JPH0679096B2 - 導波路型光学素子の製造方法 - Google Patents

導波路型光学素子の製造方法

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JPH0679096B2
JPH0679096B2 JP60246393A JP24639385A JPH0679096B2 JP H0679096 B2 JPH0679096 B2 JP H0679096B2 JP 60246393 A JP60246393 A JP 60246393A JP 24639385 A JP24639385 A JP 24639385A JP H0679096 B2 JPH0679096 B2 JP H0679096B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の利用分野〕 本発明はカルコゲナイドガラス薄膜、特に硫化砒素ガラ
ス薄膜を用いた導波路型光学素子(例えば光導波路、レ
ンズ、グレーティング、偏光器等)の製造法に係り、特
に光散乱損失の小さい導波路型光学素子の製造方法に関
する。
〔発明の背景〕 カルコゲナイドガラスすなわち硫黄、セレン、テルルの
うち少なくとも一つの元素を含んだガラスは可視および
近赤外領域で光透過性に優れていることから、光通信な
どに用いる光学素子を形成するための光導波路材料とし
て優れている。光導波路は、上記ガラスを真空蒸着ある
いはスパッタリング等により所望の基板上に数μm厚に
堆積することにより形成できる。ところでカルコゲナイ
ドガラスに電子線あるいは紫外線を照射すると、照射さ
れた部分の屈折率が高くなることが知られている。たと
えばジャーナル・オブ・アプライド・フィジックス(Jo
urnal of Applied Physics),Vol14,No7,P1079(197
5年)には、カルコゲナイドガラスに電子ビームを照射
すると照射された部分の屈折率Δn/nで1〜10×10-3
化することが報告されている。ここでnは電子ビーム照
射前の屈折率、Δnは電子ビームを照射することによる
屈折率変化の増加分である。かかる現象を利用するとカ
ルコゲナイドガラス薄膜に局部的に屈折率の高い部分を
形成することができるため、各種の導波路型光学素子が
容易に製造することができる。
各種のカルコゲナイドガラスのうち、As2S3は可視域お
よび近赤外域での光透過性が特に良好であること、また
電子線を照射したときの屈折率変化が大であることから
特に重要なガラスであるといわれている。ここでAs2S3
は砒素が3価,硫黄が2価であることから化学量論的組
成である。しかし上記ガラスを蒸発源またはスパッタリ
ング源のガラスとして用いて薄膜を形成すると、得られ
た薄膜の組成は不均一となり、光透過性の良い光導波路
用薄膜は得られない。ここで不均一性の原因は、As2S3
ガラス薄膜中にAs4S4およびまたはAs、As2O3などの結晶
体が生成するためである。これらの不均一成分が光を通
したときに光を散乱させ光透過率を低下し、結果的に諸
特性に優れた導波路型光学素子を得ることができない。
〔発明の目的〕
本発明の目的は上記した従来の問題点を解決し、硫化砒
素ガラス薄膜の組成が均一で、光散乱の少ないすなわち
伝搬損失の少ない導波路型光学素子の製造を可能とする
導波路型光学素子の製造方法を提供することにある。
〔発明の概要〕
上記目的を達成するために硫化砒素ガラスの組成と得ら
れた薄膜の均一性を種々検討した結果、光導波路用薄膜
を得るための蒸着源あるいはスパッタリング源として硫
化砒素ガラス、具体的にはAs2Sx(x=3.1〜3.8)で表
わされる硫化砒素ガラスを用いることによって達成され
る。化学量論組成であるAs2S3に比較して硫黄含有量の
大なるガラスを用いることにより、得られた薄膜中のAs
4S4結晶,As結晶,As2O3結晶等の不均一成分が著しく減少
し、光散乱が少なく光透過性の良好な薄膜が得られる。
ここで硫化砒素ガラスの組成をAs2Sx(x=3.1〜3.8)
と限定する理由は、xの値が3.1より小の場合得られた
薄膜中に前記した不均一成分が生成しやすくなるためで
あり、xの値が3.8より大の場合得られた薄膜の耐熱性
が著しく低下するためである。
本発明で使用する硫化砒素ガラスは、高純度の砒素と硫
黄単体を所定量配合して石英製のガラス管内に真空封止
した後、揺動可能な電気炉中に入れ、これを600〜850℃
で10〜24時間放置し、砒素と硫黄を反応させ、最后にガ
ラス管ごと水中で急冷することにより製造することがで
きる。このガラスの組成は、最初に仕込んだ硫黄と砒素
の量によって決定される。
本発明の方法で導波路型光学素子を製造するには、上記
した硫化砒素ガラスを蒸発源、スパッタリング源として
用い、抵抗加熱方式の真空蒸着、電子ビーム加熱方式の
真空蒸着、あるいは高周波スパッタリング等の方法によ
り各種基板に付着することにより形成することができ
る。基板材料としては、単結晶のシリコンあるいは多結
晶のシリコンを用いることができる。ただし、シリコン
を用いる場合には、シリコンの屈折率が硫化砒素ガラス
の屈折率より大であるため、これを熱酸化するかスパッ
タリング等であらかじめSiO2薄膜を形成したものを用い
ることが必要である。シリコン以外の基板材料として
は、GaAs,InP等の化合物半導体、それにLiNbO3,LiTaO3
などの光学結晶を挙げることができる。ここで化合物半
導体を用いる場合シリコン同様その屈折率がカルコゲナ
イドガラスより大であるためその上にSiO2、MgO、SiOな
どの低屈折率薄膜を真空蒸着、スパッタリング、CVD法
等で形成してはじめて基板として使用可能となる。これ
以外の基板材料としては、光学的に研磨した石英ガラ
ス、パイレックスガラス、クラウンガラス等のシリカガ
ラスを用いることができる。これらのガラスは、いずれ
も硫化砒素ガラスに比較して屈折率が小であるためその
ままで使用可能である。
上記基板上に形成した硫化砒素薄膜は、それ自体がスラ
ブ型の光導波路であることから各種光学素子として用い
ることができる。基板としてLiNbO3等の音響光学指数の
大なる光学結晶を用い、この結晶上にクシ型電極を配備
した基板上に硫化砒素ガラス薄膜を形成し、LiNbO3に超
音波を重畳すれば、その周波数に応じた格子間隔の回折
格子が硫化砒素薄膜上に形成され、波長分波器、光偏向
器などの光学素子を得ることができる。これ以外に、硫
化砒素薄膜に各種の光学素子を形成するには、電子ビー
ムあるいは紫外線を照射する方法がある。例えば電子ビ
ームまたは紫外線を帯状に照射することにより、三次元
光導波路が形成できる。電子ビームまたは紫外線をY字
状に照射すれば、導波路型カップラおよび光分岐器が形
成できる。また、これらのエネルギを制御し、部分的に
屈折率変化をもたせることにより、フレネル型導波路レ
ンズが形成できる。さらに所定の間隔で電子線または紫
外線の照射することにより、マイクログレーティングを
形成することができる。光学素子の形成法としては、こ
れ以外にX線を用いて屈折率を変化する方法がある。さ
らに硫化砒素ガラス薄膜上にAg,Al,Tiなどの金属薄膜を
形成し、これに電子ビーム、紫外線、X線を照射し金属
をガラス中に拡散させることによって屈折率変化を持た
せた光学素子形成も可能である。これらの導波路型光学
素子はオプトエレクトロニクス部品に不可欠なものであ
り、例えば上記の導波路型フレネルレンズとマイクログ
レーティングを一つの薄膜上に形成すれば、導波路型光
合分波器の製造が可能となる。
〔発明の実施例〕
以下、本発明を実施例により詳細に説明する。
(実施例1) 第1図に示すスラブ型光導波路の製造方法 基板として厚さ400μmのシリコン単結晶1を用い、こ
れを電気炉に入れて純水0.015%を含む窒素を流速2/
minで流しながら800℃で加熱し、基板表面を酸化して厚
さ0.3μmのSiO2薄膜2を形成した。
次に上記基板を40℃に保ち、真空度5×10-5mmHg、蒸着
速度20Å/secにて上記基板上に厚さ1μmの硫化砒素ガ
ラス薄膜3を真空蒸着した。ここで真空蒸着の蒸発源と
して、As2S3.3の平均組成をもつ硫化砒素ガラスを用い
た。As2S3.3ガラスは、AsとS(いずれも純度99.999%
以上)の粉末を化学当量比でAs:S=2:3.3に配合した混
合物を石英ガラス管内に真空封止し、600〜800℃で24時
間加熱溶融撹拌して製造したものである。
得られたスラブ型光導波路の伝搬損失を測定するために
第2図に示す如く、基板1上に形成された硫化砒素ガラ
ス薄膜3上の両端部に夫々斜面4c、4dが外側斜上方に向
くように三角形状をした2個のプリズムカップラ4a、4b
を間隔をおいて搭載し、上記2個のプリズムカップラ4
a、4bの間隔量を変化させつつ、一方のプリズムカップ
ラ4aの斜面4cに向って矢印方向に入射した波長0.6328μ
mのレーザ光5aの出力と、他方のプリズムカップラ4bの
斜面4dから出射するレーザ光5bの出力との差すなわち伝
搬損失を測定したところ、伝搬損失は0.8dB/cmと良好な
値を示した。
この硫化砒素薄膜を顕微鏡観察したところ、膜質が均一
であることが確認された。また、この薄膜をX線(CuK
α線)を照射して回折パターンを測定したところ、第3
図に示した硫化砒素ガラス特有のハローパターン(ピー
ク値約18度および32.5度)のみが得られ、不均一成分が
ほとんどないことが確認された。得られた薄膜を剥離し
て、差動熱量計を用いてガラス転移温度を測定したとこ
ろ195℃であり、この薄膜は良好な耐熱性を示すことが
判った。
(実施例2) 実施例1で得た硫化砒素薄膜上に加速電圧5〜25kV、ス
ポット径0.3μmの電子ビームを照射して、巾3mm、長さ
2mmのフレネルタイプのレンズを作製した。電子ビーム
が照射された部分の屈折率は、0.1〜5×10-2屈折率が
高くなっており、その焦点距離は5mmであった。
得られたフレネルレンズの伝搬損失を測定するために、
第2図に示したプリズムカップラを用いて波長0.6328μ
mのレーザ光を入射した。二つのプリズムカップラの間
隔を変えてフレネルレンズの伝搬損失を測定したとこ
ろ、1.0dB/cmと良好な値を示した。
(実施例3) 導波路型分波器の製造 第4図に示す如く、前記実施例1と同一方法でSi基板6
上にSiO2薄膜2を形成し、さらにその上面に蒸着源とし
てAs2S3.3ガラスを用いて1μmの硫化砒素ガラス薄膜
3を形成したのち、上記硫化砒素ガラス薄膜3上に、発
光用ファイバ7aおよび発光用のロッド状レンズ8aより4
種類の波長λ123を有する光を入射するマイ
クロフレネルレンズ9aと、このマイクロフレネルレンズ
9aより光を波長λ123毎に分波するため、間
隔をおいて波長λ123の数だけ配置されたマ
イクログレーティング10a,10b,10c,10dと、これらマイ
クログレーティング10a,10b,10c,10dよりの各波長λ1,
λ23の光を入射するため上記マイクロフレネル
レンズ9aに対して直角方向に配置され、受光用ロッドレ
ンズ8b,8c,8d,8eおよび受光用ファイバ7b,7c,7d,7eに接
続するマイクロフレネルレンズ9b,9c,9d,9eとからなる
導波路型分波器を作製した。なお、電子ビームの加速電
圧はマイクロフレネルレンズ9a,9b,9c,9d,9eの作製時は
5〜25kV,マイクログレーティング10a,10b,10c,10dの作
製時は25kVであった。またこれによって得られたマイク
ログレーティング10a,10b,10c,10dの格子間隔は0.961μ
m,1.02μm,1.04μm,1.08μmであり、硫化砒素ガラス薄
膜3の屈折率は電子ビームの照射前が2.44であるのに対
して照射後は2.49であった。さらに上記フレネルレンズ
9a,9b,9c,9d,9eの焦点距離は5.0mmであった。上記の構
成であるから、半導体レーザにより波長1.2μm,1.24μ
m,1.28μm,1.32μmの4種類の光をファイバ7a,ロッド
状レンズ8aを通って導波すると、フレネルレンズ9aを介
して4個のマイクログレーティング10a,10b,10c,10dに
より光が4種類の波長λ123に分波されたの
ち、4個のマイクロフレネルレンズ9b,9c,9d,9eによっ
て各波長λ123毎に集光され、ロッドレンズ
8b,8c,8d,8eを介してファイバ7b,7c,7d,7eに入射され
る。このときの伝搬損失を測定した結果、各波長λ1
23とも0.5dB/cm以下の優れた透過性を示した。
(実施例4,5,6) 第1図に示すスラブ型光導波路の製造 実施例1に示した方法で、第1図に示したスラブ型光導
波路を作製した。ここで真空蒸着源として用いた硫化砒
素ガラスの組成は、As2S3.1(実施例4)、As2S3.4(実
施例5)、As2S3.8(実施例6)の3種類を用いた。実
施例1で述べた様に第2図に示した方法で得られた光導
波路の伝搬損失を測定したところ、伝搬損失は、実施例
4、5、6それぞれ0.9dB/cm、0.75dB/cm、0.8dB/cmと
いずれも良好な値を示した。
これらの硫化砒素薄膜を顕微鏡観察したところ、いずれ
の場合も前記実施例1の場合とほぼ同程度の結果が得ら
れ、これらの膜質はほぼ均一であることが確認された。
また、これらの薄膜をX線分析したところ、第3図に示
したとほぼ同一の回折パターンが得られ、いずれの膜も
不均一成分がほとんどないことが確認された。得られた
薄膜を剥離して差動熱量計を用いてガラス転移温度を測
定したところ、実施例4、5、6それぞれ202℃、190
℃、188℃であり、これらの薄膜は良好な耐熱性を示す
ことが判った。
(実施例7) LiNbO3結晶(Yカット品)を基板とし、この上にスパッ
タリング法により硫化砒素薄膜を形成し、スラブ型光導
波路を製造した。用いたスパッタリングターゲットの組
成はAs2S3.25であり、RFパワー30w、真空度2×10-3tor
r、Arガス中でスパッタリングを行った。得られた薄膜
の伝搬損失を実施例1で述べた方法で測定したところ、
0.80dB/cmと良好な値を示した。薄膜を顕微鏡観察、X
線分析したところ、膜質はほぼ均一であり、不純物がほ
とんどないことが確認された。
(比較例) 実施例1で示したのと同様の方法で、スラブ型光導波路
を製造した。用いた基板、SiO2膜の形成に関しては同一
とし、硫化砒素薄膜を得る際の蒸発源としてAs2S3.0
平均組成をもつ硫化砒素ガラスを用いた。得られたスラ
ブ型光導波路の伝搬損失を実施例1と同様の方法で測定
したところ、4dB/cmと高い値を示し、光透過率は実施例
1に比較して低いことが判った。この硫化砒素薄膜を顕
微鏡観察したところ、膜質は不均一であることが判っ
た。また、この薄膜をX線分析したところ第5図に示し
た様に、As4S4結晶、As結晶、As2O3結晶に起因する回折
ピークが得られ、光透過率が低い原因はこれらの不純物
によるものであることが判った。
同様にして蒸発源としてAs2S2.6、As2S2.9を用いて得た
薄膜もこれとほぼ様の結果であり、実施例に比較して光
透過性の悪い薄膜しか得られないことが判った。
一方蒸着源としてAs2S3.9およびこれより硫黄含有率の
高い硫化砒素ガラスを用いて得た薄膜は、膜の均一性に
関しては実施例とほぼ同一であるもののガラス転移温度
が150℃以下であり、実用上耐熱性に問題があることが
判った。
〔発明の効果〕
以上述べた様に本発明の硫化砒素ガラスを用いると膜質
が均一な薄膜が得られ、伝搬損失の小さい導波路型素子
の製造が可能となる。本技術は、電子ビームあるいは紫
外線、X線照射技術などと組み合わせることにより、三
次元導波路、マイクロレンズ、グレーティング等の光素
子、光合分波器、光スイッチ、光偏光器などの光部品の
製造に巾広く応用できる。
【図面の簡単な説明】
第1図はスラブ型光導波路の構成図、第2図は光導波路
の伝搬損失を測定するためのサンプル構成図、第3図は
本発明で得られた薄膜のX線回折パターン、第4図は本
発明の分波器構成図、第5図は従来技術で得られる薄膜
のX線回折パターンである。 1……シリコン単結晶、2……SiO2薄膜、3……硫化砒
素ガラス薄膜、4a,4b……プリズムカップラ、4c,4d……
斜面、5a,5b……レーザー光、6……Si基板、7a……発
光用ファイバ、7b,7c,7d,7e……受光用ファイバ、8…
…ロッド状レンズ、9a,9b,9c,9d,9e……マイクロフレネ
ルレンズ、10a,10b,10c,10d……マイクログレーティン
グ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 角田 重晴 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株 式会社日立製作所生産技術研究所内 (56)参考文献 特開 昭51−107147(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板材料上にカルコゲナイドガラス薄膜
    を、蒸発源あるはスパッタリング源として硫化砒素ガラ
    スを使用して形成する導波路型光学素子の製造方法にお
    いて、前記硫化砒素ガラスが、As2Sx(但し、x=3.1〜
    3.8)で表される組成を有することを特徴とする導波路
    型光学素子の製造方法。
JP60246393A 1985-11-05 1985-11-05 導波路型光学素子の製造方法 Expired - Lifetime JPH0679096B2 (ja)

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