JPH0688835B2 - 高靭性ZrO▲下2▼系焼結体およびその製造方法 - Google Patents
高靭性ZrO▲下2▼系焼結体およびその製造方法Info
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- JPH0688835B2 JPH0688835B2 JP63132064A JP13206488A JPH0688835B2 JP H0688835 B2 JPH0688835 B2 JP H0688835B2 JP 63132064 A JP63132064 A JP 63132064A JP 13206488 A JP13206488 A JP 13206488A JP H0688835 B2 JPH0688835 B2 JP H0688835B2
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、Y2O3およびNd2O3をZrO2の結晶構造の安定化
剤(以下単に安定化剤と記す)として含有するZrO2系焼
結体に関し、詳しくは強靭性を有し、ダイス、刃物等の
工具や構造部品、あるいは装飾部品等にも応用されるZr
O2系焼結体に関するものである。
剤(以下単に安定化剤と記す)として含有するZrO2系焼
結体に関し、詳しくは強靭性を有し、ダイス、刃物等の
工具や構造部品、あるいは装飾部品等にも応用されるZr
O2系焼結体に関するものである。
近時、高強度、高靭性を示すセラミックスとして、部分
安定化ジルコニア(以下PSZ)が注目されている。
安定化ジルコニア(以下PSZ)が注目されている。
このPSZは、室温で準安定な正方晶ZrO2が外力を受けた
場合に安定な単斜晶へ変態する現象、すなわち応力誘起
変態が生じ、詳しくは外力が変態のエネルギーとして吸
収される一方、体積膨張により、破断の原因となる亀裂
発生の抑制がなされることによって高強度、高靭性を具
現するのである。
場合に安定な単斜晶へ変態する現象、すなわち応力誘起
変態が生じ、詳しくは外力が変態のエネルギーとして吸
収される一方、体積膨張により、破断の原因となる亀裂
発生の抑制がなされることによって高強度、高靭性を具
現するのである。
現在、Y2O3を安定化剤として少量含有するY2O3−PSZがP
SZの主流となっている。
SZの主流となっている。
特公昭61-21184号(特開昭56-134564号)には、Y2O3−P
SZにおいて、Y2O32〜7mol%、結晶粒子が主として正方
晶、および磁界の平均結晶粒径が2μm以下の条件を満
足することにより、高靭度および200〜300℃における強
度耐久性が向上される旨の報告がなされている。
SZにおいて、Y2O32〜7mol%、結晶粒子が主として正方
晶、および磁界の平均結晶粒径が2μm以下の条件を満
足することにより、高靭度および200〜300℃における強
度耐久性が向上される旨の報告がなされている。
また、特公昭61−59265号(特開昭58-32066号)には、Y
2O3等の安定化剤を含み主として正方晶のZrO240〜99.5w
t%、Al2O30.5〜60wt%からなるジルコニア焼結体が開
示されている。
2O3等の安定化剤を含み主として正方晶のZrO240〜99.5w
t%、Al2O30.5〜60wt%からなるジルコニア焼結体が開
示されている。
このジルコニア焼結体は、Al2O3をZrO2に固溶・分散さ
せることにより、正方晶のZrO2が単斜晶に変態する温度
を下げ、ZrO2を粒成長を抑制し、この結果正方晶のZrO2
の含有量を高め、かつZrO2粒界での滑り抵抗を増加し、
硬度を増し、強度を高めたものである。
せることにより、正方晶のZrO2が単斜晶に変態する温度
を下げ、ZrO2を粒成長を抑制し、この結果正方晶のZrO2
の含有量を高め、かつZrO2粒界での滑り抵抗を増加し、
硬度を増し、強度を高めたものである。
一方、製法面からも種々検討がなされている。
例えば、特開昭60-54972号には、Y2O3等の安定化剤を所
定量含有するZrO2粉末を加圧成形して相対密度93%以上
まで焼結し、しかる後熱間静水圧プレス(以下HIP)を
適用することにより、強度を向上せしめる方法が開示さ
れている。
定量含有するZrO2粉末を加圧成形して相対密度93%以上
まで焼結し、しかる後熱間静水圧プレス(以下HIP)を
適用することにより、強度を向上せしめる方法が開示さ
れている。
また、特公昭61-59267号(特開昭58-36976号)には、原
料粉末について検討を加えた結果、ZrO2、安定化剤およ
びAl2O3の各成分をより理想的に分散可能な共沈法によ
る原料粉末を使用、焼結すれば、均一な組織を有し、マ
イクロポアのほとんどない焼結体が得られ、高強度に寄
与することが開示されている。
料粉末について検討を加えた結果、ZrO2、安定化剤およ
びAl2O3の各成分をより理想的に分散可能な共沈法によ
る原料粉末を使用、焼結すれば、均一な組織を有し、マ
イクロポアのほとんどない焼結体が得られ、高強度に寄
与することが開示されている。
さらに、上記のHIPおよび共沈法による原料粉末使用の
両者を適用する手法が特開昭60-86073号にて提案されて
いる。
両者を適用する手法が特開昭60-86073号にて提案されて
いる。
Y2O3以外の安定化剤についても種々検討がなされてお
り、東北大学金属材料研究共通施設技術研究報告No.12
に第19〜第21頁(1987.3)にはZrO2−Ln2O3系(3.5mol
%Ln2O3=Sc2O3,Y2O3,La2O3,Ce2O3,Pr2O3,Nb2O3)によ
る正方晶安定化効果についての報告がなされている。
り、東北大学金属材料研究共通施設技術研究報告No.12
に第19〜第21頁(1987.3)にはZrO2−Ln2O3系(3.5mol
%Ln2O3=Sc2O3,Y2O3,La2O3,Ce2O3,Pr2O3,Nb2O3)によ
る正方晶安定化効果についての報告がなされている。
そして、前記酸化物のうちではY2O3についでNd2O3が最
も正方晶安定化効果が高い旨の開示がなされている。
も正方晶安定化効果が高い旨の開示がなされている。
しかしながら、従来のPSZはダイスや刃物等の工具への
実用化に関しては、競合材の超硬合金に比べると強靭
性、硬さの点で劣り、応用がごく一部に限られており、
十分な製品への応用が困難であった。
実用化に関しては、競合材の超硬合金に比べると強靭
性、硬さの点で劣り、応用がごく一部に限られており、
十分な製品への応用が困難であった。
特に、Al2O3を添加した場合、強度・硬度は高くなる
が、逆に靭性が低くなり、強度、靭性、硬度の3つの因
子すべての優れるZrO2系セラミックスの関発が必要であ
った。
が、逆に靭性が低くなり、強度、靭性、硬度の3つの因
子すべての優れるZrO2系セラミックスの関発が必要であ
った。
本発明は上記事実に鑑み、AL2O3を添加したZrO2系焼結
体の靭性を向上することを課題とするものである。
体の靭性を向上することを課題とするものである。
本発明者は種々検討した結果、安定化剤としてY2O3とNd
2O3とを所定量複合添加せしめ、結晶構造を実質的に正
方晶、または正方晶および立方晶、平均結晶粒径を1μ
m以下のZrO2系焼結体とすることにより、応力誘起変態
率を向上し、従来のZrO2系焼結体よりも優れた靭性を獲
得することができることを知見した。
2O3とを所定量複合添加せしめ、結晶構造を実質的に正
方晶、または正方晶および立方晶、平均結晶粒径を1μ
m以下のZrO2系焼結体とすることにより、応力誘起変態
率を向上し、従来のZrO2系焼結体よりも優れた靭性を獲
得することができることを知見した。
すなわち本発明は、 安定化剤としてNd2O3を0.1〜3mol%およびY2O30.5〜3.5
mol%を含有するZrO240〜90vol%とAl2O3,SiC,TiC,B4C
およびTiB2を単独または複合で10〜60vol%からなるこ
とを特徴とする高靭性ZrO2系焼結体。
mol%を含有するZrO240〜90vol%とAl2O3,SiC,TiC,B4C
およびTiB2を単独または複合で10〜60vol%からなるこ
とを特徴とする高靭性ZrO2系焼結体。
安定化剤としてNd2,O3を0.1〜3mol%およびY2O3を0.5〜
3.5mol%含有し、結晶構造が実質的に正方晶、または正
方晶および立方晶からなるZrO240〜90vol%とAl2O3,Si
C,TiC,B4CおよびTiB2を単独または複合で10〜60vol%含
有し、平均結晶粒径が2μm以下であることを特徴とす
る高靭性ZrO2系焼結体、 ならびに安定化剤としてNd2O3を0.1〜3mol%、Y2O30.5
〜3.5mol%を含有するZrO240〜90vol%、Al2O3,SiC,Ti
C,B4CおよびTiB2を単独または複合で10〜60vol%からな
る高靭性ZrO2系焼結体の製造方法であって、前記組成を
なす原料粉末を成形、焼結した後、圧力100kg/cm2以
上、温度1300〜1600℃の条件で熱間静水圧プレス処理す
することを特徴とする高靭性ZrO2系焼結体の製造方法で
ある。
3.5mol%含有し、結晶構造が実質的に正方晶、または正
方晶および立方晶からなるZrO240〜90vol%とAl2O3,Si
C,TiC,B4CおよびTiB2を単独または複合で10〜60vol%含
有し、平均結晶粒径が2μm以下であることを特徴とす
る高靭性ZrO2系焼結体、 ならびに安定化剤としてNd2O3を0.1〜3mol%、Y2O30.5
〜3.5mol%を含有するZrO240〜90vol%、Al2O3,SiC,Ti
C,B4CおよびTiB2を単独または複合で10〜60vol%からな
る高靭性ZrO2系焼結体の製造方法であって、前記組成を
なす原料粉末を成形、焼結した後、圧力100kg/cm2以
上、温度1300〜1600℃の条件で熱間静水圧プレス処理す
することを特徴とする高靭性ZrO2系焼結体の製造方法で
ある。
ZrO2系焼結体の強靭化は、前述のように正方晶から単斜
晶への応力誘起変態により可能となるが、本発明者は各
種の安定化剤を検討したところZrO2にNd2O3とY2O3とを
複合添加することにより、ZrO2における正方晶から単斜
晶への応力誘起態率が最も高くなることが判明し、Nd2O
3とY2O3との複合添加により従来の安定化剤よりも実質
的に高靭性を示すことを知見した。
晶への応力誘起変態により可能となるが、本発明者は各
種の安定化剤を検討したところZrO2にNd2O3とY2O3とを
複合添加することにより、ZrO2における正方晶から単斜
晶への応力誘起態率が最も高くなることが判明し、Nd2O
3とY2O3との複合添加により従来の安定化剤よりも実質
的に高靭性を示すことを知見した。
ここで、実質的に高靭性とは、以下のような意義を有す
るものである。すなわち、単斜晶相を含むZrO2系焼結
体、例えばY2O3を2mol%程度含有するZrO2系焼結体は、
単斜晶を含みミクロクラックが存在するために、見掛け
上高靭性を示すが、ダイスや刃物等の工具へ応用した場
合、耐摩耗性、耐チッピング性においては測定された靭
性値から期待される性能は得られない。このような観点
から従来はY2O3を2.5〜3mol%程度含有する単斜晶を含
有しない焼結体が実際上高靭性材として用いられてい
る。
るものである。すなわち、単斜晶相を含むZrO2系焼結
体、例えばY2O3を2mol%程度含有するZrO2系焼結体は、
単斜晶を含みミクロクラックが存在するために、見掛け
上高靭性を示すが、ダイスや刃物等の工具へ応用した場
合、耐摩耗性、耐チッピング性においては測定された靭
性値から期待される性能は得られない。このような観点
から従来はY2O3を2.5〜3mol%程度含有する単斜晶を含
有しない焼結体が実際上高靭性材として用いられてい
る。
工具特性として要求される靭性は、ミクロクラック、換
言すれば単斜晶を含まずに高靭性を発現するメカニズム
を有することが重要である。
言すれば単斜晶を含まずに高靭性を発現するメカニズム
を有することが重要である。
すなわち、ミクロクラック、換言すれば単斜晶を含む焼
結体が高靭性を示すのは材質的なものではなく、構造的
に靭性に寄与しているものであるのに対し、本発明にお
ける焼結体には研磨加工等の応力誘起変態で生じる焼結
体表面の単斜晶以外には単斜晶は含まれず、正方晶、ま
たは正方晶および立方晶であり、正方晶の応力誘起変態
率が高いことによって高靭性が実現されるところに特徴
がある。
結体が高靭性を示すのは材質的なものではなく、構造的
に靭性に寄与しているものであるのに対し、本発明にお
ける焼結体には研磨加工等の応力誘起変態で生じる焼結
体表面の単斜晶以外には単斜晶は含まれず、正方晶、ま
たは正方晶および立方晶であり、正方晶の応力誘起変態
率が高いことによって高靭性が実現されるところに特徴
がある。
なお、前述の如くそれぞれZrO2にY2O3、およびZrO2にNd
2O3を安定化剤として含有せしめる技術は知られてい
る。
2O3を安定化剤として含有せしめる技術は知られてい
る。
しかし、前記東北大学金属材料共通施設技術研究報告に
記載されるようにNd2O3の正方晶安定化効果はY2O3を越
えるものでなく、また正方晶の応力誘起変態率について
は、一切開示することがないのであるから、Nd2O3とY2O
3との複合添加にかかる本発明に対し、これら公知技術
は何ら示唆を与えるものでない。
記載されるようにNd2O3の正方晶安定化効果はY2O3を越
えるものでなく、また正方晶の応力誘起変態率について
は、一切開示することがないのであるから、Nd2O3とY2O
3との複合添加にかかる本発明に対し、これら公知技術
は何ら示唆を与えるものでない。
さらに特開昭61-26562号と特開昭62-59571号にNd2O3のZ
rO2への添加が開示されているが、特開昭61-26562号
は、NdとZrの複酸化物、すなわちNd2Zr2O7がZrO2が焼結
体中に析出していることが必須条件となっており、また
特開昭62-59571号では、着色を目的にNd2O3を0.001〜0.
08wt%(約0.03mol%)添加したことが公表されている
のみで、本発明を示唆するに足るものでない。
rO2への添加が開示されているが、特開昭61-26562号
は、NdとZrの複酸化物、すなわちNd2Zr2O7がZrO2が焼結
体中に析出していることが必須条件となっており、また
特開昭62-59571号では、着色を目的にNd2O3を0.001〜0.
08wt%(約0.03mol%)添加したことが公表されている
のみで、本発明を示唆するに足るものでない。
本発明において、Nd2O30.1〜3mol%、Y2O30.5〜3.5mol
%の範囲とするのは、それぞれ限定範囲未満では単斜晶
が生じ、限定範囲を越えると立方晶の割合が多くなる一
方、正方晶の割合が少なくなるためである。
%の範囲とするのは、それぞれ限定範囲未満では単斜晶
が生じ、限定範囲を越えると立方晶の割合が多くなる一
方、正方晶の割合が少なくなるためである。
結晶構造は高靭性を得るために実質的に正方晶、または
正方晶およびび立方晶とする。
正方晶およびび立方晶とする。
本発明において実質的に正方晶、または正方晶および立
方晶とは、前述の如く加工等の応力誘起変態で生じる焼
結体表面の単斜晶以外には単斜晶を含まず、実質的に正
方晶のみの結晶構造からなる場合、およびび立方晶が存
在する場合であっても後述する実施例で示した方法によ
って得られるすべての結晶構造に対する立方晶の割合が
30mol%以下である場合を言う。
方晶とは、前述の如く加工等の応力誘起変態で生じる焼
結体表面の単斜晶以外には単斜晶を含まず、実質的に正
方晶のみの結晶構造からなる場合、およびび立方晶が存
在する場合であっても後述する実施例で示した方法によ
って得られるすべての結晶構造に対する立方晶の割合が
30mol%以下である場合を言う。
また焼結体の結晶構造を正方晶、または正方晶および立
方晶とするには平均結晶粒径を1μm以下とすることが
重要である。
方晶とするには平均結晶粒径を1μm以下とすることが
重要である。
本発明によれば応力誘起変態率を、従来のY2O3−PSZの
中で高靭性材でも20%程度であるのに対し25%以上、あ
るいは30%以上とすることができる。
中で高靭性材でも20%程度であるのに対し25%以上、あ
るいは30%以上とすることができる。
なお、本願発明における応力誘起変態率とは後述する実
施例にて説明する方法によって定義されるものとする。
施例にて説明する方法によって定義されるものとする。
次にZrO2を高硬度化するためには、第2相としてAl2O3,
SiC,TiC,B4CおよびTiB2を単独または複合で10〜60vol%
添加する必要がある。添加量がこれより少ないと硬度の
向上が不十分で、これより多いと靭性が大幅に低下す
る。
SiC,TiC,B4CおよびTiB2を単独または複合で10〜60vol%
添加する必要がある。添加量がこれより少ないと硬度の
向上が不十分で、これより多いと靭性が大幅に低下す
る。
Al2O3,SiC,TiC,B4C,TiB2を選定した理由は、高硬度でか
つ微粒粉が入手しやすいためである。Al2O3を添加する
場合は、大気中で焼結が可能であるが、SiC,TiC,B4C、 TiB2を添加する場合は、真空中または非酸化雰囲気中で
ホットプレスしなければ緻密化が起りにくい。これらの
焼結体をさらに、圧力100kg/cm2以上、温度1300〜1600
℃の条件で熱間静水圧プレス処理を適用することによ
り、さらに緻密化し高強度化することが可能である。
つ微粒粉が入手しやすいためである。Al2O3を添加する
場合は、大気中で焼結が可能であるが、SiC,TiC,B4C、 TiB2を添加する場合は、真空中または非酸化雰囲気中で
ホットプレスしなければ緻密化が起りにくい。これらの
焼結体をさらに、圧力100kg/cm2以上、温度1300〜1600
℃の条件で熱間静水圧プレス処理を適用することによ
り、さらに緻密化し高強度化することが可能である。
また、ZrO2中にウィスカーを分散させて、さらに高靭化
するためには、ZrO2よりも高弾性でかつ熱膨張係数が小
さいものを用いる必要がある。
するためには、ZrO2よりも高弾性でかつ熱膨張係数が小
さいものを用いる必要がある。
Al2O3,SiC,TiC,B4C、TiB2は、これらの条件を満たして
おり、適切な寸法のウィスカーを均一に母相のZrO2に分
散させることにより、伸展するクラックを偏向、分岐さ
せてエネルギーを吸収し、さらに高靭性を発現する。ウ
ィスカーのサイズとしては、径が0.5〜3μmで長さが
5〜100μmが適している。
おり、適切な寸法のウィスカーを均一に母相のZrO2に分
散させることにより、伸展するクラックを偏向、分岐さ
せてエネルギーを吸収し、さらに高靭性を発現する。ウ
ィスカーのサイズとしては、径が0.5〜3μmで長さが
5〜100μmが適している。
ところで、原料粉としては、焼成後ZrO2、Y2O3、Nd
2O3、Al2O3となる塩を用いても良いし、好ましくは共沈
法等の湿式法によって合成された粉末を用いることによ
り、組成的な均一性からさらに特性向上が可能となる。
2O3、Al2O3となる塩を用いても良いし、好ましくは共沈
法等の湿式法によって合成された粉末を用いることによ
り、組成的な均一性からさらに特性向上が可能となる。
以下本発明を実施例に基づき説明する。
実施例1 共沈法により製造された市販のZrO2(2mol%Y2O3)‐30
vol%Al2O3粉と硝酸ネオジウム〔Nd(NO3)3・6H2O〕
を入手し、焼結後第1表のNo.1〜7に示す組成になるよ
うに、硝酸ネオジウムを秤量して、前記ZrO2粉末に添加
し、ボールミルで湿式混合した。バインダーを添加して
得られたスラリーをスプレードライヤーで造粒し、ラバ
ープレスで3ton/cm2の圧力で成形した。大気中、 1500℃の温度で焼結した後、1450℃、1500atmの条件下
の、Arガス中でHIP処理して供試試験片(以下TP)と
し、以下説明する手法で各種特性を評架価した。
vol%Al2O3粉と硝酸ネオジウム〔Nd(NO3)3・6H2O〕
を入手し、焼結後第1表のNo.1〜7に示す組成になるよ
うに、硝酸ネオジウムを秤量して、前記ZrO2粉末に添加
し、ボールミルで湿式混合した。バインダーを添加して
得られたスラリーをスプレードライヤーで造粒し、ラバ
ープレスで3ton/cm2の圧力で成形した。大気中、 1500℃の温度で焼結した後、1450℃、1500atmの条件下
の、Arガス中でHIP処理して供試試験片(以下TP)と
し、以下説明する手法で各種特性を評架価した。
抗折強度は、JIS R1601に従い測定した。
破壊靭性は、ビッカース圧痕法(荷重20kg)による下記
の新原の式を用いて計算した。
の新原の式を用いて計算した。
(kIC/Ha1/2)(H/E)2/5=0.018(l/a)−1/2 KIC:破壊靭性、H:ビッカース硬さ E:ヤング率、a:圧痕径の1/2 l:(クラック長さ−圧痕径)の1/2 応力誘起変態率は、#100のダイヤモンド砥石で、TPの
表面を約0.5kg/cm2の面圧で10分間研磨した時の単斜晶
率と研磨前の正方晶率の比、すなわち下記の式で表わし
た。
表面を約0.5kg/cm2の面圧で10分間研磨した時の単斜晶
率と研磨前の正方晶率の比、すなわち下記の式で表わし
た。
Ta:研磨前(鏡面仕上後1200℃でアニーリングした状態
の)T相の割合(mol%) Ma:研磨前のM相の割合(mol%) Mb:研磨後のM相の割合(mol%) 硬さは、ビッカース法(荷重500g)による。
の)T相の割合(mol%) Ma:研磨前のM相の割合(mol%) Mb:研磨後のM相の割合(mol%) 硬さは、ビッカース法(荷重500g)による。
また結晶構造は、単斜晶、正方晶および立方晶の割合
(mol%)を、X線回折のピーク値(それぞれIm、It、I
c)を利用し、下記の式によって求めた。
(mol%)を、X線回折のピーク値(それぞれIm、It、I
c)を利用し、下記の式によって求めた。
C=1−(M+T) 第1表に焼結体の特性をまとめて示す。
テストNo.1はY2O3を単独で2mol%含み破壊靭性値が9.1
(MN/m1.5)を示しているが単斜晶を含んでおり実質的
な意味において高靭性を示すものでない。テストNo.2は
Y2O3を単独で3mol%含有する従来最も多用されている組
成の焼結体であるが破壊靭性(MN/m1.5)は6.0以下であ
る。
(MN/m1.5)を示しているが単斜晶を含んでおり実質的
な意味において高靭性を示すものでない。テストNo.2は
Y2O3を単独で3mol%含有する従来最も多用されている組
成の焼結体であるが破壊靭性(MN/m1.5)は6.0以下であ
る。
これに対しテストNo.3ないし7は、単斜晶を含むことな
く破壊靭性(MN/m1.5)が8.5あるいは10.0を越える高靭
性を示している。
く破壊靭性(MN/m1.5)が8.5あるいは10.0を越える高靭
性を示している。
すなわち、通常結晶粒径が小さいと正方晶が安定し、応
力誘起変態が生じにくいとされているが、Nd2O3とY2O3
を複合添加せしめることによりY2O3単独のZrO2焼結体に
比べて結晶粒径が小さい場合ですら、明らかに応力誘起
変態率が高く、これが靭性に寄与しているのである。
力誘起変態が生じにくいとされているが、Nd2O3とY2O3
を複合添加せしめることによりY2O3単独のZrO2焼結体に
比べて結晶粒径が小さい場合ですら、明らかに応力誘起
変態率が高く、これが靭性に寄与しているのである。
実施例2 市販の共沈法によるZrO2−2mol%Y2O3粉と硝酸ネオジウ
ムとSiC(平均粒径0.5μm)、TiC(平均粒径0・7μ
m)、B4C(平均粒径2μm)、 TiB2(平均粒径0.9μm)を入手し、SiC,TiC,B4C,TiB2
が各30vol%(第1表の8〜11の組成)になるように秤
量した後、実施例1と同様の方法で成形体を作成した。
次に成形体を黒鉛型にいれて、1500℃、250kg/cm2、真
空中1hr保持の条件でホットプレス焼結を行った。ホッ
トプレス後、さらに1500℃、1500atm、Arガス中1hr保持
の条件でHIPを適用し、さらに緻密化した。得られた焼
結体の特性をまとめたものが、第1表の8〜11である。
これから、強靭性、硬さ共に優れたZrO2系セラミックス
が得られることがわかる。
ムとSiC(平均粒径0.5μm)、TiC(平均粒径0・7μ
m)、B4C(平均粒径2μm)、 TiB2(平均粒径0.9μm)を入手し、SiC,TiC,B4C,TiB2
が各30vol%(第1表の8〜11の組成)になるように秤
量した後、実施例1と同様の方法で成形体を作成した。
次に成形体を黒鉛型にいれて、1500℃、250kg/cm2、真
空中1hr保持の条件でホットプレス焼結を行った。ホッ
トプレス後、さらに1500℃、1500atm、Arガス中1hr保持
の条件でHIPを適用し、さらに緻密化した。得られた焼
結体の特性をまとめたものが、第1表の8〜11である。
これから、強靭性、硬さ共に優れたZrO2系セラミックス
が得られることがわかる。
実施例3 市販の共沈法によるZrO2(2mol%Y2O3)‐38vol%Al2O3
と硝酸ネオジウムとSiCウィスカー(平均サイズ0.8μm
φ×20μml)を入手し、SiCウィスカーが20vol%(第1
表12,13の組成)となるように秤量した後、実施例2と
同一の方法で焼結体を作成した。焼結体の特性をまとめ
て第1表に示すが、これからウィスカーを添加すること
により、応力誘起変態率が向上するが、Y2O3単独の安定
化剤に比べてNd2O3を含有する場合は、応力誘起変態率
において、顕著な差が生じ、したがって破壊靭性値にも
優位差が生じていることがわかる。すなわち、本発明は
従来のZrO2-Y2O3系セラミックスとは明らかに異なる高
靭性のZrO2をマトリックスに用いたことを特徴とするZr
O2系セラミックスである。
と硝酸ネオジウムとSiCウィスカー(平均サイズ0.8μm
φ×20μml)を入手し、SiCウィスカーが20vol%(第1
表12,13の組成)となるように秤量した後、実施例2と
同一の方法で焼結体を作成した。焼結体の特性をまとめ
て第1表に示すが、これからウィスカーを添加すること
により、応力誘起変態率が向上するが、Y2O3単独の安定
化剤に比べてNd2O3を含有する場合は、応力誘起変態率
において、顕著な差が生じ、したがって破壊靭性値にも
優位差が生じていることがわかる。すなわち、本発明は
従来のZrO2-Y2O3系セラミックスとは明らかに異なる高
靭性のZrO2をマトリックスに用いたことを特徴とするZr
O2系セラミックスである。
以上説明したように本発明によれば、従来不十分であっ
た高靭性、高強度および高硬度の3特性を兼備したZrO2
系焼結体を提供するものであり、ダイス、刃物等の工具
や構造部品への応用が一層拡大されるものである。
た高靭性、高強度および高硬度の3特性を兼備したZrO2
系焼結体を提供するものであり、ダイス、刃物等の工具
や構造部品への応用が一層拡大されるものである。
Claims (6)
- 【請求項1】ZrO2の結晶構造の安定化剤としてNd2O3を
0.1〜3mol%およびY2O3を0.5〜3.5mol%含有するZrO240
〜90vol%とAl2O3,SiC,TiC,B4CおよびTiB2を単独または
複合で10〜60vol%からなることを特徴とする高靭性ZrO
2系焼結体。 - 【請求項2】ZrO2の結晶構造の安定化剤としてNd2O3を
0.1〜3mol%およびY2O3を0.5〜3.5mol%含有し、結晶構
造が実質的に正方晶、または正方晶および立方晶からな
るZrO240〜90vol%とAl2O3,SiC,TiC,B4CおよびTiB2を単
独または複合で10〜60vol%含有し、平均結晶粒径が2
μm以下であることを特徴とする高靭性ZrO2系焼結体。 - 【請求項3】Al2O3,SiC,TiC,B4CおよびTiB2の粒子の形
状が繊維状のフアイバーまたはウイスカーである請求項
1または請求項2記載の高靭性ZrO2系焼結体。 - 【請求項4】応力誘起変態率が25%以上である請求項1
または請求項2記載の高靭性ZrO2系焼結体。 - 【請求項5】ZrO2の結晶構造の安定化剤としてNd2O3を
0.1〜3mol%、Y2O3を0.5〜3.5mol%含有するZrO240〜90
vol%、Al2O3,SiC,TiC,B4CおよびTiB2を単独または複合
で10〜60vol%からなる高靭性ZrO2系焼結体の製造方法
であって、前記組成をなす原料粉末を成形、焼結した
後、圧力100kg/cm2以上、温度1300〜1600℃の条件で熱
間静水圧プレス処理することを特徴とする高靭性ZrO2系
焼結体の製造方法。 - 【請求項6】Al2O3,SiC,TiC,B4CおよびTiB2の粒子の形
状が繊維状のファイバーまたはウィスカーである請求項
5記載の高靭性ZrO2系焼結体の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP63132064A JPH0688835B2 (ja) | 1987-06-11 | 1988-05-30 | 高靭性ZrO▲下2▼系焼結体およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP62-145964 | 1987-06-11 | ||
| JP14596487 | 1987-06-11 | ||
| JP63132064A JPH0688835B2 (ja) | 1987-06-11 | 1988-05-30 | 高靭性ZrO▲下2▼系焼結体およびその製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS6476964A JPS6476964A (en) | 1989-03-23 |
| JPH0688835B2 true JPH0688835B2 (ja) | 1994-11-09 |
Family
ID=26466719
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP63132064A Expired - Lifetime JPH0688835B2 (ja) | 1987-06-11 | 1988-05-30 | 高靭性ZrO▲下2▼系焼結体およびその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0688835B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH0832587B2 (ja) * | 1989-04-10 | 1996-03-29 | 日本タングステン株式会社 | セラミックス焼結体とその製造法 |
| JP6897087B2 (ja) * | 2016-02-09 | 2021-06-30 | 東ソー株式会社 | 紫色ジルコニア焼結体及びその製造方法 |
| JP2022162546A (ja) * | 2021-04-12 | 2022-10-24 | 東ソー株式会社 | 焼結体 |
| CN118715189A (zh) * | 2022-02-28 | 2024-09-27 | 东曹株式会社 | 烧结体、烧结体的制造方法、粉末和预烧体 |
-
1988
- 1988-05-30 JP JP63132064A patent/JPH0688835B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS6476964A (en) | 1989-03-23 |
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