JPH0657116B2 - 安定な泡沫含有油中水型乳化組成物の製造法 - Google Patents

安定な泡沫含有油中水型乳化組成物の製造法

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JPH0657116B2
JPH0657116B2 JP61026935A JP2693586A JPH0657116B2 JP H0657116 B2 JPH0657116 B2 JP H0657116B2 JP 61026935 A JP61026935 A JP 61026935A JP 2693586 A JP2693586 A JP 2693586A JP H0657116 B2 JPH0657116 B2 JP H0657116B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、油脂の量が、水相の量に対して多い割合から
少ない割合までの広い範囲にわたって安定な泡沫含有油
中水型乳化組成物であって、通常のホイップ用高脂肪ク
リームと同様の泡沫特性、すなわち、適度なオーバーラ
ン及び良好な造花性、及び風味を有するホイップ用油中
水型乳化組成物の製造法に関し、詳しくはトッピング用
及びサンド用として製菓、製パン用及びデザート等の食
品に使用することができる安定な泡沫含有油中水型乳化
組成物の製造法に関する。
〔技術の背景及び従来技術の説明〕
本明細書における油脂の「固体脂比率」は核磁気共鳴ス
ペクトル分析法〔ビー・エル・マジソン アンド アー
ル・シー・ヒル:ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・
オイル・ケミスツ・ソサイエテイ(B.L.Madison & R.C.H
ill:Journal of The American Oil Chemist′s Societ
y)第55巻第3号 第328頁(1978年)〕によって測定さ
れた数値である。
従来のマーガリンの製造では、油中水型乳化物を形成し
た後、この乳化物を冷却固化するマーガリン製造機が使
用されているが、マーガリンの製造において油中水型乳
化物を安定化する技術が開発され、近年、低脂肪マーガ
リンも開発されている。これまでに開発された油中水型
乳化物を安定化する方法には、乳化剤の種類、量又はそ
の使用方法に工夫をこらしたもの、及び乳化物の製造時
の物理的な条件、すなわち、乳化方法、乳化物の粒径の
調整、攪拌条件又は乳化装置等に工夫をこらしたものが
ある。
しかしながら、依然として油中水型乳化物においては、
水中油型乳化物におけるようなより安定な物は開発され
ておらず、僅かなショック、熱の影響あるいはホイップ
操作等によって油中水型乳化物がより不安定になり、油
中に分散している水滴が凝集したり、水滴の粒径が大き
くなったり、油相と水相が分離したり、あるいは水中油
型乳化物へ転相する等の不安定化の問題が常に存在して
おり、これらの問題点が充分に解決されていない現状に
ある。
さらに従来トッピング用やサンド用に使用されているホ
イップ用油中水型乳化物はホイップ用高脂肪クリームに
比べて保型性、保存性が優れているが、風味の上でワキ
シー感があり、食味の点で問題がある。近年、ホイップ
用油中水型乳化物の種々な食味の改善の研究がなされて
きているが、未だホイップ用高脂肪クリームと同様の食
味を有するものは開発されていない。
本発明者等は、上記のような従来の油中水型乳化物にお
ける問題点を解決すべく、多くの研究を重ね、油中水型
乳化組成物における油脂中に分散する水相の粒子を結晶
油脂あるいは結晶油脂粒子の凝集したものと低固体脂比
率の油脂あるいは該油脂粒子で取り囲むことと、組織中
に気泡を混入せしめることによって、より組織が良好
で、安定な油中水型乳化組成物が得られ、通常のホイッ
プ用クリームと同様の泡沫特性を有することを見出し、
この知見に基づいて本発明に到達した。
〔発明の目的及び発明の要約〕
本発明の目的は、保存中における乳化安定性の高い組織
が良好で、トッピング用及びサンド用として製菓、製パ
ン用及びデザート等の食品に使用することができる安定
な泡沫含有油中水型乳化組成物の製造法を提供すること
であり、詳しくは、油脂含量が水分含量に比べて多くて
も少なくても乳化安定性が優れていて、通常のホイップ
用高脂肪クリームと同様の泡沫特性、すなわち、適度な
オーバーラン、及び良好な造花性及び風味を有する安定
な泡沫含有油中水型乳化組成物の製造法を提供すること
にある。
本発明は、上昇融点法によって測定した融点が異なる2
種類の油脂と、通常の食用動植物性油脂及び乳化剤から
なる最終製品の28〜82.9%(重量)の油相成分、及び最
終製品の72〜17.1%(重量)のカゼインアルカリ塩を含
有する水相成分からなる泡沫含有油中水型乳化組成物の
製造法であって、a)融点の高い油脂の2〜15%(重
量)の乳化剤Aを融点の高い油脂に加え、溶融して油相
成分を調製すること、及び水中油型乳化物Aの10〜40%
(重量)の油相成分の水中油型乳化物Aの90〜60%(重
量)の水相成分に加え、得られた混合物を均質化するこ
とからなる水中油型乳化物Aを調製する工程、b)食用
動植物性油脂の2〜9%(重量)の乳化剤Bを、該油脂
に加え、溶融して油相成分を調製すること、カゼインア
ルカリ塩を水相に対して2〜6%(重量)の量において
加え、溶解して水相成分を調製すること、及び水中油型
乳化物Bの10〜45%(重量)の油相成分を水中油型乳化
物Bの90〜55%(重量)の水相成分に加え、得られた混
合物を均質化することからなる水中油型乳化物Bを調製
する工程、 c)30〜60%(重量)の水中油型乳化物Bに、70〜40%
(重量)の水中油型乳化物Aを加え、得られた混合物を
前記融点の高い油脂の融点未満の温度に保持し、攪拌し
て気泡を混入せしめ、泡沫含有乳化分散物を調製する工
程、及びd)最終製品の20〜70%(重量)の融点の低い
油脂に、最終製品の80〜30%(重量)の前記泡沫含有乳
化分散物を加え、得られた混合物を融点の高い油脂の融
点未満の温度において攪拌し、融点の低い油脂中で前記
泡沫含有乳化分散物を転相し、オーバーランが40〜80%
(重量)の泡沫含有油中水型乳化組成物を調製する工
程、からなることを特徴とする安定な泡沫含有油中水型
乳化組成物の製造法である。
本発明における融点の高い油脂は、35%(重量)以上の
10℃における固体脂比率を有するものであることができ
る。
乳化剤Aは、4.3〜8.6のHLBのソルビタン脂肪酸エステ
ル、1〜90のヨウ素価のモノグリセリン脂肪酸エステ
ル、有機酸モノグリセリド、2.5〜8.0のHLBのポリグリ
セリン脂肪酸エステル及びこれらの混合物からなる群よ
り選択されたものであることができる。
乳化剤Bは、2.1〜8.6のHLBのソルビタン油脂酸エステ
ル、レシチン、ヨウ素価が90のモノグリセリン脂肪酸エ
ステル及びこれらの混合物からなる群より選択されたも
のであることができる。
〔発明の具体的な説明〕
本発明の安定な泡沫含有油中水型乳化組成物は上昇融点
法によって測定した融点が異なる2種類の油脂と、通常
の食用動植物性油脂及び乳化剤からなる油相成分とカゼ
インアルカリ塩を含有する水相成分とからなっており、
以下に詳述する方法で製造されるが、最初に融点の高い
油脂と水相とからなる水中油型乳化物Aを調製し、次に
食用動植物性油脂とカゼインアルカリ塩を含有する水相
成分とからなる水中油型乳化物Bを調製し、この水中油
型乳化物Bに水中油型乳化物Aを加え、特定の温度で攪
拌して、気泡を混入せしめ、泡沫含有乳化分散物(以下
中間物質ということがある)を調製し、この乳化分散物
を融点の低い油脂を加え、特定の温度で攪拌して転相
し、泡沫含有油中水型乳化組成物を製造する。
融点の高い油脂の2〜15%(重量)の割合の乳化剤Aを
融点の高い油脂に添加し、加温し溶融して、10〜40%
(重量)の割合の油相成分を調製する。この油相成分を
90〜60%(重量)の水相に加え、得られた混合物を常法
(例えばスーパーミキサーによる激しい攪拌)によって
予備乳化し、必要に応じて殺菌した後、予備乳化液を70
〜80℃の温度に保持し、均質機を使用して均質化し、得
られた乳化物を10℃に急冷して水中油型乳化物Aを調製
する。
食用動植物油脂の2〜9%(重量)の乳化剤Bを該油脂
に添加し、加温して溶融して、10〜45%(重量)の割合
の油相成分を調製する。これとは別に水相の2〜6%
(重量)の割合のカゼインアルカリ塩を該水相に添加し
て分散させ、加温して溶融して、90〜55%(重量)の割
合の水相成分を調製する。この水相成分に前記油相成分
を加え、得られた混合物を常法(例えばスーパーミキサ
ーによる激しい攪拌)によって予備乳化し、必要に応じ
て殺菌した後、予備乳化液を70〜80℃の温度に保持し、
均質機を使用して均質化し、得られた乳化物を10℃に急
冷して水中油型乳化物Bを調製する。
水相成分の調製において、必要に応じて市販の糖類、食
塩等の塩類、色素及び呈味物質等を水に溶解することも
できる。
30〜60%(重量)の水中油型乳化物Bに、70〜40%(重
量)の水中油型乳化物Aを加え、得られた混合物を前記
融点の高い油脂の融点未満の温度に保持しながら攪拌
(例えばT.K.ホモミキサー(特殊機化工業社製)による
毎分5,000回転での攪拌)し、気泡を混入〔例えばカン
トーミキサー(関東混合機工業社製)による毎分150回
転でのホイッピング〕せしめ、泡沫含有乳化分散物を調
製する。
最終製品の20〜70%(重量)の融点の低い油脂に、最終
製品の80〜30%(重量)の前記泡沫含有乳化分散物を加
え、得られた混合物を融点の高い油脂の融点よりも低い
温度で攪拌し、融点の低い油脂中に前記乳化分散物を分
散させるとともに、融点の低い油脂中に転相させること
により微小水滴粒子を融点の高い油脂及び/又は該油脂
の油脂粒の凝囲体と低固体脂比率の油脂とによって取り
囲ませ、組織中に気泡を混入せしめ、それによって安定
な泡沫含有油中水型乳化組成物を製造する。
前記水中油型乳化物Aの調製において使用する融点の高
い油脂は、油中水型乳化組成物の調製における融点の低
い油脂の融点よりも高い融点を有するものであれば、い
かなるものであっても、これを使用することができる
が、10℃における固体脂比率が35%(重量)以上のもの
を使用するのが好ましい。
例えば通常の食用動植物性油脂、これらの硬化脂、分別
油、エステル交換油等の化学的処理及び/又は物理的処
理を行なったもの、それらの混合油脂等も使用すること
ができる。
油脂の固体脂比率は核磁気共鳴スペクトル分析法〔ビー
・エル・マジソン アンド アール・シー・ヒル:ジャ
ーナル・オブ・ジ・アメリカン・オイル・ケミスツ・ソ
サイエテイ(Journal of The American Oil Chemist′s
Society)第55巻第3号 第328頁(1978年)〕によっ
て測定される。
融点の低い油脂は、水中油型乳化物Aの調製における融
点の高い油脂の融点よりも低い融点を有するものであれ
ば、いかなるものであっても、これを使用することがで
きる。
例えば各種サラダ油、分別油、硬化油、エステル交換油
等の化学的処理及び/又は物理的処理をした動植物性油
脂又はそれらの混合物なども使用することができる。
本発明の安定な泡沫含有油中水型乳化組成物の中間物質
の調製に用いた融点の高い油脂を含む水中油型乳化物A
の調製において使用される乳化剤Aは、HLBが4.3〜8.6
のソルビタン脂肪酸エステル、ヨウ素価が1〜90のモノ
グリセリン脂肪酸エステル、有機酸モノグリセリド、HL
Bが2.5〜8.0のポリグリセリン脂肪酸エステル及びこれ
らの混合物からなる群より選択された乳化剤である。
ソルビタン脂肪酸エステルは、通常乳化剤として使用さ
れているものであれば、いかなるものであっても、これ
を使用することができるが、HLBが4.3〜8.6のものを使
用するのが望ましい。
モノグリセリン脂肪酸エステルは、通常乳化剤として使
用されているものであれば、いかなるものであっても、
これを使用することができるが、ヨウ素価が1〜90であ
ることが望ましい。
有機酸モノグリセリドは、通常乳化剤として使用されて
いるものであれば、いかなるものであっても、これを使
用することができるが、コハク酸モノグリセリド、ジア
セチル酒石酸モノグリセリド、酢酸モノグリセリド及び
クエン酸モノグリセリドを使用するのが望ましい。
ポリグリセリン脂肪酸エステルは、通常乳化剤として使
用されているものであれば、いかなるものであっても、
これを使用することができるが、HLBが2.5〜8.0のもの
を使用するのが望ましい。
本発明の安定な泡沫含有油中水型乳化組成物の中間物質
の調製に用いた通常の食用動植物性油脂を含む水中油型
乳化物Bの調製において使用される乳化剤Bは、HLBが
2.1〜8.6のソルビタン脂肪酸エステル、レシチン、ヨウ
素価が90のモノグリセリン脂肪酸エステル及びこれらの
混合物からなる群より選択された乳化剤である。
ソルビタン脂肪酸エステルは、通常乳化剤として使用さ
れているものであれば、いかなるものであっても、これ
を使用することができるが、HLBが2.1〜8.6のものを使
用するのが望ましい。
レシチンは、通常乳化剤として使用されているものであ
れば、いかなるものであっても、これを使用することが
できる。
モノグリセリン脂肪酸エステルは、通常乳化剤として使
用されているものであれば、いかなるものであっても、
これを使用することができるが、ヨウ素価が90までであ
ることが望ましい。
本発明の安定な泡沫含有油中水型乳化組成物の中間物質
の調製に用いた水中油型乳化物Bの水相成分の調製にお
いて使用されるカゼインアルカリ塩は、通常食用として
使用されているものであれば、いかなるものであって
も、これを使用することができるが、レンネット・カゼ
インまたは酸カゼインのアルカリ塩、カゼインナトリウ
ム及びこれらの混合物からなる群より選択されたものを
使用するのが望ましい。
本発明の安定な泡沫含有油中水型乳化組成物は乳化安定
性が優れており、保存中での油相に分散している水滴の
微粒子の凝集、油相と水相の分離及び水中油型乳化物へ
の転相等に対して非常に安定で、かつより組織が良好で
光沢のある油中水型乳化組成物であり、通常のホイップ
用高脂肪クリームと同様の泡沫特性、すなわち、適度な
オーバーラン及び良好な造花性、及び風味を有し、トッ
ピング用及びサンド用として製菓、製パン用及びデザー
ト等の食品に使用することができる。
以下において本発明を試験例によってさらに詳しく説明
するが、本発明はこれらの例示に限定されるものではな
い。
試験例1 水中油型乳化物Aと水中油型乳化物Bとの混合比率につ
いて試験を行なった。
(1)試料の調製 泡沫含有乳化分散物中の水中油型乳化物Aの比率を80〜
30%(重量)に、水中油型乳化物Bの比率を20〜70%
(重量)になる量の実施例1の泡沫含有乳化分散物を使
用し、実施例1と同様にして、安定な泡沫含有油中水型
乳化組成物を調製した。
(2)試験方法 2−1)調製直後のオーバーランの測定 調製直後の試料のオーバーランは次式より算出した。
式におけるA及びBは、次のとおりである。
A:気泡を混入しない一定容積の試料の重量、 B:気泡を混入した同容積の試料の重量、 2−2)高温保存性の測定 調製した試料を容器に入れ、試料中の水分が蒸散しない
ように密封し、30℃に3日間保存した後の状態を肉眼に
よって観察し、下記のとおりに判定した。
−:水粒の微小粒子が凝集し、下部に水相が分離したも
の。
±:水粒の微小粒子が凝集し、下部への沈降が認めら
れ、上部にも油相が分離し、しかも攪拌しても元の調製
直後の状態に戻らないもの。
+:上部に僅かに油相の分離が認められるが、水粒の微
小粒子は凝集もなく、油相に安定に分散しているもの。
++:調製直後の組織が維持されており、水粒の微小粒
子の分散状態も良好で、変化のないもの。
2−3)肉眼による調製直後の状態の測定 上記の試料の調製直後の組織の状態を、肉眼によって観
察し、下記のとおりに判定した。
−:組織が不均一で光沢がない。
+:組織が均一である。
++:組織が均一で非常になめらかで光沢がある。
2−4)ホイップの方法 試料400mをケンウッドミキサー(愛工舎製作所社
製)で開始温度9℃、終了温度12℃、回転数180rpmの条
件でホイップした。
2−5)ホイップ後のオーバーランの測定 ホイップした試料のオーバーランは次式より算出した。
式におけるA及びBは、次のとおりである。
A:気泡を混入しない一定容積の試料の重量、 B:気泡を混入した同容積の試料の重量、 2−6)造花性の測定 ホイップした試料を絞り袋に入れ、絞って花型に造花す
る時の状態を観察することにより判定した。
良好:組織がなめらかで造花性がある。
不良:組織が荒れてきれいなエッヂ等が形成されないか
又は腰が弱く造花性がないもの。
2−7)保存性の測定 試料を容器に入れ、試料中の水分が蒸散しないように密
封し、室温(20〜25℃)に3日間保存した後の状態を肉
眼によって観察し、下記のとおりに判定した。
良好:形状の変化がなく、転相又は離水が発生しないも
の。
不良:形状の変化が認められるか又は転相、離水が発生
しないもの。
2−8)風味の測定 ホイップした試料を下記のとおりに判定した。
良好:食感が良く、ワキシー感のないもの。
不良:食感が悪いか、ワキシー感のあるもの。
(3)試験結果 試験結果は第1表に示すとおりであった。
泡沫含有乳化分散物中の水中油型乳化物Aの比率が70〜
40%(重量)、水中油型乳化物Bの比率が30〜60%(重
量)の範囲のものを使用した泡沫含有油中水型乳化組成
物は、調製直後の状態においてオーバーランが40〜80%
(重量)の範囲であり、高温保存性及び組織の外観が良
好であって、トッピング特性においてオーバーラン、造
花性、保存性及び風味のいずれも良好であった。しか
し、泡沫含有乳化分散物中の水中油型乳化物Aの比率が
40%(重量)未満、水中油型乳化物Bの比率が60%(重
量)を超える範囲では泡沫含有油中水型乳化組成物を調
製しても、水粒が油脂粒の凝囲体によって十分に取り囲
まれず、安定な泡沫含有油中水型乳化組成物を得ること
ができず、トッピング特性のうち造花性、保存性及び風
味のいずれも不良であった。また泡沫含有乳化分散物中
の水中油型乳化物Aの比率が70%(重量)を超える範
囲、水中油型乳化物Bの比率が30%(重量)未満の範囲
では、気泡が十分に混入せず、泡沫含有油中水型乳化組
成物を調製しても安定な泡沫含有油中水型乳化組成物が
得られず、トッピング特性も不良であった。
試験例2 水中油型乳化物Bの油脂含量について試験を行なった。
(1)試料の調製 水中油型乳化物Bの油脂含量が第2表に示す5〜50%
(重量)になる量の実施例1の精製コーン油を使用し、
実施例1と同様にして、泡沫含有油中水型乳化組成物を
調製した。
(2)試験方法 泡沫含有油中水型乳化組成物における調製直後の状態に
ついては、オーバーラン、高温保存性及び組織の外観
を、トッピング特性については、オーバーラン、造花
性、保存性及び風味をそれぞれ試験例1と同様にして測
定した。
(3)試験結果 試験結果は第2表に示すとおりであった。
水中油型乳化物Bの油脂含量が10〜45%(重量)の範囲
のものを使用した泡沫含有油中水型乳化組成物は、調製
直後の状態においてオーバーランが40〜80%(重量)の
範囲であり、高温保存性及び組織の外観が良好であっ
て、トッピング特性については、オーバーラン、造花
性、保存性及び風味のいずれも良好であった。しかし、
水中油型乳化物Bの油脂含量が10%(重量)未満のもの
を使用した場合は気泡が十分に混入せず、調製直後の状
態が良くなく、安定な泡沫含有油中水型乳化組成物が得
られず、トッピング特性も不良であった。また水中油型
乳化物Bの油脂含量が45%(重量)を超えるものを使用
した場合は、水中油型乳化物Bが増粘し、気泡が十分に
混入せず、組織がなめらかな泡沫含有油中水型乳化組成
物を得ることができず、トッピング特性も不良であっ
た。
泡沫含有乳化分散物中の水中油型乳化物Aと水中油型乳
化物Bの混合比率を変えて同様の試験を行なったが、同
様な結果が得られた。
試験例3 水中油型乳化物Bの水相に使用するカゼインナトリウム
の量について試験を行なった。
(1)試料の調製 水中油型乳化物Bの調製において第3表に示す量のカゼ
インナトリウム(ニュージーランド産)を使用し、実施
例1と同様にして、泡沫含有油中水型乳化組成物を調製
した。
(2)試験方法 泡沫含有油中水型乳化組成物における調製直後の状態に
ついては、オーバーラン、造花性、保存性及び組織の外
観を、トッピング特性については、オーバーラン、造花
性、保存性及び風味をそれぞれ試験例1と同様にして測
定した。
(3)試験結果 試験結果は第3表に示すとおりであった。
水中油型乳化物Bの調製においてカゼインナトリウムの
量が2〜6%(重量)の範囲の場合は、泡沫含有油中水
型乳化組成物について調製直後の状態は、オーバーラン
が40〜80%(重量)の範囲であり、高温保存性及び組織
の外観が良好で、安定な泡沫含有油中水型乳化組成物が
得られ、トッピング性も良好であった。しかしカゼイン
ナトリウムの量が2%(重量)未満の場合は、気泡が十
分に混入せず、調製直後の状態が良くなく、安定な泡沫
含有油中水型乳化組成物が得ることができず、トッピン
グ特性も不良であった。またカゼインナトリウムの量が
6%(重量)を超える場合は、水中油型乳化物Bが高粘
性となり、気泡が十分に混入せず、高温保存性が不良
で、安定な泡沫含有油中水型乳化組成物を得ることがで
きず、トッピング特性も不良であった。
泡沫含有乳化分散物中の水中油型乳化物Aと水中油型乳
化物Bの混合比率、水中油型乳化物Bの油脂含量を変え
て同様の試験を行なったが、いずれの場合も同様な結果
が得られた。
試験例4 水中油型乳化物Bの油相に使用する乳化剤の種類につい
て試験を行なった。
(1)試料の調製 第4表に示す乳化剤を使用し、実施例1と同様にして、
泡沫含有油中水型乳化組成物を調製した。
第4表におけるソルビタントリステアレート、ソルビタ
ンモノオレエート、ソルビタンモノパルミテート、ソル
ビタンモノラウレート、グリセリンモノオレエート及び
グリセリンモノステアレートは花王フード社製を使用
し、レシチンは味の素社製を使用した。
(2)試験方法 泡沫含有油中水型乳化組成物における調製直後の状態に
ついてオーバーラン、高温保存製及び組織の外観を、ト
ッピング特性についてオーバーラン、造花性、保存性及
び風味をそれぞれ試験例1と同様にして測定した。
(3)試験結果 試験結果は第4表に示すとおりであった。
水中油型乳化物Bの油相に使用する乳化剤として、2.1
〜8.6のHLBのソルビタン脂肪酸エステル、レシチン、ヨ
ウ素価が90のモノグリセリン脂肪酸エステルを使用した
場合に、調製直後の状態としてオーバーランが40〜80%
(重量)の範囲、高温保存性及び組織の外観の良好な安
定な泡沫含有油中水型乳化組成物が得られ、トッピング
特性についてはオーバーラン、造花性、保存性及び風味
のいずれも良好であった。
水中油型乳化物Aと水中油型乳化物Bとの混合比率、水
中油型乳化物Bの油脂含量及び水中油型乳化物Bの水相
に使用するカゼインナトリウムの量を変えて同様の試験
を行なったが、いずれの場合も同様な結果が得られた。
試験例5 水中油型乳化物Bの油相に使用する乳化剤の量について
試験を行なった。
(1)試料の調製 水中油型乳化物Bの調製において第5表に示す量のソル
ビタンモノパルミテート(花王フード社製、HLB:6.7)
を使用し、実施例1と同様にして、泡沫含有油中水型乳
化組成物を調製した。
(2)試験方法 泡沫含有油中水型乳化組成物における調製直後の状態に
ついてオーバーラン、高温保存性及び組織の外観を、ト
ッピング特性についてオーバーラン、造花性、保存性及
び風味をそれぞれ試験例1と同様にして測定した。
(3)試験結果 試験結果は第5表に示すとおりであった。
水中油型乳化物Bの調製においてソルビタンモノパルミ
テートの量が2〜9%(重量)の範囲の場合は、泡沫含
有油中水型乳化組成物における調製直後の状態につい
て、オーバーランが40〜80%(重量)の範囲であり、高
温保存性及び組織の外観が良好で、安定な泡沫含有油中
水型乳化組成物が得られ、トッピング特性も良好であっ
た。しかしソルビタンモノパルミテートの量が2%(重
量)未満の場合は、気泡が十分に混入せず、調製直後の
状態も良くなく、安定な泡沫含有油中水型乳化組成物が
得られず、トッピング特性も不良であった。またソルビ
タンモノパルミテートの量が9%(重量)を超える場合
は、気泡が十分に混入せず、調製直後に離水し、調製直
後の状態も良くなく、安定な泡沫含有油中水型乳化組成
物が得られず、トッピング特性も不良であった。
水中油型乳化物Aと水中油型乳化物Bとの混合比率、水
中油型乳化物Bの油脂含量、水中油型乳化物Bの水相に
使用するカゼインナトリウムの量及び水中油型乳化物B
の油相に使用する乳化剤の種類を変えて同様の試験を行
なったが、いずれの場合も同様な結果が得られた。
試験例6 水中油型乳化物Aの高融点油脂含量について試験を行な
った。
(1)試料の調製 水中油型乳化物Aの高融点油脂含量が第6表に示す5〜
45%(重量)になる量の実施例1のヤシ硬化油を使用
し、実施例1と同様にして、泡沫含有油中水型乳化組成
物を調製した。
(2)試験方法 泡沫含有油中水型乳化組成物における調製直後の状態に
ついてオーバーラン、高温保存性及び組織の外観を、ト
ッピング特性についてオーバーラン、造花性、保存性及
び風味をそれぞれ試験例1と同様にして測定した。
(3)試験結果 試験結果は第6表に示すとおりであった。
水中油型乳化物Aの高融点油脂含量が10〜40%(重量)
の範囲のものを使用した泡沫含有油中水型乳化組成物
は、調製直後の状態について、オーバーランが40〜80%
(重量)の範囲であり、高温保存性、組織の外観及びト
ッピング特性のいずれも良好であった。しかし水中油型
乳化物Aの高融点油脂含量が10%(重量)未満のものを
使用した場合は、気泡が十分に混入せず、泡沫含有乳化
分散物を融点の低い油脂と混合して転相しようとして
も、水粒が油脂粒の凝集体によって取り囲まれず、安定
な泡沫含有油中水型乳化組成物を得ることができず、ト
ッピング特性も不良であった。また、水中油型乳化物A
の高融点油脂含量が40%(重量)を超えるものを使用し
た場合は、水中油型乳化物Aが固化し、泡沫含有乳化分
散物を得ることができず、安定な泡沫含有油中水型乳化
組成物を得ることができず、トッピング特性も不良であ
った。
水中油型乳化物Aと水中油型乳化物Bとの混合比率、水
中油型乳化物Bの油脂含量、水中油型乳化物Bの水相に
使用するカゼインナトリウムの量、水中油型乳化物Bの
油相に使用する乳化剤の種類及び量を変えて同様の試験
を行なったが、いずれの場合も同様な結果が得られた。
試験例7 水中油型乳化物Aの調製に使用する油脂の固体脂比率に
ついて試験を行なった。
(1)試料の調製 10℃における固体脂比率(核磁気共鳴スペクトル分析法
で測定した数値)が0%(重量)の市販のナタネ油(太
陽油脂社製)及び10℃における固体脂比率が67%(重
量)の市販のヤシ硬化油(太陽油脂社製)を混合して、
第7表に示すように、10℃における固体脂比率が25〜67
%(重量)の融点の高い油脂を調製し、これらの油脂を
水中油型乳化物Aの調製に使用し、実施例1と同様にし
て、泡沫含有油中水型乳化組成物を調製した。
(2)試験方法 泡沫含有油中水型乳化組成物における調製直後の状態に
ついてオーバーラン、高温保存性及び組織の外観を、ト
ッピング特性についてオーバーラン、造花性、保存性及
び風味をそれぞれ試験例1と同様にして測定した。
(3)試験結果 試験結果は第7表に示すとおりであった。
水中油型乳化物Aの調製に使用する融点の高い油脂の10
℃における固体脂比率が35%(重量)以上の場合は、調
製直後の状態について、オーバーランが40〜80%(重
量)の範囲であり、高温保存性、組織の外観及びトッピ
ング特性のいずれも良好であった。しかし水中油型乳化
物Aの調製に使用する融点の高い油脂の10℃における固
体脂比率が35%(重量)未満の場合は、気泡が十分に混
入せず、安定な泡沫含有油中水型乳化組成物を得ること
ができず、トッピング特性も不良であった。
水中油型乳化物Aと水中油型乳化物Bとの混合比率、水
中油型乳化物Bの油脂含量、水中油型乳化物Bの水相に
使用するカゼインナトリウムの量、水中油型乳化物Bの
油相に使用する乳化剤の種類、水中油型乳化物Bの油相
に使用する乳化剤の量及び水中油型乳化物Aの高融点油
脂含量を変えて同様の試験を行なったが、いずれの場合
も同様な結果が得られた。
試験例8 水中油型乳化物Aの調製に使用する乳化剤の種類につい
て試験を行なった。
(1)試料の調製 第8表に示す乳化剤を使用し、実施例1と同様にして、
泡沫含有油中水型乳化組成物を調製した。
第8表におけるソルビタントリステアレート、ソルビタ
ンモノオレエート、ソルビタンモノパルミテート、ソル
ビタンモノラウレート、グリセリンモノオレエート及び
グリセリンモノステアレートは花王フード社製を使用
し、コハク酸モノグリセリド、ジアセチル酒石酸モノグ
リセリド、酢酸モノグリセリド及びクエン酸モノグリセ
リドは太陽化学社製を使用し、テトラグリセリンペンタ
ステアレート、ヘキサグリセリンペンタオレエート及び
テトラグリセリンモノステアレートは阪本薬品工業社製
を使用し、またヘキサグリセリントリステアレート及び
デカグリセリンジステアレートは日光ケミカルズ社製を
使用した。
(2)試験方法 泡沫含有油中水型乳化組成物における調製直後の状態に
ついてオーバーラン、高温保存性及び組織の外観を、ト
ッピング特性についてオーバーラン、造花性、保存性及
び風味をそれぞれ試験例1と同様にして測定した。
(3)試験結果 試験結果は第8表に示すとおりであった。
水中油型乳化物Aの調製に使用した乳化剤として、4.3
〜8.6のHLBのソルビタン脂肪酸エステル、1〜90のヨウ
素価のモノグリセリン脂肪酸エステル、2.5〜8.0のHLB
のポリグリセリン脂肪酸エステル及び有機酸モノグリセ
リドを使用した場合に、調製直後の状態としてオーバー
ランが40〜80%(重量)の範囲、高温保存性及び組織の
外観の良好な安定な泡沫含有油中水型乳化組成物が得ら
れ、トッピング特性についてはオーバーラン、造花性、
保存性及び風味のいずれも良好であった。
水中油型乳化物Aと水中油型乳化物Bとの混合比率、水
中油型乳化物Bの油脂含量、水中油型乳化物Bの水相に
使用するカゼインナトリウムの量、水中油型乳化物Bの
油相に使用する乳化剤の種類水中油型乳化物Bの油相に
使用する乳化剤の量、水中油型乳化物Aの高融点油脂含
量及び水中油型乳化物Aの調製に使用する油脂の固体脂
比率を変えて同様の試験を行なったが、いずれの場合も
同様な結果が得られた。
試験例9 水中油型乳化物Aの調製に使用する乳化剤の量について
試験を行なった。
(1)試料の調製 水中油型乳化物Aの調製において第9表に示す融点の高
い油脂に対する量に相当する量のソルビタンモノラウレ
ート(花王フード社製、HLB:8.6)を使用し、実施例1
と同様にして、泡沫含有油中水型乳化組成物を調製し
た。
(2)試験方法 泡沫含有油中水型乳化組成物における調製直後の状態に
ついてオーバーラン、高温保存性及び組織の外観を、ト
ッピング特性についてオーバーラン、造花性、保存性及
び風味をそれぞれ試験例1と同様にして測定した。
(3)試験結果 試験結果は第9表に示すとおりであった。
水中油型乳化物Aの調製において、融点の高い油脂に対
するソルビタンモノラウレートの量が2%(重量)以上
の場合は、調製直後の状態について、オーバーランが40
〜80%(重量)の範囲であり、高温保存性、組織の外観
及びトッピング特性のいずれも良好であった。しかし、
融点の高い油脂に対するソルビタンモノラウレートの量
が20%(重量)以上になると、泡沫含有油中水型乳化組
成物の食味が悪くなり、乳化剤特有のにおいも残り、製
品として好ましいものではなかった。また融点の高い油
脂に対するソルビタンモノラウレートの量が2%(重
量)未満の場合も気泡が十分に混入せず、安定な泡沫含
有油中水型乳化組成物を得ることができず、トンピング
特性も不良であった。
水中油型乳化物Aと水中油型乳化物Bとの混合比率、水
中油型乳化物Bの油脂含量、水中油型乳化物Bの水相に
使用するカゼインナトリウムの量、水中油型乳化物Bの
油相に使用する乳化剤の種類、水中油型乳化物Bの油相
に使用する乳化剤の量、水中油型乳化物Aの高融点油脂
含量、水中油型乳化物Aの調製に使用する油脂の固体脂
比率及び水中油型乳化物Aの調製に使用する乳化剤の種
類を変えて同様の試験を行なったが、いずれの場合も同
様な結果が得られた。
試験例10 最終製品の泡沫含有油中水型乳化組成物の低融点油脂含
量について試験を行なった。
(1)試料の調製 実施例1の泡沫含有乳化分散物を、最終製品の泡沫含有
油中水型乳化組成物の85〜20%(重量)になる量におい
て使用し、また実施例1の精製ナタネ油を最終製品の泡
沫含有油中水型乳化組成物の15〜80%(重量)になる量
において使用し、実施例1と同様にして、泡沫含有油中
水型乳化組成物を調製した。
(2)試験方法 泡沫含有油中水型乳化組成物における調製直後の状態に
ついてオーバーラン、高温保存性及び組織の外観を、ト
ッピング特性についてオーバーラン、造花性、保存性及
び風味をそれぞれ試験例1と同様にして測定した。
(3)試験結果 試験結果は第10表に示すとおりであった。
最終製品の泡沫含有油中水型乳化組成物の低融点油脂含
量が20〜70%(重量)の範囲の泡沫含有油中水型乳化組
成物は、調製直後の状態についてオーバーランが40〜80
%(重量)の範囲であり、高温保存性、組織の外観及び
トッピング特性のいずれも良好であった。しかし低融点
油脂含量が20%(重量)未満のものは泡沫含有乳化分散
物が融点の低い油脂にうまく分散せず、安定な泡沫含有
油中水型乳化組成物を得ることができなかった。また低
融点油脂含量が70%(重量)を超えるものは泡沫含有乳
化分散物を融点の低い油脂と混合して転相させようとし
ても上部に油相が分離し、安定な泡沫含有油中水型乳化
組成物を得ることができなかった。
水中油型乳化物Aと水中油型乳化物Bとの混合比率、水
中油型乳化物Bの油脂含量、水中油型乳化物Bの水相に
使用するカゼインナトリウムの量、水中油型乳化物Bの
油相に使用する乳化剤の種類、水中油型乳化物Bの油相
に使用する乳化剤の量、水中油型乳化物Aの高融点油脂
含量、水中油型乳化物Aの調製に使用する油脂の固体脂
比率、水中油型乳化物Aの調製に使用する乳化剤の種類
及び水中油型乳化物Aの調製に使用する乳化剤の量を変
えて同様の試験を行なったが、いずれの場合も同様な結
果が得られた。
最終製品の泡沫含有油中水型乳化組成物の低融点油脂含
量が20〜70%(重量)の泡沫含有油中水型乳化組成物は
80〜30%(重量)の泡沫含有乳化分散物を使用している
が、この泡沫含有乳化分散物のうち水中油型乳化物Aが
70〜40%(重量)、水中油型乳化物Bが30〜60%(重
量)で、かつ水中油型乳化物Aが10〜40%(重量)の融
点の高い油脂を含み、水中油型乳化物Bが10〜45%(重
量)の食用動植物性油脂を含む場合に、良好な物性を有
する泡沫含有油中水型乳化組成物が得られているので、
最終製品の泡沫含有油中水型乳化組成物の高融点油脂含
量が22.4〜1.2%(重量)で、最終製品の水中油型乳化
物B由来の食用動植物性油脂含量が21.6〜0.9%(重
量)の場合に、良好な物性を有する泡沫含有油中水型乳
化組成物が得られた。
さらに最終製品の泡沫含有油中水型乳化組成物の低融点
油脂含量が20%(重量)の泡沫含有油中水型乳化組成物
は80%(重量)の泡沫含有乳化分散物を使用していて、
この泡沫含有乳化分散物が70〜40%(重量)の水中油型
乳化物Aと30〜60%(重量)の水中油型乳化物Bからな
り、かつ水中油型乳化物Aが10〜40%(重量)の融点の
高い油脂を含み、水中油型乳化物Bが10〜45%(重量)
の食用動植物性油脂を含む場合に、良好な物性を有する
泡沫含有油中水型乳化組成物が得られているから、この
良好な物性を有する泡沫含有油中水型乳化組成物が含ん
でいる油脂の合計量、すなわち、最終製品の全油相含量
は28〜54.4%(重量)である。また最終製品の泡沫含有
油中水型乳化組成物の低融点油脂含量が70%(重量)の
泡沫含有油中水型乳化組成物は30%(重量)の泡沫含有
乳化分散物を使用していて、この泡沫含有乳化分散物が
70〜40%(重量)の水中油型乳化物Aと30〜60%(重
量)の水中油型乳化物Bからなり、かつ水中油型乳化物
Aが10〜40%(重量)の融点の高い油脂を含み、水中油
型乳化物Bが10〜45%(重量)の食用動植物性油脂を含
む場合に、良好な物性を有する泡沫含有油中水型乳化組
成物が得られているから、この良好な物性を有する泡沫
含有油中水型乳化組成物が含んでいる油脂の合計量、す
なわち最終製品の全油相含量は73〜82.9%(重量)であ
る。そうしてみると、最終製品の泡沫含有油中水型乳化
組成物の全油相含量が28〜82.9%(重量)の場合に、良
好な物性を有する安定な泡沫含有油中水型乳化組成物が
得られることがわかる。
試験例11 融点の異なる2種類の油脂の融点差について試験を行な
った。
(1)試料の調製 第11表に示す油脂を使用し、第11表に示す温度において
泡沫含有乳化分散物と融点の低い油脂の混合物を撹拌す
ること以外は実施例1と同様にして泡沫含有油中水型乳
化組成物を調製した。
(2)試験方法 泡沫含有油中水型乳化組成物における調製直後の状態に
ついてオーバーラン、高温保存性及び組織の外観を、ト
ッピング特性についてオーバーラン、造花性、保存性及
び風味をそれぞれ試験例1と同様にして測定した。
(3)試験結果 試験結果は第11表に示すとおりであった。
水中油型乳化物Aの調製に使用した油脂の融点が泡沫含
有乳化分散物との混合による泡沫含有油中水型乳化組成
物の調製に使用した油脂の融点よりも高い油脂の組合せ
では、泡沫含有油中水型乳化組成物における調製直後の
状態についてはオーバーランが40〜80%(重量)の範囲
であり、高温保存性及び組織の外観が良好で、トッピン
グ特性についてはオーバーラン、造花性、保存性及び風
味のいずれも良好で安定な泡沫含有油中水型乳化組成物
が得られた。しかしこれとは逆の油脂の組合せでは、泡
沫含有油中水型乳化組成物における調製直後の状態及び
トッピング特性のいずれも気泡が十分に混入せず不良で
あって、安定な泡沫含有油中水型乳化組成物が得られな
かった。また撹拌温度が融点の高い油脂の融点よりも低
い場合は、泡沫含有油中水型乳化組成物における調製直
後の状態についてはオーバーランが40〜80%(重量)の
範囲であり、高温保存性及び組織の外観が良好で、トッ
ピング特性についてはオーバーラン、造花性、保存性及
び風味のいずれも良好で安定な泡沫含有油中水型乳化組
成物が得られた。
水中油型乳化物Aと水中油型乳化物Bとの混合比率、水
中油型乳化物Bの油脂含量、水中油型乳化物Bの水相に
使用するカゼインナトリウムの量、水中油型乳化物Bの
油相に使用する乳化剤の種類、水中油型乳化物Bの油相
に使用する乳化剤の量、水中油型乳化物Aの高融点油脂
含量、水中油型乳化物Aの調製に使用する油脂の固体脂
比率、水中油型乳化物Aの調製に使用する乳化剤の種
類、水中油型乳化物Aの調製に使用する乳化剤の量及び
最終製品の泡沫含有油中水型乳化組成物の低融点油脂含
量を変えて同様の試験を行なったが、いずれの場合も同
様な結果が得られた。
以下において実施の一例を示し、本発明をさらに詳しく
説明する。
実施例1 水中油型乳化物Aにおける高融点油脂含量が15%(重
量)であり、水中油型乳化物Bにおける食用動植物性油
脂含量が15%(重量)であり、水中油型乳化物Aが60%
(重量)、水中油型乳化物Bが40%(重量)からなる泡
沫含有乳化分散物であり、最終製品における低融点油脂
含量が50%(重量)であり、また最終製品における全油
相含量が57.5%(重量)である泡沫含有油中水型乳化組
成物が製造された。
市販のヤシ硬化油〔太陽油脂社製、10℃における固体脂
比率:67%(重量)、融点:36℃〕4.5Kgにソルビタン
モノラウレート(花王フード社製、HLB:8.6)0.315Kg
〔高融点油脂に対して約7%(重量)に相当する〕を加
え、80℃に加温し、撹拌して溶解し、水中油型乳化物A
の油相成分を調製し、これをその温度に保持した。
これと別に、水25.5Kgを80℃に加温し、その温度に保持
して、水中油型乳化物Aの水相成分とし、これに前記の
水中油型乳化物Aの油相成分を加え、混合物をT.K.ホモ
ミキサー(特殊機化工業社製)によって、80℃において
10分間撹拌して予備乳化し、次に85℃において15分間加
熱殺菌し、得られた混合物を高圧型均質機(三丸機械工
業社製)により80℃の温度及び700Kg/cm2の圧力におい
て均質化し、その直後に10℃に急冷し、水中油型乳化物
A約29Kgを得た。
一方市販精製のコーン油(太陽油脂社製)3Kgにソルビ
タンモノパルミテート(花王フード社製、HLB:6.7)0.
15Kg〔油脂に対して約5%(重量)に相当する〕を加
え、80℃に加温し、撹拌して溶解し、水中油型乳化物B
の油相成分を調製し、これをその温度に保持した。
これとは別に、水17Kgにカゼインナトリウム(ニュージ
ーランド産)0.68Kg〔水に対して約4%(重量)に相当
する〕を加え、分散して80℃に加温し、撹拌して溶解
し、水中油型乳化物Bの水相成分を調製し、これをその
温度に保持した。
この水中油型乳化物Bの水相成分に前記の水中油型乳化
物Bの油相成分を加え、混合物をT.K.ホモミキサー(特
殊機化工業社製)によって、80℃において10分間撹拌し
て予備乳化し、次に85℃において15分間加熱殺菌し、得
られた混合物を高圧型均質機(三丸機械工業社製)によ
り80℃の温度及び700Kg/cm2の圧力において均質化し、
その直後に10℃に急冷し、水中油型乳化物B約19Kgを得
た。
前記で得た水中油型乳化物B17Kgに水中油型乳化物A2
5.5Kgを加え、混合物をT.K.ホモミキサー(特殊機化工
業社製)によって10℃に保持しながら10分間毎分5,000
回転で撹拌し、さらに撹拌した混合物をカントーミキサ
ー(関東混合機工業社製)によって10℃に保持しながら
5分間毎分150回転でホイッピングし、泡沫含有乳化分
散物約42Kgを得た。
市販の精製ナタネ油(太陽油脂社製)38Kgに前記で得た
泡沫含有乳化分散物38Kgを加え、混合物をT。K。ホモミキ
サー(特殊機化工業社製)によって5℃において5分間
撹拌し、オーバーランが60%(重量)の泡沫含有油中水
型乳化組成物約75Kgを得た。
この泡沫含有油中水型乳化組成物における調製直後の状
態についてオーバーラン、高温保存性及び組織の外観
を、トッピング特性についてオーバーラン、造花性、保
存性及び風味をそれぞれ試験例1と同様にして試験し
た。
その結果は、調製直後の状態についてはオーバーランが
40〜80%(重量)の範囲であり、高温保存性及び組織の
外観が良好で、トッピング特性についてはオーバーラ
ン、造花性、保存性及び風味のいずれも良好で安定な泡
沫含有油中水型乳化組成物であった。
実施例2 水中油型乳化物Aにおける高融点油脂含量が15%(重
量)であり、水中油型乳化物Bにおける食用動植物性油
脂含量が15%(重量)であり、水中油型乳化物Aが60%
(重量)、水中油型乳化物Bが40%(重量)からなる泡
沫含有乳化分散物であり、最終製品における低融点油脂
含量が70%(重量)であり、また最終製品における全油
相含量が74.5%(重量)である泡沫含有油中水型乳化組
成物が製造された。
市販のヤシ硬化油〔太陽油脂社製、10℃における固体脂
比率:67%(重量)〕2.7Kgにソルビタンモノラウレー
ト(花王フード社製、HLB:8.6)0.189Kg〔高融点油脂
に対して約7%(重量)に相当する〕を加え、80℃に加
温し、撹拌して溶解し、水中油型乳化物Aの油相成分を
調製し、これをその温度に保持した。
これとは別に、水15.3Kgを80℃に加温し、その温度に保
持して、水中油型乳化物Aの水相成分とし、これに前記
の水中油型乳化物Aの油相成分を加え、混合物をT.K.ホ
モミキサー(特殊機化工業社製)によって、80℃におい
て10分間撹拌して予備乳化し、次に85℃において15分間
加熱殺菌し、得られた混合物を高圧型均質機(三丸機械
工業社製)により80℃の温度及び700Kg/cm2の圧力にお
いて均質化し、その直後に10℃に急冷し、水中油型乳化
物A約17Kgを得た。
一方市販ナタネ硬化油(太陽油脂社製)1.8Kgにモノグ
リセリン脂肪酸エステル(花王フード社製、ヨウ素価:
90)0.126Kg〔油脂に対して約7%(重量)に相当す
る〕を加え、80℃に加温し、撹拌して溶解し、水中油型
乳化物Bの油相成分を調製し、これをその温度に保持し
た。
これとは別に、水10.2Kgにカゼインナトリウム(ニュー
ジーランド産)0.306Kg〔水に対して約3%(重量)に
相当する〕を加え、分散して80℃に加温し、撹拌して溶
解し、水中油型乳化物Bの水相成分を調製し、これをそ
の温度に保持した。
この水中油型乳化物Bの水相成分に前記の水中油型乳化
物Bの油相成分を加え、混合物をT.K.ホモミキサー(特
殊機化工業社製)によって、80℃において10分間撹拌し
て予備乳化し、次に85℃において15分間加熱殺菌し、得
られた混合物を高圧型均質機(三丸機械工業社製)によ
り80℃の温度及び700Kg/cm2の圧力において均質化し、
その直後に10℃に急冷し、水中油型乳化物B約11Kgを得
た。
前記で得た水中油型乳化物B10Kgに水中油型乳化物A15
Kgを加え、混合物をT.K.ホモミキサー(特殊機化工業社
製)によって10℃に保持しながら10分間毎分7,000回転
で撹拌し、さらに撹拌した混合物をカントーミキサー
(関東混合機工業社製)によって10℃に保持しながら5
分間毎分150回転でホイッピングし、泡沫含有乳化分散
物約24Kgを得た。
市販の精製ナタネ油(太陽油脂社製)49Kgに前記で得た
泡沫含有乳化分散物21Kgを加え、混合物をT.K.ホモミキ
サー(特殊機化工業社製)によって15℃において5分間
撹拌し、オーバーランが66%(重量)の泡沫含有油中水
型乳化組成物約65Kgを得た。
この泡沫含有油中水型乳化組成物における調製直後の状
態についてオーバーラン、高温保存性及び組織の外観
を、トッピング特性についてオーバーラン、造花性、保
存性及び風味をそれぞれ試験例1と同様にして試験し
た。
その結果は、調製直後の状態についてはオーバーランが
40〜80%(重量)の範囲であり、高温保存性及び組織の
外観が良好で、トッピング特性については、オーバーラ
ン、造花性、保存性及び風味のいずれも良好で安定な泡
沫含有油中水型乳化組成物であった。
〔発明の効果〕
本発明の安定な泡沫含有油中水型乳化組成物は乳化安定
性が優れており、保存中での油相に分散している水滴の
微粒子の凝集、油相と水相の分離及び水中油型乳化物へ
の転相等に対して非常に安定で、かつより組織が良好で
光沢のある油中水型乳化組成物であり、通常のホイップ
用高脂肪クリームと同様の泡沫特性、すなわち、適度な
オーバーラン及び良好な造花性、及び風味を有する。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】上昇融点法によって測定した融点が異なる
    2種類の油脂と、通常の食用動植物性油脂及び乳化剤か
    らなる最終製品の28〜82.9%(重量)の油相成分、及び
    最終製品の72〜17.1%(重量)のカゼインアルカリ塩を
    含有する水相成分からなる泡沫含有油中水型乳化組成物
    の製造法であって、 a)融点の高い油脂の2〜15%(重量)の乳化剤Aを融
    点の高い油脂に加え、溶融して油相成分を調製するこ
    と、及び水中油型乳化物Aの10〜40%(重量)の油相成
    分を水中油型乳化物Aの90〜60%(重量)の水相成分に
    加え、得られた混合物を均質化することからなる水中油
    型乳化物Aを調製する工程、 b)食用動植物性油脂の2〜9%(重量)の乳化剤Bを
    該油脂に加え、溶融して油相成分を調製すること、カゼ
    インアルカリ塩を水相に対して2〜6%(重量)の量に
    おいて加え、溶解して水相成分を調製すること、及び水
    中油型乳化物Bの10〜45%(重量)の油相成分を水中油
    型乳化物Bの90〜55%(重量)の水相成分に加え、得ら
    れた混合物を均質化することからなる水中油型乳化物B
    を調製する工程、 c)30〜60%(重量)の水中油型乳化物Bに、70〜40%
    (重量)の水中油型乳化物Aを加え、得られた混合物を
    前記融点の高い油脂の融点未満の温度に保持し、攪拌し
    て気泡を混入せしめ、泡沫含有乳化分散物を調製する工
    程、及び d)最終製品の20〜70%(重量)の融点の低い油脂に、
    最終製品の80〜30%(重量)の前記泡沫含有乳化分散物
    を加え、得られた混合物を融点の高い油脂の融点未満の
    温度において攪拌し、融点の低い油脂中で前記泡沫含有
    乳化分散物を転相し、オーバーランが40〜80%(重量)
    の泡沫含有油中水型乳化組成物を調製する工程、 からなることを特徴とする安定な泡沫含有油中水型乳化
    組成物の製造法。
  2. 【請求項2】融点の高い油脂が35%(重量)以上の10℃
    における固体脂比率を有するものであることを特徴とす
    る特許請求の範囲第1項に記載の安定な泡沫含有油中水
    型乳化組成物の製造法。
  3. 【請求項3】乳化剤Aが4.3〜8.6のHLBのソルビタン脂
    肪酸エステル、1〜90のヨウ素価のモノグリセリン脂肪
    酸エステル、有機酸モノグリセリド、2.5〜8.0のHLBの
    ポリグリセリン脂肪酸エステル及びこれらの混合物から
    なる群より選択されたものであることを特徴とする特許
    請求の範囲第1項又は第2項のいずれかに記載の安定な
    泡沫含有油中水型乳化組成物の製造法。
  4. 【請求項4】乳化剤Bが2.1〜8.6のHLBのソルビタン脂
    肪酸エステル、レシチン、ヨウ素価が90のモノグリセリ
    ン脂肪酸エステル及びこれらの混合物からなる群より選
    択されたものであることを特徴とする特許請求の範囲第
    1項ないし第3項のいずれかに記載の安定な泡沫含有油
    中水型乳化組成物の製造法。
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