JPH0657886B2 - 高強度高弾性率ポリビニルアルコ−ル系繊維の製造方法 - Google Patents

高強度高弾性率ポリビニルアルコ−ル系繊維の製造方法

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JPH0657886B2
JPH0657886B2 JP24563385A JP24563385A JPH0657886B2 JP H0657886 B2 JPH0657886 B2 JP H0657886B2 JP 24563385 A JP24563385 A JP 24563385A JP 24563385 A JP24563385 A JP 24563385A JP H0657886 B2 JPH0657886 B2 JP H0657886B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (本発明の技術分野) 本発明は高強度高弾性率のポリビニルアルコール系繊維
の製造方法に関する。
(従来技術とその問題点) ポリエチレンを溶剤で溶解した後ゲル紡糸し、ついで超
延伸することによつて高強度高弾性率繊維が得られるこ
とは知られている。しかしながらこの高強度高弾性率繊
維は比較的安価で製造できる可能性のメリツトをもつて
いるが、融点が低い大きなデメリツトをもち、このため
より融点の高いポリマーでの比較的安価の高強度高弾性
率繊維の出現がのぞまれている。
(本発明の目的) この問題について研究した結果、ポリビニルアルコール
(以下PVAと略記する)においてはポリエチレンの如
く超高分子量ポリマーでなくても条件を特定化すること
により高強度高弾性率繊維が得られることが判明し、本
発明に到達したのである。
本発明の第1の目的は、重合度1500以上のPVAを
チオシアン酸塩水溶液に溶解し、ついでそのPVA溶液
を0℃以下の凝固浴中に乾・湿式紡糸によつてゲル紡糸
して繊維をつくり、しかるのち延伸することを特徴とす
る高強度高弾性率PVA系繊維の製造方法を提供するこ
とであり、又本発明の第2の目的は上記においてゲル繊
維が事実上透明となる繊維を得、この繊維をもとに高強
度高弾性率PVA系繊維の製造方法を提供することであ
り、又本発明の他の目的は上記において延伸が湿延伸と
乾熱延伸の組合せである高強度高弾性率PVA系繊維の
製造方法を提供することである。
(本発明の構成) 本発明のように高強度高弾性率繊維をつくろうとする場
合、強度においては15グラム/デニール(以下単にg
/dと略記する)以上、弾性率においては300〜40
0g/d以上が特に求められ、両者共満足することがよ
り要求されている。
このような物性のPVA系繊維をつくろうとする場合、
PVAにおいては、溶解性のよい溶剤を用い、しかもゲ
ル紡糸をすることが好ましいことが研究の結果判明し
た。
PVAには溶解性が良くかつ冷却によつて短時間にゲル
化する溶剤に恵まれていない。この結果種々調査研究し
て見出したのがチオシアン酸塩、特にチオシアン酸ソー
ダ水溶液である。チオシアン酸ソーダの水溶液はPVA
を80〜100℃において完全にと云つて良い程度にま
で溶解し、しかも0℃程度以下において短時間にゲル化
する特徴をもち、溶解とゲル化を満足する溶剤である。
チオシアン酸ソーダでは水溶液が最も好ましいようであ
るが、水に溶解するか又はチオシアン酸塩を溶解する例
えばメタノールなどを少量配合するのは差しつかえな
く、本明細書においては、これらの総称を以てチオシア
ン酸塩の水溶液とのでているものである。
PVAの場合水も又溶剤であるが、チオシアン酸ソーダ
を加えることにより溶解性が向上し透明なゲルか得られ
る。効果的なのはチオシアン酸ソーダでは大略30〜6
0%の水溶液である。
本発明はPVAの溶解性が比較的良いチオシアン酸ソー
ダ水溶液を用いて溶解させ、次に乾・湿式紡糸によつて
急冷しゲル化させることが大きな特徴であるが、溶解性
が劣る貧溶媒(例えばエチレングリコール)において
は、冷却によつてゲル化が短時間におこり、乾式又は乾
・湿式紡糸によつてゲル繊維が得られるが、本発明のよ
うに比較的良い溶解性の溶剤を用いた場合には急冷で短
時間にゲル繊維が得られることは特にPVAの場合知ら
れていないことであり、鋭意研究した結果見出したもの
である。
PVAのチオシアン酸ソーダ水溶液は一般に室温で安定
な溶液であるので、室温で紡糸が可能であるが、より高
濃度で紡糸しようとする場合50〜70℃程度で紡糸す
れば、さらに粘度をさげるためには、80〜95℃程度
の温度で紡糸すればよい。しかし70℃程度以上で静置
して長時間おくと相分離がおこることがあるので、この
場合は撹拌するか、流動状態におくか、又は口金孔附近
で昇温するなどの短時間の昇温で紡糸するようにするこ
とが望ましい。
そしてこの紡糸した繊維は液柱状態であるが、これを低
温の凝固浴で冷却することによつてゲル繊維にすること
が出来る。このように紡糸口近と凝固浴との間に温度差
が必要となるので、本発明では乾・湿式紡糸をおこな
う。
凝固浴での冷却によつて短時間にゲル化させる本発明で
は、主としては凝固浴の温度、従としては凝固浴の組成
によつてゲル繊維が全くの乳白色から透明の間まで変わ
る。
凝固浴の温度を或る温度以下にしないと、凝固浴に入つ
てもゲル化しないために通常の湿式紡糸にみられるよう
に溶剤の除去が進行し、その後にゲル化するようになる
が、本発明では凝固浴に入つて短時間にゲル化するた
め、事実上溶剤の除去がほとんどおこなわれずにゲル化
し、その後に溶剤の除去がおこなわれるようになる。
ゲル化時のゲル繊維は、微視的にはポリマーと溶剤が均
整に分散してると考え勝ちであるが、実際にはそうでは
なく、スピノーダル分解などによつて高濃度のPVAが
低濃度の中でネツトワーク状などに分離していると考え
られ、この中での均整度やネツトワークの大きさによつ
てゲル繊維は乳白色から透明の間まで変わり、透明な程
高強度高弾性率繊維をつくるために望まれる。ゲル化を
短時間に進行させるため繊維が細い程、又より短時間に
より低温に冷却する程透明なゲル繊維となる。
紡糸した繊維(液柱)が凝固浴に入るとき、PVAのチ
オシアン酸塩水溶液と全く親和性がない凝固浴を用いる
とき、この凝固浴では単にゲル化するだけで、溶剤除去
はできない。そこで次にこのゲル繊維の溶融温度以下で
溶剤を除去しなければならず、このため、次の凝固浴で
は溶剤を抽出するような組成にしなければならない。
一般的には紡糸した繊維(液柱)が入る凝固浴はゲル化
と溶剤の抽出とをおこなう凝固浴とするのがのぞまし
い。
凝固浴での溶剤の抽出は、先にのべたようにゲル化繊維
の溶融温度以下でしないとゲル繊維をつくつた意味がな
い。そして溶剤の抽出では抽出速度を大にすると不透明
化の方向にむかい、極端にすると完全乳白色になり好ま
しくない。この抽出速度は凝固浴の組成によつて大きく
かわり、又温度が低い程出速度がおそくなる。この結
果、均整である透明な繊維をつくろうとする場合、凝固
浴温度を低くし、そして凝固浴中に必要あれば溶剤成分
を配合することによつて抽出速度を抑えればよい。
凝固浴中への或る程度の溶剤成分の配合はなされている
方がより望ましいであろう。その第1の理由は溶剤が抽
出され溶剤成分が入つてくるのでこれを一定に保ち管理
するためであり、他は後述する凝固浴成分を含んだ湿潤
ゲル状態で延伸するとき、溶剤成分などでポリマーと親
和性のある液体での湿潤ゲルでの延伸となり、このとき
延伸で透明性をより失わるようにでき、延伸によつてゲ
ルのネツトワークが膠着したり、なじみよくなるための
緻密化がより進行するようにみられるからである。
この湿潤ゲルの延伸を湿延伸と称することにする。この
湿延伸をする場合には、湿延伸前で溶剤等の親和性成分
が繊維の内外層に均整になつていることが必要であり、
かつ上述したように溶剤成分の抽出速度を大にとること
が好ましくないので、凝固浴での抽出は比較的長時間と
ることが必要でなる。
溶剤の抽出を無理なく、しかも効率よくおこなうには、
はじめゲル化する低温からはじまり、時間の経過と共に
いくつかのステツプか又は連続的に温度をあげて抽出す
るようにしてもよい。
いずれにせよ数分と云い時間では高強力高弾性率繊維に
適当な抽出は無理で、数時間から数日間の時間が理想的
にはかかる。
このため抽出はゲル繊維を孔あきボビン状のものに巻取
り、そのボビンの繊維層に凝固浴が通るように、例えば
ボビン内から外へ凝固浴を流して溶剤抽出するようにす
ればよい。
次に湿延伸では、延伸後において特に大きなゴム状弾性
を示さない温度範囲をとればよい。又過度に低い温度に
すると、親和性成分の親和性が小さくなるためか、最後
延伸後において大きなボイドがみられたりする。これは
適当な温度条件を採用することによつてさけられ、この
場合より高強度の繊維が得られる。このように湿延伸は
ボイドを減少される緻密化効果がみられる。
ここで湿延伸とのべたのは、湿潤下の延伸であつて、ポ
リマーと湿潤剤との親和性によつて室温下でおこなうこ
とが出来、必ずしも加熱を必要としない。条件下によつ
ては冷却を必要としたり、又加熱を必要としたりするこ
ともおこり得よう。
凝固浴にメタノールを用いる場合、室温附近で良好な湿
延伸をおこなうことが出来る。メタノールはPVAに大
きな親和性はないようにみられるのに、ボイドの減少化
に効果がみられる。これはメタノール中には一般に水が
含まれてるいることや、溶剤成分がいくらか残存してい
るため、などが考えられる。
乾熱延伸する前に溶剤成分は可及的に除去することが望
ましい。このため溶剤残存量は好ましくは2%以下、更
に好ましくは0.5 %以下そして特に好ましくは0%とみ
られる。この残存量が大であると乾熱延伸での着色が大
になり、又乾熱延伸温度を十分に上げることが出来ない
問題を生ずる。
このため溶剤抽出は強力におこなう必要があり、必要に
応じて抽出と乾燥の繰返しをおこなう。これも又前述し
たように孔あきボビンに巻いた糸をボビン染色機で染色
する場合のように繊維層である巻層に抽出液を通して抽
出すればよく、このまま抽出と乾燥を繰返すときには液
流をやめ圧縮空気を通して乾燥し、次に又液流を通すよ
うにすればよい。
そして乾燥したゲル繊維は次に乾熱延伸される。乾熱延
伸は一般的にヒーターに通すことによつておこなわれる
が、それは空気雰囲気が一般的で、180〜190℃以
上、好ましくは200〜240℃程度の温度が採用され
る。
200℃以上のような高温においては空気中の酸素によ
る架橋がおこなわれ延伸を阻害する場合があるので、窒
素のような不活性ガスやシリコンや溶融メタルのような
不活性液体下での延伸をおこなうことが望ましい。これ
らはPVAに対して湿潤の影響を事実上与えていないの
で、これらを総称して本発明では乾熱延伸とのべてい
る。
本発明においてはゲル繊維が事実上透明であることが望
ましい。ゲル繊維の透明性は、その時期により変えるこ
とが出来るもので、事実上透明と云えるものでも乾燥に
よつて事実上透明にすることができる。しかしながら全
工程において事実上透明であるものが、より望ましいこ
とである。本発明の特許請求の範囲第2項でゲル繊維が
事実上透明であることと規定しているが、これは半透明
以上の透明さを云うものであり、このゲル繊維とは延伸
直前のゲル繊維をさしている。この理由はゲル繊維の状
態が延伸や延伸繊維の物性に影響を与えるからである。
そして本発明の特許請求の範囲第3項では延伸が湿延伸
と乾熱延伸の組合せであることを規定している。この組
合せの中で実験の結果最もよい結果を得ているのは、湿
延伸につづいて乾熱延伸を行なうものである。これは又
延伸温度が後の延伸程高くすることにもなり、これがよ
い結果をまねいたと考えられる。
本発明において重合度1500以上のPVAを用いるの
が特徴で、このあたりの重合度で高強度高弾性率のPV
A系繊維が得られるからである。しかし重合度をより大
にすることは望ましいことで、好ましくは重合度300
0以上である。PVAは一般的に完全ケン化PVAを用
いているが、より延伸性を大にして、より高強度高弾性
率繊維をつくろうとする場合にはPVAのタクテイシテ
イやPVAの分子構造上のモデイフイケーシヨン(例え
ばPVAの後部分酢化)などによる結晶性の向上や低下
対策により、最良点を選ぶことにより高性能化すること
ができるであろう。
次に本発明の実施例をのべる。組成の配合パーセントは
本明細書ではすべて重量パーセントで示している。
実施例1 完全ケン化の重合度3400のPVAをチオシアン酸ソ
ーダの水溶液に溶解してPVAの溶液をつくり凝固浴下
に乾・湿式紡糸してゲル化状態を調査した。その結果を
第1表に示す。
第1表より、0℃ではきつい乳白色ほどではない不透明
のゲル繊維が得られ−20〜−40℃にすると均整な透
明なゲル繊維が得られることがわかる。
実施例2 実施例1で紡糸したゲル繊維を、条件を変えて延伸して
延伸繊維を得た。湿延伸しつづいて乾熱延伸する場合に
は、実施例1でゲル化した繊維をその凝固浴下で3時間
おいたのち、2時間かけてそのまま室温にもつていつ
た。その湿潤状態のゲル繊維は第2表に示したゲル繊維
の色相(透明性)にあり、それを第2表に示した条件で
湿延伸し、ついで、ボビン(枠)にまいて室温のメタノ
ールに1昼夜浸漬し、ついで乾燥することを3回(1回
ごとに新しいメタノールに取替えた。)繰返してPVA
の溶剤を除去し、その後乾燥して第2表に示した条件で
乾熱延伸した。
湿延伸を省略して乾熱延伸する場合には、実施例1でゲ
ル化した繊維をその凝固浴下で3時間おいたのち、2時
間かけてそのまま室温にもつていき、次にボビン(枠)
にまいて室温のメタノール1昼夜浸漬し、ついで乾燥す
ることを3回(1回ごとに新しいメタノールに取替え
た。)繰返してPVAの溶剤を除去し乾燥した。その状
態のゲル繊維の色相(透明性)を第2表に示し、それを
第2表に示した条件で乾熱延伸した。
乾熱延伸はヒーターに入つた繊維長が1分間当り7.5 倍
延伸される延伸速度で延伸した。
第2表の実験No.12〜19をみると、湿延伸を適当な
条件にとると強度、ヤング率の向上に効果があるのがみ
られる。又実験No.20〜22および乾熱延伸のみの実
験No.12と23をみると延伸直前のゲル繊維の色相
(透明性)については透明化の方向にあるとき強度、ヤ
ング率共により高性能を示すことがみられる。
なお、第2表には示していないが、実験No.12、1
9、23のものは延伸繊維をみると大きなボイドが観察
され、部分的に中空繊維様になつているところがみられ
た。これは繊維の緻密化が不充分によるためと考えられ
る。このような現象は他の実験No.のものには観察され
なかつた。湿延伸を適当な条件にとることによつて均質
化や緻密化が出来ることを示している。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重合度1500以上のポリビニルアルコー
    ルをチオシアン酸塩水溶液に溶解し、ついでそのポリビ
    ニルアルコール溶液を0℃以下の凝固浴中に乾・湿式紡
    糸によつてゲル紡糸してゲル繊維をつくり、しかるのち
    延伸することを特徴とする高強度高弾性率ポリビニルア
    ルコール系繊維の製造方法。
  2. 【請求項2】特許請求の範囲第1項において、ゲル繊維
    が事実上透明である高強度高弾性率ポリビニルアルコー
    ル系繊維の製造方法
  3. 【請求項3】特許請求の範囲第1項において、延伸が湿
    延伸と乾熱延伸の組合せである高強度高弾性率ポリビニ
    ルアルコール系繊維の製造方法。
JP24563385A 1985-10-31 1985-10-31 高強度高弾性率ポリビニルアルコ−ル系繊維の製造方法 Expired - Lifetime JPH0657886B2 (ja)

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