JPH0676459B2 - 天然リン脂質類似構造を有する化合物及びポリマー並びにその製造方法 - Google Patents

天然リン脂質類似構造を有する化合物及びポリマー並びにその製造方法

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JPH0676459B2
JPH0676459B2 JP5926489A JP5926489A JPH0676459B2 JP H0676459 B2 JPH0676459 B2 JP H0676459B2 JP 5926489 A JP5926489 A JP 5926489A JP 5926489 A JP5926489 A JP 5926489A JP H0676459 B2 JPH0676459 B2 JP H0676459B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、天然リン脂質に類似する構造を有する化合
物(以下、天然リン脂質類似構造を有する化合物と略称
することもある。)及びそのポリマー並びに前記天然リ
ン脂質類似構造を有する化合物の製造方法に関するもの
である。
(従来の技術) 生体内には多種類のリン脂質が含まれている。そして、
これらリン脂質は、これが例えば細胞膜など細胞の構成
要素として生体の種々な代謝過程と密接な関係を持つこ
と、脳組織のエネルギー源であること、さらに脂肪の運
搬及び吸収、血液の凝固、食物の味の知覚等に寄与する
こと等からも明らかなように、生体の生命を維持してゆ
くうえで非常に重要な役割を演じている。
このため、リン脂質を各種の人工臓器、細胞融合、酵素
の固定、人工栽培、バイオセンサ等へ応用しようとする
試みが数多くなされている。
上述のような試みに用いられていた従来のリン脂質は、
主として、レシチン、ホスファチジルエタノールアミ
ン、ホスファチジルセリン等のような、生体から抽出し
た天然リン脂質であった。
しかし、リン脂質を上述のような試みに利用するために
は、それが比較的高分子なものであり、かつ強固に成膜
化し得るものであり、及び経済性良く得られるものであ
ること等が必要であった。この点、天然リン脂質は、低
分子量であるため均一で強固な膜を得ることが著しく困
難であり、好ましいものではなかった。
そこで、天然リン脂質に代るものとして、例えばこの出
願人に係る特開昭63−222185に開示されている下記式
で示される天然リン脂質類似構造を有する化合物があっ
た。
式で示される天然リン脂質類似構造を有する化合物
は、それ自体の合成が経済的に行なえ、さらに天然リン
脂質に比し強固な膜が得られるという利点を有するもの
であった。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、上述した特開昭63−222185に開示されて
いる天然リン脂質類似構造を有する化合物は、メタクリ
ロイル基にリン脂質が直接アミド結合した構造であり、
重合性官能基がメタクリルアミド型であった。これがた
め、この化合物は放射線重合によるポリマー化は可能で
あるが、通常のラジカル重合では重合が進まないという
欠点があった。
この発明はこのような点に鑑みなされたものであり、従
ってこの発明の目的は、放射線重合は勿論のこと通常の
ラジカル重合によってもポリマー化が容易に行なえる天
然リン脂質類似構造を有する化合物と、そのポリマー
と、該天然リン脂質類似構造を有する化合物の製造方法
とを提供することにある。
(課題を解決するための手段) この目的の達成を図るため、この出願に係る発明者は種
々の検討を重ねた。その結果、天然リン脂質類似構造を
有する化合物を、重合反応性の良いメタクリル酸エステ
ル型の官能基を含む化合物とすることによってこの目的
を達成するに至った。
従ってこの出願の第1発明である天然リン脂質類似構造
を有する化合物は、次の一般式 (式中のR1、R2各々は、炭素数12〜20のアルキル基また
は炭素数12〜20のアルケニル基を示す。)で表されるこ
とを特徴とする。
また、この出願に係る第二発明の天然リン脂質類似構造
を有するポリマーは、次の一般式 (式中のR1、R2各々は、炭素数12〜20のアルキル基また
は炭素数12〜20のアルケニル基を示す。またnは重合度
を示し100〜500の範囲内の値である。)で表されること
を特徴とする。
また、この出願の第三発明である、第一発明のリン脂質
類似構造を有する化合物の製造方法は、 塩化メタクリロイルとプロピオン酸と水酸化ナトリウム
存在下で反応させてメタクリルオキシプロピオン酸を合
成する工程と、 このメタクリルオキシプロピオン酸に塩化チオニルをピ
リジン存在下で反応させて塩化メタクリロイルオキシプ
ロピオニルを合成する工程と、 この塩化メタクリロイルオキシプロピオニルに次の一般
(式中R1、R2各々は、炭素数12〜20のアルキル基または
炭素数12〜20のアルケニル基を示す。)で表される化合
物をピリジン存在下で反応させる工程と を含むことを特徴とする。
(作用) この出願の第一発明のリン脂質類似構造を有する化合物
は、重合反応性の良いメタクリル酸エステル型の重合性
官能基を含んでいるので、放射線による重合が可能なこ
とは勿論のこと、好適な開始剤により容易にラジカル重
合しその重合体を与える。
また、この出願の第二発明のリン脂質類似構造を有する
化合物のポリマーは、高分子量なものであるので、従来
の天然リン脂質にない性質を示すようになる。
また、この出願の第三発明のリン脂質類似構造を有する
化合物の製造方法によれば、放射線重合は勿論のこと通
常のラジカル重合によってもポリマー化が容易に行なえ
る第一発明の天然リン脂質類似構造を有する化合物を容
易に製造することが出来る。
(実施例) 以下、この出願に係る各発明を次の実施例により説明す
る。なお、各実施例の説明中の数値的条件、使用薬品、
使用装置等は、各発明の理解を容易とするための単なる
例示であり、従って、各発明がこれらの数値的条件、使
用薬品、使用装置等のみに限定されるものではないこと
は理解されたい。
実施例1 実施例1として、第三発明の製造方法により第一発明の
天然リン脂質類似構造を有する化合物の一例である2−
(メタクリロイルオキシ)エチルジパルミトイル−DL−
α−ホスファチジルエタノールアミド(以下、実施例1
の化合物と略称することもある。)を製造し、さらにこ
の実施例1の化合物のポリマーを製造する例につき説明
する。
〈実施例1の化合物の説明〉 …塩化メタクリロイルとプロピオン酸とを水酸化ナト
リウム存在下で反応させてメタクリルオキシプロピオン
酸(以下、化合物(I)と略称することもある。)を合
成することを、以下に説明する手順で行なった。下記の
(1)式は、その反応式である。
先ず、攪拌機、塩化カルシウム管、及び滴下ロートを付
けた三つ口フラスコ中に、20.0g(0.22mol)の3−ヒド
ロキシプロピオン酸と17.8g(0.44mol)の水酸化ナトリ
ウムを溶かした水溶液(100ml)を入れる。次に、この
フラスコを氷浴にて0℃に冷却しかつフラスコ中の水溶
液を攪拌しながら、滴下ロートを介してこの水溶液中に
23.2g(0.22mol)の塩化メタクリロイルを1時間かけて
ゆっくりと滴下する。さらにこの水溶液を室温で12時間
攪拌した後、これに塩酸を加えこの水溶液のpHを2に合
わせる。次に、この溶液をクロロホルムで抽出し無水硫
酸ナトリウムで脱水する。その後、この溶液を濾過しそ
の濾液を減圧濃縮して粗生成物が得られる。
この粗生成物に少量のハイドロキノン及び無水塩化第二
鉄を加え減圧蒸留して粗生成物を精製する。この結果、
新規な化合物(I)が淡黄色の液体として得られる。
この化合物(I)の気圧1Torrにおける沸点は96〜98℃
であった。
上述のようにして合成した化合物(I)の同定は、IRス
ペクトル及び1H-NMRによりそれぞれ行なった。
IRスペクトルの測定結果によれば、波数1725cm-1にエス
テルの吸収が、波数1700cm-1にカルボキシル基の吸収
が、波数1630,1320,1295cm-1にアルケンの吸収がそれぞ
れ認められた。
また、化合物(I)をCDCl3に溶解させて1H-NMRスペク
トルを測定した結果として、1Hの化学シフト値(δ)
と、そのシフト値を与えるプロトンを含むと考えられる
官能基とを第1表に示した。
…次に、上述の如く合成した化合物(I)に塩化チオ
ニルをピリジン存在下で反応させて塩化メタクリロイル
オキシプロピオニル(以下、化合物(II)と略称するこ
ともある。)を合成することを、以下に説明する手順で
行った。下記の(2)式は、その反応式である。
化合物(I)5.27g(0.033mol)を50mlの無水のTHF(テ
トラヒドロフラン)に溶解し、これに11.9g(0.1mol)
の塩化チオニル(SOCl2)と5.27g(0.067mol)のピリジ
ンとを加える。この混合物を50℃の温度で1時間加熱反
応した後末反応の塩化チオニル及びTHFを減圧留去す
る。さらに残渣を減圧で蒸留すると、新規な化合物(I
I)が淡黄色の液体として得られる。
この化合物(II)の気圧1Torrにおける沸点は75〜76℃
であった。
上述のようにして合成した化合物(II)の同定は、IRス
ペクトル及び1H-NMRによりそれぞれ行なった。
IRスペクトルの測定結果によれば、波数1800cm-1に酸塩
化物のカルボニル基の吸収が、波数1725cm-1にエステル
の吸収が、波数1630,1320,1295cm-1にアルケンの吸収が
それぞれ認められた。
また、化合物(II)をCDCl3に溶解させて1H-NMRスペク
トルを測定した結果として、1Hの化学シフト値(δ)
と、そのシフト値を与えるプロトンを含むと考えられる
官能基とを第2表に示した。
…次に、上述の如く合成した化合物(II)に、先に説
明した一般式で示される化合物の一例であるDL−α−
ホスファチジルエタノールアミンジバルミトイル(下記
(3)式中の(III)で示す化合物。)をピリジン存在
下で反応させることを以下に説明する手順で行ない、実
施例1のリン脂質類似構造を有する化合物である2−
(メタクリロイルオキシ)エチルジパルミトイル−DL−
α−ホスファチジルエタノールアミド(下記(3)式中
の(IV)で示す化合物。)を製造する。下記の(3)式
は、その反応式である。なお、DL−α−ホスファチジル
エタノールアミンジパルミトイル(III)は、シグマ製
のもの(製品番号P3275)を用いた。
先ず、攪拌機、塩化カルシウム管、及び滴下ロートを付
けた三つ口フラスコ中に、0.20g(0.29mmol)のDL−α
−ホスファチジルエタノールアミンジパルミトイル(II
I)と0.11g(1.45mmol)のピリジンとを40mlのクロロホ
ルムに溶解したものを入れる。次に、このフラスコを氷
浴にて0℃に冷却しかつフラスコ中の溶液を攪拌しなが
ら、滴下ロートを介してこの溶液中に0.204g(1.16mmo
l)の化合物(II)を1時間かけてゆっくりと滴下す
る。さらにこの溶液を0℃で6時間反応させた後、さら
に20℃で12時間反応させる。次に、反応混合物に20mlの
水を加えた後80mlのクロロホルムで抽出する。抽出した
クロロホルム溶液は、硫酸ナトリウムで脱水した後濾過
し、この濾液を減圧濃縮する。残渣を0.3mlのクロロホ
ルムに溶解し、これに120mlのアセトンを加えると淡黄
色の結晶が現われる。さらにそのまま冷凍庫に20時間放
置した後、析出した淡黄色の結晶を集め20mlのアセトン
で洗浄する。このようにして粗生成物が得られる。
この粗生成物をクロロベンゼンに溶解しアセトンによる
再沈殿によって精製する。この結果、実施例1の天然リ
ン脂質類似構造を有する化合物(IV)が得られる。
この化合物(IV)は、42〜139℃の温度範囲において液
晶相を示した。
上述のようにして合成した実施例1の化合物(IV)の同
定は、IRスペクトル及び1H-NMRによりそれぞれ行なっ
た。
IRスペクトルの測定結果によれば、波数2925,2850,1460
cm-1にメチレン基の吸収が、波数1730cm-1にエステルの
吸収が、波数1655cm-1にアミド基の吸収が、波数1630,1
320,1295cm-1にアルケンの吸収が、波数1255cm-1にホス
ホリル基の吸収が、波数1070cm-1にホスホリレートの吸
収がそれぞれ認められた。
また、実施例1の化合物(IV)をCDCl3に溶解させて1H-
NMRスペクトルを測定した結果として、1Hの化学シフト
値(δ)と、そのシフト値を与えるプロトンを含むと考
えられる官能基とを第3表に示した。
〈実施例1の化合物のポリマーの説明〉 次に、上述の如く製造した実施例1の天然リン脂質類似
構造を有する化合物(IV)を以下に説明するように重合
させ実施例1の化合物のポリマーを合成した。なお重合
開始剤としては、2,2′−アゾイソブチロニトリル(以
下、AIBNと略称する。)を用いた。
先ず、0.21gの実施例1の化合物(IV)及び0.82mgのAIB
Nを5mlのクロロベンゼンに溶解しこの溶液をガラス管に
入れる。次に、このガラス管内を窒素置換した後、減圧
下でこのガラス管を封じる。その後、このガラス管を80
℃の温度で24時間振盪する。次に、ガラス管内の物を取
り出しこれをアセトン中に加えると、実施例1の化合物
のポリマーが沈殿する。次に、この沈殿物を集めアセト
ンで洗浄し、さらにクロロベンゼンに溶解しアセトンで
再沈殿することにより精製する。
実施例1の化合物のポリマーの構造式を下記に示す(但
し、式中のR1、R2は、いずれも(CH2)14CH3である。)。
この実施例1の化合物のポリマーは、淡茶褐色の粉末で
あり、145℃の温度で軟化するものであった。
上述のように合成した実施例1の化合物のポリマーの同
定は、IRスペクトル及び粘度によりそれぞれ行なった。
IRスペクトルの測定結果によれば、重合前の化合物(I
V)において認められた波数1320,1295cm-1のアルケンの
吸収がポリマーでは消失しておりそれ以外の吸収ピーク
は重合前後において変化がないことが分った。このこと
から、重合反応が正常に行なわれていることが分る。
また、実施例1の化合物のポリマーは、クロロベンゼ
ン、クロロホルム、熱エタノールには可溶であったが、
アセトン、エーテルには不溶であった。
また、実施例1の化合物のポリマーの0−ジクロロベン
ゼン溶液の25℃での固有粘度は0.23dl/gであった。
実施例2 次に、実施例1の天然リン脂質類似構造を有する化合物
を製造するための中間物であった化合物(II)(塩化メ
タクリロイルオキシプロピオニル)と、先に説明した一
般式で示される化合物の一例であるL−α−セファリ
ン(下記反応式(4)中に(V)で示す物質)とを反応
させ、実施例2の天然リン脂質類似構造を有する化合物
(以下、実施例2の化合物と略称する。)であるメタク
リロイルオキシエチルセファリンアミド(下記反応式
(4)中に(VI)で示す化合物。)を製造し、さらにこ
の実施例2の化合物のポリマーを製造する例につき説明
する。
〈実施例2の化合物の説明〉 先ず、実施例2の化合物を以下に説明するように製造す
る。下記の(4)式は、その反応式である。なおL−α
−セファリン(V)は、シグマ製のもの(製品番号P426
4)を用いた。これは、羊の大脳から抽出したものであ
り、反応式(4)中では(V)で示している。しかし実
際は、R3、R4各々が炭素数12〜18のアルキル基または炭
素数12〜18のアルケニル基であるエタノールアミンホス
ファチドの混合物である。
先ず、攪拌機、塩化カルシウム管、及び滴下ロートを付
けた三つ口フラスコ中に、2gのL−α−セファリン
(V)と0.91g(11.5mmol)のピリジンとを50mlのクロ
ロホルムに溶解したものを入れる。次に、このフラスコ
を氷浴にて0℃に冷却しかつフラスコ中の溶液を攪拌し
ながら、滴下ロートを介してこの溶液中に2.04g(11.6m
mol)の化合物(II)を1時間かけてゆっくりと滴下す
る。さらにこの溶液を0℃で6時間反応させた後、さら
に20℃で12時間反応させる。次に、反応混合物に50mlの
水を加えた後150mlのクロロホルムで抽出する。抽出し
たクロロホルム溶液は、硫酸ナトリウムで脱水した後濾
過し、この濾液を減圧濃縮する。残渣を0.5mlのクロロ
ホルムに溶解し、これに200mlのアセトンを加えると淡
黄色の結晶が現われる。さらにそのまま冷凍庫に20時間
放置した後、析出した淡黄色の結晶を集め20mlのアセト
ンで洗浄する。このようにして粗生成物が得られる。
この粗生成物をクロロベンゼンに溶解しアセトンによる
再沈殿によって精製する。この結果、実施例2の天然リ
ン脂質類似構造を有する化合物(VI)が得られる。
この実施例2の化合物(VI)は、32〜125℃の温度範囲
において液晶相を示した。
上述のようにして合成した実施例2の化合物(VI)の同
定は、IRスペクトル及び1H-NMRによりそれぞれ行なっ
た。
IRスペクトルの測定結果によれば、波数2925,2850,1460
cm-1にメチレン基の吸収が、波数1730cm-1にエステルの
吸収が、波数1655cm-1にアミド基の吸収が、波数1630,1
320,1295cm-1にアルケンの吸収が、波数1255cm-1にホス
ホリル基の吸収が、波数1070cm-1にホスホリレートの吸
収がそれぞれ認められた。
また、実施例2の化合物(VI)をCDCl3に溶解させて1H-
NMRスペクトルを測定した結果として、1Hの化学シフト
値(δ)と、そのシフト値を与えるプロトンを含むと考
えられる官能基とを第4表に示した。
〈実施例2の化合物のポリマーの説明〉 次に、上述の如く製造した実施例2の天然リン脂質類似
構造を有する化合物(VI)を以下に説明するように重合
させ実施例2の化合物のポリマーを合成した。なお重合
開始剤としては、実施例1と同様に、AIBNを用いた。
0.21gの実施例2の化合物(VI)及び0.82mgのAIBNを5ml
のクロロベンゼンに溶解しこの溶液をガラス管に入れ
る。次に、このガラス管内を窒素置換した後、減圧下で
このガラス管を封じる。その後、このガラス管を80℃の
温度で24時間振盪する。次に、ガラス管内の物を取り出
しこれをアセトン中に加えると、実施例2の化合物のポ
リマーが沈殿する。次に、この沈殿物を集めアセトンで
洗浄し、さらにクロロベンゼンに溶解しアセトンで再沈
殿することにより精製する。
この実施例2の化合物のポリマーの構造式を下記に示す
(但し、式中のR3、R4各々は、炭素数12〜18のアルキル
基または炭素数12〜18のアルケニルを示す。)。なお、
この実施例2の化合物のポリマーは、出発原料にL−α
−セファリン(V)から合成した実施例2の化合物(V
I)を用いているので、このポリマーの各単量体毎のR3
R4は、必ずしも同じものとは限らない。
この実施例2の化合物のポリマーは、淡茶褐色の粉末で
あり、145℃の温度で軟化するものであった。
上述のように合成した実施例2の化合物のポリマーの同
定は、IRスペクトル及び粘度によりそれぞれ行なった。
IRスペクトルの測定結果によれば、重合前の化合物
(V)において認められた波数1320,1295cm-1のアルケ
ンの吸収がポリマーでは消失しておりそれ以外の吸収ピ
ークは重合前後において変化がないことが分った。この
ことから、重合反応が正常に行なわれていることが分
る。
また、実施例2の化合物のポリマーは、クロロベンゼ
ン、クロロホルム、熱エタノールには可溶であったが、
アセトン、エーテルには不溶であった。
また、実施例2の化合物のポリマーのクロロベンゼン溶
液の25℃での固有粘度は0.19dl/gであった。
(発明の効果) 上述した説明からも明らかなように、この出願の第一発
明である天然リン脂質類似構造を有する化合物は、メタ
クリル酸エステル型の重合性官能基を有しているので、
AIBN等の重合開始剤を用いた通常の重合条件で容易に重
合反応が起こるものとなる。なお、この第一発明の化合
物は、γ線、X線、電子線、紫外線等の高エネルギー線
の照射によっても重合体を与え得ることは勿論である。
また、この出願の第二発明である天然リン脂質類似構造
を有する化合物のポリマーは、従来の天然リン脂質には
みられない性質を有し、すなわちポリマーであることか
ら膜の形成が極めて容易であり、かつ得られた膜は天然
のリン脂質に比べはるかに強固なものとなる。従って上
述した湿度センサ、ガスセンサ、イオン透過膜、人工臓
器、細胞融合、酵素の固定、バイオセンサ、人工栽培等
の広い分野への利用が可能となりその工業的価値は非常
に大きい。
また、この出願の第三発明の天然リン脂質類似構造を有
する化合物の製造方法は、放射線重合は勿論のこと通常
のラジカル重合によってもポリマー化が容易に行なえる
天然リン脂質類似構造を有する化合物を、市販のDL−α
−ホスファチジルエタノールアミンジパルミトイル又は
L−α−セファリン等の材料を用いることによりわずか
の反応工程で簡単に製造できる。従って、優れた特性を
有する上記天然リン脂質類似構造を有する化合物を工業
的規模で経済性良く安価に提供出来る。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】次の一般式 (式中のR1、R2各々は、炭素数12〜20のアルキル基また
    は炭素数12〜20のアルケニル基を示す。)で表される天
    然リン脂質類似構造を有する化合物。
  2. 【請求項2】次の一般式 (式中のR1、R2各々は、炭素数12〜20のアルキル基また
    は炭素数12〜20のアルケニル基を示す。またnは重合度
    を示し100〜500の範囲内の値である。)で表される天然
    リン脂質類似構造を有する化合物のポリマー。
  3. 【請求項3】次の一般式 (式中のR1、R2各々は、炭素数12〜20のアルキル基また
    は炭素数12〜20のアルケニル基を示す。)で表わされる
    天然リン脂質類似構造を有する化合物を製造するに当た
    り、 塩化メタクリロイルとプロピオン酸とを水酸化ナトリウ
    ム存在下で反応させてメタクリルオキシプロピオン酸を
    合成する工程と、 該メタクリルオキシプロピオン酸に塩化チオニルをピリ
    ジン存在下で反応させて塩化メタクリロイルオキシプロ
    ピオニルを合成する工程と、 該塩化メタクリロイルオキシプロピオニルに次の一般式
    (式中R1、R2各々は、炭素数12〜20のアルキル基また
    は炭素数12〜20のアルケニル基を示す。)で表される化
    合物をピリジン存在下で反応させる工程と を含むことを特徴とする天然リン脂質類似構造を有する
    化合物の製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2012175923A1 (en) 2011-06-24 2012-12-27 Biointeractions Limited, University Of Reading Biocompatible, biomimetic ampholyte materials

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WO2012175923A1 (en) 2011-06-24 2012-12-27 Biointeractions Limited, University Of Reading Biocompatible, biomimetic ampholyte materials

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JPH02238007A (ja) 1990-09-20

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