JPH07104329A - 非線形光学材料の製造方法 - Google Patents
非線形光学材料の製造方法Info
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- JPH07104329A JPH07104329A JP27507193A JP27507193A JPH07104329A JP H07104329 A JPH07104329 A JP H07104329A JP 27507193 A JP27507193 A JP 27507193A JP 27507193 A JP27507193 A JP 27507193A JP H07104329 A JPH07104329 A JP H07104329A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 電場配向後の非線形活性の経時緩和が少な
く、長期間経過しても高い非線形活性を保持し得るホス
ト−ゲスト型非線形光学材料の製造方法の提供。 【構成】 非線形光学活性を有する化合物を分散した高
分子膜を基板上に形成する工程、前記高分子膜及び基板
を、前記高分子膜のガラス転移点と融点との間の温度T
1 で熱処理する工程、熱処理した前記高分子膜及び基板
を、前記高分子膜のガラス転移点より20℃以上低い温
度T2 まで冷却する工程、及び前記高分子膜のガラス転
移点より20℃低い温度から前記高分子膜のガラス転移
点より20℃高い温度までの間の温度T3 で、冷却した
前記基板上の前記高分子膜に電界を印加する工程を含む
非線形光学材料の製造方法。
く、長期間経過しても高い非線形活性を保持し得るホス
ト−ゲスト型非線形光学材料の製造方法の提供。 【構成】 非線形光学活性を有する化合物を分散した高
分子膜を基板上に形成する工程、前記高分子膜及び基板
を、前記高分子膜のガラス転移点と融点との間の温度T
1 で熱処理する工程、熱処理した前記高分子膜及び基板
を、前記高分子膜のガラス転移点より20℃以上低い温
度T2 まで冷却する工程、及び前記高分子膜のガラス転
移点より20℃低い温度から前記高分子膜のガラス転移
点より20℃高い温度までの間の温度T3 で、冷却した
前記基板上の前記高分子膜に電界を印加する工程を含む
非線形光学材料の製造方法。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光波長変換、光スイッ
チ、光コンピュータなどの導波路型の非線形光学素子と
して利用されるホスト−ゲスト型高分子材料を用いた非
線形光学材料の製造方法に関する。
チ、光コンピュータなどの導波路型の非線形光学素子と
して利用されるホスト−ゲスト型高分子材料を用いた非
線形光学材料の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ホスト−ゲスト型の電場配向高分子薄膜
は、光導波路型素子を作成することが容易であることか
ら、盛んに研究されている。この高分子薄膜を形成する
材料は、主に、非線形光学活性を有する化合物(ゲスト
分子)を光学的に透明な高分子(ホスト)中に分散させ
た材料である。例えば、ポリメチルメタクリレート(P
MMA)中に4−ジメチルアミノ−4’−ニトロスチル
ベン(DANS)を分散させた材料〔H.L.Hamp
schら、J.Appl.Phys.,vol.67
(1990)1037〕がある。さらに、ポリスチレン
(PS)構造中に4−[N−エチル−N−(ヒドロキシ
エチル)]アミノ−4’−ニトロアゾベンゼン(DR
1)を含む材料(F.C.Zumstegら、Orga
nic Materials for Non−lin
ear Optics II(1991)301)など
が報告されている。そしてこれらの非線形光学活性な化
合物を含有する高分子材料を薄膜化し、材料のガラス転
移温度付近の温度で高電界を印加することにより非線形
光学活性な化合物を強制的に配向させて光非線形性を生
じさせる。さらに、特願平3−268217号には、基
板上に非線形特性を示す高分子膜を設け、その高分子膜
のガラス転移温度より20℃低い温度からその高分子膜
のガラス転移温度より20℃高い温度に加熱しつつ前記
高分子膜に電圧を印加することにより非線形光学材料が
製造できることが開示されている。これらの材料では、
ゲスト分子の持つ非線形感受率の大きさを十分に利用で
きるため、作製直後の非線形活性の大きさは無機材料の
それに比べて非常に大きいという特徴がある。
は、光導波路型素子を作成することが容易であることか
ら、盛んに研究されている。この高分子薄膜を形成する
材料は、主に、非線形光学活性を有する化合物(ゲスト
分子)を光学的に透明な高分子(ホスト)中に分散させ
た材料である。例えば、ポリメチルメタクリレート(P
MMA)中に4−ジメチルアミノ−4’−ニトロスチル
ベン(DANS)を分散させた材料〔H.L.Hamp
schら、J.Appl.Phys.,vol.67
(1990)1037〕がある。さらに、ポリスチレン
(PS)構造中に4−[N−エチル−N−(ヒドロキシ
エチル)]アミノ−4’−ニトロアゾベンゼン(DR
1)を含む材料(F.C.Zumstegら、Orga
nic Materials for Non−lin
ear Optics II(1991)301)など
が報告されている。そしてこれらの非線形光学活性な化
合物を含有する高分子材料を薄膜化し、材料のガラス転
移温度付近の温度で高電界を印加することにより非線形
光学活性な化合物を強制的に配向させて光非線形性を生
じさせる。さらに、特願平3−268217号には、基
板上に非線形特性を示す高分子膜を設け、その高分子膜
のガラス転移温度より20℃低い温度からその高分子膜
のガラス転移温度より20℃高い温度に加熱しつつ前記
高分子膜に電圧を印加することにより非線形光学材料が
製造できることが開示されている。これらの材料では、
ゲスト分子の持つ非線形感受率の大きさを十分に利用で
きるため、作製直後の非線形活性の大きさは無機材料の
それに比べて非常に大きいという特徴がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記の
方法により作製された非線形光学材料は、経時的に非線
形活性分子の配向が緩和する。そのため、非線形活性の
大きさが時間とともに低下し完全に非線形活性が消えて
しまうか、或は非常に小さくなるという欠点を持ってい
る。これは、ホストである高分子が熱的に不安定である
ことに起因し、室温付近でもゲスト分子の配向が熱的に
緩和し易いためである。そのため、ホスト中に含まれる
ゲスト分子は時間とともに脱配向し、それにともなって
非線形活性の大きさも低下し、短期間でほどんど非線形
活性が発現しなくなってしまう。
方法により作製された非線形光学材料は、経時的に非線
形活性分子の配向が緩和する。そのため、非線形活性の
大きさが時間とともに低下し完全に非線形活性が消えて
しまうか、或は非常に小さくなるという欠点を持ってい
る。これは、ホストである高分子が熱的に不安定である
ことに起因し、室温付近でもゲスト分子の配向が熱的に
緩和し易いためである。そのため、ホスト中に含まれる
ゲスト分子は時間とともに脱配向し、それにともなって
非線形活性の大きさも低下し、短期間でほどんど非線形
活性が発現しなくなってしまう。
【0004】そこで本発明の目的は、電場配向後の非線
形活性の経時緩和が少なく、長時間経過しても高い非線
形活性を保持し得るホスト−ゲスト型非線形光学材料の
製造方法を提供することにある。
形活性の経時緩和が少なく、長時間経過しても高い非線
形活性を保持し得るホスト−ゲスト型非線形光学材料の
製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、通常は室温で
も熱的に不安定なホストの高分子材料に、特定の条件で
加熱処理を施すことにより、室温付近での材料の熱的安
定性を向上させて、電場配向後にゲスト分子が時間とと
もに脱配向するのを防止することにより非線形活性の経
時緩和を少なくするものである。
も熱的に不安定なホストの高分子材料に、特定の条件で
加熱処理を施すことにより、室温付近での材料の熱的安
定性を向上させて、電場配向後にゲスト分子が時間とと
もに脱配向するのを防止することにより非線形活性の経
時緩和を少なくするものである。
【0006】本発明の非線形光学材料の製造方法は、非
線形光学活性を有する化合物が分散した高分子膜を基板
上に形成する工程、前記高分子膜及び基板を、前記高分
子膜のガラス転移点と融点との間の温度T1 で熱処理す
る工程、熱処理した前記高分子膜及び基板を、前記高分
子膜のガラス転移点より20℃以上低い温度T2 まで冷
却する工程、及び前記高分子膜のガラス転移点より20
℃低い温度から前記高分子膜のガラス転移点より20℃
高い温度までの間の温度T3 で、冷却した前記基板上の
前記高分子膜に電界を印加する工程、を含むことを特徴
とする。以下、本発明について説明する。
線形光学活性を有する化合物が分散した高分子膜を基板
上に形成する工程、前記高分子膜及び基板を、前記高分
子膜のガラス転移点と融点との間の温度T1 で熱処理す
る工程、熱処理した前記高分子膜及び基板を、前記高分
子膜のガラス転移点より20℃以上低い温度T2 まで冷
却する工程、及び前記高分子膜のガラス転移点より20
℃低い温度から前記高分子膜のガラス転移点より20℃
高い温度までの間の温度T3 で、冷却した前記基板上の
前記高分子膜に電界を印加する工程、を含むことを特徴
とする。以下、本発明について説明する。
【0007】本発明の「非線形光学活性を有する化合物
が分散した高分子膜」における高分子とは、光学的に透
明なホスト高分子であり、従来、ホスト−ゲスト型非線
形光学材料のホスト高分子として用いられいてるものを
そのまま用いることができる。そのようなホスト高分子
としては、例えば、ポリメチルメタクリレート(PMM
A),ポリスチレン(PS)、ポリカーボネート(P
C)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリ酢酸ビニ
ル(PVAc)などを挙げることができる。但し、これ
ら例示高分子に何ら制限されるものではない。また、非
線形光学活性を有する化合物(ゲスト分子)としては、
従来、ホスト−ゲスト型非線形光学材料のゲスト分子と
して用いられいてるものをそのまま用いることができ
る。そのようなゲスト分子としては、例えば、パラ−ニ
トロアニリン(p−NA)2−メチル−4−ニトロアニ
リン(MNA)、4−ジメチルアミノ−4’−ニトロス
チルベン(DANS)、4−[N−エチル−N−(ヒド
ロキシエチル)]アミノ−4’−ニトロアゾベンゼン
(DR1)、4−[(4−アミノフェニル)アゾ]ニト
ロベンゼン(DO3)などを挙げることができる。但
し、これら例示分子に何ら制限されるものではない。
が分散した高分子膜」における高分子とは、光学的に透
明なホスト高分子であり、従来、ホスト−ゲスト型非線
形光学材料のホスト高分子として用いられいてるものを
そのまま用いることができる。そのようなホスト高分子
としては、例えば、ポリメチルメタクリレート(PMM
A),ポリスチレン(PS)、ポリカーボネート(P
C)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリ酢酸ビニ
ル(PVAc)などを挙げることができる。但し、これ
ら例示高分子に何ら制限されるものではない。また、非
線形光学活性を有する化合物(ゲスト分子)としては、
従来、ホスト−ゲスト型非線形光学材料のゲスト分子と
して用いられいてるものをそのまま用いることができ
る。そのようなゲスト分子としては、例えば、パラ−ニ
トロアニリン(p−NA)2−メチル−4−ニトロアニ
リン(MNA)、4−ジメチルアミノ−4’−ニトロス
チルベン(DANS)、4−[N−エチル−N−(ヒド
ロキシエチル)]アミノ−4’−ニトロアゾベンゼン
(DR1)、4−[(4−アミノフェニル)アゾ]ニト
ロベンゼン(DO3)などを挙げることができる。但
し、これら例示分子に何ら制限されるものではない。
【0008】本発明の「非線形光学活性を有する化合物
が分散した高分子膜」は、前記ホスト高分子とゲスト分
子とを有機溶媒に溶解させた溶液を、スピンコート法な
どにより基板上に塗布し、有機溶媒を蒸発除去すること
により形成することができる。このようにして得られた
電場配向前の非線形光学活性を有する化合物が分散した
高分子膜を以下「高分子膜」ということがある。高分子
膜中のゲスト分子の含有量は、1〜20重量%の範囲で
あることが実用的に好ましい。その理由は、1重量%未
満では、非線形活性があまり大きくならず、また20重
量%を越えると透明性が失われやすくなるからである。
より好ましいゲスト分子の含有量の範囲は、5〜15重
量%である。高分子膜の厚さは、0.1〜50μm、好
ましくは0.5〜10μmの範囲であることが適当であ
る。高分子膜が厚過ぎると、後の工程での電場配向が困
難となり、薄すぎると高分子膜中を光が導波しないから
である。
が分散した高分子膜」は、前記ホスト高分子とゲスト分
子とを有機溶媒に溶解させた溶液を、スピンコート法な
どにより基板上に塗布し、有機溶媒を蒸発除去すること
により形成することができる。このようにして得られた
電場配向前の非線形光学活性を有する化合物が分散した
高分子膜を以下「高分子膜」ということがある。高分子
膜中のゲスト分子の含有量は、1〜20重量%の範囲で
あることが実用的に好ましい。その理由は、1重量%未
満では、非線形活性があまり大きくならず、また20重
量%を越えると透明性が失われやすくなるからである。
より好ましいゲスト分子の含有量の範囲は、5〜15重
量%である。高分子膜の厚さは、0.1〜50μm、好
ましくは0.5〜10μmの範囲であることが適当であ
る。高分子膜が厚過ぎると、後の工程での電場配向が困
難となり、薄すぎると高分子膜中を光が導波しないから
である。
【0009】上記高分子膜を形成する基板としては、光
学的に透明であり、本発明で行う熱処理における加熱及
び前記ホスト高分子とゲスト分子とを溶解した有機溶媒
への浸漬によって変質せず、かつ体積抵抗率が1×10
12Ωcm以下と低いものであることが適当である。その
ような基板としては、ガラス基板が適当であり、特に、
アルカリ金属成分を含有するガラス基板が好ましい。ア
ルカリ金属成分を含有するガラスは、アルカリ金属(リ
チウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウ
ム)成分を含有しているガラスである。耐久性、光学的
研磨の容易性、価格等の観点から、ナトリウム又はカリ
ウムあるいはこの両方を含有するケイ酸塩系ガラス、ホ
ウケイ酸塩系ガラス、及びアルミノケイ酸塩系ガラスが
特に好ましい。
学的に透明であり、本発明で行う熱処理における加熱及
び前記ホスト高分子とゲスト分子とを溶解した有機溶媒
への浸漬によって変質せず、かつ体積抵抗率が1×10
12Ωcm以下と低いものであることが適当である。その
ような基板としては、ガラス基板が適当であり、特に、
アルカリ金属成分を含有するガラス基板が好ましい。ア
ルカリ金属成分を含有するガラスは、アルカリ金属(リ
チウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウ
ム)成分を含有しているガラスである。耐久性、光学的
研磨の容易性、価格等の観点から、ナトリウム又はカリ
ウムあるいはこの両方を含有するケイ酸塩系ガラス、ホ
ウケイ酸塩系ガラス、及びアルミノケイ酸塩系ガラスが
特に好ましい。
【0010】さらに、アルカリ金属の含有量は、酸化物
ガラスの場合、アルカリ金属酸化物として0.5〜50
重量%の範囲であることが好ましい。その理由は、アル
カリ金属酸化物の含有量が少なくなるとガラスの体積抵
抗率は高くなり、その結果、高分子膜にかかる電圧が減
少する傾向があるからである。例えば、150℃におけ
る石英ガラス(アルカリ金属の含有量は0重量%)の体
積抵抗率は1×1015Ωcmである。それに対して、酸
化ナトリウムを0.5重量%含有するソーダライムガラ
スの体積抵抗率は1×1011Ωcmであり、酸化ナトリ
ウムを12〜14重量%含有するソーダライムガラスの
体積抵抗率は、さらに低下して約1×108 Ωcmであ
る。従って、ガラス中のアルカリ金属酸化物の含有量は
0.5重量%以上であることが好ましい。一方、ガラス
中のアルカリ金属酸化物の含有量が50重量%を越える
とガラス化が困難になる。尚、上記基板に用いるガラス
は、アルカリ金属以外に、アルカリ土類金属、鉛、亜
鉛、ジルコニウム等の通常ガラス成分として用いられる
元素を含むガラスであることができる。
ガラスの場合、アルカリ金属酸化物として0.5〜50
重量%の範囲であることが好ましい。その理由は、アル
カリ金属酸化物の含有量が少なくなるとガラスの体積抵
抗率は高くなり、その結果、高分子膜にかかる電圧が減
少する傾向があるからである。例えば、150℃におけ
る石英ガラス(アルカリ金属の含有量は0重量%)の体
積抵抗率は1×1015Ωcmである。それに対して、酸
化ナトリウムを0.5重量%含有するソーダライムガラ
スの体積抵抗率は1×1011Ωcmであり、酸化ナトリ
ウムを12〜14重量%含有するソーダライムガラスの
体積抵抗率は、さらに低下して約1×108 Ωcmであ
る。従って、ガラス中のアルカリ金属酸化物の含有量は
0.5重量%以上であることが好ましい。一方、ガラス
中のアルカリ金属酸化物の含有量が50重量%を越える
とガラス化が困難になる。尚、上記基板に用いるガラス
は、アルカリ金属以外に、アルカリ土類金属、鉛、亜
鉛、ジルコニウム等の通常ガラス成分として用いられる
元素を含むガラスであることができる。
【0011】基板上に形成された電場配向前の高分子膜
は、高分子膜のガラス転移点(Tg)と融点の間の温度
T1 で熱処理する。この熱処理をガラス転移点(Tg)
と融点の間の温度で行う理由は、Tg以下であると高分
子の流動性が非常に低いため、材料の構造安定化が起こ
らないからで、一方、融点以上であると融解により高分
子膜が均質でなくなってしまうことや、さらに熱運動が
激しすぎるため熱分解などによって材料が劣化してしま
うからである。例えば、ゲスト分子であるDR1をホス
ト高分子であるPMMAに分散させた高分子膜の場合、
高分子膜のTgは約100℃であり、融点は約200℃
である。従って、この高分子膜については、約100〜
約200℃の温度で熱処理する。本発明における熱処理
の温度は、上記のように高分子膜のガラス転移温度と融
点との間の温度である。但し、ゲスト分子の融点が、ホ
スト高分子の融点より低い場合は、前記熱処理の温度
は、ゲスト分子の融点以下であることが好ましい。な
お、ゲスト分子の含有量が約10重量%以下であれば、
ホスト高分子の熱的特性はほとんど変化しない。そのた
め、便宜上、熱処理温度として、高分子膜のガラス転移
点及び融点の代わりに、ホスト高分子のガラス転移点及
び融点を用いても特に支障なく高分子膜の熱処理を行う
ことができる。また、ゲスト分子の含有量が約10重量
%を超える場合には、予め高分子膜のガラス転移点及び
融点を求めておけば良い。熱処理は、具体的には、例え
ば、1℃/min〜50℃/minの昇温速度で高分子
膜をT1 まで昇温し、温度T1 で保持するか、または温
度T1 で保持することなしに冷却する。温度T1 で保持
する場合、保持時間はTgとT1 の差を勘案して決定さ
れ、例えば1〜60分程度である。
は、高分子膜のガラス転移点(Tg)と融点の間の温度
T1 で熱処理する。この熱処理をガラス転移点(Tg)
と融点の間の温度で行う理由は、Tg以下であると高分
子の流動性が非常に低いため、材料の構造安定化が起こ
らないからで、一方、融点以上であると融解により高分
子膜が均質でなくなってしまうことや、さらに熱運動が
激しすぎるため熱分解などによって材料が劣化してしま
うからである。例えば、ゲスト分子であるDR1をホス
ト高分子であるPMMAに分散させた高分子膜の場合、
高分子膜のTgは約100℃であり、融点は約200℃
である。従って、この高分子膜については、約100〜
約200℃の温度で熱処理する。本発明における熱処理
の温度は、上記のように高分子膜のガラス転移温度と融
点との間の温度である。但し、ゲスト分子の融点が、ホ
スト高分子の融点より低い場合は、前記熱処理の温度
は、ゲスト分子の融点以下であることが好ましい。な
お、ゲスト分子の含有量が約10重量%以下であれば、
ホスト高分子の熱的特性はほとんど変化しない。そのた
め、便宜上、熱処理温度として、高分子膜のガラス転移
点及び融点の代わりに、ホスト高分子のガラス転移点及
び融点を用いても特に支障なく高分子膜の熱処理を行う
ことができる。また、ゲスト分子の含有量が約10重量
%を超える場合には、予め高分子膜のガラス転移点及び
融点を求めておけば良い。熱処理は、具体的には、例え
ば、1℃/min〜50℃/minの昇温速度で高分子
膜をT1 まで昇温し、温度T1 で保持するか、または温
度T1 で保持することなしに冷却する。温度T1 で保持
する場合、保持時間はTgとT1 の差を勘案して決定さ
れ、例えば1〜60分程度である。
【0012】加熱処理された高分子膜は、この高分子膜
のガラス転移点より20℃以上低い温度T2 まで冷却す
る。ガラス転移点より20℃以上低い温度T2 まで冷却
する理由は、一端、構造を安定化させるためである。例
えば、前記DR1(ゲスト分子)をPMMA(ホスト高
分子)に分散させた高分子膜の場合、高分子膜のTgは
約100℃であり、冷却の温度は、約80℃以下とな
る。冷却の速度には特に制限はないが、例えば、通常の
放冷条件という観点から、1℃/min〜50℃/mi
nの範囲とすることが適当である。
のガラス転移点より20℃以上低い温度T2 まで冷却す
る。ガラス転移点より20℃以上低い温度T2 まで冷却
する理由は、一端、構造を安定化させるためである。例
えば、前記DR1(ゲスト分子)をPMMA(ホスト高
分子)に分散させた高分子膜の場合、高分子膜のTgは
約100℃であり、冷却の温度は、約80℃以下とな
る。冷却の速度には特に制限はないが、例えば、通常の
放冷条件という観点から、1℃/min〜50℃/mi
nの範囲とすることが適当である。
【0013】次に、冷却した高分子膜に電界を印加す
る。電界の印加は、前記高分子膜のガラス転移点より2
0℃低い温度と20℃高い温度との間の温度T3 で行
う。電界の印加を上記温度T3 で行う理由は、高分子膜
のガラス転移点より20℃を超える低い温度では、高分
子膜の流動性が小さいために電場配向を充分に行うこと
ができず、高分子膜のガラス転移点より20℃を超える
高い温度では、分子の運動が活発になり過ぎて、電場配
向したゲスト分子の配向を維持できなくなるからであ
る。電界の印加方法は、従来の方法をそのまま用いれば
良い。例えば、前記所定の処理をした高分子膜を有する
基板を、一方が針状電極で他方が板状電極である様な一
対の電極間に固定し、前記温度T3 でこの電極間に高電
界を印加し、次いで室温まで放冷後電界を除去する。
る。電界の印加は、前記高分子膜のガラス転移点より2
0℃低い温度と20℃高い温度との間の温度T3 で行
う。電界の印加を上記温度T3 で行う理由は、高分子膜
のガラス転移点より20℃を超える低い温度では、高分
子膜の流動性が小さいために電場配向を充分に行うこと
ができず、高分子膜のガラス転移点より20℃を超える
高い温度では、分子の運動が活発になり過ぎて、電場配
向したゲスト分子の配向を維持できなくなるからであ
る。電界の印加方法は、従来の方法をそのまま用いれば
良い。例えば、前記所定の処理をした高分子膜を有する
基板を、一方が針状電極で他方が板状電極である様な一
対の電極間に固定し、前記温度T3 でこの電極間に高電
界を印加し、次いで室温まで放冷後電界を除去する。
【0014】より具体的には、例えば、図2に示すよう
に、板状電極11を高分子膜13とは反対側の基板14
に当接又は近接して配置し、他方針状電極12は、高分
子膜13の近傍に空間を介して配置する。針状電極の形
状は、針状である他、棒状や平板状であることもでき
る。但し、針状であると、コロナ放電によって高分子表
面に蓄積される電荷が多くなるので、大きな電圧を印加
することが可能になる。電圧の印加条件は、ゲスト分子
の種類、ホスト高分子の種類、高分子膜の膜厚、ゲスト
分子の濃度等を考慮して決定される。例えば、一般に
は、電圧は1〜20kV/mm、好ましくは1〜5kV
/mmの範囲とし、印加時間は5分〜5時間の範囲とす
ることが適当である。この電界印加の操作によって、高
分子膜に含まれるゲスト分子が電界方向に配向して、非
線形光学効果を発現する材料が得られる。
に、板状電極11を高分子膜13とは反対側の基板14
に当接又は近接して配置し、他方針状電極12は、高分
子膜13の近傍に空間を介して配置する。針状電極の形
状は、針状である他、棒状や平板状であることもでき
る。但し、針状であると、コロナ放電によって高分子表
面に蓄積される電荷が多くなるので、大きな電圧を印加
することが可能になる。電圧の印加条件は、ゲスト分子
の種類、ホスト高分子の種類、高分子膜の膜厚、ゲスト
分子の濃度等を考慮して決定される。例えば、一般に
は、電圧は1〜20kV/mm、好ましくは1〜5kV
/mmの範囲とし、印加時間は5分〜5時間の範囲とす
ることが適当である。この電界印加の操作によって、高
分子膜に含まれるゲスト分子が電界方向に配向して、非
線形光学効果を発現する材料が得られる。
【0015】このようにして得られる本発明の非線形光
学材料は、比較的長期に渡り高い非線形活性を保持でき
るという特徴を有する。PMMAやPSなどの光学的透
明性に優れたポリマーは、Tgが100℃程度であるも
のが多い。そのため、これらのポリマーはTgより低い
室温付近の温度でも熱的に不安定であり、いくつかの緩
和振動が起こっている。これらのポリマーを電場配向高
分子膜におけるホスト高分子に用いた場合でも同様の緩
和現象が起こる。従って、含まれるゲスト分子の配向状
態も徐々に緩和して、室温付近で得られる非線形活性の
大きさも徐々に低下してしまう。しかしながら、本発明
に従って、電場配向する前に材料を加熱処理することに
より、高分子膜の構造を熱的に安定化することができ
る。そのため、本発明の方法により得られた高分子膜で
は、室温付近での緩和挙動が抑制され、非線形活性の低
下も抑制される。
学材料は、比較的長期に渡り高い非線形活性を保持でき
るという特徴を有する。PMMAやPSなどの光学的透
明性に優れたポリマーは、Tgが100℃程度であるも
のが多い。そのため、これらのポリマーはTgより低い
室温付近の温度でも熱的に不安定であり、いくつかの緩
和振動が起こっている。これらのポリマーを電場配向高
分子膜におけるホスト高分子に用いた場合でも同様の緩
和現象が起こる。従って、含まれるゲスト分子の配向状
態も徐々に緩和して、室温付近で得られる非線形活性の
大きさも徐々に低下してしまう。しかしながら、本発明
に従って、電場配向する前に材料を加熱処理することに
より、高分子膜の構造を熱的に安定化することができ
る。そのため、本発明の方法により得られた高分子膜で
は、室温付近での緩和挙動が抑制され、非線形活性の低
下も抑制される。
【0016】高分子膜の熱的特性は、例えば示差走査熱
量計(DSC)を用いて、その吸熱変化曲線を求めるこ
とにより評価することができる。従来の方法により加熱
処理せずに得られた非線形光学材料は、室温からTg付
近の温度まで一般的にかなり急勾配の吸熱変化を示す。
このことは、Tg以下の温度でも高分子膜が熱的に安定
でないことを示唆する。一方、本発明に従って、電場配
向前に一度Tg以上の比較的高い温度にまで昇温して得
た非線形光学材料は、Tg付近の温度までの吸熱変化の
勾配は非常に緩やかである。このことは、高分子膜の構
造が熱的に安定であることを示すものである。
量計(DSC)を用いて、その吸熱変化曲線を求めるこ
とにより評価することができる。従来の方法により加熱
処理せずに得られた非線形光学材料は、室温からTg付
近の温度まで一般的にかなり急勾配の吸熱変化を示す。
このことは、Tg以下の温度でも高分子膜が熱的に安定
でないことを示唆する。一方、本発明に従って、電場配
向前に一度Tg以上の比較的高い温度にまで昇温して得
た非線形光学材料は、Tg付近の温度までの吸熱変化の
勾配は非常に緩やかである。このことは、高分子膜の構
造が熱的に安定であることを示すものである。
【0017】
【実施例】以下本発明を実施例に基づいてさらに説明す
る。 参考例1 非線形光学活性分子として4−[N−エチル−N−(ヒ
ドロキシエチル)]アミノ−4’−ニトロアゾベンゼン
(DR1)5重量部とホスト高分子であるポリメチルメ
タクリレート(PMMA)95重量部とをクロロホルム
5重量部に分散させたクロロホルム溶液を調製した。こ
のクロロホルム溶液をガラス上に塗布し、溶媒を蒸発さ
せて、DR1を5重量%分散したPMMA膜である示差
走査熱量計(DSC)測定用のホスト−ゲスト高分子膜
(a)(膜厚0.1mm)を作成した。この高分子膜の
熱的特性をDSCにより測定し、その昇温時の吸熱変化
を図1の(a)に示す。次に、このホスト−ゲスト高分
子膜の融点(約200℃)より低く、Tg(約100
℃)より高い温度であり、DR1の融点(約161℃)
より若干低い温度である160℃まで、前記ホスト−ゲ
スト高分子膜を昇温後、昇温した温度に保持することな
しに室温まで放冷して加熱処理試料を作成した。この試
料の高分子膜(b)の熱的特性を前記と同様にDSCに
よって測定し、その昇温時の吸熱変化を図1の(b)に
示す。その結果、加熱処理しない試料(a)の約100
℃以下での吸熱変化はかなり激しく、室温付近では高分
子が熱的に安定でないことを示す。一方、加熱処理した
試料(b)の吸熱変化の約100℃以下での吸熱変化量
は平坦で、室温付近での高分子の構造が熱的に安定であ
ることがわかった。
る。 参考例1 非線形光学活性分子として4−[N−エチル−N−(ヒ
ドロキシエチル)]アミノ−4’−ニトロアゾベンゼン
(DR1)5重量部とホスト高分子であるポリメチルメ
タクリレート(PMMA)95重量部とをクロロホルム
5重量部に分散させたクロロホルム溶液を調製した。こ
のクロロホルム溶液をガラス上に塗布し、溶媒を蒸発さ
せて、DR1を5重量%分散したPMMA膜である示差
走査熱量計(DSC)測定用のホスト−ゲスト高分子膜
(a)(膜厚0.1mm)を作成した。この高分子膜の
熱的特性をDSCにより測定し、その昇温時の吸熱変化
を図1の(a)に示す。次に、このホスト−ゲスト高分
子膜の融点(約200℃)より低く、Tg(約100
℃)より高い温度であり、DR1の融点(約161℃)
より若干低い温度である160℃まで、前記ホスト−ゲ
スト高分子膜を昇温後、昇温した温度に保持することな
しに室温まで放冷して加熱処理試料を作成した。この試
料の高分子膜(b)の熱的特性を前記と同様にDSCに
よって測定し、その昇温時の吸熱変化を図1の(b)に
示す。その結果、加熱処理しない試料(a)の約100
℃以下での吸熱変化はかなり激しく、室温付近では高分
子が熱的に安定でないことを示す。一方、加熱処理した
試料(b)の吸熱変化の約100℃以下での吸熱変化量
は平坦で、室温付近での高分子の構造が熱的に安定であ
ることがわかった。
【0018】実施例1 参考例1と同様に5重量%のDR1を分散させたPMM
Aの厚さ1μmのフィルムを、Na2 Oを8重量%、K
2 Oを3重量%含むソーダライムガラスであるスライド
ガラス上にスピンコート法により成膜した。この試料を
電気オーブン内に設置し全体を10℃/minで160
℃まで昇温加熱し、温度保持をせず室温まで放冷して加
熱処理した高分子薄膜を得た。この試料を以下の方法で
コロナ放電電極による電場配向を行った。図2に示すよ
うな電極で、陽極に板状電極11としてステンレス製の
平板を用い、陰極に針状電極12としてタンタル製の針
を用い、電極間隔を3mmとし、陰極側にフィルム面
(高分子膜13)を、陽極側にガラス面(基板14)を
向けて電極間に固定した。これらを電気オーブン内に設
置し、全体を高分子膜のガラス転移温度(Tg)の10
0℃に加熱しながら電極間に10kVの電圧を印加して
1時間放置した。この後、電圧を印加したまま全体を室
温まで冷却し、電圧の印加を停止した。得られた電場配
向高分子膜の2次の非線形活性の大きさをメーカーフリ
ンジ測定によって評価した。入射光にはパルスのチタン
サファイアレーザーの870nmの光を用い、発生した
第2高調波を光電子倍増管で検出した。また標準試料と
してY−カットの結晶石英を用い、これに対する比の値
としてフィルムの2次の非線形感受率の値を算出した。
その結果、作成直後の5重量%のDR1を分散したPM
MAフィルムは、27.47pm/Vの非線形活性を有
していた。さらに、このフィルムの非線形活性の経時変
化を図3中に白丸で示す。その結果、上記PMMAフィ
ルムの非線形活性は、300日以上経過しても12pm
/V程度の高い非線形性を維持していた。
Aの厚さ1μmのフィルムを、Na2 Oを8重量%、K
2 Oを3重量%含むソーダライムガラスであるスライド
ガラス上にスピンコート法により成膜した。この試料を
電気オーブン内に設置し全体を10℃/minで160
℃まで昇温加熱し、温度保持をせず室温まで放冷して加
熱処理した高分子薄膜を得た。この試料を以下の方法で
コロナ放電電極による電場配向を行った。図2に示すよ
うな電極で、陽極に板状電極11としてステンレス製の
平板を用い、陰極に針状電極12としてタンタル製の針
を用い、電極間隔を3mmとし、陰極側にフィルム面
(高分子膜13)を、陽極側にガラス面(基板14)を
向けて電極間に固定した。これらを電気オーブン内に設
置し、全体を高分子膜のガラス転移温度(Tg)の10
0℃に加熱しながら電極間に10kVの電圧を印加して
1時間放置した。この後、電圧を印加したまま全体を室
温まで冷却し、電圧の印加を停止した。得られた電場配
向高分子膜の2次の非線形活性の大きさをメーカーフリ
ンジ測定によって評価した。入射光にはパルスのチタン
サファイアレーザーの870nmの光を用い、発生した
第2高調波を光電子倍増管で検出した。また標準試料と
してY−カットの結晶石英を用い、これに対する比の値
としてフィルムの2次の非線形感受率の値を算出した。
その結果、作成直後の5重量%のDR1を分散したPM
MAフィルムは、27.47pm/Vの非線形活性を有
していた。さらに、このフィルムの非線形活性の経時変
化を図3中に白丸で示す。その結果、上記PMMAフィ
ルムの非線形活性は、300日以上経過しても12pm
/V程度の高い非線形性を維持していた。
【0019】比較例1 参考例1と同様に5重量%のDR1を分散させたPMM
Aの厚さ1μmのフィルムを、スライドガラス上にスピ
ンコート法により成膜した。次いで、得られた試料を実
施例1と同様の電極間に固定した。これらを電気オーブ
ン内に設置し、全体を高分子膜のガラス転移温度(T
g)の100℃に加熱しながら電極間に10kVの電圧
を印加して1時間放置した。この後、電圧を印加したま
ま全体を室温まで冷却し、電圧の印加を停止した。得ら
れた電場配向高分子膜の2次の非線形活性の大きさを実
施例1と同様にして評価した。その結果、5重量%のD
R1を分散したPMMAフィルムは、作成直後の2次の
非線形感受率は29.01pm/Vであった。さらにこ
のフィルムの非線形活性の経時変化を図3中に黒丸で示
す。その結果、上記PMMAフィルムの非線形活性は、
300日以上経過すると約6pm/V以下にまで低下し
てしまった。
Aの厚さ1μmのフィルムを、スライドガラス上にスピ
ンコート法により成膜した。次いで、得られた試料を実
施例1と同様の電極間に固定した。これらを電気オーブ
ン内に設置し、全体を高分子膜のガラス転移温度(T
g)の100℃に加熱しながら電極間に10kVの電圧
を印加して1時間放置した。この後、電圧を印加したま
ま全体を室温まで冷却し、電圧の印加を停止した。得ら
れた電場配向高分子膜の2次の非線形活性の大きさを実
施例1と同様にして評価した。その結果、5重量%のD
R1を分散したPMMAフィルムは、作成直後の2次の
非線形感受率は29.01pm/Vであった。さらにこ
のフィルムの非線形活性の経時変化を図3中に黒丸で示
す。その結果、上記PMMAフィルムの非線形活性は、
300日以上経過すると約6pm/V以下にまで低下し
てしまった。
【0020】参考例2 参考例1と同様にして、ポリスチレン(PS)中に非線
形活性分子として4−[(4−アミノフェニル)アゾ]
ニトロベンゼン(DO3)を5重量%分散させた高分子
膜を作成し、参考例1と同様にDSCによる吸熱変化を
測定した。次に、同様の高分子膜の融点(約240℃)
より低く、Tg(110℃)より高い温度であり、DO
3の融点(約204℃)より若干低い温度である180
℃まで昇温した。昇温した温度に保持することなく室温
まで放冷して加熱処理試料を作成した。この試料につい
て、参考例1と同様にDSCによる吸熱変化を測定し
た。その結果、参考例1と同様に、加熱処理しない試料
の約100℃以下での吸熱変化は激しかった。一方、加
熱処理した試料の約100℃以下での吸熱変化量は平坦
であり、加熱処理した事によって高分子が熱的に安定に
なったことが示された。
形活性分子として4−[(4−アミノフェニル)アゾ]
ニトロベンゼン(DO3)を5重量%分散させた高分子
膜を作成し、参考例1と同様にDSCによる吸熱変化を
測定した。次に、同様の高分子膜の融点(約240℃)
より低く、Tg(110℃)より高い温度であり、DO
3の融点(約204℃)より若干低い温度である180
℃まで昇温した。昇温した温度に保持することなく室温
まで放冷して加熱処理試料を作成した。この試料につい
て、参考例1と同様にDSCによる吸熱変化を測定し
た。その結果、参考例1と同様に、加熱処理しない試料
の約100℃以下での吸熱変化は激しかった。一方、加
熱処理した試料の約100℃以下での吸熱変化量は平坦
であり、加熱処理した事によって高分子が熱的に安定に
なったことが示された。
【0021】実施例2 参考例2と同様に5重量%のDO3を分散させたPSの
1μmのフィルムをNa2 Oを5重量%含むホウケイ酸
塩系のガラス基板上に作成し、電気オーブン内に設置し
た。次いで電気オーブンを180℃に10℃/minで
昇温後、昇温した温度で保持せずに室温まで放冷して加
熱処理フィルムを作成した。次いで、実施例1と同様に
この高分子膜のTgである110℃で電場配向膜を作成
し、非線形活性の大きさを測定した。その結果、作成直
後の非線形活性の大きさは23.11pm/Vであっ
た。さらに、このフィルムの非線形活性の経時緩和を図
4に白丸で示す。その結果、このフィルムは、300日
以上経過しても10pm/V程度の高い非線形活性を保
持してた。
1μmのフィルムをNa2 Oを5重量%含むホウケイ酸
塩系のガラス基板上に作成し、電気オーブン内に設置し
た。次いで電気オーブンを180℃に10℃/minで
昇温後、昇温した温度で保持せずに室温まで放冷して加
熱処理フィルムを作成した。次いで、実施例1と同様に
この高分子膜のTgである110℃で電場配向膜を作成
し、非線形活性の大きさを測定した。その結果、作成直
後の非線形活性の大きさは23.11pm/Vであっ
た。さらに、このフィルムの非線形活性の経時緩和を図
4に白丸で示す。その結果、このフィルムは、300日
以上経過しても10pm/V程度の高い非線形活性を保
持してた。
【0022】比較例2 実施例2と同様に、5重量%のDO3を分散させたPS
の1μmのフィルムをスライドガラス基板上に作成し
た。実施例2と同様に電場配向膜を作成し、非線形活性
の大きさを測定した。その結果、作成直後の非線形活性
の大きさは22.53pm/Vであった。さらにこのフ
ィルムの非線形活性の経時緩和を図4に黒丸で示す。そ
の結果、300日以上経過した後の非線形活性は約6p
m/V以下まで低下してしまった。
の1μmのフィルムをスライドガラス基板上に作成し
た。実施例2と同様に電場配向膜を作成し、非線形活性
の大きさを測定した。その結果、作成直後の非線形活性
の大きさは22.53pm/Vであった。さらにこのフ
ィルムの非線形活性の経時緩和を図4に黒丸で示す。そ
の結果、300日以上経過した後の非線形活性は約6p
m/V以下まで低下してしまった。
【0023】参考例3 参考例1と同様にして、ポリカーボネート(PC)中に
非線形活性分子として4−ジメチルアミノ−4’−ニト
ロスチルベン(DANS)を5重量%分散させた高分子
膜を作成し、DSCによる吸熱変化を測定した。次に、
同様の高分子膜を、この高分子膜の融点(約260℃)
より低く、Tg(130℃)より高い温度であり、DA
NSの融点(約257℃)より若干低い温度である20
0℃まで昇温後、昇温した温度で保持することなく室温
まで放冷して加熱処理試料を作成した。この試料につい
て、上記と同様にDSCによる吸熱変化を測定した。そ
の結果、参考例1と同様に、加熱処理しない試料の約1
30℃以下での吸熱変化は激しかった。一方、加熱処理
した試料の約130℃以下での吸熱変化量は平坦であ
り、加熱処理した事によって材料が熱的に安定になった
ことが示された。
非線形活性分子として4−ジメチルアミノ−4’−ニト
ロスチルベン(DANS)を5重量%分散させた高分子
膜を作成し、DSCによる吸熱変化を測定した。次に、
同様の高分子膜を、この高分子膜の融点(約260℃)
より低く、Tg(130℃)より高い温度であり、DA
NSの融点(約257℃)より若干低い温度である20
0℃まで昇温後、昇温した温度で保持することなく室温
まで放冷して加熱処理試料を作成した。この試料につい
て、上記と同様にDSCによる吸熱変化を測定した。そ
の結果、参考例1と同様に、加熱処理しない試料の約1
30℃以下での吸熱変化は激しかった。一方、加熱処理
した試料の約130℃以下での吸熱変化量は平坦であ
り、加熱処理した事によって材料が熱的に安定になった
ことが示された。
【0024】実施例3 参考例3と同様に5重量%のDANSを分散させたPC
の1μmのフィルムをK2 Oを3重量%、Na2 Oを1
4重量%含むソーダライムのガラス基板上に作成した。
このフィルムを基板とともに、電気オーブン内に設置
し、全体を200℃に昇温し、昇温した温度で保持する
ことなく室温まで放冷して加熱処理フィルムを作成し
た。さらにこのフィルムを実施例1と同様にこのフィル
ムのTgである130℃で電場配向して電場配向膜を作
成し、非線形活性の大きさを測定した。作成直後の非線
形活性の大きさは27.68pm/Vであった。さらに
このフィルムの非線形活性の経時緩和を図5中に白丸で
示す。その結果、300日以上経過した後の非線形活性
は約14pm/V程度の高い非線形活性を保持してい
た。
の1μmのフィルムをK2 Oを3重量%、Na2 Oを1
4重量%含むソーダライムのガラス基板上に作成した。
このフィルムを基板とともに、電気オーブン内に設置
し、全体を200℃に昇温し、昇温した温度で保持する
ことなく室温まで放冷して加熱処理フィルムを作成し
た。さらにこのフィルムを実施例1と同様にこのフィル
ムのTgである130℃で電場配向して電場配向膜を作
成し、非線形活性の大きさを測定した。作成直後の非線
形活性の大きさは27.68pm/Vであった。さらに
このフィルムの非線形活性の経時緩和を図5中に白丸で
示す。その結果、300日以上経過した後の非線形活性
は約14pm/V程度の高い非線形活性を保持してい
た。
【0025】比較例3 実施例1と同様に、5重量%のDANSを分散させたP
Cの1μmのフィルムをスライドガラス基板上に作成し
た。そして実施例1と同様に、この材料のTgの130
℃で電場配向膜を作成し、実施例1と同様に非線形活性
の大きさを測定した。作成直後の非線形活性の大きさは
29.26pm/Vであった。このフィルムの非線形活
性の経時緩和を図5黒丸で示す。その結果、300日以
上経過した後の非線形活性は約8pm/V以下まで低下
してしまった。
Cの1μmのフィルムをスライドガラス基板上に作成し
た。そして実施例1と同様に、この材料のTgの130
℃で電場配向膜を作成し、実施例1と同様に非線形活性
の大きさを測定した。作成直後の非線形活性の大きさは
29.26pm/Vであった。このフィルムの非線形活
性の経時緩和を図5黒丸で示す。その結果、300日以
上経過した後の非線形活性は約8pm/V以下まで低下
してしまった。
【0026】
【発明の効果】本発明の製造方法によって得られた非線
形光学材料は、高い非線形活性を長期間にわったて保持
している。そのため高効率で安定した波長変換、光スイ
ッチなどの非線形光学素子として好ましく用いることが
出来る。さらに光学的透明性に優れたホスト高分子を使
用できるため、高性能な非線形光学素子として用いるこ
とが出来る。
形光学材料は、高い非線形活性を長期間にわったて保持
している。そのため高効率で安定した波長変換、光スイ
ッチなどの非線形光学素子として好ましく用いることが
出来る。さらに光学的透明性に優れたホスト高分子を使
用できるため、高性能な非線形光学素子として用いるこ
とが出来る。
【図1】参考例1で求めた、5重量%のDR1を分散さ
せたPMMAの昇温時の吸熱変化(a)及び同様のDR
1分散PMMAを加熱処理した試料の昇温時の吸熱変化
(b)をそれぞれ示す。
せたPMMAの昇温時の吸熱変化(a)及び同様のDR
1分散PMMAを加熱処理した試料の昇温時の吸熱変化
(b)をそれぞれ示す。
【図2】コロナ放電による電圧印加の方法の概略説明
図。
図。
【図3】比較例1の5重量%のDR1を分散させたPM
MAの電場配向膜の非線形活性の経時変化(黒丸)、及
び実施例1の5重量%のDR1を分散させたPMMA膜
を熱処理した後に電場配向させた膜の非線形活性の経時
変化(白丸)を示す。
MAの電場配向膜の非線形活性の経時変化(黒丸)、及
び実施例1の5重量%のDR1を分散させたPMMA膜
を熱処理した後に電場配向させた膜の非線形活性の経時
変化(白丸)を示す。
【図4】比較例2の5重量%のDO3を分散させたPS
の電場配向膜の非線形活性の経時変化(黒丸)、及び実
施例2の5重量%のDO3を分散させたPS膜を熱処理
した後に電場配向させた膜の非線形活性の経時変化(白
丸)を示す。
の電場配向膜の非線形活性の経時変化(黒丸)、及び実
施例2の5重量%のDO3を分散させたPS膜を熱処理
した後に電場配向させた膜の非線形活性の経時変化(白
丸)を示す。
【図5】比較例3の5重量%のDANSを分散させたP
Cの電場配向膜の非線形活性の経時変化(黒丸)、及び
実施例3の5重量%のDANSを分散させたPC膜を熱
処理した後に電場配向させた膜の非線形活性の経時変化
(白丸)を示す。
Cの電場配向膜の非線形活性の経時変化(黒丸)、及び
実施例3の5重量%のDANSを分散させたPC膜を熱
処理した後に電場配向させた膜の非線形活性の経時変化
(白丸)を示す。
11 板状電極 12 針状電極 13 高分子膜 14 基板
Claims (2)
- 【請求項1】 非線形光学活性を有する化合物を分散し
た高分子膜を基板上に形成する工程、 前記高分子膜及び基板を、前記高分子膜のガラス転移点
と融点との間の温度T1 で熱処理する工程、 熱処理した前記高分子膜及び基板を、前記高分子膜のガ
ラス転移点より20℃以上低い温度T2 まで冷却する工
程、及び前記高分子膜のガラス転移点より20℃低い温
度から前記高分子膜のガラス転移点より20℃高い温度
までの間の温度T3 で、冷却した前記基板上の前記高分
子膜に電界を印加する工程、 を含むことを特徴とする非線形光学材料の製造方法。 - 【請求項2】 基板がガラス基板であり、該ガラス基板
は0.5〜50重量%の範囲のアルカリ金属酸化物を含
有する請求項1記載の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP27507193A JPH07104329A (ja) | 1993-10-06 | 1993-10-06 | 非線形光学材料の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP27507193A JPH07104329A (ja) | 1993-10-06 | 1993-10-06 | 非線形光学材料の製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH07104329A true JPH07104329A (ja) | 1995-04-21 |
Family
ID=17550435
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP27507193A Pending JPH07104329A (ja) | 1993-10-06 | 1993-10-06 | 非線形光学材料の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH07104329A (ja) |
-
1993
- 1993-10-06 JP JP27507193A patent/JPH07104329A/ja active Pending
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