JPH07126617A - セリウム賦活弗化ハロゲン化バリウム系蛍光体および放射線像変換パネル - Google Patents

セリウム賦活弗化ハロゲン化バリウム系蛍光体および放射線像変換パネル

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JPH07126617A
JPH07126617A JP30099793A JP30099793A JPH07126617A JP H07126617 A JPH07126617 A JP H07126617A JP 30099793 A JP30099793 A JP 30099793A JP 30099793 A JP30099793 A JP 30099793A JP H07126617 A JPH07126617 A JP H07126617A
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JP30099793A
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Masato Funahashi
真人 舟橋
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 残像消去特性、残光特性及び輝尽発光強度の
少なくとも一つ以上の特性が改良された新規なセリウム
賦活弗化ハロゲン化バリウム系蛍光体およびその蛍光体
を利用した放射線像変換パネルを提供する。 【構成】 組成式(I):BaFX: bCe3+(ただ
し、XはCl、BrおよびIからなる群より選ばれる少
なくとも一種のハロゲンであり、そしてbは10-5≦b
≦10-2の範囲の数値である)で表わされるセリウム賦
活弗化ハロゲン化バリウムに対し0.001〜1.0モ
ル%の量でCu、Sn、Sb、Tl、Pb、Bi、P
r、Sm、Gd及びLuからなる群より選ばれる少なく
とも一種の金属が添加されてなるセリウム賦活弗化ハロ
ゲン化バリウム系蛍光体、およびこの輝尽性蛍光体を含
有する蛍光体層を有する放射線像変換パネル。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規なセリウム賦活弗
化ハロゲン化バリウム系の輝尽性蛍光体、およびその輝
尽性蛍光体を含有する輝尽性蛍光体層を有する放射線像
変換パネルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の放射線写真法に代わる方法とし
て、たとえば特開昭55−12145号公報に記載され
ているような輝尽性蛍光体を用いる放射線像変換方法が
知られている。この方法は、輝尽性蛍光体を含有する放
射線像変換パネル(蓄積性蛍光体シート)を利用するも
ので、被写体を透過した、あるいは被検体から発せられ
た放射線を該パネルの輝尽性蛍光体に吸収させ、そのの
ちに輝尽性蛍光体を可視光線、赤外線などの電磁波(励
起光)で時系列的に励起することにより、該輝尽性蛍光
体中に蓄積されている放射線エネルギーを蛍光(輝尽発
光光)として放出させ、この蛍光を光電的に読み取って
電気信号を得、次いで得られた電気信号に基づいて被写
体あるいは被検体の放射線画像を可視像として再生する
ものである。読み取りを終えた該パネルは、残存する画
像の消去が行なわれた後、次の撮影のために備えられ
る。すなわち、放射線像変換パネルは繰り返し使用する
ことができる。
【0003】上記の放射線像変換方法によれば、従来の
放射線写真フィルムと増感紙との組合せを用いる放射線
写真法による場合に比較して、はるかに少ない被曝線量
で情報量の豊富な放射線画像を得ることができるという
利点がある。さらに、従来の放射線写真法では一回の撮
影ごとに放射線写真フィルムを消費するのに対して、こ
の放射線像変換方法では放射線像変換パネルをくり返し
使用するので、資源保護、経済効率の面からも有利であ
る。
【0004】輝尽性蛍光体は、放射線を照射した後、励
起光を照射すると輝尽発光を示す蛍光体であるが、実用
上では、波長が400〜900nmの範囲にある励起光
によって300〜500nmの波長範囲の輝尽発光を示
す蛍光体が一般的に利用される。従来より放射線像変換
パネルに用いられてきた輝尽性蛍光体の例としては、二
価ユーロピウム賦活アルカリ土類金属ハロゲン化物系蛍
光体を挙げることができる。放射線像変換方法に用いら
れる放射線像変換パネルは、基本構造として、支持体と
その表面に設けられた輝尽性蛍光体層とからなるもので
ある。ただし、蛍光体層が自己支持性である場合には必
ずしも支持体を必要としない。輝尽性蛍光体層は、通常
は輝尽性蛍光体とこれを分散状態で含有支持する結合剤
とからなる。ただし、輝尽性蛍光体層としては、蒸着法
や焼結法によって形成される結合剤を含まないで輝尽性
蛍光体の凝集体のみから構成されるものが知られてい
る。また、輝尽性蛍光体の凝集体の間隙に高分子物質が
含浸されている輝尽性蛍光体層を有する放射線像変換パ
ネルも知られている。これらのいずれの蛍光体層でも、
輝尽性蛍光体はX線などの放射線を吸収したのち励起光
の照射を受けると輝尽発光を示す性質を有するものであ
るから、被写体を透過したあるいは被検体から発せられ
た放射線は、その放射線量に比例して放射線像変換パネ
ルの輝尽性蛍光体層に吸収され、パネルには被写体ある
いは被検体の放射線像が放射線エネルギーの蓄積像とし
て形成される。この蓄積像は、上記励起光を照射するこ
とにより輝尽発光光として放出させることができ、この
輝尽発光光を光電的に読み取って電気信号に変換するこ
とにより放射線エネルギーの蓄積像を画像化することが
可能となる。
【0005】なお、輝尽性蛍光体層の表面(支持体に面
していない側の表面)には通常、ポリマーフィルムある
いは無機物の蒸着膜などからなる保護膜が設けられてい
て、蛍光体層を化学的な変質あるいは物理的な衝撃から
保護している。
【0006】これまでに各種の用途において多数の蛍光
体が見い出されている。しかし、前記のような輝尽性を
示す蛍光体としては、僅かな種類のものが確認されてい
るのみである。従って、実用上に利用できるレベルの輝
尽性を示す蛍光体の探索は依然として重要である。
【0007】従来より、X線、電子線、あるいは紫外線
などの放射線を照射したのち可視乃至赤外領域の電磁波
(励起光)で励起すると、近紫外乃至青色領域に発光
(輝尽発光)を示す輝尽性蛍光体として、セリウム賦活
弗化ハロゲン化バリウム蛍光体(BaFX:Ce3+;た
だし、Xは弗素以外のハロゲンである)が知られている
(特開昭55−12145号、特開昭55−84389
号公報等)。従ってこの蛍光体は、放射線像変換方法に
使用される放射線像変換パネル用の輝尽性蛍光体として
使用できるものである。そして、このセリウム賦活弗化
ハロゲン化バリウム蛍光体はユーロピウム賦活弗化ハロ
ゲン化バリウム蛍光体に比べて応答速度が速く、このた
めセリウム賦活弗化ハロゲン化バリウム蛍光体を前記の
放射線像変換方法に利用すると、画像情報の読み出しが
速いとの利点がある。
【0008】西独国特許第3834414号公報には、
セリウム賦活弗化臭化バリウム蛍光体(BaFBr:C
3+)を製造する際に弗化ナトリウム(NaF)または
ヘキサフルオロケイ酸ナトリウム(Na2 SiF6 )を
添加してもよいことが記載されているが、該化合物が蛍
光体の輝尽発光輝度にどのような影響を及ぼすかについ
ての記述は全くない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記のようにセリウム
賦活弗化ハロゲン化バリウム蛍光体(BaFX:C
3+)は、画像情報の読み出し速度が向上した放射線像
変換パネル用の輝尽性蛍光体として既に知られている。
しかしながら、上記の放射線像変換方法においても、X
線等の放射線による被曝線量を少なくするためにできる
だけ高感度であることが望ましく、使用される輝尽性蛍
光体はその輝尽発光輝度が少しでも高いことが要求され
ている。また、従来のセリウム賦活弗化ハロゲン化バリ
ウム蛍光体においては、該輝尽性蛍光体中に蓄積されて
いる放射線エネルギーを励起光により蛍光(輝尽発光
光)として放出させた場合、残光が目立ち(すなわち残
光特性が悪く)、また残像の浮き上がり(放射線像変換
パネルから放射線像の再生後、消去操作に付したパネル
に時間経過後に潜像が現れる現象;残像消去特性として
評価)が発生し易い。このような好ましくない残光特性
は得られる放射線画像の鮮鋭度を低下させ、また残像の
浮き上がりは、放射線像変換パネルの再使用における画
像特性を低下させることから、これらの点についても改
善が望まれる。従って、本発明は、そのような要求を満
たす新規な輝尽性蛍光体を提供するものである。さらに
詳しくは、本発明は、残像消去特性、残光特性及び輝尽
発光強度の少なくとも一つ以上の特性が改良された新規
なセリウム賦活弗化ハロゲン化バリウム蛍光体を提供す
ることを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】 BaFX: bCe3+ …(I) (ただし、XはCl、BrおよびIからなる群より選ば
れる少なくとも一種のハロゲンであり、そしてbは10
-5≦b≦10-2の範囲の数値である)で表わされるセリ
ウム賦活弗化ハロゲン化バリウムに対し0.001〜
1.0モル%の量で、Cu、Sn、Sb、Tl、Pb、
Bi、Pr、Sm、GdおよびLuからなる群より選ば
れる少なくとも一種の金属が添加されてなるセリウム賦
活弗化ハロゲン化バリウム系蛍光体、およびこの輝尽性
蛍光体を含む蛍光体層を有する放射線像変換パネル。上
記金属としては、Sn、Sb、Pb、Tl、Bi、P
r、Sm、GdおよびLuが好ましく、さらに、Bi、
Pr、Sm、Gd及びLuが好ましい。また金属の添加
量は、上記一般式(I)のセリウム賦活弗化ハロゲン化
バリウムに対して0.001〜0.5モル%が好まし
く、さらに0.01〜0.5モル%が最も好ましい。b
の値は、10-5以上(1×10-5≦b)であることが好
ましく、そして10-2以下(b≦1×10-2)であるこ
とが好ましい。
【0011】また、上記のセリウム賦活弗化ハロゲン化
バリウム蛍光体に、更にNaX'、CsX"、CaX'"2、SrX""2
CaO 及びSrO (ただし、X’はBr及び/又はIであ
り;そしてX”、X '”及びX””はF、Cl、Brお
よびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲ
ンである)の少なくとも一種が添加されていることが好
ましい。特に、NaX'、CsX"、CaX'"2及びSrX""2の少なく
とも一種が添加されることが好ましい。上記NaX'、Cs
X"、CaX'"2、SrX""2、CaO 及びSrO は、0.01〜10
モル%の量(好ましくは0.1〜10モル%の量)で添
加されることが好ましい。
【0012】本発明の、組成式(I)で表わされるセリ
ウム賦活弗化ハロゲン化バリウムに上記Cuなどの金属
が添加されたセリウム賦活弗化ハロゲン化バリウム系蛍
光体は、1)ハロゲン化バリウム、セリウム化合物、そ
して上記金属(Cu、Sn、Sb、Tl、Pb、Bi、
Pr、Sm、Gd及びLu)のハロゲン化物、更に所望
によりハロゲン化ナトリウム、ハロゲン化セシウム、ハ
ロゲン化カルシウム、ハロゲン化ストロンチウム、酸化
カルシウム及び/又は酸化ストロンチウム、からなる蛍
光体原料の混合物を調製する工程、および2)該蛍光体
原料混合物を弱還元性もしくは中性雰囲気下あるいは微
量酸素導入雰囲気下で、400乃至1300℃の範囲の
温度で0.5乃至10時間焼成する工程、からなる製造
法により製造することができる。
【0013】本発明のセリウム賦活弗化ハロゲン化バリ
ウム系蛍光体の製造法の例を以下に詳しく説明する。
【0014】まず、蛍光体原料として、 1)弗化バリウム(BaF2 )、 2)塩化バリウム(BaCl2 )、臭化バリウム(Ba
Br2 )および沃化バリウム(BaI2 )からなる群よ
り選ばれる少なくとも一種のハロゲン化バリウム、ただ
し、上記1)及び2)の原料の代わりに、BaFCl、
BaFBr、BaFI等のハロゲン化バリウムを用いて
も良い。 3)ハロゲン化物、酸化物、硝酸塩などのセリウム化合
物からなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物、そ
して更に 4)塩化銅(CuCl)、臭化銅(CuBr)、沃化銅
(CuI)、塩化錫(SnCl2 )、臭化錫(SnBr
2 )、沃化錫(SnI2 )、塩化鉛(PbCl2 )、臭
化鉛(PbBr2 )、沃化鉛(PbI2 )、塩化タリウ
ム(TlCl)、臭化タリウム(TlBr)、沃化タリ
ウム(TlI)、塩化アンチモン(SbCl3 )、臭化
アンチモン(SbBr3 )、沃化アンチモン(SbI
3 )、塩化ビスマス(BiCl3 )、臭化ビスマス(B
iBr3 )、沃化ビスマス(BiI3 )、塩化プラセオ
ジム(PrCl3 )、臭化プラセオジム(PrBr
3 )、沃化プラセオジム(PrI3 )、塩化サマリウム
(SmCl3 )、臭化サマリウム(SmBr3 )、沃化
サマリウム(SmI3 )、塩化ガドリニウム(GdCl
3)、臭化ガドリニウム(GdBr3 )、沃化ガドリニ
ウム(GdI3 )、塩化ルテチウム(LuCl3 )、臭
化ルテチウム(LuBr3 )及び/又は沃化ルテチウム
(LuI3 )、さらに所望により、 5)臭化ナトリウム(NaBr)、沃化ナトリウム(N
aI)、弗化セシウム(CsF)、塩化セシウム(Cs
Cl)、臭化セシウム(CsBr)、沃化セシウム(C
sI)、弗化カルシウム(CaF2 )、塩化カルシウム
(CaCl2 )、臭化カルシウム(CaBr2 )、沃化
カルシウム(CaI2 )、弗化ストロンチウム(SrF
2 )、塩化ストロンチウム(SrCl2 )、臭化ストロ
ンチウム(SrBr2 )、沃化ストロンチウム(SrI
2 )、酸化カルシウム(CaO)、および/または酸化
ストロンチウム(SrO)、を用意する。場合によって
は、さらにハロゲン化アンモニウム(NH4 X”;ただ
しX”はCl、BrまたはIである)などをフラックス
として使用してもよい。
【0015】蛍光体の製造に際しては、まず上記1)の
弗化バリウム、2)のハロゲン化バリウム及び3)のセ
リウム化合物を化学量論的に前記組成式(I)におよそ
従う相対比となるように秤量し、そして4)の塩化銅等
の金属成分の量をBaFX:bCe3+に対して0.00
1〜1.0モル%となるように秤量し、それらを混合し
て蛍光体原料の混合物を調製する。なお、更に上記5)
の臭化ナトリウム等を添加する場合は同様に、その成分
がBaFX: bCe3+に対し0.01〜10モル%の量
となるように添加し混合する。
【0016】蛍光体原料混合物の調製は、 i) 上記1)〜4)(あるいは1)〜5))の蛍光体原
料を単に混合する、 ii) 上記1)、2)及び4)(あるいは1)、2)、
4)及び5))の蛍光体原料をまず混合し、この混合物
を100℃以上の温度で数時間加熱したのち、得られた
熱処理物に上記4)の蛍光体原料を混合する、 iii)上記1)、2)及び4)(あるいは1)、2)、
4)及び5))の蛍光体原料を懸濁液の状態でまず混合
し、この懸濁液を加温下(好ましくは50〜200℃の
温度)で減圧乾燥、真空乾燥、噴霧乾燥などにより乾燥
し、しかるのち得られた乾燥物に上記4)の蛍光体原料
を混合する、などのいずれの方法によって行なってもよ
い。
【0017】なお上記ii) の方法の変法として、上記
1)〜4)(あるいは1)〜5))の蛍光体原料を混合
し、この混合物に上記熱処理を施す方法を利用してもよ
い。また、上記iii)の方法の変法として、上記1)〜
4)(あるいは1)〜5))の蛍光体原料を懸濁液の状
態で混合し、この懸濁液を乾燥する方法を利用してもよ
い。あるいはまた、上記3)の蛍光体原料を熱処理後も
しくは乾燥後の混合物に添加混合してもよいし、焼成を
二度以上行なう場合には上記3)の蛍光体原料は一次焼
成後に添加してもよい。
【0018】上記i)、ii)およびiii)のいずれの方法に
おいても、混合には各種ミキサー、V型ブレンダー、ボ
ールミル、ロッドミルなどの通常の混合機が用いられ
る。
【0019】次に、上記のようにして調製された蛍光体
原料混合物を石英ボート、アルミナルツボ、石英ルツボ
などの耐熱性容器に充填し、電気炉の炉芯に入れて焼成
を行なう。焼成温度は400〜1300℃の範囲が適当
であり、好ましくは500〜1100℃の範囲である。
焼成時間は蛍光体原料混合物の充填量、焼成温度および
炉からの取出し温度などによっても異なるが、一般には
0.5〜10時間が適当である。焼成雰囲気としては、
窒素ガス雰囲気、アルゴンガス雰囲気などの中性雰囲
気、あるいは少量の水素ガスを含有する窒素ガス雰囲
気、一酸化炭素を含有する二酸化炭素雰囲気などの弱還
元性雰囲気、あるいは微量酸素導入雰囲気が利用され
る。
【0020】なお、上記のようにして蛍光体原料混合物
を一度焼成したのちその焼成物を電気炉から取り出して
放冷し、必要により乳鉢、ボールミル、チューブミル、
遠心ミルなどの通常の粉砕機を用いて微粉末状に粉砕
し、更にその粉砕物を電気炉に入れて再焼成(二次焼
成)を行なってもよい。再焼成の際の焼成温度は400
〜1300℃の範囲が適当であり、焼成時間は0.5〜
10時間が適当であり、また焼成雰囲気としては上記の
弱還元性雰囲気および中性雰囲気、さらに微量の酸素が
導入された雰囲気を利用することができる。
【0021】上記焼成によって粉末状の蛍光体が得られ
る。得られた蛍光体については、必要に応じて更に洗
浄、乾燥、ふるい分けなどの蛍光体の製造における各種
の一般的な操作を行なってもよい。なお、蛍光体は温水
で分解しやすいので洗浄はアセトン、酢酸エチル、エタ
ノールなどの有機溶媒で行なう。
【0022】以上に説明した製造法によって、上記1)
〜4)の成分を用いた場合、 BaFX: bCe3+ …(I) (ただし、XはCl、BrおよびIからなる群より選ば
れる少なくとも一種のハロゲンであり、そしてbは10
-5≦b≦10-2の範囲の数値である)で表わされるセリ
ウム賦活弗化ハロゲン化バリウムに0.001〜1.0
モル%の量で、Cu、Sn、Sb、Tl、Pb、Bi、
Pr、Sm、Gd及びLuからなる群より選ばれる少な
くとも一種の金属が添加されたセリウム賦活弗化ハロゲ
ン化バリウム系蛍光体が得られ;そして上記1)〜5)
の成分を用いた場合、上記セリウム賦活弗化ハロゲン化
バリウム蛍光体に、更にNaX'、CsX"、CaX'"2、SrX""2
CaO 及びSrO (ただし、XはCl、Br及びIからなる
群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;X’
はBr及び/又はIであり;X”、X'”及びX””は
F、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なく
とも一種のハロゲンである)の少なくとも一種が0.0
1〜10モル%の量で添加されたセリウム賦活弗化ハロ
ゲン化バリウム系蛍光体が得られる。
【0023】次に、本発明の放射線像変換パネルの製造
法について述べる。
【0024】本発明の放射線像変換パネルの輝尽性蛍光
体層は、上記一般式(I)で表わされるセリウム賦活弗
化ハロゲン化バリウム中に上記Cu等の金属が添加され
た(所望により更にハロゲン化ナトリウム等が添加され
た)セリウム賦活弗化ハロゲン化バリウム系蛍光体を含
む層であり、通常は、輝尽性蛍光体とこれを分散状態で
含有支持する結合剤とからなるのものであるが、必要に
応じて、結合剤を含まないで輝尽性蛍光体の凝集体のみ
から構成されるもの、あるいは輝尽性蛍光体の凝集体の
間隙に高分子物質が含浸されている蛍光体層などでもよ
い。
【0025】次に、蛍光体層が輝尽性蛍光体とこれを分
散状態で含有支持する結合剤とからなる場合を例にと
り、本発明の放射線像変換パネルを製造する方法を説明
する。
【0026】蛍光体層は、次のような公知の方法により
支持体上に形成することができる。まず、輝尽性蛍光体
と結合剤とを溶剤に加え、これを充分に混合して、結合
剤溶液中に輝尽性蛍光体が均一に分散した塗布液を調製
する。塗布液における結合剤と輝尽性蛍光体との混合比
は、目的とする放射線像変換パネルの特性、蛍光体の種
類などによって異なるが、一般には結合剤と蛍光体との
混合比は、1:1乃至1:100(重量比)の範囲から
選ばれ、そして特に1:8乃至1:40(重量比)の範
囲から選ぶのが好ましい。上記のようにして調製された
蛍光体と結合剤とを含有する塗布液を、次に、支持体の
表面に均一に塗布することにより塗膜を形成する。この
塗布操作は、通常の塗布手段、たとえば、ドクターブレ
ード、ロールコーター、ナイフコーターなどを用いるこ
とにより行なうことができる。
【0027】支持体としては、従来の放射線像変換パネ
ルの支持体として公知の材料から任意に選ぶことができ
る。公知の放射線像変換パネルにおいて、支持体と蛍光
体層の結合を強化するため、あるいは放射線像変換パネ
ルとしての感度もしくは画質(鮮鋭度、粒状性)を向上
させるために、蛍光体層が設けられる側の支持体表面に
ゼラチンなどの高分子物質を塗布して接着性付与層とし
たり、あるいは二酸化チタンなどの光反射性物質からな
る光反射層、もしくはカーボンブラックなどの光吸収性
物質からなる光吸収層などを設けることが知られてい
る。本発明において用いられる支持体についても、これ
らの各種の層を設けることができ、それらの構成は所望
の放射線像変換パネルの目的、用途などに応じて任意に
選択することができる。さらに特開昭58−20020
0号公報に記載されているように、得られる画像の鮮鋭
度を向上させる目的で、支持体の蛍光体層側の表面(支
持体の蛍光体層側の表面に接着性付与層、光反射層また
は光吸収層などが設けられている場合には、その表面を
意味する)には微小凹凸が形成されていてもよい。
【0028】上記のようにして支持体上に塗膜を形成し
たのち塗膜を乾燥して、支持体上への輝尽性蛍光体層の
形成を完了する。蛍光体層の層厚は、目的とする放射線
像変換パネルの特性、蛍光体の種類、結合剤と蛍光体と
の混合比などによって異なるが、通常は20μm乃至1
mmとする。ただし、この層厚は50乃至500μmと
するのが好ましい。なお、輝尽性蛍光体層は、必ずしも
上記のように支持体上に塗布液を直接塗布して形成する
必要はなく、たとえば、別に、ガラス板、金属板、プラ
スチックシ−トなどのシ−ト上に塗布液を塗布し乾燥す
ることにより蛍光体層を形成したのち、これを、支持体
上に押圧するか、あるいは接着剤を用いるなどして支持
体と蛍光体層とを接合してもよい。
【0029】前述のように、通常は、蛍光体層の上に保
護膜が付設される。保護膜には、セルロース誘導体やポ
リメチルメタクリレートなどのような透明な有機高分子
物質を適当な溶媒に溶解して調製した溶液を蛍光体層の
上に塗布することで形成されたもの、あるいはポリエチ
レンテレフタレートなどの有機高分子フィルムや透明な
ガラス板などの保護膜形成用シートを別に形成して蛍光
体層の表面に適当な接着剤を用いて設けたもの、あるい
は無機化合物を蒸着などによって蛍光体層上に成膜した
ものなどが用いられる。また、有機溶媒可溶性のフッ素
系樹脂の塗布膜により形成され、パーフルオロオレフィ
ン樹脂粉末もしくはシリコーン樹脂粉末を分散、含有さ
せた保護膜であってもよい。
【0030】なお、得られる画像の鮮鋭度を向上させる
ことを目的として、本発明の放射線像変換パネルを構成
する上記各層の少なくとも一つの層が励起光を吸収し、
輝尽発光光は吸収しないような着色剤によって着色され
ていてもよく、独立した着色中間層を設けてもよい(特
公昭54−23400号公報参照)。
【0031】上記の方法により、支持体上に、上記一般
式(I)で表わされるセリウム賦活弗化ハロゲン化バリ
ウム中に上記Cu等の金属が添加された(所望により更
にハロゲン化ナトリウム等が添加された)セリウム賦活
弗化ハロゲン化バリウム系輝尽性蛍光体とこれを分散状
態で含有支持する結合剤とからなる蛍光体層が付設され
てなる本発明の放射線像変換パネルを製造することがで
きる。
【0032】
【実施例】 [実施例1]弗化臭化バリウム(BaFBr)0.85
モル(200.80g)、弗化沃化バリウム(BaF
I)0.15モル(42.48g)、臭化セリウム(C
eBr3 )3×10-3モル(1.139g)をボールミ
ルで十分に混合した後、混合物に塩化銅(CuCl)
0.297gを添加して更に均一に混合した。この混合
物を石英ボートに充填してチューブ型電気炉に入れ、窒
素雰囲気下で930℃の温度で2時間焼成した。焼成
後、石英ボートを電気炉から取り出して窒素雰囲気中で
室温まで冷却した。得られた焼成物を粉砕したのち篩に
かけた。このようにしてCuが0.3モル%添加された
BaFBr0.850.15:0.003 Ce3+の組成式のセリウ
ム賦活弗化臭化沃化バリウム系蛍光体を得た。
【0033】[実施例2〜12]実施例1において、塩
化銅(CuCl)0.297gに代えて表1に示すハロ
ゲン化物を表1に示す添加量で使用した以外は、実施例
1の方法と同様の操作を行なうことにより、それぞれS
n(実施例2)、Pb(実施例3)、Pb(実施例
4)、Tl(実施例5)、Tl(実施例6)、Sb(実
施例7)、Bi(実施例8)、Pr(実施例9)、Sm
(実施例10)、Gd(実施例11)及びLu(実施例
12)が0.3モル%添加されたBaFBr
0.850.15:0.003 Ce3+の組成式のセリウム賦活弗化
臭化沃化バリウム系蛍光体を得た。
【0034】[比較例1]実施例1において、塩化銅
(CuCl)を用いないこと以外は実施例1の方法と同
様の操作を行なうことによって、BaFBr
0.850.15:0.003 Ce3+の組成式で表されるセリウム
賦活弗化臭化沃化バリウム系蛍光体を得た。
【0035】[実施例13]実施例2において、さらに
臭化ナトリウム(NaBr)0.1モル%(0.103
g)を使用した以外は実施例2の方法と同様の操作を行
なうことによって、Snが0.3モル%添加されたBa
FBr0.850.15・0.001 NaBr:0.003Ce3+の組
成式で表されるセリウム賦活弗化臭化沃化バリウム系蛍
光体を得た。
【0036】[実施例14]実施例2において、更に臭
化セシウム(CsBr)0.1モル%(0.213g)
を使用した以外は実施例2の方法と同様の操作を行なう
ことによって、Snが0.3モル%添加されたBaFB
0.850.15・0.001 CsBr:0.003 Ce3+の組成式
で表されるセリウム賦活弗化臭化沃化バリウム系蛍光体
を得た。
【0037】[実施例15]実施例2において、さらに
弗化カルシウム(CaF2 )0.1モル%(0.078
g)を使用した以外は実施例2の方法と同様の操作を行
なうことによって、Snが0.3モル%添加されたBa
FBr0.850.15・0.001 CaF2 :0.003Ce3+の組
成式で表されるセリウム賦活弗化臭化沃化バリウム系蛍
光体を得た。
【0038】[実施例16]実施例2において、さらに
弗化ストロンチウム(SrF2 )0.1モル%(0.1
26g)を使用した以外は実施例2の方法と同様の操作
を行なうことによって、Snが0.3モル%添加された
BaFBr0.850.15・0.001 SrF2 :0.003 Ce3+
の組成式で表されるセリウム賦活弗化臭化沃化バリウム
系蛍光体を得た。
【0039】[蛍光体の評価] (1)PSL感度(輝尽発光輝度) 上記の各蛍光体に80KVpのX線を100mR照射し
たのち、He−Neレーザー光(633nm)を12J
/m2 照射して励起し、蛍光体から放射された輝尽発光
光をフィルター(B−410)を通して光電子増倍管で
受光することにより、蛍光体の輝尽発光輝度を測定し
た。(2)残像消去特性 上記輝尽発光輝度の測定後、Naランプにて各蛍光体に
消去操作を2000000 ルックス・秒行ない、次いで暗所に
60℃にて24時間放置した後、上記(1)と同様にし
て蛍光体の輝尽発光輝度を測定した。残像消去特性は、
初期感度に対する相対値として示した。(3)PSL残
光(輝尽残光) 上記の各蛍光体に80KVpのX線を100mR照射し
たのち、半導体レーザー光(680nm)を12J/m
2 照射して励起し、レーザー照射停止直前の輝尽発光輝
度及びレーザー照射停止後50msec.後の輝尽発光
輝度を、蛍光体から放射された輝尽発光光をフィルター
(B−410)を通して光電子増倍管で受光することに
より、測定した。そして、下記式よりPSL残光を求
め、その値を対数で表現した。
【0040】上記測定による蛍光体の評価は、公知のセ
リウム賦活ハロゲン化バリウム系蛍光体(比較例1)に
比較して優れている場合をA、同程度の場合をB、そし
て劣っている場合をCとして示した。得られた結果を表
1及び表2に示す。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】[実験結果]表1に示した結果から明らか
なように、Cu、Sn、Sb、Tl、Pb、Bi、P
r、Sm、Gd又はLuが少量添加された本発明のセリ
ウム賦活弗化臭化沃化バリウム系蛍光体(実施例1〜1
2)は、これらが添加されていない公知のセリウム賦活
ハロゲン化バリウム系蛍光体(比較例1)に比べて残像
消去特性と残光特性の少なくとも一つにおいて優れた特
性を示した。更に、Bi、Pr、Sm、Gd又はLuが
少量添加された本発明のセリウム賦活弗化臭化沃化バリ
ウム系蛍光体(実施例8〜12)は、これらが添加され
ていない公知のセリウム賦活ハロゲン化バリウム系蛍光
体(比較例1)に比べて高輝度の輝尽発光を示し、かつ
残像消去特性及び残光特性においても同等又は同等以上
の特性を示した。また、さらにNaBr等を導入した蛍
光体(実施例13〜16)も高輝度の輝尽発光を示しか
つ良好な残像消去特性及び残光特性を示した。
【0044】[実施例17]次に、本発明の放射線像変
換パネルを製造例を記載する。蛍光体層形成材料とし
て、実施例1で得たCuを0.3モル%含有したBaF
Br0.850.15:0.003 Ce3+の組成式のセリウム賦活
弗化臭化バリウム系蛍光体356g、ポリウレタン樹脂
(住友バイエルウレタン(株)製デスモラック4125)1
5.8g、ビスフェノールA型エポキシ樹脂2.0gを
メチルエチルケトン−トルエン(1:1)混合溶媒に添
加し、プロペラミキサーによって分散し、粘度25〜3
0PSの塗布液を調製した。この塗布液をドクターブレ
ードを用いて下塗り付ポリエチレンテレフタレートフィ
ルム上に塗布した後、100℃で15分間乾燥させて、
蛍光体層を形成した。
【0045】次に、保護膜形成材料として、フッ素系樹
脂:フルオロオレフィン−ビニルエーテル共重合体(旭
硝子(株)製ルミフロン LF100)70g、架橋剤:イソ
シアネート(住友バイエルウレタン(株)製デスモジュ
ールZ4370)25g、ビスフェノールA型エポキシ樹脂5
g、およびシリコーン樹脂微粉末(KMP−590、信
越化学工業(株)製、粒子径1〜2μm)10gをトル
エン−イソプロピルアルコール(1:1)混合溶媒に添
加し、塗布液を作った。この塗布液を上記のようにして
予め形成しておいた蛍光体層上にドクターブレートを用
いて塗布し、次に120℃で30分間熱処理して熱硬化
させるとともに乾燥し、厚さ10μmの保護膜を設け
た。以上の方法により、放射線像変換パネルを得た。
【0046】[実施例18〜32]蛍光体として、実施
例2〜16で得たセリウム賦活弗化臭化沃化バリウム系
蛍光体を用いた以外は、実施例17の操作と同じ操作を
行ない、それぞれ、支持体、輝尽性蛍光体層および保護
層からなる放射線像変換パネルを得た。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 組成式(I): BaFX: bCe3+ …(I) (ただし、XはCl、BrおよびIからなる群より選ば
    れる少なくとも一種のハロゲンであり、そしてbは10
    -5≦b≦10-2の範囲の数値である)で表わされるセリ
    ウム賦活弗化ハロゲン化バリウムに対し0.001〜
    1.0モル%の量で、Cu、Sn、Sb、Tl、Pb、
    Bi、Pr、Sm、GdおよびLuからなる群より選ば
    れる少なくとも一種の金属が添加されてなるセリウム賦
    活弗化ハロゲン化バリウム系蛍光体。
  2. 【請求項2】 さらに、NaX'、CsX"、CaX'"2、SrX""2
    CaO 及びSrO (ただし、X’はBr及び/又はIであ
    り、そしてX”、X '”及びX””はF、Cl、Brお
    よびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲ
    ンである)からなる群より選ばれる少なくとも一種が
    0.01〜10モル%の量で添加されてなる請求項1に
    記載されたセリウム賦活弗化ハロゲン化バリウム系蛍光
    体。
  3. 【請求項3】 さらに、NaX'、CsX"、CaX'"2及びSrX""2
    (ただし、X’はBr及び/又はIであり、そして
    X”、X '”及びX””はF、Cl、BrおよびIから
    なる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンである)
    からなる群より選ばれる少なくとも一種が0.01〜1
    0モル%の量で添加されてなる請求項1に記載されたセ
    リウム賦活弗化ハロゲン化バリウム系蛍光体。
  4. 【請求項4】 輝尽性蛍光体を含む蛍光体層を有する放
    射線像変換パネルにおいて、輝尽性蛍光体が、組成式
    (I): BaFX: bCe3+ …(I) (ただし、XはCl、BrおよびIからなる群より選ば
    れる少なくとも一種のハロゲンであり、そしてbは10
    -5≦b≦10-2の範囲の数値である)で表わされるセリ
    ウム賦活弗化ハロゲン化バリウムに対し0.001〜
    1.0モル%の量で、Cu、Sn、Sb、Tl、Pb、
    Bi、Pr、Sm、GdおよびLuからなる群より選ば
    れる少なくとも一種の金属が添加されてなるセリウム賦
    活弗化ハロゲン化バリウム系蛍光体であることを特徴と
    する放射線像変換パネル。
  5. 【請求項5】 該セリウム賦活弗化ハロゲン化バリウム
    系蛍光体に、さらにNaX'、CsX"、CaX'"2、SrX""2、CaO
    及びSrO (ただし、X’はBr及び/又はIであり、そ
    してX”、X '”及びX””はF、Cl、BrおよびI
    からなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであ
    る)からなる群より選ばれる少なくとも一種が0.01
    〜10モル%の量で添加されてなる請求項4に記載され
    た放射線像変換パネル。
  6. 【請求項6】 該セリウム賦活弗化ハロゲン化バリウム
    系蛍光体に、さらにNaX'、CsX"、CaX'"2及びSrX""2(た
    だし、X’はBr及び/又はIであり、そしてX”、X
    '”及びX””はF、Cl、BrおよびIからなる群よ
    り選ばれる少なくとも一種のハロゲンである)からなる
    群より選ばれる少なくとも一種が0.01〜10モル%
    の量で添加されてなる請求項4に記載された放射線像変
    換パネル。
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