JPH0689092B2 - 石油系重質油類またはピッチ類により変性したフェノール樹脂の製造法 - Google Patents

石油系重質油類またはピッチ類により変性したフェノール樹脂の製造法

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JPH0689092B2
JPH0689092B2 JP9536689A JP9536689A JPH0689092B2 JP H0689092 B2 JPH0689092 B2 JP H0689092B2 JP 9536689 A JP9536689 A JP 9536689A JP 9536689 A JP9536689 A JP 9536689A JP H0689092 B2 JPH0689092 B2 JP H0689092B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、石油系重質油類またはピッチ類により変性し
たフェノール樹脂の製造方法に関するものである。
(従来の技術) フェノール樹脂は、機械的性質が優れており、古くから
広く用いられているが、耐光性、耐アルカリ性がやや低
く、水分あるいはアルコールを吸収して寸法および電気
抵抗が変化し易く、耐熱性、特に高温時の耐酸化性がや
や低い問題がある。
このような問題を解決するために、種々の変性が検討し
ている。特に、光、化学薬品、酸化等による変化に耐性
を付与するために、油脂、ロジンあるいは中性の芳香族
化合物を用いた変性に興味がもたれて来た。
黄慶雲らは、m−キシレン−ホルムアルデヒド樹脂とノ
ボラックとの反応を研究し、m−キシレン−ホルムアル
デヒド樹脂がノボラックの硬化剤として使用できること
を示した。
また、m−キシレンとホルムアルデヒドを反応させた後
に、低分子量のフェノール類を添加して反応させても、
完全には不溶化せず、フェノール類は硬化剤としての能
力が小さいことも示している〔工業化学雑誌、第60巻、
1579頁(1957)〕。
また、特公昭53−5705号公報には、メシチレンを主成分
とするアルキルベンゼンとホルムアルデヒドを反応させ
て得たメシチレン樹脂を乾性油とフェノール類によって
変性し、さらにレゾール化して得られる、乾性油変性フ
ェノール樹脂が開示されている。この樹脂の製造の際
に、反応の前半に使用する触媒が酸であり、反応の後半
に使用する触媒が塩基であるために、反応の前半と後半
の触媒が共存出来ないものであるから、必ず二段以上の
工程に分割する必要がある。また、塩基性触媒が酸の中
和のために消費される問題があり、これらのためにコス
ト的に不利である。
また、特開昭61−235413号公報には、芳香族炭化水素−
ホルムアルデヒド樹脂とフェノールとを反応させて、フ
ェノール変性芳香族炭化水素樹脂を製造する際に、芳香
族炭化水素−ホルムアルデヒド樹脂としてジアリルメタ
ン含有量が5重量%以下、キシレノール値が15モル/kg
以上の高反応性のものを使用することにより、耐熱性に
優れた熱硬化性樹脂が得られることを開示している。こ
の樹脂は、固有色が薄く、優れた性質を示すが、硬化が
遅くて、高温、長時間を要する欠点がある。
これらの方法は、いずれもまず芳香族炭化水素−ホルム
アルデヒド樹脂を製造する工程と、次段の芳香族炭化水
素−ホルムアルデヒド樹脂とフェノール類とを反応させ
る工程とからなる、複数段階の製法であり、製造工程、
特に制御システムが複雑であって、設備コスト、ひいて
は製造コストが高くなる問題がある。
また、特公昭60−36209号公報には、アセナフテン、ア
セナフチレンおよびこれらの誘導体からなる群から選択
された1種または2種以上の多環芳香族炭化水素類に、
フェノール類およびホルムアルデヒドを混合し、酸触媒
の存在下、一段階工程で加熱反応させる方法を開示して
いる。この方法は、多環芳香族炭化水素の中で、ホルム
アルデヒドとの反応性の高い化合物を選択的に用いるた
めに、優れた性質の変性フェノール樹脂を得ることが出
来る利点を有するが、石油や石炭の熱分解物の中に、こ
れらの化合物を多量に含有するものはなく、大量に生産
するためには合成する必要があり、コストが高くなる欠
点がある。
(発明が解決しようとする課題) 本発明は、油脂、ロジンあるいは中性の芳香族炭化水素
で変性したフェノール樹脂の欠点である、製造工程が複
雑で多段の実施が必要なことが多い問題や、反応性が小
さいものが多くて特殊な原料を用いないと熱硬化し難い
ことが多いために、原料コストや硬化に要するコストが
高い問題を解決することを目的とする。
また、本発明は、そのような特殊な製造法を開発するこ
とにより、従来のフェノール樹脂では得られない耐熱
性、耐酸化性、機械的強度の優れた新規な変性フェノー
ル樹脂を提供するにある。
(課題を解決するための手段) 本発明は; 芳香族炭化水素分率fa値が0.4〜0.95、芳香環水素量H
a値が20〜80%である石油系重質油類またはピッチ類1
モルに対して、ホルムアルデヒド重合物を、ホルムアル
デヒド換算のモル数が1〜10になるように混合し、酸触
媒の存在下に加熱撹拌しながら、フェノール類を該石油
系重質油類またはピッチ類と該ホルムアルデヒド重合物
の合計重量に対して0.05〜5重量%/分の添加速度で添
加し、その際に該石油系重質油類またはピッチ類1モル
に対して添加するフェノール類のモル数が0.3〜5にな
るようにして、重縮合させてなることを特徴とする、石
油系重質油類またはピッチ類により変性したフェノール
樹脂の製造方法にある。
また、フェノール類を添加する時期が、残存する遊離
ホルムアルデヒド量より推定したホルムアルデヒドの反
応率として70%以下である、石油系重質油類またはピッ
チ類により変性したフェノール樹脂の製造方法にある。
本発明の方法において、芳香族炭化水素分率fa値および
芳香環水素量Ha値は、次の式に示すものである。
なお、fa値は、13C−NMRによって求めることが出来る。
また、Ha値は、1H−NMRによって求めることが出来る。
本発明において原料の石油系重質油類またはピッチ類の
fa値が小さくなると、芳香族分が少なくなるため、得ら
れる変性フェノール樹脂の性能の改質効果、特に耐熱
性、耐酸化性の改質効果が小さくなる傾向がある。特
に、fa値が0.4以下の場合には、この改質効果が極めて
小さくなるので好ましくない。
また、fa値が0.95より大きい石油系重質油類またはピッ
チ類の場合には、芳香環水素とホルムアルデヒドとの反
応性が少なくなるので好ましくない。
従って、本発明において、fa値は0.4〜0.95が望まし
く、好ましくは0.5〜0.8である。
本発明において、原料の石油系重質油類またはピッチ類
のHa値が小さくなると、ホルムアルデヒドと反応する芳
香環水素分が少なくなり、反応性が乏しくなるため、フ
ェノール樹脂の性能の改質効果が乏しくなるので好まし
くない。Ha値として実用性があるのは20%以上と考えら
れる。
Ha値が大きくなると、芳香環水素分の反応性が次第に小
さくなる傾向を示す。Ha値が80%より大きい石油系重質
油類またはピッチ類を原料とした場合には、変性フェノ
ール樹脂の強度が低くなる傾向を示すので好ましくな
い。本発明において、Ha値は20〜80%が望ましく、好ま
しくは25〜60%である。
本発明に使用する石油系重質油類またはピッチ類におい
て、その縮合環数は特に限定されないが、好ましくは主
として2〜4環の縮合多環芳香族炭化水素である。5環
以上の縮合多環芳香族炭化水素の場合には、沸点が殆ど
の場合に450℃を超えるため、狭い沸点範囲のものを集
め難く、品質が安定しない問題がある。また、主に単環
芳香族炭化水素である場合には、ホルムアルデヒドとの
反応性が低いため、フェノール樹脂の性能の改質効果が
小さい問題がある。
本発明の変性フェノール樹脂の原料である石油系重質油
類またはピッチ類は、原油の蒸留残油、水添分解残油、
接触分解残油およびこれら残油の減圧蒸留物あるいは熱
処理物として得られるものであり、これらの中からfa値
およびHa値の適当なものを選んで使用する。
本発明において使用するホルムアルデヒド重合物とは、
パラホルムアルデヒド、ポリオキシメチレン(特に、オ
リゴマー)のような線状重合物およびトリオキサンのよ
うな環状重合物である。
石油系重質油類またはピッチ類とホルムアルデヒド重合
物の混合比は、石油系重質油類またはピッチ類の平均分
子量より計算される平均モル数1モルに対するホルムア
ルデヒド換算のホルムアルデヒド重合物のモル数とし
て、1〜10である。この混合比が1以下の場合には、得
られる変性フェノール樹脂の硬化体の強度が低いので好
ましくない。一方、10以上の場合には、得られる硬化体
の性能、収量ともに殆ど変わらなくなるので、ホルムア
ルデヒド重合物をこれ以上多く使用することは無駄と考
えられる。本発明における石油系重質油類またはピッチ
類とホルムアルデヒド重合物の混合比は、好ましくは2
〜7である。
本発明における酸触媒として、ブレンステッド酸もしく
はルイス酸が使用できるが、好ましくはブレンステッド
酸が用いられる。ブレンステッド酸としては、トルエン
スルホン酸、キシレンスルホン酸、塩酸、硫酸、ギ酸等
が使用出来るが、p−トルエンスルホン酸、塩酸が特に
優れている。
酸触媒の使用量は、石油系重質油類またはピッチ類とホ
ルムアルデヒド重合物およびフェノール類の合計量に対
して0.1〜30重量%、好ましくは1〜10重量%である。
酸触媒の使用量が少ない場合には、反応時間が長くなる
傾向があり、また、反応温度を高くしないと反応が不充
分になる傾向がある。一方、酸触媒の使用量が多くなっ
てもその割には反応速度が速くならず、コスト的に不利
になることがある。また、酸触媒の回収や中和除去が必
要になることがあり、余分なコストがかかることがあ
る。
本発明に用いるフェノール類は、好ましくはフェノー
ル、クレゾール、キシレノール、レゾルシンの群から選
ばれた1種もしくは2種以上のフェノール系化合物であ
る。
本発明において、フェノール類の添加は、滴下等の方法
により少量ずつ添加し混合する。添加する速度は、反応
混合物の全重量に対して0.05〜5重量%/分であり、好
ましくは0.1〜2重量%/分である。添加する速度が0.0
5重量%/分以下の場合には、添加に要する時間が長す
ぎ、コストが上昇するので好ましくない。一方、添加す
る速度が5重量%/分以上の場合には、添加したフェノ
ール類が遊離ホルムアルデヒドと急速に反応するため、
均一な混合物ないしは共縮合物を生成し難くなるので好
ましくない。
このような不均一性が生じる原因は、ホルムアルデヒド
に対する反応性が石油系重質油類またはピッチ類に比べ
フェノール類の方が著しく大きいためであり、初期のフ
ェノール類の濃度を低く保たないと、ホルムアルデヒド
がフェノール類もしくは反応により生成したフェノール
類とホルムアルデヒドとの縮合物と選択的に反応し、系
に難溶化するためではないかと推定できる。或いは、ホ
ルムアルデヒドが、フェノール類もしくは反応により生
成したフェノール類とホルムアルデヒドの縮合物との反
応に先に消費されてしまい、石油系重質油類またはピッ
チ類もしくは反応により生成した石油系重質油類または
ピッチ類とホルムアルデヒドとの縮合物が、さらにホル
ムアルデヒドと反応することが出来ず、反応系から分離
するためではないかと推定する。
本発明において、フェノール類を添加開始する時期は、
特に限定されないが、残存する遊離ホルムアルデヒド量
から推定したホルムアルデヒドの反応率が70%以下、好
ましくは50%以下である時点で、フェノール類を添加す
る。添加開始時期は、石油系重質油類またはピッチ類と
ホルムアルデヒドとの反応が実質的に進行していない時
点であっても良い。ホルムアルデヒドの反応率が70%以
上になると、フェノール類と反応するホルムアルデヒド
の量が少なくなるため、生成した樹脂の性能が著しく低
下し、極端な場合、硬化剤を添加しないと硬化体が得ら
れなくなるので好ましくない。
フェノール類の添加量は、石油系重質油類またはピッチ
類の平均分子量より計算される平均モル数1モルに対す
るフェノール類のモル数として、0.3〜5である。この
添加量が0.3以下の場合には、石油系重質油類またはピ
ッチ類とホルムアルデヒドとの反応性が、フェノール類
とホルムアルデヒドとの反応性より劣ることから、充分
な架橋密度に至らず、硬化体の強度が一般のフェノール
樹脂に比べて低くなる問題がある。特に、耐衝撃性が低
く、脆い欠点を示す。一方、フェノール類の添加量が5
以上の場合には、フェノール樹脂の変性による改質効果
が小さくて、好ましくない。本発明におけるフェノール
類の添加量は、好ましくは0.5〜3である。
反応温度は、50〜160℃、好ましくは60〜120℃である。
反応温度は、原料組成、反応時間、生成する樹脂の性状
等を考慮して決定する。
反応時間は、0.5〜10時間、好ましくは1〜5時間であ
る。反応時間は、原料組成、反応温度、フェノール類の
添加速度、生成する樹脂の性状等を考慮して決定する。
本発明において、反応を回分式で行う場合に、一段階で
行うことが可能であり、一段階の実施が好ましい。また
連続式で行う場合には、従来の変性フェノール樹脂に用
いられている、2種以上の反応生成物を一定量ずつ連続
混合するような制御の難しい装置を使用する必要がな
く、中間部に完全混合型の反応容器を置き、その中に添
加するフェノール類を一定量ずつ送り込むようにすれば
よい。このような装置は比較的安価であり、操作性は良
好である。
本発明において、反応の際に溶媒を使用することが出来
る。反応は無溶媒でも行うことが出来るが、その場合に
は反応の均一性に留意する必要がある。溶媒の使用によ
り反応系の粘度が下がり、反応の均一性が改良される。
しかし、硬化する以前に溶媒を除去する必要があって、
特殊なものを除いて、概してコストが上昇する。
溶媒としてはクロルベンゼンのようなハロゲン化芳香族
炭化水素、ニトロベンゼンのようなニトロ化芳香族炭化
水素、ニトロエタン、ニトロプロパンのようにニトロ化
脂肪族炭化水素、パークレン、トリクレン、四塩化炭素
のようなハロゲン化脂肪族炭化水素等が使用出来る。
本発明の方法で製造された変性フェノール樹脂は、熱硬
化性であるので、そのまま加熱することにより、容易に
熱硬化体とすることができる。
また、本発明の方法で製された変性フェノール樹脂は、
それ自体、炭素成形品などのバインダーとして利用でき
る。
(作用) 本発明においては、石油系重質油類またはピッチ類のよ
うな縮合多環芳香族炭化水素により変性したので、フェ
ノール樹脂の耐熱性、耐薬品性がより改良される。
本発明で使用する石油系重質油類、ピッチ類などのよう
な芳香族炭化水素は、フェノール類と比較して、ホルム
アルデヒドにする反応性が極度に異なっているため、反
応の最初から三者を混合して置いた場合には、主にフェ
ノール樹脂のみが生成して、芳香族炭化水素は大部分未
反応のまま相分離してしまうので、変性フェノール樹脂
を得ることはできない。このため、従来では、予め芳香
族炭化水素とホルムアルデヒドとを反応させて、芳香族
炭化水素−ホルムアルデヒド樹脂を作っておき、これを
適宜フェノール類と混合して変性フェノール樹脂を得る
という二段階の操作を要していた。
実際上に、これを効率よく製造するには、2組ないし3
組の反応設備を必要とし、設備が高価であると共に、運
転が難しい問題がある。
本発明では、変性フェノール樹脂を製造するにあたり、
まず石油系重質油類またはピッチ類とホルムアルデヒド
との混合物に、酸触媒の存在下加熱撹拌しながら、フェ
ノール類を少量ずつ添加してホルムアルデヒドと反応さ
せ、同時に、生成する石油系重質油類またはピッチ類と
ホルムアルデヒドとの縮合物と前記フェノールを反応さ
せることにより、均一な反応混合物とすることができ
る。回分式の場合には一段で反応することができ、連続
式の場合でも簡単な設備で製造出来る、一定範囲の条件
を見出したものである。
(実施例) 以下に、本発明の実施例により、さらに詳細かつ具体的
に説明するが、これらは本発明を制限するものではな
い。
なお、実施例において使用する反応原料の性状を第1表
に示す。原料油及びピッチは減圧軽油の流動接触分解
(FCC)で得た搭底油を蒸留して得たものである。
実施例1 第1表に示す原料油200g(0.74mol)、パラホルムアル
デヒド90g(ホルムアルデヒド換算モル数、3.0mol、以
下同様)、p−トルエンスルホン酸(1水和物)17.8g
をガラス製反応器に仕込み、撹拌しながら80℃まで昇温
した。80℃で15分間保って反応させた後、フェノール66
g(0.70mol)を1cc/分(石油系重質油類またはピッチ類
とホルムアルデヒド重合物の合計重量に対して、0.34%
/分、以下同様)の滴下速度で滴下しつつ、60分間反応
を続けた。フェノール滴下終了後、さらに2時間撹拌を
継続して反応させた。反応終了後、反応物を取り出し、
冷却して変性フェノール樹脂364gを得た。
生成した変性フェノール樹脂の軟化点をフローテスター
(島津製作所製CFT−20)で測定したところ、42℃であ
った。この変性フェノール樹脂を200℃で20分間処理し
たところ熱硬化体が得られた。
また、この変性フェノール樹脂を金型中に入れて、400k
g/cm2・Gの加圧下に、200℃で1時間保持したところ、
緻密な成形体が得られ、耐酸化性も良好であった。
実施例2 第1表の原料油300g(1.1mol)、パラホルムアルデヒド
180g(6.0mol)、p−トルエンスルホン酸(1水和物)
30.6g、クロロベンゼン165gをガラス製反応器に仕込
み、撹拌しながら80℃まで昇温した。80℃で20分間保っ
て反応させた後、フェノール130g(1.4mol)を2cc/分
(0.42%/分)の滴下速度で滴下しつつ、60分間反応さ
せた。滴下終了後、さらに20分間撹拌を継続して反応さ
せた。反応終了後、反応混合物をn−ヘキサン1700gに
注ぎ込み、変性フェノール樹脂を沈澱させた。沈澱物を
濾過・洗浄後、25℃で減圧乾燥して、変性フェノール樹
脂500gを得た。
生成した変性フェノール樹脂の軟化点をフローテスター
で測定したところ、99℃であった。この変性フェノール
樹脂を200℃で10分間処理したところ熱硬化体が得られ
た。
また、変性フェノール樹脂を金型中に入れて、400kg/cm
2・Gの加圧下に、200℃で30分間保持したところ、緻密
な成形体が得られた。
実施例3 第1表の原料油150g(0.55mol)、パラホルムアルデヒ
ド100g(3.3mol)、塩酸23.3g、クロルベンゼン110gを
ガラス製反応器に仕込み、撹拌しながら90℃まで昇温し
た。90℃になった時点で、フェノール60g(0.64mol)を
1cc/分(0.40%/分)の滴下速度で滴下し、フェノール
の滴下終了後、さらに、15分間撹拌して反応させた。反
応終了後、反応混合物を880gのn−ヘキサンに注ぎ込
み、変性フェノール樹脂を沈澱させた。沈澱物を濾過・
洗浄後、25℃で減圧乾燥して、変性フェノール樹脂175g
を得た。
生成した変性フェノール樹脂の軟化点をフローテスター
で測定したところ、92℃であった。この変性フェノール
樹脂を250℃で20分間処理したところ、熱硬化体が得ら
れた。
また、この変性フェノール樹脂を金型中に入れて、400k
g/cm2・Gの加圧下に、250℃で1時間保持したところ、
緻密な成形体が得られた。
実施例4 第1表の原料油150g(0.55mol)、パラホルムアルデヒ
ド90g(3.0mol)、p−トルエンスルホン酸(1水和
物)15.3g、クロルベンゼン83gをガラス製反応器に仕込
み、撹拌しながら95℃まで昇温した。95℃になった時点
で、p−クレゾール65g(0.60mol)を1cc/分(0.42%/
分)の滴下速度で滴下しつつ60分間反応させた。p−ク
レゾールの滴下終了後、さらに1時間撹拌して反応させ
た。反応終了後、反応混合物を880gのn−ヘキサンに注
ぎ込み、変性フェノール樹脂を沈澱させた。沈澱物を濾
過・洗浄後、25℃で減圧乾燥して変性フェノール樹脂24
1gを得た。
生成した樹脂の軟化点をフローテスターで測定したとこ
ろ、69℃であった。この変性フェノール樹脂を200℃で2
0分間処理したところ熱硬化体が得られた。
また、この変性フェノール樹脂を金型中に入れて、400k
g/cm2・Gの加圧下に、200℃で1時間保持したところ、
緻密な成形体が得られた。
実施例5 第1表で得られたピッチ186g(0.50mol)、パラホルム
アルデヒド60g(2.0mol)、p−トルエンスルホン酸
(1水和物)13.9g、クロルベンゼン110gをガラス製反
応器に仕込み、撹拌しながら70℃まで昇温した。70℃に
なった時点で、フェノール32.5g(0.35mol)を1cc/分
(0.41%/分)の滴下速度で滴下した。フェノール滴下
終了後、さらに15分間撹拌して反応させた。反応終了
後、反応混合物を1020gのn−ヘキサンに注ぎ込み、変
性フェノール樹脂を沈澱させた。沈澱物を濾過・洗浄
後、25℃で減圧乾燥して、変性フェノール樹脂243gを得
た。
生成した変性フェノール樹脂の軟化点をフローテスター
で測定したところ、132℃であった。この変性フェノー
ル樹脂を200℃で20分間処理したところ熱硬化体が得ら
れた。
また、この変性フェノール樹脂を金型中に入れて、400k
g/cm2・Gの加圧下に、200℃で1時間保持したところ、
緻密な成形体が得られた。
実施例6 第1表で得られた原料油225g(0.83mol)、トリオキサ
ン60g(ホルムアルデヒド換算モル数、2.0mol)をガラ
ス製反応器に仕込み、撹拌しながら60℃まで昇温した。
60℃になった時点で、p−トルエンスルホン酸(1水和
物)17.8gを加え、さらに撹拌しながら95℃まで昇温し
た。95℃になった時点で、フェノール40g(0.42mol)を
1cc/分(0.35%/分)の滴下速度で滴下した。フェノー
ル滴下終了後、反応容器より反応生成物を取り出し、冷
却して、変性フェノール樹脂331gを得た。
この生成した樹脂の軟化点をフローテスターで測定した
ところ、69℃であった。この変性フェノール樹脂を200
℃で15分間処理したところ、熱硬化体が得られた。
また、この変性フェノール樹脂を金型中に入れて、400k
g/cm2・Gの加圧下に、200℃で1時間保持したところ、
緻密な成形体が得られた。
(発明の効果) 本発明の方法により得られた変性フェノール樹脂からの
硬化成形体は; 不活性雰囲気中および空気中で数時間の300℃の加熱
でも実質的な変質を生じない。
また、機械的強度は従来のフェノール樹脂とほぼ同様
の大きさを示す。
ガラス転移点が従来のフェノール樹脂のそれに比べ、
数10℃〜100℃前後高くなっており、従来のフェノール
樹脂よりも耐熱性が優れている。
高温時の電気的性質の劣化が少なく、プリント配線基
板などの電気絶縁材料として優れた性能を示す。
また、本発明の方法により得られた変性フェノール樹脂
は; 耐光性が優れており、黒色塗料のベース樹脂として使
用出来る。
耐熱性が優れており、炭素繊維等を強化材料とする複
合材料のマトリックス樹脂として優れている。
また、高温で加熱する際に炭化して残留する率が高
く、炭素成形品のバインダーとして使用出来る。特に、
炭素繊維を成形するバインダーとして使用し、炭化して
炭素・炭素複合材料に加工することが出来る。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】芳香族炭化水素分率fa値が0.40〜0.95、芳
    香環水素量Ha値が20〜80%である石油系重質油類または
    ピッチ類1モルに対して、ホルムアルデヒド重合物を、
    ホルムアルデヒド換算のモル数が1〜10になるように混
    合し、酸触媒の存在下に加熱撹拌しながら、フェノール
    類を該石油系重質油類またはピッチ類と該ホルムアルデ
    ヒド重合物の合計重量に対して0.05〜5重量%/分の添
    加速度で添加し、その際に該石油系重質油類またはピッ
    チ類1モルに対して添加するフェノール類のモル数が0.
    3〜5になるようにして、重縮合させてなることを特徴
    とする、石油系重質油類またはピッチ類により変性した
    フェノール樹脂の製造方法。
  2. 【請求項2】請求項(1)記載の石油系重質油類または
    ピッチ類が主として2〜4環の縮合多環芳香族炭化水素
    であることを特徴とする、石油系重質油類またはピッチ
    類により変性したフェノール樹脂の製造方法。
  3. 【請求項3】請求項(1)記載のフェノール類がフェノ
    ール、クレゾール、キシレノール、レゾルシンの群から
    選ばれた1種もしくは2種以上のフェノール系化合物で
    あることを特徴とする、石油系重質油類またはピッチ類
    により変性したフェノール樹脂製造方法。
  4. 【請求項4】フェノール類を添加する時期が残存する遊
    離ホルムアルデヒド量より推定したホルムアルデヒドの
    反応率として70%以下であることを特徴とする、請求項
    (1)記載の石油系重質油類またはピッチ類により変性
    したフェノール樹脂の製造方法。
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