JPH0711036B2 - 連続焼鈍による非時効・深絞り用冷延鋼板の製造方法 - Google Patents
連続焼鈍による非時効・深絞り用冷延鋼板の製造方法Info
- Publication number
- JPH0711036B2 JPH0711036B2 JP24495088A JP24495088A JPH0711036B2 JP H0711036 B2 JPH0711036 B2 JP H0711036B2 JP 24495088 A JP24495088 A JP 24495088A JP 24495088 A JP24495088 A JP 24495088A JP H0711036 B2 JPH0711036 B2 JP H0711036B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- temperature
- aging
- cooling
- continuous annealing
- cold
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Heat Treatment Of Sheet Steel (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は製鋼でのIF鋼(Interstitial Free Steel)
(製鋼で炭素を極く低いレベルである数十ppmまで低下
させさらに炭素と親和力の強いTiやNbを添加して鋼中の
固溶炭素及び窒素を完全になくした鋼)によらずに、す
なわち低炭素Alキルド鋼を用い、さらに従来行なわれて
いた熱延高温巻取処理を行なわずに、箱焼鈍材なみの非
時効性と加工性を兼ね備えたJIS・G3141第3種深絞り用
冷延鋼板「記号SPCE」を連続焼鈍にて製造する方法に係
わる。
(製鋼で炭素を極く低いレベルである数十ppmまで低下
させさらに炭素と親和力の強いTiやNbを添加して鋼中の
固溶炭素及び窒素を完全になくした鋼)によらずに、す
なわち低炭素Alキルド鋼を用い、さらに従来行なわれて
いた熱延高温巻取処理を行なわずに、箱焼鈍材なみの非
時効性と加工性を兼ね備えたJIS・G3141第3種深絞り用
冷延鋼板「記号SPCE」を連続焼鈍にて製造する方法に係
わる。
連続焼鈍によるSPCE級の製造はもっぱらIF鋼によってい
た。このIF鋼は特公昭44-18066号公報記載の発明を基本
とし、多くの改善・改良発明がなされている。しかし、
IF鋼は製鋼での真空脱ガス処理に長時間を要し経済的に
は従来法である箱焼鈍Alキルド鋼より劣るという状況で
ある。また、製鋼設備に大きな制約が必要となる。IF鋼
によらず通常のAlキルド鋼で連続焼鈍SPCE級を製造する
ことも試みられたが、この場合大きく分けて二つの問題
があった。一つは連続焼鈍のような急速加熱短時間焼鈍
では結晶粒成長が不十分でSPCE級の加工性、具体的には
値(ランクフォード値とも呼ばれ、[板幅対数ひず
み]/[板厚対数ひずみ]で定義され、深絞り性を表し
結晶集合組織に依存する)や伸び値(延性、n値やElで
表される)を付与させられなかった。二つ目は炭素時効
問題である。炭素は室温付近での固溶限が極めて小さく
十分時間をかけて冷却する箱焼鈍では事実上残存せず時
効の問題はない。連続焼鈍では短時間に炭素をセメンタ
イトとして析出させるため急冷・過時効処理が行われる
が箱焼鈍材なみの非時効とするには極めて不十分であっ
た。
た。このIF鋼は特公昭44-18066号公報記載の発明を基本
とし、多くの改善・改良発明がなされている。しかし、
IF鋼は製鋼での真空脱ガス処理に長時間を要し経済的に
は従来法である箱焼鈍Alキルド鋼より劣るという状況で
ある。また、製鋼設備に大きな制約が必要となる。IF鋼
によらず通常のAlキルド鋼で連続焼鈍SPCE級を製造する
ことも試みられたが、この場合大きく分けて二つの問題
があった。一つは連続焼鈍のような急速加熱短時間焼鈍
では結晶粒成長が不十分でSPCE級の加工性、具体的には
値(ランクフォード値とも呼ばれ、[板幅対数ひず
み]/[板厚対数ひずみ]で定義され、深絞り性を表し
結晶集合組織に依存する)や伸び値(延性、n値やElで
表される)を付与させられなかった。二つ目は炭素時効
問題である。炭素は室温付近での固溶限が極めて小さく
十分時間をかけて冷却する箱焼鈍では事実上残存せず時
効の問題はない。連続焼鈍では短時間に炭素をセメンタ
イトとして析出させるため急冷・過時効処理が行われる
が箱焼鈍材なみの非時効とするには極めて不十分であっ
た。
これらの課題に対して近年多くの発明がなされている。
前者に対しては熱延高温巻取がある。特公昭55-14849号
公報および特公昭55-22533号公報記載の発明のようにAl
キルド鋼を熱延後720℃や735℃以上の高温(通常550〜6
50℃)に巻取ることで冷延後の粒成長性を高め軟質・高
い値とするものである。また後者に対しては連続焼鈍
の急冷・過時効処理を適性化することで固溶炭素を低減
させ時効性を抑制することを目的として多くの発明がな
されている。近年この技術は急速に発達し、特開昭61-2
76935号公報記載の発明では時効指数で3kgf/mm2以内
(残留固溶炭素量で5ppm以内)に低減させ得るようにな
った。以上のような技術を組み合わせればSPCE級冷延鋼
板を箱焼鈍Alキルド鋼に近い成分で製造可能であるが、
これら公知技術はなお以下に述べる欠点を有している。
それは熱延高温巻取に伴う問題と、耐時効性の到達レベ
ルである。高温巻取の効果としては巻取後の徐冷中に不
純物が析出・粗大化して無害化され、そのため急速短時
間焼鈍でも粒成長性が改良されるものと考察されるが、
熱延コイルの端部ではこの効果が及ばず、その結果コイ
ル端部は材質の向上が伴わない。したがってこの部分は
切り捨てる必要があり数%〜10%の歩留低下となってい
た。さらに熱延コイルが高温に曝されるためスケールの
生成量が増し酸洗性が大幅に低下するという欠点もあっ
た。また、時効性に関しては炭素時効の問題のない箱焼
鈍と同等の非時効性とするには時効指数で2kgf/mm2以内
とする必要があることが判明し、これは残留固溶炭素量
で2ppm以内という値であり、上記技術にて到達したレベ
ルをさらに50%以上改善する必要がある。
前者に対しては熱延高温巻取がある。特公昭55-14849号
公報および特公昭55-22533号公報記載の発明のようにAl
キルド鋼を熱延後720℃や735℃以上の高温(通常550〜6
50℃)に巻取ることで冷延後の粒成長性を高め軟質・高
い値とするものである。また後者に対しては連続焼鈍
の急冷・過時効処理を適性化することで固溶炭素を低減
させ時効性を抑制することを目的として多くの発明がな
されている。近年この技術は急速に発達し、特開昭61-2
76935号公報記載の発明では時効指数で3kgf/mm2以内
(残留固溶炭素量で5ppm以内)に低減させ得るようにな
った。以上のような技術を組み合わせればSPCE級冷延鋼
板を箱焼鈍Alキルド鋼に近い成分で製造可能であるが、
これら公知技術はなお以下に述べる欠点を有している。
それは熱延高温巻取に伴う問題と、耐時効性の到達レベ
ルである。高温巻取の効果としては巻取後の徐冷中に不
純物が析出・粗大化して無害化され、そのため急速短時
間焼鈍でも粒成長性が改良されるものと考察されるが、
熱延コイルの端部ではこの効果が及ばず、その結果コイ
ル端部は材質の向上が伴わない。したがってこの部分は
切り捨てる必要があり数%〜10%の歩留低下となってい
た。さらに熱延コイルが高温に曝されるためスケールの
生成量が増し酸洗性が大幅に低下するという欠点もあっ
た。また、時効性に関しては炭素時効の問題のない箱焼
鈍と同等の非時効性とするには時効指数で2kgf/mm2以内
とする必要があることが判明し、これは残留固溶炭素量
で2ppm以内という値であり、上記技術にて到達したレベ
ルをさらに50%以上改善する必要がある。
特願昭62-332760号にて提案された発明ではA.I≦2kgf/m
m2の耐時効性と低温巻取とを両立させているが、この場
合10分程度の長い過時効が必須で特殊な設備を要し、非
経済的な設備費を必要とする。
m2の耐時効性と低温巻取とを両立させているが、この場
合10分程度の長い過時効が必須で特殊な設備を要し、非
経済的な設備費を必要とする。
(発明が解決しようとする課題) 本発明は従来技術のこのような欠点を克服し低炭素Alキ
ルド鋼を用い、熱延高温巻取を施さずにSPCE級の加工性
と非時効性を兼ね備えた冷延鋼板を連続焼鈍にて製造す
る方法を提供するものである。即ち、これにより真に箱
焼鈍なみのSPCE級冷延鋼板を連続焼鈍で供給可能にしよ
うとするものである。具体的には加工性として値=1.
7(≧1.5)、降伏点強度YP=17kg/mm2(≦19kg/mm2)、
伸びEl=45%(≧43%)(ただしElは板厚依存性がある
のでこの値は0.8mm相当である)、また耐時効性は時効
指数で2kg/mm2以内の各値を満たす冷延鋼板の製造法で
ある。
ルド鋼を用い、熱延高温巻取を施さずにSPCE級の加工性
と非時効性を兼ね備えた冷延鋼板を連続焼鈍にて製造す
る方法を提供するものである。即ち、これにより真に箱
焼鈍なみのSPCE級冷延鋼板を連続焼鈍で供給可能にしよ
うとするものである。具体的には加工性として値=1.
7(≧1.5)、降伏点強度YP=17kg/mm2(≦19kg/mm2)、
伸びEl=45%(≧43%)(ただしElは板厚依存性がある
のでこの値は0.8mm相当である)、また耐時効性は時効
指数で2kg/mm2以内の各値を満たす冷延鋼板の製造法で
ある。
(課題を解決するための手段) 本発明の要旨は下記のとおりである。
C:0.008〜0.025%、Mn:0.05〜0.15%、P≦0.012%、S:
0.004〜0.015%、酸可溶Al:0.05〜0.15%、N≦0.0020
%を含み、残部Feおよび不可避的不純物からなる鋼をAr
3変態点以上で熱間圧延を行ない、620〜670℃で巻取
り、続いて冷延−連続焼鈍を行うにあたり、焼鈍・均熱
を760〜850℃、40秒〜3分とし、その後650〜730℃まで
3〜20℃/secで冷却し、この温度域より1000℃/sec以下
の冷却速度(v)で急冷し、続いて温度T0(℃)で30秒
以内保定してセメンタイトの核生成を行なわせ、その
際、前記温度T0(℃)を200℃以上で−70×{log(v/10
00)}2+340で計算される値(℃)以下とし、引き続
き300〜370℃の間の温度T1(℃)まで3℃/sec以上で再
加熱し、次いで250〜290℃の間の温度T2(℃)まで時間
tOA(秒)として180〜350秒間冷却するに際し、温度T
(℃)〜時間t(秒)の関係を、 で表したときに指数nが1〜8となるような冷却曲線内
で冷却することを特徴とする連続焼鈍による非時効・深
絞り用冷延鋼板の製造方法。
0.004〜0.015%、酸可溶Al:0.05〜0.15%、N≦0.0020
%を含み、残部Feおよび不可避的不純物からなる鋼をAr
3変態点以上で熱間圧延を行ない、620〜670℃で巻取
り、続いて冷延−連続焼鈍を行うにあたり、焼鈍・均熱
を760〜850℃、40秒〜3分とし、その後650〜730℃まで
3〜20℃/secで冷却し、この温度域より1000℃/sec以下
の冷却速度(v)で急冷し、続いて温度T0(℃)で30秒
以内保定してセメンタイトの核生成を行なわせ、その
際、前記温度T0(℃)を200℃以上で−70×{log(v/10
00)}2+340で計算される値(℃)以下とし、引き続
き300〜370℃の間の温度T1(℃)まで3℃/sec以上で再
加熱し、次いで250〜290℃の間の温度T2(℃)まで時間
tOA(秒)として180〜350秒間冷却するに際し、温度T
(℃)〜時間t(秒)の関係を、 で表したときに指数nが1〜8となるような冷却曲線内
で冷却することを特徴とする連続焼鈍による非時効・深
絞り用冷延鋼板の製造方法。
以下、本発明を詳細に説明する。
連続焼鈍にて十分な粒成長性を付与させるには熱延板の
炭化物を十分凝集・粗大化し大部分の結晶粒界には炭化
物が存在しない状態にしておく必要がある。それととも
に再結晶焼鈍時、最も有害な析出物である窒化アルミニ
ウム(AlN)を無害化するために、やはり熱延板の状態
で十分AlNを析出・粗大化しておく必要がある。この二
つの作用が熱延高温巻取の効果と考えられるが、その状
況を第1図に示す。
炭化物を十分凝集・粗大化し大部分の結晶粒界には炭化
物が存在しない状態にしておく必要がある。それととも
に再結晶焼鈍時、最も有害な析出物である窒化アルミニ
ウム(AlN)を無害化するために、やはり熱延板の状態
で十分AlNを析出・粗大化しておく必要がある。この二
つの作用が熱延高温巻取の効果と考えられるが、その状
況を第1図に示す。
図より冷延・連続焼鈍後の値が主としてこの二つの要
因で律せられている様子がわかる。この図より熱延板中
での炭化物凝集はランク「3」以上、固溶窒素量は10pp
m以内好ましくは5ppm以内とする必要があることがわか
る。
因で律せられている様子がわかる。この図より熱延板中
での炭化物凝集はランク「3」以上、固溶窒素量は10pp
m以内好ましくは5ppm以内とする必要があることがわか
る。
なお炭化物凝集のランクは数値の大きいほどその程度が
大きい。各ランクに応じた標準的な炭化物の光学顕微鏡
写真をもとにした模式図を第4図に示す。つぎに巻取温
度が670℃以下という条件で、炭化物凝集、固溶窒素低
減という二つの特性値が一定値以上になる条件を求める
ために以下の実験を行なった。
大きい。各ランクに応じた標準的な炭化物の光学顕微鏡
写真をもとにした模式図を第4図に示す。つぎに巻取温
度が670℃以下という条件で、炭化物凝集、固溶窒素低
減という二つの特性値が一定値以上になる条件を求める
ために以下の実験を行なった。
第2図は巻取温度670〜620℃で炭化物凝集におよぼす炭
素量、Mn量、P量の影響を調べた結果を示す(図中の記
号は下記表の意味を有する)。
素量、Mn量、P量の影響を調べた結果を示す(図中の記
号は下記表の意味を有する)。
炭素量が少ないほど炭化物は凝集するが低Mnかつ/もし
くは低Pも炭化物の凝集化の必要条件であることがわか
る。この図より炭化物の凝集度「3」以上を得るにはC
≦0.025%、Mn≦0.15%、P≦0.012%とする必要があ
る。安定して凝集度「3」以上を得るにはC≦0.02%、
Mn≦0.12%、かつ/またはP≦0.008%とすることが好
ましい。
くは低Pも炭化物の凝集化の必要条件であることがわか
る。この図より炭化物の凝集度「3」以上を得るにはC
≦0.025%、Mn≦0.15%、P≦0.012%とする必要があ
る。安定して凝集度「3」以上を得るにはC≦0.02%、
Mn≦0.12%、かつ/またはP≦0.008%とすることが好
ましい。
つぎに熱延板処理の状態を表わすもう一つの要件、熱延
板固溶窒素量に対する条件について述べる。第3図は熱
延板固溶窒素量に対する酸可溶Al量の影響を調べた図で
ある。全窒素含有量を20ppm以下と20ppm超とに層別し、
また、巻取温度を640〜655℃のグループと730〜750℃の
グループに層別して表わした。高温巻取、低窒素含有量
ほど熱延板固溶窒素量は減少する。650℃前後の巻取温
度で熱延板固溶窒素量を10ppm以下にするには全窒素含
有量を20ppm以下とし、かつ酸可溶Alを0.05%以上とす
る必要があることがわかる。
板固溶窒素量に対する条件について述べる。第3図は熱
延板固溶窒素量に対する酸可溶Al量の影響を調べた図で
ある。全窒素含有量を20ppm以下と20ppm超とに層別し、
また、巻取温度を640〜655℃のグループと730〜750℃の
グループに層別して表わした。高温巻取、低窒素含有量
ほど熱延板固溶窒素量は減少する。650℃前後の巻取温
度で熱延板固溶窒素量を10ppm以下にするには全窒素含
有量を20ppm以下とし、かつ酸可溶Alを0.05%以上とす
る必要があることがわかる。
以上C,Mn,P,Nの上限およびAlの下限規定の理由と数値限
定理由について述べた。さてAlキルド鋼による連続焼鈍
冷延鋼板の製造にあたってのもう一つの課題、耐時効性
に対しては本発明においても炭素の過時効中における時
効析出を利用する。その詳細は再結晶焼鈍後フェライト
結晶粒内に微細にセメンタイトを核発生させ析出に必要
な拡散距離を短くして続く過時効過程で固溶炭素を極力
減少しようとするものである。このため成分および連続
焼鈍の再結晶焼鈍後の急冷・過冷、小規模再加熱、過時
効パターンを特定している。特に本発明では箱焼鈍材並
みの完全非時効を目標としており、そのため急冷速度に
見合った低温保定による核生成段階、再加熱後特定の傾
斜過時効パターン等からなっている。以下、既述した要
件以外の要件の説明とその数値限定理由について述べ
る。
定理由について述べた。さてAlキルド鋼による連続焼鈍
冷延鋼板の製造にあたってのもう一つの課題、耐時効性
に対しては本発明においても炭素の過時効中における時
効析出を利用する。その詳細は再結晶焼鈍後フェライト
結晶粒内に微細にセメンタイトを核発生させ析出に必要
な拡散距離を短くして続く過時効過程で固溶炭素を極力
減少しようとするものである。このため成分および連続
焼鈍の再結晶焼鈍後の急冷・過冷、小規模再加熱、過時
効パターンを特定している。特に本発明では箱焼鈍材並
みの完全非時効を目標としており、そのため急冷速度に
見合った低温保定による核生成段階、再加熱後特定の傾
斜過時効パターン等からなっている。以下、既述した要
件以外の要件の説明とその数値限定理由について述べ
る。
Cの下限は時効性の観点から制限される。すなわち過時
効析出にあたっては析出の駆動力を増すためCの過飽和
度を増す必要があるがC含有量が少ないといくら焼鈍後
急冷を施してもCの過飽和度は増大しない。この意味で
Cは0.008%以上とする必要がある。過飽和度を安定し
て確保するためには0.012%以上含有させることが好ま
しい。
効析出にあたっては析出の駆動力を増すためCの過飽和
度を増す必要があるがC含有量が少ないといくら焼鈍後
急冷を施してもCの過飽和度は増大しない。この意味で
Cは0.008%以上とする必要がある。過飽和度を安定し
て確保するためには0.012%以上含有させることが好ま
しい。
Mnの下限およびSの上限はFeS生成防止の観点から制限
される。すなわちMn/Sの比が小さいとSはFeSとなって
析出しこれが熱間脆性をもたらす。そのためMnは0.05%
以上、Sは0.015%以下とする必要がある。一方、Sの
下限は適当なMnS確保のため制限される。すなわちMnSは
粒内に析出するセメンタイトの析出サイトであり、MnS
を適当に分散させることにより、セメンタイトの核発生
密度を適度に高め炭素の拡散距離を短くし拡散に要する
時間を短くして非時効化を促進する。このためSは0.00
4%以上とする。
される。すなわちMn/Sの比が小さいとSはFeSとなって
析出しこれが熱間脆性をもたらす。そのためMnは0.05%
以上、Sは0.015%以下とする必要がある。一方、Sの
下限は適当なMnS確保のため制限される。すなわちMnSは
粒内に析出するセメンタイトの析出サイトであり、MnS
を適当に分散させることにより、セメンタイトの核発生
密度を適度に高め炭素の拡散距離を短くし拡散に要する
時間を短くして非時効化を促進する。このためSは0.00
4%以上とする。
酸可溶Alは上述のように熱延巻取時にAlN析出を促進す
るために0.05%以上とする必要があるがあまり多すぎる
と鋼を硬質にし、また値を劣化させるので0.15%以内
とする必要がある。
るために0.05%以上とする必要があるがあまり多すぎる
と鋼を硬質にし、また値を劣化させるので0.15%以内
とする必要がある。
つぎに工程に関する要件について述べる。
熱延はAr3変態点以上で終了しなければならない。これ
より低い温度で熱延を行なうと表層に粗大粒が発生した
り加工組織が生じこれらは冷延−再結晶焼鈍後の集合組
織形成に悪影響を与える。
より低い温度で熱延を行なうと表層に粗大粒が発生した
り加工組織が生じこれらは冷延−再結晶焼鈍後の集合組
織形成に悪影響を与える。
巻取温度は620〜670℃とする。巻取温度は本発明にあっ
ては下げることができることに特徴があり、高温巻取に
起因する作業阻害やコストアップが避けられる。670℃
超では低温巻取化の効果がない。しかしながら620℃未
満では上述の炭化物凝集やAlNの析出が生じ難いため620
℃以上の温度は確保する必要がある。好ましくは630〜6
60℃の範囲である。
ては下げることができることに特徴があり、高温巻取に
起因する作業阻害やコストアップが避けられる。670℃
超では低温巻取化の効果がない。しかしながら620℃未
満では上述の炭化物凝集やAlNの析出が生じ難いため620
℃以上の温度は確保する必要がある。好ましくは630〜6
60℃の範囲である。
熱延後コイル状に巻かれた鋼板はその後酸洗、冷延され
続いて連続焼鈍される。連続焼鈍の均熱は760〜850℃、
40秒〜3分とする。下限値未満では十分な粒成長が生じ
ず硬質かつ低値となる。一方、850℃超では均熱中の
γの量が増しこのγが再びフェライトに変態するときに
集合組織がランダムとなり値を低下させる。また均熱
時間の上限は通常の連続焼鈍で採られている3分程度で
ある。
続いて連続焼鈍される。連続焼鈍の均熱は760〜850℃、
40秒〜3分とする。下限値未満では十分な粒成長が生じ
ず硬質かつ低値となる。一方、850℃超では均熱中の
γの量が増しこのγが再びフェライトに変態するときに
集合組織がランダムとなり値を低下させる。また均熱
時間の上限は通常の連続焼鈍で採られている3分程度で
ある。
つぎに急冷・低温核生成保定・再加熱過時効の各条件は
本発明にあっては耐時効性を確保するうえで(さらには
加工性との両立のうえで)極めて重要な要件とする。急
冷によりCの過飽和度を高め、続く低温保定域で、成分
および熱延条件調整により適度に分散させたMnS上にセ
メンタイト核を発生させる。その後小規模再加熱し適当
な傾斜過時効処理により核を成長させ、固溶炭素を速や
かに低減させる。急冷に先だって炭化物を一旦溶解させ
ておく必要がある。そのため均熱温度から650〜730℃の
温度域まで3〜20℃/secの冷却速度で徐冷する必要があ
る。この条件をはずすと急冷開始時の炭素の溶解量が不
足し急冷の意味がなくなる。
本発明にあっては耐時効性を確保するうえで(さらには
加工性との両立のうえで)極めて重要な要件とする。急
冷によりCの過飽和度を高め、続く低温保定域で、成分
および熱延条件調整により適度に分散させたMnS上にセ
メンタイト核を発生させる。その後小規模再加熱し適当
な傾斜過時効処理により核を成長させ、固溶炭素を速や
かに低減させる。急冷に先だって炭化物を一旦溶解させ
ておく必要がある。そのため均熱温度から650〜730℃の
温度域まで3〜20℃/secの冷却速度で徐冷する必要があ
る。この条件をはずすと急冷開始時の炭素の溶解量が不
足し急冷の意味がなくなる。
つぎにこの温度から1000℃/sec以下の冷却速度v(℃/
s)で、200℃以上、[‐70×{log(v/1000)}2+34
0](℃)以下の温度T0(℃)まで急冷しこの温度で30
秒以内、好ましくは5〜30秒保定する。vが1000℃/sec
超となると焼入れのため転位密度が高まり、鋼の延性を
損ねる。また、鋼板形状を保つことも難しい。vが小さ
くなるほど、核生成のための保定温度は低くしなければ
ならない。上式で示される上限値を超えると十分な粒内
セメンタイトの核生成が生じない。また、200℃未満で
はマトリックスと整合度の大きい微細なセメンタイトや
ε炭化物が生成し、やはり鋼の延性を損ねる。核生成の
ための保定時間は30秒以内とする。30秒の上限値で飽和
傾向にあり、むやみに長くすることは経済性を損なう。
s)で、200℃以上、[‐70×{log(v/1000)}2+34
0](℃)以下の温度T0(℃)まで急冷しこの温度で30
秒以内、好ましくは5〜30秒保定する。vが1000℃/sec
超となると焼入れのため転位密度が高まり、鋼の延性を
損ねる。また、鋼板形状を保つことも難しい。vが小さ
くなるほど、核生成のための保定温度は低くしなければ
ならない。上式で示される上限値を超えると十分な粒内
セメンタイトの核生成が生じない。また、200℃未満で
はマトリックスと整合度の大きい微細なセメンタイトや
ε炭化物が生成し、やはり鋼の延性を損ねる。核生成の
ための保定時間は30秒以内とする。30秒の上限値で飽和
傾向にあり、むやみに長くすることは経済性を損なう。
核生成終了後過時効開始温度T1(℃)まで3℃/sec以上
の昇温速度で昇温する。3/sec未満では昇温に時間がか
かりすぎて経済性を損なう。なお上限は現在の工業レベ
ルから50℃/sec程度と考えられる。昇温後核生成した炭
化物の最短時間成長を行なわせるため特定の温度と時間
の関係を採りながら冷却する。この条件は炭素の拡散の
温度依存性とセメンタイトの固溶限の温度依存性とから
高温からけん垂線状に冷却することが良いと考えられ
る。
の昇温速度で昇温する。3/sec未満では昇温に時間がか
かりすぎて経済性を損なう。なお上限は現在の工業レベ
ルから50℃/sec程度と考えられる。昇温後核生成した炭
化物の最短時間成長を行なわせるため特定の温度と時間
の関係を採りながら冷却する。この条件は炭素の拡散の
温度依存性とセメンタイトの固溶限の温度依存性とから
高温からけん垂線状に冷却することが良いと考えられ
る。
この条件を明らかにするために本発明にしたがった成分
および熱延条件のもとで製造された試料を用い、種々の
連続焼鈍条件のもとで焼鈍した。焼鈍は赤外線加熱方式
で、冷却をガスジェットや気水により行ない、冷却中の
温度をフィードバックして冷却温度を制御できる熱処理
設備により検討した。試行錯誤を繰返し、種々検討した
結果、つぎの実験式で冷却パターンを表わすことが良い
ことが判明した。
および熱延条件のもとで製造された試料を用い、種々の
連続焼鈍条件のもとで焼鈍した。焼鈍は赤外線加熱方式
で、冷却をガスジェットや気水により行ない、冷却中の
温度をフィードバックして冷却温度を制御できる熱処理
設備により検討した。試行錯誤を繰返し、種々検討した
結果、つぎの実験式で冷却パターンを表わすことが良い
ことが判明した。
この式の冷却パターンを一例として、T1=340℃、T2=2
70℃、tOA=200秒の場合について、nを0.1〜15に変化
させた結果を第5図に示す。nの影響を明らかにするた
め、T1T2、t0Aを種々変化させてnと時効性との関係を
調べた。焼鈍条件は、800℃、50秒均熱後700℃まで3℃
/secで冷却し、続いて110℃/secの冷却速度で250℃まで
冷却しこの温度で3秒保定し、次いで30℃/secでT1温度
まで昇温するという内容である。焼鈍後1%の調質圧延
を行ない材料の時効指数を測定した。結果を第6図に示
す。nが大きいと時効指数は非常に大きくなるが一方、
nが小さすぎてもA.I≦2kgf/mm2とはならない。このよ
うにnの影響は大きく、またnには最適な範囲が存在す
る。もちろんtOAは長い方が安定して低A.Iとなる。この
結果より指数nとして、1〜8でA.I=2kgf/mm2以内と
なるので、このnの値を構成要件の一つとする。他の条
件の変動等に対してより安定してA.I≦2kgf/mm2を得る
ためにn=1〜5の条件とすることがより好ましい。
70℃、tOA=200秒の場合について、nを0.1〜15に変化
させた結果を第5図に示す。nの影響を明らかにするた
め、T1T2、t0Aを種々変化させてnと時効性との関係を
調べた。焼鈍条件は、800℃、50秒均熱後700℃まで3℃
/secで冷却し、続いて110℃/secの冷却速度で250℃まで
冷却しこの温度で3秒保定し、次いで30℃/secでT1温度
まで昇温するという内容である。焼鈍後1%の調質圧延
を行ない材料の時効指数を測定した。結果を第6図に示
す。nが大きいと時効指数は非常に大きくなるが一方、
nが小さすぎてもA.I≦2kgf/mm2とはならない。このよ
うにnの影響は大きく、またnには最適な範囲が存在す
る。もちろんtOAは長い方が安定して低A.Iとなる。この
結果より指数nとして、1〜8でA.I=2kgf/mm2以内と
なるので、このnの値を構成要件の一つとする。他の条
件の変動等に対してより安定してA.I≦2kgf/mm2を得る
ためにn=1〜5の条件とすることがより好ましい。
つぎに過時効冷却開始温度T1は300〜370℃とする必要が
ある。300℃未満では炭素の拡散が遅く、析出に時間を
要し傾斜過時効の意味合いが薄れる。370℃を超えると
再加熱に要するエネルギーが増し、経済性を損ねる。過
時効時間t0Aは180〜350秒とする。180秒未満では如何に
最適冷却パターンを採ってもA.I≦2kgf/mm2を安定して
得ることは難しい。過時効時間t0Aは長ければ長いほど
容易に非時効化しやすいが、設備が長大になるばかりで
ある。現在通常採られている縦型ハースロールによる連
続焼鈍炉では経済性を考慮すれば350秒程度が最長と考
えられる。過時効終了温度T2は250〜290℃とする。250
℃未満では炭素の拡散は事実上生じない程度に遅く、こ
の温度域に保持することは無駄である。また上限は290
℃とする。これはA.I≦2kgf/mm2に対応する炭素の平衡
固溶限温度が290℃強であり。この温度以上にいくら保
持してもA.I≦2kgf/mm2とは原理上なりえない。
ある。300℃未満では炭素の拡散が遅く、析出に時間を
要し傾斜過時効の意味合いが薄れる。370℃を超えると
再加熱に要するエネルギーが増し、経済性を損ねる。過
時効時間t0Aは180〜350秒とする。180秒未満では如何に
最適冷却パターンを採ってもA.I≦2kgf/mm2を安定して
得ることは難しい。過時効時間t0Aは長ければ長いほど
容易に非時効化しやすいが、設備が長大になるばかりで
ある。現在通常採られている縦型ハースロールによる連
続焼鈍炉では経済性を考慮すれば350秒程度が最長と考
えられる。過時効終了温度T2は250〜290℃とする。250
℃未満では炭素の拡散は事実上生じない程度に遅く、こ
の温度域に保持することは無駄である。また上限は290
℃とする。これはA.I≦2kgf/mm2に対応する炭素の平衡
固溶限温度が290℃強であり。この温度以上にいくら保
持してもA.I≦2kgf/mm2とは原理上なりえない。
本発明の鋼は通常転炉にて出鋼され、場合によっては取
鍋精錬され、その後場合によっては真空脱ガスにより成
分調整されスラブとされる。スラブは冷却されて続いて
加熱炉を経て熱延されるが、スラブの温間挿入や加熱炉
を経ない直送圧延でも差し支えない。加熱する場合加熱
温度は1000〜1300℃が通常である。1070℃以下の低温に
加熱し熱延することが材料の軟質化という面から好まし
い条件である。熱延仕上終了温度および巻取温度につい
ては前記のとおりであるが仕上終了から巻取までのROT
(Run Out Table)での冷却は平均冷却速度で20℃/sec
未満の徐冷の方が炭化物凝集の点で好ましい。熱延コイ
ルは冷却された後酸洗され冷延されるが冷延率は通常と
同じ60〜85%で良い。ただ本発明の鋼は値の冷延率依
存性が高冷延率側にシフトしておりこの意味からは77%
以上の高冷延圧下とすることが好ましい。
鍋精錬され、その後場合によっては真空脱ガスにより成
分調整されスラブとされる。スラブは冷却されて続いて
加熱炉を経て熱延されるが、スラブの温間挿入や加熱炉
を経ない直送圧延でも差し支えない。加熱する場合加熱
温度は1000〜1300℃が通常である。1070℃以下の低温に
加熱し熱延することが材料の軟質化という面から好まし
い条件である。熱延仕上終了温度および巻取温度につい
ては前記のとおりであるが仕上終了から巻取までのROT
(Run Out Table)での冷却は平均冷却速度で20℃/sec
未満の徐冷の方が炭化物凝集の点で好ましい。熱延コイ
ルは冷却された後酸洗され冷延されるが冷延率は通常と
同じ60〜85%で良い。ただ本発明の鋼は値の冷延率依
存性が高冷延率側にシフトしておりこの意味からは77%
以上の高冷延圧下とすることが好ましい。
つぎに本発明を実施例にて説明する。
〔実施例−1〕 第1表に示す化学成分を有する鋼を転炉にて出鋼し、連
続鋳造にてスラブとした後、1030〜1050℃に加熱し仕上
終了温度が860〜880℃、板厚4.0mmとなるように熱延を
行ない続いてROT(ラン.アウト.テーブル)で平均冷
却速度が15℃/secとなる冷却を行ない、その後640〜660
℃でコイルに巻き取った。酸洗後0.8mmまで冷延を行な
い続いて連続焼鈍を行なった。連続焼鈍条件は、焼鈍温
度:820℃、均熱:1min、最初の徐冷:690℃まで5.5℃/sで
冷却、急冷:250℃まで120℃/secで冷却、過冷条件:250
℃で2秒保定、再加熱速度:30℃/sec、傾斜条件(T1,
T2,tOA,n):変化、T2温度からは水冷、とした。その
後1%の伸び率でスキンパス圧延を行なって試験に供し
た。傾斜条件の組み合わせを第2表に示す。
続鋳造にてスラブとした後、1030〜1050℃に加熱し仕上
終了温度が860〜880℃、板厚4.0mmとなるように熱延を
行ない続いてROT(ラン.アウト.テーブル)で平均冷
却速度が15℃/secとなる冷却を行ない、その後640〜660
℃でコイルに巻き取った。酸洗後0.8mmまで冷延を行な
い続いて連続焼鈍を行なった。連続焼鈍条件は、焼鈍温
度:820℃、均熱:1min、最初の徐冷:690℃まで5.5℃/sで
冷却、急冷:250℃まで120℃/secで冷却、過冷条件:250
℃で2秒保定、再加熱速度:30℃/sec、傾斜条件(T1,
T2,tOA,n):変化、T2温度からは水冷、とした。その
後1%の伸び率でスキンパス圧延を行なって試験に供し
た。傾斜条件の組み合わせを第2表に示す。
引張試験はJISZ2201,5号試験片を用い同Z2241記載の方
法に従って行ない降伏点強度(YP)、引張強度(TS)お
よび伸び(El)を求めた。n値は5%−10%の荷重を読
み取りn乗硬化則が成り立つとして計算し求めた。値
は15%ひずみの値で計算し面内平均を取った。次に時効
性に関してはまず100℃、60min人工促進時効後の降伏点
伸び(YP-El)を測定した。また時効指数(A.I)および
固溶炭素量も求めた。A.Iは10%予ひずみ後100℃、60mi
nの時効を行ない、この時効前後での降伏点強度の上昇
分で示す。また固溶炭素量は内部摩擦測定によりSnoek
ピーク高さを求めこれに1.3を乗じて固溶炭素量(単位
はppm)とした。
法に従って行ない降伏点強度(YP)、引張強度(TS)お
よび伸び(El)を求めた。n値は5%−10%の荷重を読
み取りn乗硬化則が成り立つとして計算し求めた。値
は15%ひずみの値で計算し面内平均を取った。次に時効
性に関してはまず100℃、60min人工促進時効後の降伏点
伸び(YP-El)を測定した。また時効指数(A.I)および
固溶炭素量も求めた。A.Iは10%予ひずみ後100℃、60mi
nの時効を行ない、この時効前後での降伏点強度の上昇
分で示す。また固溶炭素量は内部摩擦測定によりSnoek
ピーク高さを求めこれに1.3を乗じて固溶炭素量(単位
はppm)とした。
試験結果を第3表に示す。この表から明らかなように本
発明にしたがった鋼B,D,G,JおよびKは、熱延が650℃前
後の低温巻取にもかかわらず、加工性、時効性ともに箱
焼鈍材並みの良好な特性を示すのに対し鋼A,C,Eおよび
Iでは硬質で低値となっている。また、鋼E,Fおよび
Hでは時効性が大きい。ただし傾斜条件のはずれた鋼B
およびJの内条件dについては時効性が不良である。
発明にしたがった鋼B,D,G,JおよびKは、熱延が650℃前
後の低温巻取にもかかわらず、加工性、時効性ともに箱
焼鈍材並みの良好な特性を示すのに対し鋼A,C,Eおよび
Iでは硬質で低値となっている。また、鋼E,Fおよび
Hでは時効性が大きい。ただし傾斜条件のはずれた鋼B
およびJの内条件dについては時効性が不良である。
[実施例−2] 第1表に示す鋼の一部を用いて第4表に示す熱延条件お
よび連続焼鈍条件にて製造した。なお、第4表以外の条
件については実施例−1と同じ条件を取った。第5表に
加工性および時効性の試験結果を示す。試験方法につい
ては実施例−1と同じである。本発明に従った試験No.1
02,106,112,115,117および119の鋼は、試験No.100の高
温巻取をした鋼と同様、低YP、高El、高n値および高
値を示しつつ、時効性の指標であるYP-El、A.Iおよび固
溶炭素量はいずれも低い値である。これに対し、成分あ
るいは工程条件の異なる他の鋼では硬質・低延性あるい
は/または低い耐時効性を呈している。本発明に従った
鋼では熱延コイル端部まで材質は確保されていたが、試
験No.100の高温巻取をした鋼では端部材質は極度に劣化
しており、DDQ並みの材質を確保するにはトップ部4
%、ボトム部5%切り込む必要があった。
よび連続焼鈍条件にて製造した。なお、第4表以外の条
件については実施例−1と同じ条件を取った。第5表に
加工性および時効性の試験結果を示す。試験方法につい
ては実施例−1と同じである。本発明に従った試験No.1
02,106,112,115,117および119の鋼は、試験No.100の高
温巻取をした鋼と同様、低YP、高El、高n値および高
値を示しつつ、時効性の指標であるYP-El、A.Iおよび固
溶炭素量はいずれも低い値である。これに対し、成分あ
るいは工程条件の異なる他の鋼では硬質・低延性あるい
は/または低い耐時効性を呈している。本発明に従った
鋼では熱延コイル端部まで材質は確保されていたが、試
験No.100の高温巻取をした鋼では端部材質は極度に劣化
しており、DDQ並みの材質を確保するにはトップ部4
%、ボトム部5%切り込む必要があった。
(発明の効果) 冷延鋼板は自動車、家庭電気や建材に大量に消費され
る。また、単に冷延鋼板をして使われるばかりでなく、
この後電気めっき等をされた表面処理鋼板の素材でもあ
る。このような冷延鋼板の製造方法として連続焼鈍は、
箱焼鈍に比べ大きな省工程・省力の焼鈍工程である。ま
た材料の長手方向のバラツキ、表面品位等においても数
段優れている。この連続焼鈍の大きな欠点が自動車外板
等に使われるSPCE級の高級冷延鋼板が低炭素Alキルド鋼
では製造が困難であったということであった。あるいは
高温巻取等が必要でそのため材質のコイル長手方向バラ
ツキが生じ、連続焼鈍の長所を失っていた。本発明によ
りこの欠点が取り除かれたわけであり、今後の連続焼鈍
化が大いに進むと期待される。
る。また、単に冷延鋼板をして使われるばかりでなく、
この後電気めっき等をされた表面処理鋼板の素材でもあ
る。このような冷延鋼板の製造方法として連続焼鈍は、
箱焼鈍に比べ大きな省工程・省力の焼鈍工程である。ま
た材料の長手方向のバラツキ、表面品位等においても数
段優れている。この連続焼鈍の大きな欠点が自動車外板
等に使われるSPCE級の高級冷延鋼板が低炭素Alキルド鋼
では製造が困難であったということであった。あるいは
高温巻取等が必要でそのため材質のコイル長手方向バラ
ツキが生じ、連続焼鈍の長所を失っていた。本発明によ
りこの欠点が取り除かれたわけであり、今後の連続焼鈍
化が大いに進むと期待される。
【図面の簡単な説明】 第1図は冷延・連続焼鈍後の値におよぼす熱延板の炭
化物凝集度および固溶窒素量の影響を示す。第2図は熱
延後低温巻取した材料の熱延板の炭化物凝集度に対する
全炭素含有量の影響を示す図で、Mn量およびP量で層別
して示す。第3図は熱延板中の固溶窒素量に対する酸可
溶Al量の影響を示す図で、巻取温度および含有窒素量で
層別して示す。第4図は炭化物凝集度を示す標準図で
(イ)は凝集度1でセメンタイトの形態が点列状、
(ロ)は凝集度2でセメンタイトの形態が短く細い状
態、(ハ)は凝集度3でセメンタイトの形態が長く細い
状態、(ニ)は凝集度4でセメンタイトの形態が長く太
い状態を表わす。第5図は過時効開始から終了までの冷
却曲線の例で指数nが変化している。第6図は指数nと
時効指数A.Iとの関係を示す図である。
化物凝集度および固溶窒素量の影響を示す。第2図は熱
延後低温巻取した材料の熱延板の炭化物凝集度に対する
全炭素含有量の影響を示す図で、Mn量およびP量で層別
して示す。第3図は熱延板中の固溶窒素量に対する酸可
溶Al量の影響を示す図で、巻取温度および含有窒素量で
層別して示す。第4図は炭化物凝集度を示す標準図で
(イ)は凝集度1でセメンタイトの形態が点列状、
(ロ)は凝集度2でセメンタイトの形態が短く細い状
態、(ハ)は凝集度3でセメンタイトの形態が長く細い
状態、(ニ)は凝集度4でセメンタイトの形態が長く太
い状態を表わす。第5図は過時効開始から終了までの冷
却曲線の例で指数nが変化している。第6図は指数nと
時効指数A.Iとの関係を示す図である。
Claims (1)
- 【請求項1】C:0.008〜0.025%、Mn:0.05〜0.15%、P
≦0.012%、S:0.004〜0.015%、酸可溶Al:0.05〜0.15
%、N≦0.0020%を含み、残部Feおよび不可避的不純物
からなる鋼をAr3変態点以上で熱間圧延を行ない、620〜
670℃で巻取り、続いて冷延−連続焼鈍を行うにあた
り、焼鈍・均熱を760〜850℃、40秒〜3分とし、その後
650〜730℃まで3〜20℃/secで冷却し、この温度域より
1000℃/sec以下の冷却速度(v)で急冷し、続いて温度
T0(℃)で30秒以内保定してセメンタイトの核生成を行
なわせ、その際、前記温度T0(℃)を200℃以上で−70
×{log(v/1000)}2+340で計算される値(℃)以下
とし、引き続き300〜370℃の間の温度T1(℃)まで3℃
/sec以上で再加熱し、次いで250〜290℃の間の温度T
2(℃)まで時間tOA(秒)として180〜350秒間冷却する
に際し、温度T(℃)〜時間t(秒)の関係を、 で表したときに指数nが1〜8となるような冷却曲線内
で冷却することを特徴とする連続焼鈍による非時効・深
絞り用冷延鋼板の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP24495088A JPH0711036B2 (ja) | 1988-09-29 | 1988-09-29 | 連続焼鈍による非時効・深絞り用冷延鋼板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP24495088A JPH0711036B2 (ja) | 1988-09-29 | 1988-09-29 | 連続焼鈍による非時効・深絞り用冷延鋼板の製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0293023A JPH0293023A (ja) | 1990-04-03 |
| JPH0711036B2 true JPH0711036B2 (ja) | 1995-02-08 |
Family
ID=17126371
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP24495088A Expired - Lifetime JPH0711036B2 (ja) | 1988-09-29 | 1988-09-29 | 連続焼鈍による非時効・深絞り用冷延鋼板の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0711036B2 (ja) |
-
1988
- 1988-09-29 JP JP24495088A patent/JPH0711036B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH0293023A (ja) | 1990-04-03 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| US7887645B1 (en) | High permeability grain oriented electrical steel | |
| JPS5849624B2 (ja) | 絞り性ならびに形状性にすぐれた高張力冷延鋼板の製造方法 | |
| JP2776203B2 (ja) | 常温非時効性に優れた冷延鋼板の製造方法 | |
| JPH0555573B2 (ja) | ||
| JPH0135051B2 (ja) | ||
| JP2560168B2 (ja) | 低温での塗装焼付硬化性に優れた冷延鋼板の製造方法 | |
| JPH06179922A (ja) | 深絞り用高張力薄鋼板の製造法 | |
| JPS61276935A (ja) | 連続焼鈍による非時効性冷延鋼板の製造方法 | |
| JPH07242995A (ja) | 深絞り用低炭素アルミキルド冷延鋼板およびその製造方法 | |
| JPH0711036B2 (ja) | 連続焼鈍による非時効・深絞り用冷延鋼板の製造方法 | |
| JP3818025B2 (ja) | 異方性の小さい冷延鋼板の製造方法 | |
| JPH0135052B2 (ja) | ||
| JPH108143A (ja) | 加工性,塗装焼付硬化性に優れた薄鋼板の製造法 | |
| KR102951317B1 (ko) | 고강도 및 고성형성 강판 및 그 제조방법 | |
| JPH0711038B2 (ja) | 非時効・深絞り用合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 | |
| JP3596045B2 (ja) | 成形性に優れる焼付硬化型冷延鋼板の製造方法 | |
| JPH058256B2 (ja) | ||
| JPS6367524B2 (ja) | ||
| JP4332960B2 (ja) | 高加工性軟質冷延鋼板の製造方法 | |
| JPH0711037B2 (ja) | 非時効・深絞り用溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 | |
| JPS6349726B2 (ja) | ||
| JPH01188630A (ja) | プレス成形性に優れた冷延鋼板の製造方法 | |
| JP2025528938A (ja) | 超高強度鋼板及びその製造方法 | |
| JPS5945735B2 (ja) | 連続焼鈍による延性の優れた高張力冷延鋼板の製造方法 | |
| JPH0639622B2 (ja) | 深絞り性と常温非時効性に優れた連続焼鈍による軟質冷延鋼板の製造方法 |
Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080208 Year of fee payment: 13 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090208 Year of fee payment: 14 |
|
| EXPY | Cancellation because of completion of term | ||
| FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 14 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090208 |