JPH0692424B2 - リン酸エステルの製造法 - Google Patents

リン酸エステルの製造法

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JPH0692424B2
JPH0692424B2 JP61173089A JP17308986A JPH0692424B2 JP H0692424 B2 JPH0692424 B2 JP H0692424B2 JP 61173089 A JP61173089 A JP 61173089A JP 17308986 A JP17308986 A JP 17308986A JP H0692424 B2 JPH0692424 B2 JP H0692424B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は新規なリン酸エステル、更に詳細には次の一般
式(I)、 (式中、Xはハロゲンを示し、R1は炭素数1〜36の直鎖
もしくは分岐鎖の、水素原子がフツ素原子で置換されて
いてもよいアルキル基またはアルケニル基、または炭素
数1〜15の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基で置換され
たフエニル基を示し、R2は炭素数2〜3のアルキレン基
を示し、nは0〜30の数を示し、Mは水素原子、アルカ
リ金属、アルカリ土類金属、アンモニウムまたはアルキ
ルアミンもしくはアルカノールアミンの塩であることを
示す) で表わされるリン酸エステルの製造法に関する。
〔従来の技術および発明が解決しようとする問題点〕
リン酸エステルは、洗浄剤、繊維処理剤、乳化剤、防錆
剤、液状イオン交換体、または医薬品等として幅広い分
野で利用されている。
而して、リン酸エステルのなかでも、リン酸モノエステ
ルのアルカリ金属塩は、界面活性能等の機能の点で他の
リン酸エステル、例えばリン酸ジエステルのアルカリ金
属塩に比べ格段に優れている。例えば、長鎖アルキルア
ルコールのリン酸モノエステルのアルカリ金属塩、ある
いはアルカノールアミン塩は水溶性で、かつ、その水溶
液は起泡力、洗浄力がきわめて良好であるのに対し、リ
ン酸ジエステル塩は水にほとんど溶解せず、起泡力はほ
とんどなくかえつて抑泡性を示す。
一方、洗浄剤として現在使用されているものは、アルキ
ル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルフアー
オレフインスルホン酸塩などがあるが、これらの界面活
性剤は皮膚荒れをおこすものが多く、近年、刺激の少な
い界面活性剤としてリン酸モノエステル塩が用いられて
いる。
ところで生体内にはレシチン、ホスフアチジルセリン等
リン脂質と呼ばれる同一分子内に四級アンモニウム塩を
有するリン酸エステル型の界面活性剤が数多く含まれて
おり、これらリン脂質は、表面活性、乳化性、及び生理
学的な特性を示すため、多方面にわたつて使用されてい
る。従つてこれらのリン脂質に類似した構造を有する物
質はモノアルキルリン酸塩に比べて、さらに生体に対す
る刺激性が低いであろうことが予想され、種々のリン脂
質類似物質の合成が行われている。しかしながら、その
合成は多くの場合多段階の反応を必要とするため目的物
は低収率でしか得ることができないものが多かつた〔例
えば、イー.ベア(E.Baer)等、ジヤーナル・オブ・ザ
・アメリカン・ケミカル・ソサイエテイー(J.Amer.Che
m.Soc.),72,942(1950)〕。
斯かる実情において、本発明者らの一部は先に簡単な操
作で次の一般式(IV)、 (式中、R3は置換基を有することのある炭素数8〜32の
飽和または不飽和の直鎖または分岐鎖の炭化水素基を示
し、R5、R6及びR7は同一または異なつてもよい、炭素数
1〜4の飽和または不飽和の炭化水素基を示し、R4は炭
素数2〜3のアルキレン基であり、mは0〜50の整数を
示す)で表される同一分子内に四級アンモニウム塩を有
する化合物を開発した(特願昭59−39042)。すなわ
ち、この化合物は次の反応式に従い、式(V)で表わさ
れるモノアルキルリン酸のモノアルカリ金属塩に式(V
I)で表されるグリシジルトリアルキルアンモニウム塩
を反応させることにより容易に製造でき、例えばドデシ
ル 2−ヒドロキシ−3−N,N,N−トリメチルアンモニ
オプロピルリン酸(化合物(IV)においてR3=C12H25、
R5=R6=R7=CH3、m=0)は優れた洗浄作用を有し、
しかも生体に対する刺激性が極めて低いことを見出し
た。
(式中、M1はアルカリ金属を示し、X1は陰イオンを示
し、R3、R4、R5、R6、R7およびmは前記した意味を有す
る) しかし、現在工業的に供給可能なグリシジルトリアルキ
ルアンモニウム塩(VI)は、グリシジルトリメチルアン
モニウムクロライドのみであり、種々のアルキルアミノ
基を有する化合物を工業的に得るのは難しかつた。
一方、高分子の分野においては様々な機能を高分子物質
に付加させる研究が進められており、リン酸酸性基やリ
ン酸エステルのもつ機能、例えば、界面活性能、キレー
ト能、帯電防止能等の機能を高分子化合物に付加させる
研究が近年盛んに行われている。
高分子化合物の中にこういつたリン化合物をとりいれる
方法には、 高分子化合物にリン化合物をブレンドする。
高分子化合物の中の反応性官能基、例えば、水酸基を
リン酸化する。
モノマーとしてのリン化合物を用いて高分子化する。
の三通りの方法が考えられる。しかしながら、の方法
ではブレンドしたリン化合物が溶出等で高分子化合物か
らでていく欠点があり、さらに、の方法ではリン酸化
剤が限定され、また、思つたとおりにリン酸化できない
といつた欠点を有している。従つて、の方法で使用さ
れるモノマーとしてのリン化合物、例えば重合基を有す
るリン酸エステルの開発が望まれていた。
さらに、高分子の利用形態の一つである高分子膜の分野
においては、生体膜の持つている機能、例えば、区画形
成や物質の選択的な輸送機能を人工的に造りだし、広く
工学、医学、薬学等の幅広い分野へ応用を図ろうとする
研究も近年盛んに行われてきている。この生体膜が人工
高分子膜と異なる点は、その構造で、生体膜では分子は
秩序良く配向し、例えば二分子膜構造を形成している点
である。この配向性は生体膜の構成成分であるリン脂質
分子の持つ物理的機能、いわゆる疎水基と親水基を持つ
両親媒性化合物特有の自ら重合し組織化する性質による
ものである。従つて、膜等に用いる材としてのモノマー
を考えた場合、そのモノマーの持つている化学的性質ば
かりでなく物理的性質、例えば界面活性能や自己組織能
を有する化合物が益々注目されており、種々の界面活
性、生体親和性等の機能を有するリン酸エステル系のモ
ノマーの合成が行われているが工業的に得るのは難しか
つた。
〔問題点を解決するための手段〕
かかる実情において、本発明者は鋭意研究を行つた結
果、高純度のリン酸モノエステルが優れた界面活性能を
有していること、及びリン酸モノエステルのモノアルカ
リ金属塩が水溶性で、かつ、水溶液系でリン酸モノエス
テルのモノアルカリ金属塩とエピハロヒドリンとが選択
性良く反応することを利用することによりリン酸エステ
ルに官能基を選択性よく導入できること、しかも目的の
化合物が高純度で容易に得られることを見い出した。さ
らに、この化合物が種々のトリアルキルアミンと反応さ
せることにより、先に示した式(IV)で表される化合物
に容易に転換できる原料になること、さらにまた、この
化合物がアルカリによりエポキシ環を形成し、リン酸エ
ステル系のモノマーに容易に転換できる原料となること
を見出し本発明を完成した。
従つて、本発明は新規な(I)式で表わされるリン酸エ
ステルを製造するための新規な製造法を提供するもので
ある。
本発明の式(I)で表されるリン酸エステルにおいて、
R1で表される炭素数1〜36の直鎖もしくは分岐鎖の、水
素がフツ素原子で置換されていてもよいアルキル基また
はアルケニル基としては、メチル、エチル、ブチル、オ
クチル、デシル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシ
ル、オクタデシル、ドコシル、テトラコシル、トリアコ
ンチル、2-エチルヘキシル、2-オクチルドデシル、2-ド
デシルヘキサデシル、2-テトラデシルオクタデシル、エ
メリーイソステアリル、オクテニル、デセニル、ドデセ
ニル、テトラデセニル、ヘキサデセニル、オクタデセニ
ル、ドコセニル、テトラコセニル、トリアコンテニル、
ノニルフエニル、トリデカフルオロオクチル、ヘプタデ
カフルオロデシル、ヘンエイコサフルオロドデシル、ペ
ンタコサフルオロテトラデシル、ノナコサフルオロヘキ
サデシル、トリトリアコンタフルオロオクタデシル、2-
ペンタフルオロエチルペンタフルオロヘキシル、2-トリ
デカフルオロヘキシルトリデカフルオロデシル、2-ヘプ
タデカフルオロオクチルヘプタデカフルオロドデシル、
2-ヘンエイコサフルオロデシルヘンエイコサフルオロテ
トラデシル、2−ペンタコサフルオロドデシルペンタコ
サフルオロヘキサデシル、2-ノナコサフルオロテトラデ
シルノナコサフルオロオクタデシル基等が挙げられる
が、就中、界面活性能、自己組織能の点で炭素数8〜36
のものが好ましい。
本発明のリン酸エステル(I)は、例えば一般式(I
I)、 (式中、R1、R2、M1およびnは前記した意味を有する) で表わされるリン酸モノエステル塩と、一般式(II
I)、 (式中、Xはハロゲンを示す) で表わされるエピハロヒドリンとを反応させ、更に必要
により遊離酸とするか又は他の塩に変換することによつ
て製造される。
本発明において用いられる一般式(II)で表されるリン
酸モノエステルのモノアルカリ金属塩の製造に使用され
るリン酸モノエステルは、対応する有機ヒドロキシ化合
物に五酸化リン、オキシ塩化リン、ポリリン酸等のリン
酸化剤を反応させることにより製造することができ、そ
のいずれの方法で得られたものでもよいが、本発明のリ
ン酸エステル(I)の製造に使用されるリン酸モノエス
テル塩(II)は高純度であるのが好ましい。すなわち、
五酸化リンやオキシ塩化リンをリン酸化剤として用いた
時に副生するリン酸ジエステル塩が含まれると、リン酸
モノエステルとしての界面活性能、自己組織能が低下、
もしくはなくなり、さらに次にエポキシ化合物との反応
において目的化合物の純度を低下させるとともに、高純
度の目的化合物を得るための精製が困難になる。また、
ポリリン酸をリン酸化剤として用いた時に副生するオル
トリン酸塩もエポキシ化合物との反応において目的の反
応の収率を低下させ、さらに目的化合物の純度を低下さ
せるとともに、高純度の目的化合物を得るための精製が
困難になる。従つて、リン酸モノエステル塩(II)の純
度としては、90重量%以上の純度のものを使うことが好
ましい。このような高純度のリン酸モノエステルを工業
的に製造する方法としては、本発明者の一部により開発
された方法(特願昭59−138829号)等が挙げられ、ま
た、モノポリオキシエチレンあるいはポリオキシプロピ
レンアルキルエーテルリン酸とオルトリン酸との混合物
からオルトリン酸を除去する方法は、本発明者の一部に
より開発されている(特願昭59−251409号)。
上記反応において、エピハロヒドリン(III)は、リン
酸モノエステルのモノアルカリ金属塩(II)1モルに1
対して1〜10モル、特に3〜5モル反応させるのが好ま
しい。
リン酸モノエステルをモノアルカリ金属塩にすることな
く反応を行うと、目的化合物ばかりでなく、更にもう1
モルの式(III)で表される化合物が反応したリン酸ト
リエステルが副生し目的化合物の収率を低下させ好まし
くない。従つて、本反応を実施するに際しては、リン酸
モノエステルはモノアルカリ金属塩(II)の形で使用す
ることが必要である。
反応に用いる溶媒としては、不活性な極性溶媒が好まし
く、例えば水、メチルアルコール、エチルアルコール等
を挙げることができ、就中水が好ましい。この水を溶媒
として用いることができるということは、工業的に製造
する場合には安全性の点からも極めて好ましいものであ
る。
反応温度としては30〜100℃、特には50〜90℃で反応を
行うのが好ましい。
得られた反応液中には目的とする式(I)で示される化
合物の他に未反応の式(III)で示される化合物、ある
いは式(III)で示される化合物の加水分解物が含まれ
ている。斯くして得られる反応生成物は、その使用目的
によつてはそのまま用いることも可能であるが、更に精
製することにより高純度品とすることができる。例えば
ドデシル 2−ヒドロキシ−3−クロロプロピルリン酸
ナトリウム(式(I)の化合物においてR1=C12H25、X
=Cl、M=Na)の場合には、ドデシルリン酸ナトリウム
の水溶液にエピクロルヒドリンを反応させた後、水を留
去させるか、もしくは反応液に塩化ナトリウム、塩化カ
リウム等の電解質を飽和させ有機物をエチルエーテル等
の有機溶剤に抽出した後エチルエーテルを留去して、水
と分離し、アセトンを加え、生成したドデシル 2−ヒ
ドロキシ−3−クロロプロピルリン酸ナトリウムを析出
させて、アセトンに可溶なエピクロルヒドリン、及びそ
の加水分解物と分離することにより純度のよい目的物を
得ることができる。また、他の精製法として、反応液を
酸性にし、有機物をエチルエーテル等の有機溶剤に抽出
した後よく水で洗いエピクロルヒドリンの加水分解物を
除き、次に、有機層からアルカリ水溶液でドデシル 2
−ヒドロキシ−3−クロロプロピルリン酸を抽出する。
この水溶液を酸性にし、エチルエーテル等の有機溶媒に
抽出した後エチルエーテルを留去するとドデシル 2−
ヒドロキシ−3−クロロプロピルリン酸を得ることがで
きる。あるいは更にアンモニウム、アルキルアミン、ア
ルカノールアミン等の塩基により中和して用いてもよ
い。
尚、反応条件によつては、本発明の一般式(I)で表さ
れるリン酸エステルの他、下記の一般式(VII)で表さ
れるリン酸エステルが少量生成されることがある。
(式中、Mは水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金
属、アンモニウムまたはアルキルアミンもしくはアルカ
ノールアミンの塩であることを示し、X、R1、R2および
nは前記した意味を有する) 〔本発明の効果〕 本発明のリン酸エステル(I)を用い、次の反応式に従
つてこれを種々のトリアルキルアミンと反応させれば、
従来工業的に得るのが困難であつた分子内に四級アンモ
ニウム塩を有するリン脂質類似体(VIII)を容易に製造
することができる。
(式中、R1、R2、R5、R6、R7およびnは前記した意味を
有する) また、本発明のリン酸エステル(I)は、これにアルカ
リを作用させると容易に脱ハロゲン化水素をおこし、重
合性基を有する式(IX)で表わされるリン酸エステルに
転換することができる。
(式中、R1、R2、Mおよびnは前記した意味を有する) 〔実施例〕 次に実施例および試験例を挙げて説明する。
実施例1 反応器に純度97%のモノドデシルリン酸200g〔0.73モ
ル、ただしこの試料のAV1(本リン酸モノエステルの試
料1gを第一当量点まで中和するのに必要なKOHのmg数、
以下も同様)=210.3、AV2(本リン酸モノエステルの試
料1gを第二当量点まで中和するのに必要なKOHのmg数、
以下も同様)=420.8であつた〕を投入し、1規定水酸
化ナトリウム水溶液750mlを加えて攪拌し、80℃に昇温
して均一にした。この時反応系の酸価(試料1gを中和す
るのに必要なKOHのmg数、以下も同様)は42.9であつ
た。次に反応系を80℃に保ちながら、エピクロルヒドリ
ン347g(3.75モル)を徐々に加え、この温度で4時間攪
拌した。この時、反応系の酸価はほぼ0になり、反応が
完結したことが分かる。次に、反応液を凍結乾燥して残
つた不揮発性液体残渣にアセトン1000mlを加え5℃で冷
蔵放置した。1日後、析出してきた結晶を取り、アセト
ンで再結晶すると、ドデシル 2−ヒドロキシ−3−ク
ロロプロピルリン酸ナトリウムの白色結晶193g(収率6
9.4%)が得られた。1 H NMR: δ0.8ppm(t,3H,−P−OCH2(CH2)10CH3 ) δ1.3ppm(broad s,20H,−P−OCH2(CH 2)10CH3) δ3.4〜4.1ppm(broad,7H, 13C NMR δ(ppm)1;14.6,k;23.5,f;26.7,gi;30.4 h;30.7,e;31.6,j;32.8,a;45.2 c;67.0,b;70.7,d;72.3 標準試料:Si(CH3)4 IR(KBr) 第1図 試験例1 実施例1で得たドデシル 2−ヒドロキシ−3−クロロ
プロピルリン酸ナトリウム50g(0.13モル)を反応器に
投入し、水、エタノール混合溶媒中でドデシルジメチル
アミン28.8g(0.13モル)と反応させた。HPLC(高速液
体クロマトグラフイー、以下も同じ。)で分析したとこ
ろ原料のピークが消え、新たな生成物のピークが見られ
た。これから生成物をHPLCで分取し、溶媒を減圧留去す
るとドデシル 2−ヒドロキシ−3−N−ドデシル−N,
N−ジメチルアンモニオプロピルリン酸ナトリウムが得
られた。
試験例2 実施例1で得たドデシル 2−ヒドロキシ−3−クロロ
プロピルリン酸ナトリウム10g(0.026モル)を反応器に
投入し、水25gを加え溶解させた。反応器を氷冷冷却
し、攪拌しながら水酸化ナトリウム1.0gを含んだ水溶液
6gを加え1.5時間攪拌した。反応液を凍結乾燥し1H−NMR
で確認すると原料がほとんどなくなりドデシル グリシ
ジルリン酸ナトリウムが生成していることがわかつた。
実施例2 実施例1と同様に、純度97%のモノオクタデシルリン酸
200g(0.55モル、ただしこの試料のAV1=160.7、AV2=3
21.5)を1規定水酸化カリウム水溶液573mlに55℃で溶
解し(この時の反応系の酸価は40.3であつた)、エピク
ロルヒドリン265g(2.86モル)を徐々に加え、この温度
で20時間攪拌した。この時の反応系の酸価はほぼ0でリ
ン酸モノエステルの反応率はほぼ100%であることがわ
かる。反応液を室温まで冷却し、分液ロートに移して濃
塩酸でpH1にした後、400mlのエチルエーテルで2回抽出
した。有機層を合わせ200mlの水で5回洗浄し、次に1
規定水酸化カリウム水溶液500mlで2回抽出した。この
水層を400mlのエチルエーテルで1回洗浄した後、濃塩
酸でpH1にして400mlのエチルエーテルで2回抽出し、エ
チルエーテルを減圧留去するとオクタデシル 2−ヒド
ロキシ−3−クロロプロピルリン酸198g(収率81.2%)
が得られた。
実施例3 純度92%のモノ2−ヘキシルデシルリン酸20g(0.057モ
ル、ただしこの試料のAV1=167.2、AV2=329.8)を1規
定水酸化カリウム水溶液59.6ml中に分散し(この時の反
応系の酸価は39.5であつた)、80℃でエピクロルヒドリ
ン16.5g(0.178モル)を徐々に加え、この温度で8時間
攪拌した。この時の反応系の酸価は、ほぼ0でリン酸モ
ノエステルの反応率は、ほぼ100%であることがわか
る。反応液をHPLC(高速液体クロマトグラフイー、以下
も同じ。)で分析したところ、エピクロルヒドリンの加
水分解物と新たな生成物のピークが見られた。これから
生成物をHPLCで分取し、溶媒を減圧留去すると 2−ヘ
キシルデシル 2−ヒドロキシ−3−クロロプロピルリ
ン酸ナトリウムが20.5g(収率82.3%)得られた。
実施例4 反応器に、純度94%のモノ2−デシルテトラデシルリン
酸20g(0.043モル、ただしこの試料のAV1=134.2、AV2
=267.1)を投入し、1規定水酸化カリウム水溶液47.8m
lを加えて攪拌し、70℃に昇温して均一に分散させた
(この時の反応系の酸価は37.9であつた)。次に反応系
を70℃に保ちながらエピクロルヒドリン13.2g(0.143モ
ル)を徐々に滴下し、この温度で20時間攪拌した。この
時の反応系の酸価は、ほぼ0でリン酸モノエステルの反
応率は、ほぼ100%であることがわかる。HPLCで生成物
を分取し、溶媒を減圧留去すると2−デシルテトラデシ
ル 2−ヒドロキシ−3−クロロプロピルリン酸カリウ
ムが19.8g(収率81.5%)得られた。
HPLCで分析した結果、純度は98〜99%であつた。
実施例5 反応器に、純度99%のモノブチルリン酸20g(0.13モ
ル、ただしこの試料のAV1=360.6、AV2=721.3)を投入
し、1規定水酸化ナトリウム水溶液129mlを加えて攪拌
し、70℃で溶解した(この時の反応系の酸価は46.7であ
つた)。次に反応系を70℃に保ちながらエピクロルヒド
リン59.2g(0.64モル)を徐々に滴下し、この温度で20
時間攪拌した。この時の反応系の酸価はほぼ0でリン酸
モノエステルの反応率はほぼ100%であることがわか
る。HPLCで生成物を分取し、溶媒を減圧留去するとブチ
ル 2−ヒドロキシ−3−クロロプロピルリン酸ナトリ
ウムが30.2g(収率86.5%)得られた。
HPLCで分析した結果、純度は98〜99%であつた。
実施例6 反応器に、純度98%のモノトリオキシエチレンドデシル
リン酸20g(0.049モル、ただしこの試料のAV1=142.8、
AV2=288.2)を投入し、1規定水酸化カリウム水溶液5
0.9mlを加えて攪拌し、80℃で溶解した(この時の反応
系の酸価は39.5であつた)。次に反応系を80℃に保ちな
がらエピクロルヒドリン22.7g(0.25モル)を徐々に滴
下し、この温度で6時間攪拌した。この時の反応系の酸
価はほぼ0でリン酸モノエステルの反応率はほぼ100%
であることがわかる。HPLCで生成物を分取し、溶媒を減
圧留去するとトリオキシエチレンドデシル 2−ヒドロ
キシ−3−クロロプロピルリン酸カリウムが19.3g(収
率74.5%)得られた。
HPLCで分析した結果、純度は98〜99%であつた。
実施例7 反応器に、純度90%のモノノニルフエニルリン酸20g
(0.060モル、ただしこの試料のAV1=168.2、AV2=338.
2)を投入し、1規定水酸化カリウム水溶液60.0mlを加
えて攪拌し、80℃で均一に分散させた(この時の反応系
の酸価は42.3であつた)。次に反応系を80℃に保ちなが
らエピクロルヒドリン27.8g(0.30モル)を徐々に滴下
し、この温度で6時間攪拌した。この時の反応系の酸価
はほぼ0でリン酸モノエステルの反応率はほぼ100%で
あることがわかる。HPLCで生成物を分取し、溶媒を減圧
留去するとノニルフエニル 2−ヒドロキシ−3−クロ
ロプロピルリン酸カリウムが18.1g(収率70.0%)得ら
れた。
HPLCで分析した結果、純度は98〜99%であつた。
実施例8 反応器に、純度90%のモノオクタデセニルリン酸20g
(0.052モル、ただしこの試料のAV1=165.0、AV2=323.
2)を投入し、1規定水酸化カリウム水溶液58.8mlを加
えて攪拌し、80℃で均一に分散させた(この時の反応系
の酸価は40.2であつた)。次に反応系を80℃に保ちなが
らエピクロルヒドリン24.1g(0.26モル)を徐々に滴下
し、この温度で6時間攪拌した。この時の反応系の酸価
はほぼ0でリン酸モノエステルの反応率はほぼ100%で
あることがわかる。HPLCで生成物を分取し、溶媒を減圧
留去するとオクタデセニル 2−ヒドロキシ−3−クロ
ロプロピルリン酸カリウムが16.9g(収率67.8%)得ら
れた。
HPLCで分析した結果、純度は98〜99%であつた。
実施例9 反応器に、純度97%のモノヘプタデカフルオロデシルリ
ン酸20g(0.036モル、ただしこの試料のAV1=108.9、AV
2=217.0)を投入し、1規定水酸化ナトリウム水溶液3
8.8mlを加えて攪拌し、70℃で溶解した(この時の反応
系の酸価は35.7であつた)。次に反応系を70℃に保ちな
がらエピクロルヒドリン13.3g(0.14モル)を徐々に滴
下し、この温度で24時間攪拌した。この時の反応系の酸
価はほぼ0でリン酸モノエステルの反応率はほぼ100%
であることがわかる。HPLCで生成物を分取し、溶媒を減
圧留去するとヘプタデカフルオロデシル 2−ヒドロキ
シ−3−クロロプロピルリン酸ナトリウムが19.6g(収
率83.5%)得られた。
HPLCで分析した結果、純度は98〜99%であつた。
参考例1 実施例1と同じモノドデシルリン酸200gを反応器に投入
し、これにイオン交換水750mlを加えて攪拌し、80℃に
昇温したが、モノドデシルリン酸は溶解せず、分散状態
にあった。これに、反応系を80℃に保ちながら、エピク
ロルヒドリン347gを徐々に加え、この温度で4時間攪拌
した。反応溶液中には不溶物が多量に存在し、これを濾
取して、IRで確認したところ、原料のモノドデシルリン
酸であり、目的とするドデシル 2−ヒドロキシ−3−
クロロプロピルリン酸は全く得られなかった。
参考例2 実施例1と同じモノドデシルリン酸100gを反応器に投入
し、テトラヒドロフラン337gに溶解した。これにピリジ
ン8滴を加え、反応系を60℃に保ちながら、エピクロル
ヒドリン173gを徐々に加え、70℃で2時間反応させた。
得られた反応生成物を分析したところ、ドデシル 2−
ヒドロキシ−3−クロロプロピルリン酸が約8.1モル
%、ドデシル ビス(2−ヒドロキシ−3−クロロプロ
ピル)リン酸が約87.4モル%及び未反応のモノドデシル
リン酸が約4.5モルの混合物であった。
参考例3 実施例1と同じモノドデシルリン酸200gを反応器に投入
し、2規定水酸化ナトリウム水溶液750mlを加えて攪拌
し、80℃に昇温して均一にした。この時反応系の酸価は
0.1以下であった。以下、実施例1と同様に操作し白色
結晶180gを得た。これをIRで確認したところ、ドデシル
ビス(2−ヒドロキシ−3−クロロプロピル)リン酸
であった。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例1で得られたドデシル 2−ヒドロキシ
−3−クロロプロピルリン酸ナトリウムの赤外線吸収ス
ペクトルを示す図面である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(II)、 (式中、R1は炭素数1〜36の直鎖もしくは分岐鎖の、水
    素原子がフッ素原子で置換されていてもよいアルキル基
    またはアルケニル基、または炭素数1〜15の直鎖もしく
    は分岐鎖のアルキル基で置換されたフェニル基を示し、
    R2は炭素数2〜3のアルキレン基を示し、nは0〜30の
    数を示し、M1はアルカリ金属を示す) で表わされるリン酸モノエステル塩と一般式(III)、 (式中、Xはハロゲンを示す) で表わされるエピハロヒドリンとを、溶媒として水又は
    水と低級アルコールの混合物を用いて反応させ、更に必
    要により遊離酸とするか又は他の塩に変換することを特
    徴とする一般式(I) (式中、Mは水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金
    属、アンモニウムまたはアルキルアミンもしくはアルカ
    ノールアミンの塩であることを示し、X、R1、R2および
    nは前記した意味を有する) で表わされるリン酸エステルの製造法。
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