JPH0710239B2 - 診断用ポリヌクレオチド試薬複合体、溶液中での試薬複合体からの置換およびアフイニテイ分離を含むその使用法、ならびにその製法 - Google Patents

診断用ポリヌクレオチド試薬複合体、溶液中での試薬複合体からの置換およびアフイニテイ分離を含むその使用法、ならびにその製法

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JPH0710239B2 JP10188986A JP10188986A JPH0710239B2 JP H0710239 B2 JPH0710239 B2 JP H0710239B2 JP 10188986 A JP10188986 A JP 10188986A JP 10188986 A JP10188986 A JP 10188986A JP H0710239 B2 JPH0710239 B2 JP H0710239B2
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の背景 本発明は生物学的試料中における標的ヌクレオチド配列
(DNAまたはRNA)の存在を検出するための診断用アツセ
イ法、およびそのためのポリヌクレオチド試薬複合体に
関する。
生物学的試料中の特定のポリヌクレオチドの存在を検出
するための一般的な方法は、第1段階としてある表面に
試料の核酸を固定化することを一般に伴う。試料が固定
化されると、プローブ(probe)ポリヌクレオチド鎖
(通常は検出可能な標識、たとえば放射性リン原子で標
識されたもの)を固定化試料と共にインキユベートし、
これにより、固定化試料が標的ヌクレオチド配列を含む
場合プリン/ピリミジン塩基配列特異性の相補的塩基対
により、固定化試料に結合させる。こうしてハイブリツ
ド形成しなかつた標識プローブを洗い流したのち、支持
体上の標識の存否を測定する。この測定技術には写真フ
イルムの露光、液体シンチレーシヨン計数、および蛍光
鏡検法が含まれる。米国特許第4,358,535号明細書(フ
アルコウら、1982年)を参照されたい。
ワードら(欧州特許出願第63,879号明細書、1982年)は
この方法の変法について記述している。この方法におい
ては、プローブを検出可能な標識で直接に標識するので
はなく、プローブを非同位体置換基、たとえば特定のヌ
クレオチド上のビオチンで標識する。この場合、ハイブ
リツド形成していないプローブを洗い流したのち、支持
体を酵素に結合したアビジンなどの試薬と接触させる。
アビジン−酵素複合体は高いアビジン−ビオチン結合親
和性のため選択的にビオチンに結合し、これにより酵素
は標的ヌクレオチド配列が支持体上に固定化された部位
に選択的に固着する。次いで酵素に対する基質を添加し
て酵素反応生成物を検出することにより、支持体上の標
的ヌクレオチド配列の初期濃度に関数的に依存する増幅
された信号が得られる。欧州特許出願第97,373号明細書
(エンゾ・バイオケム社、1984年1月4日)も参照され
たい。
上記の非同位体系の変法も他の欧州特許出願明細書に記
載されている(スタンダード・オイル、イリノイ、欧州
特許出願第70,687号明細書、1983年)。その場合、一形
態(その8〜10頁を参照されたい)においては標的ヌク
レオチド配列に対して特異的な2種のプローブが用いら
れる。標的ヌクレオチド配列の第1の部分にハイブリツ
ド形成しうる第1プローブは固体支持体に固着してい
る。各種の標識を保有し、標的ヌクレオチド配列の別個
の第2の部分に選択的にハイブリツド形成しうる第2プ
ローブを次いで使用して、支持体と接触させる。標的ヌ
クレオチド配列が生物学的試料中に存在する場合、第2
プローブが第1プローブおよび標的ヌクレオチド配列を
介して支持体に結合した組合せ構造(またはサンドイツ
チ)が形成されるであろう。支持体を各段階における未
結合の溶液成分から分離することによつて、3回目の分
離後の支持体を含む相中の標識の存在は試料中の標的ヌ
クレオチド配列の存在および濃度の関数となるであろ
う。国際特許出願公開83/01459号明細書〔オリオン−イ
トマ・オイ(Orion−Yhtma Oy)、1983年4月29日〕も
参照されたい。
溶液中の二本鎖試料核酸を制限酵素で消化したのち紙
上の特定サイズの断片を検出することによる特異的標的
ヌクレオチド配列(鎌状赤血球貧血遺伝子)に対する他
の診断法が米国特許第4,395,486号明細書(ウイルソン
ら)に示されている。
以上の方法は多くの場合生物学的試料中のヌクレオチド
配列の存在を検出するであろうが、これらはそれぞれ多
数の工程を含むか、あるいは必然的にインキユベーシヨ
ン期間が長く、このためこれらの方法は臨床研究所で容
易に採用するためには実用的でない。さらにこれらの方
法の多くは妨害ポリヌクレオチド配列に関して、あるい
は低水準の標的ヌクレオチド配列をバツクグラウンド信
号に対比して信頼性をもつて検出することに関して、選
択性または感度に限度がある。特に支持体マトリツクス
への標識プローブの非特異的結合は各方法において実質
的なバツクグラウンド信号となる。
標的ヌクレオチド配列に関して生物学的試料を分析する
ことは別として、ハイブリツド形成(相補的ポリヌクレ
オチド配列間の二重らせんの形成)の物理化学について
種々の観点から研究されている。これらの研究には、イ
ンビボおよびインビトロ双方における核酸の連鎖移動
(migration)および置換(displacement)の現象につ
いての検討が含まれる。しかし本発明者らはこれらの研
究を参照しても連鎖移動および置換の現象が診断および
検出に何らから明らかな応用性をもつとは認めない。シ
ー・グリーンおよびシー・チベツツの“ヌクレイツク・
アシツド・リサーチ”、9巻、No.8、1905−18頁(1981
年)には、6.1Kb(塩基6100個の鎖長)の一本鎖DNAポリ
ヌクレオチドがその中央付近で(1.7−3.3Kbの距離)鎖
長1.6Kbの末端標識された相補的DNAポリヌクレオチドに
ハイブリツド形成した複合体(ハイブリツド)を形成す
ることが記載されている。この複合体に溶液中で6.1Kb
の相補的連鎖を添加すると、標識ポリヌクレオチドが急
速に置換された(同参考文献の1910頁、第2図を参照さ
れたい)。これは反応混合物のアリコートを採取し、ポ
リヌクレオチドをゲルクロマトグラフイーにより分離
し、これらをオートラジオグラフイーにより分析するこ
とにより追跡された。置換された1.6Kbポリヌクレオチ
ドからの信号は85分以上の期間で(核酸の濃度に応じ
て)10%以下から90%以上の放射性信号にまで規則的に
増大した。この場合1.6/6.1Kbハイブリツドが残留放射
能の大部分に寄与していた。13.8KbのDNAに相当する総
質量(長い連鎖および一部置換された短い連鎖の双方)
をもつと想された推定上の一部置換中間体は明らかに検
出されなかつた。文献著者らは、2本の6.1Kbポリヌク
レオチドの初期ハイブリツド形成(分枝鎖を形成する)
が速度制限工程であり;標識ポリヌクレオチドの1.6Kb
対合領域に沿つた置換はきわめて速やかであり、これは
分枝鎖(13.8Kbの質量に相当)の0.8分という計算上の
平均寿命と一致すると結論している。彼らは単一分枝鎖
状中間体または二重に核形成した(Dループを形成し
た)中間体の双方につき可能性を示している(同参考文
献の1912頁に示されている)。彼らは分枝移動現象をよ
り良く研究するために、移動現象を遅延させると思われ
る薬物の使用により、および/または1.6Kb以上のハイ
ブリツド塩基対を含む複合体の使用により、置換過程を
遅らせることを試みた(同参考文献の1913−1914頁を参
照されたい)。1.6/6.1Kbの連鎖については、グリーン
らは非特異的連鎖をいずれも除去して精製された6.1Kb
の補体を用いて試みたにすぎない点に注目すべきであ
る。
前記3種の特許出願(ダイヤモンドら、ウイリアムズ
ら、およびコリンズら)には各種様式のポリヌクレオチ
ド置換アツセイ法が示されている。これらの方法におい
てはプローブポリヌクレオチド(同明細書に記載されて
いる)および標識ポリヌクレオチド(同明細書に記載さ
れている)を含む試薬複合体を試料と接触させる。試料
が標的ヌクレオチド配列を含む場合これは試薬複合体か
ら標識ポリヌクレオチドを置換するであろう。ある形態
においては置換は固定化されたプローブ(同明細書に記
載されている)からのものであり;他の形態においては
置換が溶液中で行われる。溶液中での置換を伴うある形
態の場合、次いで無傷の試薬複合体から、置換された標
識ポリヌクレオチドの置換後分離を行う(米国特許出願
第607,885号明細書、クレーム17〜19を参照された
い)。この置換後分離の例はすべてサイズに基づくもの
であるが、同明細書はアフイニテイクロマトグラフイー
により行うことができると述べている。ビオチン−アビ
ジンのアフイニテイ結合はプローブ固定化に関連して詳
述されており、同第607,885号明細書のクレーム44にも
置換後アフイニテイ分離のための手段として示されてい
る。その記述はプローブ上の固定化可能な基としてビオ
チンなどを、またはハプテンとしてニトロフエノールを
示している。同第607,885号明細書の他の箇所に示され
るように、ビオチン−アビジン対はきわめて高いKassを
もつもので、結合が本質的に不可逆的であることは推定
されるであろう。
固定化されたホモポリヌクレオチドセグメントが特定の
ポリヌクレオチドの可逆的結合に用いられている(たと
えばオリゴー(dT)−セルロースに可逆的に結合したポ
リ(rA)末端RNA)。たとえばエツチ・アビブおよびピ
ー・レーダーのプロシ・ナシ・アカデ・サイ・ユー・エ
ス・エー(Proc.Nat.Acad.Sci.U.S.A.)、69巻、1408−
1412頁(1972年)、およびピー・テイー・ギルハムおよ
びダブリユー・イー・ロビンソンのジエイ・アメ・ケミ
・ソサ(J.Am.Chem.Soc.)、86巻、4985−4989頁(1964
年)を参照されたい。
発明の要約 本発明は試薬複合体(標的結合領域の一部に結合した標
識ポリヌクレオチドを含むプローブポリヌクレオチド)
から標識ポリヌクレオチドを溶液中で試料の標的ヌクレ
オチド配列によつて速やかに置換し、次いでプローブポ
リヌクレオチド独特の特色に基づいてアフイニテイ分離
し、これによつて置換された標識ポリヌクレオチドに認
められる標識を直接的または間接的に測定することが可
能となることに基づく。この標識は試料中の標的ヌクレ
オチド配列の存在および濃度に対し関数関係にある信頼
できる定量的測定値として用いられる。置換後アフイニ
テイ分離に有用なプローブポリヌクレオチドの要素は、
その特色によつて容易にかつ好都合にプローブポリヌク
レオチドの結合を逆行させ、これによつて製造中に特定
の標識ポリヌクレオチドから試薬複合体を分離すること
ができるので、試薬複合体の製造にも有用である。この
方法で試薬複合体から好都合に分離される標識ポリヌク
レオチドは、プローブポリヌクレオチドにハイブリツド
形成していないもの、あるいは十分にかつ安定な状態で
ハイブリツド形成してはいないものである。この精製工
程は、核酸鎖置換に関するアツセイにおいて解釈を誤る
と思われる非特異的解離または偽解離の発生を避ける補
助となる。この精製処理は、ポリヌクレオチド試薬複合
体の製造に際して導入された過剰の試薬、詳細には信号
発生部分を保有するが標識ポリヌクレオチドに化学的ま
たは物理的に会合してはいないものの除去に有用であ
る。
従つて、本発明は (i) プリン/ピリミジン塩基対の水素結合を介して
標的ヌクレオチド配列に塩基対結合しうるプローブポリ
ヌクレオチド、および (ii)プリン/ピリミジン塩基対の水素結合を介して、
プローブポリヌクレオチドが標的ヌクレオチド配列に塩
基対結合しうる領域と少なくとも部分的に共通の範囲を
もつ(coextensive)プローブポリヌクレオチドの領域
においてプローブポリヌクレオチドに塩基対結合するこ
とにより結合した標識ポリヌクレオチド からなる、生物学的試料の核酸中のあらかじめ定められ
た標的ヌクレオチド配列の存在を測定するための診断用
試薬複合体において、 標的ヌクレオチド配列とプローブポリヌクレオチドとの
間で起こりうる塩基対結合が試薬複合体から標識ポリヌ
クレオチドを置換しうるものであつて; プローブポリヌクレオチドが標的ヌクレオチド配列に塩
基対結合しうる領域から遠位において(すなわち間隔を
置いて)、プローブポリヌクレオチドが結合セグメント
を含み; プローブポリヌクレオチドのこの結合セグメントに、標
識ポリヌクレオチドがプローブポリヌクレオチドに結合
した状態を保つ条件下で、アフイニテイ試薬が可逆的に
結合しうる ことを特徴とする診断用試薬複合体を提供する。
本発明は、 (a) (i)プリン/ピリミジン塩基対の水素結合を
介して標的ヌクレオチド配列に塩基対結合しうるプロー
ブポリヌクレオチド、および(ii)プリン/ピリミジン
塩基対の水素結合を介して、プローブポリヌクレオチド
が標的ヌクレオチド配列に結合しうる領域と少なくとも
部分的に共通の範囲をもつプローブポリヌクレオチドの
領域においてプローブポリヌクレオチドに塩基対結合す
ることにより結合した標識ポリヌクレオチドの試薬複合
体を供給し; (b) 試薬複合体を溶液中で、標的ヌクレオチド配列
が存在する場合プローブポリヌクレオチドに結合しかつ
複合体から標識ポリヌクレオチドを置換する条件下にお
いて試料と接触させ; (c1) 接触工程(b)ののち反応液の一部から残留す
る試薬複合体を分離し、そして (c2) 分離後の溶液相中の置換された標識ポリヌクレ
オチドの存在を測定する 工程からなる、生物学的試料の核酸中のあらかじめ定め
られた標的ヌクレオチド配列の存在を測定するための方
法であつて; プローブポリヌクレオチドが標的ヌクレオチド配列に塩
基対結合しうる領域から遠位において、プローブポリヌ
クレオチドが結合セグメントを含み; 分離工程(c1)が、接触工程(b)の溶液生成物を上記
結合セグメントに対する固定化されたアフイニテイ試薬
と接触した状態で通過させ、固定化されたアフイニテイ
試薬から実質的に結合セグメント不含の溶液相を回収
し、この溶液相について測定工程(c2)を実施し、その
際、固定化されたアフイニテイ、試薬と試薬複合体の結
合が可逆的である ことを特徴とする方法をも含む。
本発明は (a) (i)プリン/ピリミジン塩基対の水素結合を
介して標的ヌクレオチド配列に塩基対結合しうる領域を
もつプローブポリヌクレオチド、および (ii)プリン/ピリミジン塩基対の水素結合を介して、
プローブポリヌクレオチドが標的ヌクレオチド配列に塩
基対結合しうる領域と少なくとも部分的に共通の範囲を
もつプローブポリヌクレオチドの領域においてプローブ
ポリヌクレオチドに塩基対結合しうる標識ポリヌクレオ
チド をハイブリッド形成させ; プローブポリヌクレオチドは、プローブポリヌクレオチ
ドが標的ヌクレオチド配列に塩基対結合しうる領域から
遠位にある結合セグメントを含み; (b) 該結合セグメントにおける選択的な可逆的吸着
により、試薬複合体をプローブポリヌクレオチドに結合
していない標識ポリヌクレオチドから分離し; 結合セグメントにおける試薬複合体の吸着、および試薬
複合体の脱着の条件は、ハイブリツド形成工程(a)に
おいてプローブポリヌクレオチドにハイブリツド形成し
た標識ヌクレオチドが分離工程(b)に際してハイブリ
ツド形成状態を維持するのに十分なほど緩和である 工程からなる、生物学的試料の核酸中におけるあらかじ
め定められた標的ヌクレオチド配列の存在を測定するの
に有用な診断用試薬の製法をも含む。
発明の詳しい説明 この明細書において以下の用語は分子生物学の領域で一
般的に受容されているそれらの意味に基づいて用いられ
る。
ポリヌクレオチドまたはポリヌクレオチド鎖は、互いに
3′,5′−ホスホジエステル結合により結合し、かつ糖
の1位の炭素において炭素−窒素結合によりペンダント
基であるプリン塩基またはピリミジン塩基、たとえば
(ただし、以下のものに限定されることはない)ウラシ
ル(天然においてはリボソームにのみ結合、rU)、チミ
ン天然においてはデオキシリボースにのみ結合、dT)、
シトシン(dCまたはrC)、アデニン(dAまたはrA)、お
よびグアニン(dGまたはrG)に結合したペントース糖
(一般にリボーヌまたはデオキシリボース)の線状重合
体構造を意味する。従つてポリヌクレオチドにはデオキ
シリボ核酸(DMA)の連鎖およびリボ核酸(RNA)の連
鎖、ならびに複合DMA−RNA鎖が含まれる。
これらのポリヌクレオチド鎖の末端は、ペントースの5
位の炭素原子が他のペントースに結合していない(ただ
し水酸基、モノホスフエート基、または他の天然もしく
は合成の部分を保有してもよい)5′末端、およびペン
トースの3位の炭素原子が他のペントースに結合してい
ない(ただし同様に水酸基、モノホスフエート基、また
は他の天然もしくは合成の部分を保有してもよい)3′
末端と呼ばれる。
相補的塩基対またはプリン/ピリミジン塩基対とは、2
本の逆平行ポリヌクレオチド鎖のペンダントを形成する
対向塩基間の水素結合を意味する。これは天然のDNAに
ついてはdGがdCに対向し、dAがdTに対向した場合、エネ
ルギー的に最も有利である。天然に広く存在する5種の
塩基以外の塩基も優先的な対をもつ。たとえば5−メチ
ルシトシンは優先的にグアニンに結合する。説明のため
に、この対を多くの図面において、対向する連鎖が逆平
行の方向に向かう(5′対3′という意味において)平
行な直線によつて示す。しかし2本鎖セグメントの実際
の幾何学的形状は米国特許出願第607,885号明細書の第1
D図に概略的に示されるように、普通は種々のピツチの
らせん状である(周知の二重らせん)点を認識すべきで
ある。
ハイブリツド形成とは、ここでは二本鎖構造の形成に導
く条件下で2種のポリヌクレオチドを混和し、相補的塩
基対が相補的配列またはほぼ相補的配列の存在する二本
鎖構造を形成させるという意味で用いられる。
本発明の基本的成分はプローブポリヌクレオチド(ここ
では時にプローブと呼ぶ)、標識(labeled、ここでは
時にtagged)ポリヌクレオチド、核酸(その一部をここ
では時に標的ポリヌクレオチドまたは標的ヌクレオチド
配列と呼ぶ)を含む生物学的試料である。試料は標識ヌ
クレオチド配列を含むかも知れず、あるいは含まないか
も知れない。プローブが診断法、製造法または双方の分
離工程の一部として固定化される支持(固定化)アフイ
ニテイ試薬も供給される。診断法の実施に際しては、読
取りのために追加の試薬または装置がしばしば必要とな
る。読取りという語は、試薬複合体から置換され、次い
で溶液中の置換された標識ポリヌクレオチドをプローブ
ポリヌクレオチドおよび試薬複合体から分離することに
よつて生成液相中に見出される標識ポリヌクレオチドの
直接的または間接的な検出を意味する。
本発明を実施するに際しては、プローブポリヌクレオチ
ドはプリン/ピリミジン塩基配列の少なくとも1領域に
おける相補的塩基対によつて試料の特定の標的ヌクレオ
チド配列に特異的に結合しうる線状または環状ポリヌク
レオチドである。この結合はDNAとRNA、DNAとDNA、また
はRNAとRNAのいずれの間であつてもよい。従つてプロー
ブはDNAまたはRNAのいずれであつてもよい。のちにより
詳細に論じるように、標的ヌクレオチド配列に選択的に
結合するのは一般にプローブの特定の領域にすぎない。
プローブの他の領域はハイブリツド形成に関与しないが
本発明においては重要な役割を果たす(たとえばアフイ
ニテイリガンドの付着部位として作用することにより)
各種の天然または合成の配列であつてよい。付着部位
と、標的ヌクレオチド配列が結合する領域との間にある
程度の隔りがあることについてはのちに詳述する。
標的ヌクレオチドが特異的に結合するプローブの領域
(ここでは標的結合領域と呼ぶ;図面におけるTBR)に
ついては、この配列内の各ヌクレオチドが標的ヌクレオ
チド配列内にその適正な相補的結合相手(たとえばdTに
対するdA)を見出すという点でこの結合は完全である
か、あるいは若干の不整合を含むであろう。プローブの
標的結合領域の少なくとも一部は試薬複合体中において
一本鎖であること、すなわち標識ポリヌクレオチド配列
に対して相補的でないことが好ましい。この一本鎖領域
はここでは時に初期結合領域(図面におけるIBR)と呼
ばれる。標的ヌクレオチド配列はこの塩基領域に、標識
ポリヌクレオチドを置換することなく結合しうるからで
ある。プローブのこの種の初期結合領域は少なくとも塩
基15個の長さであり、好ましくは少なくとも塩基50個の
長さである。総体的な標的結合領域には初期結合領域、
および大部分もしくは(好ましくは)すべての標識ポリ
ヌクレオチド結合領域(図面および以下の論述における
LBR)が含まれる。総体的な標的結合領域(TBR)の長さ
は他と無関係に決定されるものではなく、むしろIBRお
よびLBR部分の好ましい長さ、またはより好ましい長さ
の和の関数と考えることができる。プローブの初期結合
領域につき500個を越える塩基の長さは一般に必要では
なく、大部分の場合著しい不利ではない。臨床研究所用
としてのこの領域の塩基対の長さに対する適切な下限
は、プローブポリヌクレオチドの標的結合領域の塩基配
列および塩基組成、ならびにのちに示す他の物理的因子
に若干依存し、特に目的とするハイブリツド形成、置換
後アフイニテイ分離、ハイブリツド形成の動力学、およ
び採用する読取りシステムに依存する。他の拘束は、後
記の若干の実施態様につき記述するように、結合セグメ
ントがホモポリマー型ヌクレオチド配列(たとえばポリ
(dC))を含む場合、これと同じ配列が標識ポリヌクレ
オチド中に存在しないことが好ましいという点である。
さらに後記のように、これらの場合、それぞれが結合し
た形であるならば塩基対合LBR領域は普通は塩基対合結
合セグメント(BS)よりも実質的に長い(かつ融点が高
い)であろう(前者が標識ポリヌクレオチドと、後者が
ホモポリヌクレオチドアフイニテイ試薬(たとえば固定
化されたポリ(dG))と複合体を形成したもの)。
特定の実施態様においてアフイニテイ試薬が固定化され
る固相は一般に用いられる種類のものほぼすべてであ
り、これには特に高分子材料、セラミツク材料、試験管
その他の容器の壁面、紙、ニトロセルロースまたはガラ
スが含まれる。本発明のある形態においては、固相は蛋
白質、ポリスチレン、ラテツクスまたはガラスなどの材
料から製造された粒子またはビーズからなる。固相は液
体スラリー中に存在し、薄膜または比較的厚いデイスク
にプレスされてもよく、あるいはカラム内の充填床とし
て(例および第1図および第2C図において説明する)、
または毛管内壁の内張りとして存在してもよい。
アフイニテイ試薬を固体支持体に付着させる手段は単純
な吸着であつてもよいが、特異的共有結合、イオン結合
または水素結合のうちのある形であることが好ましい。
本発明の場合、プローブポリヌクレオチドは複合体にお
いては支持体に固定化されておらず、むしろ試薬は生物
学的試料と混合され、これによりハイブリツド形成は
(起こるとすれば)溶液中で起こるので、試薬複合体全
体が溶液状である。後記のようにプローブは実際に、ハ
イブリツド形成後にたとえば支持体上のアフイニテイ試
薬を含む多孔床またはフイルターに導通することにより
固定化または分離しうる置換基を含む。このような固定
化により、後続の測定のために、置換された標識ポリヌ
クレオチドのみが液相中に残留するであろう。
この種のプローブポリヌクレオチド(ある場合には付着
可能な基はまだ存在しない)は種々の方法で、たとえば
バクテリアその他の適切な微生物から微生物の遺伝物質
の一部として単離された適切なプラスミドまたはウイル
スベクター中に、もしくはその一部として再現性をもつ
て製造でき、あるいは他の適切な生物学的供給源から得
られる。一般に、プローブポリヌクレオチド配列(その
一部が標的結合領域を形成する)を含むごく小領域の核
酸が組換え技術によりこの種のクローニングベクターの
いずれにも挿入されるであろう。プローブポリヌクレオ
チド配列でないクローニング挿入体の残部は(あるとす
れば)標的ヌクレオチド配列に対し異種のポリヌクレオ
チド配列のいずれからも好都合に選択することができ
る。本発明の特定の実施態様においては、この種の異種
配列には特定の特性(たとえば特異な制限酵素識別部位
の存在)のために慎重に選ばれた配列が含まれる。ある
条件下では、遺伝子全体、または遺伝子全体を含む配列
を挿入体として使用できる(ベクタープラス挿入ヌクレ
オチド配列は環状または線状)。プローブポリヌクレオ
チドが製造時に二本鎖である場合には、普通は単離のの
ち変性(熱により、pH調整により、または他の一般的方
法による塩基対破壊により)を行う。開裂(特に制限酵
素により、または部位特異的な化学的開裂により)を普
通は用いて目的とする線状の二本鎖セグメントを形成さ
せ、また二本鎖の環状形態が生長している場合は変性の
前に開列が行われるであろう。場合によつては個々の連
鎖を二本鎖構造から精製して個々にプローブポリヌクレ
オチドとして(あるいは一方をプローブポリヌクレオチ
ドとし、一方を標識ポリヌクレオチドとして)用いるこ
とが好ましい。この精製は標準的方法、たとえば変性用
ゲル電気泳動またはアフイニテイクロマトグラフイーに
より行うことができる。場合によつては、一本鎖ベクタ
ー(たとえばM13バクテリオフアージ)を用いる複製に
よりプローブポリヌクレオチドが一本鎖分子として製造
される。
他の場合には、ヌクレオチド配列が化学合成するのに十
分なほど短い場合(現在はヌクレオチド100個以下の長
さ)、有機化学合成法によりプローブポリヌクレオチド
(またはプローブポリヌクレオチドの鋳型もしくはモデ
ル)の一部または全部を製造することができる。次いで
この化学的に合成されたDNAをプローブポリヌクレオチ
ドとして直接に使用することができ、あるいは適切なプ
ラスミドまたは他のベクターのゲノムに挿入し、生物学
的に複製することができる。複製されたDNA(またはこ
れから転写されたRNA)は適切な操作、たとえば制限酵
素開裂および連鎖精製ののちにプローブポリヌクレオチ
ドとして使用できる。化学的に合成されたDNAは最終的
なプローブポリヌクレオチドまたはその一部に相当する
か、または相補的である。
結合セグメントがホモポリヌクレチオド配列(たとえば
ポリ(dC))である場合、この配列を化学的に合成し、
同一ゲノムに挿入して最終的にプローブポリヌクレオチ
ド配列内に出現させることができる。あるいは(後記の
例に示すように)ホモポリヌクレオチド配列をプローブ
ポリヌクレオチドに(ターミナルデオキシヌクレオチジ
ルトランスフエラーゼの場合はその3′末端に)加入す
る(たとえばターミナルデオキシヌクレオチジルトラン
スフエラーゼにより)ことができる。
本発明の試薬および方法に用いられる標識ポリヌクレオ
チドは一般にプローブポリヌクレオチドよりも小さなDN
A片またはRNA片であり、重要な2つの特色をもつ。すな
わち(a)プローブに特異的な座において安定に、ただ
し可逆的に結合すること、および(b)特に置換後の検
出に対し標識が感受性であることである。これらの特色
についてここで別個に論じ、次いで特定の種類の標識が
安定性および置換に対して与える効果について考察す
る。
標識ポリヌクレオチドとプローブポリヌクレオチドの対
合は、試料の標的ヌクレオチド配列とプローブの対合よ
りも少数の塩基にわたつて行われる。大部分の場合、標
識ポリヌクレオチドが特異的に結合するプローブポリヌ
クレオチドの塩基は、のちに試料のヌクレオチド配列に
結合するプローブの塩基のうちの部分群であり、従つて
上記においてプローブの標的結合領域と呼ばれるものの
一部をなす。
標識ポリヌクレオチド結合領域(LBR)という語は、こ
こでは複合体において標識ポリヌクレオチドが結合する
プローブ内塩基配列を意味する。好ましい実施態様(す
べての図面に示されるもの)においては、標識ポリヌク
レオチド結合領域は全体として標的結合領域の一部であ
る。他の実施態様(米国特許出願第607,885号明細書の
第1G図を参照されたい)においては標識結合領域の一部
のみ(ただし大部分であることが好ましい)が標的結合
領域の一部である。プローブポリヌクレオチドの標的結
合領域外の標識ポリヌクレオチド結合領域の長さが塩基
約15個以上であるものは、唯一の付着がこの領域におけ
る対合を介して行われるとプローブから標識ポリヌクレ
オチドが会合解除されるのが困難になる可能性があるた
め好ましくない。ある種の好ましい実施態様において
は、標識ポリヌクレオチドが結合するプローブポリヌク
レオチドの領域はプローブポリヌクレオチドのこの比較
的大きな領域の部分群であり、のちに結合する試料の標
的ヌクレオチド配列の一末端またはその付近にある。
標識ポリヌクレオチドへの他の形のプローブ付着もあり
うるが、一般には好ましくない。このような他の付着
は、置換の前、途中またはその後(いずれにしろ本方法
の測定工程の前)に除く必要がある。一本鎖プローブ上
の多数標識プロヌクレオチド(米国特許出願第607,885
号明細書の第6図およびこれに付随する記述中に示され
る)は、1回の置換反応につきより多数の置換標識が望
まれる場合に特に利用できる本発明の一形態である。
プローブの標識ポリヌクレオチド結合領域のサイズ自体
は本発明に決定的ではない。多様なこのサイズは、たと
えば置換工程(前記の接触工程(b))の温度、および
試料標的ヌクレオチド配列が結合するプローブ領域のサ
イズを変更することにより補正できるからである。標識
ポリヌクレオチド結合領域(および対応する標識ポリヌ
クレオチドの塩基配列)に関する一般に好ましいサイズ
は、少なくとも約15個の塩基、好ましくは少なくとも約
20個の塩基、より好ましくは少なくとも約25個の塩基で
ある。好ましい範囲は塩基約20〜約500個(1000個まで
の塩基も好ましい)、特に塩基約25〜約200個である。
異常に短い対合セグメント(GC塩基含量などの因子に注
目して)をもつ標識ポリヌクレオチドは、置換工程の温
度が高すぎる場合(融点に影響を与える塩濃度などの因
子をも考慮して)、プローブから非特異的に解離するで
あろう。デイー・フライフエルダーらの“バイオポリマ
ーズ”、7巻、81−93頁(1969年)を参照されたい。異
常に長い対合セグメント(たとえば1000個を越える塩
基)には本質的な利点はない。このように長い対合セグ
メントは時にはより好ましくない。この場合、プローブ
の総体的な標的ヌクレオチド領域が長くなり、標識ポリ
ヌクレオチドを効果的に置換するためには必然的により
長い標的ヌクレオチド配列が必要だからである。また標
的ポリヌクレオチドの結合部分も、長すぎる場合には小
型のポリヌクレオチドに用いられる、あるいはこれに最
適な特定の技術(たとえば標識ポリヌクレオチド全体の
有機化学合成)によつては、もはや製造できないからで
ある。有機化学合成は現在のところ約100以下、特に約6
0以下の標識ポリヌクレオチド結合領域については一般
に比較的容易であるが、この種の合成技術の改良によつ
てより長い配列も容易に製造できるようになるであろ
う。
標識ポリヌクレオチド(および標識ポリヌクレオチド結
合領域)の最小の長さは、主として試薬複合体の安定性
に関係がある。長さ以外でこの安定性に影響を与える因
子には、GC塩基含量(これが融点に与える影響は周知で
ある)および内部塩基対不整合(mismatch)が含まれ
る。融点測定は安定性、および1もしくは2以上の内部
塩基対不整合をもつ配列に関して同等の有効長さを達成
するために有用な方法である。たとえば内部不整合1か
所をもつ塩基30個の配列(従つて正確には29対のみ)は
より短かい正確に整合した配列と同様な効力をもつであ
ろう(少なくとも試薬複合体の安定性に関して)。塩基
29対の挙動との相違の程度は、塩基対不整合の位置およ
びなされた塩基交換に依存するであろう。有効長さは、
不整合対がプリン/プリン、プリン/ピリミジン、また
はピリミジン/ピリミジンのいずれかであるかに応じて
異なると予想できる。しかし融点測定により経験的に決
定できる。この方法においては、アール・エル・オルン
スタインおよびジエイ・アール・フレスコ、“バイオポ
リマーズ”、22巻、1979−2000頁(1983年)などの報文
に示されるように、1種または一連のプローブ/標識ポ
リヌクレオチド複合体に種々の様式の温度を与える。プ
ローブと不整合を含む標識ポリヌクレオチドとの複合体
の融点を測定し、この値を同一プローブポリヌクレオチ
ド上のわずかに短い長さの対合(ただし対合領域内の整
合は完全である)との複合体の融点と比較することによ
つて、不整合を含む標識ポリヌクレオチドの有効対合長
さを推定し、上記の好ましい範囲およびより好ましい範
囲に適用できる。しかし融点に基づく上記の相関は主と
して簡便な推定手段として意図されるものである。一定
の標識ポリヌクレオチド結合領域に関する実際の優位度
は、一部は、試薬の貯蔵に際して、または使用条件下で
同種でない核酸と接触する際に標識ポリヌクレオチドが
実際にどの程度複合体中に保留されるかに基づく(ただ
し標的ヌクレオチド配列を含む核酸によつてはなお置換
される)。不整合は許容されるが一般に好ましくはな
く、存在する場合には一般に対合領域の2/5以上を構成
せず、好ましくは1/10以上を構成しない(たとえば標識
ポリヌクレオチド/プローブポリヌクレオチド対合の領
域が塩基対30の長さである場合、不整合が最高3、整合
が27)。
標識ポリヌクレオチドは対合領域のほかに、プローブポ
リヌクレオチドに特異的に結合しないヌクレオチドの領
域を含みうる。これらの領域は対合領域を検出可能な標
識に結合させる作用をもち、あるいは自身が標識され
(たとえば放射性標識により、あるいは間接的マーカー
たとえばアビジンまたはビオチンへの共有結合によ
り)、あるいは何ら特別な機能なしに存在する。標識ポ
リヌクレオチド自体は線状または環状のいずれであつて
もよく、対合領域以外の領域は二本鎖であつてもよい
(ただし二本鎖でない方が好ましい)。標識ポリヌクレ
オチドはプローブポリヌクレオチドが環状である場合に
は環状でないことが好ましい。
1個または2個以上の検出可能な標識が一般に標識ポリ
ヌクレオチドに沿つた1か所または数か所に(特に標識
が放射性核種またはビオチンなどである場合)、あるい
は一方の末端に、あるいは内部の特定の位置1か所のみ
に(たとえばプローブポリヌクレオチドに対する塩基対
合に関与していないプリンまたはピリミジン塩基に)位
置してもよい(常法による)。試薬複合体中において対
合しない標識ポリヌクレオチドの領域が少なくとも1か
所あるならば、標識はこのような対合していない領域上
またはその範囲内に存在するかまたは集中していること
が好ましい。使用できる直接に検出可能な標識には放射
性核種(特に32P、35S、14Cまたは125I標識ヌクレオチ
ド)、蛍光分子(たとえば標識ポリヌクレオチドの遊離
末端に、または標識ポリヌクレオチドの非対合塩基1ま
たは2以上に付着したフルオレセイン誘導体またはロー
ダミン誘導体)、または他の手段(解裂することを含み
うる)により検出できる部分、たとえばハプテン性部分
であるニトロフエノールが含まれる。間接的に検出でき
る標識には、免疫化学その他のアフイニテイ反応により
認識できる抗原決定因子、アフイニテイ試薬、抗原また
は抗体、たとえば欧州特許第63,879号、国際特許出願公
開83/02277号、および欧州特許第97,373号に記載された
もの、前記のもの、ならびに標識ポリヌクレオチド中に
存在するかまたはこれに添加されたビオチニル化ヌクレ
オチドにより例示されるもの(たとえば多数のヌクレオ
チドを鋳型連鎖の不存在下で標識ポリヌクレオチドの
3′末端に挿入する酵素ターミナルデオキシヌクレオチ
ジルトランスフエラーゼによつて)が含まれる。他の間
接標識には標識ポリヌクレオチドに(特にプローブに対
合した領域から離れた遊離末端に)付着した酵素が含ま
れ、その存在はこの方法の置換工程および分離工程後
に、その酵素に対する基質を添加し、酵素基質または好
ましくは酵素生成物を定量することにより測定できる。
同様に、標識はアポ酵素、補酵素、酵素系修飾剤などで
あつてもよく、他の必要な試薬は通常は置換およびアフ
イニテイ分離後に適宜な酵素基質と共に添加される。も
ちろん、酵素反応が1種(たとえば基質)を除くすべて
の成分が存在しても起こり得ないならば、これらの他の
試薬が前記の置換工程(b)に際して溶液中に存在しう
る。標識ポリヌクレオチドの製造に際して(たとえばタ
ーミナルデオキシヌクレオチジルトランスフエラーゼ酵
素により)、多数の標識を添加することができる。多重
標識ポリヌクレオチド、たとえば酵素(またはアポ酵
素)を含有するもの、および補酵素を含有するものも使
用できる。標識ポリヌクレオチドへの酵素の付着の一様
式はアフイニテイ試薬、たとえばストレプトアビジン/
ビオチンを介したものである。第2B図に示すように、こ
の様式はビオチン標識ポリヌクレオチドをプローブにハ
イブリツド形成させ、次いでストレプトアビジン−酵素
結合体をビオチニル化ポリヌクレオチドに結合させるこ
とにより試薬複合体を製造し、次いでアフイニテイ分離
(本発明方法の一部)により試薬複合体を未結合体から
精製し、次いで本方法の置換工程(b)を行う実施態様
に使用できる。また、たとえばストレプトアビジン−酵
素をビオチン標識ポリヌクレオチドに結合させ、次いで
このストレプトアビジン−酵素標識ポリヌクレオチドを
プローブポリヌクレオチドにハイブリツド形成させ、次
いで前記のアフイニテイ分離法により試薬複合体を未結
合のストレプトアビジン−酵素結合体から精製すること
ができる。さらに、米国特許出願607,885号明細書の第3
A−3D図に示されるように、試薬複合体中の標識ポリヌ
クレオチドの標識と相互作用する別個の検出可能な部分
がプローブ上に存在してもよい。
標識ポリヌクレオチドの標識のほかに、標識ポリヌクレ
オチドのセクシヨンが検出可能な標識として作動しても
よい。シー・バリーらの出願明細書(出願審査中)にお
いては、標識ポリヌクレオチド(信号鎖)の3′末端リ
ボヌクレオチドセグメントは消化してリボヌクレオシド
リン酸(ADPまたは場合によりAMPを含む)となし、リン
酸化してATPとなし、次いでルシフエリンとのルシフエ
ラーゼ触媒反応によつて検出できる。上記明細書のこれ
に関連する記述をここに参考として引用する。
大部分の形の標識は、特にプローブに対する標識ポリヌ
クレオチドの対合領域から離れている場合は、試薬複合
体の融点がほとんどまたは全く低下しないことにより、
またより重要な点は標的ヌクレオチド配列とプローブポ
リヌクレオチドとのハイブリツド形成反応に対する影響
が無視できる程度であることにより証明されるように
(試験の目的で)、標識ポリヌクレオチドとプローブポ
リヌクレオチドとの塩基対合の強さにほとんど影響を与
えないであろう。ある様式の標識、たとえば標識ポリヌ
クレオチドの対合領域のヌクレオチド上に特定の化学的
方法により共有結合したビオチン、およびたとえばヌク
レオチドの対合領域またはその付近に結合した大型の酵
素分子または蛍光性部分は、試薬複合体の安定性に対し
て認識できるほどの影響をもつ。このような影響は一般
に標識ポリヌクレオチド/プローブポリヌクレオチドの
結合の安定性を低下させる(従つてその融点を低下させ
る)ことであろう。この影響は置換の速度を高めるのに
は若干有益であるかも知れないが、標識ポリヌクレオチ
ドの非特異的な解離または脱落を増大させる可能性があ
る。しかしこのような非特異的脱落は、置換工程に際し
ての温度を高めることにより、標識ポリヌクレオチド結
合領域の長さを増大させることにより、二重らせん形成
を安定化する試薬、たとえばMg++イオンまたはスペルミ
ジンを添加することにより、またはこの種の他の物理的
手段により通常は減少させることができる。
各種不純物からの試薬複合体の予備分離は、しばしばそ
うであるように標識ポリヌクレオチドがプローブポリヌ
クレオチドまたは複合体よりも大幅に小さい場合はサイ
ズのみで、たとえばサイズ排除クロマトグラフイー(si
ze exclusion chromatography)により行うことができ
る。小さな内部結合領域以外は一本鎖状であると考えら
れる標識ポリヌクレオチドまたはプローブポリヌクレオ
チド中に存在しないと思われる複合体の二本鎖部分(プ
ローブの標識ポリヌクレオチド結合領域における)に基
づいてこのような分離を行うこともできる。この特性に
より試薬複合体を未結合標識ポリヌクレオチドまたはプ
ローブ鎖から、たとえば二本鎖に特異的な抗核酸抗体を
用いるアフイニテイクロマトグラフイー、またはヒドロ
キシルアパタイトクロマトグラフイーにより分離するこ
とができる。
プローブポリヌクレオチドと標識ポリヌクレオチドのハ
イブリツド形成により試薬複合体を形成させる処理工程
には(後記の理由から)過剰モルの標識ポリヌクレオチ
ドが必要であろう。これらの条件下では特に、ハイブリ
ツド形成反応後に試薬複合体溶液から、ハイブリツド形
成反応に関与せず従つて溶液中で遊離しているかまたは
ハイブリツドを形成していない標識ポリヌクレオチド分
子を除去することが望ましい。
このために、本発明の可逆的結合工程で試薬複合体をプ
ローブポリヌクレオチドの結合セグメントに対する固定
化されたアフイニテイ試薬上に導通する。一般にアフイ
ニテイ試薬により固定化された試薬複合体の形成に続い
て、結合していない標識ポリヌクレオチド、ならびに検
出可能な標識もしくは他の標識部分と標識ポリヌクレオ
チドのヌクレオチドとの結合に用いられた他の化学試薬
(たとえばストレプトアビジン−酵素結合体)を洗浄除
去する。このような洗浄は、わずかに結合した(たとえ
ば目的とする結合部位における15個以上の相補的塩基に
よつてではなく、プローブ上の他の位置でこれよりも少
数の相補的塩基によつて)、または非特異的な様式で支
持体に結合した標識ポリヌクレオチドをも除去するよう
にデザインされる。プローブポリヌクレオチド、および
かろうじて支持体に付着しているにすぎない、プローブ
ポリヌクレオチドと標識ポリヌクレオチドとの複合体も
この洗浄工程中に除去されるであろう。洗浄は、その後
本発明方法の置換工程(b)において特異的置換とは無
関係にプローブから分離するかまたは分離される標識ポ
リヌクレオチド(プローブポリヌクレオチドを含むも
の、または含まないもの)に基づく非特異的バツクグラ
ウンド信号を実質的に除去するのに十分な条件下で、そ
れに十分な期間行うことが好ましい。支持体上の非特異
的結合部位を遮断するための試薬(たとえば蛋白質)を
使用してもよい。このような洗浄ののち、たとえば低濃
度のイオン種(たとえば10mM・トリスHCl、1.0mM・EDT
A、pH7.5)を含有する緩衝液でアフイニテイマトリツク
スを洗浄することにより、試薬複合体を固定化されたア
フイニテイ試薬から離脱させる。このように低いイオン
強度は、相補的塩基対の短いセグメント(たとえば支持
体上の塩基3〜10個のポリ(dG)対プローブポリヌクレ
オチドの結合セグメントにおける塩基3〜10個のポリ
(dC))を結合解除するために有効である。
しかし後記の例2に示すように、場合によつては徹底的
な洗浄を行わないアフイニテイカラムを用いても、未結
合の標識ポリヌクレオチドを含まない試薬複合体が適宜
に精製される。
使用する際には、試料材料(標的ヌクレオチド配列を含
む核酸を含有する可能性がある)との実際の接触または
置換の工程は、普通は上記の製造過程での洗浄工程より
も厳格でない温度、イオン強度および時間の条件下で
(従つて標識ポリヌクレオチドの非特異的解離または結
合解除がより生じにくい)行われるであろう。接触工程
における望ましい温度範囲は、溶液のイオン強度、およ
び融点に影響を与える他の添加物に応じて、約15〜約90
℃である。最も有効な温度は、プローブへの試料のハイ
ブリツド形成が最高またはほぼ最高の速度で起こる温度
であろう。しかし特定の場合、より好都合な(一般に上
記よりも低い)温度、たとえばほぼ室温(15〜25℃)を
採用してもよい。多数の文献〔たとえばジエイ・ジー・
ウエツトムルおよびエヌ・デイビツドソン、“ジエイ・
モレ・バイオロ”(J.Mol.Biol.)、31巻、349−370頁
(1968年)およびシー・ミンソンおよびジー・ダービ
イ、“実用ウイルス学における新たな発展”、1巻、18
5−229頁(1982年、アラン・リス社)〕に記載されるよ
うに、ハイブリツド形成速度はpH、および試料のヌクレ
オチド濃度の関数でもある。さらに、少なくともある場
合には先きに引用したウイリアムズらの米国特許出願第
684,308号明細書により詳細に記述されるように、この
工程に際して体積排除型ポリマー(volume excluding p
olymer)が存在することが好ましい。他の試薬、たとえ
ば硫酸デキストランも使用できる。置換反応に影響を与
える酵素その他の蛋白質、たとえば大腸菌(E.coli)AT
P依存性recA蛋白質も本方法にきわめて有益である(先
きに引用したコリンズらの米国特許出願684,305号明細
書に記載)。
試薬複合体の割合、量および濃度は個々に決定的なもの
ではなく、試料および試薬複合体のハイブリツド形成混
合物全体が実現可能な限り濃縮されていることが一般的
には望ましい。大部分の場合、標的ヌクレオチド配列に
対する結合部位を保有するプローブポリヌクレオチドも
試料中に予想される標的ヌクレオチド配列の水準の10倍
モル以上過剰に(好ましくは100倍モル以上)存在する
ことが好ましいであろう。試料自体は核酸を含む可能性
があり、核酸は完全にまたは一部が溶液中にあり(細胞
膜、蛋白質などから分離して)かつ一本鎖状であること
がアツセイのハイブリツド形成工程には好ましい。標的
ヌクレオチド配列の補体が存在すること(二本鎖試料DN
Aの変性によつて)は妨害となる可能性がある。この妨
害は少なくとも本発明の好ましい形態においては少ない
と思われる。選択的にプローブの固定化を伴うハイブリ
ツド形成(置換後)においては、置換された標識ポリヌ
クレオチドは溶液相中に存在し、また残存し、次いでこ
の種の置換された標識ポリヌクレオチドが試料核酸の相
補的セグメントと再ハイブリツド形成したか否かを測定
する。新たに形成されたハイブリツドは結合セグメント
を含まず、従つて固定化された試薬に対する親和性を示
さないからである。多くの溶液ハイブリツド形成におい
てこの妨害は動力学的効果により最小限に抑えられるで
あろう。
一般に置換反応が十分な程度に起こるために必要な時間
は2時間以下、一般に1時間以下、しばしば15分以下で
なければならない。これらの時間内に実質的に終了させ
るために条件を調整することができる。しかしこれより
も長い時間が必ずしも不利ではない。速度制限工程は試
料すなわち標的ヌクレオチド配列がプローブポリヌクレ
オチドの相補的配列を見出す工程であると考えられる
(シー・グリーンおよびシー・チベツツ、“ヌクレイツ
ク・アシツド・リサーチ)、9巻、1905−18頁(1981
年))。いつたん標的/プローブハイブリツド形成が開
始すると、標識ポリヌクレオチドの置換は1分以内、し
ばしば1秒以内に起こると考えられる。
置換反応混合物を急冷し(たとえば20℃以下に冷却する
ことにより)、次いでアフイニテイカラム(または前記
のように他の形の固定化されたアフイニテイ試薬)に導
通する。一連の溶液をカラムに導通することにより一連
の画分が得られ、置換された標識ポリヌクレオチドは初
期の液体画分中に存在する。残留する試薬複合体は後期
の画分中に見出されるようにする(結合セグメントを固
定化されたアフイニテイ試薬から除去するのに十分な溶
液を用いて)か、あるいはカラムに残留させる。
置換後分離に使用されるカラムの寸法は、特定の場合に
は重要なパラメーターとなる可能性がある。個々の置換
(接触)反応に少規模の試料を用いる場合、カラムから
採取する種々の画分も小規模であることが一般に望まし
い。後記の例4に示すように、25mg程度のオリゴ(dG)
セルロースにより試薬複合体の優れた捕獲力が得られる
(例1〜3で用いた250mgのアフイニテイ物質よりもむ
しろ)ので、このような少量のアフイニテイ試薬を用い
ることが好ましいであろう。これにより、濃厚な置換反
応混合物をカラムに負荷する前に、または大量の洗浄液
(たとえば第2C図に関連してのちに述べる溶液134、136
および138)で希釈する必要がなくなる。溶出液の容積
が小さいことによる効果は、すべての、またはより大き
な部分の溶出液につき信号(たとえば酵素生成物または
生物発光)を測定しうることである。
置換後分離が起こつたのち、標識ポリヌクレオチドの存
在および(しばしば)存在量の測定は初期液体画分につ
き、または後期液体画分もしくは固相につき行うことが
できる。好ましくは測定は液相(初期液体画分)につい
て行われる。置換された標識ポリヌクレオチドの存在お
よび量を液相で測定することは、バツクグラウンド信号
が比較的低いという利点をもつ。バツクグラウンド信号
は大部分が前記のように固体支持体からの非特異的解離
もしくは脱落により、または不完全な分離により生じた
ものであろう。さらに、試料中に標的配列がない場合
は、液相中の標識ポリヌクレオチドからの信号がない。
比較のため、検出が固相のもの、またはアフイニテイカ
ラムからの後期の溶出液のものである場合、最高水準の
標識ポリヌクレオチドは、陰性の結果について検出され
るであろう。特に高モル過剰の試薬複合体を用いる場
合、固体支持体上に残留する標識の測定は感度が低下す
る。
前記のように、プローブポリヌクレオチドの結合セグメ
ントはホモポリヌクレオチド配列であつてもよく、この
場合、製法および使用法の双方に用いられる固定化され
たアフイニテイ試薬は相補的ホモポリヌクレオチド配列
である。可逆性の相違は、プローブ上の長い結合セグメ
ント(たとえばヌクレオチド20以上)、試薬複合体の製
法に用いる固定化されたアフイニテイ試薬としては短い
相補的ポリヌクレオチドセグメント(たとえばヌクレオ
チド約4〜12)、診断的使用法に用いる固定化されたア
フイニテイ試薬としてはより長い相補的ポリヌクレオチ
ドセグメント(たとえばヌクレオチド20以上)を用いる
ことによつて得られる。製法または置換後の分離法に使
用できる(かつ可逆的でもある)他の結合セグメントに
は糖類側鎖基(たとえばマルトースセグメント)または
化学的に結合した多糖類(たとえばポリ(グルコー
ス))が含まれる。この種の糖型結合セグメントに対す
る固定化されたアフイニテイ試薬にはレクチンおよびボ
ロネート(boronate)が含まれる。“固相生化学、分析
的および合成的観点”、ダブリユー・エツチ・スカウテ
ン編、17−78頁および149−188頁(ジヨン・ワイリ・ア
ンド・サンズ、ニユーヨーク;1983年)を参照された
い。
本発明の方法および試薬は種々の濃度の各種標的ヌクレ
オチド配列の検出および測定に使用できる。特にその核
酸(ゲノム その他)が標的となりうる感染性物質を含
む微生物には病原性のウイルス、細菌および真菌;たと
えばサイトメガロウイルスまたは淋菌(Neisseria gono
rrhea)が含まれる。標的となりうる遺伝的障害または
状態にはβ−サラセミア、α−サラセミア、ネコ鳴き
病、およびある種の網膜芽腫が含まれる。本発明の方法
および試薬は主として、標的配列に対する陰性として判
定されるべき試料中に存在する最も近似する配列から標
的ヌクレオチド配列を区別するに際し多重塩基ヌクレオ
チドの削除、挿入、置換または転位を伴う場合に遺伝的
障害または変異を検出することに適用できる。本発明を
単一塩基の変異による遺伝的障害に適用できる範囲に対
しては、置換された塩基もしくは他の変異的および隣接
するヌクレオチドの完全な相補がプローブポリヌクレオ
チドの標的結合領域の一部であることが望ましく、この
領域内におけるその塩基の位置が本方法の選択性に影響
を与えると思われる。構造遺伝子または調節遺伝子にお
ける変化のうち、遺伝子の表現、活性化または転位の変
化または差を、特にmRNAを標的とすることによる特定の
状況につき、本発明方法により検出できる。構造遺伝子
の表現における他の乱れも検出できる。本方法は組織移
植のためのHLA型別、微生物における抗体耐性遺伝子の
決定、腫瘍形成配列の変化または腫瘍形成表現水準の変
化の検出にも、また食物、医薬品および水の試料の、特
定の感染性物質または他の微生物についてのスクリーニ
ングにも適用できる。
特定の試験に用いる標的配列の選択は、標的となる生体
または状態に独特の、または比較的独特の配列を決定す
ることによる。この標的配列を用いてこれに対し相補的
な標的結合領域を作成し、次いで適宜な長さの標識ポリ
ヌクレオチドを作成して標的結合領域の一部に結合させ
る。場合によつては、個々の標的配列が比較的独特であ
るにすぎない場合に改良された特異性を与えるために、
同一の生体または状態の核酸の異なる部分を標的とする
複数の試薬複合体を用いてもよい。
本発明の製法および診断用試薬複合体の一形態を第1図
に示す。プローブポリヌクレオチド鎖Pが修飾されてい
ない形で数字10により示される。これは検出を目的とす
る標的ヌクレオチド配列にプリン/ピリミジン塩基対を
介して水素結合しうる標的結合領域TBRを含む。標的結
合領域TBRの部分群のポリヌクレオチド配列が標識ポリ
ヌクレオチド結合領域LBRを指示し、前記および後記に
おいて標識ポリヌクレオチドLのハイブリツド形成に関
連して記述した機能をもつ。
本発明の製法、試薬および使用法に用いられるプローブ
は数字12(および表示P′)により識別される構造によ
り示されるように修飾され、図示されるように好ましく
は標的結合領域TBRから離れた結合セグメントBSを含
む。結合セグメントBSは修飾されたプローブP′の一方
の末端(3′末端)に示され、標識結合領域TBRは反対
側の末端にあるものとして示されているが、いずれの特
定の位置も要求されない。特に標的結合領域TBRは結合
セグメントと別個の、好ましくは結合セグメントBSと間
隔を置いたいかなる位置にあつてもよい。各例において
は標的結合領域は2つの末端の中間にあり;各例のプロ
ーブポリヌクレオチドはTBRの5′末端とプローブポリ
ヌクレオチドの5′末端との間に少なくとも205個のヌ
クレオチドを含み、TBRの3′末端と結合セグメント
(3′末端ポリ(dC)配列)の間に少なくとも348個の
ヌクレオチドを含む。各例における一群のプローブ鎖中
の若干のプローブポリヌクレオチドは、そこで用いた制
限酵素によるプローブポリヌクレオチド前駆鎖の消化が
不完全であつたため、TBRの5′側または3′側により
多数のヌクレオチドを含むであろう。
結合セグメントを連結するための好ましい手段は、これ
が反復する天然のまたは修飾されたプリンまたはピリミ
ジンヌクレオシド(たとえばdA、rA、dC、dG、dTまたは
ビオチニル化dU)を含む天然の、または修飾されたポリ
ヌクレオチドのセグメントである場合、酵素、たとえば
ターミナルデオキシヌクレオチジルトランスフエラーゼ
(TdT)(ジー・アール・デングおよびアール・ウ、
(R.Wu)、“ヌクレイツク・アシツヅ・リサーチ”、9
巻、4173−4188頁(1981年)参照)により酵素付加に用
いられる適宜なヌクレオシド−5′−三リン酸の存在下
で未修飾プローブPを延長させるものである。このよう
な場合、結合セグメントは修飾されたプローブ12(第1
図にP′により示される)の3′末端にあるホモポリマ
ーセグメントであろう。このようなTdTによる延長に際
しては反応混合物中における3′末端の数を最小限に抑
えて、ホモポリマーセグメントを含む装飾されたプロー
ブ12またはP′以外のポリヌクレオチドを避けるかまた
は最小限に抑えることが望ましいと考えられる。
修飾されたプローブ12を、次いでその少なくとも一部が
プローブ(PおよびP′双方)の標識ポリヌクレオチド
結合領域LBRに対し相補的であるポリヌクレオチド鎖L
からなる遊離の標識ポリヌクレオチド14とハイブリツド
形成させて、目的とする複合体16(以下に詳述する)を
形成させる。この製造操作に際しては過剰の標識ポリヌ
クレオチドを用いることが好ましい。たとえばデオキシ
ヌクレオチジルターミナルトランスフエラーゼにより媒
介される反応ののちに若干の未修飾プローブ鎖10が残存
する程度までは、これらは検出可能な標識Tをもつ標識
ポリヌクレオチドLにハイブリツド形成した未修飾プロ
ーブPをそれぞれが含む試薬複合体(さらに第1図の下
方に数字24として示す)をも形成する可能性がある点を
認識すべきである。
目的とする複合体16を含有するが、残存するプローブポ
リヌクレオチド10および12、ならびに過剰のハイブリツ
ド形成していない標識ポリヌクレオチド14、および未修
飾プローブPを含む試薬複合体24をも含有する反応混合
物を、次いで使用前に精製する。上記実施態様に関する
精製手段は、ハイブリツド形成していない標識ポリヌク
レオチド14の大部分を、目的の試薬複合体16を含有する
画分から分離するある種のサイズクロマトグラフイー
(たとえばサイズ排除型樹脂カラム上を導通する)に始
まる。次いで目的の画分を第1図にクロマトグラフイー
カラム17として示した、結合セグメントBSに対する固定
化されたアフイニテイ試薬と接触させた状態で導通す
る。第1図に示されるように、目的とする画分をまずカ
ラムに導通し、次いで一連の溶液をカラムに導通する。
第1溶液18はカラムから結合セグメントBSを含まない物
質を洗い流すべくデザインされた洗浄液である。従つて
これはアフイニテイ試薬が結合セグメントBSを強固に結
合するものである。洗い出された物質にはハイブリツド
形成していない標識ポリヌクレオチド14、修飾されてい
ないプローブポリヌクレオチド10、および修飾されてい
ないプローブ鎖Pをそれぞれ含む試薬複合体24が含まれ
る。また試薬複合体の製造過程で導入され、目的とする
試薬複合体と化学的または物理的に会合していない他の
過剰の試薬もこの第1液18中に溶出するであろう。従つ
てこれらの物質はカラム17から初期画分中に溶出し、こ
れらは後記の理由でターミナルデオキシヌクレオチジル
トランスフエラーゼ反応工程に再循環されずに、むしろ
廃棄されるであろう。カラムに供給される第2液20は、
カラム17上のアフイニテイ試薬と結合セグメントBSとの
アフイニテイ結合を破壊し、標識ポリヌクレオチド結合
領域LBRと標識ポリヌクレオチドLとの水素結合(特に
目的の試薬複合体16中の)は破壊しないようにデザイン
されたものである。このため、結合セグメントBSがホモ
ポリヌクレオチドセグメントである場合にそうであるよ
うに結合セグメントBSがカラム材料にプリン/ピリミジ
ン塩基対水素結合を介して結合している場合は、この後
者の結合は標識ポリヌクレオチドLと標識ポリヌクレオ
チド結合領域LBRとの結合よりも累積結合強度がより低
いことが望ましい(標準条件下での融点がより低いこと
と関連する)。一般にこのホモポリヌクレオチドセグメ
ントはヌクレオチド20個以下の長さであり、一方標識ポ
リヌクレオチド結合領域は塩基25〜50個以上の長さであ
る。
特定の条件下ではヌクレオチド20個以上の長さのホモポ
リヌクレオチドセグメントを用いることが考慮される
が、その場合標準ポリヌクレオチド結合領域は、標識ポ
リヌクレオチドが試薬複合体中に結合したままの状態で
試薬複合体がカラムから会合解除しうるためには下限が
いつそう厳格に制限されるであろう。第1の制限因子は
固体支持体に付着したBSないしはホモポリマーセグメン
トの短い方の長さである。
このアフイニテイクロマトグラフイー工程の結果、目的
の試薬複合体16、および有意量で存在すると思われる唯
一のポリヌクレオチド系不純物として、ハイブリツド形
成していない修飾されたプローブポリヌクレオチド12を
含有する画分が得られる。しかし標識ポリヌクレオチド
14がハイブリツド形成工程で大過剰に用いられ、ハイブ
リツド形成が完了するほど十分な期間(かつ他の条件、
たとえば強度および温度についても)行われた場合は、
修飾されたプローブ12と目的の試薬複合体16との比率は
小さいであろう。さらに複合体を置換反応(本発明方
法)に用いる場合、修飾されたプローブ12は偽信号を発
することはなく、置換された標識ポリヌクレオチドを生
成せずに標的ポリヌクレオチド配列とハイブリツド形成
する結果となるにすぎない。従つて唯一の影響は、最大
予想信号がP′/(P′L+P′)にほぼ等しい係数だ
け低下することであろう。この式中P′は生成物画分25
中の修飾されたプローブ鎖12の量であり、P′Lは生成
物画分25中の目的とする試薬複合体16の量である。試薬
複合体が標識された鎖14にハイブリツド形成していない
プローブ12を許容できないほど高い水準で含むという異
例の場合は、この物質を除去するためにさらに精製が必
要であろう。これはたとえばヒドロキシアパタイトクロ
マトグラフイ分離(これは試薬複合体をその二本鎖領域
に基づいて遅滞させるであろう)、または標識ポリヌク
レオチド結合領域LBRもしくはその一部に対し相補的で
ある固定化されたポリヌクレオチド配列上におけるクロ
マトグラフイー(これにより遊離のプローブポリヌクレ
オチド12を遅滞させる)である。これにより、生成物画
分25が特異的に分画されて、第1図に示す試薬複合体16
に富む生成物溶液が得られる。
これに対し、置換が溶液中で行われ、置換後分離が結合
セグメントBSに対して特異的なアフイニテイ試薬を用い
て行われる場合、生成物画分25に混入するハイブリツド
形成していない標識ポリヌクレオチド14または試薬複合
体24により偽(非特異的)信号が発せられるであろう。
貯蔵および使用の前に生成物画分25をさらに分離する必
要はないが、行うことができる他の工程には透析(より
低いイオン強度)、蒸発濃度、および/または凍結乾燥
が含まれる。これらの後続工程においては、標識ポリヌ
クレオチドLを試薬複合体16から解離(融解)させる条
件のイオン強度と温度の組合せを生じないように注意す
べきである。
第1液18および第2液20の通過ののち、再生用液22を通
過させて、固定化されたアフイニテイ試薬以外の残留物
質をカラム17から移動させることが望ましい。ここでカ
ラムは再びハイブリツド形成反応混合物を注入するのに
適した条件(たとえばイオン強度)に再平衡化しうる状
態となる。
第1図に示した方法における多数の変法が考慮される。
たとえばプローブPへの標識ポリヌクレオチドLのハイ
ブリツド形成に先立つてホモポリマーセグメント(HS、
これは結合配列BSの一形態である)をプローブPに添加
することができる。しかしこの場合は、同様のHSテイル
(tail)が多数の標識ポリヌクレオチドに添加される可
能性があると思われる。結合した標識ポリヌクレオチド
上におけるこのようなHSテイルによつて、これらの標識
ポリヌクレオチドが結合していない形のものである場合
ですら、(試薬複合体から置換されたのち非結合状態と
なつたのであろう)、これらが連鎖置換後の分離工程で
アフイニテイマトリツクスに付着する可能性があると思
われる。これにより検出可能な信号の減少または損失が
生じるのは、標識ポリヌクレオチドの適宜な末端をあら
かじめ遮断することによつて防止できる(たとえばHSテ
イルを試薬複合体に添加する前に標識ポリヌクレオチド
の3′末端をターミナルデオキシヌクレオチジルトラン
スフエラーゼでリン酸化することによる)。
第1図の方法における他の変法には、プローブポリヌク
レオチド12内の標的結合領域TBRおよび結合セグメントB
Sの位置の種々の変更が含まれる。
第1図の第1の実施態様における他の変法は第2A、2B、
2Cおよび2D図に示される第2の実施態様によつて表わさ
れる。これは第2A図において、修飾されたプローブ鎖
P′および標識ポリヌクレオチド鎖114を含む中間構造1
15から始まる。第1図に示した実施態様の場合と同様
に、修飾されたプローブポリヌクレオチドP′は標的結
合領域TBR(ここではヌクレオチド約1,100個(1.1Kb)
の長さとして示される)および3′末端結合領域BS(こ
こではデオキシシチジレート残基の配列として示され、
従つて結合セグメントBSはこの実施態様においてはホモ
ポリマーセグメントHSとして示される)を含む。後記の
各例においてはTBRがバクテリオフアージM13mp9にクロ
ーニングされたプラスミドpBR322の一部として導かれ
た、修飾されたプローブポリヌクレオチドを用いる。TB
Rは5′末端からヌクレオチド少なくとも205個、ホモポ
リマー型結合セグメントHSからヌクレオチド少なくとも
348個の間隔を置く。第1実施態様(第1図)の標識ポ
リヌクレオチド14と異なり、第2実施態様の標識ポリヌ
クレオチド鎖114は間接標識を含む。すなわちビオチン
部分Bが、標識ポリヌクレオチド鎖の3′末端にあるデ
オキシウリジンヌクレオチドUの短いセグメントにペン
ダントされている。このセグメントは標識ポリヌクレオ
チド鎖に(プローブポリヌクレオチドP′にハイブリツ
ド形成させる前に)ターミナルデオキシヌクレオチジル
トランスフエラーゼにより媒介される連鎖延長によつて
付着させることができる(たとえばワードらの前記特許
出願明細書参照)。修飾されたプローブP′の製造、お
よび標識ポリヌクレオチド鎖114へのプローブのハイブ
リツド形成は、第1図に関連する本文および対応する工
程に関する各例の本文中に記載された手順によつて行う
ことができる。精製は、特にハイブリツド形成していな
い標識ポリヌクレオチド鎖114または(場合により)ハ
イブリツド形成していないプローブ鎖を除去するサイズ
排除クロマトグラフイーにより行うことができる。次い
でアビジンまたはストレプトアビジンに対する酵素Eの
結合体(この結合体は第2図にA−Eとして示される)
を添加する。これがペンダントビオチンに対するビオチ
ン−アビジンまたはビオチン−ストレプトアビジンの親
和性によつて、標識ポリヌクレオチド鎖114の3′末端
においてペンダントビオチンに結合する。標識ポリヌク
レオチド鎖114と酵素結合体A−Eの組合せが、この第
2実施態様について標識ポリヌクレオチドLと呼ばれ
る。ここに示した方法の変法においては、標識ポリヌク
レオチドLをプローブ鎖P′にハイブリツド形成させて
試薬複合体116を形成する前に、酵素結合体を標識ポリ
ヌクレオチド鎖114と反応させて標識ポリヌクレオチド
Lを形成させることができる。
第1図に示した試薬複合体16の場合と同様に、プローブ
P′に付着したホモポリマーセグメントに対するアフイ
ニテイリガンドを含むカラム17に導通することにより試
薬複合体116を精製しうる。これを第2C図の最初に概略
的に示す。一般に、第1実施態様に関するこの種のカラ
ムの操作についての記述がここでも適用される。しかし
若干崇高な、ビオチン、ストレプトアビジン(またはア
ビジン)および酵素の複合体が標識ポリヌクレオチドL
上に存在するため、カラム17の操作に際して一定の予防
措置が必要となる。まず、ハイブリツド形成していない
標識ポリヌクレオチドLが最終的にクロマトグラフイー
生成物25中に入るのを防ぐために、標識ポリヌクレオチ
ドの成分のうち1種または2種以上を引きつける(そし
てクロマトグラフイー操作期間中、遅滞させる)カラム
上の部位をいずれも可能な限り排除すべきである。例2
に示すようにこの種の部位を排除する一方法は、カラム
を普通に使用する前にビオチン飽和デオキシウリジン、
あるいはそのモノ−、ジ−、もしくはトリホスフエート
または他の修飾された形のもので飽和させることであ
る。上記の例においてはビオチンはウリジンの不在下で
は効力が低かつた。アフイニテイカラム17はホモポリマ
ー型結合セグメントHSを含まないプローブ鎖P、および
結合していないA−E複合体を除去することができる。
試薬複合体116およびハイブリツド形成していないプロ
ーブ鎖P′を含有する精製試薬25を、次いで核酸(この
うちあるもの(G)が標的ヌクレオチド配列TSを含む)
を含有する試料と共に置換反応器130に添加する。これ
を第2C図に概略的に示す。米国特許出願第607,885号明
細書の第1B図に示すように、標的ヌクレオチド配列TSは
まずプローブ(試薬複合体116のP′)の標的結合領域T
BRの一部にハイブリツド形成するであろう。米国特許出
願第607,885号明細書の第1C、1Dおよび1E図に示される
ように、標的ヌクレオチド配列TSによるハイブリツド形
成点は次いで標識ポリヌクレオチド結合領域LBR内へ移
動し、試薬複合体116中のプローブポリヌクレオチド
P′から標識ポリヌクレオチドを置換する。
第1図に関する記述について示したように、他の試薬が
反応器130内に存在してもよい。これには特に先きに引
用したウイリアムズらの明細書(米国特許出願第684,30
8号)およびコリンズらの明細書(同第684,305号)にお
いて考察されたものが含まれる。
適宜な期間ののち、ホモポリマー セグメントHSに対す
る固定化されたアフイニテイ試薬を保有するカラム132
に置換反応混合物を負荷する。カラム132の固定化され
たアフイニテイ試薬とホモポリマー セグメントHSとの
結合は不可逆的であつてもよく、あるいは後記のように
制御可能な程度に可逆的であつてもよい。第1図に関連
して考察した調製用カラム17の場合と同様に、置換反応
混合物を導入したのちカラムに一連の溶液134、136およ
び138を導通してもよい。しかし使い捨てカラム132を用
いるある種の形態においては、第1液(洗浄液134)が
必要とされるにすぎない。この1回の洗浄による溶出液
(または一連の溶液を用いた場合の初期溶出液)は置換
された標識ポリヌクレオチドのすべてまたは実質上すべ
てを含有し、この存在および量は分析すべき試料中の標
的ヌクレオチド配列TSの存在および量と関数関係にあ
る。定量はたとえば分析される溶出液中の酵素Eの存在
および量と関数関係にある量の、検出可能な蛍光性、吸
光性または発光性の信号を生じる酵素反応体を用いて初
期溶出液を常法により酵素分析することによつて行うこ
とができる。
最小量の塩溶液136を用いて試薬複合体116をカラム132
から洗い出して後期溶出液を得ることがしばしば望まれ
る。この溶出液を同様に酵素分析することによつて、先
きの分析結果を量的に調整しかつ解釈する数値が得られ
るかも知れない。カラム132を廃棄せずに再使用するこ
とを希望する場合は、カラム132を再生用液138で(およ
び/またはさらに再平衡化用液で)洗浄することができ
る。試料ポリヌクレオチドGの一部が結合した(標的結
合領域TBRに標的ヌクレオチド配列TSが相補的塩基対合
することにより)プローブP′は、最小量の塩溶液136
または再生用液138中に、未変化の過剰な試薬複合体と
共にカラムから溶出するであろう。
カラムからのアリコートをたとえば酵素活性につきアツ
セイすることにより(第2D図の下部に曲線140によつて
概略的に示すように)、活性PDLPおよびPRCのピークを
観察することができる。ここでPDLPはアフイニテイカラ
ム132から回収された置換された標識ポリヌクレオチド
の量を表わし、PRCは試薬複合体の量を表わす。第2D図
において曲線の左端は最大保持時間に相当する。ピーク
PRCおよびPDLPは各ピークにおいて測定される要素(第2
D図)の下方に示される。このアツセイについてはこれ
らのピークのうち一方のみを定量すれば十分である。置
換された標識ポリヌクレオチドの量は0(またはバツク
グラウンド値)から試料中に存在する標的ヌクレオチド
配列TSの量に比例して増加するので、ピークPDLPを定量
することが好ましい。これに対し、予想される標的ヌク
レオチド配列の水準よりも大過剰の複合体が普通は用い
られるので、ピークPRCは普通は大きく、試料中の標的
ヌクレオチド配列TSの存在の関数として相対的に小さな
低下を示すにすぎないであろう。
例 1 同位体標識されたポリヌクレオチドおよびオリゴ(dG)
セルロースアフイニテイクロマトグラフイーを用いる連
鎖置換後アツセイ法 プローブポリヌクレオチド これらの例に用いたM13系列の親クローニングビヒクル
はヨアヒム・メツシングらにより最初に構成された(ジ
エイ・メツシングら、“プロシ・ナシヨナル・アカデ・
サイ・ユーエスエー(Proc.Natl.Acad.Sci.USA)”、74
巻、3642頁(1977年)、ジエイ・メツシング、“メソツ
ズ・イン・エンザイモロジー”、101巻、20−78頁(198
3年))。これらの一本鎖バクテリオフアージを遺伝的
に処理して遺伝マーカー、および目的とする外来DNAの
選択的挿入を可能にする各種制限部位を含有させた。大
腸菌にM13フアージ粒子を感染させることにより一本鎖
フアージDNAを含有するヴイリオンを増殖培地中に放出
されるので、M13クローニングビヒクルを用いることは
以下の例において特に有用である。ここで用いる種々の
クローン番号(たとえばM13mp9クローンII−16)はこれ
らのウイルス株の親形態に対するメツシングの命名法を
採用したバクテリオフアージクローンの識別点である。
この例および以下の各例において用いたプローブポリヌ
クレオチドは組み換えDNAM13mp9クローンII−16から誘
導された。このM13mp9クローンII−16DNAは複製二本鎖
型M13mp9にpBR322DNAのPst I/Bam HI制限酵素消化によ
り得られた1.1Kbの断片を挿入することによつて製造さ
れた。1.1Kb挿入体は十分に生長した(mature)(一本
鎖)形のM13mp9クローンII−16DNAにおいて、選ばれた
標識ポリヌクレオチド(ハイブリツド形成した場合)の
5′末端が環状または線状のプローブポリヌクレオチド
の挿入DNA中のBam HI制限部位(または残存部分)に隣
接するように配置される。クローン化されたpBR322DNA
挿入体を含むM13mp9クローンII−16で受容細菌細胞を転
換したのち、大量の一本鎖型のM13mp9DNAが得られた。
次いでこの一本鎖環状DNAを制限酵素Hinf Iで徹底的に
消化し、完全に消化された時点で約25の断片が得られ
た。このうち1種のみが目的の配列(pBR挿入体)を含
んでいた。環状ウイルスDNAセグメント当たりのHinf I
断片の数はM13mp9DNA中のHinf I制限酵素認識部位の数
に基づいて推定される。pBR322Bam HI−PstI断片は内部
Hinf I認識部位をもたない。pBR322DNA挿入体を含む完
全消化生成物断片は長さ約1.6Kbであり、分子の5′方
向に伸びるもとのM13mp9DNAからの塩基約205個および
3′方向に伸びる約348個の塩基のほかに、pBR322DNA
(1.1Kb)からなる。M13mp9クローンII−16DNAのHinf I
消化生成物(pBR322挿入体を含む断片を含む)につき、
次いでターミナルデオキシヌクレオチジルトランスフエ
ラーゼ(TdT)によるホモポリマー付加(“テイル形
成”(tailing))反応を行つた。この酵素はDNA分子の
3′−OH末端へのデオキシヌクレオチド付加を解媒す
る。この例においては、DNA(Hinf I消化生成物)60〜7
0pmolをTdT472単位およびdCTP7.4nmol(3′−OH末端よ
りも114倍モル過剰のdCTP)と混合することにより“C
−テイル付"DNAが製造された。次いで適宜なテイル形成
用緩衝液を添加し、混合物を37℃で2時間インキユベー
トした。インキユベーシヨンののち、EDTAを添加し(最
終濃度10mM)、混合物を3分間煮沸することにより、酵
素活性を破壊した。この混合物を精製することなく直接
に用いて、標識ポリヌクレオチドとのハイブリツドを形
成させた。
標識ポリヌクレオチド この例および以下の各例に用い
た標識ポリヌクレオチドは 5′−CACAGGACGGGTGTGGTCGCCATGATC−3′ の配列の化学的に合成されたオリゴヌクレオチド(27me
r)から誘導された。この未標識オリゴヌクレオチドを
これらの実験に用いるために32Pで5′末端標識した。
5′−OHリン酸化ののち、取込まれなかつた〔γ‐
32P〕ATPをDEAE−セフアデツクスA−25イオン交換クロ
マトグラフイーにより除去し、標識ポリヌクレオチド
を、さらに精製することなく使用した。得られた一般的
な比放射能は約3000Ci/mmol(27mer)であり、定量的な
移行が推定された。
ハイブリツド 5倍モル過剰の末端標識27merを5×SSC
(0.75M−NaCl+0.075Mクエン酸ナトリウム)の存在下
でC−テイル付プローブポリヌクレオチドと混合するこ
とにより試薬複合体すなわちハイブリツドを形成した。
一般に約2.5pmolのC−テイル付プローブポリヌクレオ
チド(pBR322挿入体を含む断片)DNAを末端標識27mer約
12.5pmolに暴露し、混合物を50℃に1時間保持した。ハ
イブリツド混合物を徐々に室温にまで冷却し、次いでセ
フアロース(Sepharose、登録商標)4B(フアルマシ
ア)のカラム(7mm×170mm)に施し、TE(10mMトリス−
HCl+1mMEDTA、pH8.1)緩衝液で溶離した。溶出液を2
滴または3滴の画分で採取し、ラジオアツセイした。高
分子量のハイブリツドは早期に(カラムの空隙率付近
で)溶出し、ハイブリツド形成していない27merははる
かに大きな保持時間で溶出した。こうして、ハイブリツ
ド形成していない標識オリゴヌクレオチドは試薬溶液か
ら除去された。高分子量の画分はM13mp9クローンII−16
のC−テイル付Hinf I断片からなり、これは標識ポリヌ
クレオチドにハイブリツド形成したpBR322挿入体(プロ
ーブポリヌクレオチド)を保有する断片を含み、かつハ
イブリツド形成が必ずしも100%完了するまで進行した
わけではないのでハイブリツド形成したプローブポリヌ
クレオチドをも含んでいた。一般にハイブリツド形成の
効率40〜50%が認められた。ハイブリツドを含有する高
分子量の画分の容積を次いで600〜700μから約100μ
にまで減少させ、後続の置換実験に用いた。
標的ポリヌクレオチド この例および以下の例における
連鎖置換を証明するための標的ポリヌクレオチド(“被
分析体(analyte)”および“競合体(competitor)"DN
Aとも呼ばれる)は、M13mp9II−16DNA中のpB322挿入体
に対し相補的なpBR322DNA(すなわちM13mp9クローンII
−16中に見出されないpBR322DNAのPst I/Bam Hl2個消化
により得られるDNA鎖)を含む一本鎖プラスミドM13mp8
クローン20DNAであつた。M13mp8クローン20DNAとM13mp9
クローンII−16DNAの有意の相同領域は、隣接する多数
のクローニング部位DNA配列を含む挿入pBR322配列の領
域のみであつた。
置換 連鎖置換反応は溶液中で試薬複合体0.17pmolを用
いて行われた。試薬複合体を含む溶液に競合体DNAを表
1に示すモル比で添加した。プローブおよび競合体のDN
A濃度は電気泳動において均質なDNA調整液の光学的測定
により測定された。置換反応は2×SSC中で50℃におい
て、17.5μの反応容積で3時間行われた。前記の各実
験のほかに、相同競合体DNAの代わりに非相同DNA(バク
テリオフアージラムダHind III消化断片、試薬複合体と
1:1のモル比において)を用いる実験も行つた。
溶液置換後に、試料を1M・NaCl+TE緩衝液250μで希
釈し、オリゴ(dG)セルロースを含有するアフイニテイ
カラムに導通した。これらの塩濃度および温度の条件下
で、修飾された(C−テイル付)DNAはオリゴ(dG)ア
フイニテイ物質とのC−G塩基対合によりこのカラムマ
トリツクスに対する親和性を示し、一方未修飾DNA(置
換された標識オリゴヌクレオチドを含む)は親和性をも
たず、従つてカラムを速やかに通過するはずである。こ
の実験に用いたオリゴ(dG)セルロース(P−Lバイオ
ケミカルズ(登録商標)から入手)はヌクレオチド20個
までのホモポリマー鎖状でセルロースに化学的に結合し
たグアニル酸から成る。オリゴ(dG)セルロース1gは10
0mgまでのグアニル酸を含有し、供給業者の製品説明書
によれば10〜20A260単位のポリ(C)を可逆的に結合す
るであろう。オリゴ(dG)セルロースをTE緩衝液中で洗
浄し、1M・NaCl+TE緩衝液中で平衡化し、次いでスラリ
ーとしてアイソラボ(Isolab、登録商標)クイツク−セ
プ(Quik−Sep)使い捨てポリプロピレン製カラム(容
量5ml)(ガラスミクロフアイバーデイスクを装填)中
へ注入した。オリゴ(dG)セルロース0.25gを含むカラ
ム(カラム床寸法10mm×15mm)を用いて各置換を個々に
アツセイした。試料を施したのち、オリゴ(dG)セルロ
ースアフイニテイカラムを15℃で30分間インキユベート
し、それぞれ1mlアリコート4回ずつの1M・NaCl+TE、
0.2M・NaCl+TE、TE、最後に0.1N・NaOHで順次溶離し
た。カラム画分をすべて採取し、放射能分析した。
結果 同位体標識したポリヌクレオチドおよびオリゴ
(dG)セルロースアフイニテイクロマトグラフイーを用
いたこの例の連鎖置換実験の結果を表1に示す。相同競
合体DNAの代わりに非相同バクテリオフアージラムダ(H
ind III断片)DNAを用いた実験の結果は、7.2%の放射
能が1M・NaCl+TE画分中に溶出したことを示した。これ
は競合体DNAを用いなかつた場合と有意差がなかつた
(表1)。表1に見られるように、1M・NaCl+TE画分中
の放射能の溶出によつて測定された置換は競合体DNAの
濃度の関数として増大した。
例 2 酵素標識したポリヌクレオチドおよびオリゴ(dG)セル
ロースアフイニテイクロマトグラフイーを用いる連鎖置
換後アツセイ プローブポリヌクレオチド この例で用いたプローブポ
リヌクレオチドは例1に記載したものと同一であつた。
標識ポリヌクレオチド この例においては連鎖置換の尺
度としてワサビダイコン(horse−radish)パーオキシ
ダーゼ(HRP)酵素活性を採用した。HRP標識ポリヌクレ
オチドは、まず例1の場合と同一の27merをターミナル
デオキシヌクレオチダルトランスフエラーゼ(TdT)に
関連して用いたビオチニル化dUTPでテイル形成し、次い
でビオチンを含有する修飾されたオリゴヌクレオチドを
ストレプトアビジン−HRP(SA−HRP)と結合させること
により製造された。ビオチン修飾されたオリゴヌクレオ
チドの合成に際して同位体標識された27mer(5′−
32P)を使用し、種種の生成物画分におけるオリゴヌク
レオチドの存在についての独立した尺度を得た。リン酸
化反応(例1に記載)から得られる末端放射性標識され
た27mer生成物をテイル形成の前にまずエタノール沈殿
させて、比較的塩不含のオリゴヌクレオチドにした。塩
類はTdT酵素を妨害するからである。次いで27mer(10〜
15pmol)を、DNAおよびTdTに対し50倍モル過剰の修飾さ
れたデオキシヌクレオチド(約50単位)を用いて、ビオ
チニル化dUTPと混合した。適宜なテイル形成用緩衝液を
添加したのち混合物を37℃で1時間インキユベートし
た。次いで、テイルをもたない27merをサイズ基準とし
て用いて、ポリアクリルアミドゲル電気泳動によりテイ
ルの長さを調べた。最初の実験ではこのビオチン−dUTP
テイル付オリゴヌクレオチドをそのまま用いて、例1に
記載したと同様なC−テイル付プローブポリヌクレオチ
ドとのハイブリツドを製造した。次いで、ハイブリツド
形成していないビオチニル化オリゴヌクレオチドおよび
過剰のビオチン−dUTPを例1に記載したと同様にセフア
ロース4Bサイズ排除クロマトグラフイーにより除去し
た。セフアロース4Bカラムから得られる高分子量の画分
(ハイブリツドを含有する)を次いで50倍モル過剰のSA
−HRP(存在するハイブリツドの量に対する)と結合さ
せた。結合反応はリン酸塩緩衝化食塩液(pH7.4)中で3
7℃において30分間行われた。結合した物質を次いで25
μに希釈し、最終NaCl濃度1Mにした。結合したハイブ
リツド、ハイブリツド形成していないC−テイル付プロ
ーブポリヌクレオチド、および未結合SA−HRPを含む混
合物を次いでオリゴ(dG)セルロースアフイニテイカラ
ムに導通して、結合していない酵素を除去した。カラム
のプロトコールは本質的には例1に記載したものと同じ
であつたが、ただしすべてのカラム画分におけるHRP活
性を測定した(後記参照)。未結合SA−HRPおよびテイ
ル未形成プローブポリヌクレオチドはいずれも1M・NaCl
+TE緩衝液画分中に溶出すると予想された。TE緩衝液の
みの画分(結合した複合体を含有する)をプールし、下
記の置換実験に用いた。
あとの実験においては、まずSA−HRPをビオチン−dUTP
テイル付オリゴヌクレオチド(セフアデツクス(Sephad
ex、登録商標)、G−25(フアルマシア)上で精製)に
結合させ、次いでC−テイル付プローブポリヌクレオチ
ドとのハイブリツドを製造することが決められた。ビオ
チン−dUTPテイル付オリゴヌクレオチドを前記と同様に
製造し、精製せずにSA−HRPに総モル比1:1(総ビオチ
ン:SA−HRP)で暴露した。混合物を37℃で1時間、次い
で室温で一夜インキユベートした。結合したオリゴヌク
レオチドを次いで3倍モル過剰の標識オリゴヌクレオチ
ドを用いてC−テイル付プローブポリヌクレオチドと混
合した。これらのDNAを37℃で1時間、次いで室温で3
時間ハイブリツド形成させた。ハイブリツド形成後にNa
Cl溶液濃度を1Mに高め、試薬複合体を前記のようにオリ
ゴ(dG)セルロースカラムに導通することにより精製し
た。カラムの画分をすべて放射能分析し、各画分につき
HRP活性も測定した。TE緩衝液のみの画分(結合したハ
イブリツド複合体を含有する)をプールし、次いで置換
実験に用いた。
置換実験 連鎖置換反応を本質的には例1に記載したも
のと同じ溶液中で行つた。ただし競合体DNAを競合体/
プローブポリヌクレオチドのモル比0、1、2.5、10お
よび20の値で添加した。競合体およびプローブDNAの濃
度は例1に示したと同様に計算された。置換反応は2×
SSC中で37℃において3時間行われた。熱に対して不安
定なHRP酵素が存在するため、比較的低い反応温度およ
び比較的高い水準の競合体DNAが必要であつた。溶液置
換反応ののち試料をすべて250μに希釈し、塩濃度を1
M・NaClに高め、次いで反応液をオリゴ(dG)セルロー
スカラムに導通した。カラムの条件および緩衝液は例1
に記載したものと同じであつた。ただし使用前にカラム
をビオチン−dUTPで処理して、ビオチニル化DNAがポリ
プロピレン製カラム中のアフイニテイマトリツクスに非
特異的に結合するのを少なくした。カラムの画分をすべ
て採取し、各画分のアリコートを例1に記載したと同様
に放射能分析した。カラムの画分におけるHRP活性測定
のためのオルトフエニレンジアミン(OPD)溶液(0.1M
クエン酸ナトリウム中1.1mg/ml)150μは0.1Mクエン
酸ナトリウム中の0.012%H2O2150μであり、この混合
物にHRP含有試料溶液250μまでを添加した。アツセイ
液を室温で30分間緩和に振とうしたのち2M・H2SO4150μ
を添加して反応を停止させた。次いでアツセイ用試験
管の内容物をA490値につき、未希釈条件下または希釈条
件下で分析した。希釈が必要な場合は0.1Mクエン酸ナト
リウム緩衝液中で行つた。
結果 一連の連鎖置換実験の結果から、標識ポリヌクレ
オチドは競合体DNA量の増加に正比例する量で置換され
ることが証明された。HRP活性および放射性標識を共に
すべてのカラム画分において追跡した。1M・NaCl+TE緩
衝液中のHRP活性および放射能は、試薬複合体の量を一
定にしたとき競合体DNA濃度に比例して増加した。同時
に、TEのみの緩衝液の画分中のHRP活性の量は、反応試
料中の競合体DNA濃度が高まるに伴つて減少した(デー
タは示されていない)。
例 3 大腸菌RecA蛋白質の存在下での同位体標識ポリヌクレオ
チド、およびオリゴ(dG)セルロースアフイニテイクロ
マトグラフイーを用いる連鎖置換後アツセイ プローブポリヌクレオチド この例で用いたプローブポ
リヌクレオチドはM13mp9クローン5−5またはM13mp19
クローン3−2から誘導された。これらのクローンは例
1に記載したクローンM13mp9クローンII−16に相当する
後期分離体(isolate)であつた。
標識ポリヌクレオチド 標識ポリヌクレオチドは例1に
記載したと同様にして製造された。
ハイブリツド ハイブリツド試薬複合体は1モル過剰の
末端放射性標識27mer(標識ポリヌクレオチド)を2×S
SCの存在下でC−テイル付プローブポリヌクレオチドと
混合することにより製造された。混合物を50℃に1時間
放置したのち例1に詳述したように精製した。
標的ポリヌクレオチド この例で用いた標的ポリヌクレ
オチドは環状M13mp8クローン20C−2であつた。このク
ローンは例1に記載したM13mp8クローン20に相当する後
期分離体であつた。
置換 0.14pmolのハイブリツド試薬複合体を用いて連鎖
置換反応を行つた。ハイブリツド試薬複合体を含有する
溶液に競合体DNAを表2に示す比率で添加した。各反応
液にはrecA蛋白質(大腸菌から精製;ベテスダ・リサー
チ・ラボラトリーズ(メリーランド州ガイテルスバー
グ)から市販されている)6.4μgも含まれていた。置
換反応は1×recA緩衝液(20mMトリス−HCl、pH7.5、25
mM・MgCl2、2mMジチオスレイトール、100μg/ml BSA、2
mM・ATP)中で37℃において1時間、約20μの反応容
積において行われた。
競合体およびプローブDNAの濃度は例1に示したと同様
に計算された。各反応液に添加されたrecA蛋白質の量は
約1200:1(モル)でrecA蛋白質がプローブDNAよりも過
剰であつた。
置換後に各試料を例1に記載したと同様にオリゴ(dG)
セルロースアフイニテイカラムに導通した。
結果 recA蛋白質の存在下で同位体標識ポリヌクレオチ
ドを用いた連鎖置換反応の結果を表2に列記する。
同様に、非相同DNA(pBR322挿入体を含まない環状M13mp
8DNA)はモル比.5:1(M13mp8DNA:試薬複合体)において
1M・NaCl+TE緩衝液画分中に9.0%の放射能を生じた。
例 4 参考のためここにカルビン・ピー・エツチ・バリーらの
“ポリヌクレオチド置換、分離、酵素による開裂、およ
びアデノシンリン酸検出に用いる診断用試薬、キツトお
よび方法”と題する出願明細書の例2を引用する。その
実験を表3にまとめる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一形態の試薬複合体を製造するための
本発明方法の一実施態様を示す略図である。 第2A図は本発明の試薬複合体への前駆物質115の形態を
示す略図である。 第2B図は第2A図の前駆物質115からストレプトアビジン
−酵素結合体(A−E)の添加により製造された試薬複
合体116を第2A図に比して引伸ばした図である。 第2C図は、本発明方法の分離工程(c1)の一実施態様に
よる試薬複合体の精製を示し、かつ本発明方法の一実施
態様により核酸試料(G)中の標的ヌクレオチド配列
(TS)を検出するために試薬複合体116を使用すること
を示す略図である。 第2D図は、第2C図のカラム132より採取されたアリコー
トからの酵素反応出力を概略的にグラフで示したもの、
および対応するアリコート中に見出される分子形をグラ
フで示したものであり;この図は試薬複合体に対するピ
ーク(PRC)および置換された標識ポリヌクレオチドに
対するピーク(PDLP)を示す。従つて第2D図は本発明方
法の測定工程(c2)の一実施態様の出力を示す。 各図において記号は下記のものを表わす。 P(10):プローブポリヌクレオチド TBR:標的結合領域 LBR:標識ポリヌクレオチド結合領域 L(14,114):標識ポリヌクレオチド P′(12):修飾されたP BS:結合セグメント T:標識 HS:ホモポリマーセグメント B:ビオチン U:ウリジンヌクレオチド A−E:アビジン−酵素結合体 TS:標的ヌクレオチド配列 16,116:試薬複合体 17,132:カラム 18,20,22,134,136,138:溶離液 24:P+L 25:生成物画分 115:P′+L 130:置換反応器 140:活性曲線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ジョン・アイラ・ウィリアムス アメリカ合衆国ニユージャージー州07042, モンクレアー,ノース・マウンテン・アベ ニュー 123 (72)発明者 スチーブン・エリオット・ダイアモンド アメリカ合衆国ニュージャージー州07081, スプリングフィールド,パーク・レーン 30 (72)発明者 カルヴィン・パーディー・フル・ヴァリー アメリカ合衆国ニュージャージー州07830, カリフォン,アールアール 3,ボックス 54

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(i)プリン/ピリミジン塩基対の水素結
    合を介して標的ヌクレオチド配列に塩基対結合しうるプ
    ローブヌクレオチド、および (ii)プリン/ピリミジン塩基対の水素結合を介して、
    プローブポリヌクレオチドが標的ヌクレオチド配列に塩
    基対結合しうる領域と少なくとも部分的に共通の範囲を
    もつ(coextensive)プローブポリヌクレオチドの領域
    においてプローブポリヌクレオチドに塩基対結合するこ
    とにより結合した標識ポリヌクレオチド からなる、生物学的試料の核酸中のあらかじめ定められ
    た標的ヌクレオチド配列の存在を測定するための診断用
    試薬複合体において、 標的ヌクレオチド配列とプローブポリヌクレオチドとの
    間で起こりうる塩基対結合が試薬複合体から標識ポリヌ
    クレオチドを置換しうるものであって; プローブポリヌクレオチドが標的ヌクレオチド配列に塩
    基対結合しうる領域から遠位において(すなわち間隔を
    置いて)、プローブポリヌクレオチドが結合セグメント
    を含み; プローブポリヌクレオチドのこの結合セグメントに、標
    識ポリヌクレオチドがプローブポリヌクレオチドに結合
    した状態を保つ条件下で、アフイニテイ試薬により可逆
    的に結合しうることを特徴とする診断用試薬複合体。
  2. 【請求項2】結合セグメントがホモポリヌクレオチドセ
    グメントである、特許請求の範囲第1項に記載の診断用
    試薬。
  3. 【請求項3】ホモポリヌクレオチドセグメントがポリ
    (dC)、ポリ(dG)、ポリ(dT)、ポリ(dU)、ポリ
    (ビオチン−dU)、ポリ(rC)、ポリ(rC)、およびポ
    リ(rU)よりなる群から選ばれる、特許請求の範囲第2
    項に記載の診断用試薬。
  4. 【請求項4】プローブポリヌクレオチドが標的ヌクレオ
    チド配列に塩基対結合しうる標的結合領域、および複合
    体において標識ポリヌクレオチドの塩基にプリン/ピリ
    ミジン塩基対結合により結合した標識ポリヌクレオチド
    結合領域を含み、かつ標識ポリヌクレオチド結合領域が
    標的結合領域に含まれる、特許請求の範囲第2項に記載
    の診断用試薬。
  5. 【請求項5】標識ポリヌクレオチドがアフイニテイ部分
    に共有結合した酸素を含み、かつ標識ポリヌクレオチド
    のヌクレオチドがアフイニテイ部分およびそれに対しア
    フイニテイ部分が特異的であるリガンド部分を介して酵
    素に結合している、特許請求の範囲第1項に記載の診断
    用試薬。
  6. 【請求項6】(a)(i)プリン/ピリミジン塩基対の
    水素結合を介して標的ヌクレオチド配列に塩基対結合し
    うるプローブポリヌクレオチド、および (ii)プリン/ピリミジン塩基対の水素結合を介して、
    プローブポリヌクレオチドが標的ヌクレオチド配列に結
    合しうる領域と少なくとも部分的に共通の範囲をもつプ
    ローブポリヌクレオチドの領域においてプローブポリヌ
    クレオチドに塩基対結合することにより結合した標識ポ
    リヌクレオチドの試薬複合体を供給し; (b) 試薬複合体を溶液中で、標的ヌクレオチド配列
    が存在する場合プローブポリヌクレオチドに結合しかつ
    複合体から標識ポリヌクレオチドを置換する条件下にお
    いて試料と接触させ; (c1) 接触工程(b)ののち反応溶液の一部から残留
    する試薬複合体を分離し、そして (c2) 分離後の溶液相中の置換された標識ポリヌクレ
    オチドの存在を測定する 工程からなる生物学的試料の核酸中のあらかじめ定めら
    れた標的ヌクレオチド配列の存在を測定するための方法
    であって; プローブポリヌクレオチドが標的ヌクレオチド配列に塩
    基対結合しうる領域から遠位において、プローブポリヌ
    クレオチドが結合セグメントを含み; 分離工程(c1)が、接触工程(b)の溶液生成物を上記
    結合セグメントに対する固定化されたアフイニテイ試薬
    と接触した状態で通過させ、固定化されたアフイニテイ
    試薬から結合セグメントを含有するポリヌクレオチドは
    実質的に含まない溶液相を回収し、この溶液相について
    測定工程(c2)を実施し、その際、固定化されたアフイ
    ニテイ試薬と試薬複合体の結合が可逆的であることを特
    徴とする方法。
  7. 【請求項7】結合セグメントはホモポリヌクレオチドセ
    グメントであり、アフイニテイ試薬は該ホモポリヌクレ
    オチドセグメントのヌクレオチドに対して相補的である
    ヌクレオチドの反復セグメントが懸垂した(appended)
    マトリックスである、特許請求の範囲第6項に記載の方
    法。
  8. 【請求項8】標識ポリヌクレオチドがアフイニテイ部分
    に共有結合した酵素を含み、かつ標識ポリヌクレオチド
    のヌクレオチドがアフイニテイ部分およびそれに対しア
    フイニテイ部分が特異的であるリガンド部分を介して酵
    素に結合している、特許請求の範囲第6項に記載の方
    法。
  9. 【請求項9】(a)(i)プリン/ピリミジン塩基対の
    水素結合を介して標的ヌクレオチド配列に塩基対結合し
    うる領域をもつプローブポリヌクレオチド、および (ii)プリン/ピリミジン塩基対の水素結合を介して、
    プローブポリヌクレオチドが標的ヌクレオチド配列に塩
    基対結合しうる領域と少なくとも部分的に共通の範囲を
    もつプローブポリヌクレオチドの領域においてプローブ
    ポリヌクレオチドに塩基対結合しうる標識ポリヌクレオ
    チド をハイブリッド形成させ; プローブポリヌクレオチドは、プローブポリヌクレオチ
    ドが標的ヌクレオチド配列に塩基対結合しうる領域から
    遠位にある結合セグメントを含み; (b) 該結合セグメントにおける選択的な可逆的吸着
    により、試薬複合体をプローブポリヌクレオチドに結合
    していない標識ポリヌクレオチドから分離する 工程からなる、生物学的試料の核酸中におけるあらかじ
    め定められた標的ヌクレオチド配列の存在を測定するの
    に有用な診断用試薬の製法。
  10. 【請求項10】結合セグメントがホモポリヌクレオチド
    セグメントであり、かつ、分離工程(b)のハイブリダ
    イゼーション反応混合液は、プローブポリヌクレオチド
    のホモポリヌクレオチドセグメントを相補的な固定化ホ
    モポリヌクレオチドセグメントと接触させることよりな
    る、特許請求の範囲第9項に記載の方法。
JP10188986A 1985-05-02 1986-05-01 診断用ポリヌクレオチド試薬複合体、溶液中での試薬複合体からの置換およびアフイニテイ分離を含むその使用法、ならびにその製法 Expired - Lifetime JPH0710239B2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US20230241530A1 (en) * 2022-02-01 2023-08-03 W. L. Gore & Associates, Inc. Affinity chromatography devices containing a heat treated fibrillated polymer membrane for the separation of mrna and viral vectors from an aqueous mixture

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US20230241530A1 (en) * 2022-02-01 2023-08-03 W. L. Gore & Associates, Inc. Affinity chromatography devices containing a heat treated fibrillated polymer membrane for the separation of mrna and viral vectors from an aqueous mixture

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Publication number Publication date
JPS61288158A (ja) 1986-12-18

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