JPH07103256B2 - 着色高分子粉粒体及びその製造方法並びに着色高分子粉粒体からなる成形物及び塗料組成物 - Google Patents

着色高分子粉粒体及びその製造方法並びに着色高分子粉粒体からなる成形物及び塗料組成物

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JPH07103256B2
JPH07103256B2 JP63191955A JP19195588A JPH07103256B2 JP H07103256 B2 JPH07103256 B2 JP H07103256B2 JP 63191955 A JP63191955 A JP 63191955A JP 19195588 A JP19195588 A JP 19195588A JP H07103256 B2 JPH07103256 B2 JP H07103256B2
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忠光 平田
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は着色高分子粉粒体及びその製造方法並びに着
色高分子粉粒体を用いた成形物の製造法及び塗料組成物
に係り、その目的は平均粒径10〜200μmという微粒子
状の着色粒子であって、塗料組成物の必須成分とするこ
とにより布地或いはスウェード様の多彩な霜降り様とで
もいうべき多彩模様の外観と、しなやかさとざらつきを
もつ触感とを有する被膜、塗膜を発現することがができ
る着色高分子粉粒体及びこの着色高分子粉粒体を効率よ
く製造することのできる方法、並びに自動車の内装シー
トや壁紙に使用できる装飾性に優れた成形物を簡便に得
ることのできる方法、さらには前記多彩模様の外観と、
しなやかさとざらつきをもつ触感とを有する塗膜を与え
ることのできる装飾性に優れた塗料組成物を提供するこ
とにある。
(従来の技術) 従来、塗料組成物は各色の着色顔料をワニスに混練させ
て色調節されている。
しかし、かかる塗料組成物に使用される着色顔料は色ム
ラをなくし分散性を高め色調を整えるために粒径が10μ
m以下の粒子で調整されている。
通常の塗料においてはこの粒径は小さければ小さい方が
より望ましいものであるため、例えば赤と白の塗料を混
合して霜降り模様を造ろうとしても、この塗料組成物の
塗膜では、表面に並列された異なる色の着色顔料の小点
が完全に溶け合った無模様の単一色として、すなわち桃
色の塗膜としてしか視覚にとらえられず、装飾性に乏し
かった。
そこで、この発明者らは多彩模様としての装飾性に優れ
た塗料組成物について鋭意研究した結果、この発明者ら
が既に開示した特開昭63−145378号「多彩模様仕上げ塗
料組成物の製造法」を得た。この方法は、塗膜表面に並
列された着色顔料の小点は布地、スウェード様の多彩模
様として装飾性に優れるとともに、塗膜に不均一な模様
のムラが生じず、塗膜の堅牢性にも優れた塗料組成物を
得ることを目的として開発されている。
一方、特開昭52−150444号公報では、かさ比重約0.1〜
0.8の熱可塑性合成樹脂低発泡物粒子(直径0.2〜5.0m
m)と、可撓性のある合成樹脂エマルションとからなる
骨材入り合成樹脂エマルション塗料が開示されていた。
さらに特公昭52−46970号公報では、無機細粒子粉100重
量部に対して、ポリ塩化ビニル粉を10〜100重量部、顔
料を適量混合し、それらの総和に対して該無機微細粒子
粉に粘着性があり、該ポリ塩化ビニルを棒順させ得る溶
剤と、これに可溶の樹脂よりなる樹脂溶液15〜35重量%
を混練して造粒機で造粒する塗装用粒状物の製造方法が
開示されていた。
しかしながら、前記この発明者らが既に開示した特開昭
63−145378号公報開示の製造法では合成樹脂粒子の表面
に着色顔料を含有するエマルション樹脂を100%被覆す
ることが困難で、歩留り上の課題と発色についての課
題、さらに粒度を大きくすると過度にざらつくという欠
点が存在した。
また、特開昭52−150444号公報開示の技術は、物理的特
性に優れた骨材入りエマルション樹脂ではあるものの、
樹脂粒子の表面に着色顔料が被覆されて10〜200μmの
粒径の粒子を得ることはできないという課題が存在し
た。
しかも、ここで開示されている熱可塑性合成樹脂低発泡
物粒子では、塗料中に配合しても、得られる塗膜に布地
或いはスウェード様の多彩な霜降り様とでもいうべき多
彩模様の外観や、しなやかさとざらつきをもつ触感とを
発現させることができないという課題が存在した。
さらに、特公昭52−46970号公報開示の技術は無機粒子
の美麗さを備えた着色粒子を得ることはできるが、10〜
200μmという粒径の粒子を得ることはできないという
課題が存在した。
しかも、このような無機粒子では前記同様霜降り様の多
彩模様の外観や、しなやかさとざらつきをもつ触感とを
発現することができないという課題が存在した。
(発明が解決しようとする課題) 上記実情に鑑み、業界では平均粒径10〜200μmという
粒径で、歩留りと発色がよく、使用時において霜降り様
の多彩模様の外観や、しなやかさと適度のざらつきをも
つ触感とを発現することができる着色高分子粉粒体及び
その製造方法並びに着色高分子粉粒体からなる成形物及
び塗料組成物の創出が望まれていた。
(課題を解決するための手段) 請求項第1項に記載された発明は、4.7乃至50重量%の
可塑剤と95.3乃至50重量%の塩化ビニル系合成樹脂給成
樹脂からなる平均粒径10〜170μmの塩化ビニル系合成
樹脂製の粒子表面に、着色顔料を含有するエマルション
樹脂からなる被膜を有する平均粒径10乃至200μmの着
色高分子粉粒体である。
請求項第2項に記載された発明は、4.7乃至50重量%の
可塑剤と95.3乃至50重量%の塩化ビニル系合成樹脂から
なる平均粒径10〜170μmの塩化ビニル系合成樹脂製の
粉末と、前記塩化ビニル系合成樹脂の0.1〜1.0重量倍の
着色顔料及びエマルション樹脂の分散安定化された混合
物とを混合し、この混合系に金属塩を添加して、前記塩
化ビニル系合成樹脂の粒子表面に着色顔料を含有するエ
マルション樹脂を凝析させ、エマルション樹脂からなる
被膜を形成させて平均粒径が10乃至200μmの着色高分
子粉粒体を得ることを特徴とする着色高分子粉粒体の製
造方法である。
請求項第3項に記載された発明は、4.7乃至50重量%の
可塑剤と95.3乃至50重量%の塩化ビニル系合成樹脂から
なる平均粒径10〜170μmの塩化ビニル系合成樹脂製の
粒子表面に、着色顔料を含有するエマルション樹脂から
なる被膜を有する平均粒径10乃至200μmの着色高分子
粉粒体について、前記着色高分子粉粒体の異色のものを
混合した混合物からなることを特徴とする着色高分子粉
粒体からなる成形物である。
請求項第4項に記載された発明は、4.7乃至50重量%の
可塑剤と95.3乃至50重量%の塩化ビニル系合成樹脂から
なる平均粒径10〜170μmの塩化ビニル系合成樹脂製の
粒子表面に、着色顔料を含有するエマルション樹脂から
なる被膜を有する平均粒径10乃至200μmの着色高分子
粉粒体について、前記着色高分子粉粒体の異色のものを
混合した混合物を必須成分として含有してなることを特
徴とする塗料組成物である。
(発明の作用) 請求項第1項に記載の発明の作用について説明する。
この発明の着色高分子粉粒体は、平均粒径10〜170μm
の塩化ビニル系合成樹脂が4.7乃至50重量%の可塑剤を
含有することによって、軟化され手触りがよく、また発
色性が良い。可塑剤の含有量が4.7重量%未満である
と、発色性が悪くなり、含有量が50重量%を超えると塩
化ビニル系合成樹脂は柔らかくなりすぎ、且つ粒子間に
粘着力を生じるので使用に不便である。
請求項第2項に記載の発明の作用について説明する。
この発明の4.7乃至50重量%の可塑剤は、塩化ビニル系
合成樹脂粉粒体の表面に着色顔料が付着するのをたす
け、ほとんどの粒子に着色顔料を含有するエマルション
樹脂からなる皮膜を有せしめる。可塑剤の含有量が4.7
重量%未満であるとエマルション樹脂が塩化ビニル系合
成樹脂の粒子表面に効率良く被膜することが出来ず、含
有量50重量%を超えると粒子間で粘着力を生じて最終的
に粒子として取り出すことが困難となる。
請求項第3項及び第4項に記載の発明の作用について説
明する。
この発明のに含有される4.7乃至50重量%の可塑剤は粒
子を軟化させて、よりしなやかな感触を実現せしめ、且
つ、粒度を大きくしても過度にざらつくことを防ぐ。可
塑剤の含有量が4.7重量%未満であると粒度を大きくし
た時に過度にざらつき、また含有量が50重量%を超える
と粒子が柔らかくなりすぎ、成形物及び塗膜の強度が得
られなくなる。
(実施例) 以下、この発明の実施例を説明する。
まず、請求項第1項及び第2項の実施例について説明す
る。
この発明の着色高分子粉粒体は、塩化ビニル系合成樹脂
粒子の表面に着色顔料を含有するエマルション樹脂から
なる被膜が形成された平均粒径が10〜200μmの範囲と
される微粒子状の着色高分子粉粒体である。
このような微粒子状の着色高分子粉粒体を製造するに
は、分散安定化された着色顔料及びエマルション樹脂と
の混合物に、4.7乃至50重量%の可塑剤と95.3重量%乃
至50重量%の塩化ビニルからなる平均粒径10〜170μm
の塩化ビニル系合成樹脂の粉末を混合する。
ここで、エマルション樹脂としては、金属イオンの存在
により乳化安定性を阻害され、後述する可塑剤を含有し
た塩化ビニル系合成樹脂粒子の表面に凝集あるいはゲル
状に付着するものであれば、全て好適に使用され、例え
ばアクリル、スチレンアクリル、ポリエステル、ポリウ
レタン、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体、塩化ビニルア
クリル共重合体等の合成樹脂及びマスチック、アカロイ
ド、ベンゾイン、ドラゴンブラッド、エレミ、サンダラ
ック等の天然樹脂が挙げられる。界面活性剤としては特
に限定することなく陽イオン、陰イオン、非イオン、両
性等の界面活性剤が好適に使用され、金属イオンに対し
てエマルションが不安定化されるためには、その添加量
は前記エマルション樹脂の添加量に対して1重量%以下
かつ前記エマルション樹脂の粒径は0.1μm以下とする
ことが望ましいが、特に限定するものではない。
尚、必要に応じてエマルション樹脂に消泡剤、成膜助剤
等を添加しても良い。
着色顔料としては公知のものが好適に使用され、例え
ば、二酸化チタン、アンバー、ベンガラ、黄鉛、紺青、
カーボンブラック、群青、マンガン紫等の無機系顔料、
ハンザエロー、ベンジジンエロー、トルイジンレッド、
フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、ジオ
サジンバイオレット等の有機系顔料が挙げられる。
また、バライト、炭酸カルシウム、クレー、タルク等の
体質顔料も前記着色顔料と併用して使用することが可能
である。
尚、着色顔料の添加量は前記エマルション樹脂の固形分
100重量部に対して2乃至300重量部であることが望まし
いが特に限定するものではない。
塩化ビニル系合成樹脂としては、特に限定されず、例え
ば塩化ビニル単独重合体、塩化ビニル酢酸ビニル共重合
体、エチレン塩化ビニル共重合体、エチレン酢酸ビニル
塩化ビニル共重合体、ウレタン塩化ビニル共重合体、塩
素化塩化ビニル共重合体等を、懸濁重合法または乳化重
合法等により形成されたものを使用することが可能であ
る。
尚、この塩化ビニル系合成樹脂は、最終的に得られる着
色高分子粉粒体の平均粒径が10乃至200μmとなるもの
を選択することが望まれ、可塑剤の添加率等により多少
左右されるが、平均粒径が10乃至170μmの塩化ビニル
系合成樹脂が使用される。
前記塩化ビニル系合成樹脂に混合する可塑剤としては特
に限定されず、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタ
ル酸ジヘプチル、フタル酸ジ−n−オクチル、フタル酸
ジノニル、フタル酸ジブチル、フタル酸ブチルベンジ
ル、フタル酸ジイソデシル、テトラヒドロフタル酸ジ−
2−エチルヘキシル、アジピン酸ジ−2−エチルヘキシ
ル、アジピン酸ジイソデシル、セバチン酸ジ−2−エチ
ルヘキシル、リン酸トリクレジル、リン酸トリオクチ
ル、アセチルトリブチルシトレート、トリメリット酸ト
リオクチル、トリメリット酸トリデシル、ブチルフタリ
ルブチルグリコレート、エポキシ化大豆油、ジアリルフ
タレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート等
が好適に使用される。
前記可塑剤の添加率は可塑剤添加後の塩化ビニル系合成
樹脂の重量に対して4.7乃至50重量%、好ましくは23乃
至44重量%とすることが望ましく、特に前記懸濁重合法
により得られた塩化ビニル系合成樹脂の場合は33乃至44
重量%、前記乳化重合法による場合は23乃至38重量%と
することが望ましい。
この理由は可塑剤の添加率が4.7重量%未満では着色顔
料を含有するエマルション樹脂が塩化ビニル系合成樹脂
の粒子表面に効率良く被覆することができず、50重量%
を超えて可塑剤を添加すると、塩化ビニル系合成樹脂の
粒子は柔らかくなり、十分な塗膜強度が得られなくなる
とともに、粒子間同士で粘着力が生じて最終的に粒子と
して取り出すことが困難となるためである。
尚、前記塩化ビニル系合成樹脂と前記可塑剤とを混合す
る方法としては、ヘンセルミキサー等を使用する方法が
あるが、この際、必要に応じて塩化ビニル系合成樹脂の
安定剤、改質剤等を混合することも可能である。
エマルション樹脂及び着色顔料の混合物の使用量は、可
塑剤を含む塩化ビニル系合成樹脂の使用重量に対して0.
1〜1倍量を使用するのが望ましい。その理由は、0.1倍
量未満では可塑剤を含有する塩化ビニル系合成樹脂の粒
子を十分被覆することができず、着色性の悪い粒子とな
り、1.0倍量を超えるとエマルション樹脂の粒子のみが
凝集したゲル化物が得られ、粒子強度が弱くなってしま
うためである。
尚、塩化ビニル系合成樹脂の量が多いと流動性が低くな
るため、必要に応じて水を添加して流動性を確保しても
良い。
このような着色顔料及びエマルション樹脂との混合物と
塩化ビニル系樹脂の粒子との混合系に金属塩を添加し
て、塩化ビニル系樹脂粒子表面に着色顔料を含有するエ
マルション樹脂を凝析させて、エマルション樹脂からな
る被膜を形成する。
金属塩としては特に限定されず、例えば塩化カルシウ
ム、塩化バリウム、硫酸アルミニウム、硫酸第一銅、塩
化第二鉄、硝酸銀、酢酸鉛等が好適に使用される。
金属塩を用いる理由は、金属塩により着色顔料を含有す
るエマルション樹脂の安定性を阻害し、塩化ビニル系合
成樹脂の粒子表面に顔料を含有するエマルション樹脂を
凝析させるためである。
金属塩の添加量は、エマルション樹脂と金属塩を混合し
て凝集ゲル化するところの金属塩量を求めて適量とする
のが良い。
尚、金属塩に水を添加して金属塩水溶液として混入する
ことも可能であり、この場合着色顔料を含有するエマル
ション樹脂溶液と金属塩水溶液の重量比は、粒子の安定
性を考慮して7:3〜3:7好ましくは6:4〜5:5とするのが良
いが特に限定するものではない。
この発明では以上のような着色顔料及びエマルション樹
脂の混合物と、可塑剤と塩化ビニルからなる塩化ビニル
系合成樹脂の粒子とを混合攪拌し、この混合物と金属塩
とを混合して、塩化ビニル系合成樹脂の粒子表面に合成
樹脂のエマルション塗料の被膜を形成させた着色高分子
粉粒体の分散液を得る。
上述の如くして得られた着色高分子粉粒体の平均粒径は
10乃至200μm、好ましくは30乃至100μmであることが
望ましい。
その理由は、異色の着色高分子粉粒体を混練させた際、
粒径が10μm未満では個々に肉眼で識別されない為、複
数色の粒子が視覚上、完全に溶け合って多彩模様として
捉えることができず、200μmを超えると多彩模様の色
分布が粗くなり装飾性に優れた布地、スウェード様の多
彩模様が現出しないとともに触った感じがざらつき柔ら
かな触感が得られないためである。
粒径が30乃至100μmでは触感が良く、布地、スウェー
ド様の質感が最も顕著となる。
次に、請求項第3項に記載の発明の実施例について説明
する。
この実施例では、前記分散液から着色高分子粒粉体と分
散媒を分離して着色高分子粉粒体を取り出し、流動浸漬
法の成形法等により着色高分子粉粒体の成形物を得る。
この着色高分子粉粒体を用いた成形方法の一つとして流
動浸漬法について、図面に基づいて説明する。
第1図はこの成形方法を説明する略図である。
図中(1)は着色高分子粉粒体、(2)はこの着色高分
子粉粒体を入れる容器、(3)は型材である。
着色高分子粉粒体(1)を容器(2)に入れ、この容器
(2)中に加熱した型材(3)を浸漬し、型材(2)の
外側表面に着色高分子粉粒体(1)を融着させて薄膜を
形成させる。
その後、この型材(3)を容器より取り出し、水または
空気により冷却して、成形物(4)を型材(3)より剥
離する。
第2図は型材(3)が着色高分子粉粒体(1)の成形物
(4)に被覆された状態を示す縦断面図である。
別の成形法としては加熱型材(3)の表面に着色高分子
粉粒体(1)をふりかけて成性する方法も採用できる。
尚、型材(3)の形状は図面に示された形状に限定され
ることはなく、また型材(3)を加熱せずに容器(2)
中の着色高分子粉粒体(1)を融解し、型材(3)に薄
膜を形成させることも可能である。
更に、この着色高分子粉粒体に可塑剤や安定剤を添加し
て、公知の成形加工法、例えば押出成形、射出成形等に
より成形物を得ることも可能である。
このようにして得られた成形物は艶消し状の多彩模様仕
上げとすることができ、自動車の内装シートや壁紙等に
好適に使用できる装飾性に優れた成形物である。
次に、請求項4に記載の発明の実施例について説明す
る。
前述の如くして得られた着色高分子粉粒体の分散液をそ
のまま、あるいは着色高分子粉粒体を取り出して水性ワ
ニスに混練させ、必要に応じて消泡材又は増粘剤等を添
加して塗料組成物を得る。
水性ワニスとしては特に限定されず、エマルション樹脂
や水溶性樹脂、例えばアクリル系、酢酸ビニル系その他
のものが好適に使用される。
上記水性ワニス又は着色高分子粉粒体の硬度や柔軟性や
変化させることにより、種々の触感を持つ被膜を得るこ
とが可能である。
尚、多種類の異なる色の着色高分子粉粒体を適宜組み合
わせて水性ワニスに混練させることにより、多彩模様仕
上げ塗料を得ることも可能である。
次にこの発明の具体的な実施例、比較例、試験例を掲げ
る。
(実施例1) エマルション合成樹脂として不揮発成分47%のスチレン
アクリルエマルション(商品名アクロナールYJ1210D三
菱油化パーディッシェ(株)製)80重量部に対して、着
色顔料として二酸化チタン40重量部を混合した。
次に、塩化ビニル系合成樹脂として平均粒径が40μmの
塩化ビニル重合体(商品名ゼオン103ZXA日本ゼオン
(株)製)に、可塑剤としてフタル酸ジ−n−オクチル
が29重量%含有されるように混合して150重量部を調製
した。
着色顔料を含有するエマルション樹脂と可塑剤を含む塩
化ビニル系合成樹脂を混合し、水を適量添加した後、金
属塩として塩化カルシウムを1.1重量部混合して、平均
粒径が42μmの着色高分子粉粒体の分散液を得た。
(比較例1〜3) 可塑剤としてのフタル酸ジ−n−オクチルの添加率が0
%(比較例1)、3.9%(比較例2)及び52%(比較例
3)となるように混合した以外は、実施例1と同様に調
製して、平均粒径が42μmの着色高分子粉粒体の分散液
(比較例1)、平均粒径が43μmの着色高分子粉粒体の
分散液(比較例2)と平均粒径が48μmの着色高分子粉
粒体の分散液(比較例3)をそれぞれ得た。
(実施例2) 金属塩として硫酸アルミニウムを使用した以外は実施例
1と同様に調製して、平均粒径が45μmの着色高分子粉
粒体の分散液を得た。
(実施例3) エマルション樹脂として、不揮発成分50%のアクリルエ
マルション(商品名ニカゾールRX876日本カーバイド工
業(株)製)80重量部に対して、着色顔料として二酸化
チタン40重量部を混合した。
次に、塩化ビニル系合成樹脂として平均粒径が130μm
の塩化ビニル重合体(商品名スミリットSX−D 住友化
学工業(株)製)に、可塑剤としてフタル酸ジブチルが
38重量%含有されるように混合して400重量部を調製し
た。
着色顔料を含むエマルション樹脂と可塑剤を含有する塩
化ビニル系合成樹脂を混合し、水を適量添加した後、金
属塩として塩化カルシウムを0.6重量部混合して、平均
粒径が145μmの着色高分子粉粒体の分散液を得た。
(実施例4) エマルション樹脂として、不揮発成分50%のアクリルエ
マルション(商品名ニカゾールRX876日本カーバイド工
業(株)製)80重量部に対して、着色顔料として二酸化
チタン40重量部を混合した。
次に、塩化ビニル系合成樹脂として平均粒径が100μm
の塩化ビニル酢酸ビニル重合体(商品名デンカビニール
MM−90電気化学(株)製)に、可塑剤としてフタル酸ジ
−n−オクチルが33重量%含有されるように混合して76
重量部を調製した。
着色顔料を含むエマルション樹脂と可塑剤を含む塩化ビ
ニル系合成樹脂を混合し、水を適量添加した後、金属塩
として塩化カルシウムを1.2重量部混合して、平均粒径
が115μmの着色高分子粉粒体の分散液を得た。
(比較例4〜5) 可塑剤を含んだ塩化ビニル系合成樹脂の混合量を2000重
量部(比較例4)及び15重量部(比較例5)とした以外
は、実施例4と同様に調製して、平均粒径が115μmの
着色高分子粉粒体の分散液を得た。
(実施例5) エマルション樹脂として、不揮発成分47%のスチレンア
クリルエマルション(商品名アクロナールYJ1210D三菱
油化バーディッシュ(株)製)80重量部に対して、着色
顔料として二酸化チタン40重量部を混合した。
次に、塩化ビニル系合成樹脂として平均粒径が150μm
のエチレン塩化ビニル共重合体(商品名リューロンE−
1050東ソー(株)製)に、可塑剤としてフタル酸ジ−n
−オクチルが9.1重量%含有されるように混合して75重
量部を調製した。
着色顔料を含むエマルション樹脂と可塑剤を含む塩化ビ
ニル系合成樹脂を混合し、水を適量添加した後、金属塩
として塩化カルシウムを0.37重量部混合して、平均粒径
が155μmの着色高分子粉粒体の分散液を得た。
(実施例6) エマルション樹脂として、不揮発成分43%の塩化ビニル
酢酸ビニルエマルション(商品名ビニブラン601日信化
学製)80重量部に対して、着色顔料として二酸化チタン
40重量部を混合した。
次に、塩化ビニル系合成樹脂として平均粒径が40μmの
塩化ビニル重合体(商品名ゼオン103ZXA日本ゼオン
(株)製)に、可塑剤としてアジピン酸ジイソデシルが
29重量%含有されるように混合して172重量部を調製し
た。
着色顔料を含むエマルション樹脂と可塑剤を含む塩化ビ
ニル系合成樹脂を混合し、水を適量添加した後、金属塩
として硫酸アルミニウムを0.34重量部混合して、平均粒
径が45μmの着色高分子粉粒体の分散液を得た。
(比較例6) エマルション樹脂として、不揮発成分47%のスチレンア
クリルエマルション(商品名アクロナールYJ1210D三菱
油化パーディッシェ(株)製)80重量部に対して、着色
顔料として二酸化チタン40重量部を混合した。
次に、塩化ビニル系合成樹脂として平均粒径が1μmの
塩化ビニル重合体(商品名ゼオン121日本ゼオン(株)
製)に、可塑剤としてフタル酸ジ−n−オクチルが29重
量%含有されるように混合して150重量部を調製した。
着色顔料を含むエマルション樹脂と可塑剤を含む塩化ビ
ニル系合成樹脂を混合し、水を適量添加した後、金属塩
として塩化カルシウムを1.1重量部混合して、平均粒径
が2μmの着色高分子粉粒体の分散液を得た。
(比較例7) 塩化ビニル系合成樹脂として平均粒径が220μmの塩化
ビニル酢酸ビニル重合体(商品名グラフトマー日本ゼオ
ン(株)製)に変更した以外は、比較例6と同様に調製
して、平均粒径が250μmの着色高分子粉粒体の分散液
を得た。
(試験例) 前記実施例、比較例で得た分散液より取り出された白色
着色高分子粉粒体50重量部と、各実施例、比較例におい
て顔料をカーボンブラックと変化して4.4重量部混合し
た以外は全く同様に調製し、取り出された黒色着色高分
子粉粒体50重量部を各々混合させた後、不揮発成分55%
の水性ワニス50重量部を混練させて各々の塗料組成物を
得た。
これら塗料組成物をスレート板試験片の表面に2回塗り
して塗膜の外観、触感を調べた。
外観は塗布2時間後に目視により色の鮮明度を観察して
評価した。
触感は塗布24時間後に指先で触ってざらつきの有無を観
察して評価した。
評価に際しては、男女20人のパネラーを無作為に選出
し、評価の最も良いものを10点、最も悪いものを0点と
して1点刻みで評価して、各々その平均点を表1に記載
した。
更に、顕微鏡にて塗料が粒子を十分被覆しているかどう
かを観察し、十分被覆されているものには○、そうでな
いものには×を各々について被覆性として表1に記載し
た。
また、粒子強度として、塗布30日後に爪で引っ掻き、粒
子が潰れるかどうかを調べ、潰されないものには○、潰
されるものには×を各々について同じく表1に記載し
た。
結果としては実施例1〜6は霜降り様の多彩模様の外
観、しなやかさと適度なざらつきを持つ触感が得られ、
共に布地、スウェード様の質感のものが得られた。
特に実施例1,2が優れていた。
これに対して、比較例1,2,4,5は外観上ムラがあり、特
に比較例1は着色されていない粉粒体が目立ち、比較例
3は触感上粘着性が高くべたついており、比較例6は外
観上単一色の模様としか視覚にとらえられず、多彩模様
の外観は得られなかった。
比較例7は外観上色分布が粗く布地、スウェード様の多
彩模様とは異なり、更に触感上ざらつき過ぎて嫌味な感
じであった。
以上の結果から着色高分子粉粒体の平均粒径は10乃至20
0μm(好ましくは30乃至100μm)、可塑剤の添加率は
4.7乃至50重量%(好ましくは23乃至44重量%)のもの
が外観、触感共に優れることが分かる。
(発明の効果) 請求項第1項に記載の発明は、4.7乃至50重量%の可塑
剤と95.3乃至50重量%の塩化ビニル系合成樹脂からなる
平均粒径10〜170μmの塩化ビニル系合成樹脂製の粒子
表面に、着色顔料を含有するエマルション樹脂からなる
被膜を有する平均粒径10乃至200μmの着色高分子粉粒
体であるから以下の効果を奏する。
すなわち、この着色高分子粉粒体は4.7乃至50重量%の
可塑剤を含有しているので、鮮やかな発色性が得られ、
しかもその塗膜にはしなやかさと適度のざらつきをもつ
触感とを発現させることができる。
さらに、着色高分子粉粒体は粒度が予め整えられた樹脂
の粒子を核(芯)材料としているので、着色粒子の粒度
分布も狭く、塗膜に不均一な模様のムラが生じない。
また、着色粒子は予め硬化された樹脂の粒子を核として
いるので塗膜の堅牢性にも優れる。
請求項第2項に記載の発明は、4.7乃至50重量%の可塑
剤と95.3乃至50重量%の塩化ビニル系合成樹脂からなる
平均粒径10〜170μmの塩化ビニル系合成樹脂製の粉末
と、前記塩化ビニル系合成樹脂の0.1〜1.0重量倍の着色
顔料及びエマルション樹脂の分散安定化された混合物と
を混合し、この混合系に金属塩を添加して、前記塩化ビ
ニル系合成樹脂の粒子表面に着色顔料を含有するエマル
ション樹脂を凝析させ、エマルション樹脂からなる被膜
を形成させて平均粒径が10乃至200μmの着色高分子粉
粒体を得ることを特徴とする着色高分子粉粒体の製造方
法であるから以下の優れた効果を奏する。
すなわち、肉眼で識別可能な大きさである平均粒径10〜
170μmの塩化ビニル系合成樹脂の粒子表面に、着色顔
料を含有したエマルションの被膜を形成させ、平均粒径
10〜200μmの着色粒子を効率良く得ることができる。
しかも、塩化ビニル系合成樹脂に4.7乃至50重量%の可
塑剤が含有されているため、塩化ビニル系合成樹脂の粒
子表面に効率良く着色顔料を含有するエマルション樹脂
を被覆することができる。またこの方法で得られた着色
粒子は可塑剤を含有しているため、粒子径を大きくして
も過度なざらつきがない。
請求項第3項に記載の発明は4.7乃至50重量%の可塑剤
と95.3乃至50重量%の塩化ビニル系合成樹脂からなる平
均粒径10〜170μmの塩化ビニル系合成樹脂製の粒子表
面に、着色顔料を含有するエマルション樹脂からなる被
膜を有する平均粒径10乃至200μmの着色高分子粉粒体
について、前記着色高分子粉粒体の異色のものを混合し
た混合物からなることを特徴とする着色高分子粉粒体か
らなる成形物であるから以下の優れた効果を奏する。
すなわち、艶消し状の多彩模様仕上げの成形物であり、
自動車の内装シートや壁紙等に使用できる装飾性に優れ
た成形物である。
請求項第4項に記載の発明は4.7乃至50重量%の可塑剤
と95.3乃至50重量%の塩化ビニル系合成樹脂からなる平
均粒径10〜170μmの塩化ビニル系合成樹脂製の粒子表
面に、着色顔料を含有するエマルション樹脂からなる被
膜を有する平均粒径10乃至200μmの着色高分子粉粒体
について、前記着色高分子粉粒体の異色のものを混合し
た混合物を必須成分として含有してなることを特徴とす
る塗料組成物であるから以下の優れた効果を奏する。
すなわち、布地或いはスウェード様の多彩な霜降り様と
でもいうべき多彩模様の外観と、しなやかさとざらつき
をもつ触感とを有する塗膜を発現することがができる装
飾性に優れた塗料組成物である。
また、この塗料組成物においては、着色高分子粉粒体又
はワニスの硬度、柔軟性を適宜変化させることにより種
々の触感をもつ被膜が得られ、壁、家電製品、電子機
器、家具、ディスプレイ等に使用することが可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明に係わる着色高分子粉粒体を用いた成
形方法の一つとして流動浸漬法を説明する略図、第2図
は型材が着色高分子粉粒体の成形物に被覆された状態を
示す縦断面図である。 (1)……着色高分子粉粒体 (2)……容器、(3)……型材 (4)……成形物

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】4.7乃至50重量%の可塑剤と95.3乃至50重
    量%の塩化ビニル系合成樹脂からなる平均粒径10〜170
    μmの塩化ビニル系合成樹脂製の粒子表面に、着色顔料
    を含有するエマルション樹脂からなる被膜を有する平均
    粒径10乃至200μmの着色高分子粉粒体。
  2. 【請求項2】4.7乃至50重量%の可塑剤と95.3乃至50重
    量%の塩化ビニル系合成樹脂からなる平均粒径10〜170
    μmの塩化ビニル系合成樹脂製の粉末と、前記塩化ビニ
    ル系合成樹脂の0.1〜1.0重量倍の着色顔料及びエマルシ
    ョン樹脂の分散安定化された混合物とを混合し、この混
    合系に金属塩を添加して、前記塩化ビニル系合成樹脂の
    粒子表面に着色顔料を含有するエマルション樹脂を凝析
    させ、エマルション樹脂からなる被膜を形成させて平均
    粒径が10乃至200μmの着色高分子粉粒体を得ることを
    特徴とする着色高分子粉粒体の製造方法。
  3. 【請求項3】4.7乃至50重量%の可塑剤と95.3乃至50重
    量%の塩化ビニル系合成樹脂からなる平均粒径10〜170
    μmの塩化ビニル系合成樹脂製の粒子表面に、着色顔料
    を含有するエマルション樹脂からなる被膜を有する平均
    粒径10乃至200μmの着色高分子粉粒体について、前記
    着色高分子粉粒体の異色のものを混合した混合物からな
    ることを特徴とする着色高分子粉粒体からなる成形物。
  4. 【請求項4】4.7乃至50重量%の可塑剤と95.3乃至50重
    量%の塩化ビニル系合成樹脂からなる平均粒径10〜170
    μmの塩化ビニル系合成樹脂製の粒子表面に、着色顔料
    を含有するエマルション樹脂からなる被膜を有する平均
    粒径10乃至200μmの着色高分子粉粒体について、前記
    着色高分子粉粒体の異色のものを混合した混合物を必須
    成分として含有してなることを特徴とする塗料組成物。
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