JPH0680911A - 電線用絶縁塗料及びこれを用いて形成された絶縁電線 - Google Patents

電線用絶縁塗料及びこれを用いて形成された絶縁電線

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JPH0680911A
JPH0680911A JP21842092A JP21842092A JPH0680911A JP H0680911 A JPH0680911 A JP H0680911A JP 21842092 A JP21842092 A JP 21842092A JP 21842092 A JP21842092 A JP 21842092A JP H0680911 A JPH0680911 A JP H0680911A
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JP
Japan
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chemical
group
electric wire
coating material
insulating coating
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JP21842092A
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English (en)
Inventor
Kazunari Yamamoto
一成 山本
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Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、電線用皮膜に自己潤滑性を付与す
る特定の芳香族化合物を皮膜形成可能な塗料用樹脂群に
混合することにより、絶縁塗料の特性を保持しつつ、特
に自己潤滑性及び耐摩耗性に優れた、電線用絶縁塗料及
びこれを用いて形成した絶縁電線を提供することを目的
とする。 【構成】 本発明は、下記一般式で示される芳香族化合
物を皮膜形成可能な塗料用樹脂群に混合してなることを
特徴とする電線用絶縁塗料。 【化1】 (但し、R1とR3とR4とR5の合計炭素数が20以上で
あって、且つ、これらのいずれかの有機基の炭素数が1
0以上のものである。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特に、自己潤滑性が優
れた皮膜の形成が可能である電線用絶縁塗料及びこれを
用いて形成された絶縁電線に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、モーター、トランス等のコイル巻
き作業において高速自動巻線機が利用されているが通常
の絶縁電線では皮膜強度が弱いため高速作業下の摩擦に
よって皮膜が損傷を受けやすい。
【0003】この高速作業に耐えうる絶縁電線として各
種ワックス等を添加して潤滑性を高めた自己潤滑性絶縁
電線が使用されている。例えば最外層の絶縁塗膜上に流
動パラフィンなどの液体潤滑剤、或いは固形パラフィン
などの固体潤滑剤を塗布したり、ポリエチレン、ポリプ
ロピレンのような潤滑性に優れた樹脂粉末を配合した絶
縁塗料を、導体上に塗布、焼付けすることなどが挙げら
れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
自己潤滑性絶縁電線においては以下に述べるような課題
を有している。
【0005】即ち、従来の自己潤滑性絶縁電線は表面
摩擦係数は優れているが、用途によっては溶媒などによ
りワックス等が抽出され、コイル周辺部の汚染を起こす
場合がある。
【0006】又、従来の自己潤滑性絶縁電線は表面摩
擦係数が優れているが、耐摩耗性が著しく乏しい。また
多層塗りの場合には下層の絶縁皮膜層の耐摩耗性を阻害
する場合がある。
【0007】本発明は、上記技術的課題に鑑み完成され
たものであって、電線用皮膜に自己潤滑性を付与する特
定の芳香族化合物を皮膜形成可能な塗料用樹脂群に混合
することにより、絶縁塗料の特性を保持しつつ、特に自
己潤滑性及び耐摩耗性に優れた、電線用絶縁塗料及びこ
れを用いて形成した絶縁電線を提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の電線用絶縁塗料
は、上記目的を達成するために、下記一般式で示される
化合物を皮膜形成可能な塗料用樹脂群に混合してなるこ
とを特徴とするものである。
【0009】
【化21】
【0010】(但し、R1とR3とR4とR5の合計炭素数
が20以上であって、且つ、これらのいずれかの有機基
の炭素数が10以上のものである。)
【0011】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
おいて皮膜形成可能な塗料用樹脂群としては、電線を被
覆する為に用いられる樹脂であれば特に限定されるもの
ではないが、具体的には、例えばポリビニルホルマー
ル、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエステルイミ
ド、ポリアミドイミド又はポリイミドなどを皮膜成分と
するものが挙げられる。
【0012】この塗料用樹脂群のうち、特に、耐熱性、
耐摩耗性、表面潤滑付与性を考慮するとポリアミドイミ
ド樹脂塗料が最も適切である。ポリアミドイミドは、一
般には芳香族トリカルボン酸無水物と芳香族イソシアナ
ートを合成溶媒中で加熱縮合させて得られるものであ
り、ポリアミドイミドワニスは耐熱性に優れ機械的強度
も高いことから、耐熱グレードのワニスとして、またダ
ブルコートでのオーバーコート用ワニスとしても用いら
れているが、欠点としては潤滑性に乏しく、作業性が劣
る点が挙げられるが、本発明はこのような塗料用樹脂群
に特に好適に用いられる。
【0013】そして、本発明の電線用絶縁塗料は、上記
皮膜形成可能な塗料用樹脂群に、後述する、自己潤滑性
を付与する芳香族成分を混合してなる点に最も大きな特
徴を有するのである。
【0014】本発明で用いられる自己潤滑性を付与する
芳香族成分としては、下記一般式で示される芳香環を含
むものであれば特に限定されるものではない。
【0015】
【化22】
【0016】(但し、R1とR3とR4とR5の合計炭素数
が20以上であって、且つ、これらのいずれかの有機基
の炭素数が10以上のものである。)
【0017】即ち、本発明においては、上記一般式にお
いて、R1とR3とR4とR5の合計炭素数が20以上であ
って、且つ、これらのいずれかの有機基の炭素数が10
以上のものであることにより、優れた自己潤滑性が塗料
用樹脂群に付与されるのである。
【0018】これらのうち、特に、芳香族成分が上記一
般式において、R1及びR3は1価の有機基又はHであ
り、またR2は単結合または2価の有機基であり、更
に、R4及びR5は1価の有機基、或いは飽和もしくは不
飽和の炭素数10〜40のアルキル基又は炭素数10〜
40の含フッ素アルキル基、若しくはCH2及び/又は
CF2の繰り返し数が10〜40を含む1価の有機基で
あるものが、一層優れた自己潤滑性が塗料用樹脂群に付
与されるので有益である。
【0019】本発明においては、下記一般式において、
【0020】
【化23】
【0021】R1及びR3が−NH2,RNHCONH−
(Rは飽和もしくは不飽和のアルキル基又は含フッ素ア
ルキル基)、イソシアネート基、ブロック化イソシアネ
ート基などの反応性基又は−NO2であり、R2が単結合
又は下記構造式から選ばれた2価の有機基であり、R4
およびR5がアルキルエステル基又は含フッ素アルキル
エステル基から選ばれた1価の有機基、又は環状構造を
有する1価の有機基であるものが、塗料用樹脂群に至極
優れた自己潤滑性を付与できるので有益である。
【0022】
【化24】
【0023】
【化25】
【0024】
【化26】
【0025】
【化27】
【0026】
【化28】
【0027】
【化29】
【0028】
【化30】
【0029】
【化31】
【0030】
【化32】
【0031】
【化33】
【0032】
【化34】
【0033】
【化35】
【0034】
【化36】
【0035】
【化37】
【0036】
【化38】
【0037】
【化39】
【0038】又は
【0039】
【化40】
【0040】本発明においては、上記一般式において、
1とR3とR4とR5の合計炭素数が20以上であって、
且つ、これらのいずれかの有機基の炭素数が10以上の
ものであることを要するが、ブロック化イソシアネート
基などの反応性基のように塗布、焼付けの際に有機基が
脱離する場合にはこの有機基の炭素数は加えないものと
する。
【0041】本発明においては、下記一般式において、
【0042】
【化41】
【0043】R1及びR3が1価の有機基又はHであり、
またR2は単結合または2価の有機基であり、更に、R4
及びR5は飽和もしくは不飽和の炭素数10〜40の環
状構造を有する1価の有機基であるものが、塗料用樹脂
群に至極優れた自己潤滑性を付与できるので有益であ
る。
【0044】このR4及びR5としては飽和もしくは不飽
和の炭素数10〜40の環状構造を有する1価の有機基
であるものであれば特に限定されるものではない。
【0045】この具体的な代表例としては、例えば
【0046】
【化42】
【0047】又は
【0048】
【化43】
【0049】等が挙げられる。
【0050】本発明の電線用絶縁塗料においては、下記
一般式
【0051】
【化44】
【0052】において、R2
【0053】
【化45】
【0054】又は
【0055】
【化46】
【0056】であるものが、優れた自己潤滑性を発現す
るので有益である。
【0057】本発明においては、上述の芳香族化合物を
皮膜形成可能な塗料用樹脂群に混合し、電線に塗布、焼
付けて皮膜を形成した場合において、ドメイン、つまり
海島構造、を形成するときには、この島部の形成によっ
て、摩擦抵抗が著しく低下するので、耐摩耗性が著しく
向上するのである。
【0058】本発明において、塗料用樹脂群(A)と上
記特定の芳香族成分(B)の配合割合は、(A)と
(B)の組み合わせによっても異なるが、一般に、
(A)の固形分100重量部に対し(B)が0.5〜2
0、特に1〜10重量部の範囲とするのが望ましい。
【0059】上記(B)の配合割合が、0.5未満にな
ると所要の潤滑性及び耐摩耗性が得られない場合があ
り、一方、20を超えると逆に塗料用樹脂の特性が損な
われたり、コスト高になるなどの弊害が生じる場合があ
り、従って、これらの観点より、1〜10重量部程度が
望ましい。
【0060】ところで、本発明においては、自己潤滑性
を付与する、上記特定の芳香族成分(B)に、従来の自
己潤滑性付与成分(C)と併用することにより、更に自
己潤滑性を改善することも可能である。
【0061】本発明において、上記特定の芳香族成分
(B)と従来の自己潤滑性付与成分(C)の配合割合
は、(B)と(C)の組み合わせによって異なるが、一
般に、(B)の固形分100重量部に対し(C)が10
〜300、特に50〜150重量部の範囲とするのが望
ましい。
【0062】上記(C)の配合割合が、10未満になる
と少な過ぎで配合する意味がないのであり、一方、30
0を超えると逆に多過ぎて塗料用樹脂の特性が損なわれ
たり、所期の目的が達成できなくなるなど弊害が生じる
場合があり、従って、これらの観点より、50〜150
重量部程度が望ましい。
【0063】上記塗料用樹脂群(A)と上記成分
(B)、(C)を混合するには特殊な技術や装置を用い
る必要はなく、常法によって行うことができる。具体的
には、例えば上記芳香族成分(B)、場合によっては、
この成分(B)と、更に従来の自己潤滑性付与成分
(C)、を溶媒に溶解した後、塗料用樹脂群と撹拌混合
したり、或いは塗料中に直接、上記芳香族成分(B)な
どを添加し、充分に撹拌混合して溶解したり、充分に撹
拌混合して均一に分散すればよい。
【0064】本発明の絶縁電線は、上記目的を達成する
ために、上述の電線用絶縁塗料を、導体上に直接もしく
は他の絶縁層を介して塗布、焼付けしてなることを特徴
とするものである。
【0065】ここで用いられる他の絶縁層としては、通
常のワニス皮膜、例えば、ポリエステル皮膜、ポリエス
テルイミド皮膜、ポリアミドイミド皮膜、ポリウレタン
皮膜等を挙げることができる。
【0066】
【作用】本発明の電線用絶縁塗料は、上記構成を有し、
皮膜に自己潤滑性を付与する特定の芳香族化合物を皮膜
形成可能な塗料用樹脂群に混合することにより、この芳
香族成分を混合してなる塗料を電線に塗布し、焼付ける
と、塗料用樹脂群の皮膜の特性を保持しつつ、特に自己
潤滑性が向上する作用を有する。
【0067】又、この場合、皮膜樹脂中に上記芳香族成
分のドメインが形成される場合には、このドメインの形
成によって、自己潤滑性と耐摩耗性が共に向上するので
あり、また、表面にミクロドメインが存在することによ
り表面自己潤滑性が発現される作用を有するのである。
【0068】従って、この絶縁塗料を用い、モーター、
トランス等のコイル巻きを高速作業下で行っても摩擦に
よる損傷が生じないのであり、又、かくして得られた絶
縁電線は、絶縁皮膜が均一、且つ安定しているので、優
れた電気的特性を有する作用を有するのである。
【0069】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づき詳細に説明す
るが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0070】実施例1 2−クロロ−5−ニトロ−安息香酸40.3g、オクタ
デシルアルコール54.1g及び4,4−ジメチルアミノ
ピリジン2.7gを酢酸エチル410mlに溶解し、これ
に氷冷下ジシクロヘキシルカルボジイミドを加えた。2
〜3時間経過すると不溶物が析出し反応溶液を撹拌する
ことができなくなったが、そのまま一夜放置した後、酢
酸エチルを減圧除去した。この反応系にクロロホルム1
000mlを加え、不溶物を除き、ろ液をそのまま減圧
濃縮した。得られた残滓をクロマトカラムを用いて精製
しエステル体を得た。
【0071】一方、ビスフェノールA20.4gをジメ
チルスルホキシド180mlに溶解し、t−ブトキシカリ
ウム20gを加え、2時間撹拌した。この溶液を先に合
成したエステル体80.9gのジメチルスルホキシド溶
液に80〜90℃で滴下した。2時間反応させた後、反
応溶液を冷水5000mlに加え、目的物をクロロホルム
約3000mlで抽出した。得られたクロロホルム層を希
塩酸及び水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した
後、乾燥剤を除去し、次いで溶媒を減圧除去した。得ら
れた濃縮残滓を酢酸エチル/エタノール(10/1)より
再結晶し、下記構造式のジニトロ体を得た。
【0072】
【化47】
【0073】得られたジニトロ体を、ポリアミドイミド
(塗料用樹脂)30重量%塗料(日東電工社製、DAI
−500)に、その樹脂分100重量部に対し3重量部
添加混合し、本発明の電線用絶縁塗料を得た。
【0074】実施例2 実施例1で得られた電線用絶縁塗料を用い、常法に従
い、予め、厚さ30μmのポリアミドイミド絶縁皮膜
(膜厚30μm)を設けた絶縁電線(直径0.95mmの
銅線)の外側に、塗布、焼付けて厚さ4μmの皮膜層を
形成して、本発明の絶縁電線を得た。
【0075】実施例3 2−クロロ−5−ニトロ−安息香酸40.3g、オクタ
デシルアルコール54.1g及び4,4−ジメチルアミノ
ピリジン2.7gを酢酸エチル410mlに溶解し、これ
に氷冷下ジシクロヘキシルカルボジイミドを加えた。2
〜3時間経過すると不溶物が析出し反応溶液を撹拌する
ことができなくなったが、そのまま一夜放置した後、酢
酸エチルを減圧除去した。この反応系にクロロホルム1
000mlを加え、不溶物を除き、ろ液をそのまま減圧
濃縮した。得られた残滓をクロマトカラムを用いて精製
しエステル体を得た。
【0076】一方、ビスフェノールA20.4gをジメ
チルスルホキシド180mlに溶解し、t−ブトキシカリ
ウム20gを加え、2時間撹拌した。この溶液を先に合
成したエステル体80.9gのジメチルスルホキシド溶
液に80〜90℃で滴下した。2時間反応させた後、反
応溶液を冷水5000mlに加え、目的物をクロロホルム
約3000mlで抽出した。得られたクロロホルム層を希
塩酸及び水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した
後、乾燥剤を除去し、次いで溶媒を減圧除去した。得ら
れた濃縮残滓を酢酸エチル/エタノール(10/1)より
再結晶した。このジニトロ体を酢酸エチルに懸濁させ、
酸化白金1gを加えた後室温下、水素ガスを導入した。
10時間後反応が終了したことを確認した後、触媒を除
去し、更に溶媒を減圧除去した後、残滓を結晶化させ
た。かくして得られた結晶体の構造式は
【0077】
【化48】
【0078】であった。
【0079】ここで得られたジアミンを、ポリアミドイ
ミド(塗料用樹脂)30重量%塗料(日東電工社製、D
AI−500)にその樹脂分100重量部に対し3重量
部添加混合し、本発明の電線用絶縁塗料を得た。
【0080】実施例4 実施例3で得られた電線用絶縁塗料を用い、この電線用
絶縁塗料を、予め、厚さ30μmのポリアミドイミド絶
縁皮膜(膜厚30μm)を設けた絶縁電線(直径0.9
5mmの銅線)の外側に、常法により、塗布し、炉温上部
410℃、中間部370℃、下部210℃、線速5.5
m/minの条件で焼付けて、厚さ4μmの皮膜層を形
成して、本発明の絶縁電線を得た。
【0081】実施例5 実施例3で得られたジアミンを、ポリアミドイミド(塗
料用樹脂)30重量%塗料にその樹脂分100重量部に
対し6重量部添加混合し、本発明の電線用絶縁塗料を得
た。
【0082】実施例6 実施例5で得られた電線用絶縁塗料を用い、この電線用
絶縁塗料を、予め、厚さ30μmのポリアミドイミド絶
縁被膜を設けた絶縁電線(直径0.95mmの銅線)の外
側に、実施例4と同様の要領により塗布、焼付けて厚さ
4μmの被膜層を形成して、本発明の絶縁電線を得た。
【0083】実施例7 実施例3において、オクタデシルアルコールに代えて、
1−ドコサノールを用いた以外は、実施例1と同様に合
成を行い、下記構造式を有するジアミンを得た。
【0084】
【化49】
【0085】得られたジアミンをポリアミドイミド(塗
料用樹脂)30重量%塗料にその樹脂分100重量部に
対し3重量部添加混合し、本発明の電線用絶縁塗料を得
た。
【0086】実施例8 実施例7で得られた電線用絶縁塗料を用い、この電線用
絶縁塗料を、予め、厚さ30μmのポリアミドイミド絶
縁被膜を設けた絶縁電線(直径0.95mmの銅線)の外
側に、実施例4と同様の要領により塗布、焼付けて厚さ
4μmの被膜層を形成して、本発明の絶縁電線を得た。
【0087】実施例9 実施例3で得られたジアミンと、長鎖アルキルイソシア
ナート(オクタデシルイソシアナート)をトルエン中で
1:1モル比で反応させ、尿素結合を有する、下記構造
式を有する4アルキル鎖体を得た。
【0088】
【化50】
【0089】得られた4アルキル鎖体をポリアミドイミ
ド30重量%塗料にその樹脂分100重量部に対し3重
量部添加混合し、本発明の電線用絶縁塗料を得た。
【0090】実施例10 実施例9で得られた電線用絶縁塗料を用い、この電線用
絶縁塗料を、予め、厚さ30μmのポリアミドイミド絶
縁被膜を設けた絶縁電線(直径0.95mmの銅線)の外
側に、実施例4と同様の要領により塗布、焼付けて厚さ
4μmの被膜層を形成して、本発明の絶縁電線を得た。
【0091】実施例11 実施例3において、オクタデシルアルコールに代えて、
コレステロールを用いた以外は、実施例1と同様に合成
を行い、下記構造式を有するジアミンを得た。
【0092】
【化51】
【0093】但し、R7
【0094】
【化52】
【0095】である。
【0096】得られたジアミンをポリアミドイミド(塗
料用樹脂)30重量%塗料にその樹脂分100重量部に
対し3重量部添加混合し、本発明の電線用絶縁塗料を得
た。
【0097】実施例12 実施例11で得られた電線用絶縁塗料を用い、この電線
用絶縁塗料を、予め、厚さ30μmのポリアミドイミド
絶縁被膜を設けた絶縁電線(直径0.95mmの銅線)の
外側に、実施例4と同様の要領により塗布、焼付けて厚
さ4μmの被膜層を形成して、本発明の絶縁電線を得
た。
【0098】比較例1 実施例2で用いたポリアミドイミド絶縁皮膜を形成した
比較絶縁電線を用いた。この場合、全膜厚を等しくする
ために、皮膜厚は34μmとした。
【0099】比較例2 実施例2で用いたポリアミドイミド皮膜形成の絶縁電線
(皮膜厚30μm)の上にポリエチレンワックス添加の
ポリアミドイミド塗料を、常法により、塗布、焼付け
し、比較絶縁電線とした。
【0100】比較例3 2−クロロ−5−ニトロ−安息香酸40.3g、オクタ
デシルアルコール54.1g及び4,4−ジメチルアミノ
ピリジン2.7gを酢酸エチル410mlに溶解し、これ
に氷冷下ジシクロヘキシルカルボジイミドを加えた。2
〜3時間経過すると不溶物が析出し反応溶液を撹拌する
ことができなくなったが、そのまま一夜放置した後、酢
酸エチルを減圧除去した。この反応系にクロロホルム1
000mlを加え、不溶物を除き、濾液をそのまま減圧濃
縮した。得られた残滓をクロマトカラムを用いて精製し
エステル体を得た。このエステル体10gを酢酸エチル
に懸濁させ、酸化白金0.15gを加えた後室温下、水
素ガスを導入した。10時間後反応が終了したことを確
認し、触媒を除去した。溶媒を減圧除去した後、残滓を
結晶化させた。得られた結晶体の構造式を以下に示す。
【0101】
【化53】
【0102】得られた含モノ長鎖アルキルアミンをポリ
アミドイミド30重量%塗料にその樹脂分100重量部
に対し3重量部を添加混合し、絶縁塗料を得た。
【0103】この絶縁塗料を厚さ30μmのポリアミド
イミド絶縁被膜を設けた絶縁電線の外側に、常法によ
り、塗布、焼付けて厚さ4μmの被膜層を形成して、比
較絶縁電線を得た。
【0104】各実施例の絶縁電線及び各比較例の絶縁電
線を用い、潤滑性(静摩擦係数)及び耐摩耗性(往復摩
擦回数)を測定した結果を表1に示す。
【0105】
【表1】
【0106】表1において、静摩擦係数は線間摩擦係数
で測定した。即ち、金属製ブロック(200g)に平行
に2本のサンプル電線を取り付け、これを平面板上にお
かれた平行な4本のサンプル電線の上に各々が直角をな
すようにおいて、平面板の端点を一定速度で上昇させ、
金属製ブロックが動き出すときの角度から求めるもので
ある。
【0107】表1において、耐摩耗性は、JIS−C3
003往復式摩耗試験機(荷重600g)によって測定
した。
【0108】各実施例の絶縁電線及び各比較例の絶縁電
線を用い、耐溶剤性を測定した結果を表2に示す。
【0109】
【表2】
【0110】表2において、耐溶剤性の評価としてエタ
ノール40分浸漬ふきとり後の静摩擦係数を、上記の場
合と同様にして、測定した。又、別途エタノールに代
え、クロロホルムを用いても同様に行った。
【0111】表1及び表2に示す結果より、各実施例の
ものは、各比較例のものに比べて、自己潤滑性、耐摩耗
性及び耐溶剤性が共に著しく優れることが認められる。
【0112】
【発明の効果】本発明の電線用絶縁塗料は、上記構成を
有し、皮膜に自己潤滑性を付与する特定の芳香族化合物
を皮膜形成可能な塗料用樹脂群に混合することにより、
この芳香族成分を混合してなる塗料を電線に塗布し、焼
付けると、塗料用樹脂群の皮膜の特性を保持しつつ、特
に自己潤滑性が向上するので、高速自動巻線機によって
巻取っても皮膜の損傷が生じることがなく、電気特性が
安定する効果を有するのである。
【0113】又、この場合、皮膜樹脂中に上記芳香族成
分のドメインが形成された場合には、このドメインの形
成によって、自己潤滑性と耐摩耗性が共に向上するので
あり、また、表面にミクロドメインが存在することによ
り表面自己潤滑性が発現されるので、一層優れた樹脂皮
膜が得られるのである。
【0114】ところで、本発明の電線用絶縁塗料におい
ては、皮膜に自己潤滑性を付与する特定の芳香族化合物
を用いてなり、しかもこのものは比較的高分子量で耐溶
剤性が良好なので、溶媒などによりワックス等が抽出さ
れことがなく、この結果、コイル周辺部の汚染を防止で
きる効果を有するのである。
【0115】従って、この絶縁塗料を用い、モーター、
トランス等のコイル巻きを高速作業下で行っても摩擦に
よる損傷が生じないので、生産性が著しく向上し、至極
経済的であり、又、かくして得られた絶縁電線は、絶縁
皮膜が均一、且つ安定しているので、優れた電気的特性
を有し、至極有益である。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式で示される芳香族化合物を皮
    膜形成可能な塗料用樹脂群に混合してなることを特徴と
    する電線用絶縁塗料。 【化1】 (但し、R1とR3とR4とR5の合計炭素数が20以上で
    あって、且つ、これらのいずれかの有機基の炭素数が1
    0以上のものである。)
  2. 【請求項2】 R1及びR3は1価の有機基又はHであ
    り、またR2は単結合または2価の有機基であり、更
    に、R4及びR5は1価の有機基、或いは飽和もしくは不
    飽和の炭素数10〜40のアルキル基又は炭素数10〜
    40の含フッ素アルキル基、若しくはCH2及び/又は
    CF2の繰り返し数が10〜40を含む1価の有機基で
    ある請求項1に記載の電線用絶縁塗料。
  3. 【請求項3】 R1及びR3が−NH2,RNHCONH−
    (Rは飽和もしくは不飽和のアルキル基又は含フッ素ア
    ルキル基)、イソシアネート基、ブロック化イソシアネ
    ート基などの反応性基又は−NO2であり、R2が単結合
    又は下記構造式から選ばれた2価の有機基であり、R4
    およびR5がアルキルエステル基又は含フッ素アルキル
    エステル基から選ばれた1価の有機基、又は環状構造を
    有する1価の有機基である請求項1又は2に記載の電線
    用絶縁塗料。 【化2】 【化3】 【化4】 【化5】 【化6】 【化7】 【化8】 【化9】 【化10】 【化11】 【化12】 【化13】 【化14】 【化15】 【化16】 【化17】 又は 【化18】
  4. 【請求項4】 R1及びR3は1価の有機基又はHであ
    り、またR2は単結合または2価の有機基であり、更
    に、R4及びR5は飽和もしくは不飽和の炭素数10〜4
    0の環状構造を有する1価の有機基である請求項1ない
    し3のいずれかに記載の電線用絶縁塗料。
  5. 【請求項5】 塗料用樹脂群がポリアミドイミドである
    請求項1ないし4のいずれかに記載の電線用絶縁塗料。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれかに記載の電
    線用絶縁塗料において、一般式中R2が 【化19】 又は 【化20】 である電線用絶縁塗料。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし6のいずれかに記載の電
    線用絶縁塗料を、導体上に直接もしくは他の絶縁層を介
    して塗布、焼付けしてなることを特徴とする絶縁電線。
JP21842092A 1992-07-23 1992-07-23 電線用絶縁塗料及びこれを用いて形成された絶縁電線 Pending JPH0680911A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE3725858A1 (de) * 1987-08-04 1989-02-16 Sumitomo Rubber Ind Verstaerkter wulstaufbau fuer schwerlast-radialreifen
WO2003029199A1 (en) * 2001-09-28 2003-04-10 Takeda Chemical Industries, Ltd. Benzene derivatives, process for preparing the same and use thereof

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