JPH07111261B2 - 加湿方法 - Google Patents

加湿方法

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JPH07111261B2
JPH07111261B2 JP1114063A JP11406389A JPH07111261B2 JP H07111261 B2 JPH07111261 B2 JP H07111261B2 JP 1114063 A JP1114063 A JP 1114063A JP 11406389 A JP11406389 A JP 11406389A JP H07111261 B2 JPH07111261 B2 JP H07111261B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、加湿方法、更に詳しくは、一般の建物の空調
のみならず、食品の生産、貯蔵、または精密機械、コン
ピューターなどの保守管理のための恒温恒湿条件を保つ
場合などにおいて、水、水蒸気を選択的に透過させて加
湿を行なうイオン交換膜に関する。
[従来の技術] 近年、先端産業の発展、流通機構の革新、貯蔵技術の進
歩などにより、加湿に対する要求が高まってきている。
産業上の用途に応じてクリーンなもの、加湿効率の高い
もの、耐久性の高いもの、メンテナンスの簡単なもの、
イニシャル・ランニングコストが安いなど、種々の使用
目的にあわせ、多様化が進んできている。
従来、空気を加湿するための方法としては、以下のもの
がある。
(1)蒸気吹き出し式:蒸気を吹き出し、空気に吸収さ
せる方法。
(2)水墳霧式:水を霧状にして吹き出し、空気中に気
化させる方法。
(3)気化方式:水と空気との接触面積を大きくして、
水を気化させる方法。
(4)加湿膜方式:加湿すべき空気を膜の一面に接触さ
せ、他方の面に水または高湿度空気(例えば上記(2)
〜(3)で得た加湿空気)を接触させることにより、水
蒸気を選択的に加湿すべき空気に透過させる方法。
(1)の蒸気吹き出し式では、水中に含まれる菌、カル
キ成分など不純物が除かれたクリーンな加湿が可能であ
る、また、空気温度を低下させないなどの特徴がある
が、水を加熱するために電力が必要であり、また、蒸気
残留物が加湿器の周囲に白く残るため、掃除を頻繁に行
なうなど、メンテナンスが繁雑である欠点がある。
(2)水噴霧式では、噴射力、超音波振動などで水を霧
化するので、動力が小さくてすむ長所があるが、反面、
水中の菌、カルキ成分が空気中に飛散するので、病院、
コンピュータルームなどのあるインテリジェントビルの
空調などヘ使用するにあたっては、使用環境の空気清浄
度により注意を要する。一般に、これらの対策として、
水処理装置を設けている。しかし、純水器では、イオン
交換方式で無機イオンを吸着してH2Oを放出するが、菌
類などの有機物質を取り除くことはできない。さらに、
軟水器は、スケール分として析出しやすいカルキ成分だ
けを析出しにくいNaイオンに置換するだけなので、それ
によって得られた水を水噴霧式加湿器に使用すると、や
はり菌類などの有機物やナトリウム塩などの無機物が放
出することになる。いずれの水処理装置も、上記の問題
を解決できない。さらに、水を噴霧するので、空気温度
を低下させる欠点がある。
(3)気化式の場合、相対湿度100%以下で吹き出すの
で、加湿器付近に障害物があっても結露の必要がないな
どの特徴がある反面、加湿器に蒸発残留物が付着するの
で、加湿能力を維持するためには掃除をする必要がある
というメンテナンス上の欠点があるとともに、蒸気吹き
出し式または水噴霧式と比べ、水中の不純物が放出され
にくいが、エレクトロニクス産業など高度にクリーンな
加湿空気が必要とされる分野には、必ずしも充分といえ
るものではない。
(4)加湿膜式の場合、水蒸気で選択的に透過させる膜
を介して加湿するので、クリーンな加湿空気が得られる
特徴があるが、水蒸気透過性が大きく、かつ耐久性、特
に耐菌、耐かび性のある膜がないため、工業的に使用さ
れていない。すなわち、水蒸気透過性の大きな膜とし
て、セルロース系やポリビニルアルコール系などの含水
性高分子が知られているが、これらの膜は、水蒸気透過
性は大きいものの、水中で菌やかびなどにより分解を受
け、長期に使用することはできない。
また、水、水蒸気透過性がある膜として、イオン交換基
を含有したイオン交換膜が知られている。これらの膜
は、水中での使用を前提にしているので、耐久性につい
ては問題はないが、従来のイオン交換膜は、イオンの選
択的透過性が大きく、水の透過性が小さい膜が使用され
ているので、このまま使用することはできない。
これらの含水性高分子膜の欠点を克服する加湿膜式とし
て、水は透過させないが、水蒸気は透過する疎水性微多
孔質膜を使用する方法が提案されている。
例えば、特開昭61−72948、特開昭61−250429に、水と
空気を直接接触させず、多孔質膜を介して、水と空気を
区画し、多孔質膜の中に水蒸気を透過せしめて、空気を
加湿する方法が記載されているが、材質がセラミックで
あれ有機性高分子であれ、多孔質膜である限り、加湿膜
として使用している間に付着、繁殖するかびを防ぐこと
はできない。多孔質材の構造体内にかびが発生すると、
水蒸気透過路をふさぐことになり、加湿能力が低下する
のみならず、該加湿器をビル空調に使用すると、建物中
にかびの胞子を放散させることになり、衛生上問題であ
る。また、そもそも、水を透過させないために疎水性多
孔材を用いれば、この材料が水蒸気透過の低抗体とな
り、加湿能力は低いものとなり、大きな加湿を得るため
には、多孔質膜の表面積を大きくする必要が生じ、装置
が大きなものとなる。
[発明の解決しようとする問題点] 本発明は、従来技術が有していた前述の欠点を解消しよ
うとするものであり、水、水蒸気透過速度の大きな加湿
方法を提供することを目的とする。さらに詳しくは、ク
リーンで加湿容量が大きく、装置化が簡単で、運転コス
トを安くできる長寿命の水、水蒸気透過加湿方法を提供
することを目的とする。
[問題を解決するための手段] 上述の問題点を解決するために、鋭意努力した結果、従
来のイオン選択透過性イオン交換膜とは、膜構成、膜物
性の異なるイオン交換膜を、加湿膜として使用する方法
が極めて有効であることを見出し、本発明を完成せしめ
たものである。
本発明の上記目的は、固定イオン濃度が0.5〜6N,吸水率
が40〜150容量%、イオン交換樹脂容量が0.6〜2.5ミリ
当量/g樹脂のイオン交換層からなり、水蒸気透過速度が
100Nm3/m2・hr・atm以上、好ましくは120Nm3/m2・hr・a
tm以上を有する加湿膜の使用によって達成せしめられ
る。
本発明で使用される加湿膜は、基本的には、イオン交換
膜の固定イオン濃度、吸水率、イオン交換容量をある特
定の範囲に制御したものである。
本発明の加湿膜として、固定イオン交換濃度0.5〜6N、
好ましくは1〜4Nのものが使用される。固定イオン濃度
は、膜に吸収した水1gあたりのイオン交換基をミリ当量
で表示したものである。従来のイオン選択透過性イオン
交換膜の開発においては、イオン選択透過性を示す、ド
ナンの平衡式から、固定イオン濃度を高める方向で進め
られ、通常、固定イオン濃度が6N以上が好ましく使用さ
れている。本発明の研究から、水蒸気透過性イオン交換
膜としては、固定イオン濃度が6Nを越えると水蒸気透過
速度が著しく低下し、また、0.5N以下では、水蒸気透過
速度が低下するとともに、水に含有するカルキ成分など
の不純物が、膜を透過することが判明した。
固定イオン濃度が、何故水蒸気の透過性に重要であるか
は解明されていないが、おそらく以下の理由によるもの
と考えられる。イオン交換膜内の水は、イオン交換基と
の相互作用により通常の水とは異なった性質を有してお
り、相互作用の強さで、不凍水、拘束水、自由水が存在
していると考えられている。固定イオン濃度が高くなる
と、吸着した水がイオン交換基に強固に結合され、水の
膜内移動が低下し、透過速度が低くなると考えられる。
本発明において固定イオン濃度に加えて、吸水率とイオ
ン交換容量を特定の範囲に収めることが、水蒸気透過速
度の高い膜を得る上で重要である。吸水率が、40容量%
以下では、水蒸気透過速度の低下を招き、また、150容
量%を越えると膜形態保持能力が損なわれるため、吸水
率は、40〜150容量%、特には、50〜100容量%が、この
膜を用いてモジュールを製作、使用する上で、実用強度
を有するので好ましい。一方、イオン交換容量は、0.6
〜2.5ミリ当量/g樹脂、好ましくは、1.0〜2.0ミリ当量/
g樹脂が、水蒸気透過速度の優れた膜を得るためと、膜
強度を得るために好ましい。イオン交換容量が1.0ミリ
当量/g樹脂以下の膜でも、本発明の固定イオン濃度1〜
6N、吸水率40容量%以上にすることができるが、水蒸気
透過性の点で、イオン交換容量が1.0ミリ当量/g樹脂以
上とイオン交換基の量が多いことが好ましい。
以上、本発明において使用される加湿膜のイオン交換基
としては、スルホン酸基、スルホン酸塩基、カルボン酸
基、カルボン酸塩基、燐酸基、燐酸塩基、燐酸塩、酸性
水酸塩基、酸性水酸塩などのカチオン交換基の他、1〜
3級アミノ基、4級アンモニウム基などのアニオン交換
基が例示できるが、中でも、スルホン酸基が、吸水性が
高く、また水中に含有するカルキ成分による劣化が少な
いことに加えて、耐熱性、耐薬品性に優れているので特
に好ましい。
加湿膜の材質としては、スチレン系樹脂、エチレン系樹
脂、ポリスルホン系樹脂、含フッ素樹脂などなんら制限
なく使用することができるが、耐熱性、耐薬品性、成形
加工性、および機械的性質、特に膨潤、収縮による膜破
損がないことなどの点から、含フッ素樹脂からなるスル
ホン酸膜、特には、一般式 (m=0または1、n=2〜5の整数)を含有した含フ
ッ素系共重合体が好ましい。
上記含フッ素系共重合体としては、テトラフロロエチレ
ン、トリフロロエチレン、ビニリデンフロライト″、フ
ッ化ビニルなどのフッ素化オレフィンと一般式 (m=0または1、n=2〜5の整数)として表わされ
るSO3F基含有パーフロロビニルエーテルモノマーを共重
合して得られるものが好ましい。さらに必要により、エ
チレン、プロピレン、パーフロロビニルエーテル、パー
フロロジビニルエーテル、パーフロロアリルビニルエー
テルなどの第三成分を添加することもできる。
なお、上記共重合体の組成比は、含フッ素共重合体が、
イオン交換容量1.0〜2.5ミリ当量/g樹脂を形成するよう
に選ばれる。
本発明の加湿膜としては、上記共重合体を、既知の手段
により膜状にして使用する。かかる膜の表面は、通常平
滑な面を有しているが、本発明の加湿膜としては、かか
る加湿膜の少なくとも加湿する気体と接触する一面を粗
面にすることにより、水蒸気の透過速度を増加すること
ができる。ここで「粗面化された」なる語は、膜の表面
が不規則である状態、すなわち膜の表面が完全に平滑で
なく、微細な凹凸を有している状態を意味し、たとえば
膜が「2μmの表面粗さを有する」とは、膜の表面の凹
凸におけるある一つの山の頂上とそれに隣接する谷の高
さが、平均して2μmであることを表わす。また、本明
細書において使用する表面積は、触針式表面粗さ計で直
行する二辺において、任意の二点間の表面長さを求め、
その二点間の直線長さのそれぞれの辺における倍率を乗
ずることにより求められる。
本発明における粗面化加湿膜を得る方法としては、加湿
膜または加湿膜の前駆体が熱可塑性を有する場合には、
粗面を有する他の材料、たとえばブラスト金属板やロー
ル、ブラストフィルム、多孔性金属板や多孔性フィルム
などで転写する方法が使用できる。また、加湿膜の表面
をサンドブラストなど研磨材で機械的に削り粗面化した
り、プラズマエッチングやスパッタリングなど電離性雰
囲気下で化学的に粗面化することの他、ポリマー溶液ま
たは、モノマー溶液を粗面上でキャストまたは重合する
ことで粗面状の半透膜を得る方法が用いられる。また別
の好ましい粗面化方法として、可溶性の粒子、繊維を半
透膜に埋め込むか、あるいは、可溶性粒子、繊維を含有
するイオン交換性ポリマー溶液を、基材の加湿膜に塗布
した後、可溶性粒子や繊維を溶出せしめ粗面化する方法
も使用できる。
かくして得られる粗面化された半透膜は、表面粗さが0.
5〜100μm、好ましくは、1〜50μmとし、また微細な
凹凸は膜面積1cm2あたり平均103〜105個、好ましくは平
均105〜1012個を有することにより、その粗面化表面積
が、投影面積(すなわち理想的な平滑膜の表面積)の5
倍以上、好ましくは10倍以上になるように形成せしめ
る。表面粗さが100μm以上と大きい場合には、膜厚が
最も薄い凹部から透過させたくない不純物の透過量が増
加し、選択透過性が低下したり、凹部への気体の流通性
が低下する結果、加湿速度の低下を招く。また同様の理
由から加湿膜の凹部と凸部の膜厚の比が1/2以上になる
ようにする事が好ましい。
本発明の加湿膜は、前述した特定の物性を有する共重合
体を、単独で、膜状に加工して使用することができる
が、また加湿速度を増加し、かつ実用的な強度を有する
ために、多孔性基材による捕強材を用いることができ
る。
本発明で使用される多孔性基材としては、孔径0.01〜10
0μm、厚みが10〜500μmで表面および内壁が親水性を
有するものが使用される。多孔性基材を水と接触する側
に使用する場合には、親水性を有することは、当然の理
であるが、多孔性基材を加湿される基体と接触する側に
使用する場合にも、内壁が親水性を有することが好まし
い。従来、疎水性の微多孔膜による加湿膜においては、
疎水性多孔層は、水を透過させず、水蒸気のみを透過さ
せる分離膜として知られているが、本発明者の研究によ
ると、内壁が親水化された多孔体層の水蒸気透過性は、
疎水表面の多孔体層と比べ、著しく向上する。
何故気体状の水蒸気の透過性が多孔体層内壁の親水性付
与により向上されるかは明らかでないが、以下の理由に
よるものと考えられる。
すなわち、加湿膜において、水側から透過した水蒸気が
多孔性基材を透過する際、内部の水蒸気は飽和状態にな
っているものと考えられる。飽和水蒸気は、温度が低下
すると水として凝縮するが、疎水性多孔体内で水が凝縮
すると、ポアーを閉塞し、その結果水蒸気の透過性が低
下するが、内壁が親水性を有している場合には、凝縮し
た水が親水性層に吸着され、ポアーの閉塞が起きず、水
蒸気の透過性が高いと説明される。
しかしながら、かかる説明は本発明の理解のために述べ
たものであり、なんら本発明を制限するものではない。
本発明で使用される多孔性基材としては、水および湿度
に対する寸法安定性、機械的強度、耐薬品性、耐かび性
などの耐久性を有するものが制限なく使用でき、好まし
い例としては、ポリ四フッ化エチレン、四フッ化エチレ
ン−エチレンのコポリマー、フッ化ビニリデンなどの含
フッ素重合体、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのオ
レフィン重合体および炭素繊維などから成る織布、不織
布および微孔性多孔質体が例示される。
多孔性基材そのものが親水性を有さない場合には、イオ
ン交換体層との積層の前または後にて表面に親水性が付
与される。親水性は、好ましくは、界面活性剤、水溶性
高分子、吸水性高分子などの親水層を被覆することによ
り行なわれるが、耐久性と親水層付与による水蒸気透過
速度の向上効果が大きい、吸水率40容量%以上のイオン
交換樹脂の被覆が好ましい。該親水性層は、多孔性基材
にイオン交換樹脂モノマーを含浸、重合し、多孔性基材
の孔内壁を被覆するか、またはイオン交換樹脂の溶液を
多孔内に含浸、乾燥する方法が、製造上の容易さから好
ましい。かかる孔壁に被覆する親水性層は、多孔体の空
隙容積の0.1〜50容積%を占有する程度に付着せしめ
る。0.1%より低い場合は、水蒸気透過性の向上効果が
発現されず、また50%以上では、多孔体層の孔が閉塞
し、透過性の低下を招くので好ましくない。より好まし
くは0.5〜10容量%付着せしめる。
多孔性基材とイオン交換樹脂膜との複合方法としては、
イオン交換樹脂を膜状とした後、多孔性基材と積層する
か、イオン交換樹脂を溶液、懸濁溶液または、乳化重合
ラテックスまたは、乳化重合ラテックスの水を有機溶媒
と置換せしめた有機溶媒系ディスパージョンなどを多孔
性基材に含浸・乾燥する方法が例示される。
特に中空系状多孔体層を使用する場合には、上記した樹
脂含有溶液を中空系に含浸、乾燥する方法により、透過
量の大きな除湿用中空系を得ることもできる。
かくして得られた膜は、イオン交換基に変換されていな
い場合には、アルカリ性溶液で加水分解した後、酸性溶
液に浸漬することによりスルホン酸型加湿膜とする。
本発明において、得られるイオン交換樹脂層の固定イオ
ン濃度、吸水率をある特定の範囲とするには、膜の加水
分解条件、酸性溶液処理が、またスルホン酸樹脂溶液を
キャスト被膜する場合には、乾燥条件が重要になる場合
が多い。イオン交換容量が、1.1ミリ当量/g樹脂程度で
あれば、10〜20wt%アルカリ水溶液で加水分解後、0.1
〜5N酸性溶液で酸型化せしめ、ついで室温水洗した後風
乾する程度で、本発明の加湿膜が得られる。また、イオ
ン交換容量が1.5ミリ当量/g樹脂以上では、加水分解、
酸型化、水洗処理後、膜を50℃、好ましくは100℃以上
で加熱することが好ましい場合がある。いずれにしろ、
本発明の固定イオン濃度、吸水率が得られるように、適
宜処理条件を選択することにより、高性能の加湿膜が得
られる。
このような処理をした膜の片側に水を接触させ、反対側
に加湿したい空気を流すと、膜内に水が吸収され、膜の
空気側で水が蒸発し加湿が行なえる。この場合のドライ
ビング・フォースは、膜を介しての水蒸気分圧差であ
る。膜の水側の水蒸気分圧は、その温度における飽和水
蒸気圧に相当すると考えられる。
膜の形状としては、平膜でも中空でもよい。中空構造の
場合は、中空内に水を流し、外側に空気を流しても、ま
たその反対に、外側に水を流し、内側に空気を流しても
よい。なお、水は透過により減じる量以上に流せばよ
い。また特記すべきことは、補給する水は上水でも充分
にクリーンな加湿が行なえる。これは、膜内には、ドナ
ン平衡分のイオンしか存在せず、水は、膜の空気側で蒸
発し、また、有機物の透過もなく、いわば従来の気化式
の加湿以上のクリーンな加湿が可能となる。もちろん、
純水器などの水処理装置で処理した水を使ってもよい。
次に本発明を実施例により説明するが、本発明はかかる
実施例に限定されるものではない。実施例に先立ち、以
下の実施例で用いた各種測定法についてまとめて述べ
る。
(1)吸水率Wの測定 透過性を測定する膜と同一条件下で製作した膜、もしく
は測定膜の一部から採取した膜を、純水中、25℃に浸漬
し平衡に達せしめた膜重量をW1、該膜を真空乾燥した乾
燥重量W2より、次式から求める。ρはイオン交換体層の
密度である。
W=100(W1−W2)・ρ/W2 (2)固定イオン濃度AWの算出 イオン交換容量(ミリ当量/g樹脂)ARと、上記の吸水率
測定データから、次式により求める。
AW=AR/{(W1−W2)/W2} (3)水蒸気透過速度Qの測定 膜面積40cm2(20cm×2cm),流路断面積1.2cm2(0.6cm
×2cm)である二室型のセルに膜を組み込み、片室に上
水を50ml/minで流し、他室に露点−30℃の空気を12/m
in(2m/s)で流す。この時、水温、空気側出口相対湿
度、空気側出口温度を測定し、水蒸気透過速度Q(Nm3/
m2・hr・atm)を次式から求める。
Q=q×PA/A/△P ここで、q=流量(m3/hr) PA:空気側出口水蒸気圧(mmHg) PA=P′×RH/100 ここで、 P′W:空気側温度における飽和水蒸気圧(mmHg) RH:相対湿度(%) A:膜面積(m2) △P:膜を介しての水蒸気圧差(atm) △P=−PA/1n{PW−PA)/PW}/760 ここで、 PW:水側水蒸気圧(mmHg) [実施例] 実施例1 テトラフロロエチレンとCF2=CFOCF2CF(CF3)OCF2SO2F
とを共重合せしめて、イオン交換容量1.10ミリ当量/g樹
脂の共重合体Aを得た。共重合体Aを溶融押出成形によ
り、厚みが50μmの平膜を得た。
該膜を、20重量%の苛性カリウム水溶液でスルホン酸カ
リウム塩に加水分解した後、1Nの塩酸に浸漬し、−SO3H
型に変換し、水洗した後、風乾せしめた。
該膜の物性および水蒸気透過速度を、表1に示した。
実施例2 実施例1で示した、厚み50μmの共重合体Aを、20重量
%の苛性カリウム水溶液でスルホン酸カリウム塩に加水
分解した後、1Nの塩化カルシウム水溶液に浸漬し、カル
シウム塩型にし、イオン交換水中で煮沸した。実施例1
と同じ方法で、水蒸気透過速度を測定した。結果を表1
に示した。
実施例3 テトラフロロエチレンと CF2=CFO(CF23COOCH3を共重合し、イオン交換容量1.
80ミリ当量/g樹脂の共重合体Bを得た。共重合体Bを溶
融押出成形により、厚みが50μmの平膜を得た。
該膜を、苛性ソーダ水溶液で加水分解し、カルボン酸ソ
ーダ塩にし、イオン交換水中で煮沸した。この膜の物性
および実施例1と同じ方法で測定した水蒸気透過速度
を、表1に示した。
比較例1 実施例1と同じセルを用いて、膜をはさまず、片室側に
上水を流し、この自由水面上に乾燥空気を直接接触させ
ながら流す。このときの加湿速度を表1に示した。この
結果から、実施例1の膜は自由水面並の加湿能力がある
ことがわかった。
比較例2 実施例3と同じ共重合体Bの平膜を、実施例1と同じ方
法で加水分解し、酸型−COOHの風乾膜を得た。この膜の
物性および実施例1と同じ方法で測定した水蒸気透過速
度を、表1に示した。
比較例3 ハイドロカーボン系イオン交換膜、セレミオンCMV(旭
硝子製)を塩化ナトリウム水溶液に浸漬してNa型にし、
実施例1と同じ条件で水蒸気透過速度を測定した。結果
を表1に示した。
実施例4 ポリテトラフロロエチレンよりなる10デニールのモノフ
ィラメント6本を引きそろえ撚ったデニール数60のマル
チフィラメントを縦糸とし、同一のモノフィラメント10
本の引きそろえ撚ったデニール数100のマルチフィラメ
ントを横糸とし、縦糸密度50本/インチ、横糸密度25本
/インチにてからみ織りした厚み60μmの織布の多孔性
基材を、実施例1で示した膜の内部に挿入した膜につい
て、実施例1と同じ条件で処理および測定をした。水蒸
気透過速度は165Nm3/m2・hr・atmであり、実施例1の膜
と同等であった。
実施例5 実施例1と示した共重合体Aを、内径2.7mm,外径3.0mm
の中空管にした。該膜を、11重量%苛性カリウム−30重
量%ジメチルスルオキシド水溶液に、室温にて40時間浸
漬し、1N塩酸に浸漬し、膜を酸型にしたのち風乾した。
これを10本束ね、内径20mmの塩化ビニル製の筒に収め、
モジュールを作った。上水を中空管を中に流し、乾燥空
気を中空管の外に流し、水蒸気透過速度を測定したとこ
ろ、170Nm3/m2・hr・atmであり、実施例1の膜と同等の
性能であった。。
比較例4 実施例1で得られた共重合体Aを溶融押出成形により、
厚みが500μmの平膜を得た。その他は、実施例1と同
様にして、水蒸気透過速度を測定したところ、30Nm3/m2
・hr・atmであった。
実施例6 実施例1で得られた共重合体Aを溶融押出成形により、
片面に表面粗さが5μmの粗面を転写した、粗面化され
た厚さ80μmの膜を得た。
該膜を実施例1と同様に加水分解した後、−SO3H型に変
換し、水洗、乾燥させた。該膜の表面積を表面粗さ計よ
り求めたところ、投影面積の16倍であった。該膜の吸水
率および固定イオン濃度は、実施例2と同様であった。
実施例1と同じ方法で水蒸気透過速度を測定した結果
を、表2に示した。
実施例7 実施例1で得られた共重合体Aを溶融押出成形により、
厚さ20μmの膜を得た。
次に、ポリテトラフルオロエチレン(以下PTFEと称す)
のファインパウダーと液状潤滑材との混合物を膜状とし
た後、加熱、延伸処理によって、安定な多孔構造を持
つ、孔径2μm、気孔率80%、膜厚150μmのPTFE多孔
体を得た。
次いで、20μm厚の共重合体Aフィルムと、上記PTFE多
孔体を加熱、圧縮により積層せしめて、複合膜(I)を
得た。該複合膜の多孔体層に、共重合体Aの2重量%の
エタノール溶液を含浸、乾燥させて、多孔体の孔内壁を
酸型化共重合体Aで被覆させた複合膜(II)を得た。
該膜を、実施例1と同様に加水分解し、−SO3H型に変換
し、水洗、乾燥せしめた。
かくして得られた膜を、イオン交換体層を水に接触する
ようにして、水蒸気透過速度を測定したところ、130Nm3
/m2・hr・atmであった。
比較例5 実施例7に示した複合膜(1)の水蒸気透過速度を実施
例7と同様にして測定したところ、測定開始30分で75Nm
3/m2・hr・atm、120分後で45Nm3/m2・hr・atmと低下し
た。
実施例8 実施例1で得た共重合体Aのスルホン酸エタノール溶液
(濃度10重量%)を、内径280μm、肉厚72μm、気孔
率72%のポリエチレン製多孔体空系に塗布、乾燥し、共
重合体が膜面積1m2あたり20g付着した複合中空系を得
た。
該中空系を長さ10cm,60本束ねた中空系モジュール(膜
有効面積50cm2)を作製し、中空系の内側に水を流し、
外側に露点−30℃の空気を2m/sで流した。このモジュー
ルの水蒸気透過速度は、125Nm3/m2・hr・atmであった。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−7417(JP,A) 特開 昭63−287530(JP,A) 特開 昭63−256119(JP,A) 特開 平2−150640(JP,A)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】加湿する気体を加湿膜の一面に接触させ、
    他方の面に水を接触させることにより気体を加湿する方
    法において、加湿膜が、吸水率が40〜150容量%、固定
    イオン濃度が0.5〜6N、イオン交換容量が0.6〜2.5ミリ
    当量/g樹脂、膜厚が0.1〜300μmのイオン交換樹脂層か
    らなり、水蒸気透過速度が100Nm3/m2・hr・atm以上の有
    することを特徴とする加湿方法。
  2. 【請求項2】加湿膜が、イオン交換樹脂層と、孔径0.01
    〜100μm、厚み10〜500μmで、表面および内壁が親水
    性を有する多孔性基材との複合膜からなることを特徴と
    する請求項1の加湿方法。
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