JPH07107119B2 - ポリ塩化ビニル組成物 - Google Patents

ポリ塩化ビニル組成物

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JPH07107119B2
JPH07107119B2 JP21087086A JP21087086A JPH07107119B2 JP H07107119 B2 JPH07107119 B2 JP H07107119B2 JP 21087086 A JP21087086 A JP 21087086A JP 21087086 A JP21087086 A JP 21087086A JP H07107119 B2 JPH07107119 B2 JP H07107119B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はポリ塩化ビニル組成物に関するものである。
本発明で得られるポリ塩化ビニル組成物はその優れた血
液適合性および低溶出性に加え、優れた成形性および可
撓性を有するために、医療用途、特に血液取扱い用具お
よび血液接触医療用具に好適である。具体例としては、
例えば人工心肺や人工腎臓などの血液回路、人工血管、
人工心臓、心臓カテーテル、血液バッグ、成分輸血用血
液バック、血漿保存用バッグ、高カロリー輸液チュー
ブ、血管内留置カテーテル、開心術用チューブ・カテー
テル、カニューレ、血管内処置診断用チューブ・カテー
テルおよび輸液バッグ、薬液バッグなどの医療用分野に
用いられる。又、医療用途以外に低温特性、二次加工
性、ガスバリア性および低溶出性などの特性を利用し、
包装用途、特に食品包装用途に好適である。
(従来の技術) フタル酸エステル類で可塑化したポリ塩化ビニル(以下
塩ビと略記する)は優れた成形性、二次加工性および可
撓性などの物性を有することから、医療用分野、特にデ
ィスポーサブル製品として多量に用いられている。しか
し、フタル性エステル類は大きな可塑効果を有する反
面、移行性、抽出性が大きく、特に血液回路、各種カニ
ューレ、カテーテルおよび血液バッグ、輸血バッグなど
血液および/又は体液と接触する用途においては、溶出
するフタル酸エステル類の毒性が問題となる。フタル酸
エステル類の移行性、抽出性の大きさは、可塑剤が溶出
して、物性が低下しやすい欠点ともなる。
このような欠点を加良するために、種々の試みが検討さ
れているが、いまだ満足すべき解決策が得られていない
のが現状である。そのいくつかの例を次に示す。
特公昭39−10545号公報には“多価アルコールと2〜3
個のカルボキシル基を含有する有機酸との反応により得
られた反応生成物および天然樹脂よりなる群の中の一つ
である遊離カルボキシル基含有ポリエステル型物質と活
性オキシラン環を含有するエポキサイドとを、特定の第
3級アミンもしくは第4級アンモニウム触媒の存在下で
反応させることを特徴とする塩ビ系可塑剤として有用な
変成剤組成物の製造方法”についての記載がある。しか
し、この変成剤組成物を用いても、触媒として用いた第
3級アミンおよび/又は第4級アンモニウム塩が可塑化
塩ビ中に混入するためか、この可塑化塩ビのペレットは
医療用プラスチック自主規格、医療用塩化ビニル樹脂コ
ンパウンドIおよびII(日本医療用プラスチック協会、
昭和56年1月制定)にもとずき溶出物試験を実施した場
合、これに適合しない。すなわち、この可塑化塩ビから
何かが溶出していることが確実である。このように何か
が溶出する樹脂から成型された医療用具類、特に血液お
よび体液と接触する用途に用いる場合は、安全性の面か
ら考えて非常に危険である。このような問題点に加え
て、この可塑化塩ビの場合は、第3級アミンもしくは第
4級アンモニウム塩が混入しているためか、血液と接触
する用途に用いた場合は、血小板粘着、凝集が著しく、
血液凝固も早い。すなわち、この可塑化塩ビ組成では従
来のフタル酸エステル類で可塑化した塩ビのもつ欠点
(溶出性がある、血液適合性が悪い。)を十分解決して
いるとは言え難い。
又、特公昭52−36896号公報には、塩ビ100重量部に炭素
数4〜12の側鎖を有しない脂肪族ジオールの4〜15モル
%を炭素数3〜12の側鎖を有する脂肪族ジオールに置き
換えた混合ジオールからなるポリエステルグリコールと
ヘキサメチレンジイソシアネート成分1モルに対し、ポ
リオール成分0.98〜1.06モルの割合で反応させて得られ
るポリエステルウレタンを40〜110重量部混合して得ら
れる低無毒性軟質塩ビ組成物が開示されている。しかし
この場合においても、可塑剤ポリマーの抽出性および移
行性は改良されているが、イソシアネートを使用するた
めに残存イソシアネート基による毒性が懸念されると同
時に、ウレタン結合導入により、ポリエステル単独の場
合よりも可塑効果が低下する傾向にある。この組成物の
血液適合性は、フタル酸エステル類で可塑化した塩ビに
比較して、あまり改良されておらず血液と接触する用途
には不適である。
本発明者等は、既に低無毒性、低溶出性および血液適合
性に優れた塩ビ組成物を提案している(特開昭58−8714
3号)。この場合は低抽出性、低無毒性、低溶出性でさ
らに血液適合性、特に血小板粘着を抑制できた塩ビ組成
物であった。しかし、塩ビの可塑剤ポリマーである高分
子量改質ポリエステルを製造する工程で、ジオール成分
とジカルボン酸成分の炭素数の和が9〜20であるエステ
ル単位からなり、かつ末端カルボキシル基を有するポリ
エステルと末端にエポキシ基を有する化合物を反応させ
るための触媒として、炭素原子数6〜50の脂肪族モノカ
ルボン酸もしくはジカルボン酸のアルカリ金属塩を用い
るためか、前記の医療用塩化ビニル樹脂コンパウンドI
およびIIで試験を行った時、溶出物試験においてコンパ
ウンドIIでは全く問題ないが、コンパウンドIで行う
と、溶出物試験中アワ立ちが規格に適合しない。又、こ
の可塑剤ポリマーを塩ビに混合し、コンパウンド化した
時着色するといった欠点を有している。
(発明が解決しようとする問題点) 前述の通り、従来、医療用途に用いられているフタル酸
エステル類で可塑化した塩ビは物性的には優れた性質を
有しているが、フタル酸エステル類の移行性、抽出性が
大きく、血液と接触する用途に用いる場合には溶出する
フタル酸エステル類の毒性が問題となると同時に可塑剤
が溶出することによる物性の低下が生じるといった問題
点を有する。フタル酸エステル類を用いた塩ビのもう一
つの欠点は、血液適合性に乏しいことにある。すなわ
ち、血液と接触した場合、血栓形成が起り易く、フタル
酸エステル類で可塑化した塩ビで成形された血液と接触
する医療用具(例えば、各種血液回路など)を用いる時
は、通常血液をヘパリン化して、血液が凝固しないよう
にして使用している。手術中多量にヘパリンを用いた場
合は出血傾向や、ヘパリンの副作用が問題となる。
このような問題点を解決するために、前述したように可
塑剤ポリマーとして高分子量改質ポリエステルを使用す
る試みがさなれているが、溶出試験中、アワ立ちが生ず
るという欠点が解決されるに至っていない。
(問題点を解決するための手段) 本発明者等は上記欠点を解決する目的で種々鋭意検討し
た結果、本発明に到達した。すなち本発明は、ポリ塩化
ビニル類100重量部に対して、ジオール成分とジカルボ
ン酸成分の炭素数の和が9〜20であるエステル単位から
なり、かつ末端カルボキシル基を有し、数平均分子量50
0〜20,000であるポリエステルと末端にエポキシ基を有
する化合物とを周期律表IIA金属又はIIB金属の有機カル
ボン酸塩の存在下、反応させて得られる高分子量改質ポ
リエステル10〜150重量部を配合してなるポリ塩化ビニ
ル組成物である。
本発明においてポリ塩化ビニル類とあるのは、例えば塩
ビ、ポリ塩化ビニリデンあるいはポリ塩化ビニルの共重
合体(三元共重合体およびグラフト共重合体も含む)、
あるいは塩ビを主体として、これと他のポリマーとのブ
レンドを含むものである。
本発明において高分子量改質ポリエステルは(A)ジオ
ール成分とジカルボン酸の炭素原子数の和が9〜20であ
るエステル単位からなり、かつ末端がカルボキシル基を
有する数平均分子量500〜20,000のポリエステルと
(B)末端にエポキシ基を有する化合物を反応させて得
られる。
末端がカルボキシル基を有するポリエステル(A)のジ
オール成分としては、エチレングリコール、プロピレン
グリコール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレ
ングリコール、ネオペンチルグリコール、ヘプタメチレ
ングリコール、オクタメチレングリコール、ノナメチレ
ングリコール、デカメチレングリコールなどの脂肪族ジ
オール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,3−シクロヘ
キサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタール、1,3
−シクロヘキサンジメタールなどの脂環族ジオールが挙
げられる。
又、ジカルボン酸成分としてはグルタル酸、アジピン
酸、ピメリン酸、コハク酸、アゼライン酸、セバシン
酸、ウンデカジオン酸、ドデカジオン酸の脂肪族ジカル
ボン酸などが挙げられる。又、脂肪族ジカルボン酸の一
部(50モル%以下)がフタル酸、O−フタル酸および/
又はテレフタル酸などの芳香族ジカルボン酸に置換され
てもよい。
ジオール成分とジカルボン酸成分とから得られるエステ
ル単位の炭素数の和が9〜20、好ましくは10〜15になる
ようにジオール類、ジカルボン酸類を選別する必要があ
る。エステル単位の炭素数の和が9より小さいと、改質
ポリエステルの塩ビへの相溶性が悪くなり、均一な組成
物が得られない。また20を越えても相溶性が悪い。
ポリエステル(A)の製造は通常のエステル化条件およ
び装置を使用する。エステル化装置に原料のジオールお
よびジカルボン酸またはその誘導体を加え、この混合物
を150〜260℃の温度で攪拌しながら反応を行う。この場
合、適当なエステル化触媒、例えば、リン酸、亜リン
酸、硫酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン
酸、シュウ酸第一スズ、アルキル鉛酸化物、チタン酸テ
トラブチル、酢酸亜鉛、炭酸ナトリウムなどを0.01〜0.
5重量%程度添加してもよい。常圧反応を150〜260℃で
2〜5時間行った後、徐々に減圧とし、圧力を0.1〜50m
mHgに減じて、残存するモノマーおよび生成水を完全に
除去することが好ましい。
得られるポリエステル(A)の数平均分子量は500〜20,
000、好ましくは1,000〜8,000である。また酸価は3〜2
25、好ましくは7〜110である。
末端にエポキシ基を有する化合物(B)としては、一般
式(I)〜(IV)で示されるものがある。
(一般式(I)または(II)においてXはハロゲン原子
を示す。R1およびR2は炭素数2〜30の直鎖、分岐又は環
を形成するアルキレン基、分子量50〜2,000のポリアル
キレン基又は を示す。Yはメチレン、イソプロピリデン、スルホニル
又はオキシ基を示す。l、m、nは0〜10の整数を示
す。) (一般式(III)又は(IV)において、R3およびR4は炭
素数4〜50のアルキレン基、アラルキレン基または芳香
族残基を示す。) 一般式(I)又は(II)で示されるエポキシ基を有する
化合物としては、炭素数2〜30の脂肪族ジオール、例え
ばエチレングリコール、プロピレングリコール、テトラ
メチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ネオ
ペンチルグリコール、ヘキサメチレングリコール、1,4
−シクロヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサンジオ
ール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロ
ヘキサンジメタノールなど、あるいは芳香族ジオール、
例えば4,4′−イソプロピリデンジフェノール、4,4′−
ジヒドロキシフェニルエーテル、4,4′−ジヒドロキシ
フェニルスルホンなど、あるいはポリアルキレングリコ
ール、例えば分子量100〜1000のポリエチレングリコー
ル、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレング
リコール、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとの
コポリマーなどとエピクロルヒドリンとの縮合物などが
挙げられる。
一般式(III)で示されるエポキシ基を有する化合物と
しては、炭素数4〜50の脂肪族飽和ジカルボン酸、例え
ばアジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ダイマー酸
など、あるいは脂肪族不飽和ジカルボン酸、例えばマレ
イン酸、フマル酸など、あるいは芳香族ジカルボン酸、
例えばテレフタル酸、イソフタル酸など、あるいは芳香
族核を側鎖に有するジカルボン酸、例えば1,2−ビス
(ω−ヒドロキシカルボニルヘキサメチルフェニル)エ
タンなどとエピクロルヒドリンとの縮合物などが挙げら
れる。
一般式(IV)で示されるエポキシ基を有する化合物とし
ては、ε−カプロン酸、安息香酸などのオキシカルボン
酸とエピクロルヒドリンとの縮合物が挙げられる。
以上述べた一般式(I)〜(IV)で表わされる化合物の
うち一般式(I)又は(II)で表わされる化合物を用い
ることが好ましく、特にR1およびR2が炭素数2〜15の直
鎖、分岐又は環を形成するアルキレン基であることが好
ましい。
本発明の高分子量改質ポリエステルを得るには、上記末
端にカルボキシル基を有するポリエステル(A)1モル
当り、末端にエポキシ基を有する化合物(B)0.5〜1.5
モル、好ましくは0.7〜1.2モルの割合で仕込む。触媒と
しては周期律表IIA族又はIIB族の金属の塩、例えば炭素
数2〜50の脂肪族モノカルボン酸、芳香族モノカルボン
酸、脂肪族ジカルボン酸又は芳香族ジカルボン酸の周期
律表IIA族および/又はIIB族の金属の塩、すなわち酢
酸、酪酸、プロピオン酸、ブタノイック酸、ペンタノイ
ック酸、ヘキサノイック酸、ラウリル酸、ノナノイック
酸、ステアリン酸などの脂肪族モノカルボン酸、アジピ
ン酸、ピメリン酸、コハク酸、アゼライン酸、セバシン
酸、ウンデカジオン酸、ドデカジオン酸、ダイマー酸な
ど脂肪族ジカルボン酸の周期律表IIA族又はIIB族の金属
の塩などを用いる。周期律表IIA族又はIIB族の金属とし
ては、Mg、Ca、Ba、Znなどが例示される。このうち炭素
数8〜15の脂肪族モノカルボン酸の金属塩、特にステア
リン酸カルシウムおよび/又はステアリン酸亜鉛が好ま
しい。これら金属塩の添加量は0.01〜5.00重量%である
が、0.05〜2.00重量%の添加が好ましい。
本発明ではポリエステル(A)、末端にエポキシ基を有
する化合物(B)および上記金属塩を仕込み、反応温度
100〜250℃、好ましくは120〜230℃で窒素気流下、攪拌
しながら0.1〜10時間反応を行なう。
得られる高分子量改質ポリエステルは分子量2,000〜10,
000、好ましくは5,000〜70,000であり、クロロホルム溶
媒中、30℃にて0.4g/dlの濃度で測定した時の還元粘度
は0.2〜2.0であり、好ましくは0.3〜1.5である。
本発明では、塩ビ100重量部に対し、上記高分子量改質
ポリエステルを10〜150重量部混合するが、軟質塩ビ組
成を得たい時は40部以上混合することが好ましい。又15
0重量部を越えると表面の粘着性が増加し、操業性に問
題が生じる。10重量部末端であると本発明の目的が達成
されない。改質ポリエステルの塩ビへの混合方法はロー
ル、ヘンシェルミキサー、バンバリーミキサー他により
なされる。混合する場合は必要により、低分子可塑剤、
例えばビス−2−エチルヘキシルフタレート、ジブチル
フタレート、ジヘキシルフタレート、ジ−n−オクチル
フタレート、イジソオクチルフタレート、ジデシルフタ
レート、ジイソデシルフタレート、などのフタル酸エス
テル類、ジオクチルアジペート、ジオクチルアゼレー
ト、ジオクチルセバケートなどの直鎖二塩基酸エステル
類、トリブチルクエン酸エステル、トリオクチルアセチ
ルクエン酸エステルおよびブチルフタリルブチルグリコ
レートなどと併用してもよい。
高分子量改質ポリエステルとこれらの低分子可塑剤と併
用する場合、これ等の低分子可塑剤の添加量は塩ビ100
重量部に対して、1〜40重量部、好ましくは3〜30重量
部であり、高分子量改質剤の添加量に対しては重量比で
0.05〜0.50、好ましくは0.1〜0.3である。
混合の際、高分子量改質ポリエスルの塩ビへの含浸を促
進するために揮発性の溶媒、例えばクロロホルム、テト
ラクロロエタン、アセトン、テトラヒドロフラン、シク
ロヘキサノールなどを少量使用することも可能である。
通常塩ビを加工する場合は安定剤、滑剤は必須のもので
あるが、本発明の場合も例外ではない。安定剤、滑剤は
一般に市販されているもの全て使用でき、又今後開発さ
れる安定剤も使用可能であるが、医療用、食品包装用等
に用いる場合には、エポキシ系安定剤、カルシウムステ
アレート、ジンクステアレートの組合せが望ましい。
(作用) 本発明の塩ビ組成物はフタル酸エステル系可塑剤を使用
することなく十分な柔軟性を有する。従って、低分子量
可塑剤に原因する抽出、移行、毒性等の問題もない。特
にポリエステル(A)と末端にエポキシ基を有する化合
物(B)の反応触媒に周期律表IIA族又はIIB族の金属の
塩を用いているために、触媒に第3級アミンもしくは第
4級アンモニウム塩を用いた場合およびアルカリ金属塩
を用いた場合とは異なり、医療用塩化ビニル樹脂コンパ
ウンド試験法Iに適合し、得られた塩ビ組成物の着色が
少なく、熱安定性に富んでいる。しかも、柔軟性、強伸
度、低温屈曲性、耐油性、耐摩耗性などの機械的特性に
優れ、操業性も良好である。
更に、本発明の塩ビ組成物は抗血栓性が極めて良好であ
ることから、特に血液回路、血液バッグ、カテーテル、
カニューレ輸液チューブ、バイパスチューブ、人工心
肺、人工心臓、人工腎臓などの血液と接触する材料分野
に広く用いられる。また食品包装用途、ホース、ベル
ト、合成皮革、おもちゃ等従来の塩ビ用途にも使用され
る。
(実施例1) 以下実施例により、本発明を詳細に説明する。なお、実
施例中、単に部とあるのはすべて重量部を意味する。粘
度測定はすべて、クロロホルム溶媒中、30℃、0.4g/dl
のポリマー濃度で測定した値である。
なお実施例中、物性試験は以下の方法に従った。
(1)100%モジュラス(可塑化の程度を示す)……JIS
K6301に準ずる。
(2)低温屈曲疲労テスト……デイマーシャ屈曲疲労試
験機を使用して試験温度−10±1℃において、試験片
(2mm厚×2.5cm巾×15cm長のシートの中央、巾方向に2m
mのカットグロスを入れたもの)の切断までの回数を測
定。
(3)医療用塩化ビニル樹脂コンパウンドI試験法溶出
物試験(日本医療用プラスチック協会、昭和56年1月制
定医療用プラスチック自主規格)にもとづく。
具体的には試験品15.0gをガラス容器に入れ、水約300ml
を加え、密封したのち、高圧蒸気滅菌器を用いて121℃
で1時間加熱し、室温になるまで放置し、この液に水を
加えて正確に300mlとする。一方、水につき同様の方法
で空試験液を調製し、外観、あわ立ち、pH、スズ、亜
鉛、過マンガン酸カリウム還元性物質、蒸気残留物、紫
外吸収スペクトルの試験を行う。
(4)着色……色差計によりハンタースケールb値を測
定した。b値が小さい方が黄味の着色が少なく、劣化が
抑制されている。
(5)抽出性テスト……厚生省告示178号にもとづく。
試験片1cm2×100枚を三角フラスコ内に入れ、n−ヘプ
タン200mlを加えて、栓をし、25℃で60分間振とうす
る。60分間振とう後、n−ヘプタンを減圧濃縮し、数ml
以下とし、濃縮液を石英製蒸発皿に採り、水浴上で蒸発
乾固し、次いで105℃で2時間乾燥させた後、デシケー
ター中で放冷する。冷却後、秤量して蒸発皿の前後の重
量差a(mg)を求め、次式により蒸発残留物の量を求め
る。
b:試験溶液と同量の浸出用液(n−ヘプタン)について
得た空試験値 規格:150ppm以下を合格とする。
(6)抗血栓性の評価は桜井らが開発したカラム法(Ma
kromol.Chem.,179,1121(1978))を参考にして行っ
た。即ち、直径200μのガラスビーズにポリマーを被覆
し、そのビーズ1.0gを両端にコックを有する内径3.0mm
の市販の医療用軟質塩ビ製チューブ10cmに最密充填し、
生理食塩水を満す。成犬頸静脈より10ml容量のメディカ
ル用ディスポーザブル注射器を用いて2mlの新鮮血を採
取し、直ちに一定流速で抽出し可能なシリンジポンプに
セットし、注射針を除去した注射器の先端に予じめ用意
したビーズ充填カラムに接続し、1.0ml/分の流速で1分
間血液を流し、カラムを通過してきた血液をEDTA処理さ
れた市販のポリドナービン0110に採取する、カラム通過
血液中の血小板数をBrecher Cronkite法を用いて算出す
る。血小板粘着数はカラム通過前の血流中の血小板数か
らカラム通過後の血小板数を差し引いた値である。
材料間の血小板粘着の相対比較は下式の如く求め、この
値が小さい程、血小板の粘着性が少なく、抗血栓性に優
れていることを示す。
合成例1 アジピン酸1524部、1,6−ヘキサンジオール1182部、チ
タン酸テトラブチル0.108部およびトリメチルホスフェ
ート0.089部をオートクレープに仕込み、窒素気流下、1
50〜230℃に2時間かけて昇温し、攪拌しながら生成す
る水を除去し反応を行った。
次いで、230℃に保持し、徐々に減圧とし60分間かけて
0.1mmHgとした。さらに0.1mmHg、230℃で60分間反応を
行ない、酸価37.4、水酸基価0.3の末端カルボキシル基
を有するポリエステルを得た。
このポリエステル1500部と一般式(I)で示されるエポ
キシ化合物、デナコール211(ナガセ化成工業株式会社
製、エポキシ当量138.0g/当量)151.8部およびステアリ
ン酸カルシウム6.0部をオートクレープに仕込み、窒素
気流下、200℃で攪拌しながら1時間反応させて、ηsp/
c0.567の高分子量改質ポリエステルを得た。
合成例2 アジピン酸1524部、1,6−ヘキサンジオール1061部、チ
オペンチルグリコール104部、チタン酸テトラブチル0.1
08部およびトリメチルホスフェート0.089部をオートク
レープに仕込み、以下合成例1と同様にして反応を行
い、酸価44.9、水酸基価0.5の末端カルボキシル基を有
するポリエステルを得た。このポリエステル1500部と一
般式(II)で示されるエポキシ化合物、デナコール210
(ナガセ化成工業株式会社製、エポキシ当量141.2g/当
量)186.5部およびステアリン酸亜鉛4.0部をオートクレ
ーブに仕込み、合成例1と同様に反応を行いηsp/c0.45
の高分子量改質ポリエステルBを得た。
合成例3 セバシン酸2153部、1,4−ブタンジオール900部、チタン
酸テトラブチル0.108部およびトリメチルホスフェート
0.089部をオートクレーブに仕込み、合成例−1と同様
にして反応を行い、酸価32.1、水酸基価0.48の両末端カ
ルボキシル基を有するポリエステルを得た。このポリエ
ステル1500部とジグリシジルセバケート296.4部および
ラウリル酸マグネシウム4.5部をオートクレーブに仕込
み、合成例1と同様にして反応を行い、ηsp/c0.63の改
質ポリエステルCを得た。
合成例4 アゼライン酸2005部、1,6−ヘキサンジオール762部、チ
オペンチルグリコール377部、チタン酸テトラブチル0.1
08部およびトリメチルホスフェート0.089部をオートク
レーブに仕込み合成例1と同様に反応させて、酸価35.
1、水酸基価0.21の末端カルボキシル基を有するポリエ
ステルを得た。このポリエステル1500部と一般式(IV)
で示されるエポキシ化合物、安息香酸とエピクロルヒド
リンとの縮合物(エポキシ当量141g/当量)145.4部およ
びステアリン酸カドミウム0.40部をオートクレーブに仕
込み、実施例1と同様に反応させてηsp/c0.46の高分子
量改質ポリエステルDを得た。
合成例5 セバシン酸2153部、エチレングリコール621部、チタン
酸テトラブチル0.108部およびトリメチルホスフェート
0.089部をオートクレーブに仕込み合成例1と同様に反
応させて、酸価41.6、水酸基価0.35の末端カルボキシル
基を有するポリエステルを得た。このポリエステル1500
部と一般式(I)で示されるエポキシ化合物、デナコー
ルEX−920(ナガセ化成工業株式会社製、エポキシ当量1
80g/当量)220部およびステアリン酸カルシウム4.0部を
オートクレーブに仕込み、実施例1と同様に反応を行い
ηsp/c0.63の高分子量改質ポリエステルEを得た。
合成例6 アジピン酸1555部、1,6−ヘキサンジオール1182部、チ
タン酸テトラブチル0.108部およびトリメチルホスフェ
ート0.089部をオートクレーブに仕込み、合成例1と同
様に反応して酸価37.4、水酸基価0.3の末端カルボキシ
ル基を有するポリエステルを得た。
このポリエステル1500部と一般式(II)で示されるエポ
キシ化合物、YD−127(東都化成株式会社製、エポキシ
当量192.3g/当量)211.5部およびラウリン酸カルシウム
0.35gをオートクレーブに仕込み、合成例1と同様に反
応してηsp/c0.58の高分子量改質ポリエステルFを得
た。
合成例7 アジピン酸1555部、1,4−シクロヘキサンジメタール144
1部、チタン酸テトラブチル0.108部およびトリメチルホ
スフェート0.089部をオートクレーブに仕込み、合成例
1と同様に反応して酸価29.5、水酸基価0.27の末端カル
ボキシル基を有するポリエステルを得た。
このポリエステル1500部と一般式(I)で示されるエポ
キシ化合物、デナコール212(ナガセ化成工業株式会
社、エポキシ当量150g/当量)130.3部およびセバシン酸
カルシウム0.30部をオートクレーブに仕込み、合成例1
と同様にして反応を行ってηsp/c0.55の高分子量改質ポ
リエステルGを得た。
合成例8 アジピン酸3629部、1,6−ヘキサンジオール3545部をオ
ートクレーブ中に仕込み、窒素気流中、攪拌しながら15
0〜230℃まで2時間かけて昇温し、生成水を除去しつつ
反応を行った。次いでチタン酸テトラブチル0.36部を加
え230℃に温度を保持したまま、除去に減圧とし、60分
で0.1mmHgとした。さらに230℃−0.1mmHgで3時間反応
を行い、ηsp/c0.33のポリエステルHを得た。
合成例9 1,6−ヘキサンジオールとネオペンチルグリコールのモ
ル比が9:1の混合ジオールとアジピン酸から成る分子量2
000のポリエステルグリコールを合成した。このポリエ
ステル1モルとヘキサメチレンジイソシアネート1.03モ
ルをオートクレーブに仕込み160℃で窒素気流下、攪拌
しながら2時間反応を行い、ηsp/c0.88のポリウレタン
Iを得た。
合成例10 合成例1で得た酸価37.4、水酸基価0.3の末端カルボキ
シル基を有するポリエステル1500部と一般式(II)で示
されるエポキシ化合物、YD−127(東都化成株式会社
製、エポキシ当量192.3g/当量)211.5部にドデシル−ジ
メチル−β−ヒドロキシエチルアンモニウムブロミドを
200部加え、150℃で15分間混融した後、溶融物を冷却し
て、ηsp/c0.40の特公昭39−10545号公報に記載される
ポリエステルJを得た。
合成例11 合成例1で得た酸価37.4、水酸基価0.3の末端カルボキ
シル基を有するポリエステル1500部と一般式(I)で示
されるエポキシ化合物、デナコール211(ナガセ化成工
業株式会社製、エポキシ当量138.0g/当量)151.8部およ
びステアリン酸ナトリウム3.0部をオートクレーブに仕
込み、合成例1と同様に反応してηsp/c0.55のポリエス
テルKを得た。
合成例12 HOOCC34H68COOH6028部、1,6−ヘキサンジオール1182
部、チタン酸テトラブチル0.35部およびトリメチルホス
フェート0.30部をオートクレーブに仕込み合成例1と同
様に反応させて、酸価20.3、水酸基価0.22の末端にカル
ボキシル基を有するポリエステルを得た。
このポリエステル1500部とYD128(エポキシ当量192.3g/
当量)114.8部およびステアリン酸カルシウム6.0部をオ
ートクレーブに仕込み、合成例1と同様にして反応を行
い、ηsp/c0.62のポリエステルLを得た。
実施例1〜7および比較例1〜6 下記第1表に示す配合で先ず各成分を混ぜ合わせた。次
いで、この混合物を2軸押出し機を用いて溶融混合(シ
リンダー温度150〜175℃)して、ペレット化し、塩ビ組
成物を製造した。このペレットを粉砕し、ミキシングロ
ールを用いて塩ビ組成物をシート状に引き出し、2mm厚
のシートを作成した。プレス条件はプレス温度160〜170
℃にてプレス時間3時間及び圧力100〜120kg/cm2、冷却
時間5分間及び圧力130〜150kg/cm2で行った。得られた
シートを用いて100%モジュラス測定、低温屈曲疲労テ
スト、コンパウンド試験法I、b値測定および抽出性テ
ストを行なった。その結果を第2表に示す。
第2表から本発明の塩ビ組成物は柔軟性、低温特性に優
れ、コンパウンド化した後の着色も少なく熱劣化が抑制
され、しかもコンパウンド試験法Iの溶出物試験および
抽出性テストにも合格し、かつ低無毒性、低抽出性、高
熱安定性の組成物であることが明らかである。
実施例8〜10および比較例7〜10 実施例1と同様にして第3表に示す配合で塩ビ組成物を
調製した。
得られた組成物の抗血栓性を測定し、その結果を第4表
に示す。
第4表から明らかなように、本発明の塩ビ組成物は著し
く血液適合性が改善されていた。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリ塩化ビニル類100重量部に対して、ジ
    オール成分とジカルボン酸成分の炭素数の和が9〜20で
    あるエステル単位からなり、かつ末端カルボキシル基を
    有し数平均分子量500〜20000であるポリエステルと末端
    にエポキシ基を有する化合物とを周期律表IIA族又はIIB
    族の金属の有機カルボン酸塩の存在下、反応させて得ら
    れる高分子量改質ポリエステル10〜150重量部を配合し
    てなるポリ塩化ビニル組成物。
  2. 【請求項2】周期律表IIA族又はIIB族の金属の有機カル
    ボン酸塩が、炭素数2〜50の脂肪族モノカルボン酸、芳
    香族モノカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸および/又は
    芳香族ジカルボン酸のカルシウム塩又は亜鉛塩であるこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第1項記載のポリ塩化ビ
    ニル組成物。
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