JPH0551257A - 炭素繊維強化炭素材料の製造法 - Google Patents

炭素繊維強化炭素材料の製造法

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JPH0551257A
JPH0551257A JP3234166A JP23416691A JPH0551257A JP H0551257 A JPH0551257 A JP H0551257A JP 3234166 A JP3234166 A JP 3234166A JP 23416691 A JP23416691 A JP 23416691A JP H0551257 A JPH0551257 A JP H0551257A
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carbon
resin
carbon fiber
pitch
powder
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JP3234166A
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Inventor
Akio Shindo
昭男 進藤
Jun Takayasu
潤 高安
Masahiko Ikegami
正彦 池上
Eiki Tsushima
栄樹 津島
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Tonen General Sekiyu KK
Original Assignee
Tonen Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 低揮発性ピッチ又は同ピッチ含有炭素粉末
を,高炭化率熱硬化性樹脂を溶解した溶媒中に分散さ
せ、該分散液を炭素繊維に含浸、乾燥させて母材先駆材
含有炭素繊維を製造する工程と、該炭素繊維を樹脂の硬
化が進行する温度で加圧成形する工程と、得られた成形
物を焼成する工程とを含む。 【効果】 成形及び焼成が容易である上に炭化収率が高
く、含浸−焼成工程を繰り返さなくても、高品質の炭素
−炭素複合材を得ることができる。また、そのため従来
法に比して製造所要時間も非常に短くてすむ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は炭素繊維強化炭素材料
(炭素−炭素複合材)の製造方法に関し、詳しくは、熱
硬化性樹脂を溶媒に溶解した溶液に、低揮発性ピッチ粉
末、あるいは低揮発性ピッチ粉末を含む炭素粉末を分散
させ、該分散液を炭素繊維に含浸し、得られた母材先駆
材含有炭素繊維を成形、焼成して炭素−炭素複合材を製
造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】炭素−炭素複合材は耐熱性、耐熱衝撃性
に優れた軽量材であって、航空宇宙飛翔体、核融合炉等
の耐熱摺動材、高温断熱材等に極めて有用なものであ
る。このような炭素−炭素複合材は、従来炭素繊維にフ
ェノール樹脂、フラン樹脂等の熱硬化性樹脂あるいはピ
ッチを単味で含浸させた成形体を炭化し、黒鉛化処理し
て焼成し、更に含浸と焼成を数回繰り返す母材先駆材含
浸法か、又は炭素繊維集合体の繊維間空隙に炭化水素を
用いる化学蒸着法によって炭素を充填する方法により製
造するのが一般である。しかし、上記含浸法は極めて長
時間を要するので、この点を改良するために炭化収率が
通常のピッチより高い炭素粉末を母材先駆材の主材に使
用する方法の開発が要望されていた。
【0003】このような炭素粉末のなかで、特に生コー
クス粉末には自己焼結性を示すものがあり、これを単味
で加圧成形し、次いで焼成することによって、炭素材料
の成形体の得られることが、以前から知られていた。従
って、このような生コークス粉末を母材先駆材として使
用するときは、ピッチ等の結合材を別に加えることなく
炭素−炭素複合材が製造し得ることは、容易に予想し得
るところである。事実、生コークス粉末を母材先駆材と
する方法が、特開昭61−21973号公報に開示され
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、生コー
クスを母材先駆材として使用する方法は、炭素繊維に生
コークス粉末を含有させるに当たって、フェノール樹脂
を付着させた生コークス粉末を水中に懸濁させ、イオン
化電着法によって炭素繊維に付着させる手法をとるもの
であって、炭素繊維の束に電圧を負荷させる等煩雑な操
作を必要とするという欠点がある。
【0005】そこで、本発明者らは、先にこれに代わる
方法として、熱硬化性樹脂を溶解した溶媒に生コークス
粉末を主とする炭素粉末を分散させた分散液を炭素繊維
に含浸させる方法を提案した(特願平2−44029
号)。しかしながら、この方法では、生コークスの自己
焼結性を成形に利用するため、450〜600℃近辺の
温度において、加圧下に加熱する工程を採用する必要が
ある。このため、この工程で生コークス粉末同士の焼結
が進行する反面、既に硬化している樹脂による炭素粉末
間、炭素繊維−炭素粉末間の結合が破壊して、成形体の
組織が脆弱化しがちとなり、充分に高い品質の炭素−炭
素複合材の得られにくい場合のあることが分かった。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
上記の問題点を解決するために更に検討を重ねた結果、
熱硬化性樹脂のなかでは炭化収率が高く、結合性良好な
フェノール樹脂、フラン樹脂又はそれらの混合物を主と
して結合材として使用し、更に、炭素粉末のなかでは結
合性、焼結性があり、且つ炭化収率が高い低揮発性ピッ
チ又は該ピッチを含有する炭素粉末を母材先駆材の主材
として使用し、しかも樹脂の硬化性を利用して成形する
ことによって、上記問題点が解決されることを見出し、
本発明を完成するに至った。
【0007】即ち、本発明によれば、フェノール樹脂、
フラン樹脂及びそれらの混合物から選ばれた熱硬化性樹
脂の5〜50重量部を有機溶媒に溶解し、同時に、低揮
発性ピッチを30重量%以上含有する炭素粉末を95〜
50重量部分散させている分散液を、熱処理温度500
℃以上の炭素繊維に含浸させ、次いで前記溶媒を揮発さ
せて母材先駆材含有炭素繊維を製造する工程と、得られ
た母材先駆材含有炭素繊維を樹脂の硬化進行温度領域に
おいて加熱加圧下に成形する工程と、得られた成形物を
焼成する工程とを含むことを特徴とする炭素繊維強化炭
素材料の製造法が提供される。
【0008】本発明においては、フェノール樹脂、フラ
ン樹脂又はそれらの混合物を主結合材として使用し、且
つ低揮発性ピッチ又は該ピッチを含有する炭素粉末を母
材先駆材の主材として使用する。低揮発性ピッチは炭化
収率が高く、且つなお炭化が進行する余地を残している
ため、炭化過程において樹脂から生成する樹脂炭、ある
いは他種炭素粉末との結合性、焼結性が良好であり、高
品質の炭素−炭素複合材料を与える母材炭素の生成に適
している。従って、高い炭化収率を有するフェノール樹
脂、フラン樹脂又はそれらの混合物を溶解した溶媒中
に、低揮発性ピッチ又は該ピッチを含有する炭素粉末を
分散させ、得られた分散液を炭素繊維集合体に含浸、付
着させ、次いで乾燥し、得られた乾燥含浸炭素繊維を樹
脂の硬化が進行する温度で加圧して成形し、次いで成形
体を焼成することによって、加圧下の焼成工程を採らず
とも高品質の炭素−炭素複合材が得られる。
【0009】以下、本発明について詳述する。本発明で
使用される炭素繊維は、PAN系、メソフェーズピッチ
系、等方性ピッチ系その他一般に炭素繊維と呼ばれるも
の全てが適用される。但し、熱処理温度あるいは生成温
度は500℃以上のものである。それより低い熱処理温
度のものは脆弱なものがあり、また焼成の際の分解ガス
の発生量が多い等、強化材として適当でない。単繊維径
は一般に5〜15μmであるが、これより細いものある
いは太いものも使用し得る。形状は各種のものがある。
例えば1000〜30000本あるいはそれ以下、又は
それ以上の単繊維の束である。これには糸あるいはトウ
と呼ばれるものが含まれる。また、ステープル状炭素繊
維と短繊維の集合体も含まれる。短繊維には10mm以
下のものも含まれる。更に、織布状のものも含まれる。
炭素繊維には、樹脂強化用にサイズ材が付与されている
ものが多いが、これは使用前に除去することが望まし
い。また、表面処理あるいは被覆処理を施したもの、施
してないものが、ともに使用できる。
【0010】本発明に使用される炭素粉末は、揮発分の
少ない低揮発性ピッチを30重量%以上含有するもので
ある。30重量%未満では、生成する母材炭素における
結合性、焼結性が低く、母材炭素の緻密性が低下し、炭
素−炭素複合材料の品質が低下することとなる。このよ
うな点から、低揮発性ピッチは炭素粉末の中で50重量
%以上含有することがより好ましく、80重量%以上は
更に好ましい。
【0011】低揮発性ピッチには、重質油あるいはピッ
チを例えば450〜550℃に熱処理したもので、石油
系、石炭系、化合物系がある。揮発分は5〜20%であ
る。揮発分が5%未満では炭化過程における樹脂炭ある
いは他の炭素粉末との結合性、焼結性が低く、20%超
過では、炭化収率が低くなり、ともに炭素−炭素複合材
料の品質が低下する。以上の性質から揮発分は7〜15
%がより好ましい。低揮発性ピッチには、一般に生コー
クスと呼ばれる自己焼結性を示すものが含まれる。これ
には、例えば石油系重質油をディレードコーキング法に
よって500℃前後の温度に加熱して製造される揮発分
10%前後のものがある。ここで、揮発分とは、毎分2
0℃で100℃から1000℃まで、大気圧不活性雰囲
気中で昇温した際の重量減少率を意味する。
【0012】低揮発性ピッチとともに使用される炭素粉
末には、例えばコークス、黒鉛、及び低揮発性ピッチや
か焼コークスを、それらの生成温度より高い温度に熱処
理したものがある。黒鉛としては、灰分を除去した天然
黒鉛も使用することができるが、コークスを例えば25
00〜3000℃の温度に加熱して得られる人造黒鉛粉
末が好ましい。炭素粉末のサイズは平均粒径30μm以
下が好ましく、0.5〜10μmがより好ましい。
【0013】本発明においては、前記したように、炭化
収率の高い熱硬化性樹脂として、フェノール樹脂、フラ
ン樹脂又はそれらの混合物が使用される。フェノール樹
脂としては、アルカリ存在下にフェノール類とアルデヒ
ド類との反応によって得られるレゾールタイプと、酸性
触媒によって、フェノール類とアルデヒド類から得られ
るノボラックタイプがある。ともに常温固体状の樹脂が
より好ましい。しかし、レゾールタイプでは、粘度の高
いものを用いることもできる。ノボラックタイプでは、
硬化剤、例えばヘキサメチレンジアミンを含有した自己
硬化性タイプのものが好ましい。フェノール類として
は、例えばフェノール、レゾルシン、クレゾール、キシ
ロール等が用いられ、またアルデヒド類としては、例え
ばホルマリン、パラホルムアルデヒド、フルフラール等
が用いられ得る。勿論、それらの混合物を使用すること
もできる。また、レゾールタイプとノボラックタイプを
混合して用いることもできる。フェノール樹脂としては
市販品を利用することもできる。
【0014】フラン樹脂としては、フラン樹脂初期縮合
物を用いることができる。この初期縮合物には、フルフ
リルアルコール縮合物、あるいはフルフリルアルコール
/フルフラール共縮合物が含まれる。この場合、フルフ
リルアルコールあるいはフルフリルアルコール/フルフ
ラール混合物に酸性触媒を添加し、加熱して適度の粘度
に到達したときに冷却したものを使用することができ
る。また、この初期縮合物から酸を中和する等の方法に
よって、常温あるいは80℃以下における触媒活性を消
去させて使用することもできる。ここで初期縮合物と
は、常温で流動性を示す樹脂であることを意味する。ま
た、フェノール樹脂初期反応生成物とフラン樹脂初期縮
合物とを混合したフェノール/フラン樹脂を使用するこ
ともできる。
【0015】上記熱硬化性樹脂を被覆した低揮発性ピッ
チ粉末、あるいは低揮発性ピッチ粉末を含む炭素粉末
を、母材先駆材として含有する炭素繊維を製造するに当
たっては、まず上記熱硬化性樹脂を有機溶媒に溶解させ
る。混合樹脂の場合は、フェノール樹脂とフラン樹脂と
を同時に溶媒に加えてもよい。溶媒は120〜270℃
の高沸点溶媒が好ましく、130〜250℃の沸点のも
のはより好ましい。これは、連続含浸に際して分散液の
濃度が変化しにくい、あるいは成形に先立ってなされる
溶媒の乾燥に、加熱あるいは減圧加熱、真空加熱等の手
法が採用しやすい等の利点のためである。高沸点溶媒と
しては、例えば活性アミルアルコール、イソアミルアル
コール、アセトール、ヘキサノール(2)、フルフラー
ル、フルフリルアルコール、2−アミノエタノール、ベ
ンズアルデヒド、ベンジルアルコール等がある。なお、
樹脂が酸性触媒を含有するときは、フルフラール及びフ
ルフリルアルコールが縮合反応を起こすまでに、含浸、
乾燥させることが望ましい。
【0016】樹脂を溶解した溶液に、低揮発性ピッチ粉
末、あるいは低揮発性ピッチ粉末と他の炭素粉末を所定
量添加し、分散させる。溶媒、樹脂、炭素粉末の添加、
混入の手順は問うものではない。この際、攪拌、振とう
あるいは超音波分散法を適用するこができる。溶剤に対
する熱硬化性樹脂の濃度及び炭素粉末の濃度は、分散液
が炭素繊維に含浸、付着させ得る範囲で選ばれる。これ
らは熱硬化性樹脂と炭素粉末との混合割合、炭素粉末の
平均粒子径、粒度分布、炭素繊維の形状等によって変動
するので詳細には規定し難いが、炭素繊維が束状の場
合、例えば溶媒50〜150重量部に対して、熱硬化性
樹脂2.5〜35重量部、炭素粉末47.5〜15重量
部である。
【0017】分散液を炭素繊維に含浸、付着させるに
は、炭素繊維の集合物を分散液に浸漬し、引き上げる方
法が便利である。本発明において用いられる溶媒は炭素
繊維をよく濡らすので、炭素繊維集合物が束状の場合、
分散液中における開繊が良好である。浸漬中に超音波を
負荷することもできる。更に連続繊維束を連続的に含
浸、引き上げを行なう場合は、ローラによって開繊を助
長させることもできる。
【0018】分散液を含浸させ、あるいは付与した炭素
繊維の束は、幅と間隔を調節したスリットあるいは直径
を調節したノズルを通過させることによって、含浸量を
調節することができる。炭素短繊維を分散液に投入し、
含浸させて引き上げることもできる。また、織布その他
の形状の炭素繊維集合物を真空中あるいは減圧下で分散
液に浸漬し、大気圧下で、引き上げることもできる。
【0019】溶媒の乾燥は、熱硬化性樹脂の硬化進行温
度以下、好ましくはフェノール樹脂の場合80〜95℃
の間の温度、フラン樹脂の場合60〜80℃の間の温度
で加熱あるいは減圧加熱する工程を含むことが、内部の
溶媒を乾燥させる上で好ましい。これに先立って、より
低い温度で予備的に乾燥すること もできる。乾燥した
母材先駆材含有炭素繊維における母材先駆材含有率は、
炭素繊維の形状と最終製品である複合材に要求される特
性が多様なため詳細には規定し得ないが、例えば炭素繊
維100重量部に対して10〜350重量部である。母
材の割合をある程度まで低くするほど、炭素−炭素複合
材の強度等は概して高くなる。
【0020】また、炭素繊維に含有された母材先駆材に
おける低揮発性ピッチ含有炭素粉末と、乾燥あるいは固
化した樹脂との割合は、95〜50重量部と5〜50重
量部、即ち母材先駆材は炭素粉末95〜50重量%と樹
脂5〜50重量%とからなることが好ましく、90〜5
0重量%と10〜40重量%とからなることがより好ま
しい。これは得られる複合材の物性がより安定するため
である。熱硬化性樹脂が5重量部未満では、結合材とし
て不充分となる。逆に、50重量部超過では、母材先駆
材全体の炭化収率が低下し、複合材の物性が低下して望
ましくない。
【0021】得られた母材先駆材含有炭素繊維は、長繊
維あるいは織布の場合、繊維軸に対して一方向にあるい
は所定の角度で積層し、熱硬化性樹脂の硬化が始まる温
度から300℃前後までの温度で加圧成形することがで
きる。また、母材先駆材含有炭素繊維の一方向強化プリ
プレグのストランド、テープ、シート等を、繊維軸方向
に、例えば10,6,あるいは3mm前後の長さに切断
し、これを集積し、加圧成形して、三次元強化炭素−炭
素複合材のための、焼成前成形体とすることができる。
これは、母材先駆材が炭素短繊維間に均一に分散してい
るため、高品質の三次元強化炭素−炭素複合材が簡便な
工程で製造できる大きい利点がある。なお、プリプレグ
が任意の割合で溶媒を含んでいる状態で切断し、切断後
成形に先立って充分に乾燥させる手法を採用することも
できる。
【0022】成形したものは焼成して炭化され、更に必
要に応じ黒鉛化処理される。成形温度はフェノール樹脂
使用の場合、120〜200℃の間で選択することが望
ましい。フラン樹脂使用の場合は、80〜160℃の間
が好ましい。それらの混合物の場合は、80〜200℃
の間の温度である。但し、これらの範囲に限定されるも
のではない。加熱時間は一般に10分間〜5時間であ
る。それ以上も許される。上記温度領域で、連続的ある
いは段階的に昇温させるこそが望ましい。加圧は1〜5
00kgf/cm2が好ましく、2〜300kgf/c
m2がより好ましい。加圧は面圧によって、あるいは等
方静圧によって、加えることができる。成形の際、減圧
気中あるいは真空中で加熱加圧することができる。
【0023】成形体の焼成は、大気圧下になされる。焼
成は、公知の方法に従って加圧不活性雰囲気中で行なう
こともできるが、その温度領域は600℃前後の温度ま
でで、充分目的を達し得る。雰囲気圧は、例えば100
気圧以下で選択できる。焼成は、更に800〜3000
℃において、不活性雰囲気中でなされる。焼成の際の昇
温速度は、成形体の寸法(厚さ)が大きいほど低くする
ことが望ましい。特に、熱硬化性樹脂、低揮発性ピッチ
の炭化の進行が比較的著しい温度領域で、低くすること
が望ましい、400〜600℃における昇温速度は、例
えば平均して毎分0.5〜2℃であるが、これに限定さ
れるものではない。
【0024】得られた炭素−炭素複合材の特性を向上さ
せるために、熱硬化性樹脂、ピッチ等を再含浸し、再含
浸したものを再焼成する工程、それを繰り返す工程を公
知の方法によって加えることもできる。
【0025】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
するが、本発明の技術的範囲がこれらにより限定される
ものではない。
【0026】実施例1 レゾールタイプフェノール樹脂粉末[郡栄化学社製:レ
ヂトップPG(A)−2163]をフルフリルアルコー
ルに溶解させ、この溶液に平均粒径3.8μm、揮発分
9%の石油系低揮発性ピッチを分散させた。溶媒、樹脂
及びピッチの割合は、重量比で100:13:52であ
った。この分散液に液晶ピッチ系の弾性率70×103
kgf/mm2の連続糸を浸漬し、引き上げてノズルを
通した。15時間風乾後、90℃に2時間加熱して乾燥
した。これを金型内に一方向に積層して、面圧下に12
0℃に1時間、180℃に1時間加熱した。加圧は20
0kgf/cm2であった。1.8×20×120mm
の短冊型成形品を得た。これを大気圧不活性雰囲気中で
2500℃まで昇温した。炭素繊維容積含有率(Vf)
35%、かさ密度1.78g/cm3、引張強さ87k
gf/mm2の炭素−炭素複合材を得た。
【0027】実施例2 溶媒、樹脂及びピッチの配合比を100:27:40及
び100:24:25とした以外は、実施例1と同一条
件にして炭素−炭素複合材を調製した。引張強さはそれ
ぞれ82及び74kgf/mm2であった。
【0028】実施例3 フルフラール、ノボラックタイプフェノール樹脂粉末、
揮発分12%のピッチ粉末(平均粒径4.6μm)及び
コークス粉末(平均粒径3.7μm)を、100:1
6:27:11の重量比で混合して、分散液を調製し
た。これをPAN系高弾性糸(引張強さ280kgf/
mm2、弾性率40×103kgf/mm2、表面処理な
し)の連続糸に含浸し、ノズルを通して含浸炭素繊維の
一方向プリプレグを調製した。85℃で1時間、真空に
近い減圧下で乾燥した。次いで、金型で長方形に積層
し、10kgf/cm2の加圧下に120℃で1時間、
更に160℃で260kgf/cm2の面圧下に1時間
加熱した。得られた短冊型成形体を2500℃まで加熱
した。Vf31%、引張強さ83kgf/mm2の一方
向強化炭素−炭素複合材を得た。
【0029】実施例4 液晶ピッチ系炭素繊維(弾性率50×103kgf/m
m2)の約10cm角の平織織布に、ノボラックタイプ
フェノール樹脂を含浸させた後、該含浸織布を実施例1
と同一の配合比の分散液に減圧下に浸漬し、大気圧下で
引き上げた。60℃に2時間加熱し、次いで真空中で9
0℃で1時間加熱した。この含浸、乾燥操作を繰り返し
た後、得られた織布を4枚積層し、ナイロンバッグ内に
装填し、真空に排気しつつナイロンバッグの外側から2
kgf/cm2の面圧を加えながら100℃に1時間、
次いで200kgf/cm2の面圧下で160℃に1時
間加熱して、板状成形体を得た。この成形体を5×10
cmに裁断した後、大気圧不活性雰囲気で1200℃ま
で加熱した。次いで、この焼成成形体にフェノール樹脂
を、溶液を用いて含浸し、乾燥後、該成形体を再度、1
200℃まで焼成し、更に2500℃まで加熱したとこ
ろ、良好な品質の炭素繊維織布強化炭素−炭素複合材が
得られた。
【0030】実施例5 溶媒:樹脂:ピッチの配合比を160:13:52とし
た以外は、実施例1と同一条件にして、母材先駆材含浸
炭素繊維一方向プリプレグを作製した。これを0°,9
0°,90°,0°方向に4枚積層して、実施例1と同
一条件で80mm角に成形し、40mm幅に裁断した
後、1200℃まで加熱して、厚さ0.89mm、引張
強さ38.9kgf/mm2の二次元強化炭素−炭素材
料を得た。
【0031】実施例6 フルフラール、レゾールタイプフェノール樹脂粉、フル
フリルアルコール/フルフラール初期縮合物、揮発分1
8%ピッチ(平均粒径3.8μm)及びコークス粉(平
均粒径5.4μm)を、180:25:11:40:2
5の重量比で混合して、分散液を調製した。これを弾性
率24×103kgf/mm2のPAN系炭素繊維(60
00フィラメント糸)に含浸させた。含浸繊維を溶媒の
約3分の1まで乾燥し、その後含浸繊維を2〜4mm程
度に切断した。次いで、真空中で90℃に1時間加熱し
た。乾燥した含浸短繊維を直径50mmの円形金型に入
れ、20kgf/cm2の面圧下に120℃で1時間、
次いで170℃に昇温させ、290kgf/cm2の面
圧下で1時間加熱して成形した。成形円板を大気圧不活
性雰囲気中で1200℃まで、次いで2500℃まで加
熱して、固い亀裂のない炭素−炭素複合材を得た。
【0032】実施例7 フルフリルアルコール、ノボラックタイプフェノール樹
脂粉、[郡栄化学レヂトップPG(A)−4528]、
低揮発性ピッチ粉(揮発分5.8%,平均粒径6.1μ
m)及び人造黒鉛粉末(平均粒径5.3μm)の30
0、56、34及び66の各重量部から調製した分散液
を用いて、実施例6と同一条件で短繊維強化炭素−炭素
複合材の1200℃焼成品を得た。亀裂のない高品質の
炭素−炭素複合材であった。
【0033】
【発明の効果】本発明の炭素繊維強化炭素材料の製造方
法は、熱硬化性樹脂の硬化性を利用して成形するため成
形工程が容易であり、また低揮発性ピッチ、あるいは低
揮発性ピッチを含有する炭素粉末と熱硬化性樹脂を母材
先駆材にしているため、焼成が容易である上に炭化収率
が高く、含浸、焼成を繰り返すことがなくとも高品質の
炭素−炭素複合材を得ることができる。そのため、従来
法に比べて非常に短い時間で、炭素−炭素複合材を製造
することができる。加えて、高沸点溶媒を用いるとき
は、ボイドの一層少ない成形体が得られ、それによって
一層緻密な炭素−炭素複合材が形成され、品質が向上す
る。
フロントページの続き (72)発明者 津島 栄樹 埼玉県入間郡大井町西鶴ケ岡1丁目3番1 号 東燃株式会社総合研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項】 フェノール樹脂、フラン樹脂及びそれらの
    混合物から選ばれた熱硬化性樹脂の5〜50重量部を有
    機溶媒に溶解し、且つ低揮発性ピッチを30重量%以上
    含有する炭素粉末を95〜50重量部分散させている分
    散液を、熱処理温度500℃以上の炭素繊維に含浸さ
    せ、次いで前記溶媒を揮発させて母材先駆材含有炭素繊
    維を製造する工程と、得られた母材先駆材含有炭素繊維
    を樹脂の硬化進行温度領域において加熱加圧下に成形す
    る工程と、得られた成形物を焼成する工程とを含むこと
    を特徴とする炭素繊維強化炭素材料の製造法。
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