JPH07126215A - オリゴ(β−プロピオラクトン)マクロマーとこれを用いた電解質並びに電池 - Google Patents

オリゴ(β−プロピオラクトン)マクロマーとこれを用いた電解質並びに電池

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JPH07126215A
JPH07126215A JP5294230A JP29423093A JPH07126215A JP H07126215 A JPH07126215 A JP H07126215A JP 5294230 A JP5294230 A JP 5294230A JP 29423093 A JP29423093 A JP 29423093A JP H07126215 A JPH07126215 A JP H07126215A
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偉文 中長
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    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F20/00Homopolymers and copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and only one being terminated by only one carboxyl radical or a salt, anhydride, ester, amide, imide or nitrile thereof
    • C08F20/02Monocarboxylic acids having less than ten carbon atoms, Derivatives thereof
    • C08F20/10Esters
    • C08F20/26Esters containing oxygen in addition to the carboxy oxygen
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 新規なオリゴ(β−プロピオラクトン)マク
ロマーを提供する。また新規なオリゴ(β−プロピオラ
クトン)基を側鎖に有する重合体を含有する高分子固体
電解質及びその高分子固体電解質を用いた電気化学電池
を提供する。 【構成】 一般式(1)で示されるオリゴ(β−プロピ
オラクトン)マクロマー、これを重合して得られる重合
体を含有する高分子固体電解質、並びにこの高分子固体
電解質を用いた電気化学電池。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規な重合性ビニル基を
有する高誘電性マクロマー及びこれを主成分として調製
された非プロトン系電解質ならびにこれを用いた非プロ
トン系電気化学電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から一次電池、二次電池、及びエレ
クトロクロミツク表示素子などの電気化学電池の電解質
には、希硫酸、塩化アンモニウム水、KOH水等のプロ
トン系液体、並びにプロピレンカーボネート、ジメトキ
シエタン等の非プロトン系液体が用いられてきた。
【0003】しかしながら、液体の電解質は部品外部へ
の液もれ、電極物質の溶出などが発生しやすいため長期
信頼性の問題がある。更に、プロトン系電解質の場合は
単セル電圧が2Vまでで、非プロトン系のように3〜4
Vという高電圧を出せないこと、水素ガス発生の為、密
閉構造にすると内圧上昇で破裂の危険性があること等の
問題がある。
【0004】それに対して、非プロトン系固体電解質は
上記のような問題がなく、高エネルギー密度の電池を造
ることができることから、装置の構成が簡略化でき、更
には、薄膜化による軽量化、小型化が可能となるなどの
利点を有している。これらの特徴は、エレクトロニクス
の進展に伴つた小型軽量化、形状自由度の拡大、更に信
頼性の高い各種電子部品に対する要求に適合している。
固体電解質材料としては、工藤徹一、笛木和雄著、「固
体アイオニクス」(講談社サイエンテイフイク、1986)
に記載されるような無機物、例えば、安定化ジルコニ
ア、ヨウ化銀、ヨウ化銀ルビジウム、β−アルミナなど
が良く知られている。これらの無機系固体電解質の中に
は、液体の電解質並のイオン伝導度を示すものもある
が、分解電圧が低いという致命的な欠点を持つ上に、任
意の形状に成型、成膜することが困難な場合が多く、材
料としての特性は極めて不十分である。
【0005】一方、有機高分子は無機物に比べて、軽量
で粘弾性、柔軟性を具備し、成形性及び加工性に優れて
いるという特徴をもつことから、高分子固体電解質とし
て、例えば、緒方直哉編、「導電性高分子」第95〜150
頁(講談社サイエンテイフイク、1990)に記載されるよ
うな、ポリ(エチレンオキシド)、ポリ(プロピレンオ
キシド)等のポリエーテル、ポリ(エチレンサクシネー
ト)、ポリ(β−プロピオラクトン)等のポリエステ
ル、ポリ(エチレンイミン)、ポリ(N−メチルエチレ
ンイミン)等のポリイミンなどのマトリツクスポリマー
が報告されている。更に、これらのマトリツクスポリマ
ーと、リチウム、ナトリウムなどの無機イオン塩との組
み合わせからなる固体電解質組成物、及びそれらの組成
物を用いた、例えば、特開平1−169873号、同2−2950
70号、同3−129603号等に記載されるような電池が報告
されている。しかしながら、これら高分子固体電解質
は、従来から用いられている、例えば、プロピレンカー
ボネートとジメトキシエタンの混合液体を用いた有機系
液体電解質に比べてかなり低いイオン伝導度のものしか
得られていない。
【0006】一方、高イオン伝導度を有する高分子固体
電解質を得る試みとして、側鎖に低分子量のポリ(エチ
レンオキシド)を導入したポリ(ホスフアゼン)を用い
た高分子固体電解質が特開昭61−254626号に、側鎖にア
ミド結合を含む有機基を導入したポリ(ホスフアゼン)
を用いた高分子固体電解質が特開昭63−186766号に、分
枝した低分子量のポリ(アルキレンオキシド)を側鎖に
導入したポリ(ホスフアゼン)を用いた高分子固体電解
質が特開平2−252762号に記載されている。しかしなが
ら、これらの高分子固体電解質は、良好な成膜性を有す
るものの、前述の有機系液体電解質のイオン伝導度に匹
敵するレベルには未だ至つていない。
【0007】イオン伝導度向上の為の高分子設計の観点
から、改善可能な因子は誘電率εとガラス転移点Tgで
あり、イオン伝導度向上の為にはεを大きくTgを低く
しなければならない。しかしながか、大きなεと低いT
gは相反する関係にあり、これまでは低いTgにのみ着目
してポリマー合成が行われてきた。
【0008】本発明者らは、この議論を発展させ、相反
する特性を両立させるべく鋭意研究の結果、ε増大は解
離促進基の導入で、低Tgは柔軟なセグメントの導入で
改善できることに思い至つた。具体的には、成型性の良
い主鎖にεの大きなオリゴマーを側鎖の形で導入するこ
とにより、εの大きな状態を保持したまま低いTgのポ
リマーを得ることができることを見出した。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は新規な
オリゴ(β−プロピオラクトン)マクロマーを提供する
ことにある。また本発明の目的は新規なオリゴ(β−プ
ロピオラクトン)基を側鎖に有する重合体を含有する高
分子固体電解質を提供することにある。更に本発明の目
的は上記高分子固体電解質を用いた電気化学電池を提供
することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は一般式(1)で
示されるオリゴ(β−プロピオラクトン)マクロマー、
これを重合して得られる重合体を含有する高分子固体電
解質、並びにこの高分子固体電解質を用いた電気化学電
池に係る。
【0011】
【化2】
【0012】但し、式中のXはLi、Na、K、メチル
基、エチル基、又はアリル基を示し、nはβ−プロピオ
ラクトン単位の平均の繰り返し数で1≦n≦25の範囲に
ある。又、RはHもしくはメチル基を示す。
【0013】本発明のオリゴ(β−プロピオラクトン)
マクロマーは例えばアクリル酸のMichaelis付加反応に
より遮光状態で合成することができる。合成は、例えば
トリフエニルホスフイン又はアクリル酸のアルカリ金属
塩を開始剤とし、ラジカル重合禁止剤を添加して、80〜
120℃で5〜200時間反応させることにより行うことがで
きる。末端のエステル化は、例えば対応する硫酸エステ
ルで常法により、アルカリ金属塩へはアルコラートにて
変換することができる。得られたオリゴ(β−プロピオ
ラクトン)マクロマーは、付加反応の繰り返し数並びに
末端Xの違いにより、白色固体から液状の物まで様々で
あつた。
【0014】固体電解質の調製は、例えば所定量のマク
ロマーにイオン解離性支持塩と約0.5〜2mol%のベンゾ
インを添加し、脱水蒸留したジメチルホルムアミド(D
MF)に溶解後テフロン皿上に流延し、DMFを減圧除
去後、100Wの高圧水銀灯を約30cmの距離から30分間照
射して重合する方法で行うことができる。重合体は無色
透明の強靭な膜であり、溶剤抽出による有機可溶部分が
無いことから、すべてのマクロマーが重合に関与したも
のと思われる。
【0015】この固体電解質膜をステンレス電極に挟み
込み、所定温度にて複素インピーダンス法による交流伝
導度の測定を行つた。尚、固体電解質の調製からは、乾
燥不活性雰囲気下で全ての操作を行つた。伝導度は25℃
で10-4S/cmを越えており、良好なものであつた。
【0016】本発明の特徴はイオン親和性とεの高いオ
リゴ(β−プロピオラクトン)側鎖を配置することによ
り、電解質塩の解離を促進し、移動イオンの数を増やす
ことにより、イオン伝導性に優れた高分子固体電解質を
得たことにある。
【0017】本発明の有機固体電解質のなかで、特にア
リル基を有するオリゴ(β−プロピオラクトン)マクロ
マー、あるいはこれらの混合物と、電解質塩からなる固
体電解質は架橋によつて電解質膜の機械的強度を増加す
ることが可能である。架橋は通常の方法、即ち、加熱に
よる方法、紫外線照射による方法等を使用することがで
きる。更に、溶媒を添加して固体電解質膜を作製するこ
とも可能である。溶媒としては例えば、ジメトキシエタ
ン、エトシキメトキシエタン、ジエトキシエタン、ジメ
トキシプロパン、アルコキシポリアルキレンエーテル、
ジオキサン、1,3−ジオキソラン、テトラヒドロフラ
ン、メチルテトラヒドロフラン、メトキシテトラヒドロ
フラン等の線状又は環状のエーテル類、エチルアセテー
ト、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バ
レロラクトン、炭酸ジエチル、エチレンカーボネート、
プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート等の線
状又は環状のエステル類、アセトニトリル、メトキシプ
ロピオニトリル等のニトリル類、メチルピロリドン、シ
クロヘキシルピロリドン等の環状アミド類、スルホラン
類、又はリン酸エステル類、又はこれらの混合物を使用
することができる。
【0018】本発明のオリゴ(β−プロピオラクトン)
マクロマーから調製される電解質に用いられるイオン解
離性支持塩は特に制限はないが、カチオンが少なくとも
Li+,Na+,K+,Cs+,Ag+の1種を含み、且つ、ア
ニオンが、BF4 -,AlCl4 -,PF6 -,AsF6 -,ClO
4 -,CF3SO3 -,Cl-,Br-,I-,SCN-の群から
選択される1種以上の電解質塩、例えばLiBF4,Li
AlCl4,LiPF6,LiAsF6,LiClO4,CF3SO
3Li,LiF,LiCl,LiBr,LiI,LiSCN,Na
Br,NaI,NaSCN,KI,KSCN,AgNO3
どを好適に使用することができる。中でもLiClO4
CF3SO3Li,LiBF4などが特に好ましい。
【0019】本電解質を用いた電気化学電池には非水系
の一次電池、二次電池及びエレクトロクロミツク表示素
子などを例示できる。この中でLi二次電池を例にとる
と、正極活物質としては、アルカリ金属とイオン化ポテ
ンシヤルが大幅に異なる遷移金属、カルコゲン類、金属
酸化物及びそれに少量のアルカリ金属イオンがドープさ
れた物などが好適である。遷移金属としては、Ni,S
n,Co,Feなどが挙げられるがSnが最も好ましい。カ
ルコゲン類としては、CuS,FeS2,FeSe2,Ti
2,TiSe2,VS2,VSe2,MoS2,MoSe2などが
好適である。また、金属酸化物としては、MnO2,Co
2,V25,MoO3,WO3などが好適である。一方、
負極活物質としては、リチウム、ナトリウム、カリウム
等のアルカリ金属の他、それらのAl,Pb,Sn合金や
グラフアイト、ポリアセチレン等へのアルカリ金属ドー
ピング物が挙げられる。これらの素材の正極及び負極
を、例えば薄板状に成形し、両者を既述の高分子固体電
解質で貼り合わせることにより、本発明の固体電解質電
池を構成することができる。
【0020】
【実施例】以下、実施例にて本発明を詳述するが、実施
例に限定されるものではない。
【0021】実施例1 〔オリゴ(β−プロピオラクトン)マクロマーナトリウ
ム塩の合成〕アクリル酸 40ミリモルに2ミリモルのp
−ヒドロキノンと1ミリモルのトリフエニルホスフイン
を添加し、遮光下に100℃で150時間反応を行つた後、ク
ロロホルムで希釈し、大量のエーテルに投じて再沈精製
を行い、白色の固形物を得た。このポリマーをエーテル
に溶解し、ドライアイス冷却下にナトリウムメトキシド
のメタノール溶液を添加し、生成した沈殿を分取するこ
とにより、対応するナトリウム塩をほぼ定量的に得た。
【0022】各種分析結果は以下の通りであり、IRス
ペクトルでは2960cm-1にメチレンのC−H伸縮が、1730
cm-1にオリゴエステルのカルボニル基の吸収が認めら
れ、1H−NMRでは2.7ppmにα−メチレンのトリプレ
ツトが、4.4ppmにβ−メチレンのトリプレツトが、又、
5.8〜6.5ppmにマルチプレツトで3個のアクリルプロト
ンの吸収が認められた。更に図1の13C−NMRスペク
トルの帰属より、一般式(1)のX=Na、R=Hの構
造を有する物質であることが確認された。又、本化合物
の重合度nは、GPCによるポリスチレン換算で約20で
あり、分子量分散Mw/Mnは1.08であつた。同様にし
て、アクリル酸とトリフエニルホスフインの比率を変え
てマクロマーの合成を行い、生成物の重合度測定を行つ
た結果を表1に示す。
【0023】
【表1】
【0024】実施例2 〔オリゴ(β−プロピオラクトン)マクロマーメチルエ
ステルの合成〕アクリル酸ナトリウムを開始剤として、
実施例1と同様に合成した反応混合物をN−メチルピロ
リドンに溶解し、氷冷下に等モルのジメチル硫酸と1.
5倍モルの炭酸カリウムを添加し、室温で72時間撹拌反
応を行つた。反応後、氷水に投入し、エーテル抽出して
マクロマーのエステル化物を得た。この結果を表2に示
す。
【0025】
【表2】
【0026】実施例3 実施例1のNo.8で得たマクロマーに2モル%のベンゾ
イン及び5wt%のLiClO4を添加し、THF/CHCl
3の等量混合物に均一に溶解した物をテフロン皿上に流
延し、60℃で2日間減圧乾燥の後、100Wの高圧水銀灯
を30cmの距離から10分間照射して重合させた。この電解
質膜をステンレス製電極に挟み込み、所定温度にて複素
インピーダンス法による交流電導度の測定を行つた。減
圧乾燥以後の試料調製等は乾燥不活性ガス中で行つた。
複素インピーダンス法による交流電導度の値は1×10-5
S/cm(30℃)を示した。
【0027】実施例4 実施例2のNo.8で得たマクロマーに2モル%のベンゾ
イン及び5wt%のLiClO4を添加し、THF/CHCl
3の等量混合物に均一に溶解した物をテフロン皿上に流
延し、60℃で2日間減圧乾燥の後、100Wの高圧水銀灯
を30cmの距離から10分間照射して重合させた。この電解
質膜をステンレス製電極に挟み込み、所定温度にて複素
インピーダンス法による交流電導度の測定を行つた。減
圧乾燥以後の試料調製等は乾燥不活性ガス中で行つた。
複素インピーダンス法による交流電導度の値は3×10-4
S/cm(30℃)を示した。
【0028】実施例5 実施例1のNo.8で得たマクロマーをアセトンに溶解
し、氷冷下に0.8モルのジメチル硫酸と0.2モルのジアリ
ル硫酸と1.5倍モルの炭酸カリウムを添加し、室温で72
時間撹拌反応を行つた。反応後、氷水に投入し、エーテ
ル抽出してマクロマーのエステル化物を得た。このマク
ロマーエステル 40部にプロピレンカーボネート 60部、
イルガノツクス 184(1部)及び、過塩素酸リチウム 1
0部を添加し、40℃以下で超音波処理を行い電解質を得
た。この電解質を透明であるITO電極に挟み込み、40
0Wの高圧水銀灯の光を照射し、重合基の架橋反応を行
い、架橋構造を有する電解質膜の形成を行つた。複素イ
ンピーダンス法による交流電導度の値は3.0×10-3S/c
m(30℃)を示し、プロピレンカーボネートを含まない
電解質に比べて1桁高いイオン伝導度を示した。
【0029】実施例6 実施例4で得た電解質の酸化電位の上限を知るため、白
金電極を用いて酸化側のサイクリツクボルタメトリーを
行つたところ、飽和甘汞電極に対し1.9Vの所に酸化電
流のピークを認めた。平均分子量約700のポリエチレン
グリコールに10wt%のLiClO4を添加した電解質を用
いて同様な試験を行つたところ、飽和甘汞電極に対し0.
7Vの所に酸化電流のピークを認めた。このことから、
本電解質はポリエーテル系電解質に較べて耐酸化性に優
れていることが判る。この為、高電圧を発生する金属酸
化物の正極活物質に対しても電解質の酸化される心配が
なく、4V級のリチウム二次電池にも好適に使用でき
る。
【0030】実施例7 本発明による電池の一具体例として図2に示すようなシ
ート型薄膜電池を作製した。外形寸法は5.5cm×9cmの
名刺サイズに合わせたものであり、厚さは約0.1mmのも
のである。まず、超急冷法にて得た非晶質V25を2%
水溶液とし、5.5cm×9cm、厚さ20μmのステンレス板の
中央部分 36cm2に6.66gを均一に塗布する。このものを8
0〜100℃で約1時間乾燥して膜形成を行つた後、200℃
で2時間熱処理したものを正極部材とする。この部材上
に、実施例4と同様にオリゴ(β−プロピオラクトン)
マクロマーメチルエステルをベースとする高分子固体電
解質の被膜形成を行う。
【0031】一方、アルゴン雰囲気中で、周辺部にポリ
オレフイン系シール材を貼付した5.5cm×9cm、厚さ20
μmのステンレス板の中央部分 36cm2に厚さ30μmのリチ
ウム箔を圧着し、負極部材を別途作製する。この両極部
材を真空下に熱圧着しシート電池を作製した。この電池
の開回路起電圧は、4.10Vを示し、30℃における1.0mA
での定電流放電の結果は図3に示したようになり、電圧
が2Vに低下するまでの放電容量密度は正極活物質に対
して、170Ah/kgであつた。更に本電池の充放電繰り返
し試験を行つた際の2サイクル目の状況を図4に示し
た。曲線部分のa,a'は充電後の休止期間、bは放電
状態、cは放電後の休止期間、dは充電状態である。本
電池の充放電効率は99%以上であり、電解質を含めた本
電池系は良好な充放電特性を有する二次電池であること
が確認された。
【0032】比較例1 〔直鎖状ポリ(β−プロピオラクトン)電解質〕渡辺等
の方法〔マクロモレキユールス 17巻 2908〜2912(19
84)〕に従いジエチル亜鉛/水系触媒を用いて、20gの
β−プロピオラクトンを−25℃で72時間、開環重合さ
せ、クロロホルム/エタノールで再沈精製を行い、平均
分子量約2万の直鎖状のポリ(β−プロピオラクトン)
を得た。このポリマーに10wt%のLiClO4を添加し、1
00℃で均一に溶解させて電解質を調製し、ステンレス電
極に挟んで、実施例4と同様に30℃で複素インピーダン
ス法による交流電導度の測定を行つた。その値は3.0×1
0-6S/cmであり、実施例4の1/100であつた。
【0033】
【発明の効果】本発明の新規なオリゴ(β−プロピオラ
クトン)基を有するアクリルポリマーは塩を溶解するこ
とによつて従来に比べて飛躍的にイオン伝導度が向上
し、実用に供し得る電流を流すことができる耐酸化性を
備えた高分子固体電解質である。従つて、本発明のオリ
ゴ(β−プロピオラクトン)基を有するアクリルポリマ
ー及びその混合物は高分子固体電解質として、全固体一
次及び二次電池、固体表示素子、センサー及びキヤパシ
ターなどの電気化学デバイスの電解質等として、電気、
電子工業、化学工業、医療用等の広い分野に応用するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1のNo.1で得られたオリゴ(β−プ
ロピオラクトン)マクロマーナトリウム塩の13C−NM
Rスペクトルである。
【図2】本発明の電池の一具体例であるシート型薄膜電
池の断面概略図である。
【図3】本発明の実施例7で得られたシート電池の30℃
における1mAでの定電流放電の結果を示す図である。
【図4】本発明の実施例7で得られたシート電池の30℃
における1mAでの定電流充放電試験を行つた結果を示
す図である。
【符号の説明】
1 V25膜 2 金属リチウム 3 有機高分子固体電解質膜 4 ステンレス箔 5 シール材

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式〔化1〕で示されるオリゴ(β−
    プロピオラクトン)マクロマー。 【化1】 但し、式中のXはLi、Na、K、メチル基、エチル基、
    又はアリル基を示し、nはβ−プロピオラクトン単位の
    平均の繰り返し数で1≦n≦25の範囲にある。又、Rは
    Hもしくはメチル基を示す。
  2. 【請求項2】 請求項1の物質の重合体の1種もしくは
    2種以上の混合物、あるいは請求項1の物質の1種もし
    くは2種以上の混合物の重合体を主成分とし、これにイ
    オン解離性支持塩を共存させた非プロトン系電解質。
  3. 【請求項3】 請求項2の電解質を用いた非プロトン系
    電気化学電池。
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