JPH07100818B2 - 常温非時効性及び焼付硬化性の優れた冷延鋼板の製造方法 - Google Patents

常温非時効性及び焼付硬化性の優れた冷延鋼板の製造方法

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JPH07100818B2
JPH07100818B2 JP193287A JP193287A JPH07100818B2 JP H07100818 B2 JPH07100818 B2 JP H07100818B2 JP 193287 A JP193287 A JP 193287A JP 193287 A JP193287 A JP 193287A JP H07100818 B2 JPH07100818 B2 JP H07100818B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は常温非時効性及び焼付硬化性が優れ、さらに良
好な加工性を有する冷延鋼板の製造方法に関するもので
ある。
(従来の技術) 自動車の外板用素材として用いられる冷延鋼板は、深絞
り性、張出し性、形状性及び常温非時効性に優れている
ことが要求されるが、近年では耐デント性を向上させる
ために自動車製造工程中の塗装焼付(通常170℃前後)
後、鋼板の降伏応力が上昇する特性、すなわち焼付硬化
性が要求されることが多くなっている。
ところで、常温時効と焼付硬化はともに鋼板出荷時に鋼
板中に残存している固溶Cが拡散し、転位に偏析するこ
とによって起こる現象である。従って、焼付硬化量を増
加させるために固溶Cを多く残存させると常温非時効性
は劣化してしまう。常温非時効で高焼付硬化という相矛
盾した特性を得るために今日まで幾多の技術が開発され
てきたが、それらの多くには共通の技術思想が見い出さ
れる。
すなわち、鋼が硬化したりあるいはストレッチャー・ス
トレインが発生するにはある程度の量の固溶Cが転位ま
で拡散しなければならない。100℃×1時間(常温非時
効性を評価するときの熱処理条件)におけるCの拡散距
離は1300Åであるが、170℃×20分(焼付硬化性を評価
するときの熱処理条件)では5700Åとなる。つまり、同
量の固溶Cが残存していれば、後者の場合により多くの
固溶Cが転位に到達できるわけである。従って、焼鈍後
適当量の固溶Cを残存させると100℃×1時間ではスト
レッチャ・ストレインの発生は起こらないが、170℃×2
0分では、焼付硬化の生じることが可能な固溶C量が存
在する。過去の技術の多くは、この適当量の固溶Cを残
存させる方法について検討したものである。
具体的な例をあげれば、特公昭59−2726号公報は焼鈍温
度を2相域で行ない、セメンタイトを凝集させ冷却後の
Cの析出サイトを減らすことによって適当量の残存固溶
Cを得る技術である。さらに特公昭57−57937号公報で
は冷却速度をも規定した方法が示されている。また、特
公昭60−17004号公報ではNb添加極低炭素鋼を用い連続
焼鈍後650℃までの冷却速度を制御することによって適
当量の固溶Cを残存させる方法が示されている。
(発明が解決しようとする問題点) しかしながら、従来のかかる技術では常温非時効性は良
好であるが、焼付硬化量が小さくユーザーの要求を十分
満足させることはできない。
(問題点を解決するための手段) そこで、本発明者らはかかる問題を解決するため詳細な
研究を行なった結果、通常のアルミキルド鋼にMo,Sn,Sb
のうちいずれか1種を添加することによって常温非時効
性を保ちながら従来よりも高い焼付硬化性を得ることを
見い出したのである。
すなわち、本発明の要旨とするところは、 重量%で C:0.01〜0.04%,Mn:0.05〜0.4%,P:0.03%以下,Total A
l:0.02〜0.08%, かつ(イ)Mo:0.06〜0.35% (ロ)Sn:0.01〜0.1% (ハ)Sb:0.01〜0.1% のうちいずれか1種を含有し、残部はFe及び不可避的不
純物からなる熱延鋼板を冷間圧延した後再結晶温度以上
Ar3点以下の温度範囲での加熱、冷却、250℃以上400℃
以下の温度範囲での過時効処理のそれぞれを施こす連続
焼鈍を行ない、次いで調質圧延することを特徴とする常
温非時効性及び焼付硬化性の優れた冷延鋼板の製造方法
にある。
以下に本発明を詳細に説明する。最初に本発明の対象と
する鋼における各成分の限定理由について述べる。
まず、Cは0.01%以上存在しないと連続焼鈍後Cの過飽
和度が足りなくなり、常温非時効性が劣化する。また、
0.04%を超えるとr値や延性の劣化をもたらすので、C
は0.01〜0.04%とした。
Mnはその量が低い程、r値が向上する。従ってできる限
り低い方が好ましいが、熱間脆性を引き起こすSを無害
化するため0.05〜0.4%にする必要がある。
Pもその量が低い程r値が向上するので、0.03%以下と
する。
Total Alは強力な脱酸剤としての役割を有するのみなら
ず、鋼中のNをAlNとして固定し固溶Nによる常温時効
を防止する働きがあるので0.02%以上は必要である。し
かしながら0.08%を超えるとr値が劣化するためTotal
Alは0.02〜0.08%とする。
次に本発明における最も重要な特徴であるMo,Sn,Sb添加
理由について述べる。
前述したように出荷時に残存している固溶C量によって
常温非時効性と焼付硬化量が一義的に定まるが、本発明
者らは従来と同程度の常温非時効性を保ちつつより高い
焼付硬化性を有するような添加元素を見い出した。すな
わち、供試材として第1表に示すような成分を有する鋼
について通常の手段により製鋼、造塊、熱延(仕上げ温
度880℃、巻取り温度710℃)、冷延(圧下率75%)等を
行ない厚さ0.8mmの冷延板とした後、810℃で70秒間加熱
し、約100℃/secで冷却し、次いで350℃で4分間の過時
効処理を行なった後、1%のスキンパスを施した。
各試料について人工時効処理(100℃×1時間)後の降
伏伸びによって常温非時効性を評価した。これは降伏伸
びが0.2%以下まではストレッチャ・ストレインが発生
しないという対応関係があるからである。また、焼付硬
化性は〔2%引張−170℃×20分熱処理後の降伏応力〕
−〔2%引張時の応力〕をもって評価した。各元素の添
加量に対する焼付硬化量を第1図に、また人工時効後の
降伏伸びを第2図に示す。両図からわかるようにアムミ
キルド鋼にこれらの元素を添加すると、焼付硬化量は増
加していくが、人工時効後の降伏伸びは0.2%以下のま
まほとんど変化しない。第1図から焼付硬化量が顕著に
増加しはじめるのは、Moの場合0.06%以上、Snの場合は
0.01%以上、またSbの場合は0.01%以上である。これら
の元素の添加量を増す程焼付硬化量は上昇するが、一方
加工性は劣化していく。r値への影響を示したのが第3
図である。同図からr値が急激に劣化するのは、Moの場
合は0.35%超、Snでは0.1%超、Sbでは0.1%超である。
以上よりMoは0.06%〜0.35%、Snは0.01〜0.1%、Sbは
0.01〜0.1%とした。
Mo,Sn,Sbを添加することによって焼付硬化量が増加する
という現象の原因を調べるために、本実験に用いた試験
材に残存する固溶C量を内部摩擦法によって測定したと
ころ、各添加元素が増えるほど固溶C量が増加し、かつ
固溶C量と焼付硬化量との対応関係は従来から報告され
ている関係と一致することがわかった。従って、各添加
元素の増量によって焼付硬化量が上昇したのは、残存固
溶Cが増加したためであるといえる。残存固溶C量が増
加する理由についてはさだかではないが、これら元素
が、Cの拡散を遅らせること、あるいは炭化物の析出の
進行を抑制すること、などがありうると思われる。ま
た、これらの添加元素を増量することによって焼付硬化
量が上昇(すなわち残存固溶C量が増加)するにもかか
わらず、常温非時効性が劣化しない理由についても現在
のところ明らかではないが、本発明者らは以下のように
推測している。
すなわち、一般に鋼を軽加工する場合鋼中に転位の移動
の障害となるものが存在するとそうでない場合に比べて
同じ加工度に対する転位密度が高くなる。これは鋼に加
えられた全歪量を確保するのに転移の移動距離でかせげ
ない分を転位密度の上昇によって、補わなければならな
いからである。Mo,Sn,SbはいずれもFeに比べてその原子
半径が大きい。これらの元素が固溶していると転位の移
動の障害となり、スキンパス圧延時の転位密度の増加分
が大きくなる。残存固溶Cの増加にもかかわらず、常温
非時効性が劣化しないのはこのためであると考えられ
る。
次に、製造条件の限定理由について述べる。まず、通常
の熱延を終了した後の冷延における冷延圧下率は、加工
性とくにr値を確保するためには6.0%以上が望まし
い。連続焼鈍における加熱温度を再結晶温度以上とする
のは鋼を軟質化するための必要条件である。またAr3
を超えて焼鈍するとr値が劣化するので加熱温度は再結
晶温度以上Ar3点以下とする。加熱時間は特に限定しな
いが、長時間加熱すると異常粒成長が起こり肌荒れの原
因となる恐れがあるので5分以内が望ましい。加熱後の
冷却速度は特に限定しないが、過時効処理の時間を短縮
するためには5℃/sec以上が望ましい。
過時効処理についてはその温度を400℃超にすると残存
固溶C量が多くなりすぎ常温非時効性が劣化するため40
0℃以下とする。また、250℃未満の温度では過時効処理
の時間を長くしなければならない。従って、過時効処理
の温度は250℃以上400℃以下とする。過時効処理の時間
は特に限定しないが、連続焼鈍の性質上、30分以内が望
ましい。調質圧延はストレッチャ・ストレインを消すた
めに欠かせない工程である。圧下率は特に限定しない
が、1%程度が望ましい。
なお、本発明法に用いられる鋼は通常の製鋼、連鋳ある
いは普通造塊、分塊、熱延、冷延の各種工程を経て冷延
鋼板とすることができる。
次に、実施例により本発明の効果をさらに具体的に示
す。
(実施例) 第2表に示す鋼について通常の工程を経て厚さ0.8mmの
冷延板を製造した後、第3表に示す条件で、連続焼鈍及
び過時効処理を行ない、1%のスキンパスを施し、しか
るのち、第3表に示す時効前の機械的性質を調べ、さら
に人工時効処理(100℃×1時間)後の降伏伸び及び焼
付硬化量を〔2%歪−170℃×20分後の降伏応力〕−
〔2%歪時の応力〕の条件で測定した。なお、これら機
械的特性値はすべてJIS 5号試験片をインストロン型引
張試験機により測定した値である。
第3表において試番No.1〜No.11は本発明例、No.12〜N
o.18が比較例である。本発明例はいずれも人工時効後の
降伏伸びが0.2%以下とストレッチャ・ストレインが発
生しない条件を満たし、かつ焼付硬化量は4.8kg f/mm2
〜6.2kg f/mm2と高い値になっている。またr値も1.4以
上あり加工性も優れている。これに対して比較例No.15,
No.17及びNo.18は人工時効後の降伏伸びは0.2%以下で
あるが、焼付硬化量は3.7kg f/mm2〜4.0kg f/mm2と低
い。また、No.16は焼付硬化量は5.2kg f/mm2と高いが、
人工時効後の降伏伸びが0.5%もあり常温非時効性を満
足していない。比較例No.12〜No.14は添加元素を多量に
含有するため常温非時効でかつ高い焼付硬化性を有する
がr値が劣化した例である。
(発明の効果) 以上の実施例からも明らかなように、本発明によれば常
温非時効性に優れかつ高い焼付硬化性を有する冷延鋼板
の製造が可能となり産業上の効果は極めて顕著である。
【図面の簡単な説明】
第1図は焼付硬化量に及ぼすMo,Sn,Sb各元素の添加量の
影響を示した図、第2図は人工時効後の降伏伸びに及ぼ
すMo,Sn,Sb各元素の添加量の影響を示した図、第3図は
r値に及ぼすMo,Sn,Sb各元素の添加量の影響を示した図
である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量%で C:0.01〜0.04%,Mn:0.05〜0.4%, P:0.03%以下,Total Al:0.02〜0.08%, かつ(イ)Mo:0.06〜0.35% (ロ)Sn:0.01〜0.1% (ハ)Sb:0.01〜0.1% のうちいずれか1種を含有し、残部はFe及び不可避的不
    純物からなる熱延鋼板を冷間圧延した後再結晶温度以上
    Ar3点以下の温度範囲での加熱、冷却、250℃以上400℃
    以下の温度範囲での過時効処理のそれぞれを施こす連続
    焼鈍を行ない、次いで調質圧延することを特徴とする常
    温非時効性及び焼付硬化性の優れた冷延鋼板の製造方
    法。
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WO2007067014A1 (en) * 2005-12-09 2007-06-14 Posco Tole d'acier laminee a froid de haute resistance possedant une excellente propriete de formabilite et de revetement, tole d'acier plaquee de metal a base de zinc fabriquee a partir de cette tole et procece de fabrication de celle-ci
JP5765116B2 (ja) * 2010-09-29 2015-08-19 Jfeスチール株式会社 深絞り性および伸びフランジ性に優れた高強度溶融亜鉛めっき鋼板およびその製造方法

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