JPH07106951B2 - 炭素繊維強化炭素複合材料およびその製造方法 - Google Patents
炭素繊維強化炭素複合材料およびその製造方法Info
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- JPH07106951B2 JPH07106951B2 JP2272834A JP27283490A JPH07106951B2 JP H07106951 B2 JPH07106951 B2 JP H07106951B2 JP 2272834 A JP2272834 A JP 2272834A JP 27283490 A JP27283490 A JP 27283490A JP H07106951 B2 JPH07106951 B2 JP H07106951B2
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、炭素繊維強化炭素複合材料ならびにその製造
方法に関し、さらに詳しくは、強化繊維原料として炭素
質繊維を使用し、マトリックス原料としてピッチ、熱硬
化性樹脂あるいはそれと必要に応じて加えられたその硬
化剤および/または硬化促進剤からなる熱硬化性樹脂系
材料および芳香族ニトロ化合物の混合物を主成分とする
マトリックス原料を使用して製造された高強度の炭素繊
維強化炭素複合材料およびその製造方法に関する。
方法に関し、さらに詳しくは、強化繊維原料として炭素
質繊維を使用し、マトリックス原料としてピッチ、熱硬
化性樹脂あるいはそれと必要に応じて加えられたその硬
化剤および/または硬化促進剤からなる熱硬化性樹脂系
材料および芳香族ニトロ化合物の混合物を主成分とする
マトリックス原料を使用して製造された高強度の炭素繊
維強化炭素複合材料およびその製造方法に関する。
(従来の技術) 炭素繊維強化炭素複合材料(以下「C/Cコンポジット」
と略称)は、機械的特性、耐熱性、耐酸化性以外の耐蝕
性、摺動特性等に優れた特性を有し、宇宙航空機、自動
車、各種産業機械等のブレーキ部材、摺動部材、構造材
等々種々の用途があり、有用なものである。そして、利
用分野の拡大あるいは利用分野の技術の高度化等によ
り、一層優れた特性のC/Cコンポジットを一層経済的に
製造することが望まれている。
と略称)は、機械的特性、耐熱性、耐酸化性以外の耐蝕
性、摺動特性等に優れた特性を有し、宇宙航空機、自動
車、各種産業機械等のブレーキ部材、摺動部材、構造材
等々種々の用途があり、有用なものである。そして、利
用分野の拡大あるいは利用分野の技術の高度化等によ
り、一層優れた特性のC/Cコンポジットを一層経済的に
製造することが望まれている。
従来から、強化繊維原料として炭素質繊維を使用し、マ
トリックス原料としてピッチ、あるいはフェノール樹
脂、エポキシ樹脂、フラン樹脂、ポリイミド樹脂、不飽
和ポリエステル樹脂等の熱硬化性樹脂を使用してC/Cコ
ンポジットを製造することは知られている(例えば特開
昭62−252371号、特開昭63−112463号、特開昭62−7256
6号、特開平1−160866号等)。しかしながら、マトリ
ックス原料としてピッチを使用する従来法では、ピッチ
の炭化収率が熱硬化性樹脂に比べて良いとはいうもの
の、ピッチの焼成されたときの構造に起因して得られる
C/Cコンポジットの機械的強度が劣るという問題があ
り、またそのピッチの炭化収率もまだ十分ではなく、緻
密なC/Cコンポジットを得るにはマトリックス原料の含
浸処理を何回も繰り返す必要があってコストがかかり、
経済的でないという問題もある。一方、マトリックス原
料として熱硬化性樹脂を使用する従来法では、熱硬化性
樹脂の焼成されたときの構造に起因して得られるC/Cコ
ンポジットの機械的強度がマトリックス原料としてピッ
チを用いた場合に比べて良いとはいうものの、熱硬化性
樹脂の炭化収率が低く、緻密なC/Cコンポジットを得る
にはマトリックス原料の含浸処理を一層多くの回数繰り
返す必要があって一層コストがかかり、経済的でないと
いう問題があり、またその得られるC/Cコンポジットの
機械的強度もまだ十分ではないという問題もある。ま
た、従来から、これらのマトリックス原料としてピッチ
あるいは熱硬化性樹脂を用いる方法の改善法として、ピ
ッチと熱硬化性樹脂の混合物をマトリックス原料として
使用するC/Cコンポジットの製造法も知られている(例
えば特開昭62−72566号、特開平1−188468号等)。し
かしながら、このピッチと熱硬化性樹脂の混合物をマト
リックス原料として使用するC/Cコンポジットの製造法
でも、ピッチと熱硬化性樹脂のそれぞれの特性が相互に
補完し合ってマトリックス原料の炭化収率が熱硬化性樹
脂を単独で使用した場合よりは向上し、また得られるC/
Cコンポジットの機械的強度がピッチを単独で用いた場
合よりは向上して相応の改善はなされるとはいうもの
の、そのマトリックス原料の炭化収率はピッチを単独で
用いた場合を越えるものではなく、また得られるC/Cコ
ンポジットの機械的強度も熱硬化性樹脂を単独で用いた
場合を越えるものではなく、結局満足できるマトリック
ス原料の炭化収率で経済的に満足できる優れた機械的強
度等の特性を有するC/Cコンポジットは得られない。さ
らには、上記のいずれの従来法でも、炭素質繊維とマト
リックス原料の配合物の成形性が悪く、また該配合物を
成形した成形物の炭素化あるいは黒鉛化のための焼成時
に変形が起こり、好適に成形されたC/Cコンポジットが
得難いという問題もある。
トリックス原料としてピッチ、あるいはフェノール樹
脂、エポキシ樹脂、フラン樹脂、ポリイミド樹脂、不飽
和ポリエステル樹脂等の熱硬化性樹脂を使用してC/Cコ
ンポジットを製造することは知られている(例えば特開
昭62−252371号、特開昭63−112463号、特開昭62−7256
6号、特開平1−160866号等)。しかしながら、マトリ
ックス原料としてピッチを使用する従来法では、ピッチ
の炭化収率が熱硬化性樹脂に比べて良いとはいうもの
の、ピッチの焼成されたときの構造に起因して得られる
C/Cコンポジットの機械的強度が劣るという問題があ
り、またそのピッチの炭化収率もまだ十分ではなく、緻
密なC/Cコンポジットを得るにはマトリックス原料の含
浸処理を何回も繰り返す必要があってコストがかかり、
経済的でないという問題もある。一方、マトリックス原
料として熱硬化性樹脂を使用する従来法では、熱硬化性
樹脂の焼成されたときの構造に起因して得られるC/Cコ
ンポジットの機械的強度がマトリックス原料としてピッ
チを用いた場合に比べて良いとはいうものの、熱硬化性
樹脂の炭化収率が低く、緻密なC/Cコンポジットを得る
にはマトリックス原料の含浸処理を一層多くの回数繰り
返す必要があって一層コストがかかり、経済的でないと
いう問題があり、またその得られるC/Cコンポジットの
機械的強度もまだ十分ではないという問題もある。ま
た、従来から、これらのマトリックス原料としてピッチ
あるいは熱硬化性樹脂を用いる方法の改善法として、ピ
ッチと熱硬化性樹脂の混合物をマトリックス原料として
使用するC/Cコンポジットの製造法も知られている(例
えば特開昭62−72566号、特開平1−188468号等)。し
かしながら、このピッチと熱硬化性樹脂の混合物をマト
リックス原料として使用するC/Cコンポジットの製造法
でも、ピッチと熱硬化性樹脂のそれぞれの特性が相互に
補完し合ってマトリックス原料の炭化収率が熱硬化性樹
脂を単独で使用した場合よりは向上し、また得られるC/
Cコンポジットの機械的強度がピッチを単独で用いた場
合よりは向上して相応の改善はなされるとはいうもの
の、そのマトリックス原料の炭化収率はピッチを単独で
用いた場合を越えるものではなく、また得られるC/Cコ
ンポジットの機械的強度も熱硬化性樹脂を単独で用いた
場合を越えるものではなく、結局満足できるマトリック
ス原料の炭化収率で経済的に満足できる優れた機械的強
度等の特性を有するC/Cコンポジットは得られない。さ
らには、上記のいずれの従来法でも、炭素質繊維とマト
リックス原料の配合物の成形性が悪く、また該配合物を
成形した成形物の炭素化あるいは黒鉛化のための焼成時
に変形が起こり、好適に成形されたC/Cコンポジットが
得難いという問題もある。
(解決しようとする課題) 本発明の目的は、上記のような従来法の問題点を解決
し、一層優れた機械的強度等の特性を有するC/Cコンポ
ジットを一層高いマトリックス原料の炭化収率で経済的
に、さらには好適に成形された状態で提供することにあ
る。
し、一層優れた機械的強度等の特性を有するC/Cコンポ
ジットを一層高いマトリックス原料の炭化収率で経済的
に、さらには好適に成形された状態で提供することにあ
る。
(課題を解決するための手段) 本発明者らは、上記目的を達成すべく種々研究した結
果、上記のような従来法の問題点の解決にマトリックス
原料の改質が極めて有効であることに想到し、さらに研
究を進めたところ、マトリックス原料をピッチ、熱硬化
性樹脂あるいはそれと必要に応じて加えられたその硬化
剤および/または硬化促進剤からなる熱硬化性樹脂系材
料および芳香族ニトロ化合物の三成分系にすると、マト
リックス原料の炭化収率が顕著に向上し、少ない含浸処
理回数で緻密なC/Cコンポジットが得られると共に、該C
/Cコンポジットの機械的強度が顕著に向上し、従来法で
は達成できなかった優れた特性のC/Cコンポジットが経
済的に得られること、さらにはかかる三成分系のマトリ
ックス原料を用いると、炭素質繊維とマトリックス原料
の配合物の成形性が改善され、また該配合物を成形した
成形物の焼成時の変形が抑制されて好適に成形されたC/
Cコンポジットが得られることを見出して本発明を完成
した。
果、上記のような従来法の問題点の解決にマトリックス
原料の改質が極めて有効であることに想到し、さらに研
究を進めたところ、マトリックス原料をピッチ、熱硬化
性樹脂あるいはそれと必要に応じて加えられたその硬化
剤および/または硬化促進剤からなる熱硬化性樹脂系材
料および芳香族ニトロ化合物の三成分系にすると、マト
リックス原料の炭化収率が顕著に向上し、少ない含浸処
理回数で緻密なC/Cコンポジットが得られると共に、該C
/Cコンポジットの機械的強度が顕著に向上し、従来法で
は達成できなかった優れた特性のC/Cコンポジットが経
済的に得られること、さらにはかかる三成分系のマトリ
ックス原料を用いると、炭素質繊維とマトリックス原料
の配合物の成形性が改善され、また該配合物を成形した
成形物の焼成時の変形が抑制されて好適に成形されたC/
Cコンポジットが得られることを見出して本発明を完成
した。
したがって、本発明の要旨は、第一に、強化繊維原料と
して炭素質繊維を使用し、マトリックス原料としてピッ
チ、熱硬化性樹脂またはそれとその硬化剤および/また
は硬化促進剤からなる熱硬化性樹脂系材料および芳香族
ニトロ化合物の混合物を主成分とするマトリックス原料
を使用することを特徴とする炭素繊維強化炭素複合材料
に存し、第二に、炭素質繊維に、ピッチ、熱硬化性樹脂
またはそれとその硬化剤および/または硬化促進剤から
なる熱硬化性樹脂系材料および芳香族ニトロ化合物の混
合物を主成分とするマトリックス原料を配合してなる配
合物を、常温〜600℃の温度、0.1〜400kg/cm2の圧力で
成形し、得られた成形物を600〜1500℃の温度で炭素化
し、必要に応じて得られた炭素化物を黒鉛化することを
特徴とする炭素繊維強化炭素複合材料の製造方法に存す
る。
して炭素質繊維を使用し、マトリックス原料としてピッ
チ、熱硬化性樹脂またはそれとその硬化剤および/また
は硬化促進剤からなる熱硬化性樹脂系材料および芳香族
ニトロ化合物の混合物を主成分とするマトリックス原料
を使用することを特徴とする炭素繊維強化炭素複合材料
に存し、第二に、炭素質繊維に、ピッチ、熱硬化性樹脂
またはそれとその硬化剤および/または硬化促進剤から
なる熱硬化性樹脂系材料および芳香族ニトロ化合物の混
合物を主成分とするマトリックス原料を配合してなる配
合物を、常温〜600℃の温度、0.1〜400kg/cm2の圧力で
成形し、得られた成形物を600〜1500℃の温度で炭素化
し、必要に応じて得られた炭素化物を黒鉛化することを
特徴とする炭素繊維強化炭素複合材料の製造方法に存す
る。
本発明で強化繊維原料として用いる炭素質繊維として
は、その製造来歴を問うことなく用い得て、炭素質繊維
であれば例えばピッチ系、PAN系あるいはレーヨン系等
のいずれであっても良く、また炭化品であっても黒鉛化
品であっても良い。また、その形状も問うことなく用い
得て、例えば短繊維、長繊維、織布あるいは不織布等の
いずれであっても良く、またそれが一次元、二次元ある
いは三次元構造のいずれであっても良い。また、これら
の炭素質繊維は、その表面を空気、オゾン、過酸化水素
水、サイジング剤等の処理剤で表面処理したものでも、
表面処理してないものでも差支えない。さらにまた、上
記炭素質繊維の形状の中でも、短繊維に本発明を適用す
れば、従来法の問題点が一層顕著に改善される。すなわ
ち、従来法では、短繊維を用いた場合、緻密で、繊維体
積含有率が高く、機械的強度の高いC/Cコンポジットが
特に得難かったが、本発明に従えば、短繊維を強化繊維
として緻密で、繊維体積含有率が高く、機械的強度の高
いC/Cコンポジットが容易に得られる。
は、その製造来歴を問うことなく用い得て、炭素質繊維
であれば例えばピッチ系、PAN系あるいはレーヨン系等
のいずれであっても良く、また炭化品であっても黒鉛化
品であっても良い。また、その形状も問うことなく用い
得て、例えば短繊維、長繊維、織布あるいは不織布等の
いずれであっても良く、またそれが一次元、二次元ある
いは三次元構造のいずれであっても良い。また、これら
の炭素質繊維は、その表面を空気、オゾン、過酸化水素
水、サイジング剤等の処理剤で表面処理したものでも、
表面処理してないものでも差支えない。さらにまた、上
記炭素質繊維の形状の中でも、短繊維に本発明を適用す
れば、従来法の問題点が一層顕著に改善される。すなわ
ち、従来法では、短繊維を用いた場合、緻密で、繊維体
積含有率が高く、機械的強度の高いC/Cコンポジットが
特に得難かったが、本発明に従えば、短繊維を強化繊維
として緻密で、繊維体積含有率が高く、機械的強度の高
いC/Cコンポジットが容易に得られる。
本発明で用いるマトリックス原料の一つの主構成成分で
あるピッチとしては、通常、軟化点が100〜400℃、好ま
しくは200〜350℃で、1000℃までの揮発分が50%以下、
好ましくは35%以下である石灰系ピッチあるいは石油系
ピッチが用いられる。また、このピッチは、光学的等方
性ピッチあるいは光学的異方性ピッチのいずれかであっ
ても良い。
あるピッチとしては、通常、軟化点が100〜400℃、好ま
しくは200〜350℃で、1000℃までの揮発分が50%以下、
好ましくは35%以下である石灰系ピッチあるいは石油系
ピッチが用いられる。また、このピッチは、光学的等方
性ピッチあるいは光学的異方性ピッチのいずれかであっ
ても良い。
マトリックス原料の他の一つの主構成成分である熱硬化
性樹脂系材料としては、フェノール樹脂、エポキシ樹
脂、フラン樹脂、ポリイミド樹脂、不飽和ポリエステル
樹脂等の種々の熱硬化性樹脂を用いることができる。こ
れらの中でも、フェノール樹脂が、効果が良いこと、取
扱いが容易なこと、安価であること等からして、好まし
く用いられる。また、これらの熱硬化性樹脂には、必要
に応じてその硬化剤および/または硬化促進剤が併用さ
れる。すなわち、この熱硬化性樹脂系材料としては、上
記のような各種の熱硬化性樹脂からなるもの、および必
要に応じてこれら各種の熱硬化性樹脂とその硬化剤およ
び/または硬化促進剤からなるものを用いることができ
る。上記フェノール樹脂としては、平均分子量約200〜4
000程度のレゾール型あるいはノボラック型の初期縮合
物が好ましく、フェノール樹脂には必要に応じてホルム
アルデヒド、パラホルムアルデヒド、ヘキサメチレンテ
トラミン等の一般にフェノール樹脂の硬化剤として用い
られているものを併用することができるが、ノボラック
型の場合はかかる硬化剤を併用することが好ましい。エ
ポキシ樹脂としては、平均分子量約900〜4000程度の初
期縮合物が好ましく、エポキシ樹脂には必要に応じてジ
アミノジフェニルスルフォン、p−フェニレンジアミ
ン、無水フタル酸等の一般にエポキシ樹脂の硬化剤とし
て用いられているものを併用することができる。フラン
樹脂としては、平均分子量約500〜1000程度の初期縮合
物が好ましく、フラン樹脂には必要に応じて一般にフラ
ン樹脂の硬化促進剤として用いられている酸触媒を併用
することができる。ポリイミド樹脂としては、平均分子
量約2000〜3000程度の初期縮合物が好ましく、ポリイミ
ド樹脂には通常硬化剤等の併用は不要である。不飽和ポ
リエステル樹脂としては、平均分子量約1000〜3000程度
の初期縮合物が好ましく、不飽和ポリエステル樹脂には
必要に応じてスチレンなどのビニル型単量体等の一般に
不飽和ポリエステル樹脂の硬化剤として用いられている
ものを併用することができる。また、硬化剤および/ま
たは硬化促進剤を併用する場合、その使用量は一般に上
記各種の熱硬化性樹脂の硬化に用いられる程度の量を目
安に必要に応じて任意に決定すれば良い。通常、熱硬化
性樹脂100重量部に対して5〜30重量部程度が適当であ
る。
性樹脂系材料としては、フェノール樹脂、エポキシ樹
脂、フラン樹脂、ポリイミド樹脂、不飽和ポリエステル
樹脂等の種々の熱硬化性樹脂を用いることができる。こ
れらの中でも、フェノール樹脂が、効果が良いこと、取
扱いが容易なこと、安価であること等からして、好まし
く用いられる。また、これらの熱硬化性樹脂には、必要
に応じてその硬化剤および/または硬化促進剤が併用さ
れる。すなわち、この熱硬化性樹脂系材料としては、上
記のような各種の熱硬化性樹脂からなるもの、および必
要に応じてこれら各種の熱硬化性樹脂とその硬化剤およ
び/または硬化促進剤からなるものを用いることができ
る。上記フェノール樹脂としては、平均分子量約200〜4
000程度のレゾール型あるいはノボラック型の初期縮合
物が好ましく、フェノール樹脂には必要に応じてホルム
アルデヒド、パラホルムアルデヒド、ヘキサメチレンテ
トラミン等の一般にフェノール樹脂の硬化剤として用い
られているものを併用することができるが、ノボラック
型の場合はかかる硬化剤を併用することが好ましい。エ
ポキシ樹脂としては、平均分子量約900〜4000程度の初
期縮合物が好ましく、エポキシ樹脂には必要に応じてジ
アミノジフェニルスルフォン、p−フェニレンジアミ
ン、無水フタル酸等の一般にエポキシ樹脂の硬化剤とし
て用いられているものを併用することができる。フラン
樹脂としては、平均分子量約500〜1000程度の初期縮合
物が好ましく、フラン樹脂には必要に応じて一般にフラ
ン樹脂の硬化促進剤として用いられている酸触媒を併用
することができる。ポリイミド樹脂としては、平均分子
量約2000〜3000程度の初期縮合物が好ましく、ポリイミ
ド樹脂には通常硬化剤等の併用は不要である。不飽和ポ
リエステル樹脂としては、平均分子量約1000〜3000程度
の初期縮合物が好ましく、不飽和ポリエステル樹脂には
必要に応じてスチレンなどのビニル型単量体等の一般に
不飽和ポリエステル樹脂の硬化剤として用いられている
ものを併用することができる。また、硬化剤および/ま
たは硬化促進剤を併用する場合、その使用量は一般に上
記各種の熱硬化性樹脂の硬化に用いられる程度の量を目
安に必要に応じて任意に決定すれば良い。通常、熱硬化
性樹脂100重量部に対して5〜30重量部程度が適当であ
る。
マトリックス原料のさらに他の一つの主構成成分である
芳香族ニトロ化合物としては、ニトロベンゼン、ニトロ
アニリン、ジニトロベンゼン、ニトロナフタレン、ジニ
トロナフタレン、ジニトロアントラセン、トリニトロベ
ンゼン、トリニトロフェノール等の一つあるいは複数の
ニトロ基を有する単環あるいは縮合環の芳香族ニトロ化
合物が用いられる。これらの中でも、ジニトロベンゼン
あるいはジニトロナフタレンが、効果が良いこと、取扱
いが容易なこと、安価であること等からして、好ましく
用いられる。本発明では、マトリックス原料として上記
のようなピッチおよび熱硬化性樹脂系材料を併用するこ
とと、それにさらにかかる芳香族ニトロ化合物を加える
ことの相乗効果として、従来法によるよりも優れた機械
的強度のC/Cコンポジットが得られ、かつそれがマトリ
ックス原料の炭化収率良く経済的に、また好適に成形さ
れた状態で容易に得られる。
芳香族ニトロ化合物としては、ニトロベンゼン、ニトロ
アニリン、ジニトロベンゼン、ニトロナフタレン、ジニ
トロナフタレン、ジニトロアントラセン、トリニトロベ
ンゼン、トリニトロフェノール等の一つあるいは複数の
ニトロ基を有する単環あるいは縮合環の芳香族ニトロ化
合物が用いられる。これらの中でも、ジニトロベンゼン
あるいはジニトロナフタレンが、効果が良いこと、取扱
いが容易なこと、安価であること等からして、好ましく
用いられる。本発明では、マトリックス原料として上記
のようなピッチおよび熱硬化性樹脂系材料を併用するこ
とと、それにさらにかかる芳香族ニトロ化合物を加える
ことの相乗効果として、従来法によるよりも優れた機械
的強度のC/Cコンポジットが得られ、かつそれがマトリ
ックス原料の炭化収率良く経済的に、また好適に成形さ
れた状態で容易に得られる。
本発明で用いるマトリックス原料には、上記のようなピ
ッチ、熱硬化性樹脂系材料および芳香族ニトロ化合物
が、通常次のような割合で用いられる。すなわち、ピッ
チが10〜90重量部、好ましくは30〜65重量部の範囲、熱
硬化性樹脂系材料が10〜90重量部、好ましくは15〜45重
量部の範囲、芳香族ニトロ化合物が1〜45重量部、好ま
しくは15〜35重量部の範囲で、その合計が100重量部と
なる割合で用いられる。ピッチの使用割合が10重量部未
満の場合あるいは熱硬化性樹脂系材料の使用割合が90重
量部を越える場合はマトリックス相の緻密性が悪くな
り、一方ピッチの使用割合が90重量部を越える場合ある
いは熱硬化性樹脂系材料の使用割合が10重量部未満の場
合はマトリックス相の炭素繊維への接着力が低下し、い
ずれの場合もC/Cコンポジットの強度が低下する。ま
た、芳香族ニトロ化合物の使用割合が1重量部未満の場
合はその添加効果が期待できず、一方それが45重量部を
越える場合はマトリックス相の緻密性が悪くなり、いず
れの場合も高強度のC/Cコンポジットが得られない。
ッチ、熱硬化性樹脂系材料および芳香族ニトロ化合物
が、通常次のような割合で用いられる。すなわち、ピッ
チが10〜90重量部、好ましくは30〜65重量部の範囲、熱
硬化性樹脂系材料が10〜90重量部、好ましくは15〜45重
量部の範囲、芳香族ニトロ化合物が1〜45重量部、好ま
しくは15〜35重量部の範囲で、その合計が100重量部と
なる割合で用いられる。ピッチの使用割合が10重量部未
満の場合あるいは熱硬化性樹脂系材料の使用割合が90重
量部を越える場合はマトリックス相の緻密性が悪くな
り、一方ピッチの使用割合が90重量部を越える場合ある
いは熱硬化性樹脂系材料の使用割合が10重量部未満の場
合はマトリックス相の炭素繊維への接着力が低下し、い
ずれの場合もC/Cコンポジットの強度が低下する。ま
た、芳香族ニトロ化合物の使用割合が1重量部未満の場
合はその添加効果が期待できず、一方それが45重量部を
越える場合はマトリックス相の緻密性が悪くなり、いず
れの場合も高強度のC/Cコンポジットが得られない。
また、本発明のC/Cコンポジットには、上記のような炭
素質繊維と上記のようなマトリックス原料とが、通常炭
素質繊維が5〜90重量部、好ましくは20〜60重量部の範
囲、マトリックス原料が10〜95重量部、好ましくは40〜
80重量部の範囲で、その合計が100重量部となる割合で
用いられる。炭素質繊維の使用割合が5重量部未満で、
マトリックス原料の使用割合が95重量部を越える場合
は、炭素繊維の補強効果が不十分となり、C/Cコンポジ
ットの強度が低下し、一方炭素質繊維の使用割合が90重
量部を越え、マトリックス原料の使用割合が10重量部未
満の場合は、マトリックス相の量が少なすぎて、その十
分な機能が期待できず、やはりC/Cコンポジットの強度
が低下する。
素質繊維と上記のようなマトリックス原料とが、通常炭
素質繊維が5〜90重量部、好ましくは20〜60重量部の範
囲、マトリックス原料が10〜95重量部、好ましくは40〜
80重量部の範囲で、その合計が100重量部となる割合で
用いられる。炭素質繊維の使用割合が5重量部未満で、
マトリックス原料の使用割合が95重量部を越える場合
は、炭素繊維の補強効果が不十分となり、C/Cコンポジ
ットの強度が低下し、一方炭素質繊維の使用割合が90重
量部を越え、マトリックス原料の使用割合が10重量部未
満の場合は、マトリックス相の量が少なすぎて、その十
分な機能が期待できず、やはりC/Cコンポジットの強度
が低下する。
また、本発明の実施に当たっては、必要に応じてカーボ
ンブラック、コークス粉、グラファイト粉等の炭素質粉
末をマトリックス原料に添加することもできる。この場
合、炭素質粉末の添加量は、マトリックス原料の主構成
成分であるピッチ、熱硬化性樹脂系材料および芳香族ニ
トロ化合物の合計量の40重量%までとするのが適当であ
る。
ンブラック、コークス粉、グラファイト粉等の炭素質粉
末をマトリックス原料に添加することもできる。この場
合、炭素質粉末の添加量は、マトリックス原料の主構成
成分であるピッチ、熱硬化性樹脂系材料および芳香族ニ
トロ化合物の合計量の40重量%までとするのが適当であ
る。
以下本発明のC/Cコンポジットの製造方法について説明
する。本発明のC/Cコンポジットを製造するに当たって
は、炭素質繊維と、ピッチ、熱硬化性樹脂系材料および
芳香族ニトロ化合物を主構成成分とするマトリックス原
料とは、通常上記のような配合割合で、配合され、配合
物とされる。これらの配合方法は、任意であって、湿式
法あるいは乾式法等従来から知られた配合方法を広く採
用し得るが、炭素質繊維が長繊維、織布あるいは不織布
等の構造物である場合は、マトリックス原料を加熱溶融
または溶媒で希釈して該構造物に含浸させる湿式法が好
ましい。この場合のマトリックス原料の希釈溶媒として
は、アルコール、アセトンあるいはテトラヒドロフラン
等の揮発性溶媒が適当である。また、炭素質繊維が長繊
維のフィラメントである場合は、該フィラメントを加熱
溶融したマトリックス原料中を通過せしめてプリプレグ
ヤーンとなしても良い。また、炭素質繊維が短繊維の場
合は、マトリックス原料を加熱溶融または溶媒で希釈し
て該短繊維と混練する湿式法と共に、マトリックス原料
をボールミル、ヘンジェルミキサー等の粉砕混合機で微
粉末として該短繊維と混合する、あるいはマトリックス
原料を一旦溶融混合して一体物とし、それを冷却後粉砕
混合機で微粉末として該短繊維と混合する乾式法も好ま
しく採用できる。
する。本発明のC/Cコンポジットを製造するに当たって
は、炭素質繊維と、ピッチ、熱硬化性樹脂系材料および
芳香族ニトロ化合物を主構成成分とするマトリックス原
料とは、通常上記のような配合割合で、配合され、配合
物とされる。これらの配合方法は、任意であって、湿式
法あるいは乾式法等従来から知られた配合方法を広く採
用し得るが、炭素質繊維が長繊維、織布あるいは不織布
等の構造物である場合は、マトリックス原料を加熱溶融
または溶媒で希釈して該構造物に含浸させる湿式法が好
ましい。この場合のマトリックス原料の希釈溶媒として
は、アルコール、アセトンあるいはテトラヒドロフラン
等の揮発性溶媒が適当である。また、炭素質繊維が長繊
維のフィラメントである場合は、該フィラメントを加熱
溶融したマトリックス原料中を通過せしめてプリプレグ
ヤーンとなしても良い。また、炭素質繊維が短繊維の場
合は、マトリックス原料を加熱溶融または溶媒で希釈し
て該短繊維と混練する湿式法と共に、マトリックス原料
をボールミル、ヘンジェルミキサー等の粉砕混合機で微
粉末として該短繊維と混合する、あるいはマトリックス
原料を一旦溶融混合して一体物とし、それを冷却後粉砕
混合機で微粉末として該短繊維と混合する乾式法も好ま
しく採用できる。
この炭素質繊維とマトリックス原料の配合物を、まず成
形する。この成形方法は任意であって、従来から知られ
た成形方法等を広く採用し得る。例えば、モールド成型
法を採用する場合は、該配合物を金型に入れ、通常窒
素、アルゴン等の非酸化性ガス雰囲気下、常温〜600℃
の温度、0.1〜400kg/cm2の圧力で成形する。低い成形温
度を採用する場合には、空気雰囲気下で成形することも
可能である。本発明では、当該配合物の成形性が良く、
損傷や凹凸のない円滑な表面の成形物が得られる。
形する。この成形方法は任意であって、従来から知られ
た成形方法等を広く採用し得る。例えば、モールド成型
法を採用する場合は、該配合物を金型に入れ、通常窒
素、アルゴン等の非酸化性ガス雰囲気下、常温〜600℃
の温度、0.1〜400kg/cm2の圧力で成形する。低い成形温
度を採用する場合には、空気雰囲気下で成形することも
可能である。本発明では、当該配合物の成形性が良く、
損傷や凹凸のない円滑な表面の成形物が得られる。
次いで、得られた成形物を炭素化する。この炭素化は、
通常、窒素、アルゴン等の非酸化性ガス雰囲気中で、常
圧あるいは加圧下に、5℃/min以下、好ましくは2℃/m
in以下の昇温速度で昇温し、600〜1500℃、好ましくは6
00〜1000℃の温度で行われる。この炭素化を加圧下に行
えば、常圧下に行うより緻密な炭素化物が得られる。本
発明では、芳香族ニトロ化合物の添加効果によって、従
来法によるよりも、比較的低温で炭素質繊維とマトリッ
クス原料の配合物の成形を行うことができ、また成形物
の炭素化に際し昇温速度を早くすることができ、したが
ってC/Cコンポジット製造のエネルギーコストを低減す
ることができ、またその製造に要する時間を短縮するこ
とができる。すなわち、例えば短繊維を高い繊維体積含
有率で強化繊維として含有するC/Cコンポジットを製造
する場合、配合物の成形に当たり、従来は300〜500℃程
度の成形温度を要したが、本発明に従えば200〜300℃程
度の成形温度で成形することもできる。また、成形物の
炭素化に当たり、従来は昇温速度が早いと炭素化物が膨
張してポーラスなものとなるため昇温速度を10℃/hr
(0.167℃/min)程度にする要があったが、本発明に従
えば1〜5℃/minの昇温速度でも炭素化物の膨張は抑制
されて緻密な炭素化物を得ることができる。また、本発
明では、この成形物の炭素化に当たり、炭素化物の変形
が抑制される。
通常、窒素、アルゴン等の非酸化性ガス雰囲気中で、常
圧あるいは加圧下に、5℃/min以下、好ましくは2℃/m
in以下の昇温速度で昇温し、600〜1500℃、好ましくは6
00〜1000℃の温度で行われる。この炭素化を加圧下に行
えば、常圧下に行うより緻密な炭素化物が得られる。本
発明では、芳香族ニトロ化合物の添加効果によって、従
来法によるよりも、比較的低温で炭素質繊維とマトリッ
クス原料の配合物の成形を行うことができ、また成形物
の炭素化に際し昇温速度を早くすることができ、したが
ってC/Cコンポジット製造のエネルギーコストを低減す
ることができ、またその製造に要する時間を短縮するこ
とができる。すなわち、例えば短繊維を高い繊維体積含
有率で強化繊維として含有するC/Cコンポジットを製造
する場合、配合物の成形に当たり、従来は300〜500℃程
度の成形温度を要したが、本発明に従えば200〜300℃程
度の成形温度で成形することもできる。また、成形物の
炭素化に当たり、従来は昇温速度が早いと炭素化物が膨
張してポーラスなものとなるため昇温速度を10℃/hr
(0.167℃/min)程度にする要があったが、本発明に従
えば1〜5℃/minの昇温速度でも炭素化物の膨張は抑制
されて緻密な炭素化物を得ることができる。また、本発
明では、この成形物の炭素化に当たり、炭素化物の変形
が抑制される。
上記のように成形物を炭素化して得られる炭素化物は、
従来法により成形物を炭素化して得られる炭素化物に比
べて、かなり緻密で機械的強度のあるものであるが、そ
の緻密性を一層増して機械的強度を一層高めるために、
必要に応じて、該炭素化物にピッチ、あるいはピッチお
よび熱硬化性樹脂あるいはそれと必要に応じて加えられ
たその硬化剤および/または硬化促進剤からなる熱硬化
性樹脂系材料の混合物、あるいはピッチ、熱硬化性樹脂
あるいはそれと必要に応じて加えられたその硬化剤およ
び/または硬化促進剤からなる熱硬化性樹脂系材料およ
び芳香族ニトロ化合物の混合物等の含浸材を含浸させ、
得られた含浸処理物を600〜1500℃、好ましくは600〜10
00℃の温度で炭素化する。この含浸と炭素化の一連の操
作は、必要に応じて、複数回繰り返して行っても良い。
また、上記含浸材のピッチ、ピッチおよび熱硬化性樹脂
系材料の混合物、あるいはピッチ、熱硬化性樹脂系材料
および芳香族ニトロ化合物の混合物の各構成成分として
は、上記マトリックス原料の構成成分と同様のものが好
ましく用いられ、また混合物における各構成成分の割合
も上記マトリックス原料における割合と同程度の割合が
適当である。本発明では、一般に炭素化物がポーラスと
なり易い強化繊維として短繊維を用いた場合であって
も、この含浸と炭素化の一連の操作を1〜2回行うだけ
で十分緻密な炭素化物が得られ、同等の緻密度の炭素化
物を得るに従来法によるよりこの含浸と炭素化の一連の
操作を行う回数を低減できる。
従来法により成形物を炭素化して得られる炭素化物に比
べて、かなり緻密で機械的強度のあるものであるが、そ
の緻密性を一層増して機械的強度を一層高めるために、
必要に応じて、該炭素化物にピッチ、あるいはピッチお
よび熱硬化性樹脂あるいはそれと必要に応じて加えられ
たその硬化剤および/または硬化促進剤からなる熱硬化
性樹脂系材料の混合物、あるいはピッチ、熱硬化性樹脂
あるいはそれと必要に応じて加えられたその硬化剤およ
び/または硬化促進剤からなる熱硬化性樹脂系材料およ
び芳香族ニトロ化合物の混合物等の含浸材を含浸させ、
得られた含浸処理物を600〜1500℃、好ましくは600〜10
00℃の温度で炭素化する。この含浸と炭素化の一連の操
作は、必要に応じて、複数回繰り返して行っても良い。
また、上記含浸材のピッチ、ピッチおよび熱硬化性樹脂
系材料の混合物、あるいはピッチ、熱硬化性樹脂系材料
および芳香族ニトロ化合物の混合物の各構成成分として
は、上記マトリックス原料の構成成分と同様のものが好
ましく用いられ、また混合物における各構成成分の割合
も上記マトリックス原料における割合と同程度の割合が
適当である。本発明では、一般に炭素化物がポーラスと
なり易い強化繊維として短繊維を用いた場合であって
も、この含浸と炭素化の一連の操作を1〜2回行うだけ
で十分緻密な炭素化物が得られ、同等の緻密度の炭素化
物を得るに従来法によるよりこの含浸と炭素化の一連の
操作を行う回数を低減できる。
本発明の実施に当たって、上記の成形物を炭素化して得
られる炭素化物あるいはそれに含浸と炭素化の一連の操
作を少なくとも1回行って得られる炭素化物を目的のC/
Cコンポジットとすることもできるが、必要に応じてこ
れらの炭素化物をさらに1800〜3000℃、好ましくは2000
〜2700℃で焼成して黒鉛化し、一層高強度の黒鉛化C/C
コンポジットとする。
られる炭素化物あるいはそれに含浸と炭素化の一連の操
作を少なくとも1回行って得られる炭素化物を目的のC/
Cコンポジットとすることもできるが、必要に応じてこ
れらの炭素化物をさらに1800〜3000℃、好ましくは2000
〜2700℃で焼成して黒鉛化し、一層高強度の黒鉛化C/C
コンポジットとする。
(発明の効果) 本発明によれば、従来のマトリックス原料としてピッ
チ、熱硬化性樹脂あるいはこれらの混合物を用いるC/C
コンポジットの製造方法によるよりも緻密で機械的強度
の優れたC/Cコンポジットが提供され、しかもそれが従
来法によるよりも成形物の炭素化に要する時間を短縮
し、かつ含浸処理回数を減少して、短時間で経済的に、
かつ好適に成形された状態で容易に提供される。さらに
述べれば、たとえ従来法により含浸処理を多数回行って
緻密度が本発明によるものと同程度のC/Cコンポジット
を得たとしても、この緻密度が同程度の従来法によるC/
Cコンポジットより本発明によるC/Cコンポジットの方が
機械的強度が優れている。
チ、熱硬化性樹脂あるいはこれらの混合物を用いるC/C
コンポジットの製造方法によるよりも緻密で機械的強度
の優れたC/Cコンポジットが提供され、しかもそれが従
来法によるよりも成形物の炭素化に要する時間を短縮
し、かつ含浸処理回数を減少して、短時間で経済的に、
かつ好適に成形された状態で容易に提供される。さらに
述べれば、たとえ従来法により含浸処理を多数回行って
緻密度が本発明によるものと同程度のC/Cコンポジット
を得たとしても、この緻密度が同程度の従来法によるC/
Cコンポジットより本発明によるC/Cコンポジットの方が
機械的強度が優れている。
(実施例) 以下に、本発明の実施例を説明する。
実施例1、2、3 PAN系炭素繊維(繊維長6mm、繊維径7μ、引張強度360k
gf/mm2、引張弾性率24tonf/mm2)と石炭系等方性ピッチ
粉末(軟化点260℃、1000℃までの揮発分28%)とノボ
ラック型フェノール樹脂(日本火薬社製、平均分子量53
0)粉末とヘキサメチレンテトラミン粉末(関東化学社
製)及び、ジニトロナフタレン(日本カーリット社製)
を第1表に示す割合でヘンシェルミキサーにて混合しC/
Cコンポジット成形原料とした。
gf/mm2、引張弾性率24tonf/mm2)と石炭系等方性ピッチ
粉末(軟化点260℃、1000℃までの揮発分28%)とノボ
ラック型フェノール樹脂(日本火薬社製、平均分子量53
0)粉末とヘキサメチレンテトラミン粉末(関東化学社
製)及び、ジニトロナフタレン(日本カーリット社製)
を第1表に示す割合でヘンシェルミキサーにて混合しC/
Cコンポジット成形原料とした。
上記成形原料を金型に入れホットプレス成形を行った。
ホットプレス成形条件は、窒素ガス流通雰囲気下、3℃
/minの昇温速度で昇温し、130℃で圧力300kgf/cm2をか
け、そのままの圧力で500℃まで昇温し、3時間保持し
た。金型を放冷後、金型から成形体を脱型し80×10×4m
mの成形体を得た。得られた成形体表面は、樹脂の様相
を示し成形性はきわめて良好であった。この成形体を窒
素ガス流通雰囲気下、コークス粉中、1℃/minの昇温速
度で1000℃まで昇温し炭素化してC/Cコンポジット中間
品を得た。この中間品には膨れ及び層間クラックのいず
れも観察されなかった。得られたC/Cコンポジット中間
品の物性値を第2表に示す。
ホットプレス成形条件は、窒素ガス流通雰囲気下、3℃
/minの昇温速度で昇温し、130℃で圧力300kgf/cm2をか
け、そのままの圧力で500℃まで昇温し、3時間保持し
た。金型を放冷後、金型から成形体を脱型し80×10×4m
mの成形体を得た。得られた成形体表面は、樹脂の様相
を示し成形性はきわめて良好であった。この成形体を窒
素ガス流通雰囲気下、コークス粉中、1℃/minの昇温速
度で1000℃まで昇温し炭素化してC/Cコンポジット中間
品を得た。この中間品には膨れ及び層間クラックのいず
れも観察されなかった。得られたC/Cコンポジット中間
品の物性値を第2表に示す。
次にC/Cコンポジット中間品に石炭系等方性ピッチ(成
形時に使用したものと同一物)を含浸し前記炭素化と同
条件で炭素化する工程を2回繰り返し行った後、窒素ガ
ス流通雰囲気下、1000℃まで40℃/min、2000℃まで10℃
/min、2400℃まで50℃/minの昇温速度で昇温し、2400℃
で0.5時間保持しC/Cコンポジットを黒鉛化処理した。黒
鉛化処理後のC/Cコンポジットに変形は全く観察されな
かった。得られたC/Cコンポジット完成品の物性値を第
3表に示す。
形時に使用したものと同一物)を含浸し前記炭素化と同
条件で炭素化する工程を2回繰り返し行った後、窒素ガ
ス流通雰囲気下、1000℃まで40℃/min、2000℃まで10℃
/min、2400℃まで50℃/minの昇温速度で昇温し、2400℃
で0.5時間保持しC/Cコンポジットを黒鉛化処理した。黒
鉛化処理後のC/Cコンポジットに変形は全く観察されな
かった。得られたC/Cコンポジット完成品の物性値を第
3表に示す。
比較例1、2 マトリックス原料中にジニトロナフタレンを含まず、第
1表に示した配合割合でマトリックス原料を調製し、実
施例1と同方法でC/Cコンポジットを作製した。中間
品、完成品の物性値をそれぞれ第2、3表に示す。尚、
比較例1ではピッチ含浸による緻密化工程を3回、比較
例2では同処理を2回繰り返した。また、この場合、成
形後の脱型時に成形体表面の剥がれ、及び炭素化時に体
積膨張、黒鉛化処理後に変形が観察された。
1表に示した配合割合でマトリックス原料を調製し、実
施例1と同方法でC/Cコンポジットを作製した。中間
品、完成品の物性値をそれぞれ第2、3表に示す。尚、
比較例1ではピッチ含浸による緻密化工程を3回、比較
例2では同処理を2回繰り返した。また、この場合、成
形後の脱型時に成形体表面の剥がれ、及び炭素化時に体
積膨張、黒鉛化処理後に変形が観察された。
比較例3、4 成形時のマトリックス原料に、ノボラック型フェノール
樹脂と硬化剤のヘキサメチレンテトラミンを用い、第1
表に示した配合割合で成形原料を調製し最終成形温度を
200℃とした以外は実施例1と同方法でC/Cコンポジット
を作成した。中間品、完成品の物性値を第2、第3表に
示す。尚、この場合、炭素化時に成形体の体積膨張が観
察された。比較例3ではピッチ含浸による緻密化工程を
4回、比較例4では同処理を2回繰り返した。
樹脂と硬化剤のヘキサメチレンテトラミンを用い、第1
表に示した配合割合で成形原料を調製し最終成形温度を
200℃とした以外は実施例1と同方法でC/Cコンポジット
を作成した。中間品、完成品の物性値を第2、第3表に
示す。尚、この場合、炭素化時に成形体の体積膨張が観
察された。比較例3ではピッチ含浸による緻密化工程を
4回、比較例4では同処理を2回繰り返した。
実施例4 ノボラック型フェノール樹脂の変わりにポリイミド樹脂
(ケルイミド(日本ポリイミド社製):平均分子量200
0)を第1表に示した割合で混合する事以外は実施例1
と同方法でC/Cコンポジットを作製した。中間品、完成
品の物性値をそれぞれ第2、3表に示す。これらも実施
例1と同様に成形性がきわめて良く、焼成時の変形及び
膨れも全く観察されなかった。
(ケルイミド(日本ポリイミド社製):平均分子量200
0)を第1表に示した割合で混合する事以外は実施例1
と同方法でC/Cコンポジットを作製した。中間品、完成
品の物性値をそれぞれ第2、3表に示す。これらも実施
例1と同様に成形性がきわめて良く、焼成時の変形及び
膨れも全く観察されなかった。
比較例5 実施例4において、マトリックス原料中にジニトロナフ
タレンを含まず、第1表に示した配合割合で成形原料を
調製し、実施例1と同方法でC/Cコンポジットを作製し
た。中間品、完成品の物性値を第2、3表に示す。ま
た、この場合、成形後の脱型時に成形体表面の剥がれ、
及び炭素化時に体積膨張、黒鉛化処理後に変形が観察さ
れた。
タレンを含まず、第1表に示した配合割合で成形原料を
調製し、実施例1と同方法でC/Cコンポジットを作製し
た。中間品、完成品の物性値を第2、3表に示す。ま
た、この場合、成形後の脱型時に成形体表面の剥がれ、
及び炭素化時に体積膨張、黒鉛化処理後に変形が観察さ
れた。
実施例5 マトリックス混合樹脂にエポキシ樹脂(エピコート:平
均分子量900)を、その硬化剤にジアミノジフェニルス
ルフォン(DDS)を、第1表に示した割合で混合する事
以外は実施例1と同方法でC/Cコンポジットを作製し
た。中間品、完成品の物性値をそれぞれ第2、3表に示
す。これらも実施例1と同様に成形性がきわめて良く、
焼成時の変形及び膨れも全く観察されなかった。
均分子量900)を、その硬化剤にジアミノジフェニルス
ルフォン(DDS)を、第1表に示した割合で混合する事
以外は実施例1と同方法でC/Cコンポジットを作製し
た。中間品、完成品の物性値をそれぞれ第2、3表に示
す。これらも実施例1と同様に成形性がきわめて良く、
焼成時の変形及び膨れも全く観察されなかった。
比較例6 実施例5において、マトリックス原料中にジニトロナフ
タレンを含まず、第1表に示した配合割合で成形原料を
調製し、実施例1と同方法でC/Cコンポジットの作製を
試みた。この場合、成形体の作製は不可能であった。
タレンを含まず、第1表に示した配合割合で成形原料を
調製し、実施例1と同方法でC/Cコンポジットの作製を
試みた。この場合、成形体の作製は不可能であった。
Claims (5)
- 【請求項1】強化繊維原料として炭素質繊維を使用し、
マトリックス原料としてピッチ、熱硬化性樹脂またはそ
れとその硬化剤および/または硬化促進剤からなる熱硬
化性樹脂系材料および芳香族ニトロ化合物の混合物を主
成分とするマトリックス原料を使用することを特徴とす
る炭素繊維強化炭素複合材料。 - 【請求項2】マトリックス原料におけるピッチと熱硬化
性樹脂系材料と芳香族ニトロ化合物の使用割合が、ピッ
チが10〜90重量部の範囲、熱硬化性樹脂系材料が10〜90
重量部の範囲、芳香族ニトロ化合物が1〜45重量部の範
囲で、その合計が100重量部となる割合であり、強化繊
維原料の炭素質繊維とマトリックス原料の使用割合が、
炭素質繊維が5〜90重量部の範囲、マトリックス原料が
10〜95重量部の範囲で、その合計が100重量部となる割
合である請求項1記載の炭素繊維強化炭素複合材料。 - 【請求項3】炭素質繊維に、ピッチ、熱硬化性樹脂また
はそれとその硬化剤および/または硬化促進剤からなる
熱硬化性樹脂系材料および芳香族ニトロ化合物の混合物
を主成分とするマトリックス原料を配合してなる配合物
を、常温〜600℃の温度、0.1〜400kg/cm2の圧力で成形
し、得られた成形物を600〜1500℃の温度で炭素化し、
必要に応じて得られた炭素化物を黒鉛化することを特徴
とする炭素繊維強化炭素複合材料の製造方法。 - 【請求項4】成形物を炭素化して得られた炭素化物に、
ピッチ、ピッチおよび熱硬化性樹脂またはそれとその硬
化剤および/または硬化促進剤からなる熱硬化性樹脂系
材料の混合物、およびピッチ、熱硬化性樹脂またはそれ
とその硬化剤および/または硬化促進剤からなる熱硬化
性樹脂系材料および芳香族ニトロ化合物の混合物から選
択された含浸材を含浸させ、得られた含浸処理物を600
〜1500℃の温度で炭素化する一連の操作を少なくとも1
回行い、しかる後必要に応じて炭素化物を黒鉛化する請
求項3記載の炭素繊維強化炭素複合材料の製造方法。 - 【請求項5】炭素質繊維にマトリックス原料を配合して
なる配合物において、マトリックス原料におけるピッチ
と熱硬化性樹脂系材料と芳香族ニトロ化合物の使用割合
が、ピッチが10〜90重量部の範囲、熱硬化性樹脂系材料
が10〜90重量部の範囲、芳香族ニトロ化合物が1〜45重
量部の範囲で、その合計が100重量部となる割合であ
り、炭素質繊維とマトリックス原料の使用割合が、炭素
質繊維が5〜90重量部の範囲、マトリックス原料が10〜
95重量部の範囲で、その合計が100重量部となる割合で
ある請求項3または4記載の炭素繊維強化炭素複合材料
の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2272834A JPH07106951B2 (ja) | 1990-10-11 | 1990-10-11 | 炭素繊維強化炭素複合材料およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2272834A JPH07106951B2 (ja) | 1990-10-11 | 1990-10-11 | 炭素繊維強化炭素複合材料およびその製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH04149069A JPH04149069A (ja) | 1992-05-22 |
| JPH07106951B2 true JPH07106951B2 (ja) | 1995-11-15 |
Family
ID=17519424
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2272834A Expired - Lifetime JPH07106951B2 (ja) | 1990-10-11 | 1990-10-11 | 炭素繊維強化炭素複合材料およびその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH07106951B2 (ja) |
-
1990
- 1990-10-11 JP JP2272834A patent/JPH07106951B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH04149069A (ja) | 1992-05-22 |
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