JPH0687777B2 - 3α―ヒドロキシステロイドオキシダーゼ組成物及びこれを用いる3α―ヒドロキシステロイドの定量法 - Google Patents

3α―ヒドロキシステロイドオキシダーゼ組成物及びこれを用いる3α―ヒドロキシステロイドの定量法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は3α−ヒドロキシステロイドを酸化して3−オ
キソステロイド及び過酸化水素とすることのできる酵素
及びこれを用いた3α−ヒドロキシステロイドの定量法
に関する。
〔従来の技術〕
生体中の3α−ヒドロキシステロイドには、胆汁酸類の
ほか、アンドロステロンなどのステロイドホルモンがあ
るが、特に臨床診断上重要な意義を有しているのは胆汁
酸である。胆汁酸は主にグルココール酸、タウロコール
酸、グルコケノデオキシコール酸、タウロケノデオキシ
コール酸、グルコデオキシコール酸、タウロデオキシコ
ール酸等よりなり、肝臓でコレステロールより合成され
た後、いわゆる腸肝循環系という極めて閉鎖的な回路を
循環するため、正常人の末梢血中にはごく微量しか存在
しない。しかし、肝・胆道系疾患においては、これらの
回路に破綻が生じ、血中胆汁酸量が上昇する。従つて胆
汁酸の血中濃度の上昇を指標として肝・胆道系疾患の存
否を判定することができると同時に、ある程度の重症度
を判定することも可能となる。これらのことから生体
中、特に血清中の3α−ヒドロキシステロイドの一成分
である胆汁酸の測定が肝・胆道系疾患の診断にとつて重
要なものとなつている。
従来報告されている3α−ヒドロキシステロイドの定量
分析としては、クロマトグラフイー法、酵素法、免疫学
的測定法等があるが、日常の臨床検査の分野では簡便な
酵素法が主流となつている。即ち、胆汁酸(3α−ヒド
ロキシステロイド)にニコチンアミドアデニンジヌクレ
オチド(以下NADと略す)の存在下、3α−ヒドロキシ
ステロイドデヒドロゲナーゼ(以下3α−HSDと略す)
を作用させ、NADを還元型ニコチンアミドアデニンジヌ
クレオチド(以下NADHと略す)とした後、次の様な方法
により分析がおこなわれている。
(1)生成されたNADHの螢光を測定する法。
(2)生成されたNADHをジアホラーゼの作用によりNAD
とし、同時に共存させたレサズリンをレゾルフインに変
換し、その螢光を測定する方法。
(3)生成されたNADHをジアホラーゼの作用によりNAD
とし、同時に共存させたニトロブルーテトラゾリウムを
ジホルマザンに変換し、これを比色定量する方法。
〔本発明が解決しようとする問題点〕
しかし、上記(1)および(2)の方法は螢光測定法で
あり操作が繁雑な上、高価な機器を必要とし、日常検査
ではほとんど利用されていないのが現状である。また、
(3)の方法は感度が悪く、その上血中胆汁酸濃度が極
めて低いために試料を多量に必要とし、試料成分による
妨害を受け易く、必ずしも満足いくものではない。さら
に生成するホルマザンは、水に難溶性の物質であり、測
定の際に用いるセル等の器具に吸着し、沈着するという
欠点もあつた。
したがつて、上記したような欠点のない、酵素を用いる
3α−ヒドロキシステロイドの有利な測定法の開発が望
まれていた。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者らは、3α−ヒドロキシステロイドの分析に利
用することのできる反応系について検討し、更にそれら
の系で利用できる酵素についても種々探索をおこなつ
た。そしてその結果、ある種の微生物中に、3α−ヒド
ロキシステロイドを酸化して3−オキソステロイドと過
酸化水素とすることのできる酵素(以下「3α−ヒドロ
キシステロイドオキシダーゼ」と称する)が存在するこ
とを見出した。
また、この3α−ヒドロキシステロイドオキシダーゼを
3α−ヒドロキシステロイドと酸素に作用させれば定量
的に3−オキソステロイドと過酸化水素が生成すること
を見出した。
本発明はこれらの知見に基き完成されたものであり、新
規な3α−ヒドロキシステロイドオキシダーゼ組成物及
びこれを用いた3α−ヒドロキシステロイドの定量法を
提供するものである。
従来、多くの微生物は3α−ヒドロキシステロイドを代
謝することが知られており、とくにピリジンヌクレオチ
ドを補酵素として必要とするものが、タラレー(Talala
y)ら(Nature170巻,620頁、1952年)によつて検索され
ており、それ以後シユードモナス属(Pseudomomas)の
微生物から3α−ヒドロキシステロイドを補酵素−NAD
を介して酸化し、3−オキソステロイドとする3α−ヒ
ドロキシステロイドデヒドロゲナーゼが単離されてい
る。たとえばタラレーら(Nature,173巻,1189頁、1954
年)、ボイヤー(Boyer.J.)ら(Biochemistry4巻1825
頁、1965年)、デーリン(Dehlin)ら(Acta.67巻,197
頁、1963年)、マーカス(Marcus)ら(J.Biol.Chem.21
8巻,661頁1956年)およびウレーら(J.Biol.Chem.218
巻,675頁、1956年)等の報告がそれである。
この3α−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼは、
近年においても各種菌より単離され、製造されている。
例えばシユードモナス・プチダNRRL B-11064(Pseudomo
nus putida NRRL B-11064)(Agric.Biol.Chem.43巻,15
21頁、1979年)、バシラス・スフエリカス(Bacillus s
phaericus)(公開特許公報昭54-157894)、エシエリヒ
ア・フレウンジイ(Escherichia freundii)(J.Bact,7
9巻145頁、1960年)などの菌株からの取得が報告されて
いる。
しかしながら、3α−ヒドロキシステロイドを酸化し、
3−オキソステロイドと過酸化水素とする代謝過程は報
告されていなかつた。
ところが、シユードモナス属に属する菌株及び他の属の
菌株の一部は3α−ヒドロキシステロイドを代謝して3
−オキソステロイドとすると同時に過酸化水素を生成す
ることを今回初めて本発明者らが見出し、該菌株中から
3α−ヒドロキシステロイドオキシダーゼ組成物の取得
に成功したのである。
本発明酵素の作用を式に示すと次の通りであるが、この
ような作用を有する酵素は未まで知られておらず新規な
ものである。
本発明の酵素3α−ヒドロキシステロイドオキシダーゼ
組成物は、シユードモナス属(Pseudomonas)、ノカル
デイア属(Nocardia)、ピメロバクター属(Pimerobact
er)等に属する微生物のうち、3α−ヒドロキシステロ
イドを代謝し、3−オキソステロイドと過酸化水素を生
成するものを、酵素取得の場合の常法に従つて処理する
ことにより得られる。
本発明の酵素を得るのに用いられる微生物の例として
は、シユードモナス・テストステロニー(Ps.testoster
oni)ATCC 11996及びシグマ(SIGMA)社よりヒドロキシ
ステロイドデヒドロゲナーゼを含む凍結乾燥菌体として
市販されているものが挙げられる。
微生物中から本発明酵素を取得するには、非イオン性界
面活性剤を含有する緩衝液を用いて菌体細胞壁を破壊
し、酵素を遊離させ、これを抽出すれば良い。これらの
方法については、例えば特公昭54-8318号、同57-28552
号等に詳しく記載されており、公知のこれら方法及びそ
の変法が用いられる。
より具体的には非イオン性界面活性剤存在下、超音波、
高圧ホモジナイザー、フレンチプレスあるいは機械的破
砕等により菌体を破壊した後、酵素を菌体外に排出さ
せ、可溶化する。次いで、この3α−ヒドロキシステロ
イドオキシダーゼを含む可溶化溶液から過、遠心分離
等の技術を用いて菌体破壊物等を除去した後、比較的多
量に存在する核酸をプロタミン硫酸を用いて沈殿させ除
去する。こうして得られた粗製酵素液は、ブチルトヨパ
ール(東洋ソーダ工業社製)、セフアアクリル(フアル
マシア社製)、イオン交換セフアロース(フアルマシア
社製)、ヒドロキシアパタイト、ウルトロゲル(LKB社
製)等を用いたクロマトグラフイー、あるいは硫酸アン
モニウム塩析など通常の酵素精製技術を適宜用い、組み
合わせて精製される。さらに得られた精製酵素は、限外
過等によつて濃縮する。このようにして得られた酵素
を保存するためには、多糖類、多価アルコール類、アミ
ノ酸類、緩衝剤などを賦形剤として用い、固体状、好ま
しくは凍結乾燥状に変換するとよい。
叙上の如くして得られた本発明の3α−ヒドロキシステ
ロイドオキシダーゼ組成物の性質の一例を、シユードモ
ナス・テストステロニーATCC 11996起源のものについて
示す。
(1)作用:3α−ヒドロキシステロイド類の3α水酸基
を特異的に酸化し、3−オキソステロイド類とすると同
時に過酸化水素を生成する。
(2)基質特異性:エチオコラン型(5β−アンドロス
タン−3α−オール)に対して作用する。アンドロステ
ロン型(5α−アンドロスタン−3α−オール)には作
用しない。
(3)至適pH:pH9.2付近でエチオコラン−3α−オール
−17−オンに対する作用が至適である(第4図)。
(4)pH安定性:30℃で30分処理した場合、pH5.5〜pH9.
5において90%以上の残存活性を示した(第5図)。
(5)至適温度:pH7.0においては、エチオコラン−3α
−オール−17−オンの場合40℃付近にある。
(6)温度安定性:pH7.0において37℃、10分では95%以
上安定である。
(7)Km値:8×10-4M(エチオコラン−3α−オール−
17−オンに対して) 本発明の3α−ヒドロキシステロイドの定量法は、上記
の如くして得られた3α−ヒドロキシステロイドオキシ
ダーゼ組成物を用い、次の如くしておこなわれる。すな
わち、被検体を酵素の存在下3α−ヒドロキシステロイ
ドオキシダーゼ組成物又はこれを含有する酵素製剤とと
もにインキュベートし、3−オキソステロイドと過酸化
水素を生成せしめ、生成した過酸化水素量または3−オ
キソステロイド量から3α−ヒドロキシステロイドが定
量される。
過酸化水素の量を測定する方法としては、例えば生成さ
れる過酸化水素を、過酸化水素の存在下で色調変化を生
じる1種もしくは2種以上の呈色剤から成るシステムに
よつて測定する方法がよく利用されている。すなわち、
存在する過酸化水素量を1種もしくは2種以上の呈色剤
の色調変化を比色定量することによつて測定する方法で
ある。
好適な方法の一例としては、過酸化水素量を過剰のフエ
ノールとペルオキシダーゼとの存在下での過酸化水素と
4−アミノアンチピリンとの反応によつて測定し、この
過酸化水素量から3α−ヒドロキシステロイド量を測定
する方法が挙げられる。また他の適当な反応試薬系例え
ば、4−アミノアンチピリンとフエノール系化合物、ナ
フトール化合物またはアニリン系化合物との組み合わ
せ、3−ベンゾチアゾリノンヒドラゾン(MBTH)とアニ
リン系化合物との組み合わせ、2−2′−アジノビス
(3−エチルベンゾチアゾリン−6−スルホン酸)(AB
TS)、ロイコメチレンブルー誘導体等によつても生成す
る過酸化水素量を測定することができ、これから3α−
ヒドロキシステロイド量を測定することができる。
一方、3−オキソステロイドの量を測定する方法として
は、例えば適当な有機溶媒(酢酸エチル、エチルエーテ
ルなど)によつて3−オキソステロイドを反応液から抽
出・濃縮した後、適合する展開溶媒(ベンゼン:クロロ
ホルム:メタノール系あるいは酢酸エチル:ベンゼン系
など)を用いて展開させ、UV吸収あるいはヨード噴霧等
の化学的分析手段を用いて移動スポツトを確認、単離し
た後、常法により定量するか、あるいは3−オキソステ
ロイドに3−オキソステロイド−Δ4−デヒドロゲナー
ゼ(E.C.1、3、99.6)を作用させ、3−オキソステロ
イドが3−オキソ−Δ4−ステロイドに酸化されるのと
同時に電子受容体が還元されることを利用して酸化還元
比色系に測定する方法(特願昭60-64547号)を用いれば
よい。このときの酸化還元発色剤としてはニトロブルー
テトラゾリウム、インドニトロテトラゾリウムなどが用
いられる。
このような3α−ヒドロキシステロイドの定量分析は、
多数の定量分析を連続して行なう自動分析で行なうこと
もできるし、あるいは少数のサンプルを個々に分析する
こともできる。
定量分析に用いる試薬は個々の方法によつて異なるが、
過酸化水素測定を定量分析として用いるときは、その試
薬類は通常 3α−ヒドロキシステロイドオキシダーゼ酵素製剤お
よび 生成される過酸化水素量を測定に要する1種もしくは
それ以上の試薬 を含むものである。ここでは他の試薬類のいくつかは、
3−ヒドロキシステロイドオキシダーゼ組成物を有する
酵素製剤と配合が可能であり、酵素製剤に配合して配合
試薬を得てもよい。また酵素製剤は凍結乾燥または濃縮
液体状であつてもよい。とくにペルオキシダーゼの存在
を要する定量法の場合、これを入れて凍結乾燥酵素製剤
を形成させることができる。
上記の成分は、3α−ヒドロキシステロイドオキシダ
ーゼ組成物として最終濃度100〜1,000単位/mlで含むの
が好ましい。なお1単位の3α−ヒドロキシステロイド
オキシダーゼ組成物はpH9.0 37℃において1分間に1μ
moleの過酸化水素を生成しうる量の酵素である。添加す
る酵素重量は各々の酵素活性により決定することが好ま
しい。またこうした製剤は、一般には、使用者が測定時
に緩衝液で希釈して用いるような濃縮された形態の酵素
製剤とすることもできる。また、成分は過酸化水素を
比色すべき場合、例えば4−アミノアンチピリンとフエ
ノール系化合物またはアニリン系化合物のような酸素受
容体であり、それらは前述した他の適当な反応物質に置
き換えることができる。これら成分の酵素類、成分
の試薬類及び他の任意試薬成分は瓶中でそのまま使用し
得るような形態でも、あるいは使用者が希釈し使用する
濃縮形態でも供給することができる。
〔作用〕
本発明は、本発明酵素が3α−ヒドロキシステロイドを
3α−オキソステロイドと過酸化水素に定量的に酸化す
ることができること及び該酵素の作用により生成する過
酸化水素から3α−ヒドロキシステロイド量が定量でき
ることに基くものである。
〔発明の効果〕
以上のように本発明方法は酵素の作用により生成される
過酸化水素または3−オキソステロイドを測定すること
を利用するものであるため、被検体の加熱処理、除蛋
白、抽出等の操作を要せず、従来法と異なりジホルマザ
ンの容器への吸着が回避される上、感度の良いものであ
る。さらに過酸化水素の測定系では発色剤を適宜選択す
ることによつて高波長側における比色が可能となり、血
清あるいは血漿中の防害物質(ヘモグロビン、ビリルビ
ン等)の影響を低減化する特徴をもそなえている。
〔実施例〕
次に実施例を挙げ、本発明を詳細に説明するが、それら
はこの発明を何ら限定するものではない。
実施例1.3α−ヒドロキシステロイドオキシダーゼ組成
物の調製: 滅菌した生育培地20lに、シユードモナステストステロ
ニーATCC 11996の種培養液500mlを接種した。生育培地
のpHは7.00で、その主成分は次のとおりである。
(g/l) 酵母抽出液 10 (NH4)2HPO4 1 (NH4)H2PO4 1 KH2PO4 2 MgSO4・7H2O 0.2 NaCl 0.01 ZnSO4・7H2O 0.005 MnSO4・3H2O 0.005 CuSO4・5H2O 0.0005 乳酸ナトリウム 最終0.5% 培養液は28℃で24時間生育させたのち、培地の最終濃度
が50〜500mg/lとなるようにテストステロンのアセトン
溶解液を添加し酵素を誘導した。その後、同温度で10〜
24時間培養した。培養終了後、遠心分離し、菌体を分離
採取した。採取菌体細胞を5℃で、1%(W/V)トリト
ンX-100を含むpH7.0の0.02moleリン酸緩衝液5倍量にて
1容となるように懸濁した。ガラスビーズを用いる細
胞破砕機DCNO-MILL(Willy A.Bachofen AG Maschinenfa
brik社製)を用いて酵素を破砕溶離させた。それを遠心
分離し、上清から3α−ヒドロキシステロイドオキシダ
ーゼを含む抽出液が得られた。抽出液に硫酸アンモニウ
ム430gを加え、最終65%飽和とした後、沈殿する画分を
遠心分離によつて集めた。沈殿を0.1%トリトンX-100を
含む0.1Mの(pH7)リン酸緩衝液に溶解し、同緩衝液に
て残存硫酸アンモニウムを除去するため透析操作を一昼
夜行なつた。あらかじめ0.1%トリトンX-100を含むpH7.
0の同緩衝液で平衡化されたDEAE−セフアロースCL-6B
(フアルマシア社製)を充填したカラム(容量200ml)
に通した。目的とする3α−ヒドロキシステロイドオキ
シダーゼを0.1%トリトンX-100を含む同緩衝液中で塩化
ナトリウムのモル濃度を次第に上昇させる直線的勾配に
よつて溶離を行ない溶出させた。この3α−ヒドロキシ
ステロイドオキシダーゼを含む溶離液画分を限外過膜
により5℃で濃縮させた。濃縮した溶液(20ml)は37℃
で3α−ヒドロキシステロイドを酸化する活性を有し、
総回収率は10%であり、比活性0.5u/mgであつた。
酵素溶液は保存剤としてアジドを加えたが、このものは
5℃で2〜3ケ月保存可能であり、その間実質上総活性
を保持した。なお、得られた3α−ヒドロキシステロイ
ドオキシダーゼ組成物の各基質に対する相対活性は下表
の通りである。
実施例2.エチオコラン−3α−オール−17−オンの定量
分析: まず、3α−ヒドロキシステロイドオキシダーゼ組成物
20u/l(1%トリトンX-100含む)、60mM4−アミノアン
チピリン及び30mMフエノールペルオキシダーゼ10,000u/
mlを含む0.1Mリン酸緩衝液(pH7)から成る測定試薬を
調製した。
エチオコラン−3α−オール−17−オンのメタノール溶
解液200μlを上記測定試薬0.5mlに加え、37℃で10分間
反応させた後、波長500nmで吸光度を測定した。また同
一試料について3α−ヒドロキシステロイドオキシダー
ゼ組成物を除いた測定試薬で同様な操作を行ないこれを
検体ブランクとした。なお被検体はエチオコラン−3α
−オール−17−オンをメタノールで種々の濃度に希釈し
たものを使用した。この結果を第2表に示す。
実施例3.血清中の胆汁酸の定量分析: 血清または標準液200μlを実施例2で用いたのと同じ
測定試薬0.5mlに加えて37℃で10分間反応させたのち、
波長500nmで測定した。また同一試料について3α−ヒ
ドロキシステロイドオキシダーゼ組成物を除いた測定試
薬で同様な操作を行ない検体ブランクとした。なお被検
体としてはグリココール酸(以下GCと略す)を添加した
血清を無添加血清で種々の濃度に希釈したものを使用し
た。この結果は第3表に、またこの結果に基づいて作成
した検量線を第1図に示す。
実施例4. フエノールの代わりに30mMソジウムN−エチル−N−
(2−ヒドロオキシ−3−スルフオプロピル)−3,5−
ジメトキシアニリン(DAOSと略す)を用いる以外は実施
例2と同一の測定試薬を用い測定波長を600nmとして実
施例3の測定法と同様の操作を行ない、検量線を求め
た。この結果は第4表に、またこの結果に基づいて作成
した検量線を第2図に示す。
実施例5. 実施例4のDAOSの代わりに10m mole/lのロイコメチレン
ブルーを用い、血清あるいは被検体を50μl、測定波長
を670nmとし実施例3の測定法と同様の操作を行ない検
量線を求めた。この結果は第5表に示す。またこの結果
に基づいて作成した検量線を第3図に示す。
実施例6. 血清10検体を各々100μl使用し実施例4と同様な操作
を行ない、各血清の吸光度を求め、その検量線より3α
−ヒドロキシステロイド量を算出した。これに対して3
α−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼによつて測
定するキツト、エンザバイル(ナイガード;第一化学薬
品(株))で同一検体を用いて測定した結果を含め第6
表に示す。
実施例7 実施例2の4−アミノアンチピリン、フエノールおよび
ペルオキシダーゼの代わりに5mM NTBおよび100uの3−
オキソ−5β−ステロイドΔ4−デヒドロゲナーゼを用
いて測定試薬を調製した。
測定波長を540nmとして実施例2の測定法と同様の操作
を行ない検量線を求めた。この結果を第7表に示す。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第3図は、それぞれ実施例3ないし実施例
5で得た検量線を示す図面である。なお、縦軸は吸光度
を、横軸はGC濃度をそれぞれ示す。第4図及び第5図は
本発明の酵素の至適pH及びpH安定性を示す図面である。
なお、縦軸は相対活性を、横軸はpHをそれぞれ示す。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】次の理化学的性質(1)〜(7)を有する
    シュードモナス属に属する菌由来の3α−ヒドロキシス
    テロイドオキシダーゼ組成物。 (1)作用:3α−ヒドロキシステロイド類の3α水酸基
    を特異的に酸化し、3−オキソステロイド類とすると同
    時に過酸化水素を生成する。 (2)基質特異性:エチオコラン型(5β−アンドロス
    タン−3α−オール)に対して作用する。アンドロステ
    ロン型(5α−アンドロスタン−3α−オール)には作
    用しない。 (3)至適pH:pH9.2付近でエチオコラン−3α−オール
    −17−オンに対する作用が至適である(第4図)。 (4)pH安定性:30℃で30分処理した場合、pH5.5〜9.5
    において90%以上の残存活性を示した(第5図)。 (5)至適温度:pH7.0においては、エチオコラン−3α
    −オール−17−オンの場合40℃付近にある。 (6)温度安定性:pH7.0において37℃、10分では95%以
    上安定である。 (7)Km値:8×10-4M(エチオコラン−3α−オール−
    17−オンに対して)
  2. 【請求項2】シュードモナス・テストステロニーATCC 1
    1996の培養物中から得られたものである特許請求の範囲
    第1項記載の3α−ヒドロキシステロイドオキシダーゼ
    組成物。
  3. 【請求項3】被検体を、下記の理化学的性質(1)〜
    (7)を有するシュードモナス属に属する菌由来の3α
    −ヒドロキシステロイドオキシダーゼ組成物又はこれを
    含有する酵素製剤とともにインキュベートし、生成され
    る過酸化水素量または3−オキソステロイド量を測定す
    ることを特徴とする3α−ヒドロキシステロイドの定量
    法。 (1)作用:3α−ヒドロキシステロイド類の3α水酸基
    を特異的に酸化し、3−オキソステロイド類とすると同
    時に過酸化水素を生成する。 (2)基質特異性:エチオコラン型(5β−アンドロス
    タン−3α−オール)に対して作用する。アンドロステ
    ロン型(5α−アンドロスタン−3α−オール)には作
    用しない。 (3)至適pH:pH9.2付近でエチオコラン−3α−オール
    −17−オンに対する作用が至適である(第4図)。 (4)pH安定性:30℃で30分処理した場合、pH5.5〜9.5
    において90%以上の残存活性を示した(第5図)。 (5)至適温度:pH7.0においては、エチオコラン−3α
    −オール−17−オンの場合40℃付近にある。 (6)温度安定性:pH7.0において37℃、10分では95%以
    上安定である。 (7)Km値:8×10-4M(エチオコラン−3α−オール−
    17−オンに対して)
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