JPH0689187B2 - 新規重合体、その製法及びそれから成る接着剤 - Google Patents

新規重合体、その製法及びそれから成る接着剤

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JPH0689187B2
JPH0689187B2 JP22487685A JP22487685A JPH0689187B2 JP H0689187 B2 JPH0689187 B2 JP H0689187B2 JP 22487685 A JP22487685 A JP 22487685A JP 22487685 A JP22487685 A JP 22487685A JP H0689187 B2 JPH0689187 B2 JP H0689187B2
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chain
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敏裕 相根
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三井石油化学工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、新規重合体、その製法及び該重合体から成る
接着剤に関するもので、より詳細には、塩素含有重合体
用又は芳香族系重合体用接着剤、特にこれらの重合体と
ポリオレフィンとを積層するための接着剤として有用な
新規重合体及びその製法に関するものである。
ポリ塩化ビニル(PVC)やポリ塩化ビニリデン(PVDC)
などの塩素含有重合体又はポリエチレンテレフタレー
ト、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリフェニレン
オキシドなどの芳香族系重合体は、食品用容器、包装
材、日用雑貨品、自動車内装材、建築用資材、工業用資
材などの用途に広く利用されている。これらの用途のう
ちで耐薬品性、耐水性、耐温水性、ガスバリヤー性など
の性能が要求される用途では、これらの性能を付与する
ために、該塩素含有重合体又は該芳香族系重合体にポリ
エチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィンを積層
することが試みられている。
(従来の技術とその問題点) しかし、通常の接着性ポリオレフィンとして知られてい
るエポキシ基含有ポリオレフィン、カルボキシ基含有ポ
リオレフィン、芳香族系不飽和炭化水素グラフトポリオ
レフィン、或いは塩素化ポリオレフィンなどをポリオレ
フィンと塩素含有重合体または芳香族系重合体とを積層
させる際の接着剤として使用しても、ある程度の接着力
は得られるものの、より一層の接着力の向上が要望され
ていた。とくに高温雰囲気下での接着力の維持(耐熱接
着性)を必要とする場合には、上記変性オレフィン樹脂
よりさらに優れた接着性能(まずは、常温での接着力の
より一層の向上)を持った変性オレフィン樹脂が望まれ
ていた。
上述の用途と同様に、塩素含有重合体または芳香族系重
合体にこれらの変性オレフィン樹脂を直接積層させる場
合にも、より一層の接着力の向上が望まれていた。
(発明の骨子及び目的) 本発明者は、エチレン系不飽和カルボン酸又はその無水
物をグラフトしたポリオレフィンと側鎖にアルコール性
水酸基を有する炭素−炭素鎖樹脂とのエステル化反応物
からなる重合体であって、該エステル化反応物中にアル
コール性水酸基を置換した下記式 Ar−COO− 式中、Arはアリール基はスチリル基を示す、 で表わされるエステル基が、重合体100g当り10乃至655
ミリモルの濃度で存在する重合体が、塩素含有重合体用
又は芳香族系重合体用接着剤、特に塩素含有重合体層又
は芳香族系重合体層とポリオレフィン層とを積層する際
に優れた接着性能、とくに優れた耐熱接着性を発揮する
ことができることを見出したことに基づくものである。
即ち、本発明の目的は、新規な組成を有し且つ接着剤と
して有用な変性オレフィン樹脂系の重合体を提供するに
ある。
本発明の他の目的は、塩素含有重合体或いは芳香族系重
合体とポリオレフィンとを積層する際の接着剤として有
用な変性オレフィン樹脂系の重合体及び重合体組成物を
提供するにある。
本発明の更に他の目的は、上述した両樹脂層との間に耐
熱性に優れた接着結合を形成し得る変性ポリオレフィン
樹脂系の重合体及び重合体組成物を提供するにある。
本発明の更に他の目的は、上述した変性オレフィン樹脂
系重合体、特に前記エステル化反応物を収率良く製造し
得る方法を提供するにある。
(発明の構成) 本発明によればエチレン系不飽和カルボン酸又はその無
水物をグラフトしたポリオレフィンと側鎖にアルコール
性水酸基を有する炭素−炭素鎖樹脂とのエステル化反応
物からなる重合体であって、該エステル化反応物中にア
ルコール性水酸基を置換した下記式 Ar−COO− 式中、Arはアリール基又はスチリル基を示す、 で表わされるエステル基が、重合体100g当り10乃至655
ミリモルの濃度で存在することを特徴とする重合体が提
供される。
本発明によれば又、 I.エチレン系不飽和カルボン酸又はその無水物をグラフ
トしたポリオレフィンと側鎖にアルコール性水酸基を有
する炭素−炭素鎖樹脂とのエステル化反応物からなる重
合体であって、該エステル化反応物中にアルコール性水
酸基を置換した下記式 Ar−COO− 式中、Arはアリール基又はスチリル基を示す、 で表わされるエステル基が、10乃至655ミリモル/100g−
重合体の濃度で存在する重合体、 と、 II.ポリオレフィン とより成り、前記Ar−COO−基が、重合体(I)とポリ
オレフィン(II)の合計量に対し10乃至655ミリモル/10
0gの濃度で存在し、カルボキシル基及び/又はカルボン
酸無水物基がカルボキシル基換算で重合体(I)とポリ
オレフィン(II)の合計量に対し0.3乃至95ミリモル/10
0gの濃度で存在する重合体組成物が提供される。
本発明によれば又、エチレン系不飽和カルボン酸又はそ
の無水物をグラフトしたポリオレフィンと、側鎖にアル
コール性水酸基を有する炭素−炭素鎖樹脂とを両者の間
に少なくとも部分的にエステル化反応が生じるが、アル
コール性水酸基が残存する条件下に混合し、生成するア
ルコール性水酸基含有樹脂に式 ArCOX 式中、Arはアリール基又はスチリル基を示し、Xはハロ
ゲン原子である、の酸ハライドを反応させることを特徴
とする重合体の製法が提供される。
本発明によれば又、エチレン系不飽和カルボン酸又はそ
の無水物をグラフトしたポリオレフィンと、側鎖にアル
コール性水酸基を有する炭素−炭素鎖樹脂と、式 (ArCO)2O 式中、Arはアリール基又はスチリル基を表わす、 の酸無水物とを、グラフトポリオレフィンと水酸基含有
炭素−炭素樹脂の間に少なくとも部分的にエステル化反
応を生じ、且つ過剰の水酸基と(ArCO)2Oで表わされる
酸無水物との間にエステル化反応が生じる条件下に混合
することを特徴とする重合体の製法が提供される。
本発明によれば更に、エチレン系不飽和カルボン酸又は
その無水物をグラフトしたポリオレフィンと、側鎖にア
ルコール性水酸基と式 Ar−COO− 式中、Arはアリール基又はスチリル基を示す、 で表わされるエステル基の両方を有する炭素−炭素鎖樹
脂とを、両者の間に少なくとも部分的にエステル化反応
が生じる条件下に混合することを特徴とする重合体の製
法が提供される。
本発明によれば更に又、エチレン系不飽和カルボン酸又
はその無水物にグラフトしたポリオレフィンと側鎖にア
ルコール性水酸基を有する炭素−炭素鎖樹脂とのエステ
ル化反応物から重合体であって、該エステル化反応中に
アルコール性水酸基を置換した下記式 Ar−COO− 式中、Arはアリール基又はスチリル基を示す、 で表わされるエステル基が、重合体100g当り10乃至655
ミリモルの濃度で存在することを特徴とする重合体から
成る塩素含有重合体用又は芳香族系重合体用接着剤が提
供される。
(発明の好適実施態様の説明) 本発明を以下に詳細に説明する。
重合体乃至重合体組成物 本発明の重合体は、エチレン系不飽和カルボン酸又はそ
の無水物をグラフトしたポリオレフィンと側鎖にアルコ
ール性水酸基を有する炭素−炭素樹脂とがエステル化反
応によって結合したエステル化反応物からなる重合体で
あるが、該エステル化反応物中にアルコール性水酸基を
置換した下記式 Ar−COO− 式中、Arはアリール基又はスチリル基を示す、 で表わされるエステル基を有している。そして、該エス
テル化反応物は、グラフトポリオレフィンに由来するカ
ルボキシル基及び/又はカルボン酸無水物基を有するポ
リオレフィン成分(以下(A)という)と側鎖にAr−CO
O−エステル基を有する炭素−炭素鎖樹脂成分(以下
(B)という)とのブロック共重合体の形で存在してい
る。重合体の他の成分としては、グラフトポリオレフィ
ンや前記樹脂成分(B)等が一部混在する。
重合体は、Ar−COO−エステル基が全体当り10乃至655ミ
ルモル/100g樹脂、特に50乃至600ミリモル/100g樹脂の
濃度で存在することが望ましく、上記Ar−COO−基の濃
度が上記範囲よりも低いと塩素含有重合体や芳香族系重
合体に対する接着性が低下し、一方上記範囲よりも多い
とポリオレフィンの変性樹脂であるという特性が失わ
れ、例えばポリオレフィンへの接着性が失われるように
なる。
また、この重合体においては、場合によりグラフトポリ
オレフィン成分に由来するカルボキシル基及び/又はカ
ルボン酸無水物基は、カルボキシル基換算で全体当り0.
3乃至95ミリモル/100g樹脂、特に0.3乃至50ミリモル/10
0g樹脂の濃度で存在することができる。カルボキシル基
及び/又は酸無水物基は、この樹脂の各種基材への接着
性を助長する作用を有するが、上記範囲を越えても、接
着性に関して向上の効果がなく経済的にも無意味であ
る。
ポリオレフィン成分(A)は、直鎖状構造であってもよ
いし、分岐鎖構造になっていてもよい。ポリオレフィン
成分(A)としては、エチレン、プロピレン、1−ブテ
ン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペ
ンテン、3−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1
−デセン、1−ドデセンなどのα−オレフィンが単独重
合したものまたは2種以上の混合成分が共重合したもの
を例示することができる。これらのα−オレフィン成分
の他に、ブタジエン、イソプレンなどの共役ジエン、1,
4−ヘキサジエン、1,7−オクタジエン、ジシクロペンタ
ジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−ビニ
ル−2−ノルボルネン、5−メチレン−2−ノルボルネ
ン、2,5−メルボナジエンなどの非共役ジエン、(メ
タ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸塩、(メタ)アク
リル酸エステル、無水マレイン酸、マレイン酸モノメチ
ルエステル、酢酸ビニル、ビニルプロピオン酸、などの
不飽和エステル類、ビニルアルコール、アリルアルコー
ル、3−ブテン−1−オール、4−ペンテン−1−オー
ル、5ヘキセン−1−オール、6−ヘプテン−1−オー
ル、7−オクテン−1−オール、10−ウンデセン−1−
オールなどの不飽和アルコール、塩化ビニル、塩化ビニ
リデンなどの塩素含有ビニルモノマー、スチレン、ビニ
ルトルエン、α−メチルスチレン、インデンなどの芳香
族系ビニルモノマーから選ばれる1種以上の成分が共重
合されていてもよい。
ポリオレフィン成分(A)の骨格はプロピレン及び/又
はエチレンを主体とするものであることが望ましい。
またポリオレフィン成分(A)は前記α−オレフィンの
重合鎖に不飽和カルボン酸またはその誘導体がグラフト
したものであってもよい。本発明の重合体の内、エステ
ル化反応物(ブロック共重合体)は、前述の側鎖として
アルコール性水酸基をもつ炭素−炭素鎖樹脂の該水酸基
と側鎖としてカルボキシル基又はその無水物基をもつグ
ラフトポリオレフィンのカルボキシル基又はその無水物
基との間の反応によりエステル結合を形成させブロック
共重合体を導くものであるが、この反応の際に反応に関
与しなかったカルボキシル基又はその無水物基がポリオ
レフィン鎖(A)に残り得る。
グラフト化に使用されるエチレン系不飽和カルボン酸ま
たはその無水物としては、アクリル酸、マレイン酸、フ
マール酸、テトラヒドロフタル酸、イタコン酸、シトラ
コン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、ナジック酸
(エンドシス−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン
−2,3−ジカルボン酸)など不飽和カルボン酸、または
その誘導体、例えば酸ハライド、無水物、エステルなど
が挙げられ、具体的には、塩化マレニル、無水マレイン
酸、無水シトラコン酸、マレイン酸モノメチル、などが
例示される。これらの中では、無水物が好適であり、と
くに無水マレイン酸、無水ナジック酸 が好適である。
これらの不飽和カルボン酸またはその無水物のグラフト
量はポリオレフィン成分(A)の100gあたり0.2gないし
40g、好ましくは0.4gないし10gである。勿論、ブロック
共重合体が生成する場合には、この範囲よりも少ない値
となり得る。
ポリオレフィン成分(A)の部分の数平均分子量は通常
1,000ないし100,000好ましくは3,000ないし70,000であ
る。
一方、側鎖にアルコール性水酸基を有する炭素−炭素鎖
樹脂としては、例えばエチレン・ビニルアルコール共重
合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体の部分ケン化物、
ポリビニルアルコール、ポリ2−ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレート、エチレン・2−ヒドロキシエチル
(メタ)アクリレート共重合体、スチレン・2−ヒドロ
キシエチル(メタ)アクリレート共重合体、エチレン、
プロピレンなどのα−オレフィンとアリルアルコール、
3−ブテン−1−オール、4−ペンテン−1−オール、
10−ウンデセン−1−オールなどの不飽和アルコールと
の共重合体、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
トをグラフト共重合したポリ・α−オレフィンなどを例
示することができる。これらの中では、エチレン、・ビ
ニルアルコール共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合
体の部分ケン化物、ポリビニルアルコールなどを用いる
ことが好ましい。
Ar−COO−エステル基を有する炭素−炭素樹脂成分
(B)は、上記アルコール性水酸基を有する炭素−炭素
鎖樹脂におけるグラフトポリオレフィンとエステル結合
したアルコール性水酸基を除く樹脂成分のアルコール性
水酸基をAr−COO−エステル基で置換しているものであ
る。
この炭素−炭素鎖樹脂成分(B)も、ポリオレフィン鎖
を有するということができる。
樹脂成分(B)の部分は通常数平均分子量で500ないし1
00,000であり、好ましくは1,000ないし70,000である。
樹脂成分(B)にはAr−COO−基をもつ側鎖のほかに有
してもよい別種の側鎖、例えば−CH3、−CH2CH3、−CH2
CH2CH3、−CH2CH(CH3などのアルキル基;−C6H5
−C6H4・CH3などのアリール基;−C1、−Brなどのハロ
ゲン原子; などのエステル基;アルコール性水酸基(−OH);など
が例示できるが、これに限定されるものではない。
樹脂成分(B)が有するAr−COO−基としては、Ar−COO
−基が直接ポリオレフィン鎖と結合していてもよいし、
別の結合を介して結合していてもよい。このような側鎖
としては、例えばC6H5COO−、C6H5COOCH2CH2OCO−、C6H
5CH:CH−COO−、C6H5CH:CH−COOCH2CH2OCO−、HOOC−C6
H4−COO、およびこれらにおいてベンゼン核に他の置換
基、例えばアルキル基、−COOCH3、−COOCH2CH3、−SO3
H等が導入された誘導基などを挙げることができる。
樹脂成分(B)は、側鎖に式 Ar−COO− のエステル基を有するエチレン系不飽和単量体単位から
成る重合体であっても、或いは上記単位とオレフィン単
位とから成る共重合体であってもよい。後者が特に好適
である。
ポリオレフィン成分(A)とエステル基含有炭素−炭素
鎖樹脂成分(B)とは、アリールカルボン酸エステル基
単位又はスチリルカルボン酸エステル基単位の濃度が上
述した範囲となる限り、任意の割合で存在することがで
きる。一般には成分(A)と成分(B)とは、3:97乃至
80:20、特に3:97乃至70:30の重量比で存在するのが望ま
しい。
本発明の重合体においては、樹脂成分(A)及び(B)
の少なくとも一部がブロック共重合体の形で存在するこ
とが望ましいことを指摘したが、このブロック共重合体
は、一般に後述する製法に関連して、少なくとも1個の
ポリオレフィン成分(A)と少なくとも1個のエステル
基含有炭素−炭素鎖樹脂成分(B)とが、エステル基を
介して連結したブロック共重合構造を有する。このブロ
ック共重合体は、式 式中、A1は側鎖にカルボキシル基及び/又はカルボン酸
無水物基を含むポリオレフィン鎖を表わし、B1は側鎖に
式 Ar−COO− 式中Arはアリール基又はスチリル基を示す、 で表わされるエステル基を含む重合体鎖を表わす、 で表わされるブロック共重合構造を有することが最も望
ましい。
尚、ブロック共重合体の結合構造は、上述したものに限
定されず、ポリオレフィン成分(A)とエステル基含有
炭素−炭素鎖樹脂成分(B)とが直接結合したものであ
ってもよいし、またエーテル基、ケトン基、アルキレン
基、フェニレン基、或いはこれらの組合せ等の2価の基
を介して結合したものであってもよい。
本発明の重合体は、実質上ブロック共重合体から成るこ
とが最も望ましい。ブロック共重合体の好適な一例とし
て、前記式において、一方のポリオレフィン鎖A1は実質
上ポリプロピレン鎖であり、他方の重合体鎖B1は実質上
エチレン・安息香酸ビニル共重合体鎖であるものを挙げ
ることができる。
重合体の製法 本発明の重合体の製法としては、以下に示す3つの方法
を挙げることができる。
製法I 本発明によれば、エチレン系不飽和カルボン酸又はその
無水物をグラフトしたポリオレフィンと、側鎖にアルコ
ール性水酸基を有する炭素−炭素鎖樹脂とを、両者の間
に少なくとも部分的に反応が生じるが、アルコール性水
酸基が残存する条件下に混合する。
上記グラフトポリオレフィン及び側鎖にアルコール性水
酸基を有する炭素−炭素鎖樹脂は、前記した通りであ
る。
側鎖にアルコール性水酸基を有する炭素−炭素鎖樹脂と
エチレン系不飽和カルボン酸又はその無水物をグラフト
したポリオレフィンとの反応は、50℃ないし300℃の温
度、大気圧以上ないし50気圧の圧力下に維持させればよ
いが、その際キシレン、トルエン、などの稀釈剤を使用
してもさしつかえない。さらに反応の触媒として硫酸、
トルエンスルホン酸、などの酸を添加してもさしつかえ
ない。これらのうち、上記反応は押出機などを用いて無
触媒、加熱溶融状態で実施することが特に好ましい。
次いで生成するアルコール性水酸基含有樹脂組成物に式 ArCOX 式中、Arはアリール基又はスチリル基を示し、Xはハロ
ゲン原子である、 の酸ハライドを反応させる。
後段の反応方法は、前段の反応生成物をキシレン、トル
エンなどの有機溶媒に溶解または微粉状に分散させ、50
〜250℃の温度でArCOClと接触させることにより実施さ
れる。なお、この際、ピリジンなどのアミン系触媒を添
加すると反応は効率的に進行する。
上記製法によれば、まず、前段の反応によって上記グラ
フトポリオレフィンに由来するポリオレフィン鎖と上記
アルコール性水酸基を有する炭素−炭素鎖樹脂に由来す
る側鎖にアルコール性水酸基を有するポリオレフィン鎖
がエステル結合を介して結合したブロック共重合体が生
成する。なお、この際、両者の反応が完全に進行しない
場合には、反応生成物は、未反応の上記両成分を含むこ
とになる。次いで、後段の反応によって残存するアルコ
ール性水酸基がAr−COO−基に変換され、本発明の重合
体が得られる。
なお、側鎖にアルコール性水酸基を有する炭素−炭素鎖
樹脂とArCOClとを先に反応させておいて、この反応にお
いて未反応のアルコール性水酸基とグラフトポリオレフ
ィンとを反応させて、本願発明の重合体を合成すること
もできるが、先に述べた方法を採用するのが好ましい。
製法II 本発明の他の態様によれば、エチレン系不飽和カルボン
酸又はその無水物をグラフトしたポリオレフィンと、側
鎖にアルコール性水酸基を有する炭素−炭素鎖樹脂と、
式 (ArCO)2O 式中、Arはアリール基又はスチリル基を表わす、 の酸無水物とを、グラフトポリオレフィンと水酸基含有
炭素−炭素鎖樹脂の間に少なくとも部分的に反応を生
じ、且つ過剰の水酸基と酸無水物との間に反応が生じる
条件下に混合する。
反応は、アルコール性水酸基を有する炭素−炭素鎖樹脂
及びエチレン系不飽和カルボン酸又はその無水物をグラ
フトしたポリオレフィンに更に(ArCO)2O〔好ましくは
無水安息香酸〕を加えて、三者のドライブレンド物を調
整し、これを押出機などに供給し、150〜300℃の温度
で、溶融混練することにより実施される。
製法III 本発明の他の態様によれば、アルコール性水酸基を含む
エチレン系不飽和単量体と、式 Ar−COO− 式中、Arはアリール基又はスチリル基を表わす、 で表わされるエステル基を含むエチレン系不飽和単量体
とからなる共重合体と製法Iで述べたエチレン系不飽和
カルボン酸又はその無水物をグラフトしたポリオレフィ
ンとを、両者の間に少なくとも部分的に反応が生じる条
件下で混合する。
上記共重合体は、アルコール性水酸基を含むエチレン系
不飽和単量体、例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)ア
クリレート、p−(あるいは、m−、o−)ヒドロキシ
スチレン、p−(あるいはm−、o−)ヒドロキシα−
メチルスチレンなどと式 Ar−COO− 式中、Arはアリール基、又はスチリル基を表わす、 で表わされるエステル基を含むエチレン系不飽和単量
体、例えば安息香酸ビニル、ケイ皮酸ビニル、p−(あ
るいはm−、o−)ビニル安息香酸メチル、などを溶剤
の存在下又は不存在下でラジカル重合開始剤を用いて、
50〜180℃の反応温度で共重合することにより合成され
る。
該共重合体とエチレン系不飽和カルボン酸又はその無水
物をグラフトしたポリオレフィンの混合は、これらを押
出機などに供給し、150〜300℃の温度で溶融混練するこ
とにより実施される。
(用途) 本発明による重合体及び重合体組成物は、そのままの状
態で、或いはポリオレフィン類で希釈したブレンド物の
形で塩素含有重合体用又は芳香族系重合体用接着剤とし
て使用する。
本発明の接着剤は前記ブロック共重合体のみから構成さ
れていてもよいが、接着性能を損わない範囲でポリマー
物質、とくに前記ブロック共重合体の原料である側鎖に
アルコール性水酸基を有する炭素−炭素鎖樹脂、不飽和
カルボン酸又はその無水物をグラフトしたポリオレフィ
ン、更には該グラフトポリオレフィンの原料たるポリオ
レフィンを含有していてもかまわない。また同様に接着
性能を損わない範囲で酸化防止剤、紫外線吸収剤、顔
料、染料、充填剤、核剤、ブロッキング防止剤、スリッ
プ剤、帯電防止剤、難燃剤などの添加剤を加えて重合体
乃至組成物を形成していても差しつかえない。
本発明の重合体を含有してなる接着剤は、塩素含有重合
体同志又は芳香族系重合体同志又は、塩素含有重合体と
芳香族系重合体の接着にも使用することができるが、塩
素含有重合体とポリオレフィン類又は芳香族系重合体と
ポリオレフィン類との接着に使用することが好ましい。
その使用形態としては溶融型接着剤、溶液型接着剤のい
ずれでもよいが前者の方が好ましい。本発明の接着剤が
適用できる重合体の形状は各種の形状物、シート状物、
フィルム状物などであり、いかなる形状であってもよ
い。
塩素含有重合体の説明 塩素含有重合体としては、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩
化ビニル、塩化ビニリデン−塩化ビニル共重合体、塩化
ビニリデンまたは塩化ビニルと他の不飽和単量体との共
重合体、酢酸ビニルなどの極性モノマーグラフトポリ塩
化ビニルなどの塩素化ビニルモノマーを主成分とする
(共)重合体、クロロプレンなどの塩素含有ゴム、塩素
化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、塩素化ポリス
チレンなどの後塩素化ポリマー、塩化ビニリデンおよび
/または塩化ビニルグラフトポリエチレンなどの塩素化
ビニルモノマーグラフト共重合体を例示することができ
る。
これらの塩素含有重合体は発泡体であっても差しつかえ
ない。これらの塩素含有重合体のうちではポリ塩化ビニ
リデン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニリデン−塩化ビニル
共重合体、極性モノマーグラフトポリ塩化ビニルなどに
本発明の接着剤を適用することが好ましい。
芳香族系重合体の説明 また芳香族系重合体としては、例えばポリスチレン、ポ
リ−α−メチルスチレン、スチレン・アクリロニトリル
共重合体(AS)、スチレン・アクリロニトリル・ブタジ
エン共重合体(ABS)などのスチレン系樹脂、ビスフェ
ノールAのポリカーボネート、ビスフェノールFのポリ
カーボネート、ビスフェノールADのポリカーボネートな
どの芳香族系ポリカーボネート、ポリフェニレンオキシ
ド、変性ポリフェニレンオキシド、グラフト化ポリフェ
ニレンオキシドなどのポリフェニレンオキシド、ポリエ
チレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、
ポリエチレンテレフタレート、イソフタレート、ポリエ
チレン・2,6−ナフタリンジカルボキシレート、ポリフ
ェニレンテレフタレート、ビスフェノールA・テレフタ
ル酸共重縮合体、ビスフェノールA・テレフタル酸・イ
ソフタル酸共重縮合体などの芳香族系ポリエステルを例
示することができる。これらの芳香族系重合体は発泡体
であっても差しつかえない。
ポリオレフィン類の説明 また本発明の接着剤が適用される上述のポリオレフィン
類としては、例えばエステル・プロピレン、1−ブテ
ン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペ
ンテン、3−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1
−デセン、1−ドデセンなどのα−オレフィンの単独重
合体または2種以上の混合成分の共重合体を示すことが
でき、これらの成分の他にスチレン、酢酸ビニル、アク
リル酸エステル、メタクリル酸エステル、アクリル酸金
属塩などのビニル系モノマーが共重合されていてもよ
い。この場合、ポリオレフィンとして結晶化度は通常10
%以上、好ましくは15%以上の範囲のものを用いるのが
好ましい。またその[η]は通称0.5ないし5dl/g、好ま
しくは0.7ないし4dl/gの範囲である。
接着剤によって積層とする方法 上記塩素含有重合体又は芳香族系重合体とポリオレフィ
ン類を本発明の接着剤によって積層成形体とする場合の
積層体の形成方法の一例としては、例えば3台の押出機
に別々に各層の成分ポリマーを供給し、溶融したポリマ
ー同志が1つのダイの内部で合流する複層Tダイシート
または複層フィルム成形法、溶融したポリマーをダイの
外で熱融着させるタンデム法などを例示することができ
る。この場合、該ポリオレフィンからなる層の厚さは任
意であるが、通常5μmないし50mm、好ましくは10μm
ないし40mmの範囲である。また本発明の接着剤は中間接
着層を形成し、その層厚は任意であるが、通常1ないし
500μm、好ましくは2ないし100μmの範囲である。
本発明の重合体は、経済性の点では通常のオレフィン樹
脂で稀釈して用いることが好ましく、一般には重合体と
ポリオレフィンとを8:92乃至95:5の重量比で混合し、芳
香族エステル基濃度が10乃至655ミリモル/100g全樹脂、
カルボキシル基濃度が0.3乃至95ミリモル/100g全樹脂の
範囲にあるポリオレフィンブレンド物とし用いるのがよ
い。
(発明の作用効果) 本発明によれば、カルボン酸基または酸無水物基を含む
ポリオレフィン成分と芳香族カルボン酸エステル側鎖を
有するポリオレフィン成分とを含有する新規重合体、特
にこれらのブロック共重合体が提供される。この重合体
は、従来の接着性ポリオレフィンに比べ、優れた接着性
能を発揮し、しかも塩素含有重合体および芳香族系重合
体のいずれの被着体にも接着するいわゆる万能タイプの
接着性ポリオレフィンという優れた特徴をもつ。とくに
この重合体は耐熱接着性に優れている。
次に、本発明を実施例によって具体的に説明する。
(重合体の分子量関連物性の測定法) (1)〔η〕:(単位dl/g) デカリン中、135℃で測定した極限粘度 (2)数平均分子量(n) GPC法により、o−ジクロロベンゼンを溶出液とし、135
℃で測定した。
実施例1 エチレン・ビニルアルコール共重合体〔クラレ(株)
製、エバール EP−E105、共重合比(モル%)エチレ
ン:ビニルアルコール=44:56〕90重量部に対し無水マ
レイン酸グラフトポリプロピレン〔無水マレイン酸グラ
フト量3.0wt%、デカリン中、135℃で測定した極限粘度
〔η〕=0.50dl/g、n=11,000〕10重量部で添加した
ドライブレンド物を調整した。該ドライブレンド物を、
200℃に加熱した15mmφ押出機に供給し滞留時間約4分
で溶融混練し、エチレン・ビニルアルコール共重合体−
無水マレイン酸グラフトポリプロピレンからなるブロッ
ク共重合体を含む重合物を合成した。
上記ブロック共重合体を含む重合物の赤外線吸収スペク
トルの無水マレイン酸基のカルボニル基に基づく吸収
(1860cm-1及び1780cm-1)の減少の度合い(原料の無水
マレイン酸グラフトポリプロピレンに比べて)より、原
料の無水マレイン酸グラフトポリプロピレンの無水マレ
イン酸基の70%がエチレン・ビニルアルコール共重合体
の−OH基と反応し結合していることがわかった。
次に該ブロック共重合体を含む重合物を粉砕機を用いて
粉砕(平均粒径200μm)し、該ブロック共重合体を含
む重合物のパウダーを得た。
該エチレン・ビニルアルコール共重合体−無水マレイン
酸グラフトポリプロピレンブロック共重合体を含む重合
物のパウダー500gを容積20の反応器内、窒素雰囲気
体、120℃でp−キシレン5に分散させた(この条件
では該パウダーは溶けない)。その後、ピリジンを反応
器内に1000g添加し、反応系内の温度を120℃に保ったま
ま、撹拌下、安息香酸クロライド1900gを2時間かけて
反応系内へ連続供給した。安息香酸クロライド供給終了
後、更に120℃で2時間反応を続け蒸留水4を系内に
添加することにより、反応を停止した。反応終了後、系
を室温付近まで冷却し、反応液を大過剰のメタノール中
(ミキサー中で)に投入し、目的のブロック共重合体を
含む重合物を析出、沈殿させ濾別した。該ブロック共重
合体を濾過後、更にメタノールでくり返し洗浄し、50℃
で24時間減圧乾燥し、目的の生成物を得た。
この生成物の赤外線吸収スペクトルを調べた結果、出発
ポリマーのエチレン・ビニルアルコール共重合体−無水
マレイン酸グラフトポリプロピレンからなるブロック共
重合体を含む重合物の3300cm-1付近(アルコール性−OH
基由来)の吸収がほとんど消滅し、新たに1600cm-1、お
よび1580cm-1(共にベンゼン核に由来)の吸収が現わ
れ、しかも、安息香酸および安息香酸クロライドを抽出
する溶媒であるメタノールで沸点下8時間抽出を行って
も、1600cm-1および1580cm-1の吸収強度は全く減じなか
った。酸素分析により該生成物中の安息香酸エステル基
含量を測定したところ、生成物100g当り559ミリモル安
息香酸エステル基を含んでいることがわかり、原料エチ
レン・ビニルアルコール共重合体−無水マレイン酸グラ
フトポリプロピレンからなるブロック共重合体を含む重
合物中の水酸基の安息香酸エステル基への変換率は98%
であることがわかった。
該安息香酸エステル化ポリマー組成物を一台の押出機で
溶融し、樹脂温度200℃で3層複合Tダイシート成形用
ダイに供給した。別途プロピレン・エチレンランダム共
重合体〔エチレン含量2モル%、〔η〕2.5dl/g、n
=78,000〕およびポリ塩化ビニリデン〔Dow Chemical
Co.製、商品名SARAN、X05253−16〕を各々、別の押出
機により溶融し、樹脂温度を共に200℃として前記ダイ
に供給し、両外層がポリ塩化ビニリデン層(1mm)とプ
ロピレン・エチレンランダム共重合体層(50μ)からな
り、中間層が該安息香酸エステル化ポリマー重合物(20
μ)からなる3層シートを作製した。この3層シートか
ら幅10mmの試験片を切り取り、ポリ塩化ビニリデンと該
エステル化ポリマー重合物との間を一部剥離し、プロピ
レン・エチレンランダム共重合体と該エステル化ポリマ
ーとの2層フィルム側を180度剥離(剥離温度50mm/mm、
測定温度23℃及び80℃)することによりポリ塩化ビニリ
デンと該安息香酸エステル化ポリマー重合物との間の幅
10mm当りの層間接着強度を測定した。
23℃、80℃における接着強度を表1に示した。なお、該
プロピレン・エチレン共重合体と該安息香酸エステル化
ポリマー重合物との間は剥離不能であり、十分強力に接
着していた。
また、上記のポリ塩化ビニリデンの代りにポリエチレン
テレフタレート〔三井ペット樹脂(株)、J−135〕を
用い、樹脂温度を270℃とする他は、上記と同様の方法
で両外層がポリエチレンテレフタレート層(1mm)とプ
ロピレン・エチレンランダム共重合体層(50μ)からな
り、中間層が該安息香酸エステル化ポリマー重合物(20
μ)からなる3層シートを作製した。上記と同様の方法
で、ポリエチレンテレフタレート層と該安息香酸エステ
ル化ポリマー重合物層との間の層間接着強度を測定し
た。結果を表1に示した。
なお、以下の実施例・比較例では実施例1と同様に接着
強度を測定した。
実施例2ないし4 実施例1で合成した、安息香酸エステル化ポリマー重合
物を表1に示した種類のポリマー及び重量比で稀釈しブ
レンド物とした(混練は15mmφ押出機、200℃)。
これらブレンド物の性状値及び接着強度を表1に示し
た。
実施例5 実施例1で用いたエチレン・ビニルアルコール共重合体
の代りに、これよりアルコール性水酸基量の少ないエチ
レン・ビニルアルコール共重合体〔エチレン・酢酸ビニ
ル共重合体のケン化物、武田薬品(株)製、商品名:デ
ュミランC−1590,共重合比(モル%)エチレン:ビニ
ルアルコール:酢酸ビニル=86:12:1〕を用いる他は、
実施例1と同様に、エチレン・ビニルアルコール共重合
体−無水マレイン酸グラフトポリプロピレンからなるブ
ロック共重合体を含む重合物を合成した。
次に該重合物1100gを容積20の反応器内、窒素雰囲気
下、100℃でp−キシレン11に溶解させた。該重合物
がp−キシレンに完全に溶解した後、ピリジンを反応器
内に400ml添加し、反応系内の温度を100℃に保ったま
ま、撹拌下、安息香酸クロライド800gを1時間かけて反
応系内へ連続供給した。安息香酸クロライド供給終了
後、更に100℃で1.5時間反応を続け、蒸留水2を系内
に添加することにより、反応を停止した。反応終了後に
系を室温付近まで冷却し、反応液を大過剰のメタノール
中(ミキサー中で)に投入し、安息香酸エステル化ポリ
マー重合物を析出、沈殿させ濾別した。該安息香酸エス
テル化ポリマー重合物を濾過後、更にメタノールでくり
返し洗浄し、50℃で24時間減圧乾燥し、目的の安息香酸
エステル化ポリマー組成物を得た。
重合物中の安息香酸エステル基含量は263ミリモル/100g
であった。該組成物の性状値及び接着強度を表1に示し
た。
実施例6 実施例5で用いた安息香酸エステル化ポリマー重合物を
表1で示したように稀釈しブレンド物とした(混練は15
φ押出機中、200℃)。
ブレンド物の性状値及び接着強度を表1に示した。
比較例1 エチレン・ビニルアルコール共重合体〔エチレン・酢酸
ビニル共重合体のケン化物、武田薬品(株)製、商品
名:デュミランC−1590〕1100gを容積20の反応器
内、窒素雰囲気下、100℃でp−キシレン11に溶解さ
せた。該エチレン・ビニルアルコール共重合体がp−キ
シレンに完全に溶解した後、ピリジンを反応器内に400m
l添加し、反応系内の温室を100℃に保ったまま、撹拌
下、安息香酸クロライド800gを1時間かけて反応系内へ
連続供給した。安息香酸クロライド供給終了後、更に10
0℃で1.5時間反応を続け、蒸留水2を系内に添加する
ことにより、反応を停止した。反応終了後に系を室温付
近まで冷却し、反応液を大過剰のメタノール中(ミキサ
ー中で)に投入し、安息香酸エステル化エチレン・ビニ
ルアルコール共重合体を析出、沈殿させ濾別した。該安
息香酸エステル化エチレン・ビニルアルコール共重合体
を濾過後、更にメタノールでくり返し洗浄し、50℃で24
時間減圧乾燥し、目的の安息香酸エステル化エチレン・
ビニルアルコール共重合体を得た。
生成物の性状値と接着強度を表1に示した。
比較例2 比較例1で用いた共重合体を表1で示したように稀釈し
ブレンド物とした(混練は15φ押出機中、200℃) ブレンド物の性状値及び接着強度を表1に示した。
比較例3および4 実施例5の安息香酸クロライド800gの代りにアセチルク
ロライド450gを用いる他は実施例5と同様にエチレン・
酢酸ビニル共重合体−無水マレイン酸グラフトポリプロ
ピレンからなるブロック共重合体を含む重合物を合成し
た。該重合物及びこれからなるブレンド物の性状値及び
接着強度を表2に示した。
実施例7 実施例5で用いた無水マレイン酸グラフトポリプロピレ
ンの代りに無水マレイン酸グラフトポリエチレン〔無水
マレイン酸グラフト量2.5wt%,密度0.95g/cm3,MFR(at
190℃)0.7g/10分,n=53,000〕を用いる他は実施例
5と同様の操作で表2記載のポリマー(C)を合成し、
高圧法ポリエチレンで稀釈してブレド物を調製した。結
果を表2に示した。ただし、この系に限りポリ塩化ビニ
リデンと積層するポリオレフィンとして、プロピレン・
エチレンランダム共重合体の代りに高密度ポリエチレン
(〔η〕1.5dl/g,n=35,000,密度0.95)を使用し
た。
実施例8 実施例5で用いた安息香酸クロライドの代りに、ケイ皮
酸クロライドを用いる他は、実施例5と同様にして表2
に示した性状値をもつブロックポリマーを含む重合物
(C)を合成した。
該重合物を用いて、表2に示したブレンド物とし接着強
度を測定した。結果を表2に示した。
実施例9 ポリ・2−ヒドロキシエチルアクリレート〔数平均分子
量13,000(GPC法、スチレン換算)〕を実施例1のエチ
レン・ビニルアルコール共重合体の代りに用いる他は、
実施例1と同様の操作で表2記載のブロックポリマーを
含む重合物(C)を合成した。
この重合物を用いて、表2に示したブレンド物とし、接
着強度を測定した。結果を表2に示した。
実施例10 実施例5で用いたエチレン・ビニルアルコール共重合体
100重量部、実施例1で用いた無水マレイン酸グラフト
ポリプロピレン20重量部、及び無水安息香酸100重量部
からなるドライブレンド物を調製した。
該ドライブレンド物を200℃に設定した押出機(15mm
φ)に供給し、滞留時間約4分で押出し、さらに2回同
押出機に供給し、合計滞留時間(反応時間約12分で反応
を実施した。生成した組成物をソックスレー抽出器を用
いて精製した。組成物の性状値及びこれからなるブレン
ド物の接着強度を表2に示した。
比較例5 実施例5で用いたエチレン・ビニルアルコール共重合体
100重量部と無水安息香酸100重量部からなるドライブレ
ンド物を調整し、実施例10と同様の方法で表3に示した
性状値の重合物を得た。
この重合物よりなるブレンド物の接着強度を表3に示し
た。
実施例11 2−ヒドロキシエチルアクリレート(21モル%)と安息
香酸ビニル(79モル%)とからなるランダム共重合体
(数平均分子量9,800,GPC法,ポリスチレン換算)100重
量部に対し実施例1で用いた無水マレイン酸グラフトポ
リプロピレンを20重量部添加し、15φ押出機(200℃)
に供給し滞留時間約3分で押出した。
生成物の性状値及び接着強度を表3に示した。
実施例12 2−ヒドロキシエチルアクリレート(25モル%)とケイ
皮酸ビニル(75モル%)とからなるランダム共重合体
(数平均分子量5,300,GPC法,ポリスチレン換算)を実
施例11の2−ヒドロキシエチルアクリレート・安息香酸
ビニル共重合体の代りに用いる他は実施例11と同様に表
3に示した重合物(C)を得た。接着強度を表3に示し
た。
実施例13ないし17 塩素含有重合体として、ポリ塩化ビニリデンの代りに、
ポリ塩化ビニル〔三井東圧化学(株)製,商品名ビニク
ロン4000−H〕および塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体
〔チッソ(株)製,商品名ニポリット−MH,酢酸ビニル5
wt%含有〕を用い、樹脂温度を各々200℃、220℃とする
他は実施例1と同様の方法により、実施例5で用いた安
息香酸エステル化ポリマーの接着強度を測定した。結果
を表4に示した(実施例13および14)。
芳香族系重合体として、ポリエステルテレフタレートの
代りに、ポリカーボネート〔帝人化成(株)製、商品名
パンライトL−1250〕、グラフト化ポリフェニレンオキ
シド〔旭ダウ(株)製,商品名ザイロン300V〕、および
ポリスチレン〔三井東圧化学工業(株)製,商品名トー
ポレックスGP−500−51〕を用い、樹脂温度を各々280
℃、320℃、および200℃とする他は実施例1と同様の方
法により、実施例5で用いた安息香酸エステル化ポリマ
ーの接着強度を測定した。結果を表4示した(実施例15
ないし17)。

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エチレン系不飽和カルボン酸又はその無水
    物をグラフトしたポリオレフィンと側鎖にアルコール性
    水酸基を有する炭素−炭素鎖樹脂とのエステル化反応物
    からなる重合体であって、該エステル化反応物中にアル
    コール性水酸基を置換した下記式 Ar−COO− 式中、Arはアリール基又はスチリル基を示す、 で表わされるエステル基が、重合体100g当り10乃至655
    ミリモルの濃度で存在することを特徴とする重合体。
  2. 【請求項2】カルボキシル基及び/又はカルボン酸無水
    物基がカルボキシル基換算で重合体100g当り0.3乃至95
    ミリモルの濃度で存在する特許請求の範囲第1項記載の
    重合体。
  3. 【請求項3】前記ポリオレフィンがプロピレン及び/又
    はエチレンを主体とするポリオレフィンである特許請求
    の範囲第1項記載の重合体。
  4. 【請求項4】前記ポリオレフィンが1,000乃至100,000の
    数平均分子量を有する特許請求の範囲第1項記載の重合
    体。
  5. 【請求項5】エステル化反応物中のAr−COO−エステル
    基含有炭素−炭素鎖樹脂成分が、側鎖に式 Ar−COO− のエステル基を含有するエチレン系不飽和単量体を含有
    する重合体、又は該エチレン系不飽和単量体単位とオレ
    フィン単位とから成る共重合体である特許請求の範囲第
    1項記載の重合体。
  6. 【請求項6】エステル化反応物中のAr−COO−エステル
    基含有炭素−炭素樹脂成分が500乃至100,000の数平均分
    子量を有する特許請求の範囲第1項記載の重合体。
  7. 【請求項7】エステル化反応物中のグラフトしたポリオ
    レフィン成分(A)とAr-COO−エステル基含有炭素−炭
    素鎖樹脂成分(B)とが3:97乃至80:20の量比で存在す
    る特許請求の範囲第1項記載の重合体。
  8. 【請求項8】前記エステル化反応物中のグラフトしたポ
    リオレフィン成分(A)とAr−COO−エステル基含有炭
    素−炭素鎖樹脂成分(B)とがエステル基を介して連結
    している特許請求の範囲第1項記載の重合体。
  9. 【請求項9】前記エステル化反応物が式 式中、A1は側鎖にカルボキシル基及び/又はカルボン酸
    無水物基を含むポリオレフィン鎖を表わし、B1は側鎖に
    式 Ar−COO− 式中、Arはアリール基又はスチリル基を示す、 で表わされるエステル基を含む重合体鎖を表わす、 で表わされるブロック結合構造を有する特許請求の範囲
    第8項記載の重合体。
  10. 【請求項10】エステル化反応物の一方のポリオレフィ
    ン鎖A1が実質上ポリプロピレン鎖であり、他方のポリオ
    レフィン鎖B1が実質上エチレン・安息香酸ビニル重合体
    鎖である特許請求の範囲第9項記載の重合体。
  11. 【請求項11】I.エチレン系不飽和カルボン酸又はその
    無水物をグラフトしたポリオレフィンと側鎖にアルコー
    ル性水酸基を有する炭素−炭素鎖樹脂とのエステル化反
    応物からなる重合体であって、該エステル化反応物中に
    アルコール性水酸基を置換した下記式 Ar−COO− 式中、Arはアリール基又はスチリル基を示す、 で表わされるエステル基が10乃至655ミリモル/100g−重
    合体の濃度で存在する重合体、と II.ポリオレフィン より成り、前記Ar−COO−基が、重合体(I)とポリオ
    レフィン(II)の合計量に対し10乃至655ミリモル/100g
    の濃度で存在し、カルボキシル基及び/又はカルボン酸
    無水物基がカルボキシル基換算で重合体(I)とポリオ
    レフィン(II)の合計量に対し0.3乃至95ミリモル/100g
    の濃度で存在する重合体組成物。
  12. 【請求項12】ポリオレフィン(II)が、ポリプロピレ
    ン、プロピレン−ブテン−1共重合体又はポリエチレン
    である特許請求の範囲第11項記載の重合体組成物。
  13. 【請求項13】エチレン系不飽和カルボン酸又はその無
    水物をグラフトしたポリオレフィンと、側鎖にアルコー
    ル性水酸基を有する炭素−炭素鎖樹脂とを、両者の間に
    少なくとも部分的にエステル化反応が生じるが、アルコ
    ール性水酸基が残存する条件下に混合し、生成するアル
    コール性水酸基含有樹脂に式 ArCOX 式中、Arはアリール基又はスチリル基を示し、Xはハロ
    ゲン原子である、 の酸ハライドを反応させることを特徴とする重合体の製
    法。
  14. 【請求項14】酸無水物グラフトポリオレフィンが無水
    マレイン酸グラフトポリオレフィンである特許請求の範
    囲第13項記載の重合体の製法。
  15. 【請求項15】側鎖にアルコール性水酸基を有する炭素
    −炭素鎖樹脂がエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物
    である特許請求の範囲第13項記載の重合体の製法。
  16. 【請求項16】グラフトしたポリオレフィンと側鎖にア
    ルコール性水酸基を有する炭素−炭素鎖樹脂とを、溶融
    条件下に混合する特許請求の範囲第13項記載の重合体の
    製法。
  17. 【請求項17】エチレン系不飽和カルボン酸又はその無
    水物をグラフトしたポリオレフィンと、側鎖にアルコー
    ル性水酸基を有する炭素−炭素鎖樹脂と、式 (ArCO)2O 式中、Arはアリール基又はスチリル基を表わす、 の酸無水物とを、グラフトポリオレフィンと水酸基含有
    炭素−炭素樹脂の間に少なくとも部分的にエステル化反
    応を生じ、且つ過剰の水酸基と(ArCO)2Oで表わされる
    酸無水物との間にエステル化反応が生じる条件下に混合
    することを特徴とする重合体の製法。
  18. 【請求項18】エチレン系不飽和カルボン酸又はその無
    水物をグラフトしたポリオレフィンと、側鎖にアルコー
    ル性水酸基と式 Ar−COO− 式中、Arはアリール基又はスチリル基を示す、 で表わされるエステル基の両方を有する炭素−炭素鎖樹
    脂とを、両者の間に少なくとも部分的にエステル化反応
    を生じる条件下に混合することを特徴とする重合体の製
    法。
  19. 【請求項19】エチレン系不飽和カルボン酸又はその無
    水物をグラフトしたポリオレフィンと側鎖にアルコール
    性水酸基を有する炭素−炭素鎖樹脂とのエステル化反応
    物からなる重合体であって、該エステル化反応物中にア
    ルコール性水酸基を置換した下記式 Ar−COO− 式中、Arはアリール基又はスチリル基を示す、 で表わされるエステル基が重合体100g当り10乃至655ミ
    リモルの濃度で存在することを特徴とする重合体から成
    る塩素含有重合体用又は芳香族系重合体用接着剤。
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