JPH07106951B2 - 炭素繊維強化炭素複合材料およびその製造方法 - Google Patents

炭素繊維強化炭素複合材料およびその製造方法

Info

Publication number
JPH07106951B2
JPH07106951B2 JP2272834A JP27283490A JPH07106951B2 JP H07106951 B2 JPH07106951 B2 JP H07106951B2 JP 2272834 A JP2272834 A JP 2272834A JP 27283490 A JP27283490 A JP 27283490A JP H07106951 B2 JPH07106951 B2 JP H07106951B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
thermosetting resin
raw material
weight
parts
pitch
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2272834A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH04149069A (ja
Inventor
正俊 槌谷
等 重松
史朗 北條
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Maruzen Petrochemical Co Ltd
Original Assignee
Maruzen Petrochemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Maruzen Petrochemical Co Ltd filed Critical Maruzen Petrochemical Co Ltd
Priority to JP2272834A priority Critical patent/JPH07106951B2/ja
Publication of JPH04149069A publication Critical patent/JPH04149069A/ja
Publication of JPH07106951B2 publication Critical patent/JPH07106951B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Ceramic Products (AREA)
  • Carbon And Carbon Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、炭素繊維強化炭素複合材料ならびにその製造
方法に関し、さらに詳しくは、強化繊維原料として炭素
質繊維を使用し、マトリックス原料としてピッチ、熱硬
化性樹脂あるいはそれと必要に応じて加えられたその硬
化剤および/または硬化促進剤からなる熱硬化性樹脂系
材料および芳香族ニトロ化合物の混合物を主成分とする
マトリックス原料を使用して製造された高強度の炭素繊
維強化炭素複合材料およびその製造方法に関する。
(従来の技術) 炭素繊維強化炭素複合材料(以下「C/Cコンポジット」
と略称)は、機械的特性、耐熱性、耐酸化性以外の耐蝕
性、摺動特性等に優れた特性を有し、宇宙航空機、自動
車、各種産業機械等のブレーキ部材、摺動部材、構造材
等々種々の用途があり、有用なものである。そして、利
用分野の拡大あるいは利用分野の技術の高度化等によ
り、一層優れた特性のC/Cコンポジットを一層経済的に
製造することが望まれている。
従来から、強化繊維原料として炭素質繊維を使用し、マ
トリックス原料としてピッチ、あるいはフェノール樹
脂、エポキシ樹脂、フラン樹脂、ポリイミド樹脂、不飽
和ポリエステル樹脂等の熱硬化性樹脂を使用してC/Cコ
ンポジットを製造することは知られている(例えば特開
昭62−252371号、特開昭63−112463号、特開昭62−7256
6号、特開平1−160866号等)。しかしながら、マトリ
ックス原料としてピッチを使用する従来法では、ピッチ
の炭化収率が熱硬化性樹脂に比べて良いとはいうもの
の、ピッチの焼成されたときの構造に起因して得られる
C/Cコンポジットの機械的強度が劣るという問題があ
り、またそのピッチの炭化収率もまだ十分ではなく、緻
密なC/Cコンポジットを得るにはマトリックス原料の含
浸処理を何回も繰り返す必要があってコストがかかり、
経済的でないという問題もある。一方、マトリックス原
料として熱硬化性樹脂を使用する従来法では、熱硬化性
樹脂の焼成されたときの構造に起因して得られるC/Cコ
ンポジットの機械的強度がマトリックス原料としてピッ
チを用いた場合に比べて良いとはいうものの、熱硬化性
樹脂の炭化収率が低く、緻密なC/Cコンポジットを得る
にはマトリックス原料の含浸処理を一層多くの回数繰り
返す必要があって一層コストがかかり、経済的でないと
いう問題があり、またその得られるC/Cコンポジットの
機械的強度もまだ十分ではないという問題もある。ま
た、従来から、これらのマトリックス原料としてピッチ
あるいは熱硬化性樹脂を用いる方法の改善法として、ピ
ッチと熱硬化性樹脂の混合物をマトリックス原料として
使用するC/Cコンポジットの製造法も知られている(例
えば特開昭62−72566号、特開平1−188468号等)。し
かしながら、このピッチと熱硬化性樹脂の混合物をマト
リックス原料として使用するC/Cコンポジットの製造法
でも、ピッチと熱硬化性樹脂のそれぞれの特性が相互に
補完し合ってマトリックス原料の炭化収率が熱硬化性樹
脂を単独で使用した場合よりは向上し、また得られるC/
Cコンポジットの機械的強度がピッチを単独で用いた場
合よりは向上して相応の改善はなされるとはいうもの
の、そのマトリックス原料の炭化収率はピッチを単独で
用いた場合を越えるものではなく、また得られるC/Cコ
ンポジットの機械的強度も熱硬化性樹脂を単独で用いた
場合を越えるものではなく、結局満足できるマトリック
ス原料の炭化収率で経済的に満足できる優れた機械的強
度等の特性を有するC/Cコンポジットは得られない。さ
らには、上記のいずれの従来法でも、炭素質繊維とマト
リックス原料の配合物の成形性が悪く、また該配合物を
成形した成形物の炭素化あるいは黒鉛化のための焼成時
に変形が起こり、好適に成形されたC/Cコンポジットが
得難いという問題もある。
(解決しようとする課題) 本発明の目的は、上記のような従来法の問題点を解決
し、一層優れた機械的強度等の特性を有するC/Cコンポ
ジットを一層高いマトリックス原料の炭化収率で経済的
に、さらには好適に成形された状態で提供することにあ
る。
(課題を解決するための手段) 本発明者らは、上記目的を達成すべく種々研究した結
果、上記のような従来法の問題点の解決にマトリックス
原料の改質が極めて有効であることに想到し、さらに研
究を進めたところ、マトリックス原料をピッチ、熱硬化
性樹脂あるいはそれと必要に応じて加えられたその硬化
剤および/または硬化促進剤からなる熱硬化性樹脂系材
料および芳香族ニトロ化合物の三成分系にすると、マト
リックス原料の炭化収率が顕著に向上し、少ない含浸処
理回数で緻密なC/Cコンポジットが得られると共に、該C
/Cコンポジットの機械的強度が顕著に向上し、従来法で
は達成できなかった優れた特性のC/Cコンポジットが経
済的に得られること、さらにはかかる三成分系のマトリ
ックス原料を用いると、炭素質繊維とマトリックス原料
の配合物の成形性が改善され、また該配合物を成形した
成形物の焼成時の変形が抑制されて好適に成形されたC/
Cコンポジットが得られることを見出して本発明を完成
した。
したがって、本発明の要旨は、第一に、強化繊維原料と
して炭素質繊維を使用し、マトリックス原料としてピッ
チ、熱硬化性樹脂またはそれとその硬化剤および/また
は硬化促進剤からなる熱硬化性樹脂系材料および芳香族
ニトロ化合物の混合物を主成分とするマトリックス原料
を使用することを特徴とする炭素繊維強化炭素複合材料
に存し、第二に、炭素質繊維に、ピッチ、熱硬化性樹脂
またはそれとその硬化剤および/または硬化促進剤から
なる熱硬化性樹脂系材料および芳香族ニトロ化合物の混
合物を主成分とするマトリックス原料を配合してなる配
合物を、常温〜600℃の温度、0.1〜400kg/cm2の圧力で
成形し、得られた成形物を600〜1500℃の温度で炭素化
し、必要に応じて得られた炭素化物を黒鉛化することを
特徴とする炭素繊維強化炭素複合材料の製造方法に存す
る。
本発明で強化繊維原料として用いる炭素質繊維として
は、その製造来歴を問うことなく用い得て、炭素質繊維
であれば例えばピッチ系、PAN系あるいはレーヨン系等
のいずれであっても良く、また炭化品であっても黒鉛化
品であっても良い。また、その形状も問うことなく用い
得て、例えば短繊維、長繊維、織布あるいは不織布等の
いずれであっても良く、またそれが一次元、二次元ある
いは三次元構造のいずれであっても良い。また、これら
の炭素質繊維は、その表面を空気、オゾン、過酸化水素
水、サイジング剤等の処理剤で表面処理したものでも、
表面処理してないものでも差支えない。さらにまた、上
記炭素質繊維の形状の中でも、短繊維に本発明を適用す
れば、従来法の問題点が一層顕著に改善される。すなわ
ち、従来法では、短繊維を用いた場合、緻密で、繊維体
積含有率が高く、機械的強度の高いC/Cコンポジットが
特に得難かったが、本発明に従えば、短繊維を強化繊維
として緻密で、繊維体積含有率が高く、機械的強度の高
いC/Cコンポジットが容易に得られる。
本発明で用いるマトリックス原料の一つの主構成成分で
あるピッチとしては、通常、軟化点が100〜400℃、好ま
しくは200〜350℃で、1000℃までの揮発分が50%以下、
好ましくは35%以下である石灰系ピッチあるいは石油系
ピッチが用いられる。また、このピッチは、光学的等方
性ピッチあるいは光学的異方性ピッチのいずれかであっ
ても良い。
マトリックス原料の他の一つの主構成成分である熱硬化
性樹脂系材料としては、フェノール樹脂、エポキシ樹
脂、フラン樹脂、ポリイミド樹脂、不飽和ポリエステル
樹脂等の種々の熱硬化性樹脂を用いることができる。こ
れらの中でも、フェノール樹脂が、効果が良いこと、取
扱いが容易なこと、安価であること等からして、好まし
く用いられる。また、これらの熱硬化性樹脂には、必要
に応じてその硬化剤および/または硬化促進剤が併用さ
れる。すなわち、この熱硬化性樹脂系材料としては、上
記のような各種の熱硬化性樹脂からなるもの、および必
要に応じてこれら各種の熱硬化性樹脂とその硬化剤およ
び/または硬化促進剤からなるものを用いることができ
る。上記フェノール樹脂としては、平均分子量約200〜4
000程度のレゾール型あるいはノボラック型の初期縮合
物が好ましく、フェノール樹脂には必要に応じてホルム
アルデヒド、パラホルムアルデヒド、ヘキサメチレンテ
トラミン等の一般にフェノール樹脂の硬化剤として用い
られているものを併用することができるが、ノボラック
型の場合はかかる硬化剤を併用することが好ましい。エ
ポキシ樹脂としては、平均分子量約900〜4000程度の初
期縮合物が好ましく、エポキシ樹脂には必要に応じてジ
アミノジフェニルスルフォン、p−フェニレンジアミ
ン、無水フタル酸等の一般にエポキシ樹脂の硬化剤とし
て用いられているものを併用することができる。フラン
樹脂としては、平均分子量約500〜1000程度の初期縮合
物が好ましく、フラン樹脂には必要に応じて一般にフラ
ン樹脂の硬化促進剤として用いられている酸触媒を併用
することができる。ポリイミド樹脂としては、平均分子
量約2000〜3000程度の初期縮合物が好ましく、ポリイミ
ド樹脂には通常硬化剤等の併用は不要である。不飽和ポ
リエステル樹脂としては、平均分子量約1000〜3000程度
の初期縮合物が好ましく、不飽和ポリエステル樹脂には
必要に応じてスチレンなどのビニル型単量体等の一般に
不飽和ポリエステル樹脂の硬化剤として用いられている
ものを併用することができる。また、硬化剤および/ま
たは硬化促進剤を併用する場合、その使用量は一般に上
記各種の熱硬化性樹脂の硬化に用いられる程度の量を目
安に必要に応じて任意に決定すれば良い。通常、熱硬化
性樹脂100重量部に対して5〜30重量部程度が適当であ
る。
マトリックス原料のさらに他の一つの主構成成分である
芳香族ニトロ化合物としては、ニトロベンゼン、ニトロ
アニリン、ジニトロベンゼン、ニトロナフタレン、ジニ
トロナフタレン、ジニトロアントラセン、トリニトロベ
ンゼン、トリニトロフェノール等の一つあるいは複数の
ニトロ基を有する単環あるいは縮合環の芳香族ニトロ化
合物が用いられる。これらの中でも、ジニトロベンゼン
あるいはジニトロナフタレンが、効果が良いこと、取扱
いが容易なこと、安価であること等からして、好ましく
用いられる。本発明では、マトリックス原料として上記
のようなピッチおよび熱硬化性樹脂系材料を併用するこ
とと、それにさらにかかる芳香族ニトロ化合物を加える
ことの相乗効果として、従来法によるよりも優れた機械
的強度のC/Cコンポジットが得られ、かつそれがマトリ
ックス原料の炭化収率良く経済的に、また好適に成形さ
れた状態で容易に得られる。
本発明で用いるマトリックス原料には、上記のようなピ
ッチ、熱硬化性樹脂系材料および芳香族ニトロ化合物
が、通常次のような割合で用いられる。すなわち、ピッ
チが10〜90重量部、好ましくは30〜65重量部の範囲、熱
硬化性樹脂系材料が10〜90重量部、好ましくは15〜45重
量部の範囲、芳香族ニトロ化合物が1〜45重量部、好ま
しくは15〜35重量部の範囲で、その合計が100重量部と
なる割合で用いられる。ピッチの使用割合が10重量部未
満の場合あるいは熱硬化性樹脂系材料の使用割合が90重
量部を越える場合はマトリックス相の緻密性が悪くな
り、一方ピッチの使用割合が90重量部を越える場合ある
いは熱硬化性樹脂系材料の使用割合が10重量部未満の場
合はマトリックス相の炭素繊維への接着力が低下し、い
ずれの場合もC/Cコンポジットの強度が低下する。ま
た、芳香族ニトロ化合物の使用割合が1重量部未満の場
合はその添加効果が期待できず、一方それが45重量部を
越える場合はマトリックス相の緻密性が悪くなり、いず
れの場合も高強度のC/Cコンポジットが得られない。
また、本発明のC/Cコンポジットには、上記のような炭
素質繊維と上記のようなマトリックス原料とが、通常炭
素質繊維が5〜90重量部、好ましくは20〜60重量部の範
囲、マトリックス原料が10〜95重量部、好ましくは40〜
80重量部の範囲で、その合計が100重量部となる割合で
用いられる。炭素質繊維の使用割合が5重量部未満で、
マトリックス原料の使用割合が95重量部を越える場合
は、炭素繊維の補強効果が不十分となり、C/Cコンポジ
ットの強度が低下し、一方炭素質繊維の使用割合が90重
量部を越え、マトリックス原料の使用割合が10重量部未
満の場合は、マトリックス相の量が少なすぎて、その十
分な機能が期待できず、やはりC/Cコンポジットの強度
が低下する。
また、本発明の実施に当たっては、必要に応じてカーボ
ンブラック、コークス粉、グラファイト粉等の炭素質粉
末をマトリックス原料に添加することもできる。この場
合、炭素質粉末の添加量は、マトリックス原料の主構成
成分であるピッチ、熱硬化性樹脂系材料および芳香族ニ
トロ化合物の合計量の40重量%までとするのが適当であ
る。
以下本発明のC/Cコンポジットの製造方法について説明
する。本発明のC/Cコンポジットを製造するに当たって
は、炭素質繊維と、ピッチ、熱硬化性樹脂系材料および
芳香族ニトロ化合物を主構成成分とするマトリックス原
料とは、通常上記のような配合割合で、配合され、配合
物とされる。これらの配合方法は、任意であって、湿式
法あるいは乾式法等従来から知られた配合方法を広く採
用し得るが、炭素質繊維が長繊維、織布あるいは不織布
等の構造物である場合は、マトリックス原料を加熱溶融
または溶媒で希釈して該構造物に含浸させる湿式法が好
ましい。この場合のマトリックス原料の希釈溶媒として
は、アルコール、アセトンあるいはテトラヒドロフラン
等の揮発性溶媒が適当である。また、炭素質繊維が長繊
維のフィラメントである場合は、該フィラメントを加熱
溶融したマトリックス原料中を通過せしめてプリプレグ
ヤーンとなしても良い。また、炭素質繊維が短繊維の場
合は、マトリックス原料を加熱溶融または溶媒で希釈し
て該短繊維と混練する湿式法と共に、マトリックス原料
をボールミル、ヘンジェルミキサー等の粉砕混合機で微
粉末として該短繊維と混合する、あるいはマトリックス
原料を一旦溶融混合して一体物とし、それを冷却後粉砕
混合機で微粉末として該短繊維と混合する乾式法も好ま
しく採用できる。
この炭素質繊維とマトリックス原料の配合物を、まず成
形する。この成形方法は任意であって、従来から知られ
た成形方法等を広く採用し得る。例えば、モールド成型
法を採用する場合は、該配合物を金型に入れ、通常窒
素、アルゴン等の非酸化性ガス雰囲気下、常温〜600℃
の温度、0.1〜400kg/cm2の圧力で成形する。低い成形温
度を採用する場合には、空気雰囲気下で成形することも
可能である。本発明では、当該配合物の成形性が良く、
損傷や凹凸のない円滑な表面の成形物が得られる。
次いで、得られた成形物を炭素化する。この炭素化は、
通常、窒素、アルゴン等の非酸化性ガス雰囲気中で、常
圧あるいは加圧下に、5℃/min以下、好ましくは2℃/m
in以下の昇温速度で昇温し、600〜1500℃、好ましくは6
00〜1000℃の温度で行われる。この炭素化を加圧下に行
えば、常圧下に行うより緻密な炭素化物が得られる。本
発明では、芳香族ニトロ化合物の添加効果によって、従
来法によるよりも、比較的低温で炭素質繊維とマトリッ
クス原料の配合物の成形を行うことができ、また成形物
の炭素化に際し昇温速度を早くすることができ、したが
ってC/Cコンポジット製造のエネルギーコストを低減す
ることができ、またその製造に要する時間を短縮するこ
とができる。すなわち、例えば短繊維を高い繊維体積含
有率で強化繊維として含有するC/Cコンポジットを製造
する場合、配合物の成形に当たり、従来は300〜500℃程
度の成形温度を要したが、本発明に従えば200〜300℃程
度の成形温度で成形することもできる。また、成形物の
炭素化に当たり、従来は昇温速度が早いと炭素化物が膨
張してポーラスなものとなるため昇温速度を10℃/hr
(0.167℃/min)程度にする要があったが、本発明に従
えば1〜5℃/minの昇温速度でも炭素化物の膨張は抑制
されて緻密な炭素化物を得ることができる。また、本発
明では、この成形物の炭素化に当たり、炭素化物の変形
が抑制される。
上記のように成形物を炭素化して得られる炭素化物は、
従来法により成形物を炭素化して得られる炭素化物に比
べて、かなり緻密で機械的強度のあるものであるが、そ
の緻密性を一層増して機械的強度を一層高めるために、
必要に応じて、該炭素化物にピッチ、あるいはピッチお
よび熱硬化性樹脂あるいはそれと必要に応じて加えられ
たその硬化剤および/または硬化促進剤からなる熱硬化
性樹脂系材料の混合物、あるいはピッチ、熱硬化性樹脂
あるいはそれと必要に応じて加えられたその硬化剤およ
び/または硬化促進剤からなる熱硬化性樹脂系材料およ
び芳香族ニトロ化合物の混合物等の含浸材を含浸させ、
得られた含浸処理物を600〜1500℃、好ましくは600〜10
00℃の温度で炭素化する。この含浸と炭素化の一連の操
作は、必要に応じて、複数回繰り返して行っても良い。
また、上記含浸材のピッチ、ピッチおよび熱硬化性樹脂
系材料の混合物、あるいはピッチ、熱硬化性樹脂系材料
および芳香族ニトロ化合物の混合物の各構成成分として
は、上記マトリックス原料の構成成分と同様のものが好
ましく用いられ、また混合物における各構成成分の割合
も上記マトリックス原料における割合と同程度の割合が
適当である。本発明では、一般に炭素化物がポーラスと
なり易い強化繊維として短繊維を用いた場合であって
も、この含浸と炭素化の一連の操作を1〜2回行うだけ
で十分緻密な炭素化物が得られ、同等の緻密度の炭素化
物を得るに従来法によるよりこの含浸と炭素化の一連の
操作を行う回数を低減できる。
本発明の実施に当たって、上記の成形物を炭素化して得
られる炭素化物あるいはそれに含浸と炭素化の一連の操
作を少なくとも1回行って得られる炭素化物を目的のC/
Cコンポジットとすることもできるが、必要に応じてこ
れらの炭素化物をさらに1800〜3000℃、好ましくは2000
〜2700℃で焼成して黒鉛化し、一層高強度の黒鉛化C/C
コンポジットとする。
(発明の効果) 本発明によれば、従来のマトリックス原料としてピッ
チ、熱硬化性樹脂あるいはこれらの混合物を用いるC/C
コンポジットの製造方法によるよりも緻密で機械的強度
の優れたC/Cコンポジットが提供され、しかもそれが従
来法によるよりも成形物の炭素化に要する時間を短縮
し、かつ含浸処理回数を減少して、短時間で経済的に、
かつ好適に成形された状態で容易に提供される。さらに
述べれば、たとえ従来法により含浸処理を多数回行って
緻密度が本発明によるものと同程度のC/Cコンポジット
を得たとしても、この緻密度が同程度の従来法によるC/
Cコンポジットより本発明によるC/Cコンポジットの方が
機械的強度が優れている。
(実施例) 以下に、本発明の実施例を説明する。
実施例1、2、3 PAN系炭素繊維(繊維長6mm、繊維径7μ、引張強度360k
gf/mm2、引張弾性率24tonf/mm2)と石炭系等方性ピッチ
粉末(軟化点260℃、1000℃までの揮発分28%)とノボ
ラック型フェノール樹脂(日本火薬社製、平均分子量53
0)粉末とヘキサメチレンテトラミン粉末(関東化学社
製)及び、ジニトロナフタレン(日本カーリット社製)
を第1表に示す割合でヘンシェルミキサーにて混合しC/
Cコンポジット成形原料とした。
上記成形原料を金型に入れホットプレス成形を行った。
ホットプレス成形条件は、窒素ガス流通雰囲気下、3℃
/minの昇温速度で昇温し、130℃で圧力300kgf/cm2をか
け、そのままの圧力で500℃まで昇温し、3時間保持し
た。金型を放冷後、金型から成形体を脱型し80×10×4m
mの成形体を得た。得られた成形体表面は、樹脂の様相
を示し成形性はきわめて良好であった。この成形体を窒
素ガス流通雰囲気下、コークス粉中、1℃/minの昇温速
度で1000℃まで昇温し炭素化してC/Cコンポジット中間
品を得た。この中間品には膨れ及び層間クラックのいず
れも観察されなかった。得られたC/Cコンポジット中間
品の物性値を第2表に示す。
次にC/Cコンポジット中間品に石炭系等方性ピッチ(成
形時に使用したものと同一物)を含浸し前記炭素化と同
条件で炭素化する工程を2回繰り返し行った後、窒素ガ
ス流通雰囲気下、1000℃まで40℃/min、2000℃まで10℃
/min、2400℃まで50℃/minの昇温速度で昇温し、2400℃
で0.5時間保持しC/Cコンポジットを黒鉛化処理した。黒
鉛化処理後のC/Cコンポジットに変形は全く観察されな
かった。得られたC/Cコンポジット完成品の物性値を第
3表に示す。
比較例1、2 マトリックス原料中にジニトロナフタレンを含まず、第
1表に示した配合割合でマトリックス原料を調製し、実
施例1と同方法でC/Cコンポジットを作製した。中間
品、完成品の物性値をそれぞれ第2、3表に示す。尚、
比較例1ではピッチ含浸による緻密化工程を3回、比較
例2では同処理を2回繰り返した。また、この場合、成
形後の脱型時に成形体表面の剥がれ、及び炭素化時に体
積膨張、黒鉛化処理後に変形が観察された。
比較例3、4 成形時のマトリックス原料に、ノボラック型フェノール
樹脂と硬化剤のヘキサメチレンテトラミンを用い、第1
表に示した配合割合で成形原料を調製し最終成形温度を
200℃とした以外は実施例1と同方法でC/Cコンポジット
を作成した。中間品、完成品の物性値を第2、第3表に
示す。尚、この場合、炭素化時に成形体の体積膨張が観
察された。比較例3ではピッチ含浸による緻密化工程を
4回、比較例4では同処理を2回繰り返した。
実施例4 ノボラック型フェノール樹脂の変わりにポリイミド樹脂
(ケルイミド(日本ポリイミド社製):平均分子量200
0)を第1表に示した割合で混合する事以外は実施例1
と同方法でC/Cコンポジットを作製した。中間品、完成
品の物性値をそれぞれ第2、3表に示す。これらも実施
例1と同様に成形性がきわめて良く、焼成時の変形及び
膨れも全く観察されなかった。
比較例5 実施例4において、マトリックス原料中にジニトロナフ
タレンを含まず、第1表に示した配合割合で成形原料を
調製し、実施例1と同方法でC/Cコンポジットを作製し
た。中間品、完成品の物性値を第2、3表に示す。ま
た、この場合、成形後の脱型時に成形体表面の剥がれ、
及び炭素化時に体積膨張、黒鉛化処理後に変形が観察さ
れた。
実施例5 マトリックス混合樹脂にエポキシ樹脂(エピコート:平
均分子量900)を、その硬化剤にジアミノジフェニルス
ルフォン(DDS)を、第1表に示した割合で混合する事
以外は実施例1と同方法でC/Cコンポジットを作製し
た。中間品、完成品の物性値をそれぞれ第2、3表に示
す。これらも実施例1と同様に成形性がきわめて良く、
焼成時の変形及び膨れも全く観察されなかった。
比較例6 実施例5において、マトリックス原料中にジニトロナフ
タレンを含まず、第1表に示した配合割合で成形原料を
調製し、実施例1と同方法でC/Cコンポジットの作製を
試みた。この場合、成形体の作製は不可能であった。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】強化繊維原料として炭素質繊維を使用し、
    マトリックス原料としてピッチ、熱硬化性樹脂またはそ
    れとその硬化剤および/または硬化促進剤からなる熱硬
    化性樹脂系材料および芳香族ニトロ化合物の混合物を主
    成分とするマトリックス原料を使用することを特徴とす
    る炭素繊維強化炭素複合材料。
  2. 【請求項2】マトリックス原料におけるピッチと熱硬化
    性樹脂系材料と芳香族ニトロ化合物の使用割合が、ピッ
    チが10〜90重量部の範囲、熱硬化性樹脂系材料が10〜90
    重量部の範囲、芳香族ニトロ化合物が1〜45重量部の範
    囲で、その合計が100重量部となる割合であり、強化繊
    維原料の炭素質繊維とマトリックス原料の使用割合が、
    炭素質繊維が5〜90重量部の範囲、マトリックス原料が
    10〜95重量部の範囲で、その合計が100重量部となる割
    合である請求項1記載の炭素繊維強化炭素複合材料。
  3. 【請求項3】炭素質繊維に、ピッチ、熱硬化性樹脂また
    はそれとその硬化剤および/または硬化促進剤からなる
    熱硬化性樹脂系材料および芳香族ニトロ化合物の混合物
    を主成分とするマトリックス原料を配合してなる配合物
    を、常温〜600℃の温度、0.1〜400kg/cm2の圧力で成形
    し、得られた成形物を600〜1500℃の温度で炭素化し、
    必要に応じて得られた炭素化物を黒鉛化することを特徴
    とする炭素繊維強化炭素複合材料の製造方法。
  4. 【請求項4】成形物を炭素化して得られた炭素化物に、
    ピッチ、ピッチおよび熱硬化性樹脂またはそれとその硬
    化剤および/または硬化促進剤からなる熱硬化性樹脂系
    材料の混合物、およびピッチ、熱硬化性樹脂またはそれ
    とその硬化剤および/または硬化促進剤からなる熱硬化
    性樹脂系材料および芳香族ニトロ化合物の混合物から選
    択された含浸材を含浸させ、得られた含浸処理物を600
    〜1500℃の温度で炭素化する一連の操作を少なくとも1
    回行い、しかる後必要に応じて炭素化物を黒鉛化する請
    求項3記載の炭素繊維強化炭素複合材料の製造方法。
  5. 【請求項5】炭素質繊維にマトリックス原料を配合して
    なる配合物において、マトリックス原料におけるピッチ
    と熱硬化性樹脂系材料と芳香族ニトロ化合物の使用割合
    が、ピッチが10〜90重量部の範囲、熱硬化性樹脂系材料
    が10〜90重量部の範囲、芳香族ニトロ化合物が1〜45重
    量部の範囲で、その合計が100重量部となる割合であ
    り、炭素質繊維とマトリックス原料の使用割合が、炭素
    質繊維が5〜90重量部の範囲、マトリックス原料が10〜
    95重量部の範囲で、その合計が100重量部となる割合で
    ある請求項3または4記載の炭素繊維強化炭素複合材料
    の製造方法。
JP2272834A 1990-10-11 1990-10-11 炭素繊維強化炭素複合材料およびその製造方法 Expired - Lifetime JPH07106951B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2272834A JPH07106951B2 (ja) 1990-10-11 1990-10-11 炭素繊維強化炭素複合材料およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2272834A JPH07106951B2 (ja) 1990-10-11 1990-10-11 炭素繊維強化炭素複合材料およびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH04149069A JPH04149069A (ja) 1992-05-22
JPH07106951B2 true JPH07106951B2 (ja) 1995-11-15

Family

ID=17519424

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2272834A Expired - Lifetime JPH07106951B2 (ja) 1990-10-11 1990-10-11 炭素繊維強化炭素複合材料およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07106951B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH04149069A (ja) 1992-05-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPS6118951B2 (ja)
JP3943123B2 (ja) 半導体用ヒートシンクに好適な炭素繊維強化炭素複合材料の製造方法
US4101354A (en) Coating for fibrous carbon material in boron containing composites
JP2735151B2 (ja) 繊維強化炭化ケイ素複合セラミックス成形体の製造方法
JPH03150266A (ja) 炭素/炭素複合材料の製造方法
JP2519042B2 (ja) 炭素炭素複合材の製造方法
JPH07106951B2 (ja) 炭素繊維強化炭素複合材料およびその製造方法
JPH04321559A (ja) 炭素材料用組成物および炭素複合材料とその製法
JPH07106952B2 (ja) 炭素繊維強化炭素複合材料及びその製造方法
KR940010099B1 (ko) 콜타르-페놀수지 혼합물을 이용한 탄소/탄소 복합재료 제조방법
US4164601A (en) Coating for fibrous carbon material in boron containing composites
JP2020070197A (ja) 炭素複合材料の製造方法、組成物、放熱用部品、導電性部品、及び移動体部品
JPH04284363A (ja) 炭素板の製造方法
JPH01145375A (ja) 炭素繊維強化炭素複合材の製造方法
JPH0717449B2 (ja) 不浸透性炭素材料の製造方法
US6291537B1 (en) Encapsulation of oxidants for pitch stabilization
JP2635634B2 (ja) 炭素繊維強化炭素材料の製造方法
JPH0532457A (ja) 炭素繊維強化炭素複合材料及びその製造方法
JP3031626B2 (ja) 粘結剤,含浸剤及びこれらの製造方法
JPH0551257A (ja) 炭素繊維強化炭素材料の製造法
KR0143615B1 (ko) 고열전도도 탄소/탄소 복합재료의 제조방법
JP3129424B2 (ja) リブ付き高強度炭素繊維強化炭素複合材料構造体およびその製造方法
JP3004777B2 (ja) 炭素繊維強化炭素複合材料用前駆成形体の製造方法
JP2762461B2 (ja) 炭素繊維強化炭素複合材の製造方法
JPH04160059A (ja) 炭素繊維強化炭素複合材料の製造法