JPH067590B2 - 重合化フタロシアニン誘導体及びこれを半導体層とするmsmまたはmis型素子 - Google Patents

重合化フタロシアニン誘導体及びこれを半導体層とするmsmまたはmis型素子

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JPH067590B2 JP60047296A JP4729685A JPH067590B2 JP H067590 B2 JPH067590 B2 JP H067590B2 JP 60047296 A JP60047296 A JP 60047296A JP 4729685 A JP4729685 A JP 4729685A JP H067590 B2 JPH067590 B2 JP H067590B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、新規な重合化フタロシアニン誘導体ならび
に、仕事関数の大きい導電性材料層、半導体層および仕
事関数の小さい導電性材料層をこの順に積層してなるM
SM型素子、仕事関数の大きい導電性材料層、半導体
層、絶縁層および仕事関数の小さい導電性材料層をこの
順に積層してなるMIS型素子に関する。
〔従来の技術〕
仕事関数の大きい金属(M)と仕事関数の小さい金属
(M)の間にポリ(アセチレン)、ポリ(ジアセチレ
ン)、ポリ(ピロール)、ポリ(チエニレン)等の有機
半導体(S)の薄層をはさんで成るMSM型、あるいは
さらにSとM間に絶縁体(I)の薄層を組み入れたM
IS型の素子は、多数考案されている。〔“フィズィッ
クス・オブ・セミコンダクタ・デバイス”第2版、S.
M.スツェ、ジョン・ウィリィ・アンド・サン・ニュー
ヨーク(1981)“Physics of Seimconductor Devic
es”2nd Ed., S.M. Sze,John Wiluy & Sons,N.Y.
(1981)、“合成金属(化学増刊87)”白川ほ
か、化学同人(1980)、R.C.ウェスト、N.J.アスト
ル編“CRCハンドブック・オブ・ケミストリィ・アン
ド・フィズィックス CRCプレス,クリーブランド
(1979)、第59版、E−81:R.C.West,N.
J.Astel Ed.,“CRC Handbook of Cheimstiy and Physi
cs”CRC Press,Cleaveland(1979)、59th E
d.,E−81,M.オザキ他、アプライド・フィズィック
ス・レターズ:M.Ozaki他、Appl.Phys.Lett35
(1979)〕。しかし、これらは一般に、S層の構造
及び素子作成法に起因する不確定要素が著しく、いずれ
も実用化されるに到っていない。例えば、これらS層
は、通常M基板上での気相重合、回相重合あるいは電
解酸化重合等により作成されるが、重合時の伸縮あるい
は電解質イオンの流出入等の理由によりその微細構造は
フィブリルや山/谷の多いへき解状を成しており、一般
に多孔質であると言える。従って、S層厚が大きくなけ
れば、蒸着やスパッタリング等でM層を固定する際
に、M粒子がその微細孔へもぐり込み、MとM
直接導通して素子としての機能を失いやすい。また、こ
れら有機半導体は、化学ドーピング、電気化学ドーピン
グ等の処理を施した時は、例えばポリ(アセチレン)/
ヨウ素ドープで約102S/cm、ポリ(ピロール)/ヨウ素
ドープで約10S/cm、のごとく高電導性を与える
が、脱ドープ状態では電導性が極めて低い。しかもドー
ピング処理を施したS層をM、Mと組み合わせる
と、ドーピング剤により、M/S及びM/S、特に
/S界面で腐食が進行し、経時安定性が著しく乏し
くなる。それがため、一般にこれらS層は電導性の低い
脱ドープ状態で用いられるが、既述したM粒子のもぐ
り込みを防ぐためS層を厚くすると素子内抵抗が著しく
高くなり、実用に供せるほどの電流を通じることができ
ない。さらに、上述のS層は既述したごとく膜表面の凹
凸が激しい。従って、MSM型素子では、ショットキー
接合を形成する重要なS/M界面に不純物準位を生じ
やすく、結果的に素子の整流比、ダンオード特性等を著
しく損う。例えば、ポリ(アセチレン)に関するダイオ
ードパラメータはたかだか1.9でしか無く、他もほぼ
同様の値であり、理想状態の1.0からほど遠いと言え
る。なお、MIS型素子では、I層厚を、トンネル効果
が期待できる位(約20Å)薄くする必要があるので、
S層表面の凹凸が激しければI層が著しく乱れ、上述し
たMSM型と同様の理由で素子の特性が損われる。
S層の抵抗が大きく、しかも凹凸の激しい場合、換言す
れば局所的な膜厚が一定しない場合は、電流を通じた時
に最もS層厚の小さい部位で局所的な大電流が流れるこ
とになる。従って、このような場合、薄膜の付可逆的な
破壊が起こりやすい欠点がある。
フタロシアニン誘導体は、可視部〜近赤外部にかけて巾
広い極大吸収を有する有機系p−型半導体であり、化学
的にも安定なため電子材料として好適である。しかしな
がら、一般の(金属)フタロシアニンは濃硫酸、熱DM
F等にわずかに溶けるのみであり、薄膜形成は熱蒸着等
に依らざるを得ない。従ってその微細構造は、多結晶状
であり、やはり膜表面の凹凸が激しいため、ショットキ
ー接合等を施したとき、前述と同様の理由により良好な
素子特性が得られない。リチウムフタロシアニンを特殊
な多元系溶剤に溶解し、それをラングミュア・ブロジェ
ット法に適用して気/水界面に薄膜を形成させ、さらに
基板上に移し取って素子化した例はあるが(例えばS.
ベイカー多、スィソ・ソリッド・フィルムス:S.Baker
他、Thin Solid Films.99 53(1983)な
ど)、薄膜表面の状態に関しては明確でなく、またこの
方法ではリチウムフタロシアニンが水界面に接触する際
に加水分解されるため、結果的に金属を含まないフタロ
シアニンの薄膜が得られるのみである。
以上に述べた有機系のS層薄膜は、その製造方法のいか
んにかかわらず化学的強度に乏しい欠点がある。従っ
て、Mをその表面に蒸着、高周波スパッタリング、イ
オンビームスパッタリング等で被覆してMSM型素子等
を作成する際、高い運動エネルギーを有する金属原子、
金属イオンあるいは金属微粒子の衝突によりS/M
面に凹凸が生じやすく、はなはだしい場合はMが原子
状ないし微粒子状でS層内に埋め込まれる。このような
界面の乱れは、既述したように素子の整流特性、ダイオ
ード特性を著しく損い、かつ印加可能な電圧の範囲が狭
くなるだけでなく、非可逆的な破壊が起こりやすくな
る。
〔発明の目的〕
したがって本発明の目的は、半導体特性のすぐれた新規
な重合化フタロシアリン誘導体を提供することである。
本発明のもう1つの目的は従来のMSMまたはMIS型
素子の欠点をもたない、新規なMSMまたはMIS型素
子を提供することである。
(発明の構成〕 本発明の目的は、特定のフタロシアニン誘導体の蒸気に
高周波を照射して生成する活性種を自然重合させて得ら
れる、重合化フタロシアニン誘導体により達成される。
本発明は、式(1)で表わされるフタロシアニン誘導体の
蒸気に高周波を照射して生成する活性種を自然重合させ
て得られる重合化フタロシアニン誘導体を提供するもの
であり、この誘導体は下記の式(2)を有するものと推定
される。
但しRは水素、ハロゲンまたは炭素数5以下の直鎖ない
し枝分れ炭化水素のアルコキシ基を示し、MeはH
マグネシウムまたは遷移金属イオンを示し、Rの置換位
置は上式のイソインドリン基において5−位または6−
位である。
本発明はまた、仕事関数の大きい導電性材料層、半導体
層および仕事関数の小さい導電性材料層をこの順に積層
してなるMSM型素子、または、仕事関数の大きい導電
性材料層、半導体層、絶縁層および仕事関数の小さい導
電性材料層をこの順に積層してなるMIS型素子におい
て、上記半導体層として、上記推定構造式(2)で表され
る重合化フタロシアニン誘導体の薄膜を使用したことを
特徴とするMSMまたはMIS型素子を提供するもので
ある。
式(1)で示されるフタロシアニン誘導体の蒸気に高周波
を照射して生成する活性種を平滑な基板平面に導き、自
然重合させて得られる薄膜は表面が平滑で欠陥が無く極
めて強じんである。従って、ショットキー接合、ヘテロ
接合等によりMSMないしMIS型素子を形成する際、
既述した既存の技術ないし既存の有機半導体層における
界面の乱れ等の無い、良好な整流特性、ダイオード特性
を有する材料系を与えることができる。また、重合の際
に、基板にMを用いればもちろんそのままMSMない
しMIS型素子を形成できる。また例えば、便宜的に平
滑ガラス表面に重合膜を形成させ、リフトオフ等適当な
手法で表面よりはく離して両側よりMとMを蒸着、
スパッタ等で積層化してMSM素子とする、あるいはガ
ラス基板上のままM(またはM)を積層化してはく
離し、しかる後にM(またはM)を裏面に積層化し
てMSM素子とする、等の手法が可能になる。これによ
れば、高価なMないしMの使用量を減ずることがで
きるだけでは無く、全体厚が数百μm以下の積層化薄膜
状のMSMないしMIS型素子が作成でき、それらは適
当な大きさに切って、例えば導電性接着剤でプリント基
板上に固定するだけで任意の回路を設計できる。
本発明の重合化フタロシアニン誘導体は、式(3)に示す
4−ニトロフタロニトリルとR’−OH(R’は炭素数
5以下の直鎖状あるいは枝分れアルキル基)の反応によ
り相当する4−アルコキシフタロニトリルを得て、さら
に脱水メタノール中ナトリウムメトキシドを触媒として
アンモニアガスと反応させてジイミノイソインドリン中
間体(式(4))を経て、マグネシウムまたは遷移金属の
塩の存在下または無存在下に2−ジメチルアミノエタノ
ール中で沸点還流下に閉環縮合して得られるフタロシア
ニン誘導体(式(5))、あるいは式(1)においてR=ハロ
ゲンあるいは水素の市販のフタロシアニン誘導体を、減
圧下に加熱して生成する蒸気に高周波を照射して発生す
る活性種を平滑な基板上に導き、自然重合させることに
より得られる。
このようにして得られる厚さ20Å〜100μmの重合
化フタロシアニン誘導体の半導性薄膜(以下「S」と略
する。)を半導体層として用いたものが本発明のMSM
またはMIS型素子である。
このとき、基板の材質が、シート抵抗30Ω/sq以下の
酸化インジウムスズ、あるいはグラファイト、グラッシ
ーカーボン、ヒ素、パラジウム、テルル、レニウム、イ
リジウム、白金、金、ロジウム、ルテニウム、セレン、
ゲルマニウムのような仕事関数の大きい導電性材料(M
)のいずれかであるときは、S層の上にベリリウム、
リチウム、ナトリウム、マグネシウム、アルミニウム、
カリウム、カルシウム、スカンジウム、チタン、マンガ
ン、ジルコニウム、アンチモン、ランタニド類、タリウ
ム、鉛より選ばれる仕事関数の小さい導電性材料
(M)を通常の熱蒸着あるいはスパッタリング等によ
り被覆すれば、MSM型の素子が得られる。
また、SとMの間に、炭素数16〜22の直鎖飽和脂
肪酸の金属塩、好ましくはカドミウウ塩、水銀塩または
アルカリ土類金属塩の単分子絶縁層(以下Iと略)を形
成させておけば、MIS型素子が得られる。S層形成の
標準的な条件は、式(1)のフタロシアニン誘導体1〜1
00mg、300〜400℃、0.1〜1.0torr、加熱
されたフタロシアニン誘導体から基板までの距離1〜1
0cm、高周波出力1〜300W、重合時間3秒〜5分で
あり、使用するフタロシアニン誘導体の種類、形成しよ
うとするS層厚により、条件が決定される。
たとえば、R=既述のアルコキシ基のフタロシアニン誘
導体を用いてS層厚約100Åの薄膜をガラス基板上に
形成するときは、好ましくは試料量約30mg、350〜
370℃、0.1〜0.3Torr、距離3〜5cm、高周波
出力、10〜30W、重合時間30秒〜1分であり、R
=ハロゲンのときの式(1)のフタロシアニン誘導体を用
いてS層厚約500Åの薄膜をガラス基板上に形成する
ときは試料量約40mg、300〜330℃、0.3〜
0.5Torr、距離2〜4cm、高周波出力5〜15W、重
合時間1分〜2分であり、R=Hのときの式(1)のフタ
ロシアニン誘導体を用いてS層厚約100Åの薄膜をガ
ラス基板上に形成するときは試料量約30mg、330〜
350℃、0.5〜0.7Torr、距離4〜6cm、高周波
出力30〜50W、重合時間30秒〜1分が適当であ
る。
このようにして作成されたS層の厚さが約0.1μmを
超えるときにはリフトオフ等の方式により平滑基板上よ
りはく離できる。例えば、はく離したS膜の両面には各
々MとM(又はI/M)を積層すれば、M及び
層はたかだか150Å程度あれば充分であるので全
体厚数百μm以下の積層化薄膜状のMSMないしMIS
型の素子が作成できる。また、基板上のS層の上にM
(あるいはMないしI/M)薄膜を形成してからは
く離し、しかる後に反対側の面にMないしI/M
(あるいはM)薄膜を形成させても良い。
〔発明の効果〕 本発明の重合化フタロシアニン誘導体はすぐれた半導体
特性を有し、これを半導体層として用いた本発明のMS
MないしMIS型素子は、整流特性、ダイオード特性に
優れ、数百mA/cm2の大電流ないし電圧印加±10V
の範囲でも破壊されない。従ってダイオード等の整流素
子、電界効果トランジスタ等に利用できる。また、推定
構造式(2)に示したように半導体層がフタロシアニン骨
核を有しており緑〜青緑色を呈し、可視部〜近赤外部に
巾広い吸収帯を有する。従って、太陽電池として利用で
きる。また、既述したように、全体厚が数百μm以下の
積層化薄膜を形成でき、使用時に必要とする特性に見合
った任意の大きさに切って利用できる。
〔実施例〕
次に本発明を実施例および参考例によりさらに詳細に説
明する。
参考例1 4−ニトロ−1,2−フタロニトリル(NPNと略)5
0g(0.29モル)、メタノール11.21g(0.
35モル)を100mlの脱水DMFに溶解し、CaC
乾燥管付き還流管、窒素導入管を備えた300ml
4ツ口フラスコに入れ、撹拌しながら窒素雰囲気下に
1,8−ジアザビシクロ〔5,4,0〕ウンデセン−
(7)(DBUと略)を43.07ml(0.29モル)を加
え、60℃にて10時間反応させた。冷却後40℃以下
にて減圧濃縮し、適量のクロロホルムを加えて600ml
の氷冷6N−HCl中に投じ、クロロホルム相を分離す
る。水相を100ml×3回のクロロホルムで抽出して
光のクロロホルム相と合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾
燥、濾過、活性炭脱色し、減圧濃縮する。冷却後析出す
る黄色結晶(未反応のNPN)を取り除き、母液をさら
に濃縮して再結晶し、白色結晶42.7g(93.1
%)を得た。分析の結果、目的の4−メトキシ−1,2
−フタロニトリルであることがわかった。
4−メトキシ−1,2−フタロニトリル NMR(CDCl,δppm):Ha7.1、7.2
(1H)、Hb7.2(1H)、Hc7.65、7.7
(1H)、CH3.9(3H)IR(KBr錠剤、cm
-1):νφH3100、3050、3000、 2950、2850、νC≡N2250、νring161
0 このもの全量を既述と同様の装置に入れ、脱水メタノー
ル200ml中、ナトリウムメトキシド2gを加え、乾
燥アンモニアガスを激しく通じながら常温で2時間、沸
点還流下に1時間反応させた。冷却後生じる白色沈澱を
濾集し、真空乾燥して5−メトキシジイミノイソインド
リン43.1g(91.1%)を得た。このものは強吸
湿性であり、IR(KBr錠剤、cm-1)よりνNH340
0、δNH1640の出現及びνC=N2250の消失に
より構造を確認した。
参考例2〜7 参考例1と同様の装置にて、第1表に記載の仕込みで反
応を行い、相当する4−アルコキシ−1,2−フタロニ
トリルを得た。但し、炭素数4以上のものは油状であ
り、再結晶の替りにφ10×30cmのシリカゲルカラム
(100〜200メッシュ)を用い、クロロホルムを展
開溶媒とし、第1表に記載のRf値の主流出部を分取し
て溶媒を減圧留去して得た。
参考例8〜13 参考例2〜7で得た4−アルコキシフタロニトリル類の
各々全量を参考例1の後段と全く同様に処理し、IRに
より同様に構造を確認し、各々相当する5−エトキシジ
イミノイソインドリン49.2g(96.3%)、5−
(n−プロポキシ)ジイミノイソインドリン51.8g
(96.2%)、5−(n−ブトキシ)ジイミノイソイ
ンドリン57.6g(96.4%)、5−(tert−ブト
キシ)ジイミノイソインドリン59.8g(98.2
%)、5−(n−ペントキシ)ジイミノイソインドリン
59.0g(98.1%)、5−(1−メチルブトキ
シ)ジイミノイソインドリン60.1g(97.4)を
得た。
参考例14 参考例1の5−メトキシジイミノイソインドリン17.
5g(0.1モル)を50mlの脱水2−ジメチルアミ
ノエタノールに分散し、CaCl乾燥管付還流管を備
えた200ml三角フラスコ中で撹拌しながら5時間沸
点還流する。内容を1の温メタノール中に撹拌しなが
ら投じ、生成する緑色沈澱を濾集、乾燥して、式(1)に
おいてR=メトキシ、Me=Hのフタロシアニン誘導
体12.1g(76.3%)を得た。このものはクロロ
ホルムに10-5モル/程度溶解する他は、殆んど全て
の有機溶剤に不溶である。
元素分析(wt%、カッコ内計算値): C68.15(68.13)、H4.17(4.1
3)、N17.70(17.66) 可視吸収スペクトル(クロロホルム、nm、カッコ内lo
g ε):702(4.96)、664(4.88)、
642(4.53)、605.5(4.30) 参考例15〜20 参考例14と同様に、但し第2表に示す5−アルコキシ
ジイミノイソインドリンを用い、第2表に示すR=アル
コキシ、Me=Hのフタロシアニン誘導体を得た。
参考例21 参考例14と同様に、但し塩化第一銅14.9g(0.
15モル)を加えて反応を行い、粗生成物を20%塩酸
−メタノール1中に投じ、生じる沈澱を濾集、メタノ
ールで洗浄をくり返し、減圧乾燥して、式(1)において
R=メトキシ、Me=銅(II)のフタロシアニン誘導体
12.3g(70.7%)を得た。
元素分析(wt%、カッコ内計算値): C62.07(62.11)、H3.44(3.4
7)、N16.16(16.10) 可視吸収スペクトル(クロロホルム、nm、カッコ内lo
g ε):680(5.04)、615(4.60)、
567sh、381(4.40) 参考例22〜27 参考例21と同様に、但し第3表に示す仕込で反応さ
せ、同様に処理して相当するテトラアルコキシ金属フタ
ロシアニン誘導体を得た。但し、Me=マグネシウム
(II)、亜鉛(II)のときは酸性メタノールの替りに温
メタノールを用いて再沈操作を行った。
以上のように、4−ニトロ−1,2−フタロニトリルを
出発物質として塩基触媒存在下にアルコールと反応させ
て4−アルコキシ−1,2−フタロニトリルを得、さら
にアンモニアガスと反応させて5−アルコキシジイミノ
イソインドリン中間体を経て、金属塩の無存在下ないし
存在下に環化反応を行うと相当するテトラアルコキシ
(金属)フタロシアニン誘導体が得られる。なお、本参
考例では金属塩化物を用いたが、一般に酸化力を持たな
い対アニオン(例えばClO 、ClO、Cl
、NO 、▲SO2- 4▼などを除く)の金属塩で
あれば良く、例えば酢酸塩などが好適であり、また配位
の結果総電荷数が0となるアセチルアセトナト錯体など
も好ましい。
実施例1 参考例14のテトラメトキシフタロシアニン10mgを添
付図面に示す装置の6の部分を設置し、半導体層作成用
基板として市販のITOネサガラス(2.5×5cm、厚
さ1.5mm、図中では3で表示)を6の真上2cm(2′
より真上2.5cm)に設置し、図において2は2′より
4.5cmの位置、4は3と6の中間に位置させた。7で
表示される排気管より排気して10-3torrとし、一旦排
気を中断して8で表示される吸気管よりアルゴンガスを
注入した。この排気−アルゴンガス注入操作を3回くり
返した後、10-1torrに保ち、6に電流を通じて加熱し
て300℃に保った。4で表示されるシャッター板の表
面にテトラメトキシフタロシアニンが付着しはじめた事
を確認した後、2−2′間に10W13.56MHzの
高周波を発生するよう電流を通じ、約5秒経過してから
シャッター板を3と6の中間の位置から側方にずらし、
試料の蒸気に高周波が印加されて発生する活性種が直接
3の基板に衝突するようにした。20秒間この状態を保
って後シャッターを閉じ直ちに高周波及び加熱用電源を
断って放冷した。装置内にアルゴンを注入して常圧に戻
し、基板を取出して熱蒸着装置に設置し、通常の方法で
アルミニウムを基板上に約3.5×5mmのスリット状、
厚さ150Åになるように蒸着した。この後半導体薄層
の一部をけずり取って元素分析を行い、またITO面が
露出した部分とアルミニウム蒸着部分にリード線を設置
してMSM型素子の構成とし直流電導度測定装置に接続
した。暗下で、あるいは白色光照射下で2mV/秒の速
度で電圧掃引し、そのときの電流値より電圧電流特性を
調べ、各種のパラメータを決定してMSM型素子として
の特性評価を行った。また、アルミニウムを蒸着してい
ない部分に関し可視吸収スペクトル測定を行った。また
触針式表面粗さ計により半導体層厚を求めた。
半導体層の元素分析(wt%):C72,16、H3.
43、N20.10 参考1 フタロシアニンの理論値: C74.99、H3.15、N21.86 参考2 テトラメトキシフタロシアニンの理論値 C68.35、H3.82、N17.71 可視吸収スペクトル(nm):700、665、64
0、602、555 参考 フタロシアニンのスペクトル:698、665、
638、602、554 素子特性 暗下:整流比 1.42・10(但し1V
における値;以下同様)、ダイオードパラメータ1.6
開放電圧0.75V、閉路電流0.25nA/cm2 明下:開放電圧0.70V、閉路電流850nA/c
m2、フィルファクター0.32、光電変換効率2.8・
10-2% 半導体層厚:220Å この半導体層はあらゆる有機溶剤、濃硫酸等に不溶であ
り(出発物質のテトラメトキシフタロシアリンは、クロ
ロホルム、熱クロロナフタレンに微溶、濃硫酸に可
溶)、その可視吸収スペクトルからフタロシアニン骨核
は維持されているが、フタロシアニンとテトラメトキシ
フタロシアニンの中間的なスペクトルであり、また元素
分析からはメトキシ基4つのうち2.5個を失った構造
に対応し、そのメトキシ基を失った部位でフタロシアニ
ン骨核同士が結合して重合化された推定構造式(2)に類
似の構造となっているものと思われる。またこの半導体
層をSとし、MにITO、Mにアルミニウムを用い
たMSM型素子は上述のごとく良好な特性を示し、整流
素子、ダイオード、フォトダイオード等に利用できるこ
とがわかった。また、この素子は±10Vの範囲内の電
圧印加でも破壊されない。
実施例2 実施例1と同様に、但しフタロシアニン30mgを用い、
ボートよりの直接加熱ではなく、添付図面において5で
示されたヒーターを用いて試料温度を340℃、真空度
0.6Torr、3と6の距離5cm、2と2’の距離を10
cm、高周波出力を40Wとし、2.5×2.5cm厚さ1
mmの白金板上に相当する半導体層を40秒間作成した。
この後は実施例1と同様にMSM型素子とし、元素分
析、スペクトル測定、特性測定、膜厚測定を行った。
半導体層の元素分析(wt%):C75.44、H2.
57、N21.99 可視吸収スペクトル(nm):699、665、63
8、602 素子特性 暗下:整流比 1.62・10、ダイオー
ドパラメータ1.55開放電圧0.76V、閉路電流
0.92nA/cm2 明下:開放電圧0.71V、閉路電流910nA/c
m2、フィルファクター0.33、光電変換効率3.4・
10-2% 半導体層厚:100Å この半導体層はあらゆる有機溶剤、濃硫酸等に不溶であ
り、スペクトル及び元素分析より、フタロシアニンのベ
ンゼン核の水素を3つ失い結合した重合化フタロシアニ
ンに対応する。また、一般の蒸着により作成したフタロ
シアニン薄膜が触れただけでこすり取られるもろい形状
であるのに対し、この半導体層は鋭利な刃先でない限り
傷がつきにくい等の優れた力学的強度を有する。さらに
素子特性で示したように、整流素子、ダイオード、フォ
トダイオード等に使用可能であることがわかる。
実施例3〜23 実施例1と同様に、但し第4表にまとめて示す条件で半
導体層を作成し、Mを蒸着してMSM型素子とし、第
5表に示す結果を得た。また、第4表に示した各半導体
層の上に、気/水界面に作成した直鎖飽和脂肪酸の単層
膜を形成させ、さらにMを蒸着ないし高周波スパッタ
リングしてMIS型素子として第6表に示す結果を得
た。
なお表中において、VOC:ISC、R.R.、D.P.、
ηはそれぞれ開放電圧、閉路電流、電流比、ダイオード
パラメータ、フィルファクター、光電変換効率を示す。
なお、元素分析と可視吸収スペクトルより、半導体層の
構成はR基が3つ(実施例3〜5、7〜11、14〜1
6)ないし2.5個(6、12、13)ないし3.5個
(17)失われ、その部位で重合化した式(2)に類似の
構造と思われる。
実施例24 参考例25のコバルト(II)テトラ(tert−ブトキシ)
フタロシアニン150mgを実施例1と同様に、但し5分
間重合化させた。ポリビニルアルコールを表面が平滑な
紙の上に濃厚水溶液から厚く(約1/10mm)展開し、生が
わきのうちに作成した半導体層上に接着した。乾燥後、
半導体層ごとはく離し、水中に投じてポリビニルアルコ
ールを溶解して半導体層を紙面より離し、充分水中に於
いて洗浄した。表面粗さ計及び可視吸収スペクトルの測
定を行った後、片面に白金を高周波スパッタリングで、
反対面にアルミニウムを熱蒸着で薄膜形成させ、三層構
造のMSM型素子とし、その電気特性を測定して次の結
果を得た。
半導体層の元素分析(wt%):C67.37、H3.
44、N17.52、Co9.24 参考(出発の錯体の理論値):C67.20、H5.4
0、N13.06、Co6.87 可視吸収スペクトル(nm):675、650sh610 参考(出発の錯体の理論値):673:645sh、61
0 素子特性 暗下:整流比1.75・10、ダイオード
パラメータ1.6開放電圧0.77V、閉路電流0.7
7nA/cm2 明下:開放電圧0.71V、閉路電流865nA/c
m2、フィルファクター0.34、光電変換効率3.2・
10-2% 層厚:M(Pt)570Å S 0.4μm M(Al)150Å なお、元素分析とスペクトル測定より、この半導体層の
構成はRが3個失われてその部位で重合化された式(2)
に類似の構造と思われる。この素子は全体厚が約0.5
μmの薄膜状であり任意の面積に切って使用できる。
実施例25 参考例27のルテニウム(II)テトラ(1−メチルブト
キシ)フタロシアニン200mgを実施例1と全く同様
に、但し7分間重合化させた。さらに白金を通常の高周
波スパッタリングで表面被覆した後、実施例24と同様
にしてS+M層をガラス基板よりはく離した。実施例
24と同様にS+M層を紙表面より離し、垂直浸漬法
によりアラキン酸カドミウム塩の単層膜を20dyn/cmで
気/水界面より移し取り、さらにアルミニウムを熱蒸着
してMIS型素子とし、下記の結果を得た。
半導体層の元素分析(wt%):C63.74、H3.
52、N16.01、Ru14.55 参考(出発の錯体の理論値):C65.32、H5.6
9、N 11.72、Ru10.57 可視吸収スペクトル(nm):692、661sh620 参考(出発の錯体の吸収帯):689、658sh、61
7 素子特性 暗下:整流比 1.88・10、ダイオー
ドパラメータ1.5開放電圧0.81V、閉路電流0.
75nA/cm2 明下:開放電圧0.77V、閉路電流920nA/c
m2、フィルファクター0.36、光電変換効率3.8・
10-2% 層厚:M(Pt)750Å S 1.2μm M(Al)140Å なお、元素分析と可視吸収スペクトル測定より、この半
導体層の構成はR基が3つ失われ、その部位で重合化さ
れた式(2)に類似の構造と思われる。
実施例26 実施例24と同様に、但しコバルト(II)テトラ(tert
−ブトキシ)フタロシアニン500mgを用い、20分間
重合化させ、Mとしてセレンを、Mとしてアルミニ
ウムを熱蒸着してMSM型素子とした。
半導体層の元素分析(wt%):C67.40、H3.
42、N17.55、Co9.21 可視吸収スペクトル(nm):675、650sh610 素子特性 暗下:整流比 1.8・10、ダイオード
パラメータ1.5開放電圧0.79V、閉路電流0.5
2nA/cm2 明下:開放電圧0.72V、閉路電流760nA/c
m2、フィルファクター0.36、光電変換効率3.1・
10-2% 層厚:M(Se)250Å S 76μm M(Al)150Å 実施例27 Mにゲルマニウムを用いた他は実施例26と同様にし
てMSM型素子を作成した。
半導体層の元素分析(wt%):C67.42、H3.
44、N17.52、Co9.18 可視吸収スペクトル(nm):675、650sh610 素子特性 暗下:整流比 1.9・10、ダイオード
パラメータ1.5開放電圧0.77V、閉路電流0.4
2nA/cm2 明下:開放電圧0.71V、閉路電流740nA/c
m2、フィルファクター0.36、光電変換効率3.0・
10-2% 層厚:M(Ge)220Å S 82μm M(Al)160Å
【図面の簡単な説明】
添付図面は、本発明の重合化フタロシアニン誘導体の薄
膜から成る半導体層を作成するための装置の一例を示す
概略側断面図である。 (図号番号の説明) 1・・・25φ×30cm程度のベルジャー(肉厚ガラス
製)、2及び2’・・・高周波発生用電極板及びその対
電極板(円盤状φ10×0.3cm)、3・・・半導体層
を表面に作成する基板、4・・・シャッター(φ10×
0.3cm)、5・・・タングステンヒーター(図では6
の真上に書いてあるが、実際は垂直線より60°の角度
で6の斜め上約0.5cmの所に設置される。)、6・・
・タングステンないしタンタル製ボート(試料を内部に
設置し、ヒーターも兼ねる2’の中心線に沿ってその真
上0.5cmの位置に設置)、7・・・真空系へ接続され
る排気管、8・・・アルゴンボンベヘ接続される吸気
管、9・・・テフロン系ゴム製Oリング、10・・・基
盤、11・・・2及び2’5、6に電源を供給するリー
ド線。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 29/784 31/04

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の式(1)で示されるフタロシアニン誘
    導体の蒸気に高周波を照射して生成する活性種を自然重
    合させて得られる重合化フタロシアニン誘導体。 但しRは水素、ハロゲンまたは炭素数5以下の真鎖ない
    し枝分れ炭化水素のアルコキシ基を示し、MeはH
    マグネシウムまたは遷移金属イオンを示し、Rの置換位
    置は上式のイソインドリン基において5−位または6−
    位である。
  2. 【請求項2】仕事関数の大きい導電性材料層、半導体層
    および仕事関数の小さい導電性材料層をこの順に積層し
    てなるMSM型素子、または、仕事関数の大きい導電性
    材料層、半導体層、絶縁層および仕事関数の小さい導電
    性材料層をこの順に積層してなるMIS型素子におい
    て、上記半導体層として、式(1)で表わされるフタロシ
    アニン誘導体の蒸気に高周波を照射して生成する活性種
    を自然重合させて得られる重合化フタロシアニン誘導体
    の薄膜を使用したことを特徴とするMSMまたはMIS
    型素子。 但しRは水素、ハロゲンまたは炭素数5以下の直鎖ない
    し枝分れ炭化水素のアルコキシ基を示し、MeはH
    マグネシウムまたは遷移金属イオンを示し、Rは置換位
    置は上式のイソインドリン基において5−位または6−
    位である。
  3. 【請求項3】重合化フタロシアニン誘導体薄膜が、式
    (1)のフタロシアニン誘導体を減圧下に加熱気化させ、
    その蒸気に高周波を照射して生成する活性種を自然重合
    させて得られたものであることを特徴とする特許請求の
    範囲第(2)項に記載のMSMまたはMIS型素子。
  4. 【請求項4】仕事関数の大きい導電性材料が、シート抵
    抗30Ω/sq.以下の酸化イソジウムスズ、グラファイ
    ト、グラッシーカーボン、ヒ素、パラジウム、テルル、
    レニウム、イリジウム、白金、金、ロジウム、ルテニウ
    ム、セレンおよびゲルマニウムより選ばれることを特徴
    とする特許請求の範囲第(2)項に記載のMSMまたはM
    IS型素子。
  5. 【請求項5】仕事関数の小さい導電性材料が、リチウ
    ム、ベリリウム、ナトリウム、マグネシウム、アルミニ
    ウム、カリウム、カルシウム、スカンジウム、チタン、
    マンガン、ジルコニウム、アンチモン、ランタニド類、
    タリウム、鉛より選ばれることを特徴とする特許請求の
    範囲第(2)項に記載のMSMまたはMIS型素子。
  6. 【請求項6】絶縁層が炭素数16〜22の直鎖飽和脂肪
    酸の金属塩から成る特許請求の範囲第(2)項に記載のM
    IS型素子。
  7. 【請求項7】金属塩がカドミウム塩、水銀塩またはアル
    カリ土類金属塩である特許請求の範囲第(2)項に記載の
    MIS型素子。
  8. 【請求項8】直鎖脂肪酸金属塩より成る絶縁層が、それ
    を気/水界面上に単分子膜形成させて垂直浸漬法ないし
    水平付着法により半導体層上に移し取って作成されたも
    のであることを特徴とする特許請求の範囲第(2)項に記
    載のMIS型素子。
  9. 【請求項9】半導体層の厚さが20Å〜100μmであ
    る特許請求の範囲第(2)項〜第(8)項のいずれか一項に記
    載のMSMまたはMIS型素子。
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