JPH07117156B2 - 油圧式無段変速機の直結クラッチ弁制御方法 - Google Patents

油圧式無段変速機の直結クラッチ弁制御方法

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JPH07117156B2
JPH07117156B2 JP62264843A JP26484387A JPH07117156B2 JP H07117156 B2 JPH07117156 B2 JP H07117156B2 JP 62264843 A JP62264843 A JP 62264843A JP 26484387 A JP26484387 A JP 26484387A JP H07117156 B2 JPH07117156 B2 JP H07117156B2
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Description

【発明の詳細な説明】 イ.発明の目的 (産業上の利用分野) 本発明は、定吐出量型油圧ポンプと可変容量型油圧モー
タとからなる油圧式無段変速機に関し、さらに詳しく
は、これらポンプおよびモータ間を連結する油圧閉回路
を遮断して両者を直結状態にする直結クラッチ弁の制御
方法に関するものである。
(従来の技術) 定吐出量型油圧ポンプを入力軸に接続し、このポンプか
らの吐出油を閉回路を介して可変容量型油圧モータに導
き、この油圧モータを駆動してこれに接続された出力軸
の駆動を行わせる無段変速機は従来から種々提案されて
いる(例えば、特公昭32−7159号公報,特公昭56−5014
2号公報等)。
このような装置においては、上記油圧閉回路を断続可能
な直結クラッチ装置を設け、油圧モータの容量を可変制
御する斜板の角度が最小となり、変速機の変速比が“1"
になった時に、この直結クラッチ装置により油圧閉回路
を遮断してポンプおよびモータを一体にして回転させる
ことが知られている。
この直結クラッチ装置を有した無段変速機の制御方法と
しては、例えば特開昭54−134252号公報、特開昭55−14
312号公報等に開示されているように、エンジン回転数
をスロットル開度に応じた目標回転数と一致させ、最小
燃費率が得られるように変速比を制御するとともに、変
速比が最小、すなわち“1"になったときには直結クラッ
チ装置により閉回路を遮断してポンプとモータを一体回
転させる方法がある。
(発明が解決しようとする問題) ところが、上述のように直結クラッチの制御を行わせる
場合に、変速比が“1"の状態であっても、直結クラッチ
による閉回路の遮断がなされていない場合(直結クラッ
チがOFF状態の場合)と、遮断されている場合(直結ク
ラッチがON状態の場合)とでは、モータプランジャに作
用する油圧推力の有無の差および容積効率の差により、
エンジンによるポンプ駆動負荷に差が生じるため、直結
クラッチを作動させて閉回路を遮断するとき(ON作動の
とき)やこの遮断を解除するとき(OFF作動のとき)
に、エンジン回転が落ち込んだり上昇したりして走行シ
ョックが生じ、運転フィーリングを損なうという問題が
ある。
直結クラッチのON・OFF作動を緩やかに行わせれば走行
ショックの発生を抑えることができるのであるが、この
場合には、直結クラッチの作動のタイムラグが生じるこ
ととなり、運転フィーリングが損なわれるという問題が
ある。
本発明は、上記問題に鑑み、油圧モータの斜板角が最小
となり、変速比が“1"になった状態での直結クラッチの
ON・OFFによる油圧閉回路の断続を速やかに且つスムー
ズに行わせることができるような直結クラッチの制御方
法を提供することを目的とする。
ロ.発明の構成 (問題を解決するための手段) この目的達成の手段として、本発明の制御方法は、直結
クラッチ弁が油圧閉回路を完全に遮断する全閉位置から
所定量だけ開放側に移動した直前位置にあることを検出
できるようになし、直結クラッチ弁のON・OFF作動時に
おいて、直結クラッチ弁を全開位置と直前位置との間で
移動させるときには、直結クラッチ弁を急速な移動速度
で移動させ、直結クラッチ弁を直前位置と全閉位置との
間で移動させるときには、直結クラッチ弁を緩やかな移
動速度で移動させるとともに、この緩やかな移動速度を
エンジンの出力に対応させてエンジンの出力が大きいほ
ど遅くなるように制御する。
なお、エンジン出力と車速とほぼ比例関係にあるため、
エンジンの出力を示す値として車速を用いても良く、こ
のときには、上記緩やかな移動速度を車速に対応させて
この車速が速いほど遅くなるように制御する。
(作用) 直結クラッチ弁のON・OFF作動を行わせた場合での、容
積効率の変動等によるエンジン回転の変量量はエンジン
出力に比例する。このため、上記の制御方法を用いる
と、上記エンジン回転の変動の発生に最も関係する直結
クラッチ弁の全閉位置と直前位置との間での移動の速度
が、エンジン出力に対応して制御され、変速ショックを
許容値以下に抑える範囲内で可能な限り大きな移動スピ
ードが設定され、変速ショックの防止およびタイムラグ
の発生防止が図られる。
なお、この全閉位置と直前位置との間での直結クラッチ
弁の移動速度に比べて、全開位置と直前位置との間での
移動速度は非常に急速であり、これにより、変速ショッ
クに影響のない全開位置と直前位置との間の移動時間を
短縮し、速やかで且つスムーズな直結クラッチ弁のON・
OFF作動を実現するようになっている。
(実施例) 以下、図面に基づき、本発明の好ましい実施例について
説明する。
第1図は本発明の方法により制御される直結クラッチ弁
を有する無段変速機の油圧回路図であり、この図におい
て、無段変速機Tは、入力軸1を介してエンジンEによ
り駆動される定吐出量型斜板アキシャルプランジャ式油
圧ポンプPと、前後進切換装置20を介して車輪Wを駆動
する可変容量型斜板アキシャルプランジャ式油圧モータ
Mとを有している。これら油圧ポンプPおよび油圧モー
タMは、ポンプPの吐出口およびモータMの吸入口を連
通させる第1油路LaとポンプPの吸入口およびモータM
の吐出口を連通させる第2油路Lbとの2本の油路により
油圧閉回路を構成して連結されている。さらに、この第
1油路La内には、この油路Laを断続可能な直結クラッチ
弁DCが配設されている。
また、エンジンEにより駆動されるチャージポンプ10の
吐出口がチェックバルブ11を有するチャージ油路Lhおよ
び一対のチェックバルブ3,3を有する第3油路Lcを介し
て閉回路に接続されており、チャージポンプ10によりオ
イルサンプ15から汲み上げられチャージ圧リリーフバル
ブ12により調圧された作動油がチェックバルブ3,3の作
用により上記2本の油路La,Lbのうちの低圧側の油路に
供給される。さらに、高圧および低圧リリーフバルブ6,
7を有してオリーブサンプ15に繋がる第5および第6油
路Le,Lfが接続されたシャトルバルブ4を有する第4油
路Ldが上記閉回路に接続されている。このシャトルバル
ブ4は、2ポート3位置切換弁であり、第1および第2
油路La,Lbの油圧差に応じて作動し、第1および第2油
路La,Lbのうち高圧側の油路を第5油路Leに連通させる
とともに低圧側の油路を第6油路Lfに連通させる。これ
により高圧側の油路リリーフ油圧は高圧リリーフバルブ
6により調圧され、低圧側の油路のリリーフ油圧は低圧
リリーフバルブ7により調圧される。
さらに、第1および第2油路La,Lb間には、両油路を短
絡する第7油路Lgが設けられており、この第7油路Lgに
はこの油路の開度を制御する可変絞り弁からなるメイン
クラッチ弁CLが配設されている。
車輪Wに連結された出力軸28は、油圧モータ4の駆動軸
2と平行に配置されており、両軸2,28間に前後進切換装
置20が設けられる。この装置20は駆動軸2上に軸方向に
間隔を有して配された第1および第2駆動ギヤ21,22
と、出力軸28に回転自在に支承されるとともに第1駆動
ギヤ21に噛合する第1被動ギヤ23と、中間ギヤ24を介し
て第2駆動ギヤ22に噛合するとともに出力軸28に回転自
在に支承された第2被動ギヤ25と、第1および第2被動
ギヤ23,25間で出力軸28に固設されるクラッチハブ26
と、軸方向に滑動可能でありクラッチハブ26と前記両被
動ギヤ23,25の側面にそれぞれ形成されたクラッチギヤ2
3aもしくは25aとを選択的に連結するスリーブ27とを備
え、このスリーブ27はシフトフォーク29により左右に移
動される。この前後進切換装置20においては、スリーブ
27がシフトフォーク29により図中左方向に滑動されて図
示の如く第1被動ギヤ23のクラッチギヤ23aとクラッチ
ハブ26とが連結されている状態では、出力軸28が駆動軸
2と逆方向に回転され、車輪Wが無段変速機Tの駆動に
伴い前進方向に回転される。一方、スリーブ27がシフト
フォーク29により右に滑動されて第2被動ギヤ25のクラ
ッチギヤ25aとクラッチハブ26とが連結されている状態
では、出力軸28は駆動軸2と同方向に回転され、車輪W
は後進方向に回転される。
上記油圧モータMの容量制御を行って無段変速機Tの変
速比の制御を行うとともに、上記直結クラッチ弁DCの作
動制御を行うアクチュエータが、リンク機構40により連
結された第1および第2サーボバルブ30,50である。
これら第1および第2サーボバルブ30,50の作動はコン
トローラ100からの信号を受けてデューティ比制御され
る各一対のソレノイドバルブ151,152により制御され
る。このコントローラ100には、車速V、エンジン回転
数Ne、スロットル開度θth、油圧モータMの斜板傾斜角
θtr、運転者により手動操作されるシフトレバー位置Ps
l、メインクラッチ弁DCの開度θcl等を示す各信号が入
力されており、これらの信号に基づいて所望の走行が得
られるように各ソレノイドバルブの制御を行う信号が出
力される。
第2図は上記無段変速機の具体的な構造を示す断面図で
あり、この変速機Tは、ケース5a,5bとカバー5cとによ
り囲まれた空間内に油圧ポンプPと油圧モータMとが同
芯に配されて構成されている。
油圧ポンプPは、入力軸1にスプライン結合されたポン
プシリンダ60と、該ポンプシリンダ60に、入力軸1と並
行で入力軸1を囲むようにして円周上等間隔に設けられ
た複数のシリンダ孔61と、該シリンダ孔61にそれぞれ摺
合した複数のポンププランジャ62とからなり、入力軸1
に結合されたフライホイールFWを介して伝達されるエン
ジンEの動力により回転駆動される。
油圧モータMは、ポンプシリンダ60を外囲して設けられ
たモータシリンダ70と、該モータシリンダ70に、入力軸
1と並行で入力軸1およびポンプシリンダ60を囲むよう
にして円周上等間隔に設けられた複数のシリンダ孔71
と、該シリンダ孔71にそれぞれ摺合した複数のモータプ
ランジャ72とから構成されており、ポンプシリンダ60と
同芯上にて相対回転可能なようになっている。
モータシリンダ70の軸線方向両端には、一対の支軸78a,
78bが突設されており、両支軸78a,78bはニードル軸受29
aおよび玉軸受79bを介してケース5a,5bにより回転自在
に支持されている。なお、支軸78aがモータMの出力軸
2をなすものであり、この支軸78a(出力軸2)には、
上記前後進切換装置20の第1および第2駆動ギヤ21,22
がスプライン結合されて取り付けられている。
モータシリンダ70の左内側には、各ポンププランジャ62
に対して所定の角度をもって傾斜したポンプ斜板63が固
定されており、その傾斜面に円環状をなすポンプシュー
64が回転滑動自在なように支承されている。そして、各
ポンププランジャ62とポンプシュー64とが両端にボール
ジョイントを有した連接桿65を介してある程度首振り可
能に連結されている。
円環状をなすポンプシュー64は、その外周面をニードル
軸受66を介してモータシリンダ70の内側に支持されてお
り、また、ポンプシュー64は押えリング67a及びこれに
球面接触するばね保持体67bを介してばね67cによりポン
プ斜板63に押圧されており、このようにしてポンプシュ
ー64は、ポンプ斜板63上において常に定位値で回転滑動
することができる。
ポンプシリンダ60とポンプシュー64との対向端面には、
互いに噛合する傘歯車68a,68bが、互いに等しい歯数を
有してそれぞれ固設されている。これら傘歯車68a,68b
の噛合により、入力軸1よりポンプシリンダ60を駆動す
れば、ポンプシリンダ60がポンプシュー64を回転駆動す
ることになる。そしてこれらの回転に伴い、ポンプ斜板
63の傾斜面の上り側を走るポンププランジャ62は、ポン
プ斜板63からポンプシュー64及び連接桿65を介して吐出
行程を与えられ、また、傾斜面の下り側を走るポンププ
ランジャ62は吸入行程を与えられる。
ケース5a,5bの内部には、各モータプランジャ72に対向
するモータトラニオン73が、その両外側から第2図の紙
面に垂直な方向に突出する一対のトラニオン軸73aを介
して傾動自在に枢支されており、このモータトラニオン
73の傾斜面に配設されたモータ斜板73bに滑接するモー
タシュー74が、各モータプランジャ72の外端に形成され
たボールジョイント72aと首振り自在に結合している。
各モータプランジャ72は、前記したポンププランジャ62
と同様に往復運動を行い、膨張および収縮行程を繰り返
しつつモータシリンダ70を回転させることとなる。この
際、モータトラニオン73の傾斜角度を、後述のようにし
て、各モータプランジャ72に対して垂直となる垂直位置
から、図示の最大傾斜位置へと変化させることにより、
モータプランジャ72のストロークは、0から最大まで無
段階に調節される。
モータシリンダ70は、その軸線方向に分割された第1〜
第4の部分70a〜70dより構成されている。第1の部分70
aには、前記した支軸78aが形成されるとともにその内側
面にはポンプ斜板63が設けられ、また、第2の部分70b
には、前記モータプランジャ72の滑動を案内するシリン
ダ孔71が形成され、第3の部分70cは、各シリンダ孔61,
71への油路が形成された分配盤80を有し、第4の部分70
dには、一方の支軸78bが形成されている。これら第1〜
第4の部分70a〜70dは嵌合もしくはノックピンにより位
置決めされるとともに、複数のボルト77aおよび77bによ
り一体に結合されている。
ポンプシリンダ60は、ばね67cの弾発力により、上記第
3の部分70cである分配盤80の方に圧接されており、こ
れらの回転滑動部からの油の漏洩を防止するようになっ
ている。
モータシリンダ70の一方の支軸78bを有する第4の部分7
0dは、中空に形成されており、その中心部に、固定軸91
が挿入されている。この固定軸91の左端には、分配環92
がOリングを介して液密に嵌着されており、該分配環92
の軸線方向左端面が偏心して分配盤80に摺接し得るよう
にされている。この分配環92により、モータシリンダ70
の第4の部分70d内に形成された中空部が、内側油室と
外側油室とに区画され、内側油室が第1油路Laを構成
し、外側油室が第2油路Lbを構成する。
分配盤80には、ポンプ吐出ポート81aおよびポンプ吸入
ポート82aが穿設されており、その吐出ポート81aおよび
これに繋がる吐出路81bを介して、吐出行程にあるポン
ププランジャ62のシリンダ孔61と内側油室からなる第1
油路Laとが連通され、また、吸入ポート82aおよびこれ
に繋がる吸入路82bを介して、吸入行程にあるポンププ
ランジャ62のシリンダ孔61と外側油室からなる第2油路
Lbが連通される。さらに、分配盤80には、膨張行程にあ
るモータプランジャ72のシリンダ孔71と第1油路Laとを
連通させる第1連絡路(図示せず)と、収縮行程にある
モータプランジャ72のシリンダ孔71と第2油路Lbとを連
通させる第2連絡路83とが形成されている。
このようにして、油圧ポンプPと油圧モータMとの間に
は、分配盤80および分配環92を介して油圧閉回路が形成
されている。したがって、入力軸1よりポンプシリンダ
60を駆動すると、ポンププランジャ62の吐出行程により
生成された高圧の作動油が、吐出ポート81aから吐出路8
1b、第1油路La(内側油室)およびこれと連通状態にあ
る第1連絡路(図示せず)を経て膨張行程にあるモータ
プランジャ72のシリンダ孔71に流入して、そのモータプ
ランジャ72に推力を与える。一方、収縮行程にあるモー
タプランジャ72により排出される作動油は、第2油路Lb
(外側油室)に連通する第2連絡路83、吸入路82bおよ
び吸入ポート82aを介して吸入行程にあるポンププラン
ジャ62のシリンダ孔61に流入する。このような作動油の
循環により、吐出行程のポンププランジャ62がポンプト
ラニオン63を介してモータシリンダ70に与える反動トル
クと、膨張行程のモータプランジャ72がモータトラニオ
ン73から受ける反動トルクとの和によって、モータシリ
ンダ70が回転駆動される。
この場合、ポンプシリンダ60に対するモータシリンダ70
の変速比は次式によってあたえられる。
上式からわかるように、油圧モータMの容量を0からあ
る値に変えれば、変速比を1(最小値)からある必要な
値(最大値)にまで変えることができる。
ところで、油圧モータMの容量は、モータプランジャ72
のストロークにより決定されることから、モータトラニ
オン73を前述のように直立位置からある傾斜角まで傾動
させることにより、変速比を1からある値まで無段階に
調節することができる。
このモータトラニオン73の傾動角の制御を行うのが第1
および第2サーボバルブ30,50であり、第1サーボバル
ブ30はケース5b内の上部に配設され、第2サーボバルブ
50がリンク機構40を介して第1サーボバルブ30に連結さ
れている。これらを取り出して示すのが第3図であり、
この図を併用してこれらサーボバルブ30,50の構造、作
動について説明する。
第1サーボバルブ30は、無段変速機Tの閉回路からシャ
トルバルブ4を介して第5油路Leに導かれた高圧作動油
を導入するための高圧ライン120が接続される接続口31a
を有したハウジング31と、このハウジング31内に図中左
右に滑動自在に嵌挿されたピストン部材32と、このピス
トン部材32内にこれを同芯に且つ左右に滑動自在に嵌挿
されたスプール部材34とを有してなる。ピストン部材32
は、右端部に形成されたピストン部32aと、ピストン部3
2aに同芯で且つこれから左方に延びた円筒状のロッド部
32bとからなり、ピストン部32aはハウジング31内に形成
されたシリンダ孔31cに嵌挿されてこのシリンダ孔31c内
を2分割して左右のシリンダ室35,36を形成せしめ、ロ
ッド部32bはシリンダ孔31cより径が小さく且つこれと同
芯のロッド孔31dに嵌挿される。なお、右シリンダ室36
は、プラグ部材33aおよびカバー33bにより塞がれるとと
もに、スプール部材34がこれらを貫通して配設されてい
る。
上記ピストン部32aにより仕切られて形成された左シリ
ンダ室35には、油路31bを介して接続口31aに接続された
高圧ライン120が繋がっており、ピストン部材32は左シ
リンダ室35に導入された高圧ライン120からの油圧によ
り図中右方向への押力を受ける。
スプール部材34の先端部には、スプール孔32dに密接に
嵌合し得るようにランド34aが形成され、また、該ラン
ド部34aの右方には対角方向の2面が、所定軸線方向寸
法にわたって削り落とされ、凹部34bを形成している。
そして、この凹部34bの右方には止め輪37が嵌挿され、
ピストン部材32の内周面に嵌着された止め輪38に当接す
ることにより抜け止めがなされている。
ピストン部材32には、スプール部材34の右方向移動に応
じて右シリンダ室36をスプール孔32dを介して図示され
ないオイルサンプに開放し得る排出路32eと、スプール
部材34の左方向移動に応じて凹部34bを介して右シリン
ダ室36を左シリンダ室35に連通し得る連絡路32cが穿設
されている。
この状態より、スプール部材34を右動させると、ランド
部34aが連絡路32cを閉塞するとともに、排出路32eを開
放する。従って、油路31bを介して流入する高圧ライン1
20からの圧油は、左シリンダ室35のみに作用し、ピスト
ン部材32をスプール部材34に追従するように右動させ
る。
次に、スプール部材34を左動させると、凹部34bが上記
とは逆に連絡路32cを右シリンダ室36に連通させ、ラン
ド部34aが排出路32eを閉塞する。従って、高圧油は左右
両シリンダ室35,36ともに作用することになるが、受圧
面積の差により、ピストン部材32をスプール部材34に追
従するように左動させる。
また、スプール部材32を途中で停止させると、左右両シ
リンダ室35,36の圧力バランスにより、ピストン部材32
は油圧フローティング状態となって、その位置に停止す
る。
このように、スプール部材34を左右に移動させることに
より、ピストン部材32を高圧ライン120からの高圧作動
油の油圧力を利用してスプール部材34に追従させて移動
させることができ、これによりリンク39を介してピスト
ン部材32に連結された油圧モータMの斜板73をその回動
軸73aを中心に回動させてその容量を可変制御すること
ができる。
スプール部材34はリンク機構40を介して第2変速用サー
ボバルブ50に連結されている。このリンク機構40は、軸
42cを中心に回動自在なほぼ直角な2本のアーム42aおよ
び42bを有した第1リンク部材42と、この第1リンク部
材42のアーム42bの先端部にピン結合された第2リンク
部材48とからなり、アーム42aの上端部が第1変速用サ
ーボバルブ30のスプール部材34の右端部にピン結合され
るとともに、第2リンク部材48の下端部は上記第2変速
用サーボバルブ50のスプール部材54にピン結合されてい
る。このため、第2変速用サーボバルブ50のスプール部
材54が上下動すると、第1変速用サーボバルブ30のスプ
ール部材34が左右に移動される。
第2サーボバルブ50は、2本の油圧ライン102,104が接
続されるポート51a,51bを有したハウジング51と、この
ハウジング51内に図中上下に滑動自在に嵌挿されたスプ
ール部材54とからなり、スプール部材54は、ピストン部
54aと、このピストン54aの下方にこれと同芯に延びたロ
ッド部54bとからなる。ピストン部54aは、ハウジング51
に上下に延びて形成されたシリンダ孔51c内に嵌挿され
て、カバー55により囲まれたシリンダ室内を上および下
シリンダ室52,53に分割する。ロッド部54bは、シリンダ
孔51cと同芯で下方に延びたロッド孔51dに嵌挿される。
なお、ロッド部54bにはテーパ面を有する凹部54eが形成
されており、この凹部54e内に直前位置判定スイッチ58
のスプール58aが突出しており、スプール部材54の上動
終了近傍位置において、テーパ面に沿ってスプール58a
が押し上げられることにより油圧モータMの変速比が最
小になった後、後述の直結クラッチ弁DCが直前位置に位
置したか否かを検出することができるようになってい
る。
また、上記ピストン部54aにより2分割されて形成され
た上および下シリンダ室52および53にはそれぞれ、油圧
ライン102および104がポート51a,51bを介して連通して
おり、両油圧ライン102,104を介して供給される作動油
の油圧および両シリンダ室52,53内においてピストン部5
4aが油圧を受ける受圧面積とにより定まるピストン部54
aへの油圧力の大小に応じて、スプール部材54が上下動
される。このスプール部材54の上下動はリンク機構40を
介して第1変速用サーボバルブ30のスプール部材34に伝
えられて、これを左右動させる。すなわち、油圧ライン
102,104を介して供給される油圧を制御することにより
第1サーボバルブ30のスプール部材34の動きを制御し、
ひいてはピストン部材32を動かして油圧モータMの斜板
角を制御してこのモータMの容量制御を行うことができ
るのである。具体的には、第2サーボバルブ50のスプー
ル部材54を上動させることにより、第1サーボバルブ30
のピストン部材32を右動させて斜板角を小さくし、油圧
モータMの容量を小さくして変速比を小さくさせること
ができる。
上記油圧ライン102の油圧は、第1図に示すように、チ
ャージポンプ10の吐出油をチャージ圧リリーフバルブ12
により調圧した作動油が、油圧ライン101,102を介して
導かれたものであり、油圧ライン104の油圧は、油圧ラ
イン102から分岐したオリフィス103aを有する油圧ライ
ン103の油圧を、デューティ比制御される2個のソレノ
イドバルブ151,152により制御して得られる油圧であ
る。ソレノイドバルブ151,152はコントローラ100からの
信号により駆動制御されるものであり、このことから分
かるように、コントローラ100からの信号により、第1
および第2サーボバルブ30,50の作動を制御し、油圧モ
ータMの容量の制御がなされるのである。
次に、メインクラッチCLおよび直結クラッチDCについ
て、第4図を参照して説明する。第4図は、モータシリ
ンダ70の第4の部分70d内の中空部に挿入された固定軸9
1内に配設されたメインクラッチCLおよび直結クラッチD
Cを詳細に示す図である。
固定軸91の外周面には、円筒状をなす軸受部材93が結合
されており、この軸受部材93により固定軸91に対しモー
タシリンダ70(第4の部分70d)が相対回転可能となっ
ている。
中空の固定軸91の周壁には内側油室である第1油路La
と、外側油室である第2油路Lbとを連通し得る短絡ポー
ト91a,91bが穿設されている。そしてこのポート91a,91b
を開閉すべく、円筒状をなすメインクラッチ弁体95が、
固定軸91の中空部に嵌入されている。
このメインクラッチ弁体95は、固定軸91に対してラジア
ルニードル軸受96aおよびスラストニードル軸受96bによ
り、半径方向および軸線方向の位置決めがなされた上で
固定軸91との相対回転が自在なように組付けられてお
り、その左端部の周壁に、固定軸91の短絡ポート91a,91
bにそれぞれ整合し得る短絡孔95a,95bが穿設され、ま
た、右端部に回動リンク97が結合されている。この回動
リンク97を回動操作することにより、メインクラッチ弁
体95を回動させて短絡孔95a,95bと短絡ポート91a,91bと
の相対位置を変化させることができる。このため、この
回動により、短絡ポート91a,91bを全開にしたときにク
ラッチOFF状態を、そして短絡孔95a,95bをずらして短絡
ポート91a,91bを半開にしたときに半クラッチ状態を、
さらに短絡ポート91a,91bを全閉状態にしたときにクラ
ッチON状態を、それぞれ得ることができ、このようにし
てメインクラッチ弁DCが構成されている。ここで、図示
されたクラッチOFF状態にあっては、吐出ポート81aから
第1油路Laに吐出された作動油が、短絡ポート91a,91b
を介して第2油路Lbから吸入ポート82aに直接流入して
油圧モータMを不作動にし、またクラッチON状態にあっ
ては、上記した作動油の短絡流動が阻止されて油圧ポン
プPから油圧モータMへの循環作用が行われ、通常の動
力伝達がなされる。ただし、このメインクラッチ弁体95
のON・0FFを行わせる回動リンク97の回動操作装置に関
しての説明は省略する。
中空をなすメインクラッチ弁体95の中心部には、直結ク
ラッチ弁DCが設けられている。この直結クラッチ弁DCの
ピストン軸85は、メインクラッチ弁体95の中空孔に摺合
しており、このピストン軸85の先端にはバルブロッド86
aが螺着されている。バルブロッド86aの先端部は、部分
球面に形成されており、ここにシュー86bが首振り自在
なように結合している。
シュー86bは、ピストン軸85が第4図における左方に移
動した際に、分配盤80に穿設された吐出ポート81aに繋
がる吐出路81bの開口端を液密に閉塞し、吐出ポート81a
から第1油路La(内側油室)への作動油の流通を遮断し
得るようにされている。そして、この遮断状態にあって
は、ポンププランジャ62が油圧的にロックされ、油圧ポ
ンプPと油圧モータMとが直結状態となり、ポンプシリ
ンダ60からポンププランジャ63およびポンプ斜板63を介
して、モータリシリンダ70が機械的に駆動されることと
なる。この油圧ポンプPと油圧モータMとの直結状態
は、モータトラニオン73を直立状態にした変速比最小の
位置、すなわちトップ位置にて行われるもので、入力軸
から出力軸への動力伝達効率を向上すると同時に、モー
タプランジャ72がモータトラニオン73に及ぼす推力を低
減させて、摩擦抵抗を低減させ、軸受等の各部材に加わ
る負担を軽減させることができる。
ピストン軸85は、その右端部を段付にて縮径されてお
り、メインクラッチ弁体95を支承するスラストニードル
軸受96bのインナ部材96cとの間に油室87aを形成してい
る。この油室87aは、通常はピストン軸85に軸線方向に
沿って穿設された油通路89aと、該通路89aと連通し得る
ようにバルブロッド86aの中心部に穿設された油通路89b
とを通って、第1油路Laに連通している。そしてエンジ
ン駆動時には、油圧ポンプPと油圧モータMとの間を循
環する高圧の作動油の一部が、上記一連の通路を経て油
室87aに常時供給される。
ピストン軸85の軸線方向中間部には、ピストン部85aが
一体的に形成されており、該ピストン部85aの左方にお
いて、メインクラッチ弁体95の中空孔の内面とピストン
軸85の外周面との間に環状室87bが形成されている。さ
らにピストン軸85の中心には、右端面からピストン部85
aを越える行止り孔88が穿設されており、該行止り孔88
最奥部の周面には、逃げ溝88aが形成されている。この
行止り孔88と環状室87bとの間は、ピストン軸85に半径
方向に穿設された通孔89cを介して連通し得るようにさ
れている。また、ピストン部85aの右端面近傍に穿設さ
れた通孔89aと行止り孔88とを連通し得る通孔89dが穿設
されている。
行止り孔88内には、棒状をなすパイロット弁84が挿入さ
れている。パイロット弁84の先端部には、行止り孔88の
内周面に嵌合するランド部84aが形成され、このランド
部84aの右側には、適度な軸線方向寸法を有して小径部8
4bが形成されている。さらにパイロット弁84の中心に
は、行止り孔88内と大気とを連通する大気連通孔89eが
穿設されている。このパイロット弁84は、その最外端部
において係着されたリンクアーム46により左右方向に摺
動動作を行う。なお、このリンクアーム46の作動説明は
後述する。
以上のような構成において、各部の寸法は、 シュー86bの端面の受圧面積 :A ピストン部85aの断面積 :B ピストン軸85の内端側受圧面積 :C ピストン軸85の縮径部の断面積 :D とした場合に、 A>(B−D) (B−D)>C の不等式で満足されるように定められている。
ここでパイロット弁84を左方に移動させると、パイロッ
ト弁84の小径部84bは、ピストン部85aの右端面より内方
の行止り孔88内にすべて嵌入されるので、通孔89dがパ
イロット弁84の外周面により塞がれ、吐出ポート81aか
らの高圧の作動油は、油通路89a,89bを経て油室87aに流
入し、その油圧はピストン部85aの右端面に作用すると
ともに、第1油路La側からピストン軸85の左端面にも作
用する。この時、ピストン部85aの右端面の受圧面積は
(B−D)であり、また、ピストン軸85の内端面の受圧
面積はCであることから、前記不等式(B−D)>Cの
関係より、ピストン軸85は左方へ移動することとなる。
ピストン軸85の移動に伴いシュー86bが分配盤80の吐出
ポート81aに連通する吐出路81bの端面に当接してこれを
閉塞し、前記油圧ポンプPと油圧モータMとの直結状態
が実現する。
この状態において、シュー86bの受圧面積Aを有する端
面には、吐出ポート81aからの高圧の作動油(油室87aの
油圧力と等圧)が作用する一方、ピストン部85aの受圧
面積(B−D)を有する右端面には油室87a内の高圧の
作動油が作用する。ところで、両受圧面積は前記不等式
A>(B−D)の関係にあることから、シュー86bには
これを右へ移動させる力が作用する。シュー86bが若干
でも右動すると、シュー86bの端面への油圧力が解除さ
れ、シュー86bは再び分配盤80の端面に押し付けられ
る。
このようにして、A,BおよびCの各受圧面積を前記不等
式を満足させるように所定の値に設定することにより、
いわゆる油圧フローティングの状態を保つことができ、
シュー86bと吐出路81bとの間からの作動油の漏洩を最小
限に抑えた上でこれらの間の良好な油密状態を保持する
ことができる。
次に、パイロット弁84を右方へ移動させると、パイロッ
ト弁84の小径部84bが、ピストン軸85に穿設された通孔8
9dに連通する。これにより、高圧の作動油はピストン部
85aの右端面と同時に、ピストン軸85の左端面にも作用
する他、通孔89d、小径部84b、連通孔89cおよび環状室8
7bを通ってピストン部85aの左端面にも作用することと
なる。この時、ピストン軸85を左動させるための受圧面
積が(B−D)であるのに対し、ピストン軸85を右動さ
せるための受圧面積はBとなり、B>(B−D)である
ことから、ピストン軸85は右動し、油圧モータMと油圧
ポンプPとの直結状態が解除される。以上のことからわ
かるように、パイロット弁84が左右方向に移動される
と、これに追従してピストン軸85も左右方向に移動さ
れ、直結クラッチ弁DCのON・OFF作動がなされる。
このパイロット弁84の左右方向の移動は、前述のリンク
機構40を介して伝達される第2サーボバルブ50の作動に
より行われる。そこで、このリンク機構40について説明
する。
第5図は、このリンク機構40を示し、このリンク機構40
は、既述のように第1および第2サーボバルブ30,50間
を連結する2本のアーム42a,42b(なお、アーム42aは第
1サーボバルブ30のスプール部材34に連結され、アーム
42bは第2リンク48を介して第2サーボバルブ50のスプ
ール部材54に連結される)を有した第1シャフト42c
と、この第1シャフト42cの下方にこれと並行に配され
た第2シャフト45とを有しており、両シャフト42c,45は
ケース5aに固定された軸受49a,49b,49cにより回転自在
に支持されている。
前記したように直結クラッチ弁DCのパイロット弁84に連
結される回動リンク46は、上記第2シャフト45に固設さ
れており、第2シャフト45の回動に伴って回動リンク46
が回動され、パイロット弁84が左右に移動されて直結ク
ラッチDCのON・OFF作動がなされる。なお、回動リンク4
6は、第2シャフト45に巻装された捩りコイルばね46aに
より、常時パイロット弁84を外方(右方)に引き出すよ
うに付勢されている。
一方、上記第1および第2シャフト42c,45には、互いに
噛合する駆動および従動カム43,44が固設されており、
第1シャフト42cの回転に応じてこれらのカム43,44の作
用により第2シャフト45に一定の回動が付与される。
このカム43,44の作動を第6A図から第6C図に基づいて説
明する。これらの図に示すように、駆動カム43は、第1
シャフト42cを中心とする半円弧を呈する半円部43aと、
該半円部43aの半径より部分的に外側に突出させた凸部4
3bと、半円部43aの半径より部分的に内側に没入させた
凹部43cとからなり、これら3つの部分を円滑に連続さ
せた輪郭に形成されている。一方、従動カム44は、半円
部43aと略同等の曲率の凹面からなる弧状部44aと、該弧
状部44aから概ね接戦方向に延出してなる直状部44bとか
らなっている。
まず、第3図に示すように、第2サーボバルブ50のスプ
ール部材54が最下動して、油圧モータMのトラニオン73
の傾斜が最大(このとき変速比が最大)となった状態に
おいては、第6A図に示すように、駆動カム43の半円部43
aが従動カム44の弧状部44aと当接し、駆動カム43の凸部
43bと従動カム44の直状部44bとは離れている。このた
め、回動リンク46は捩りコイルばね46aの付勢力を受け
てパイロット弁84を右動させ、直結クラッチ弁DCは全開
状態にある。この状態では、上記第2サーボバルブ50の
スプール部材54の下端は第3図における(ロ)の位置に
ある。スプール部材54が最下限位置まで下動すると、
(イ)の位置に位置するのであるが、リンク機構40のガ
タを吸収して第2サーボバルブ50の作動に対してモータ
トラニオン73の応答性を高めるため、スプール部材54は
(イ)の位置より若干上動した(ロ)の位置に位置せし
めるようにしている。
上記状態から、モータトラニオン73の傾斜角を小さくす
るため、第2サーボバルブ50のスプール部材54を上動さ
せると、第1シャフト42cが時計方向に回動されて第1
サーボバルブ30によりモータトラニオン73がトラニオン
軸73aを中心に時計方向に回動され、その傾斜角が小さ
くなり、変速比が小さくなる。このときには、第1シャ
フト42cの回動に伴って駆動カム43も回動されるのであ
るが、従動カム44はその直状部44bに従動カム43の凸部4
3bが当接するまでは回転されず、従って、パイロット弁
84も移動されず、直結クラッチ弁DCは全開状態のまま保
持される。
上記第2サーボバルブ50のスプール部材54がさらに上動
されて、モータトラニオン73が直立になり、変速比が
“1"(最小)になると、第6B図に示すように、第1シャ
フト42cとともに時計方向に回動された駆動カム43の凸
部43bが従動カム44の直状部44bに当接する。このとき、
第2サーボバルブ50のスプール部材54の下端は第3図に
おいて(ハ)で示す位置になる。このようにモータトラ
ニオン73が直立状態になり、変速比が最小になったこと
は、モータトラニオン73に取り付けられたポテンション
メータ(図示せず)により検出され、この検出信号はコ
ントローラ100に入力される。
上記状態から、第2サーボバルブ50のスプール部材54が
さらに上動されると、第1シャフト42cがさらに時計方
向に回動され、第1サーボバルブ30のスプール部材34は
さらに右動されるのであるが、モータトラニオン73はス
トッパによりこれ以上の回動が阻止されて直立状態に保
持される。ところが、第1シャフト42cが回動されるた
め、駆動カム43が時計方向に回動され、これにより第6C
図に示すように、駆動カム43の凸部43bに直状部44bが押
されて、従動カム44が時計方向に回動される。
このようにして従動カム44が時計方向に回動されると、
第2シャフト45および回動リンク46も捩りコイルばね46
aの付勢力に抗して回動され、この結果、パイロット弁8
4が左方に押し込まれる。これにより、上述のようにピ
ストン軸85が左動され、シュー86bが吐出路81bを塞ぎ直
結状態(直結クラッチ弁DCのON状態)が実現する。
そして、この状態から第2サーボバルブ50のスプール部
材54を下動させると、上記と逆の動作がなされて、直結
クラッチ弁DCをOFF状態にした後、モータトラニオン73
の傾動角が大きくなり、変速比が大きくなる。
以上のように構成された無段変速機におけるメインクラ
ッチ弁CL、直結クラッチ弁DCの作動制御およびモータト
ラニオン73の傾動制御の方法について説明する。
第7図はこの無段変速機を搭載した車両での車速とエン
ジン回転数との関係を示すグラフで、このグラフにおい
て直線PおよびQがそれぞれ変速比が最大および最小の
ときの走行特性を示している。この車両が停止してエン
ジンがアイドリング状態のときには、メインクラッチCL
がOFFで、変速比が最大で、直結クラッチDCがOFFであ
り、この状態からアクセルペダルを踏み込んでスロット
ル開度を大きくしエンジン回転を上げると、エンジン回
転数をスロットル開度に応じた目標回転数に一致させな
がら車速を増大させるような制御がなされ、例えば、イ
(メインクラッチの接続)→ロ(変速比最大でのエンジ
ン回転上昇に伴う車速の上昇)→ハ(エンジン回転一定
のまま変速比を大きくして増速)→ニ,チ(変速比最小
でのエンジン回転上昇に伴う車速の上昇)の順に車速が
変化するような制御がなされる。ここで、ハの状態から
ニの状態への移行時点(点a)において直結クラッチ弁
DCがOFFからONに切り換えられる。なお、ここに示すイ
からチに至る変化は、アクセルペダルの踏み込み量に応
じて異なり、例えば、アクセルペダルの踏み込み量が大
きくなると、このグラフにおいて、ホ→ヘ→ト→チで示
すように、高エンジン回転でメインクラッチの接続およ
び変速がなされる。
このようにして変速比が最小すなわち“1"になり直結ク
ラッチ弁DCがONとなった後においては、スロットル開度
に応じて直結クラッチ弁DCのOFF作動を行わせる目標エ
ンジン回転数Rが設定されるとともに、このときの車速
に対応した回転差ΔNeが設定され、例えば、第7図にお
いて、直線Q(チおよびニ)に沿ってエンジン回転数が
低下し、このエンジン回転数がそのときの目標エンジン
回転数Rより所定回転差ΔNeだけ低下した回転数を示す
線Sと交差する点dに達すると、直結クラッチ弁DCがON
からOFFに切り換えられる。なお、この所定回転差ΔNe
は直結クラッチ弁DCをONからOFFにしたときのエンジン
回転の上昇分にほぼ対応し、直結クラッチ弁DCがONにな
ったときにエンジン回転数が上昇しても上記目標エンジ
ン回転数を上回らないようにして、直結クラッチ弁DCの
ON時にエンジン回転数が目標回転数を上回り直結クラッ
チ弁が再びONになるというハンチングを防止するように
なっている。
以上において説明した直結クラッチ弁DCのOFFからONへ
の切換およびONからOFFへの切換に際して、この切換作
動を行わせるためのパイロット弁84の移動速度が遅いと
きに作動遅れが生じる可能性があり、逆にこの移動速度
を速くし過ぎると変速ショックが生じるという問題があ
る。
このため、本実施例に示す無段変速機Tにおいては、パ
イロット弁84の移動によりシュー86bが吐出路81bを全閉
にする位置より若干開放側に移動した位置、すなわちシ
ュー86bが吐出路81bを完全に閉じてしまう直前の位置に
あることを、第2サーボバルブ50に取り付けた直前位置
判定スイッチ58により検出し(この状態では、第2サー
ボバルブ50のスプール部材54の下端は第3図における
(ニ)に示す状態にある)、パイロット弁84の移動速度
を直前位置の前後に分けて以下のように制御する。
まず、直結クラッチ弁DCをOFFからONに切り換える場合
を説明する。モータトラニオン73の傾斜角を検出するポ
テンショメータによりこの傾斜角が0になり変速比が1
になったこと(スプール部材54の下端は(ハ)の位置し
たこと)が検出されると、この検出信号を受けたコント
ローラ100は、ソレノイドバルブ151.152へのデューティ
比信号を変更して、第2サーボバルブ50のスプール部材
54を(ハ)の位置から(ニ)の位置に向けて急速に上動
させる。これにより、パイロット弁84の移動速度も急速
になり、ピストン軸85とともにシュー86bが吐出路81bを
閉じる方向に急速に移動される。このため、変速比が最
小になってから、直結クラッチ弁DCの作動完了までの時
間遅れを小さくすることができ、直結クラッチ弁の作動
応答性が向上する。ここで、モータプランジャの推力変
動および容積効率の変動に大きな影響を与えるのは、直
結クラッチ弁DCが直前位置から全閉位置へ移動するとき
であり、直結クラッチ弁DCが全開位置から直前位置まで
急速に移動してもこれにより変速ショックが生じること
はない。
次いで、シュー86bが吐出路81bを完全に閉じる直前の位
置(スプール部材54の下端が(ニ)の位置)にまで移動
したことが、直前位置判定スイッチ58により検出される
と、直結クラッチ弁DCの直前位置から全閉位置への移動
スピードは変速ショックの発生に大きく影響するので、
この検出信号を受けたコントローラ100は、ソレノイド
バルブ151,152へのデューティ比信号を再び変更し、今
度は、第2サーボバルブ50のスプール部材54を極くゆっ
くりと上動させる。これにより、シュー86bによる吐出
路81bの閉止が極くゆっくりと行われて変速ショックの
発生が抑えられる。
直結クラッチ弁DCのON・OFFに伴う効率変化の大きさは
エンジン出力に比例し、ほぼ車両走行抵抗で近似するこ
とができる。このため、上記のようにシュー86bにより
吐出路81bの閉止を極くゆっくりと行わせる場合に、こ
のスピードを第8図に示すように車速(すなわち走行抵
抗)に対応して、車速が遅いときには速く、車速が速い
ときには遅くなるように設定する。このようにすると、
車速が遅くて直結クラッチ弁DCのON・OFFに伴う効率変
化が小さいときには、シュー86bのスピードを変速ショ
ックを生ぜしめない範囲で可能な限り速くすることがで
き、変速ショックの発生を抑えながら作動遅れも最小に
することができる。
一方、このようにして直結クラッチ弁DCがONになったの
ち、これをOFFにする場合にも、上記と同様の制御がな
される。すなわち、直結クラッチ弁DCの全閉位置から直
線位置までの移動スピードは、第8図に示した車速に対
応する極く緩やかなスピードに設定され、変速ショック
の発生が防止される。
以上の例においては、モータトラニオンの角度制御装置
と直結クラッチ装置とをリンク機構を用いて連動させ制
御する例を示したが、本発明はこのようなリンク機構に
限られるものではなく、他の構成のリンク機構を用いて
も良く、また、直結クラッチ装置を独立して制御するよ
うにしても良いのは無論である。
また、本例においては、入力軸1とポンプシリンダ60と
を連結し、ポンプ斜板63の支持部70aをモータシリンダ7
0と結合して形成し、ポンプシリンダ60の外周にモータ
シリンダ70を配設してなる無段変速機について説明した
が、本発明はこのような無段変速機における直結クラッ
チ装置に限られるものではない。例えば、ポンプシリン
ダの外周にモータシリンダを配設する代わりに、ポンプ
シリンダとモータシリンダを同軸上に一列に並んで配し
た構造の無段変速機に本発明に係るクラッチ装置を用い
てもよい。また、ポンプの斜板の角度調整を可変として
上記例におけるモータトラニオンと同様な構成にすると
ともにモータを固定容量となし、入力軸をポンプシリン
ダと連結させ、ポンプシリンダとモータ斜板の支持部と
を結合し、モータシリンダを出力軸に連結させた構成の
無段変速機に本発明に係る直結クラッチ装置を配設して
もよい。
ハ.発明の効果 以上説明したように、本発明の方法によれば、直結クラ
ッチ弁のON・OFF作動時において、全開位置と直前位置
との間は急速に移動させ、直前位置と全閉位置との間は
緩やかに移動させるので、直結クラッチ弁を速やかに且
つスムーズにON・OFF作動させるこことができる。さら
に、直結クラッチ弁のON・OFF作動時でのエンジン回転
の変動の発生に最も関係する全閉位置と直前位置との間
での直結クラッチ弁の移動の速度が、エンジン出力に対
応して制御されるので、変速ショックを許容値以下に抑
えることができるとともに、この範囲内で可能な限り大
きな移動スピードを設定させることができ、変速ショッ
クの防止およびタイムラグの発生防止を図ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の方法により制御される直結クラッチ装
置を有する無段変速機の油圧回路図、 第2図は上記無段変速機の断面図、 第3図は上記無段変速機に用いる第1および第2サーボ
バルブの断面図、 第4図は上記直結クラッチ装置の断面図、 第5図はリンク機構を示す斜視図、 第6A図から第6C図は上記リンク機構をなすカムの作動を
示す正面図、 第7図は上記無段変速機を搭載した車両の走行特性を示
すグラフ、 第8図は直結クラッチ弁の移動スピードと車速との関係
を示すグラフである。 1…入力軸、20…前後進切換装置 40…リンク機構、43…駆動カム 44…従動カム、60…ポンプシリンダ 70…モータシリンダ、73…モータトラニオン CL…メインクラッチ、DC…直結クラッチ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石川 義和 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (72)発明者 笹嶋 晃治 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (56)参考文献 特開 昭55−1293(JP,A) 特開 昭60−143265(JP,A)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも一方の容量を可変制御可能な油
    圧ポンプと油圧モータとを油圧閉回路を介して連結して
    なり、前記容量を可変制御して変速比を無段階に調整で
    きるようにした油圧式無段変速機において、前記閉回路
    を断続可能な直結クラッチ弁の作動を制御する方法であ
    って、 前記直結クラッチ弁が前記閉回路を完全に遮断する全閉
    位置から所定量だけ開放側に移動した直前位置にあるこ
    とを検出できるようになし、 前記直結クラッチ弁のON・OFF作動時において、 前記直結クラッチ弁を前記閉回路を完全に開放する全開
    位置と前記直前位置との間で移動させるときには、前記
    直結クラッチ弁を急速な移動速度で移動させ、 前記直結クラッチ弁を前記直前位置と前記全閉位置との
    間で移動させるときには、前記直結クラッチ弁を緩やか
    な移動速度で移動させるとともに、この緩やかな移動速
    度を前記エンジンの出力に対応させて前記エンジンの出
    力が大きいほど遅くなるように設定して制御することを
    特徴とする直結クラッチ弁の制御方法。
  2. 【請求項2】前記エンジンの出力を示す値として車速を
    用い、前記緩やかな移動速度を前記車速に対応させて前
    記車速が速いほど遅くなるように設定することを特徴と
    する請求の範囲第1項に記載の直結クラッチ弁の制御方
    法。
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