JPH0674941A - 金属缶内面被膜の欠陥検査方法と装置 - Google Patents

金属缶内面被膜の欠陥検査方法と装置

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JPH0674941A
JPH0674941A JP4250491A JP25049192A JPH0674941A JP H0674941 A JPH0674941 A JP H0674941A JP 4250491 A JP4250491 A JP 4250491A JP 25049192 A JP25049192 A JP 25049192A JP H0674941 A JPH0674941 A JP H0674941A
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裕二 小長谷
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健 伊藤
Shuzo Nishida
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Abstract

(57)【要約】 【目的】全数検査に適用することが可能な、シームレス
金属缶の内面有機被膜層の欠陥検査方法、および自動的
に高速で全数検査を行なうことができる上記の欠陥検査
装置を提供する。 【構成】シ−ムレス金属缶11の全内面に先端部近傍が
接触可能の導電性ブラシを10を金属缶11内に挿入
し、金属缶の開口部端面11aに電極片30を接触させ
る。導電性ブラシ10と電極片30間に高圧直流電圧を
印可しながら、導電性ブラシ10と金属缶11を相対回
転し、導電性ブラシ10と電極片30間に流れる電流に
基づいて内面有機被膜層の欠陥を判別する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ビール缶、炭酸飲料
缶、コーヒー飲料缶等の缶詰等に用いられる、内面にプ
ラスチックフィルム膜や塗膜等の有機被膜層を有するシ
ームレス金属缶の内面有機被膜層の欠陥検査方法および
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】実開平2−59109号公報(実願平1
−55451号)に係る明細書には、両面に有機被膜層
を形成された、例えば缶内面となるべき面に厚さ30μ
mのポリエチレンテレフタートフィルム、缶外面となる
べき面に厚さ20μmのポリエチレンテレフタートフィ
ルムを貼着された金属板、例えばティンフリースチール
(厚さは例えば0.13mm)のブランクから絞り加工
ー再絞り加工ー底部ドーミング加工ーネックイン,フラ
ンジ加工により形成された、内外面に有機被膜層が被覆
されたシームレス金属缶が記載されている。
【0003】このタイプのシームレス金属缶の内面有機
被膜層は、上記各加工工程において、傷付きや局部的な
剥離部等の欠陥を生ずることがある。欠陥は特にネック
イン部や底部の環状突出部の内面有機被膜層に生じ易
い。これらの欠陥は内容物による金属の腐蝕のため、金
属イオンの内容物中への溶出や、金属層の穿孔等を招く
ので好ましくない。
【0004】この内面有機被膜層の欠陥検査法として、
従来より主としてエナメルレータ(Enamel Rater)法が
採用されている(例えば「包装技術便覧」、第1845
頁、昭和58年7月20日、日刊工業新聞社)。これは
有機被膜層を有する金属板側が正極となるようにして、
電解液(例えば1%NaCl水溶液)中に浸漬した電極(負
極)との間に一定電圧(通常6ボルト)を印可して、流
れる電解電流を測定する方法であって、この電解電流は
金属露出面積にほぼ比例するといわれる。
【0005】このエナメルレータ法は、被検査体が電解
液によって汚染されるため、検査値が正常なものであっ
ても、その後の生産工程に流すことが困難であり、また
被検査体の試験装置への取付けにも、電解液の漏れ防止
などのため時間と手間を要するという問題がある。その
ためエナメルレータ法は、従来抜取り検査用としか採用
されていなかった。従って製品中に、欠陥製品が混入す
るおそれがあった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、全数検査に
適用することが可能な、シームレス金属缶の内面有機被
膜層の欠陥検査方法を提供することを目的とする。さら
に本発明は、自動的に高速で全数検査を行なうことが可
能な、シームレス金属缶の内面有機被膜層の欠陥検査装
置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の、少なくとも内
面が有機被膜層で被覆されたシ−ムレス金属缶の内面有
機被膜層の欠陥検査方法は、実質的にシ−ムレス金属缶
の全内面に先端部近傍が接触可能の導電性ブラシをシ−
ムレス金属缶内に挿入し、シ−ムレス金属缶の開口部端
面に電極片を接触させて、導電性ブラシと電極片間に高
圧直流電圧を印可しながら、導電性ブラシと金属缶を相
対回転し、導電性ブラシと電極片間に流れる電流に基づ
いて内面有機被膜層の欠陥を判別することを特徴とす
る。シ−ムレス金属缶内に挿入するとき、およびシ−ム
レス金属缶より離脱するとき、導電性ブラシを収縮し、
相対回転中、導電性ブラシを拡張することが好ましい。
【0008】本発明の、少なくとも内面が有機被膜層で
被覆されたシ−ムレス金属缶の内面有機被膜層の欠陥検
査装置は、導電性ブラシの保持体が固着されるスピンド
ルを複数個、周縁部に沿い軸着されたターレット盤;タ
ーレット盤を軸支するフレームに固着され、スピンドル
に着設されたギヤと歯合し、ターレット盤の回転に伴い
スピンドルを自転する太陽歯車;シ−ムレス金属缶を導
電性ブラシに外挿する手段;導電性ブラシが挿入された
シ−ムレス金属缶の開口部端面に接触可能な電極片;導
電性ブラシと電極片間に高圧直流電圧を印可する直流電
源;少なくともシ−ムレス金属缶が導電性ブラシに外挿
される期間および導電性ブラシより離脱する期間、導電
性ブラシを収縮し、少なくとも導電性ブラシと電極片間
に高圧直流電圧が印可されている期間、導電性ブラシを
拡張する手段;有機被膜層に欠陥があるとき、印可され
る高圧直流電圧に基づく放電により発生するパルス波を
検出する電気回路を備えることを特徴とする。
【0009】
【作用】請求項1に係る発明は、少なくとも内面が有機
被膜層で被覆されたシ−ムレス金属缶(以下金属缶とよ
ぶ)の内面有機被膜層の全面に高圧直流電圧を印可し
て、その欠陥を検査するタイプの金属缶の内面有機被膜
層の欠陥検査法であるが、缶内面側の電極として導電性
ブラシを用いる。導電性ブラシは可撓性であるので、金
属缶と相対回転、すなわち金属缶を固定して導電性ブラ
シを回転するか、または導電性ブラシを固定して金属缶
を回転することにより、実質的に全内面に先端部近傍を
接触させることが容易である。
【0010】金属缶の少なくとも内面が有機被膜層で被
覆されているが、開口部端面には金属が露出している。
従って金属缶の開口部端面に電極片を接触させて、導電
性ブラシと電極片間に高圧直流電圧を印可しながら、導
電性ブラシと金属缶を相対回転し、そのさい導電性ブラ
シと電極片間に流れる電流に基づいて内面有機被膜層の
欠陥を判別することができる。導電性ブラシとして比較
的軟らかく内面有機被膜層を傷付けないものを用いるこ
とによって、検査によって正常と判定された金属缶は、
製品としてそのまま出荷することができる。従って全数
検査が可能である。
【0011】請求項2に係る発明は、金属缶内に挿入す
るとき、および金属缶より離脱するとき、導電性ブラシ
を収縮するので、開口部の内径が胴部本体の内径より小
さいネックイン缶の場合でも、収縮することによって容
易に導電性ブラシを金属缶に挿入したり、金属缶から離
脱することができる。相対回転中、導電性ブラシを拡張
することにより、導電性ブラシによって金属缶の実質的
に全内面を掃引することができるので、内面有機被膜層
に検査漏れ部分が生ずるのを防止できる。
【0012】請求項3に係る発明は、導電性ブラシの保
持体が固着されるスピンドルを複数個、周縁部に沿い軸
着されたターレット盤、およびターレット盤を軸支する
フレームに固着され、スピンドルに着設されたギヤと歯
合し、ターレット盤の回転に伴いスピンドルを自転する
太陽歯車を備えているので、スピンドルの公転に伴い、
スピンドルを自動的に自転させることができる。また金
属缶を導電性ブラシに外挿する手段、および少なくとも
金属缶が導電性ブラシに外挿される期間および導電性ブ
ラシより離脱する期間、導電性ブラシを収縮する手段を
備えているので、金属缶がネックイン缶の場合であって
も、導電性ブラシを自動的に、容易に金属缶に挿入する
ことができる。
【0013】導電性ブラシが挿入された金属缶の開口部
端面に接触可能な電極片、導電性ブラシと電極片間に高
圧直流電圧を印可する直流電源、少なくとも導電性ブラ
シと電極片間に高圧直流電圧が印可されている期間、導
電性ブラシを拡張する手段、および有機被膜層に欠陥が
あるとき、印可される高圧直流電圧に基づく放電により
発生するパルス波を検出する電気回路を備えているの
で、この電気回路により内面有機被膜層の傷付き又は局
部的な剥離等の欠陥を自動的に検出することができる。
電気回路による検出時間は極く短いので、ターレット盤
に配設されるスピンドルの数を多くし、かつターレット
盤の回転数を大きくすることによって、高速で全数検査
を行なうことができる。
【0014】
【実施例】図1において、1a,1bは導電性ブラシ保
持体であり、2は自転および軸方向の往復動が可能の金
属スピンドルである。導電性ブラシ保持体1aおよび1
bはそれぞれ、スライド5aおよび5bに固着されてい
る。スライド5a,5bは、スピンドル2を包囲するス
リーブ15(図6)の先端部に固着された、軸方向定位
置の筒体3に横架されるピン4a,4bに沿い摺動可能
に着設されている(図5)。
【0015】スピンドル2の前端に、比較的薄肉の先端
部7a、および比較的厚肉の基部7bを有する突片7が
固着されている。スライド5aおよび5bの後側にそれ
ぞれ、ロール6aおよび6bが着設されている。ロール
6aは突片7の上部に、ロール6bは突片7の下部に位
置するように配設されている。
【0016】スピンドル2が前進位置にあるとき、図7
に示すように、基部7bがロール6a,6bの間に入っ
て、ロール6aとロール6bの間隙幅が大きくなり、従
ってスライド5aおよび5bの間隔が小さくなり、導電
性ブラシ10が収縮する。スピンドル2が後退位置ある
とき、図1に示すように、先端部7aがロール6a,6
bの間に入り、ロール6aとロール6bの間隙幅が小さ
くなり(図2)、スプリング8(図5)の作用によっ
て、スライド5aおよび5bがそれぞれ係止ピン9aお
よび9bに当接するまで、両者の間隔が大きくなり、導
電性ブラシ10が拡張する。
【0017】導電性ブラシ保持体1aおよび1bにはそ
れぞれ、金属缶11の胴部掃引用の導電性ブラシ片10
aおよび10bが、互いに対向して軸方向および半径方
向に延びるように固着されている(図1,図3)。導電
性ブラシ保持体1aにはさらに、金属缶11の底部掃引
用の導電性ブラシ片10cが固着されている。各ブラシ
片10a,10bおよび10cによって、導電性ブラシ
10が構成される。
【0018】各ブラシ片10a,10b,10cはナイ
ロン繊維(直径が例えば0.15mmの)にナイロン・
カーボン複合剤被膜を複合した導電性短繊維よりなる多
数の、比較的軟らかいブラシ素糸12と、ブラシ素糸1
2の内側端部をかしめ止めする断面u字形状の金属板片
よりなる保持具13よりなっている(図1,図4)。ブ
ラシ素糸12は、例えば約3mmの厚さに保持具13に
緻密に植毛されている。ブラシ素子12の長さは、導電
性ブラシ片10a,10bおよび10cがそれぞれ、導
電性ブラシ10が拡張し、かつ回転した状態で、金属缶
11の胴部11bの全内面(フランジ部を除く)および
底部全内面に接触して(図1,図4)、その先端部が僅
かに折れ曲がる程度に定められている。図1の胴部下端
部11b1の接地部近傍内面において、実線は導電性ブ
ラシ10が停止している時の状態を、点線は導電性ブラ
シ10が回転している時のブラシ10の状態の変化を示
す。なお図1,図7において、ブラシ素糸12は一部の
みを記載した。
【0019】金属缶11は、ティンフリースチール(厚
さは例えば0.13mm)等の金属板の内外面に、例え
ば厚さ約20〜30μmのポリエチレンテレフタートフ
ィルム等の有機被膜層を形成されてなるブランクから、
絞り加工ー再絞り加工ー底部ドーミング加工ー胴部外面
印刷,乾燥ーネックイン,フランジ加工により形成され
たものであり、フランジ部の端面11a(図1)に金属
が露出している以外は、全面が原則的に電気絶縁性の有
機被膜層で被覆されている。
【0020】図6に示すようにスピンドル2は、LMボ
ール軸受16およびブッシング17を介してスリーブ1
5を挿通しており、スリーブ15に対して、軸方向の移
動は可能であるが、回転は不可能になっている。スリー
ブ15は、球軸受18を介して主軸20(図11参照)
に固着された第1のターレット盤19の周縁部に沿い設
けられた複数個(例えば18個)のポケット19aに着
設されている。主軸20は、図示されない駆動装置によ
って所定速度で回転される。球軸受18とターレット盤
19の主部は、電気絶縁体例えばMCナイロンよりなる
薄肉円筒体19bによって電気絶縁されている。スピン
ドル2の後方部には、歯部21aが電気絶縁体、例えば
MCナイロンよりなるギヤ21が着設されており、ギヤ
21はフレーム23(図11参照)に固着された太陽歯
車22に歯合している。従ってターレット盤19の回転
(回転速度は例えば83r.p.m.)に伴いスピンド
ル2は公転と同時に自転するようになっている。従って
導電性ブラシ10は、常時自転している(例えば600
r.p.m.で)。
【0021】スピンドル2の後端に、MCナイロン・ス
リーブ24aにより電気絶縁された球軸受24を介し
て、カム従導子25が着設されている。カム従導子25
は、フレーム23に設けられた周カム溝26に係合して
いる。周カム溝26のプロフィルは、ターレット盤19
の回転に伴い、スピンドル2が所定のタイミングで軸方
向に往復動するようになっている。
【0022】スリーブ15の前方部に、スリップリング
25、およびスリップリング25に接触するブラシ26
が着設されている(図6)。導電性ブラシ10は、導電
性ブラシ保持体1a,1b、スライド5a,5b、ピン
4a,4b、筒体3、スリーブ15、スリップリング2
5、ブラシ26および主軸20内の導孔(図示されな
い)を通る導線27、ならびに主軸20の後端部に着設
されたスリップリングおよびブラシ(何れも図示されな
い)を介して高圧直流電源61(図12;電圧は例えば
800〜1000ボルト)の負極に接続する。
【0023】導電性ブラシ保持体1a,1bの基部近傍
を包囲してリング状体28が主軸20に固着された第2
のターレット盤29に着設されている(図1,図8)。
リング状体28の前面板28aの内径、すなわち内面2
8a1の直径は、金属缶11の胴部11bが緩挿される
程度の大きさに定められている。
【0024】前面板28aと後面板28bの間に、円周
方向に等間隔に複数個(図8では3個)の電極片30
(例えば不銹鋼よりなる)が、ピン31の周りに揺動可
能に設けられている。電極片30の前面側内面30a
は、前面に向って開いた円錐台形をしており、後面側内
面30bは短円筒形である。電極片30の後面に突部3
0cが形成されており、突部30cは、金属缶11が挿
入されていない時は、後面板28bの内面に形成された
凹部28b1の底面とスプリング32による押圧下に係
合している。この状態における後面側内面30bの内径
は、金属缶11のフランジ部端面11aの直径より僅か
に小さく定められている。電極片30は、リング状体2
8,端子33、および前記の主軸20内の導孔を通り、
主軸20の後端部に着設されたスリップリング(図示さ
れない)に接続する導線34を介して、高圧直流電源6
1のアースされた正極に接続する(図12)。
【0025】図9,図10に示す缶保持具35は、金属
缶11の底部11cを真空吸着によって保持する底部保
持体36および胴部11bを保持する胴部保持体37を
備えている。底部保持体36には、真空吸引孔38が形
成されており、真空吸引孔38は真空パイプ39,ター
レット盤29および主軸20内の導孔および真空弁装置
(何れも図示されない)を経て真空源(図示されない)
に接続する。真空弁装置は、主軸20の前端面と接触す
る摺動面を有し、フレーム23に固着されており、所定
のタイミングで真空を開閉するように構成されている。
【0026】底部保持体36および胴部保持体37は、
共通の基板40に固着されており、基板40の下部には
2個の摺動部材41が、上部には駆動具43が固着され
ている。駆動具43の右端(図9から見て)にカム従導
子(図示されない)が着設されており、カム従導子は、
フレーム23に設けられた周カム溝(図示されない)に
係合している。この周カム溝のプロフィルは、ターレッ
ト盤29の回転に伴い、カム従導子、従って駆動具43
を介して、金属缶11を保持する缶保持具35が所定の
タイミングで、図9の実線で示す右方の位置Rと、1点
鎖線で示す左方の位置Lの間を往復動するように構成さ
れている。位置Lにおいて、金属缶11は図1に示す位
置にあり、端面11aおよび底部11cはそれぞれ、電
極片30および導電性ブラシ片10cに接触する。
【0027】次に上記装置により、金属缶11の内面有
機被膜の欠陥を検査する方法について説明する。図11
に示すように、フィート゛ターレット45により矢印方
向Xに送られ、ターレット45とターレット19,29
が交接するステーションAに達した金属缶11は、ター
レット29上の胴部保持体37に載置された後、真空吸
着により底部保持体36に吸着されて、缶保持具35に
より位置R(図9)に保持される。金属缶11は矢印方
向Y(図11)に移動しながら、ステーションBに達す
るまでに、駆動具43により矢印P方向に押されて図9
の位置Lに送られ、端面11aおよび底部11cはそれ
ぞれ、電極片30および導電性ブラシ片10cに接触す
る。この時点で導電性ブラシ10は収縮状態にあるの
で、金属缶11は、回転している導電性ブラシ10にス
ムースに外挿される。
【0028】ステーションBに達すると直ちに、スピン
ドル2、すなわち突片7が前進して、ステーションCに
達するまでに導電性ブラシ10は拡張する。ほぼ同時に
後記のように、各スピンドル2毎に主軸20に着設され
たタイミングカム55(図12)の回転に伴い、近接ス
イッチ56より出力される信号62に基づいて、高圧直
流電源61に電圧印可指令信号64が入力して、金属缶
11と導電性ブラシ10の間に通電が行なわれる。拡張
した導電性ブラシ10は、回転しながら金属缶11のフ
ランジ部を除く全内面を掃引するので、直ちに内面有機
被膜層の欠陥検査が開始され、ステーションDに達する
までに電圧印可指令信号64がOFFとなって検査が終
了する。
【0029】ステーションDとステーションEの間を通
過中にスピンドル2が後退して、導電性ブラシ10が収
縮する。ステーションEからステーションFに達するま
での間に駆動体43が後退して、金属缶11は位置Rに
達する。ステーションFにおいて、底部保持体36の真
空が解除され、金属缶11はリジェクトターレット46
に移行し、「欠陥有り」と判定された金属缶11’はス
テーションGにおいて排除される。「正常」と判定され
た金属缶11は、送出ターレット47に移行した後、製
品として送出される。
【0030】図12の60は、欠陥検査のための電気回
路を示すものである。主軸20に着設されたタイミング
カム55の検出部55aが近接スイッチ56の前面を通
過する間、近接スイッチ56は矩形波パルス信号62を
ラッチ回路63に出力する。ラッチ回路63がパルス信
号62の立上りに基づいて電圧印可指令信号64を高圧
直流電源61に出力すると、直流電源61により、導電
性ブラシ10と金属缶11の間に高圧直流電圧(電圧は
通常800〜1000ボルト)が印可され、抵抗65を
流れる電流は電流ー電圧変換回路66によって、電圧に
変換され、この電圧は絶縁増幅器67で増幅されて電圧
Vとなる。
【0031】図13は、正常な金属缶11(内面有機
被膜層は厚さ25μmのポリエチレンテレフタートフィ
ルムよりなる)の場合の、時間−電圧曲線の例を示すも
のである。電圧印可の初期に充電のため電圧Vはピーク
値Vsに達するが、以後次第に低下する。図13は、
内面有機被膜層に欠陥がある金属缶11が外挿された場
合の、時間−電圧曲線の例を示すものであり、初期電圧
ピーク値は図13の場合のVsとほぼ同じである。し
かし内面有機被膜層の欠陥部検出の時点t3に、放電電
流が流れるため電圧Vが上昇し、電圧ピーク値がVpの
パルス波57が生ずる。図13は、端面11aに有機
被膜が付着していたり、配線が外れたり、あるいは端面
11aと電極片30との接触不良等のトラブル等で、通
電不良の場合の時間−電圧曲線の例を示すものであり、
初期充電による電圧ピーク値Vrは、電圧ピ−ク値Vsよ
り低く、かつ電圧Vは急速に低下する。
【0032】図12に戻って、電圧Vは被膜欠陥検出用
比較器68および通電不良検出(端面11aが電極片3
0と接触しないのを検出する)用比較器69に入力す
る。被膜欠陥検出用比較器68には、被膜欠陥検出電圧
設定器70により設定された電圧V1(図13参照)
も入力する。電圧V1は、金属缶11が正常の場合の電
圧Vがほぼ安定するのに要する時間t2における電圧Vb
(図13参照)より若干大きい値に定められる。電圧
Vが電圧V1より高い場合は、比較器68よりAND回
路71にON信号が出力する。
【0033】AND回路71の入力端子には、被膜欠陥
検出開始タイマー72も接続している。被膜欠陥検出開
始タイマー72は、矩形波パルス信号62の立上がり時
点(図13の時間0)より時間t2(例えば20mse
c)が経過した後にON信号をAND回路71に出力す
る。従って時点t2以後の時間t3に、ピーク値Vpが設
定電圧V1より高いパルス波57(図13)が発生す
ると、比較器68よりAND回路71にON信号が入力
し、AND回路71はラッチ回路73をセットし、ラッ
チ回路73は、「当該金属缶11に内面被膜欠陥が有
る」との信号75を出力する。信号75は、コンピュー
タ(図示されない)に入力し、コンピュータは当該金属
缶11がステーションG(図11)に達したとき、リジ
ェクト信号を出力する。
【0034】一方信号75はOR回路76を経てワンシ
ョット回路77に入力する。ワンショット回路77より
出力するパルス波はOR回路78を経て、ラッチ回路6
3のR端子に入力し、ラッチ回路63をリセットして、
電圧印可指令信号64を解除する。従って直流電源61
よりの金属缶11および導電性ブラシ10への電圧印可
は解除され、時点t3より後の放電による導電性ブラシ
10の損傷が防止される。またワンショット回路77よ
りの信号はラッチ回路73のR端子に入力して、ラッチ
回路73もリセットする。
【0035】通電不良検出用比較器69は、電圧Vと、
通電不良検出電圧設定器79により設定された電圧V2
(図13参照)を比較し、V<V2のときOFF信号
を反転器74に出力し、そのON信号をAND回路80
に出力する。なお電圧V2は、金属缶11が正常の場合
の、時間t1(t1≦t2)における電圧Va(図13参
照)より小さい値に定められる。
【0036】83は通電不良検出時間設定タイマーであ
って、時間t1が設定される。時間t1に達すると、ワン
ショット回路81からパルス波がAND回路80に出力
され、ラッチ回路82をセットするので、ラッチ回路8
2から「通電不良」との信号84が出力される。信号8
5は、コンピュータ(図示されない)に入力し、コンピ
ュータは当該金属缶11がステーションGに達したと
き、リジェクト信号を出力する。
【0037】ラッチ回路82よりのON信号は、OR回
路76を経てワンショット回路77に入力してパルス波
を発生させる。このパルス波は、ラッチ回路82のR端
子に入力して、ラッチ回路82をリセットし、同時にO
R回路78を経て、ラッチ回路63のR端子に入力し
て、ラッチ回路63をリセットして、電圧印可指令信号
64を解除する。従って直流電源61よりの金属缶11
および導電性ブラシ10への電圧印可は解除され、時点
t1より後の放電による導電性ブラシ10の損傷が防止
される。金属缶11の端面11aが電極片30に接触す
る図13、の場合は、V>V2であるので、ラッチ
回路82はセットされず、「通電不良信号」84は出力
されない。
【0038】金属缶11が正常の場合は、矩形波パルス
信号62の立下り検出回路85がパルス信号62の立下
り時間t4(t4>t2;t4は例えばt2+100mse
c)を検出してON信号をOR回路78に出力する。O
R回路78よりの出力信号はラッチ回路63のR端子に
入力して、ラッチ回路63をリセットして、電圧印可指
令信号64を解除する。
【0039】本発明は、以上の実施例によって制約され
るものでない。例えば金属缶はネックイン部およびフラ
ンジ部が形成される前のもの、すなわち胴部が全体とし
て直筒状のものでもよい。また導電性ブラシを固定し、
金属缶を回転してもよい。さらに金属缶は、内面のみが
有機被膜層で被覆されたものであってもよい。
【0040】
【発明の効果】請求項1に係る発明の方法は、金属缶の
内面有機被膜層の欠陥を全数検査により検出することが
できるという効果を奏する。請求項2に係る発明の方法
は、シ−ムレス金属缶がネックイン缶の場合であって
も、容易に内面有機被膜層の欠陥を全数検査により検出
することができるというメリットを有する。請求項3に
係る発明の装置は、金属缶の内面有機被膜層の欠陥を自
動的に高速で全数検査により検出することができるとい
う効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例である装置の、導電性ブラシが
拡張した状態における導電性ブラシ近傍を示す要部縦断
面図である。
【図2】図1のIIーIIに沿う縦断面図である。
【図3】図1のIIIーIIIに沿う縦断面図である。
【図4】図1のIVーIVに沿う横断面図である。
【図5】図1のVーVに沿う縦断面図である。
【図6】図1の左方にある、スピンドル近傍を示す要部
縦断面図である。
【図7】導電性ブラシが収縮した状態を示す、図1に対
応する縦断面図である。
【図8】図1のVIII−VIII線に沿う縦断面図で
ある。
【図9】図1に示す装置に、金属缶を送入するための装
置の例の要部正面図である。
【図10】右側の部分は、図9のX−X線、左側の部分
は図9のX’−X’線に沿う縦断面図である。
【図11】本発明の実施例である装置の機械的部分およ
びその付属装置の略正面図である。
【図12】本発明の装置における電気回路の実施例の回
路図である。
【図13】図12に示す電気回路における、通電時間と
絶縁増幅器の出力電圧の関係を示す線図であって、図1
3は、内面有機被膜層に欠陥のない正常な金属缶の場
合、図13は内面有機被膜層に欠陥がある金属缶の場
合、図13は電極片と金属缶の開口部端面間の通電不
良の場合の線図である。
【符号の説明】
1a 導電性ブラシ保持体 1b 導電性ブラシ保持体 2 スピンドル 6a ロール(導電性ブラシを拡張、収縮する手
段) 6b ロール(導電性ブラシを拡張、収縮する手
段) 7 突片(導電性ブラシを拡張、収縮する手段) 10 導電性ブラシ 11 シ−ムレス金属缶 19 第1のターレット盤 22 太陽歯車 23 フレーム 30 電極片 35 缶保持具(金属缶に導電性ブラシを外挿する
手段) 43 駆動具(金属缶に導電性ブラシを外挿する手
段)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも内面が有機被膜層で被覆され
    たシ−ムレス金属缶の内面有機被膜層の欠陥検査方法に
    おいて、実質的にシ−ムレス金属缶の全内面に先端部近
    傍が接触可能の導電性ブラシをシ−ムレス金属缶内に挿
    入し、金属缶の開口部端面に電極片を接触させて、導電
    性ブラシと電極片間に高圧直流電圧を印可しながら、導
    電性ブラシとシ−ムレス金属缶を相対回転し、導電性ブ
    ラシと電極片間に流れる電流に基づいて内面有機被膜層
    の欠陥を判別することを特徴とする、シ−ムレス金属缶
    の内面有機被膜層の欠陥検査方法。
  2. 【請求項2】シ−ムレス金属缶内に挿入するとき、およ
    びシ−ムレス金属缶より離脱するとき、導電性ブラシを
    収縮し、相対回転中、導電性ブラシを拡張する請求項1
    記載の欠陥検査方法。
  3. 【請求項3】少なくとも内面が有機被膜層で被覆された
    シ−ムレス金属缶の内面有機被膜層の欠陥検査装置にお
    いて、該装置は、導電性ブラシの保持体が固着されるス
    ピンドルを複数個、周縁部に沿い軸着されたターレット
    盤;ターレット盤を軸支するフレームに固着され、スピ
    ンドルに着設されたギヤと歯合し、ターレット盤の回転
    に伴いスピンドルを自転する太陽歯車;シ−ムレス金属
    缶を導電性ブラシに外挿する手段;導電性ブラシが挿入
    されたシ−ムレス金属缶の開口部端面に接触可能な電極
    片;導電性ブラシと電極片間に高圧直流電圧を印可する
    直流電源;少なくとも金属缶が導電性ブラシに外挿され
    る期間および導電性ブラシより離脱する期間、導電性ブ
    ラシを収縮し、少なくとも導電性ブラシと電極片間に高
    圧直流電圧が印可されている期間、導電性ブラシを拡張
    する手段;有機被膜層に欠陥があるとき、印可される高
    圧直流電圧に基づく放電により発生するパルス波を検出
    する電気回路を備えることを特徴とする、シームレス金
    属缶の内面有機被膜層の欠陥検査装置。
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