JPH07107862B2 - ポリアニリン電池 - Google Patents

ポリアニリン電池

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JPH07107862B2
JPH07107862B2 JP1056794A JP5679489A JPH07107862B2 JP H07107862 B2 JPH07107862 B2 JP H07107862B2 JP 1056794 A JP1056794 A JP 1056794A JP 5679489 A JP5679489 A JP 5679489A JP H07107862 B2 JPH07107862 B2 JP H07107862B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、ポリアニリンを正極、リチウムまたはリチ
ウム合金を負極とし、電解液として非水有機電解液を使
用したポリアニリン電池に関する。
〔従来の技術〕
一般に、ポリアニリン電池は、ポリアニリンがイオンの
ドーピングによつて導電性を発現するという性質を有す
ることから、このポリアニリンを正極活物質として用い
てその導体領域におけるドーピング量の変化に伴う電極
電位の変化を利用するようにしたものであり、二次電池
として機能させることができる。
ところで、従来のポリアニリン電池にあつては、正極
缶、負極缶の如き集電体の材料としてSUS304、SUS316な
どのオーステナイト系ステンレス鋼やSUS430系のフエラ
イト系ステンレス鋼が使用され、また非水有機電解液に
は非水有機溶媒に電解質としてLiClO4を溶解させたもの
が汎用されている(文献不詳)。
しかるに、上記のLiClO4を含む非水有機電解液を用いた
ポリアニリン電池では、LiClO4の高酸化性により、過放
電を行つたり事故や誤使用などがあつた場合に発火や爆
発を生じる危険性があるとともに、電解液の有機溶媒が
酸化されて電池特性の低下を招くという難点があつた。
このため、最近では、電解質として、LiClO4に代えてLi
BF4、LiPF6などの含フツ素リチウム塩を使用することが
検討されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、上記の含フツ素リチウム塩を用いた電解
液では、前記の危険性や有機溶媒の酸化の恐れがない半
面、酸化作用を有さないことに起因して、これを用いた
電池を高電圧放電させたり充放電を繰り返した場合に、
前記のステンレス鋼からなる集電体の正極に接する表面
に通常存在する酸化物保護膜が損傷して孔食腐蝕を生じ
易く、この腐蝕の進行により、溶出したステンレス鋼成
分が負極表面に析出して内部短絡による自己放電を促進
する結果、電池の耐久性が低下して短寿命化するという
問題があつた。
この発明は、上述の事情に鑑みて、電解液の電解質とし
て含フツ素リチウム塩を用いた場合でも正極集電体表面
の腐蝕に起因した内部短絡の問題がなく、もつて安全性
および耐久性にすぐれたポリアニリン電池を提供するこ
とを目的としている。
〔課題を解決するための手段〕
この発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を
重ねた結果、正極集電体の少なくとも正極との接触部分
を従来汎用のステンレス鋼に代えて特定組成のフエライ
ト系ステンレス鋼にて構成した場合に、このステンレス
鋼が非常にすぐれた耐蝕性を発揮し、電解液の電解質と
して含フツ素リチウム塩を用いた電池構成において高電
圧放電を行つたり充放電を繰り返しても集電体の腐蝕に
起因する内部短絡が大きく抑制され、電池の耐久性が著
しく改善されて長寿命となることを見い出し、この発明
をなすに至つた。
すなわち、この発明は、ポリアニリンを正極、リチウム
またはリチウム合金を負極とし、電解液として非水有機
電解液を使用したポリアニリン電池において、正極集電
体の少なくとも上記正極との接触部分がCrを18〜20重量
%、Moを1.75〜2.25重量%、TiとNbを含量で0.3〜1.0重
量%含有し、かつCとNとをそれぞれ0.02重量%以下と
したフエライト系ステンレス鋼にて構成されていること
を特徴とするポリアニリン電池に係るものである。
また、この発明においては、上記の非水有機電解液が含
フツ素リチウム塩を溶解したものからなる構成を好適態
様としている。
〔発明の構成・作用〕
この発明のポリアニリン電池では、正極集電体の少なく
とも正極との接触部分を構成する材料として前記の如く
Crを18〜20重量%、Moを1.75〜2.25重量%、TiとNbを合
量で0.3〜10重量%それぞれ含有し、かつCとNとをそ
れぞれ0.02重量%とした特定組成のフエライト系ステン
レス鋼(以下、高耐蝕性フエライト系ステンレス鋼とい
う)を用いていることから、含フツ素リチウム塩を含む
電解液のように酸化作用を有さない非水有機電解液が使
用されている場合でも、正極集電体の腐蝕に起因した内
部短絡を生じにくく、すぐれた耐久性を発揮する。
上記の高耐蝕性フエライト系ステンレス鋼が従来よりこ
の種電池の集電体に使用されている前記の汎用ステンレ
ス鋼に比較して電池内部で非常に高い耐蝕性を示す理由
は明確ではないが、上記特定量含有されるTiおよびNbが
Fe−Cr−Mo組成において耐蝕性付与成分として大きく貢
献すること、ならびにCrと反応して結晶粒界でCrの欠乏
による粒界腐蝕を生じる要因となるCおよびN成分が極
めて少ないことなどにより、高電圧放電や充放電の繰り
返しによつて表面の酸化保護膜に損傷を生じても腐蝕溶
出が進行しにくいものと想定される。
この発明においては、正極集電体の少なくとも正極との
接触部分が上記の高耐蝕性フエライト系ステンレス鋼に
て構成されておればよく、たとえばボタン型やコイン型
の電池構成では、正極集電体をなす正極端子板(正極
缶)自体を該ステンレス鋼とする以外に、従来と同様の
汎用ステンレス鋼製の正極端子板の内面側に高耐蝕性フ
エライト系ステンレス鋼からなる箔ないし薄板を配置あ
るいは圧着した構成も採用できる。
なお、ポリアニリンからなる正極に集電網を介在した
り、該正極として電解酸化重合法によつてネツト状電極
上にポリアニリン層を被着形成させたシートを用いる場
合は、上記集電網およびネツト状電極の材料として上記
の高耐蝕性フエライト系ステンレス鋼を用いることが望
ましい。
一方、負極集電体には、上記の高耐蝕性フエライト系ス
テンレス鋼も使用できるが、コスト面より従来と同様に
SUS304、SUS316の如きオーステナイト系やSUS304系の如
きフエライト系の汎用ステンレス鋼を使用するのがよ
い。
この発明の電池の正極としては、化学酸化重合法や電解
酸化重合法などで合成されたポリアニリン粉末またはこ
れに炭素粉末の如き導電助剤を加えた粉末の圧縮成形
体、ならびに前記のネツト状電極上にポリアニリン層を
被着形成したシートが使用される。また負極としてはリ
チウムもしくはリチウム合金が使用されるが、ここでい
うリチウム合金は、冶金学上の合金のほかにリチウム箔
とアルミニウムなどの他の金属箔とを圧着一体化したも
のを包含する。
非水有機電解液としては、電解質であるリチウム塩をプ
ロピオンカーボーネート、γ−ブチロラクトン、ジメト
キシエタン、ジオキソランなどの非水系有機溶媒に溶解
してなるリチウムイオン伝導性電解液が好適に使用され
る。
上記電解質のリチウム塩としては、とくに限定されない
が、LiBF4、LiPF6、LiCF3SO3などの含フツ素リチウム塩
が好適である。すなわち、これら含フツ素リチウム塩
は、LiClO4のような危険性や有機溶媒を酸化する恐れが
なく、かつこれを含む電解液が比較的高い電気伝導度を
示すという利点がある一方、その酸化作用を有さないこ
とによる正極集電体の腐蝕の難点が前記の高耐蝕性フエ
ライト系ステンレス鋼の使用によつて解消されるため、
とくにこの発明の適用効果が大きい。
第1図および第2図は、それぞれボタン型電池に適用し
たこの発明のポリアニリン電池の構造例を示す。
第1図の電池Aでは、前記の高耐蝕性フエライト系ステ
ンレス鋼からなる皿型の正極端子板1と汎用ステンレス
鋼からなる皿型の負極端子板2とを向かい合わせ、両者
の周縁部を合成ゴムや合成樹脂などの弾性絶縁材料から
なる環状ガスケツト3を介在して嵌合圧着することによ
り、偏平な密閉容器が構成されている。この密閉容器の
内部には、正極端子板1に接合したポリアニリンからな
る正極5と、負極端子板2にステンレスネツトなどの集
電網4を介して接合したリチウムまたはリチウム合金か
らなる負極6と、両極5,6間に介在するポリプロピレン
不織布などの多孔性絶縁材料からなるセパレータ7と
が、非水有機電解液に浸漬された状態で装填されてい
る。
一方、第2図の電池Bでは、正極端子板11として汎用ス
テンレス鋼製のものが使用され、かつその内面側に前記
の高耐蝕性フエライト系ステンレス鋼の箔12が配置され
ていることを除き、第1図の電池Aと同様であり、第1
図と共通する部分には同一符号を附している。
なお、この発明は図示したボタン型電池に限らず、種々
の形態および構造のポリアニリン/リチウム系二次電池
に適用できる。
〔発明の効果〕
この発明によれば、正極集電体の少なくとも正極との接
触部分に特定組成の高耐蝕性フエライト系ステンレス鋼
を用いていることから、高電圧放電や充放電の繰り返し
によつても正極集電体の腐蝕溶出に起因した内部短絡に
よる自己放電を生じにくく、耐久性にすぐれて長寿命な
ポリアニリン電池を提供できる。
また、上記ポリアニリン電池における非水有機電解液の
電解質として含フツ素リチウム塩を使用すれば、発火や
爆発の危険性が解消され、かつすぐれた耐久性および電
池特性が得られるという利点がある。
〔実施例〕
以下、この発明の実施例を具体的に説明する。
実施例1 2モル/濃度のHBF4を溶解した水溶液にアニリンを1
モル/の割合で溶解し、この溶液中に酸化剤としてK2
Cr2O7を0.2モル/となるように添加し、20℃において
1時間重合反応を行ない、重合後の反応液をろ過して得
られた重合生成物を充分に水洗したのち、100℃で真空
乾燥を行つて平均粒子径0.25μmのポリアニリン粉末を
得た。
このポリアニリン粉末50mgを全型に充填して常法によつ
て圧縮成形して、直径15mm、厚さ0.35mmのペレツト状の
成形体を作製した。
つぎに、正極端子板としてCrが19重量%、Moが2.05重量
%、Tiが0.3重量%、Nbが0.5重量%、Cが0.008重量
%、Nが0.0092重量%、残余がFeの組成を有するフエラ
イト系ステンレス鋼からなるもの、負極端子板としてSU
S430製のもの、正極として上記成形体、負極として厚さ
0.15mmのリチウム箔と厚さ0.2mmのアルミニウム箔とを
圧着してなる直径15mmのLi−Al合金、セパレータとして
ポリプロピレン不織布からなる厚さ0.13mmのシート、電
解液としてプロピレンカーボネートと1・2−ジメトキ
シエタンとの容量比1:1の混合溶媒に乾燥処理したLiBF4
を1モル/濃度で溶解してなる非水有機電解液、をそ
れぞれ使用して、第1図に示す構造のボタン型のポリア
ニリン電池Aを作製した。
実施例2 正極端子板としてSUS430製のものを使用するとともに、
この正極端子板とポリアニリンからなる正極との間に、
実施例1の正極端子板と同一組成のフエライト系ステン
レス鋼からなる厚さ20μmの箔を皿型にして配置した以
外は、実施例1と同様にして第2図に示す構造のボタン
型のポリアニリン電池Bを作製した。
比較例 フエライト系ステンレス鋼からなる箔を使用しなかつた
以外は、実施例2と同様にしてボタン型のポリアニリン
電池Cを作製した。
上記のポリアニリン電池A,B,Cについて、それぞれ60℃
において、3.0V、3.3V、3.5V、3.7Vの各定電圧で20日間
のフローテイングを行つたのち、開路電圧を測定すると
ともに、充放電性能の保存性を調べたところ、次表の結
果が得られた。なお、この保存性は、上記フローテイン
グ後に充電終止電圧3.3V、放電終止電圧2.0V、充放電電
流0.5mAとして充放電試験を行つて電池容量を測定し、
この測定値をフローテイング前の初期容量に対する割合
(%)として示した。
上表の結果から、従来構成の電池Cでは、フローテイン
グ電圧が大きくなるほど、フローテイング後の開路電圧
および電池容量が著しく低下し、耐久性に問題があるこ
とが判る。これに対し、この発明の電池A,Bでは、フロ
ーテイング電圧が大きくなつても開路電圧および電池容
量の低下は非常に少なく、耐久性にすぐれて長寿命であ
ることが明らかである。
なお、これら電池A,B,Cについて、上記の3.5Vおよび3.7
Vのフローテイング後に電池を分解したところ、電池A,B
では全く異常はなかつたが、電池Cではセパレータ上に
黒い析出物が認められ、この析出物は蛍光X線分析によ
つてステンレス鋼成分の析出物であることが確認され
た。このことから、従来構成の電池Cでは、高電圧放電
によつて正極端子板の内面に孔食腐蝕を生じ、溶出した
ステンレス鋼成分が負極側に析出してセパレータを貫通
する結果、内部短絡による自己放電が促進されて耐久性
の低下を招いていることが判る。
【図面の簡単な説明】
第1図および第2図はこの発明のポリアニリン電池の構
造例を示す縦断面図である。 1,11……正極端子板(正極集電体)、2……負極端子
板、5……正極、6……負極、7……セパレータ、12…
…箔(正極集電体)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリアニリンを正極、リチウムまたはリチ
    ウム合金を負極とし、電解液として非水有機電解液を使
    用したポリアニリン電池において、正極集電体の少なく
    とも上記正極との接触部分がCrを18〜20重量%、Moを1.
    75〜2.25重量%、TiとNbとを合量で0.3〜1.0重量%含有
    し、かつCとNをそれぞれ0.02重量%以下としたフエラ
    イト系ステンレス鋼にて構成されていることを特徴とす
    るポリアニリン電池。
  2. 【請求項2】非水有機電解液が電解質として含フツ素リ
    チウム塩を溶解したものからなる請求項(1)に記載の
    ポリアニリン電池。
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