JPH0687763B2 - 静菌性基材とそれを用いた鮮度保持剤 - Google Patents

静菌性基材とそれを用いた鮮度保持剤

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JPH0687763B2
JPH0687763B2 JP63267661A JP26766188A JPH0687763B2 JP H0687763 B2 JPH0687763 B2 JP H0687763B2 JP 63267661 A JP63267661 A JP 63267661A JP 26766188 A JP26766188 A JP 26766188A JP H0687763 B2 JPH0687763 B2 JP H0687763B2
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由美 佐久間
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ミナト産業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は静菌性基材及びそれを用いた鮮度保持剤に関す
る。
(従来の技術と発明が解決しようとする課題) わさびは従来から防腐効果があることが知られており、
その辛味成分であるイソチオシアン酸アリルの発酵、腐
敗の防止効果は安息香酸にも匹敵するといわれている。
一方、このようなわさびの成分であるイソチオシアン酸
アリルは従来より防黴効果があることが知られているに
もかかわらず、鮮度保持剤、防黴剤として商品化されて
いるものはない。その理由としては揮発性物質である
ので揮散量をある期間制御することが困難であり、短時
間のうちに効かなくなってしまう 発酵、腐敗の防止
効果の有効成分と思われる揮発性物質であるワサビ臭が
保存物質に移行してしまうことがあげられる。
したがってわさびの成分の揮散を制御し、臭いの問題を
解決できる方法の開発が望まれている。
(課題を解決するための手段) 本発明者らは、このようなわさび成分の利用による鮮度
保持剤、防黴剤などの開発のため種々検討を重ねた結
果、揮発性物質を発生する辛味成分をある種の粘土鉱物
と混合し、該粘土鉱物の吸着特性を利用することにより
その揮散の制御された静菌作用が達成され鮮度保持、防
黴効果を維持しうること、さらに、この粘土鉱物をガス
透過性の包材でシールすることによって、さらにより揮
散が制御でき、わさび臭の付着の問題も同時に解決でき
るようになることを見出し、この知見に基づき本発明を
なすに至った。
(1)繊維状結晶構造を持つ粘土鉱物にイソチオシアン
酸化合物を含有させてなることを特徴とする静菌性基
材、 (2)繊維状結晶構造を持つ粘土鉱物にイソチオシアン
酸化合物を含有させてなる基材からなることを特徴とす
る鮮度保持剤、 (3)イソチオシアン酸化合物を含有させた繊維状結晶
構造を持つ粘土鉱物を所定形状に成形してなることを特
徴とする前記(2)項の鮮度保持剤、及び、 (4)イソチオシアン酸化合物を含有させた繊維状結晶
構造を持つ粘土鉱物を揮発量をコントロールする包材で
シールしてなることを特徴とする前記(2)項の鮮度保
持剤 を提供するものである。
本発明において、有効成分を担持させるに繊維状結晶構
造を持つ粘土鉱物を用いる必要がある。この場合、繊維
状結晶を持つ粘土鉱物としてはセピオライト、アタパル
ジャイト、パリゴルスカイト、ソーダ沸石群としてはソ
ーダ沸石、メソ沸石、スコレス沸石、ゴナルド沸石、ト
ムソン沸石、エジントン沸石、モルデン沸石群としてモ
ルデナイトなどがあげられる。
上記以外の粘土鉱物では本発明の目的に有効でない。本
発明において上記の特定の粘土鉱物が有効な理由はまだ
定かではないが、これらの鉱物はその構造が繊維状であ
るため、有効成分、例えばイソチオシアン酸アリルの分
子(CH2CHCH2NCS大きさ:7.24Å、分子量:99.15)が繊維
間の隙間に入り込み、それが徐々に揮散するのではない
かと考えられる。これは鮮度保持剤、防黴剤、発酵防止
剤、腐敗防止剤としては有利な条件である。
なお本発明において静菌性基材とは少なくとも静菌作用
を有する基材という意味であり、その濃度によっては殺
菌作用を有することもありうるのはもちろんである。ま
た、この基材を用いることにより食品等対象物質の鮮度
低下、かびの発生、発酵、腐敗などを防止できるが、こ
れらの作用を総称して鮮度保持作用という。したがって
本発明の鮮度保持剤とは防黴剤、発酵防止剤、腐敗防止
剤である。
本発明においてイソチオシアン酸化合物とはわさびの有
効成分であるイソチオシアン酸アリル及びその同族体と
誘導体をいう。
本発明において、イソチオシアン酸化合物としては天然
品でも合成品でもよく、また、単品である必要はなく、
わさび成分を含む限り混合物、例えば天然品の抽出物、
粗製品であってもよい。イソチオシアン酸化合物の代表
的なものとしてはイソチオシアン酸アリルがあるが、ワ
サビの辛味成分の一種で芥子油配糖体としてイソチオシ
アン酸ブチル、シニグリンと共にワサビ中に0.05〜0.09
8%含まれている。イソチオシアン酸アリル(合成品)
は食品添加物であり着香の目的で使用されており、また
医薬品としても利用されている。
このようなイソチオシアン酸化合物を上記粘土鉱物に含
有させるには該粘土鉱物にイソチアン酸化合物又はこれ
を含んだ溶液を含浸させた後打錠などにより成形する方
法、粘土鉱物の破砕粒にイソチアン酸化合物又はこれを
含む化合物を含浸させる方法、などを用いるのがよい。
その量は具体的用途、適用方法などにより異なり特に制
限されないが、好ましくはイソチアン酸化合物1mg/g粘
土鉱物以上である。
本発明において、このようにイソチオシアン酸化合物を
保持させた粘土鉱物はそのまま用いてもよいが、粉剤を
さらに打錠などにより成形するのが好ましい。
本発明の静菌性基材はそのままでも使用できるが、効果
が強すぎることがあり、また食品などを対象とする場合
わさび臭が付着することがあるので、これをガス透過性
フィルムなどの包材でシールするのが好ましい。これに
より上記基材の効果持続性をさらに高めることができ
る。酸素透過度で表わして好ましくは500ml/m2・atm・2
4hr以上、より好ましくは1000ml/m2・atm・24hr以上の
フィルムが用いられる。
さらに本発明においてはこのようなガス透過性のある包
材の厚さを変化させることで様々にガスコントロールが
可能になり、用途の幅も拡大する。またこの包材がガス
透過性の他に耐水性も兼ね備えていれば錠剤、粒剤自身
の吸湿も防止することができる。
このような包材としては、ポリエチレンフィルム、ポリ
プロピレンフィルム、不織布、その他などが用いられ
る。
本発明の静菌性基材を印刷インキ、塗料中に所定量含有
させることにより静菌効果のある印刷インキ、塗料など
を得ることができる。さらにこの印刷インキをガス透過
性のあるフィルムに塗布することによって静菌効果のあ
るフィルムを得る。
試験例 各種基材粉末にそれぞれ1.0%のイソチオシアン酸アリ
ルを含浸させた後、経過時間による有効成分の臭いの変
化を官能試験により調べた。
上記表の結果よりβ−シクロデキストリン、ゼオライト
では始めは強い辛子臭があるが、3日以降はほとんど臭
わない。それに対し、セピオライト繊維状ゼオライトで
は、持続性があり、臭いも均一に揮散している。したが
って本目的のためには、有効成分の揮散が持続性があ
り、かつ少量ずつ経時的に均一に行われることが重要で
あるため、繊維状粘土鉱物が基材として最も適切である
といえる。
(発明の効果) 本発明の静菌性基材は長期間にわたってコントロールさ
れた静菌作用を示す。また、その成分は基本的には天然
物質に相当するものであり、食品等に付着したりしても
安全性がおびやかされることがない。
さらに本発明の鮮度保持剤はわさび臭の付着も防止され
上記のように長期間にわたって鮮度保持、防黴防腐など
の作用を示すという優れた効果を奏する。
(実施例) 次に本発明を実施例に基づきさらに詳細に説明する。
なお実施例中組成を表わす%は重量%を示す。
実施例1 (1)試料A,B,Cの作成 わさび大根粉末95gに対し硫酸第1鉄(FeSO4)0.1g、塩
化ナトリウム0.1g、セピオライト粉末4.8を混合し、100
kgf/cm2に加圧して1gの錠剤に成形した。この錠剤1個
を多孔質不織布(ポリエチレン多孔質シート+ナイロン
不織布0.05mm)又はポリエチレンフィルム(0.03mm)で
シールして、試料A-1,A-2とした。
水溶液状としてイソチオシアン酸アリル(CH2CHCH2NC
S)をセピオライト粉末に、0.5%,1.0%,5.0%の割合で
含浸させ1gの錠剤(100kgf/cm2で加圧)にしてそれぞれ
をガスコントロール性のあるポリプロピレン(0.05mm)
でシールして試料B-1,B-2,B-3とした。
イソチオシアン酸アリル(油状液体)をセピオライト破
砕粒に0.1%,0.5%,1.0%含浸させ、その2gをガスコン
トロール性のあるポリプロピレン(0.05mm)でシールし
て試料Cとした。
(2)保存試験 上記で作製した試料を用いて餅の保存試験を行った。上
記の餅約60gを収容した二層フィルム(ナイロン+ポリ
エチレン)の袋(17.5cm×28.3cm 0.08mm)に上記の試
料を入れたのち、口をシールし室温(約25℃)に放置
し、カビの発生状況を観察した。
なお比較のために従来の保存剤として市販の脱酸素剤を
同量用いた試験も行った。その結果を次表に示した。
第2表の結果より試料Aのうちで粉末ワサビ大根の錠剤
は多孔質不織布を使用したものが有効成分の揮発量が適
当で、好結果となった。サンプルB、Cの結果より合成
品イソチオシアン酸アリルを用いた場合1g錠剤で含有量
1.0%以上、2g粒剤で1.0%以上で好結果が得られた。
これらの結果より本発明の鮮度保持剤は優れた効果を示
し、また具体的な用途、適用対象に応じて含有量を加減
させることにより調製が可能であることがわかる。
実施例2 セピオライト粉末にイソチオシアン酸アリルを含浸さ
せ、グラビア印刷用インクと混合してイソチオシアン酸
アリルの最終濃度が1%,5%,10%になる様に調整す
る。この印刷インクをポリエチレンの袋(以下PE)厚さ
0.03mmの外側の片面に約20g塗布する。
このポリエチレンの袋をさらに2層フィルム(ポリエチ
レン/ナイロン、厚さ0.08m/m)の袋に入れこれを保存
試験用の袋とし、この中に餅約100gを保存試験用袋に入
れ試験を開始した。
この結果を第3表に示した。
実施例3 イソチオシアン酸アリルを含浸させたセピオライト粉末
と塗料(塩化ビニル樹脂系エマルジョン塗料)を混合
し、イソチオシアン酸アリルの塗料に対する割合が1
%,5%,10%になる様に調整した。
この塗料約30gを20cm×17cmの画用紙に塗布した。
高湿度に保ったデシケーター中(湿度95%、気温20℃)
に入れ、カビ発生の状況を観察したところすぐれた防黴
効果を示した。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】繊維状結晶構造を持つ粘土鉱物にイソチオ
    シアン酸化合物を含有させてなることを特徴とする静菌
    性基材。
  2. 【請求項2】繊維状結晶構造を持つ粘土鉱物にイソチオ
    シアン酸化合物を含有させてなる基材からなることを特
    徴とする鮮度保持剤。
  3. 【請求項3】イソチオシアン酸化合物を含有させた繊維
    状結晶構造を持つ粘土鉱物を所定形状に成形してなるこ
    とを特徴とする請求項2の鮮度保持剤。
  4. 【請求項4】イソチオシアン酸化合物を含有させた繊維
    状結晶構造を持つ粘土鉱物を揮発量をコントロールする
    包材でシールしてなることを特徴とする請求項2の鮮度
    保持剤。
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