JPH07121854A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JPH07121854A
JPH07121854A JP26364993A JP26364993A JPH07121854A JP H07121854 A JPH07121854 A JP H07121854A JP 26364993 A JP26364993 A JP 26364993A JP 26364993 A JP26364993 A JP 26364993A JP H07121854 A JPH07121854 A JP H07121854A
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JP
Japan
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magnetic
tape
thickness
recording medium
medium
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JP26364993A
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English (en)
Inventor
Junichi Tachibana
淳一 立花
Koji Naruse
宏治 成瀬
Kazunobu Chiba
一信 千葉
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 非磁性支持体上に金属磁性薄膜が形成されて
なり、全体の厚さが10μm未満である磁気記録媒体に
おいて、長手方向のヤング率MD、幅方向のヤング率T
D、厚さSが所定の条件を満たす非磁性支持体を用い
る。 【効果】 磁気記録媒体を、全厚を10μm未満の範囲
で違えて同一記録再生装置で混在させて記録再生する場
合でも、磁気ヘッドに対して常に同様に良好な状態で接
触させることができ、再生出力減少,再生エンベロープ
波形の変形のない優れた再生特性を得ることが可能にな
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気記録媒体に関し、
特に厚さが10μm未満の薄手タイプの磁気記録媒体に
関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、カセットテープ,ビデオテープ
等としては、その設定記録再生時間に対応させて各種厚
さの磁気テープが用いられる。
【0003】すなわち、短時間記録用のテープカセット
の場合には、比較的厚手の磁気テープを用いて差し支え
ないが、テープカセットの長時間記録化を図る場合に
は、カセット内の同じスペース内に磁気テープを長尺で
収容する必要があることから比較的薄手の磁気テープを
用いる必要がある。最近では、テープカセットのさらな
る長時間記録化の要請に応えるべく、厚さが10μm未
満の超薄手タイプの磁気テープの採用が進められてい
る。
【0004】超薄手化が可能な磁気テープとしては、非
磁性支持体上に磁性層として金属磁性薄膜が形成されて
なる,いわゆる金属磁性薄膜型の磁気テープが好適であ
る。
【0005】この金属磁性薄膜型の磁気テープは、磁性
層の厚みが極めて薄いので薄手化に適しており、記録減
磁や再生時の厚み損失が著しく小さいこと、抗磁力が大
きいこと、さらには磁性層中に非磁性材であるバインダ
を混入する必要がなく、残留磁束密度Brを飛躍的に高
めることができる等、数々の利点を有するものである。
【0006】ところで、このような磁気テープに情報を
磁気信号として記録し、記録された磁気信号から情報を
再生するには、磁気テープの磁性層が形成されている側
の面を、磁気ヘッドの円筒加工された磁気テープ摺動面
に接触させ、記録の場合には該磁気テープ摺動面の略中
央部に形成されたギャップ部から発生する漏れ磁束によ
って磁気テープを磁化し、再生の場合には磁気テープか
ら発生する漏れ磁束をこのギャップ部で拾うことによっ
てなされる。したがって、良好な記録再生を行うために
は、磁気テープと磁気ヘッドの接触状態が重要となって
くる。
【0007】ここで、磁気テープでは、厚さとスティフ
ネス値とに相関があり、非磁性支持体や磁性層の構成材
料が同一であれば、スティフネス値は厚さの3乗に比例
して高くなる。このような相関関係の下では、厚さの異
なる磁気テープを、同一の記録再生装置で混在して用い
ようとすると、磁気テープ間で磁気ヘッドに対する接触
状態が異なるといった状況が生じる。
【0008】すなわち、図7に示すように、厚手の磁気
テープ31はスティフネス値が高く、磁気ヘッド32の
ギャップg近傍の狭い領域でのみ接触するような傾向を
示す。これに対して、図8に示すように、薄手の磁気テ
ープ33はスティフネス値が低く、磁気ヘッド32のギ
ャップg近傍で鋭角に曲折し、エッジ部分でのみ接触す
るような傾向を示す。このような接触不良が過度になっ
た場合には、再生出力の減少や再生エンベロープ波形の
変形といった問題が発生し、再生信号の質が著しく劣化
する。
【0009】また、厚手でスティフネス値の高い磁気テ
ープを繰り返し走行させると、磁気ヘッドのギャップg
近傍のみにしか摺動しないために、この部分が選択的に
研磨され、磁気ヘッドの磁気テープ摺動面が平坦にな
る。その後薄手の磁気テープを走行させると、磁気ヘッ
ドの磁気ギャップg近傍で磁気テープの接触不良が生じ
てしまう。
【0010】逆に、薄手でスティフネス値の低いの磁気
テープを繰り返し走行させると、磁気ヘッドのエッジ近
傍のみにしか摺動しないために、この部分が選択的に研
磨され、磁気ヘッドの磁気テープ摺動面がギャップ部を
頂点として尖塔状になる。その後厚手の磁気テープを走
行させると、磁気ヘッドのエッジ近傍で磁気テープの接
触不良が生じてしまう。
【0011】そこで、磁気テープにおいては、非磁性支
持体の長手方向のヤングMDを高めることによってステ
ィフネス値を確保したり、長手方向のヤング率MDと幅
方向のヤング率TDの比TD/MDを制御する等の手法
によりスティフネス値を均一化し、厚さが異なる場合で
も常に磁気テープが磁気ヘッドに対して同じような接触
状態で走行できるようになされている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、磁気テ
ープの厚さが10μm未満と超薄厚域になると、磁気ヘ
ッドに対する接触状態がさらに厚さに大きく影響を受け
るようになり、また非磁性支持体材の機械強度,製造技
術の限界等の制限から、ヤング率の実用範囲は非常に狭
くなってくる。そのため、従来より非磁性支持体の適正
ヤング率範囲として規定されている値を、厚さが10μ
m未満の磁気テープにそのまま適用しても、磁気テープ
と磁気ヘッドの接触状態は必ずしも良好なものとはなら
ず、新たにヤング率の適正範囲を探索することが必要で
ある。
【0013】そこで、本発明は、このような従来の実情
に鑑みて提案されたものであり、全体の厚さを10μm
未満の範囲で違えて同一の記録再生装置で混在させて用
いた場合に、常に良好な状態で磁気ヘッドに接触させる
ことができ、長時間記録用テープカセットに用いて好適
な磁気記録媒体を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明の磁気記録媒体は、非磁性支持体上に金属
磁性薄膜が形成されてなる磁気記録媒体において、前記
非磁性支持体の長手方向のヤング率をMD,幅方向のヤ
ング率をTD,厚さをSとしたときに、MD,TD,S
が、 0.5(N・μm)≦MD・S3 ≦2.0(N・μm) 1.2≦TD/MD≦1.6 なる条件を満たすとともに磁気記録媒体全体の厚さが1
0μm未満であることを特徴とするものである。
【0015】また、厚みの異なる2種類以上の磁気テー
プを混在して使用する磁気記録再生装置に用いることを
特徴とするものである。
【0016】本発明が適用される磁気記録媒体は、非磁
性支持体上に磁性層として金属磁性薄膜を設けてなる,
いわゆる金属薄膜型の磁気記録媒体である。
【0017】本発明では、このような磁気記録媒体にお
いて、テープ幅が6mm以上の長時間記録用のテープカ
セットへの適用を目的として、磁気記録媒体全体の厚さ
を10μm未満に抑えるとともに、非磁性支持体として
長手方向のヤング率をMD,幅方向のヤング率をTD,
厚さをSとしたときに、MD,TD,Sが、 0.5(N・μm)≦MD・S3 ≦2.0(N・μm) 1.2≦TD/MD≦1.6 なる条件を満たすものを用いることとする。
【0018】ここで、非磁性支持体について、TD/M
Dを上記範囲に設定したのは、全厚が10μm未満の範
囲で異なる磁気記録媒体を同一記録再生装置で混在させ
て用いるような場合に、磁気記録媒体と磁気ヘッドとが
常に良好な状態で接触し、安定な再生特性が得られるよ
うにするためである。TD/MDが上記範囲以外の非磁
性支持体を用いた場合には、磁気記録媒体間で磁気ヘッ
ドに対する接触状態が異なったり、ヘッド当たりが不良
になるといった状況が生じ、再生出力の減少,再生エン
ベロープ波形の変形が生じる。
【0019】また、MD・S3 を2.0以下に規制した
のは、MD・S3 が2.0よりも大である場合、TD/
MDの適正範囲が上記範囲よりもさらに高い値になり、
そのような非磁性支持体の製造は材料の機械特性や製造
技術の観点から極めて困難であり、現実性を欠くからで
ある。
【0020】なお、非磁性支持体の厚さSは、金属磁性
薄膜の厚さを0.2μm以上確保しながら磁気記録媒体
の全厚を10μm未満に抑えるために9.8μm以下と
するのが適当である。金属磁性薄膜は厚さが0.2μm
未満になると、磁気特性,電磁変換特性が不足するよう
になる。
【0021】このような非磁性支持体の材質としては、
MD,TDを上記条件を満たすように調整することがで
きるものであれば良く、ポリエチレンテレフタレート、
ポリエチレンナフタレート、ポリアミド等,通常この種
の磁気記録媒体において非磁性支持体材料として用いら
れる高分子材料がいずれも使用可能である。
【0022】上記非磁性支持体上には磁性層として金属
磁性薄膜が成膜される。
【0023】この金属磁性薄膜に用いる強磁性金属材料
としては、例えばFe、Co、Ni等の強磁性金属、F
e−Co、Co−Ni、Co−Pt、Co−Cr等の強
磁性合金のような通常用いられているものが使用可能で
ある。これらは単層膜として成膜しても多層膜として成
膜しても構わない。
【0024】強磁性金属磁性材料の成膜は、真空下で強
磁性金属材料を加熱蒸発させ非磁性支持体上に被着させ
る真空蒸着法、強磁性金属材料の蒸発を放電中で行うイ
オンプレーティング法、アルゴンを主成分とする雰囲気
中でグロー放電を起こし生じたアルゴンイオンでターゲ
ット表面の原子をたたき出すスパッタ法等、いわゆるP
VD技術によればよい。
【0025】以上が本発明の磁気記録媒体の基本的な構
成であるが、磁気記録媒体の構成はこれに限定されるも
のではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で各種変更
が可能である。例えば、必要に応じて非磁性支持体の磁
性層が形成されている側とは半体側の面にバックコート
層を形成したり、磁性層上に潤滑剤層を形成するように
しても良い。この場合、バックコート層に含まれる非磁
性顔料、樹脂結合剤あるいは潤滑剤層に用いる潤滑剤と
しては、従来、公知のものが何れも使用できる。
【0026】
【作用】全厚が10μm未満であり、非磁性支持体とし
て長手方向のヤング率をMD,幅方向のヤング率をT
D,厚さをSとしたときに、MD,TD,Sが、 0.5(N・μm)≦MD・S3 ≦2.0(N・μm) 1.2≦TD/MD≦1.6 なる条件を満たすものを用いる金属磁性薄膜型の磁気記
録媒体は、いずれも磁気ヘッドに対して良好な状態で接
触する。したがって、このような磁気記録媒体は、全厚
を違えて同一記録再生装置で混在させて用いる場合で
も、再生出力の減少、再生エンベロープの変形等を誘発
することなく、同様に優れた再生特性を発揮する。
【0027】
【実施例】以下、本発明を適用した実施例について図面
や実験結果を参照しながら説明する。
【0028】まず、長手方向のヤング率MD,幅方向の
ヤング率TDの異なる各種ポリエチレンテレフタレート
製ベースフィルム,ポリアミド製ベースフィルムを用意
した。なお、ベースフィルムの厚さは、ベースフィルム
間のスティフネス値の差を20%以内に抑えるために、
ポリエチレンテレフタレート製ベースフィルムでは6.
1μm、ポリアミド製ベースフィルムでは4.5μmに
設定した。
【0029】そして、これらベースフィルム上に、磁性
層として膜厚200nmのCo−O蒸着膜を成膜した。
【0030】Co−O蒸着膜を成膜するのに用いた連続
巻取式蒸着装置を図1に示す。
【0031】上記連続巻取式蒸着装置は、真空室内に酸
素を導入しながら電子銃加熱によりCoを蒸発させ、長
尺状のベースフィルム上にCo−O膜が連続的に成膜さ
れるようになされたものである。すなわち、頭部と底部
にそれぞれ設けられた排気口15から排気されて内部が
真空状態となされた真空室1内に、図中反時計回り方向
に定速回転する送りロール3と、図中の時計回り方向に
定速回転する巻取りロール4とが設けられ、これら送り
ロール3から巻取りロール4にテープ状の非磁性支持体
2が順次走行するようになされている。
【0032】これら送りロール3から巻取りロール4側
に上記非磁性支持体2が走行する中途部には、上記各ロ
ール3,4の径よりも大径となされた冷却キャン5が設
けられている。この冷却キャン5は、上記非磁性支持体
2を図中下方に引き出すように設けられ、図中時計回り
方向に定速回転する構成とされる。なお、上記送りロー
ル3、巻き取りロール4、及び冷却キャン5はそれぞれ
非磁性支持体2の幅と略同じ長さからなる円筒状をなす
ものであり、また上記冷却キャン5には、内部に図示し
ない冷却装置が設けられ、上記非磁性支持体2の温度上
昇による変形等を抑制し得るようになされている。
【0033】従って、上記非磁性支持体2は、送りロー
ル3から順次送り出され、さらに上記冷却キャン5の周
面を通過し、巻き取りロール4に巻き取られるようにな
されている。なお、上記送りロール3と上記冷却キャン
5との間及び該冷却キャン5と上記巻取りロール4との
間にはそれぞれガイドロール6,7が配設され、上記送
りロール3から冷却キャン5及び該冷却キャン5から巻
取りロール4にわたって走行する非磁性支持体2に所定
のテンションをかけ、該非磁性支持体2が円滑に走行す
るようになされている。また、上記真空室1内には、上
記冷却キャン5の下方にルツボ8が設けられ、このルツ
ボ8内に金属磁性材料9が充填されている。このルツボ
8は、上記冷却キャン5の長手方向の幅と略同一の幅を
有してなる。
【0034】一方、上記真空室1内の側壁部には、上記
ルツボ8内に充填された金属磁性材料9を加熱蒸発させ
るための電子銃10が取付けられている。この電子銃1
0は、当該電子銃10より放出される電子線Xが上記ル
ツボ8内の金属磁性材料9に照射されるような位置に配
設される。そして、この電子銃10によって蒸発した金
属磁性材料9が上記冷却キャン5の周面を定速走行する
非磁性支持体2上に磁性層として被着形成されるように
なっている。また、上記冷却キャン5と上記ルツボ8と
の間であって該冷却キャン5の近傍には、シャッター1
3が配設されている。このシャッター13は、上記冷却
キャン5の周面を定速走行する非磁性支持体2の所定領
域を覆う形で形成され、このシャッター13により上記
蒸発せしめられた金属磁性材料9が上記非磁性支持体2
に対して所定の角度範囲で斜めに蒸着されるようになっ
ている。さらに、このような蒸着に際し、上記真空室1
の側壁部を貫通して設けられる酸素ガス導入口14を介
して非磁性支持体2の表面に酸素ガスが供給され、磁気
特性,耐久性及び耐候性の向上が図られている。本実施
例で採用した蒸着条件は以下の通りである。
【0035】Co−O蒸着膜成膜条件 蒸着開始時のバックグラウンド圧力:5×10-3Pa以
下 酸素流量:250cc/分 テープ送り速度:14m/分 蒸着開始入射角θ1 :90° 蒸着終了入射角θ2 :45° 蒸着膜膜厚:200nm
【0036】このようにしてCo−O蒸着膜を成膜した
後、DCマグネトロンスパッタリング法にて膜厚15n
mのカーボン保護膜を形成した。スパッタリング条件を
以下に示す。
【0037】カーボン保護膜の成膜条件 アルゴンガス導入量:40cc/分 テープ送り速度:2.0m/分 投入電力:7kW カーボン保護膜膜厚:15nm
【0038】以上のようにしてベースフィルム上にCo
−O蒸着膜,カーボン保護膜を形成した後、該カーボン
保護膜表面にパーフルオロポリエーテル系潤滑剤を塗布
し、8mm幅に裁断することで磁気テープ(サンプルテ
ープ1〜サンプルテープ6)を作成した。
【0039】作成された磁気テープの磁気特性は、飽和
磁化Msが500〔kA/m〕≦Ms≦520〔kA/
m〕、面内抗磁力Hcが95〔kA/m〕≦Hc≦11
0〔kA/m〕である。
【0040】また、各磁気テープの全厚t及びベースフ
ィルムのMD・S3 、TD・S3 、TD/MDを表1に
示す(但し、MDはベースフィルムの長手方向のヤング
率,TDはベースフィルムの幅方向のヤング率,Sはベ
ースフィルムの厚さである)。
【0041】
【表1】
【0042】このようにして作成された磁気テープにつ
いて、厚みの異なる磁気テープ間での磁気ヘッド/磁気
テープ接触状態差,ヘッド当たり状態を評価した。
【0043】磁気テープ間での磁気ヘッド/磁気テープ
接触状態差は、8mmVTRを用いて、まず一方の磁気
テープ(先行テープ)を4時間走行させた後、他方の磁
気テープ(後行テープ)を走行させ、その際の先行テー
プ,後行テープの再生出力差を測定することで評価し
た。なお、ここで再生した信号は、波長がハイエイトV
TRの最短記録波長である0.54μmの短波長信号で
ある。また、再生出力はヘッドアンプ直後における電圧
で評価した。また、先行テープ,後行テープ間の再生出
力差は、各磁気テープの磁気特性,表面性等の違いを考
慮して補正した。この再生出力差が±1dB以内であれ
ば、画質等への影響がないレベルと考えられる。
【0044】サンプルテープ1〜サンプルテープ3(そ
れぞれTD/MDが0.6、0.8、1.0)を先行テ
ープとした場合の、後行テープのTD/MDと先行テー
プとの再生出力差の関係を図2に、サンプルテープ4〜
サンプルテープ6(それぞれTD/MDが1.2、1.
6、1.8)を先行テープとした場合の、後行テープの
TD/MDと先行テープとの再生出力差の関係を図3に
示す。
【0045】図2,図3からわかるように、先行テープ
のTD/MD,後行テープのTD/MDのいずれもが
1.0〜1.6の範囲にある場合にのみ、走行順序に関
わらず、再生出力差を±0.5dB以内に抑えることが
できる。このことから、厚みの異なる磁気テープ間での
接触状態差を抑えるためには、ベースフィルムとしてT
D/MDが1.0〜1.6のものを用いる必要があるこ
とがわかった。
【0046】次に、サンプルテープ5を4時間走行さ
せ、続いてサンプルテープ3〜サンプルテープ5を走行
させてその際のエンベロープ波形を観測し、ヘッド当た
りを評価した。
【0047】すなわち、図4に示すように、先行テープ
走行前の磁気ヘッドを、磁気テープ21上を記録トラッ
クTに沿うように該記録トラックTの一端部aから他端
部bに向かって走査させる。すると、図5に示すよう
に、振幅の一定な出力変動の小さいエンベロープ波形が
観測される。このときの再生出力値を出力Aとする。
【0048】一方、サンプルテープ5を4時間走行させ
た磁気ヘッドを同様にして磁気テープ21上を記録トラ
ックTに沿うように走査させる。すると、図6に示すよ
うに、全体に再生出力が小さく、且つ途中に再生出力が
小さくなる部分を有するエンベロープ波形が観測され
る。この再生出力が小さくなる部分の出現は、磁気テー
プ/磁気ヘッド間の当たり不良が原因しており、再生出
力の最小値は画像に大きく影響を与える。この再生出力
の最小値を出力Cとする。
【0049】これら出力Aと出力Cを次式に代入するこ
とによって出力変動を求め、その値からヘッド当たりを
評価した。 出力変動(dB)=20log(C/A) 各磁気テープの出力変動の算出結果を表2に示す。
【0050】
【表2】
【0051】表2から、TD/MDが1.2以上である
サンプルテープ4,サンプルテープ5では、再生出力変
動が小さく抑えられているのに対して、TD/MDが
1.2未満であるサンプルテープ3では、再生出力に大
きな変動が見られヘッドの当たり状態が不良であること
がわかる。
【0052】以上の結果から、厚さの異なる磁気テープ
間の接触状態を同じにして常に良好なヘッド当たりとす
るためには、MD・S3 が0.5〜2.0N・μmであ
るとともにTD/MDが1.2〜1.6のベースフィル
ムを用いる必要があることがわかった。
【0053】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明では、非磁性支持体上に金属磁性薄膜が形成されてな
る磁気記録媒体において、磁気記録媒体の全体の厚さを
10μm未満に規制するとともに、非磁性支持体として
長手方向のヤング率MD、幅方向のヤング率TD、厚さ
Sが所定の条件を満たすものを用いるので、全厚が10
μm未満の範囲で異なる磁気記録媒体を、同一記録再生
装置で混在させて用いる場合でも、磁気記録媒体を磁気
ヘッドに対して常に良好な状態で接触させることがで
き、再生出力減少,再生エンベロープ波形の変形のない
優れた再生特性を得ることが可能である。したがって、
本発明によれば、全厚が10μm未満の長薄手タイプの
磁気テープの実用性が向上し、テープカセットのさらな
る長時間記録化が達成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】Co−O蒸着膜の成膜に用いた連続巻取式蒸着
装置の構成を示す模式図である。
【図2】先行テープのTD/MDが1以下である場合に
ついて、後行テープのTD/MDと先行テープとの出力
差の関係を示す特性図である。
【図3】先行テープのTD/MDが1より大である場合
について、後行テープのTD/MDと先行テープとの出
力差の関係を示す特性図である。
【図4】エンベロープ波形を測定する際に磁気ヘッドが
走査する走査トラックを示す模式図である。
【図5】磁気テープ走行前のエンベロープ波形の一例を
示す特性図である。
【図6】磁気テープ走行後のエンベロープ波形の他の例
を示す特性図である。
【図7】厚手の磁気テープの磁気ヘッドに対する接触状
態を示す模式図である。
【図8】薄手の磁気テープの磁気ヘッドに対する接触状
態を示す模式図である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性支持体上に金属磁性薄膜が形成さ
    れてなる磁気記録媒体において、 前記非磁性支持体の長手方向のヤング率をMD,幅方向
    のヤング率をTD,厚さをSとしたときに、MD,T
    D,Sが、 0.5(N・μm)≦MD・S3 ≦2.0(N・μm) 1.2≦TD/MD≦1.6 なる条件を満たすとともに磁気記録媒体全体の厚さが1
    0μm未満であることを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 厚みの異なる2種類以上の磁気テープを
    混在して使用する磁気記録再生装置に用いることを特徴
    とする請求項1記載の磁気記録媒体。
JP26364993A 1993-10-21 1993-10-21 磁気記録媒体 Pending JPH07121854A (ja)

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