JPH0678189B2 - 非還元性高誘電率系誘電体磁器組成物 - Google Patents

非還元性高誘電率系誘電体磁器組成物

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JPH0678189B2 JP59220745A JP22074584A JPH0678189B2 JP H0678189 B2 JPH0678189 B2 JP H0678189B2 JP 59220745 A JP59220745 A JP 59220745A JP 22074584 A JP22074584 A JP 22074584A JP H0678189 B2 JPH0678189 B2 JP H0678189B2
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【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、ニッケル内部電極を有する積層型磁器コンデ
ンサの誘電体磁器組成物に関するもので、より詳細には
前記ニッケル内部電極に使用されている金属ニッケル微
粒子が酸化せず、優れた誘電体特性を有するようにした
非還元性高誘電率系誘電体磁器組成物に関するものであ
る。
従来の技術 一般に、積層型磁器コンデンサは薄層の誘電体の表面に
内部電極を形成したものを複数枚積層し、内部電極を交
互に外部接続用電極に並列に接続するようにして一体的
に同時焼成している。このような積層型磁器コンデンサ
は、近年のエレクトロニクスの進展に伴い、電子部品の
小型化が急速に進行し、積層型磁器コンデンサにおいて
も容量効率が高い高誘電率系磁器コンデンサが広汎な電
子回路に使われるようになってきている。
しかしながら、従来の積層型磁器コンデンサは、内部電
極材料として高価な金属であるパラジウムまたはその合
金が使用されていたため、特に静電容量が大きい部品で
はコスト高となる。また容量効率が高く、その他誘電体
特性に優れかつ高信頼性であるにも拘わらず価格面がそ
の進展に大きな障壁となっていた。従って、高価なパラ
ジウム、またはその合金を使用することなく、卑金属た
とえばニッケルで内部電極を構成する積層型磁器コンデ
ンサに適した誘電体磁器組成物が強く望まれている。
このようなニッケルなどの卑金属を内部電極とするには
次のような問題がある。誘電体とニッケルなどの卑金属
内部電極とを同時焼成するために、前記卑金属が酸化す
ることなく金属膜として焼結する条件はNi/NiOの平衡酸
素分圧が1300℃において約3×10-7atmであるから、そ
れ以下の酸素分圧でなければならない。しかしながら、
チタン酸バリウムまたはその固溶体からなる誘電体は、
一方上記の酸素分圧下では誘電体自体が還元されてしま
い、実用的に価値がある程度の大きさの比誘電率、小さ
い誘電損失および高い絶縁抵抗といつた誘電体特性を維
持できなくなる。
一方、ニッケルなどの内部電極を有する積層型コンデン
サとして使用できる非還元性誘電体磁器組成物として、
チタン酸バリウム固溶体(Ba,Ca,Sr)TiO3において塩基
性酸化物である(Ba,Ca,Sr)Oを酸性酸化物であるTiO2
に対して化学量論比より過剰とすることにより、非還元
性を得る試みが特公昭57-42588等において提案されてい
る。
一般に、ABO3型結晶においては、酸素八面体(ペロブス
カイト)構造の中心に位置するBイオン(カチオン)に
対して、Bイオンより大きい酸素に対して12配位をとる
Aイオンが化学量論比より過剰である場合、結晶が酸素
原子を束縛し、還元され難いことが知られている。上記
特許公報に記載された発明は、この化学量論比のずれに
立脚し、誘電体の非還元性を向上させようとするもので
ある。しかしながら、チタン酸バリウムまたはその固溶
体においてはバリウム(Ba)とチタン(Ti)の原子数比
において、Ba/Ti>1の場合、化学量論組成に対する結
晶の誘電的性質よりキューリ温度が低温側に移行すると
共に、キューリ温度での比誘電率が低下する。したがつ
て化学量論比に対してバリウム(Ba)が過剰な組成にお
いて、キューリ温度を室温近くに位置すべく固溶体の形
をとった場合、化学量論組成よりも比誘電率が低下して
しまい、上記公報においても比誘電率が比較的小さく約
8000程度である。
発明が解決しようとする問題点 本発明者等は、上記現状に鑑み鋭意研究の結果、BaTi
O3、BaZrO3および(Ca,Sr)ZrO3の固溶体において、ABO
3構造をとる結晶格子のA/Bの比を1とし、Y2O3と、MnO
と、Al2O3と、NiOとを適量添加することにより、1300℃
〜1340℃における酸素分圧3〜8×10-9atmの雰囲気で
焼成しても還元することなく高い絶縁性を有し、かつ高
い比誘電率を有することを知見した。
したがって、本発明においては、ニッケルなどの卑金属
粉末粒子が酸化することなく金属として焼結可能な酸素
分圧3〜8×10-9atmの雰囲気において焼成しても、高
い比誘電率と優れた絶縁性を有し、極めて経済性の高い
卑金属内部電極を有する高誘電率系積層型磁器コンデン
サの磁器組成物を提供することを目的とする。
課題を解決するための手段 本発明は、組成式が、 (1−x−y)BaTiO3+xBaZrO3+y(Ca(1−α),Sr
α)ZrO3 ただし、0≦x≦0.16 0.01≦y≦0.10 0≦α≦1 で表される組成物100重量部に対して、Y2O3と、MnOと、
Al2O3と、NiOとをそれぞれ以下に示す範囲で添加する非
還元性高誘電率系誘電体磁器組成物である。
0.2重量部<Y2O3<1.0重量部 0.06重量部<MnO<0.6重量部 0.1重量部<Al2O3<1.0重量部 0.1重量部<NiO<1.0重量部 作用 BaTiO3またはその固溶体が還元して絶縁性を失ない半導
体化した場合、n型半導体即ち金属イオン過剰型半導体
となる。即ち、Tiが過剰になりそれ自身がドナーとなる
ものと考えられる。前述のBa/Ti>1なる組成において
還元し難くなるのは結晶が雰囲気から酸素をとられ、Ti
過剰となると、もとから過剰に存在するBaと結合し、そ
の際雰囲気から酸素を奪うことにより、結果として結晶
から酸素が出ていくことを抑制するためであると考えて
よい。
本発明は上述の理論的根拠に依るものでなく、d殻に電
子をもつ遷移金属の酸化物を添加することによって、Ba
TiO3固溶体結晶が還元して出来るドナー電子を遷移金属
酸化物が還元してできる正孔によって中和し、結果とし
て結晶の半導体化を抑制する技術思想に立脚するもので
ある、と推測される。
またBaTiO3にMnOを添加して還元を抑制することは知ら
れているが、還元雰囲気にて焼結して十分な絶縁性を得
るためには、1モル%以上の添加量が必要である。その
場合キューリ温度での比誘電率は大きく低下してしま
う。本発明の基本とするところはMnOを可能な限り少な
くするために、ジルコン酸塩との固溶体とすること、
NiOとの添加によって正孔濃度を増加させることの2
点である。このとき酸素分圧3〜8×10-9atmではMnOと
異なり、NiOはBaTiO3の比誘電率を低下させないという
ことが重要である。
一方、Al2O3はTi4+に対して低原子価で絶縁抵抗の酸素
分圧依存性を大きくし、非還元性を向上する立場からは
好ましくないが、ジルコン酸塩との固溶体において液相
を形成し、結晶格子の移動を促進し、焼結性を向上して
比誘電率が向上する効果がある。しかしながら、結晶粒
成長が過大になると比誘電率は増大するが誘電損失が大
きくなり、絶縁破壊強度が低下するため、特に積層型磁
器コンデンサの誘電体磁器としては好ましくない。した
がって、Al2O3の添加に併せて、粒子成長を抑制する金
属酸化物の添加が重要である。この金属酸化物として
は、酸素との結合が強いY2O3が選ばれる。
次に、前記組成範囲を限定した理由は、0.16<xのと
き、0.10<yのとき、BaTiO3,BaZrO3,CaZrO3および/
またはSrZrO3(以下「主要成分」という)100重量部に
対し、Y2O3≦0.2重量部のとき、MnO≧0.6重量部のと
き、Al2O3≦0.1重量部またはAl2O3≧1.0重量部のとき、
およびNiO≧1.0重量部のときは、比誘電率が小さく実用
的でないからである。
また、y<0.01のとき、主要成分100重量部に対し、Y2O
3≧1.0重量部のとき、MnO≦0.06重量部のとき、およびN
iO≦0.1重量部のとき、絶縁抵抗が小さくコンデンサ材
料として不適である。尚、組成式において、(Ca
(1−α),Srα)ZrO3は0≦α≦1の範囲で全率固溶
ではなく、実際は(1−α)CaZrO3+αSrZrO3である
が、便宜上、上述のごとく記述した。
実施例 BaCO3、CaCO3、SrCO3、TiO2およびZrO2を出発原料とし
て、BaTiO3、BaZrO3および(Ca(1−α),Srα)ZrO3
をそれぞれ1200℃、1220℃および1220℃にて固相反応に
依り合成し、微粉砕した。合成粉末BaTiO3、BaZrO3およ
びCaZrO3をそれぞれ秤量し、その合計重量が1kgで、か
つ第1表の割合になるようにした。さらにこれにY2O3、
MnCO3、Al2O3およびNiOを第1表の割合になるように添
加し、分散剤および分散媒とともにボールミルにて混合
して同時に原料スラリーを調製する。この原料スラリー
に可塑剤とともに有機バインダを加え、充分攪拌、真空
脱泡ののち、ドクターブレード法に依って肉厚33μmの
フイルム状に成形して、縦約130mm、横100mmに切断し、
10枚を積み重ねてホットプレスし、得られた厚さ約0.5m
mの板状試料を約10mm平方の角板状に切断する。この角
板試料を酸素分圧約5×10-9atmに制御し、キャリアガ
スをN2ガスとして、温度1300℃〜1340℃にて2時間焼成
した。このように焼成した角板試料の上下両面にIn-Ga
合金を全面に塗布し、第1表に示す評価試料1〜30とし
た。
これらの評価試料1〜30を焼成後室温にて放置し、48時
間経過後に周波数1.00KHz、信号レベル1.0Vrmsにて静電
容量および誘電損失を測定し、その後直流50Vを1分間
印加し、そのときの絶縁抵抗値を絶縁抵抗計を用いて測
定した。
第1表から明らかなように組成式が、 (1−x−y)BaTiO3+xBaZrO3+y(Ca1−αSrα)Z
rO3 但し0≦x≦0.16 0.01≦y≦0.10 0≦α≦1 で表わされる組成物100重量部に対してY2O3、MnO、Al2O
3、NiOをそれぞれ以下に示す範囲で添加して成る誘電体
組成物を、酸素分圧3〜8×10-9atmの雰囲気中で1300
℃〜1340℃で焼成した。このとき焼結した誘電体磁器
は、高い絶縁抵抗を有し、比誘電率が8000以上と高く
(望ましい組成比では比誘電率が12750)、誘電正接がt
anδ<1.03%と小さく、また絶縁抵抗が2.9×104MΩ以
上と大きく、高誘電率系誘電体磁器として優れた特性を
有していることが理解される。
0.2重量部<Y2O3<1.0重量部 0.06重量部<MnO<0.6重量部 0.1重量部<Al2O3<1.0重量部 0.1重量部<NiO<1.0重量部 またニツケルを内部電極とする積層型磁器コンデンサの
誘電体磁器は、ニツケル金属電極と同時に焼成するため
に、ニツケルが酸化することなく金属膜として焼結する
雰囲気で焼成することができ、かつ焼結磁器の誘電特性
は磁器コンデンサの誘電体として具備すべき特性を当然
満足していなければならない。したがつてNi/NiOの平衡
酸素圧は1300℃において約3×10-7atmであるからそれ
以下の酸素分圧の雰囲気中で焼結する必要があり、実用
的に価値ある程度の大きさの比誘電率と小さい誘電損失
と高い絶縁抵抗とを有している必要がある。そこで酸素
分圧が3〜8×10-9atmである還元性雰囲気で焼成する
ことにより、たとえば約0.7μmの金属ニツケル微粒子
が酸化することなく、優れた誘電体特性が保たれること
が理解されるに至つた。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】組成式が、 (1−x−y)BaTiO3+xBaZrO3+y(Ca(1−α),Sr
    α)ZrO3 ただし、0≦x≦0.16 0.01≦y≦0.10 0≦α≦1 で表される組成物100重量部に対して、Y2O3と、MnOと、
    Al2O3と、NiOとをそれぞれ以下に示す範囲で添加するこ
    とを特徴とする非還元性高誘電率系誘電体磁器組成物。 0.2重量部<Y2O3<1.0重量部 0.06重量部<MnO<0.6重量部 0.1重量部<Al2O3<1.0重量部 0.1重量部<NiO<1.0重量部
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