる。この際、
結晶表面の一部もしくは全体を被覆保護してもよい。こ
の目的のために使用される被覆材料としては、ガラス等
の無機化合物、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリ
レート、ポリプロピレン、セルロースアセテート、ポリ
スチレン、アクリロニトリルーポリスチレン共重合体、
ポリエチレングリコールビスアリルカーボネート、ポリ
ビニルアルコール、ポリエチレンテレフタレート、ポリ
塩化ビニル、ポリスルホン、ポリイミド等の有機化合物
を挙げることができる。さらに屈折率整合をとる目的
で、該結晶を流動パラフィン、各種シリコンオイル、フ
ッ素系オイル等の結晶の表面に対して不活性な媒体に浸
漬して用いることができる。さらに、該結晶の表面に、
例えば、米国特許 3,330,681号明細書、特公昭56−1548
1 号公報、特開昭58−670701号公報、特公昭55−40631
号公報等に開示されている方法によって、無反射コーテ
ィング等の被膜相を設けることもできる。また結晶全体
を不活性媒体等により冷却、もしくは加熱して用いても
よい。この不活性媒体としては、各種シリコンオイル、
フッ素系オイル等を挙げることができる。
【0043】
【実施例】合成例1 3−(5−ニトロ−2−ピリジニル)−4−メチル−2
−オキサゾリジノンの合成 アラニン30gを無水テトラヒドロフラン 150gに溶解さ
せ、これに三フッ化ホウ素エチルエーテル35.0gを加
え、乾燥窒素雰囲気下に60℃で1時間攪拌を行なった。
この溶液に、10Mボラン−ジメチルスルフィド錯体のジ
メチルスルフィド溶液36.3gを30分かけて滴下し、加熱
還流下で2時間反応させた。次いで、6N水酸化ナトリ
ウム水溶液 150gを加えて反応を停止させ、テトラヒド
ロフランにより生成物の抽出を行った。その後、有機層
を無水炭酸カリウムで乾燥した後、溶媒の除去を行い、
残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製
し、アラニノール18.1gを得た。このようにして得たア
ラニノール18.1gを、トリエチルアミン29.3gおよびN
−メチル−2−ピロリドン80mlに溶解させた。次いで、
5−ニトロ−2−クロロピリジン42.2gをN−メチル−
2−ピロリドン 100mlに溶解させた溶液に、上記で調製
された溶液を滴下し、室温で12時間反応させた。2N塩
酸水溶液を加えて反応液のpHを4付近にしたのち、反
応液に水 500gを加え、酢酸エチルを用いて生成物を抽
出した。その後、有機層を水、次いで飽和食塩水で洗浄
し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を除去し
た。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ーによりジクロロメタンと酢酸エチルの混合溶媒(容量
比=5:1)を展開溶媒として精製し、回収した黄色固
形物をさらに酢酸エチルを用いて再結晶することによ
り、2−(5−ニトロ−2−ピリジニル)アミノ−1−
プロパノール40.0gを得た。上記で得られた2−(5−
ニトロ−2−ピリジニル)アミノ−1−プロパノール4
0.0gをテトラヒドロフラン 100gに溶解させた溶液を
氷冷下攪拌したところに、クロロギ酸トリクロロメチル
44.2gと活性炭との反応により発生させたホスゲンを冷
却し液化したものを滴下した。そして15分間反応させた
後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液 300gを加え、酢酸
エチルで生成物を抽出した。得られた残渣をシリカゲル
カラムクロマトグラフィーによりジクロロメタンを展開
溶媒として精製し、回収した淡黄色固形物をさらに酢酸
エチルを用いて再結晶することにより、結晶粉末33.6g
を得た。このものは、赤外吸収スペクトル(図1に示
す)および核磁気共鳴スペクトル(図2に示す)から3
−(5−ニトロ−2−ピリジニル)−4−メチル−2−
オキサゾリジノンと同定された。
【0044】合成例2 3−(5−ニトロ−2−ピリジニル)−4−エチル−2
−オキサゾリジノンの合成 合成例1で、アラニン30gの代わりにホモアラニン30.3
gを使用し、三フッ化ホウ素エチルエーテルの使用量を
30.5gならびに10Mボラン−ジメチルスルフイド錯体の
ジメチルスルフイド溶液の使用量を32.3gとした以外
は、合成例1と同様の操作を行い、ホモアラニノール2
0.0gを得た。得られたホモアラニノール20.0gを、ト
リエチルアミン27.3gおよびN−メチル−2−ピロリド
ン80mlに溶解させた。次いで5−ニトロ−2−クロロピ
リジン39.1gをN−メチル−2−ピロリドン100mlに溶
解させた溶液に、上記で調製された溶液を滴下し、室温
で12時間反応させた。その後、2N塩酸水溶液を加えて
反応液のpHを4付近にしたのち、反応液に水 500gを
加え、酢酸エチルを用いて生成物を抽出し、有機層を
水、次いで飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウム
で乾燥した後、溶媒を除去した。得られた残渣をシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィーによりジクロロメタンと
酢酸エチルの混合溶媒(容量比=5:1)を展開溶媒と
して精製し、回収した黄色固形物をさらに酢酸エチルを
用いて再結晶することにより、2−(5−ニトロ−2−
ピリジニル)アミノ−1−ブタノール37.6gを得た。上
記で得られた2−(5−ニトロ−2−ピリジニル)アミ
ノ−1−ブタノール37.6gをテトラヒドロフラン 150g
に溶解させた溶液を氷冷下攪拌したところに、クロロギ
酸トリクロロメチル38.7gと活性炭との反応により発生
させたホスゲンを冷却し液化したものを滴下した。そし
て15分間反応させた後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液
300gを加え、酢酸エチルで生成物を抽出した。得られ
た残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによりジ
クロロメタンを展開溶媒として精製し、回収した淡黄色
固形物をさらに酢酸エチルを用いて再結晶することによ
り、結晶粉末32.8gを得た。このものは、赤外吸収スペ
クトル(図3に示す)および核磁気共鳴スペクトル(図
4に示す)から3−(5−ニトロ−2−ピリジニル)−
4−エチル−2−オキサゾリジノンと同定された。
【0045】合成例3 3−(5−ニトロ−2−ピリジニル)−4−イソプロピ
ル−2−オキサゾリジノンの合成 合成例1で、アラニン30gの代わりにバリン32.4gを使
用し、三フッ化ホウ素エチルエーテルの使用量を28.7
g、ならびに10Mボラン−ジメチルスルフィド錯体のジ
メチルスルフィド溶液の使用量を29.8gとした以外は、
合成例1と同様の操作を行い、バリノール20gを得た。
得られたバリノール20gを、トリエチルアミン23.6gお
よびN−メチル−2−ピロリドン80mlに溶解させた。次
いで5−ニトロ−2−クロロピリジン33.8gをN−メチ
ル−2−ピロリドン100mlに溶解させた溶液に、上記で
調製された溶液を滴下し、室温で12時間反応させた。そ
の後、2N塩酸水溶液を加えて反応液のpHを4付近に
したのち、反応液に水 500gを加え、酢酸エチルを用い
て生成物を抽出し、有機層を水、次いで飽和食塩水で洗
浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を除去
した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィーによりジクロロメタンと酢酸エチルの混合溶媒(容
量比=5:1)を展開溶媒として精製し、回収した黄色
固形物をさらに酢酸エチルを用いて再結晶することによ
り、2−(5−ニトロ−2−ピリジニル)アミノ−3−
メチル−1−ブタノール34.8gを得た。上記で得られた
2−(5−ニトロ−2−ピリジニル)アミノ−3−メチ
ル−1−ブタノール34.8gをテトラヒドロフラン 150g
に溶解させた溶液を氷冷下攪拌したところに、クロロギ
酸トリクロロメチル33.6gと活性炭との反応により発生
させたホスゲンを冷却し液化したものを滴下した。そし
て15分間反応させた後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液
300gを加え、酢酸エチルで生成物を抽出した。得られ
た残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによりジ
クロロメタンを展開溶媒として精製し、回収した淡黄色
固形物をさらに酢酸エチルを用いて再結晶することによ
り、結晶粉末31.1gを得た。このものは、赤外吸収スペ
クトル(図5に示す)および核磁気共鳴スペクトル(図
6に示す)から3−(5−ニトロ−2−ピリジニル)−
4−イソプロピル−2−オキサゾリジノンと同定され
た。
【0046】合成例4 3−(5−ニトロ−2−ピリジニル)−4−イソブチル
−2−オキサゾリジノンの合成 合成例1で、アラニン30gの代わりにロイシン32.0gを
使用し、三フッ化ホウ素エチルエーテルの使用量を25.5
g、ならびに10Mボラン−ジメチルスルフィド錯体のジ
メチルスルフィド溶液の使用量を26.5gとした以外は、
合成例1と同様の操作を行い、ロイシノール20gを得
た。得られたロイシノール20gを、トリエチルアミン2
0.7gおよびN−メチル−2−ピロリドン80mlに溶解さ
せた。次いで5−ニトロ−2−クロロピリジン29.8gを
N−メチル−2−ピロリドン 100mlに溶解させた溶液
に、上記で調製された溶液を滴下し、室温で12時間反応
させた。その後、2N塩酸水溶液を加えて反応液のpH
を4付近にしたのち、反応液に水 500gを加え、酢酸エ
チルを用いて生成物を抽出し、有機層を水、次いで飽和
食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、
溶媒を除去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィーによりジクロロメタンと酢酸エチルの混
合溶媒(容量比=5:1)を展開溶媒として精製し、回
収した黄色固形物をさらに酢酸エチルを用いて再結晶す
ることにより、2−(5−ニトロ−2−ピリジニル)ア
ミノ−4−メチル−1−ペンタノール29.2gを得た。上
記で得られた2−(5−ニトロ−2−ピリジニル)アミ
ノ−4−メチル−1−ペンタノール29.2gをテトラヒド
ロフラン 150gに溶解させた溶液を氷冷下攪拌したとこ
ろに、クロロギ酸トリクロロメチル26.6gと活性炭との
反応により発生させたホスゲンを冷却し液化したものを
滴下した。そして15分間反応させた後、飽和炭酸水素ナ
トリウム水溶液 300gを加え、酢酸エチルで生成物を抽
出した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィーによりジクロロメタンを展開溶媒として精製し、
回収した淡黄色固形物をさらに酢酸エチルを用いて再結
晶することにより、結晶粉末25.9gを得た。このもの
は、赤外吸収スペクトル(図7に示す)および核磁気共
鳴スペクトル(図8に示す)から3−(5−ニトロ−2
−ピリジニル)−4−イソブチル−2−オキサゾリジノ
ンと同定された。
【0047】合成例5 3−(5−ニトロ−2−ピリジニル)−4− sec−ブチ
ル−2−オキサゾリジノンの合成 合成例4で、ロイシン32.0gの代わりにイソロイシン3
2.0gを使用した以外は、合成例4と同様の操作を行
い、イソロイシノール20gを得た。得られたイソロイシ
ノール20gを、トリエチルアミン20.7gおよびN−メチ
ル−2−ピロリドン80mlに溶解させた。次いで、5−ニ
トロ−2−クロロピリジン29.8gをN−メチル−2−ピ
ロリドン 100mlに溶解させた溶液に、上記で調製された
溶液を滴下し、室温で12時間反応させた。その後、2N
塩酸水溶液を加えて反応液のpHを4付近にしたのち、
反応液に水 500gを加え、酢酸エチルを用いて生成物を
抽出し、有機層を水、次いで飽和食塩水で洗浄し、無水
硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を除去した。得ら
れた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより
ジクロロメタンと酢酸エチルの混合溶媒(容量比=5:
1)を展開溶媒として精製し、回収した黄色固形物をさ
らに酢酸エチルを用いて再結晶することにより、2−
(5−ニトロ−2−ピリジニル)アミノ−3−メチル−
1−ペンタノール31.6gを得た。上記で得られた2−
(5−ニトロ−2−ピリジニル)アミノ−3−メチル−
1−ペンタノール31.6gをテトラヒドロフラン 150gに
溶解させた溶液を氷冷下攪拌したところに、クロロギ酸
トリクロロメチル28.8gと活性炭との反応により発生さ
せたホスゲンを冷却し液化したものを滴下した。そして
15分間反応させた後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液 3
00gを加え、酢酸エチルで生成物を抽出した。得られた
残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによりジク
ロロメタンを展開溶媒として精製し、回収した淡黄色固
形物をさらに酢酸エチルを用いて再結晶することによ
り、結晶粉末27.4gを得た。このものは、赤外吸収スペ
クトル(図9に示す)および核磁気共鳴スペクトル(図
10に示す)から3−(5−ニトロ−2−ピリジニル)−
4− sec−ブチル−2−オキサゾリジノンと同定され
た。
【0048】合成例6 3−(5−ニトロ−2−ピリジニル)−4−フェニル−
2−オキサゾリジノンの合成 合成例1で、アラニン30gの代わりにα−フェニルグリ
シン31.5gを使用し、三フッ化ホウ素エチルエーテルの
使用量を22.1g、ならびに10Mボラン−ジメチルスルフ
ィド錯体のジメチルスルフィド溶液の使用量を23.0gと
した以外は、合成例1と同様の操作を行い、α−フェニ
ルグリシノール20gを得た。得られたα−フェニルグリ
シノール20gを、トリエチルアミン17.7gおよびN−メ
チル−2−ピロリドン80mlに溶解させた。次いで5−ニ
トロ−2−クロロピリジン25.4gをN−メチル−2−ピ
ロリドン 100mlに溶解させた溶液に、上記で調製された
溶液を滴下し、室温で12時間反応させた。その後、2N
塩酸水溶液を加えて反応液のpHを4付近にしたのち、
反応液に水 500gを加え、酢酸エチルを用いて生成物を
抽出し、有機層を水、次いで飽和食塩水で洗浄し、無水
硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を除去した。得ら
れた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより
ジクロロメタンと酢酸エチルの混合溶媒(容量比=5:
1)を展開溶媒として精製し、回収した黄色固形物をさ
らに酢酸エチルを用いて再結晶することにより、2−
(5−ニトロ−2−ピリジニル)アミノ−2−フェニル
−1−エタノール22.6gを得た。上記で得られた2−
(5−ニトロ−2−ピリジニル)アミノ−2−フェニル
−1−エタノール22.6gをテトラヒドロフラン 150gに
溶解させた溶液を氷冷下攪拌したところに、クロロギ酸
トリクロロメチル18.9gと活性炭との反応により発生さ
せたホスゲンを冷却し液化したものを滴下した。そして
15分間反応させた後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液 3
00gを加え、酢酸エチルで生成物を抽出した。得られた
残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによりジク
ロロメタンを展開溶媒として精製し、回収した淡黄色固
形物をさらに酢酸エチルを用いて再結晶することによ
り、結晶粉末18.8gを得た。このものは、赤外吸収スペ
クトル(図11に示す)および核磁気共鳴スペクトル(図
12に示す)から3−(5−ニトロ−2−ピリジニル)−
4−フェニル−2−オキサゾリジノンと同定された。
【0049】合成例7 3−(5−ニトロ−2−ピリジニル)−4−ベンジル−
2−オキサゾリジノンの合成 合成例1で、アラニン30gの代わりにフェニルアラニン
31.2gを使用し、三フッ化ホウ素エチルエーテルの使用
量を20.0g、ならびに10Mボラン−ジメチルスルフィド
錯体のジメチルスルフィド溶液の使用量を20.7gとした
以外は、合成例1と同様の操作を行い、フェニルアラニ
ノール20gを得た。得られたフェニルアラニノール20g
を、トリエチルアミン16.1gおよびN−メチル−2−ピ
ロリドン80mlに溶解させた。次いで5−ニトロ−2−ク
ロロピリジン23.1gをN−メチル−2−ピロリドン 100
mlに溶解させた溶液に、上記で調製された溶液を滴下
し、室温で12時間反応させた。2N塩酸水溶液を加えて
反応液のpHを4付近にしたのち、反応液に水 500gを
加え、酢酸エチルを用いて生成物を抽出し、有機層を
水、次いで飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウム
で乾燥した後、溶媒を除去した。得られた残渣をシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィーによりジクロロメタンと
酢酸エチルの混合溶媒(容量比=5:1)を展開溶媒と
して精製し、回収した黄色固形物をさらに酢酸エチルを
用いて再結晶することにより、2−(5−ニトロ−2−
ピリジニル)アミノ−2−フェニル−1−プロパノール
27.9gを得た。上記で得られた2−(5−ニトロ−2−
ピリジニル)アミノ−2−フェニル−1−プロパノール
27.9gをテトラヒドロフラン 150gに溶解させた溶液を
氷冷下攪拌したところに、クロロギ酸トリクロロメチル
22.2gと活性炭との反応により発生させたホスゲンを冷
却し液化したものを滴下した。そして15分間反応させた
後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液 300gを加え、酢酸
エチルで生成物を抽出した。得られた残渣をシリカゲル
カラムクロマトグラフィーによりジクロロメタンを展開
溶媒として精製し、回収した淡黄色固形物をさらに酢酸
エチルを用いて再結晶することにより、結晶粉末25.1g
を得た。このものは、赤外吸収スペクトル(図13に示
す)および核磁気共鳴スペクトル(図14に示す)から3
−(5−ニトロ−2−ピリジニル)−4−ベンジル−2
−オキサゾリジノンと同定された。
【0050】合成例8 3−(5−ニトロ−2−ピリジニル)−4−ベンジルチ
オメチル−2−オキサゾリジノンの合成 合成例1で、アラニン30gの代わりにS−ベンジルシス
テイン30.6gを使用し、三フッ化ホウ素エチルエーテル
の使用量を15.4g、ならびに10Mボラン−ジメチルスル
フィド錯体のジメチルスルフィド溶液の使用量を16.0g
とした以外は、合成例1と同様の操作を行い、S−ベン
ジルシステイノール20gを得た。得られたS−ベンジル
システイノール20gを、トリエチルアミン12.3gおよび
N−メチル−2−ピロリドン80mlに溶解させた。次いで
5−ニトロ−2−クロロピリジン17.7gをN−メチル−
2−ピロリドン 100mlに溶解させた溶液に、上記で調製
された溶液を滴下し、室温で12時間反応させた。2N塩
酸水溶液を加えて反応液のpHを4付近にしたのち、反
応液に水 500gを加え、酢酸エチルを用いて生成物を抽
出し、有機層を水、次いで飽和食塩水で洗浄し、無水硫
酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を除去した。得られ
た残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによりジ
クロロメタンと酢酸エチルの混合溶媒(容量比=5:
1)を展開溶媒として精製し、回収した黄色固形物をさ
らに酢酸エチルを用いて再結晶することにより、2−
(5−ニトロ−2−ピリジニル)アミノ−3−ベンジル
チオ−1−プロパノール29.6gを得た。上記で得られた
2−(5−ニトロ−2−ピリジニル)アミノ−3−ベン
ジルチオ−1−プロパノール29.6gをテトラヒドロフラ
ン 150gに溶解させた溶液を氷冷下攪拌したところに、
クロロギ酸トリクロロメチル20.2gと活性炭との反応に
より発生させたホスゲンを冷却し液化したものを滴下し
た。そして15分間反応させた後、飽和炭酸水素ナトリウ
ム水溶液 300gを加え、酢酸エチルで生成物を抽出し
た。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ーによりジクロロメタンを展開溶媒として精製し、回収
した淡黄色固形物をさらに酢酸エチルを用いて再結晶す
ることにより、結晶粉末23.8gを得た。このものは、赤
外吸収スペクトル(図15に示す)および核磁気共鳴スペ
クトル(図16に示す)から3−(5−ニトロ−2−ピリ
ジニル)−4−ベンジルチオメチル−2−オキサゾリジ
ノンと同定された。
【0051】実施例1 3−(5−ニトロ−2−ピリジニル)−4−イソプロピ
ル−2−オキサゾリジノンの気相法による単結晶製造 図17に示すように、内径28mmの試験管1の底に、試料2
として合成例3で得られた3−(5−ニトロ−2−ピリ
ジニル)−4−イソプロピル−2−オキサゾリジノン
(IPNPOと略記する)を0.24g入れた。試験管内を
窒素置換後、減圧しながら上端3をバーナーで封じた。
マントルヒーター4に試験管1を立て、隙間にガラスウ
ール等の断熱材5を詰めた。試験管外壁を熱電対6で測
定して 120℃に保ちながら3日間放置したところ、試験
管内壁に多数の針状結晶7が得られた。結晶は、最大で
10mm×1mm× 0.1mmであった。偏光顕微鏡下の観察によ
り、互いに平行な大きさ10mm×1mmの一対の面を有し、
75%という良好な透過率を有する良質の単結晶であるこ
とが確認された。実施例2 3−(5−ニトロ−2−ピリジニル)−4−イソブチル
−2−オキサゾリジノンの気相法による単結晶製造 原料化合物を合成例4で得られた3−(5−ニトロ−2
−ピリジニル)−4−イソブチル−2−オキサゾリジノ
ン(以下、IBNPOと略記する) 0.1gに変え、 120
℃での保温時間を4日間に変更した以外は実施例1と同
様にして単結晶の製造を行った。試験管内壁に多数の針
状結晶が得られた。結晶は、最大で7mm×1mm× 0.1mm
であった。偏光顕微鏡下の観察により、互いに平行な大
きさ7mm×1mmの一対の面を有し、70%という良好な透
過率を有する良質の単結晶であることが確認された。
【0052】実施例3 3−(5−ニトロ−2−ピリジニル)−4−イソブチル
−2−オキサゾリジノンの溶融法による結晶製造 図18に示すように、長さ約25m 、外径15mm、内径12mmで
一端を細くキャピラリー状に引いてあり、キャピラリー
先端8を封じてあるガラス管9に試料10として合成例4
で得られたIBNPOを 2.3g入れた。ガラス管9内の
IBNPOを 130℃で加熱し溶解した状態で内部を窒素
置換後、減圧しながらキャピラリー側10とは反対の先端
部分11をバーナーで封じた。室温中で、ガラス管内のI
BNPOを固化させた後、第18図に示すガラス製ブリッ
ジマン炉12内にステンレスワイヤ13で、モータ14によっ
て昇降自在な状態で吊るした。この炉内には、ヒータ15
によりIBNPOの融点よりも約3℃前後高温な部分と
低温な部分が帯状に分布している。ガラス管9のキャピ
ラリー側の先端8をブリッジマン炉の最高温部分の高さ
に調節し、キャピラリー内部のIBNPOが融解したの
を確認後、 3.2cm/日の速度でガラス管を降下させた。
2日後、降下を止めガラス管を引き上げた。ガラス管を
ダイヤモンドソーで切削しIBNPO固体を取り出し、
(201)面に平行に劈開させたところ、12mm×10mm×3mm
の大きさの良好な結晶が得られた。偏光顕微鏡下の観察
により、互いに平行な大きさ10mm×3mmの一対の面を有
し、良好な透過性を有する良質の単結晶であることが確
認された。
【0053】実施例4 IPNPOの溶液法による結晶製造 まず、合成例3で得られ、充分に精製したIPNPO粉
末5gと、充分に精製した酢酸エチル50mlをフラスコに
入れ、この液の温度を40℃に上げIPNPOを完全に溶
解させた。IPNPOの酢酸エチルに対する25℃におけ
る溶解度を測定したところ 2.1g/ 100gであった。次
に溶液の温度を25℃に下げIPNPOを析出させ、その
沈澱溶液の上澄みをフィルターでろ過後図19のガラス製
成長容器16に移した。図19に示すガラス製成長容器16
は、容器内に入れた液体17の温度を制御できるように外
周に液体を矢印18a, 18bで示すように流通可能なジャ
ケット18が設けられ、使用中にはガラス製の蓋19を冠す
ることができる。この成長容器16に移した上記の上澄み
液(液体17)を40℃に上げ1時間以上保ち結晶胚種を完
全に溶解させた後、25℃に下げそのまま1日温度を保っ
た。この溶液17に、約1mm×2mmの大きさの薄片状の種
結晶20を入れて結晶成長を開始した。1日約 0.1℃の速
度で温度を下げることで溶液中のIPNPOの析出を促
し、種結晶を成長させた。10日後10mm×3mm× 0.5mmの
無色透明な大変良質の単結晶を得た。これは、切削、研
磨等の加工が充分可能な大きさ、形である。偏光顕微鏡
下の観察により、互いに平行な大きさ10mm×3mmの一対
の面を有し、良好な透過性を有する良質の単結晶である
ことが確認された。
【0054】実施例5 IBNPOの溶液法による結晶製造 まず、合成例4で得られ、充分に精製したIBNPO粉
末10gと、充分に精製したアセトン25mlと 1,2−ジクロ
ロエタン25mlとの混合溶媒をフラスコに入れ、この液の
温度を40℃に上げてIBNPOを完全に溶解させた。I
BNPOの該混合溶媒に対する、25℃における溶解度を
測定したところ16g/ 100g溶媒であった。次に得られ
た溶液の温度を25℃に下げIBNPOを析出させ、その
沈澱溶液の上澄みをフィルターでろ過後図19のガラス製
成長容器16に移した。この成長容器16に移した上記の上
澄み液(液体17)を40℃に上げ1時間以上保ち結晶胚種
を完全に溶解させた後、25℃に下げその温度に1日保っ
た。次に、該溶液17に、約1mm× 1.5mmの大きさの種結
晶20を入れて結晶成長を開始させた。実施例4と同様に
約 0.1℃/日の速度で溶液の温度を下げ、溶液内の析出
を促し種結晶を成長させたところ、25日後12mm×7mm×
1.5mmの無色透明で大変良質な単結晶が得られた。これ
は、切削、研磨等の加工が充分可能な大きさ、形であ
る。偏光顕微鏡下の観察により、互いに平行な大きさ12
mm×7mmの一対の面を有し、良好な透過性を有する良質
の単結晶であることが確認された。実施例6 溶液法による結晶製造 出発材料として、合成例1、2、5〜8で得られたいず
れかの特定化合物を使用した以外は実施例4と同様にし
て溶液法により単結晶を製造した。得られた単結晶はい
ずれも実質的に平行で光学的に平滑な面を一対以上有す
るもので、しかも切削、研磨等の加工が充分可能な大き
さ、形であった。
【0055】実験例1 IPNPO結晶とIBNPO結晶のX線構造解析 実施例1および実施例2により得られた針状結晶の4軸
X線解析を行ったところ、IPNPO結晶は、空間群P
1 :格子定数はa= 5.552Å、b= 9.905Å、c=1
0.749Å、Z=2、β= 102°であった。また、IBN
PO結晶は、空間群P21 :格子定数はa= 5.232Å、
b=10.130Å、c=12.571Å、Z=2、β= 100°であ
った。いずれの単結晶も非中心対称な構造を有し、2次
の非線形特性を発現できる可能性を有することが分かっ
た。
【0056】実験例2 実施例3において溶融法により得られたIBNPO結晶
の (201)面に垂直方向の透過スペクトルを図20に示す。
また実施例5において溶液法より得られたIBNPO結
晶の (201)面に垂直方向の透過スペクトルを図21に示
す。図20および図21よりIBNPO結晶が高い透過率を
有し、カットオフ波長が 400nm近傍であることが分か
る。
【0057】実験例3 実施例5において得られたIBNPO結晶20を図22に示
す。図22から明らかなようにこの結晶20は互いに平行な
一対の (201)面を有する。Nd:YAGレーザーによる
1.064μm レーザー光21を図22に示すように (201)面に
垂直な直線に対して43.6°に入射したところで、タイプ
1位相整合した第2高調波 0.532μm の強力なグリーン
光22を得ることができた。出射角度は、 (201)面に垂直
な直線に対して45.8°であった。実験例2および3なら
びに本実験例よりIBNPO結晶が、互いに平行で光学
的に十分平滑である1対の面を有し、かつ優れた非線形
特性を有することが分かった。
【0058】
【発明の効果】本発明の有機化合物単結晶は、高い非線
形光学特性を有しかつ従来の有機非線形光学結晶よりカ
ットオフ波長が短波長である。さらに、光学的に平滑な
面を1対以上有しているので例えば波長変換素子等の製
造に好適である。また、本発明の有機化合物単結晶の製
造法によれば、光学的に良質な単結晶を効率的に得るこ
とができる。また、波長変換素子等の製造に有利な晶癖
を有する単結晶を容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】合成例1で製造された3−(5−ニトロ−2−
ピリジニル)−4−メチル−2−オキサゾリジノンの赤
外吸収スペクトルを示す図。
【図2】合成例1で製造された3−(5−ニトロ−2−
ピリジニル)−4−メチル−2−オキサゾリジノンの核
磁気共鳴スペクトルを示す図。
【図3】合成例2で製造された3−(5−ニトロ−2−
ピリジニル)−4−エチル−2−オキサゾリジノンの赤
外吸収スペクトルを示す図。
【図4】合成例2で製造された3−(5−ニトロ−2−
ピリジニル)−4−エチル−2−オキサゾリジノンの核
磁気共鳴スペクトルを示す図。
【図5】合成例3で製造された3−(5−ニトロ−2−
ピリジニル)−4−イソプロピル−2−オキサゾリジノ
ンの赤外吸収スペクトルを示す図。
【図6】合成例3で製造された3−(5−ニトロ−2−
ピリジニル)−4−イソプロピル−2−オキサゾリジノ
ンの核磁気共鳴スペクトルを示す図。
【図7】合成例4で製造された3−(5−ニトロ−2−
ピリジニル)−4−イソブチル−2−オキサゾリジノン
の赤外吸収スペクトルを示す図。
【図8】合成例4で製造された3−(5−ニトロ−2−
ピリジニル)−4−イソブチル−2−オキサゾリジノン
の核磁気共鳴スペクトルを示す図。
【図9】合成例5で製造された3−(5−ニトロ−2−
ピリジニル)−4− sec−ブチル−2−オキサゾリジノ
ンの赤外吸収スペクトルを示す図。
【図10】合成例5で製造された3−(5−ニトロ−2
−ピリジニル)−4− sec−ブチル−2−オキサゾリジ
ノンの核磁気共鳴スペクトルを示す図。
【図11】合成例6で製造された3−(5−ニトロ−2
−ピリジニル)−4−フェニル−2−オキサゾリジノン
の赤外吸収スペクトルを示す図。
【図12】合成例6で製造された3−(5−ニトロ−2
−ピリジニル)−4−フェニル−2−オキサゾリジノン
の核磁気共鳴スペクトルを示す図。
【図13】合成例7で製造された3−(5−ニトロ−2
−ピリジニル)−4−ベンジル−2−オキサゾリジノン
の赤外吸収スペクトルを示す図。
【図14】合成例7で製造された3−(5−ニトロ−2
−ピリジニル)−4−ベンジル−2−オキサゾリジノン
の核磁気共鳴スペクトルを示す図。
【図15】合成例8で製造された3−(5−ニトロ−2
−ピリジニル)−4−ベンジルチオメチル−2−オキサ
ゾリジノンの赤外吸収スペクトルを示す図。
【図16】合成例8で製造された3−(5−ニトロ−2
−ピリジニル)−4−ベンジルチオメチル−2−オキサ
ゾリジノンの核磁気共鳴スペクトルを示す図。
【図17】実施例1および実施例2で使用した気相法に
よる結晶製造装置を縦断面にて示した概念図。
【図18】実施例3で使用した溶融法による結晶製造装
置ブリッジマン炉を縦断面にして示した概念図。
【図19】実施例4で使用した溶液法による結晶製造用
のガラス製成長容器を縦断面にて示した概念図。
【図20】実験例2で測定された、本発明のIBNPO
単結晶の透過スペクトルを示す図。
【図21】実験例2で測定された、本発明のIBNPO
単結晶の透過スペクトルを示す図。
【図22】実験例3で測定された、本発明のIBNPO
単結晶に 1.064μm のレーザー光を入射した際の第2高
調波発生を示す図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07D 413/04 8829−4C C09K 9/02 Z 7188−4H G02F 1/35 504 8106−2K

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1): 【化1】 〔式中、X,YおよびZは、それぞれ炭素原子、酸素原
    子、硫黄原子または窒素原子を表し、酸素原子を除く他
    の原子は、水素原子または1価もしくは2価の置換基を
    有していてもよく、 Arは、芳香族性基を示し、その環上に置換基を有してい
    てもよい〕で表される化合物からなり、かつ実質的に互
    いに平行で光学的に平滑な面を一対以上有する有機化合
    物単結晶。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の化合物を該化合物を含
    む溶液から晶出させる工程を有する、請求項1に記載の
    有機化合物単結晶を製造する方法において、前記溶液に
    用いられた溶媒が、該化合物の25℃における溶解度が溶
    媒 100g当り1〜50gである溶媒であることを特徴とす
    る有機化合物単結晶の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の化合物を該化合物を含
    む溶液から晶出させる工程を有する、請求項1に記載の
    有機化合物単結晶を製造する方法において、前記溶液に
    用いられた溶媒が、一種単独で溶媒として使用された場
    合に得られる結晶の晶癖が相互に異なる2種以上の溶媒
    の混合溶媒であることを特徴とする有機化合物単結晶の
    製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008518032A (ja) * 2004-10-26 2008-05-29 シグマ−アルドリッチ・カンパニー アミノ酸n−カルボキシ無水物の合成

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