JPH07135998A - α−アミラーゼ活性測定法およびその試薬組成物 - Google Patents

α−アミラーゼ活性測定法およびその試薬組成物

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JPH07135998A
JPH07135998A JP28936793A JP28936793A JPH07135998A JP H07135998 A JPH07135998 A JP H07135998A JP 28936793 A JP28936793 A JP 28936793A JP 28936793 A JP28936793 A JP 28936793A JP H07135998 A JPH07135998 A JP H07135998A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 非還元性末端グルコースがβ−ガラクトース
で修飾されたβ−ガラクトシルマルトオリゴ糖を基質と
するアミラーゼ測定方法において、血清や尿などの体液
中のβ−ガラクトシダーゼの作用により基質が分解する
ことを抑制し、アミラーゼ活性を正確に測定する測定法
およびその測定試薬を提供する。 【構成】 還元末端グルコースの1位の水酸基が色原体
を結合し、非還元末端グルコースの4位または6位の水
酸基がβ−ガラクトースで修飾されたβ−ガラクトシル
マルトオリゴ糖を基質とし、α−グルコシダーゼおよび
/またはβ−グルコシダーゼを追随酵素とし、さらにβ
−ガラクトシダーゼ阻害剤を含む試薬を使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、非還元性末端グルコー
スの4位または6位の水酸基をβ−ガラクトースで修飾
したβ−ガラクトシルマルトオリゴ糖を基質として用い
るアミラーゼ活性測定法及びその試薬組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から膵液や尿等の体液中に含有され
るα−アミラーゼ活性を測定することにより、各種疾患
の診断が行われている。この方法ではα−アミラーゼの
活性測定法には、例えばマルトオリゴ糖(マルトトリオ
ース、マルトテトラオース、マルトペンタオース、マル
トヘキサオース等)を基質とする方法がある。この方法
では、α−アミラーゼ含有試料に該マルトオリゴ糖とα
−グルコシダーゼとを作用させて基質からグルコースを
遊離させ、遊離するグルコース量の量を測定することに
より、α−アミラーゼの活性を知ることができる。
【0003】またマルトオリゴ糖誘導体として、還元性
末端グルコースにフェニル基、ナフチル基または、それ
らの誘導体をアグリコンとして結合させた基質を用いる
方法も提案されている。例えば基質としてp−ニトロフ
ェニルマルトペンタオシド(特公昭57-53079号公報)、
p−ニトロフェニルマルトヘキサオシド(特公昭57-530
79号公報)、p−ニトロフェニルマルトヘプタオシド
(特公昭62-50119号公報)、2,4−ジニトロマルトペ
ンタオシド(特公昭59-13199号公報)等が利用されてい
る。これらの基質を使用するとアグリコンが遊離し、遊
離したアグリコン、例えばp−ニトロフェニールを光学
的に測定することにより、α−アミラーゼの活性を測定
することが出来る。
【0004】上記方法では、α−グルコシダーゼの作用
により、僅かではあるがブランク値が上昇し、その結
果、測定値の誤差が大きくなるという欠点が生じ、α−
グルコシダーゼと基質とを一液化することは難しいこと
であった。このような欠点を解消するために、マルトオ
リゴ糖の非還元性末端のグルコースの4位および/また
は6位の水酸基を修飾したタイプの基質が市販され利用
されるようになった。最近、上記合成糖より天然糖に近
い形のα−アミラーゼの基質として、非還元性末端グル
コースの4位または6位の水酸基がβ−ガラクトース修
飾された、β−ガラクトシルマルトオリゴ糖誘導体が開
発された(特開平3-264596号公報、特開平5-208989号公
報など) 。
【0005】このような基質としては、例えば、2−ク
ロロ−4−ニトロフェニル 4−O−β−D−ガラクト
ピラノシル−β−マルトテトラオシドなどがある。この
基質は、追随酵素(α−グルコダーゼ、β−グルコシダ
ーゼ、グルコアミラーゼ等)の一液化条件において、α
−グルコシダーゼの作用を受けず、またその合成が容易
であり、水溶性に優れ、かつアミラーゼの作用様式をよ
り純粋に反映するなど多くの利点がある。通常、臨床診
断の場においては血清および尿中のα−アミラーゼを測
定し、疾患の有無を判断する。しかしながら、血清およ
び尿中にはβ−ガラクトシダーゼが存在する可能性を有
する。具体的に尿中には数ユニット(IU)存在するこ
とが知られている(東京化学同人発行、生化学データブ
ック、第1606頁、1979年発行) 。
【0006】したがって、尿中にβ−ガラクトシダーゼ
が存在すると、基質であるガラクトシルマルトオリゴ糖
誘導体の非還元性末端グルコースに修飾されたガラクト
シル基のβ結合を加水分解し、ガラクトースとマルトオ
リゴ糖誘導体を生じることになる。生じたマルトオリゴ
糖誘導体は、追随酵素であるα−グルコシダーゼの作用
を受けることになり、測定のブランク値を上昇させ、そ
の結果、測定値の誤差が大きくなる。このことは非還元
性末端グルコースをブロックし、上記追随酵素の作用か
ら基質の分解を阻止するという本来の効果が消失するこ
とになる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
非還元性末端グルコースがβ−ガラクトースで修飾され
たβ−ガラクトシルマルトオリゴ糖を基質とするアミラ
ーゼ測定方法において、血清や尿などの体液中のβ−ガ
ラクトシダーゼの作用により基質が分解することを抑制
し、アミラーゼ活性を正確に測定する方法および試薬を
提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は還元末
端グルコースの1位の水酸基が色原体を結合し、非還元
末端グルコースの4位または6位の水酸基がβ−ガラク
トースで修飾されたβ−ガラクトシルマルトオリゴ糖、
α−グルコシダーゼおよび/またはβ−グルコシダーゼ
およびβ−ガラクトシダーゼ阻害剤を含む試薬を、試料
中のα−アミラーゼに作用させ、生成する色原体を測定
することを特徴とするα−アミラーゼ活性測定法であ
る。
【0009】また本発明は還元末端グルコースの1位の
水酸基が色原体を結合し、非還元末端グルコースの4位
または6位の水酸基がβ−ガラクトースで修飾されたβ
−ガラクトシルマルトオリゴ糖、α−グルコシダーゼお
よび/またはβ−グルコシダーゼおよびβ−ガラクトシ
ダーゼ阻害剤を含むことを特徴とするα−アミラーゼ活
性測定用試薬組成物である。
【0010】本発明において使用する還元末端グルコー
スの1位の水酸基が色原体を結合し、非還元末端グルコ
ースの4位または6位の水酸基がβ−ガラクトースで修
飾されたβ−ガラクトシルマルトオリゴ糖とは、グルコ
ース数が2〜7であるマルトオリゴ糖の還元末端グルコ
ースの1位の水酸基に、α−グルコシダーゼ及びβ−グ
ルコシダーゼの追随酵素により加水分解を受けると呈色
する色原体をα−結合またはβ−結合し、非還元末端グ
ルコースの4位または6位の水酸基がβ- ガラクトシル
基で修飾されたものをいう。
【0011】色原体としては、可視部に吸光度を有する
ものに限定されるものではなく、紫外部に吸光度を有す
るものや、蛍光測定あるいは発光測定が可能である化合
物でもよい。可視部に吸光度を有する色原体としては、
置換基としてニトロ基を有するフェノール類、例えば2
−クロロ−4−ニトロフェノール、p−ニトロフェノー
ル等がある。紫外部に吸光度を有する色原体としては、
アニリノ基、メチルアニリノ基、ヒドロキシアニリノ
基、カルボキシフェニルアミノ基などがある。蛍光測定
が可能である化合物としては、2−ピリジルアミノ基、
3−ピリジルアミノ基、ウンベリフェリル基などがあ
る。
【0012】本発明に使用する基質としては、下記式に
て示される化合物が例示される。
【0013】
【化1】 (式中、R1 およびR2 のいずれか一方はβ−ガラクト
ピラノシル基を示し、他方は水素を示し、R3 はp−ニ
トロフェニル基またはハロゲン置換p−ニトロフェニル
基を示し、nは0〜5の整数を示す。)
【0014】還元末端グルコースの1位の水酸基が色原
体をα−結合し、非還元末端グルコースの4位または6
位の水酸基がβ−ガラクトースで修飾されたβ−ガラク
トシルマルトオリゴ糖としては、4−ニトロフェニル
4−O−β−D−ガラクトピラノシル−α−マルトシ
ド、4−ニトロフェニル 4−O−β−D−ガラクトピ
ラノシル−α−マルトトリオシド、4−ニトロフェニル
4−O−β−D−ガラクトピラノシル−α−マルトテ
トラオシド、4−ニトロフェニル 4−O−β−D−ガ
ラクトピラノシル−α−マルトペンタオシド、4−ニト
ロフェニル 6−O−β−D−ガラクトピラノシル−α
−マルトテトラオシド、4−ニトロフェニル 6−O−
β−D−ガラクトピラノシル−α−マルトペンタオシ
ド、2−クロロ−4−ニトロフェニル 4−O−β−D
−ガラクトピラノシル−α−テトラオシドまたは2−ク
ロロ−4−ニトロフェニル 4−O−β−D−ガラクト
ピラノシル−α−マルトペンタオシド等がある。
【0015】還元末端グルコースの1位の水酸基が色原
体をβ−結合し、非還元末端グルコースの4位または6
位の水酸基がβ−ガラクトースで修飾されたβ−ガラク
トシルマルトオリゴ糖としては、2−クロロ−4−ニト
ロフェニル 4−O−β−D−ガラクトピラノシル−β
−マルトシド、2−クロロ−4−ニトロフェニル 4−
O−β−D−ガラクトピラノシル−β−マルトトリオシ
ド、2−クロロ−4−ニトロフェニル 4−O−β−D
−ガラクトピラノシル−β−マルトテトラオシドまたは
2−クロロ−4−ニトロフェニル 4−O−β−D−ガ
ラクトピラノシル−β−マルトペンタオシド、2−クロ
ロ−4−ニトロフェニル 6−O−β−D−ガラクトピ
ラノシル−β−マルトテトラオシドまたは2−クロロ−
4−ニトロフェニル 6−O−β−D−ガラクトピラノ
シル−β−マルトペンタオシド、4−ニトロフェニル
4−O−β−D−ガラクトピラノシル−β−テトラオシ
ドまたは4−ニトロフェニル 4−O−β−D−ガラク
トピラノシル−β−マルトペンタオシド等が挙げられ
る。このような化合物の製造法としては、特開平3-2645
96号公報、特開平5-208989号公報および特願平4-209277
号明細書に記載された方法などがある。
【0016】β−ガラクトシダーゼ阻害剤としては、例
えばβ−D−チオガラクトシル類、キレート剤またはア
ミン類、または1mM以上のカルシウムイオン、ラクト
ース、ガラクトスタインが挙げられる。β−チオガラク
トシド誘導体としては、例えばイソプロピルチオガラク
トシド、等がある。またキレート剤としては、EDTA
−2Na、EDTA−3Na等がある。さらにアミン類
としては、例えばエタノールアミン、メルカプチルアミ
ン等がある。カルシウイオンの供給源としては、塩化カ
ルシウム、酢酸カルシウム等がある。
【0017】本発明に用いるα−グルコシダーゼは、動
物、植物または微生物などから得られるα−グルコシダ
ーゼが利用でき、その起源を問わない。
【0018】本発明において用いるβ−グルコシダーゼ
は、植物、微生物などから得られるβ−グルコシダーゼ
が利用でき、その起源を問わない。
【0019】本発明のα−アミラーゼ活性測定用試薬組
成物は、上記ガラクトシルマルトオリゴ糖、α−グルコ
シダーゼおよび/又はβ−グルコシダーゼおよびβ−ガ
ラクトシダーゼ阻害剤を含有するものであり、緩衝液の
ほかに必要に応じてその他の添加物、例えば界面活性
剤、塩化ナトリウム等の塩類、蛋白結合防止剤、防腐剤
などを含有しても良い。
【0020】還元末端グルコースの1位の水酸基が色原
体をα−結合し、非還元末端グルコースの4位または6
位の水酸基がβ−ガラクトースで修飾されたβ−ガラク
トシルマルトオリゴ糖を基質とする場合、α−グルコシ
ダーゼおよびβ−ガラクトシダーゼ阻害剤を含む。
【0021】還元末端グルコースの1位の水酸基が色原
体をβ−結合し、非還元末端グルコースの4位または6
位の水酸基がβ−ガラクトースで修飾されたβ−ガラク
トシルマルトオリゴ糖であって、グルコース数が2また
は3のものを基質とする場合、β−グルコシダーゼおよ
びβ−ガラクトシダーゼ阻害剤を含む。
【0022】還元末端グルコースの1位の水酸基が色原
体をβ−結合し、非還元末端グルコースの4位または6
位の水酸基がβ−ガラクトースで修飾されたβ−ガラク
トシルマルトオリゴ糖であって、グルコース数が4〜7
のものを基質とする場合、α−グルコシダーゼ、β−グ
ルコシダーゼおよびβ−ガラクトシダーゼ阻害剤を含
む。
【0023】本発明のα−アミラーゼ活性測定用試薬組
成物を用いたα−アミラーゼ活性の測定は、還元末端グ
ルコースの1位の水酸基が色原体を結合し、非還元末端
グルコースの4位または6位の水酸基がβ−ガラクトー
スで修飾されたβ−ガラクトシルマルトオリゴ糖、α−
グルコシダーゼおよび/またはβ−グルコシダーゼおよ
びβ−ガラクトシダーゼ阻害剤を含む試薬を、試料中の
α−アミラーゼに作用させ、生成する色原体を測定す
る。生成された色原体は常法に従って測定する。例えば
可視部に吸光度を有する化合物であれば、吸光度計によ
り吸光度変化を測定する。
【0024】本発明において、体液中のβ−ガラクトシ
ダーゼ活性は以下の方法により測定する。o−ニトロフ
ェニル−β−ガラクトピラノシド(ONPG)を基質と
して、β−ガラクトシダーゼの作用より生成するo−ニ
トロフェノールの生成量を410nmの吸光度の変化で
測定する。1分間の1マイクロモルのo−ニトロフェノ
ールを生成する酵素量を1ユニット(IU)とする。
【0025】β−ガラクトシダーゼの活性測定方法 1.試薬 0.1M リン酸緩衝液 pH7.3 (37℃) 3.36M メルカプトエタノール溶液 30mM MgCl2 溶液 0.34mM ONPG溶液(o−ニトロフェニル−β
−D−ガラクトピラノシド) 2.操作方法 下記反応混液をキュベットに調製し、37℃で約5分予
備加温する。 2.5ml 0.1Mリン酸緩衝液pH7.3 0.1ml メルカプトエタノール溶液 0.1ml MgCl2 溶液 0.1ml ONPG溶液 酵素液を0.1ml添加し、緩やかに混和後、水を対照
に37℃に制御された分光光度計で410nmの吸光度
変化を2〜3分間記録し、その初期直線部分から、1分
間あたりの吸光度変化量を求める。(△ODtest) 盲検は、酵素液の代わりに酵素希釈液(1.0mMのM
gCl2 を含む50mMリン酸緩衝液pH7.3)を
0.1mlを加え、上記同様に操作を行って1分あたり
の吸光度変化を求める。(△ODblank)
【0026】3.計算式
【数1】 3.5 :o−ニトロフェノールの上記測定条件下でのミリ
モル分子吸光係数(cm2/micromole) 1.0 :光路長(cm)
【0027】
【実施例】次に実施例および比較例により本発明を更に
詳細に説明する。 参考例1 非還元末端グルコースをガラクトースで修飾し基質を使
用するα−アミラーゼの活性測定法へのβ−ガラクトシ
ダーゼの影響 1.試薬組成 50mM グッド緩衝液(PIPES) pH7.0 α−グルコシダーゼ 90 U/ml β−グルコシダーゼ 12 U/ml CaCl2 0.5mM 2−クロロ−4−ニトロフェニル 4−O−β−D− −ガラクトピラノシル−β−マルトテトラオシド 2mM 2.サンプル 大腸菌由来β−ガラクトシダーゼを0IU/ml、10
IU/ml、20IU/ml、100IU/ml、20
0IU/mlになるように蒸留水で調製した。 3.検討方法 上記試薬3mlにサンプル0.25mlを添加し、37
℃において3分間放置した後、405nmにおける吸光
度の変化を測定し、1分間あたりの吸光度変化量からα
−アミラーゼの活性測定法に対するβ−ガラクトシダー
ゼの影響(△OD/min)を測定した。その結果を表1に
示す。
【0028】
【表1】
【0029】β−ガラクトシダーゼ活性が高くなるのに
つれて、測定値(△OD/min)が上昇し、α−アミラー
ゼの活性測定法に対する影響度が大きくなっていること
が表1から明らかである。
【0030】実施例1 イソプロピルチオガラクトシドの効果の検討(その1) 参考例1の試薬に、イソプロピルチオガラクトシドを各
種濃度添加し、α−アミラーゼの活性測定法に対するβ
−ガラクトシダーゼの影響度を測定した。サンプルとし
て大腸菌由来β−ガラクトシダーゼ100IU/mlを
用い、比較例1に記載した検定方法に基づき検討を実施
した。なお、結果を表2に示す。
【0031】
【表2】
【0032】イソプロピルチオガラクトシドの添加濃度
を高くするのに従い、測定値は低くなりα−アミラーゼ
の活性測定法に対するβ−ガラクトシダーゼの影響は回
避されていることが表2から明らかである。。
【0033】実施例2 各種β−ガラクトシダーゼ阻害剤の効果の検討 参考例1の試薬に、各種β−ガラクトシダーゼ阻害剤を
各種濃度添加し、α−アミラーゼの活性測定法に対する
β−ガラクトシダーゼの影響度を測定した。サンプルと
して大腸菌由来β−ガラクトシダーゼ100IU/ml
を用い、比較例1に記載した検定方法に基づき検討を実
施した。なお、結果を表3に示す。
【0034】
【表3】
【0035】β−ガラクトシダーゼ阻害剤を添加するこ
とにより、測定値は低下しα−アミラーゼ活性測定法に
対するβ−ガラクトシダーゼの影響は、回避されている
ことが表3から明らかである。
【0036】参考例2 尿中のβ−ガラクトシダーゼ活性の測定 健常者20名の尿中のβ−ガラクトシダーゼ活性を上記
方法により測定した。結果を表4に示す。
【0037】
【表4】
【0038】健常者20名の尿中のβ−ガラクトシダー
ゼ活性は、0〜6IU/l程度含まれていることがわか
った。各種疾患では、高値のβ−ガラクトシダーゼ含有
尿検体が存在する可能性は否定できない。
【0039】実施例3 イソプロピルチオガラクトシドの効果の検討(その2) 健常者2名の尿に大腸菌由来β−ガラクトシダーゼを1
0IU/mlとなるように添加したサンプルを調製し、
尿中α−アミラーゼ活性を参考例1で記載した方法によ
り測定した。また、終濃度5mMのイソプロピルチオガ
ラクトシドを添加した試薬でも上記β−ガラクトシダー
ゼを添加した尿サンプル中のα−アミラーゼ活性を測定
し、両者の測定値を比較した。また、非還元末端グルコ
ースがガラクトースで修飾されていないマルトオリゴ糖
誘導体基質を用いたα−アミラーゼ測定法である、体外
診断用医薬品ダイヤカラー・AMYネオレート(東洋紡
績社製)を対照試薬として用いて同時に尿サンプル中の
α−アミラーゼ活性を測定した。α−アミラーゼ活性
は、キャリブザイムP(国際試薬社製)のα−アミラー
ゼ活性表示値をもとに各試薬での測定値を補正して、α
−アミラーゼ活性値とした。結果を表5に示す。
【0040】
【表5】
【0041】イソプロピルチオガラクトシドを添加しな
い試薬(比較例)では、α−アミラーゼ活性測定値が、
約7IU/L程度高く測定されている。
【0042】実施例4 カルシウムイオンの効果の検討(その1) 参考例1の試薬に、CaCl2 を各種濃度添加し、α−
アミラーゼの活性測定法に対するβ−ガラクトシダーゼ
の影響度を測定した。サンプルとして大腸菌由来β−ガ
ラクトシダーゼ100IU/mlを用い、比較例1に記
載した検定方法に基づき検討を実施した。なお、結果を
表6に示す。
【0043】
【表6】
【0044】カルシウムイオンの添加濃度を高くするの
に従い、測定値は低くなりα−アミラーゼの活性測定法
に対するβ−ガラクトシダーゼの影響は回避されている
ことが表6 から明らかである。またカルシウムイオン0.
5mM 以下では影響を回避する効果がなく、1mM 以上でβ
−ガラクトシダーゼの影響を回避する効果があることが
わかる。
【0045】実施例5 マルシウムイオンの効果の検討(その2) 健常者2名の尿に大腸菌由来β−ガラクトシダーゼを1
0IU/mlとなるように添加したサンプルを調製し、
尿中α−アミラーゼ活性を参考例1で記載した方法によ
り測定した。また、終濃度5mMのCaCl2 を添加し
た試薬でも上記β−ガラクトシダーゼを添加した尿サン
プル中のα−アミラーゼ活性を測定し、両者の測定値を
比較した。また、非還元末端グルコースがガラクトース
で修飾されていないマルトオリゴ糖誘導体基質を用いた
α−アミラーゼ測定法である、体外診断用医薬品ダイヤ
カラー・AMYネオレート(東洋紡績社製)を対照試薬
として用いて同時に尿サンプル中のα−アミラーゼ活性
を測定した。α−アミラーゼ活性は、キャリブザイムP
(国際試薬社製)のα−アミラーゼ活性表示値をもとに
各試薬での測定値を補正して、α−アミラーゼ活性値と
した。結果を表7に示す。
【0046】
【表7】
【0047】CaCl2 を添加しない試薬(比較例)で
は、α−アミラーゼ活性測定値が、約7IU/L程度高
く測定されている。
【0048】
【発明の効果】本発明の非還元末端グルコースをβ−ガ
ラクトースで修飾したβ−ガラクトシルマルトオリゴ糖
を基質として測定するアミラーゼ活性測定法では、β−
ガラクトシダーゼ阻害剤を使用することにより、試料中
のβ−ガラクトシダーゼによるガラクトシルマルトオリ
ゴ糖の分解を阻止し、正確に試料中のα−アミラーゼ活
性測定方法を提供できる。さらに本発明では上記利点を
有するα−アミラーゼ活性測定試薬組成物を提供でき
る。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年12月21日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 α−アミラーゼ活性測定法およびその
試薬組成物
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、非還元性末端グルコー
スの4位または6位の水酸基をβ−ガラクトースで修飾
したβ−ガラクトシルマルトオリゴ糖を基質として用い
るアミラーゼ活性測定法及びその試薬組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から膵液や尿等の体液中に含有され
るα−アミラーゼ活性を測定することにより、各種疾患
の診断が行われている。この方法ではα−アミラーゼの
活性測定法には、例えばマルトオリゴ糖(マルトトリオ
ース、マルトテトラオース、マルトペンタオース、マル
トヘキサオース等)を基質とする方法がある。この方法
では、α−アミラーゼ含有試料に該マルトオリゴ糖とα
−グルコシダーゼとを作用させて基質からグルコースを
遊離させ、遊離するグルコース量の量を測定することに
より、α−アミラーゼの活性を知ることができる。
【0003】またマルトオリゴ糖誘導体として、還元性
末端グルコースにフェニル基、ナフチル基または、それ
らの誘導体をアグリコンとして結合させた基質を用いる
方法も提案されている。例えば基質としてp−ニトロフ
ェニルマルトペンタオシド(特公昭57-53079号公報)、
p−ニトロフェニルマルトヘキサオシド(特公昭57-530
79号公報)、p−ニトロフェニルマルトヘプタオシド
(特公昭62-50119号公報)、2,4−ジニトロマルトペ
ンタオシド(特公昭59-13199号公報)等が利用されてい
る。これらの基質を使用するとアグリコンが遊離し、遊
離したアグリコン、例えばp−ニトロフェールを光学
的に測定することにより、α−アミラーゼの活性を測定
することが出来る。
【0004】上記方法では、α−グルコシダーゼの作用
により、僅かではあるがブランク値が上昇し、その結
果、測定値の誤差が大きくなるという欠点が生じ、α−
グルコシダーゼと基質とを一液化することは難しいこと
であった。このような欠点を解消するために、マルトオ
リゴ糖の非還元性末端のグルコースの4位および/また
は6位の水酸基を修飾したタイプの基質が市販され利用
されるようになった。最近、上記合成糖より天然糖に近
い形のα−アミラーゼの基質として、非還元性末端グル
コースの4位または6位の水酸基がβ−ガラクトース修
飾された、β−ガラクトシルマルトオリゴ糖誘導体が開
発された(特開平3-264596号公報、特開平5-208989号公
報など) 。
【0005】このような基質としては、例えば、2−ク
ロロ−4−ニトロフェニル 4−O−β−D−ガラクト
ピラノシル−β−マルトテトラオシドなどがある。この
基質は、追随酵素(α−グルコダーゼ、β−グルコシダ
ーゼ、グルコアミラーゼ等)の一液化条件において、α
−グルコシダーゼの作用を受けず、またその合成が容易
であり、水溶性に優れ、かつアミラーゼの作用様式をよ
り純粋に反映するなど多くの利点がある。通常、臨床診
断の場においては血清および尿中のα−アミラーゼを測
定し、疾患の有無を判断する。しかしながら、血清およ
び尿中にはβ−ガラクトシダーゼが存在する可能性を有
する。具体的に尿中には数ユニット(IU)存在するこ
とが知られている(東京化学同人発行、生化学データブ
ック、第1606頁、1979年発行) 。
【0006】したがって、尿中にβ−ガラクトシダーゼ
が存在すると、基質であるガラクトシルマルトオリゴ糖
誘導体の非還元性末端グルコースに修飾されたガラクト
シル基のβ結合を加水分解し、ガラクトースとマルトオ
リゴ糖誘導体を生じることになる。生じたマルトオリゴ
糖誘導体は、追随酵素であるα−グルコシダーゼの作用
を受けることになり、測定のブランク値を上昇させ、そ
の結果、測定値の誤差が大きくなる。このことは非還元
性末端グルコースをブロックし、上記追随酵素の作用か
ら基質の分解を阻止するという本来の効果が消失するこ
とになる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
非還元性末端グルコースがβ−ガラクトースで修飾され
たβ−ガラクトシルマルトオリゴ糖を基質とするアミラ
ーゼ測定方法において、血清や尿などの体液中のβ−ガ
ラクトシダーゼの作用により基質が分解することを抑制
し、アミラーゼ活性を正確に測定する方法および試薬を
提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は還元末
端グルコースの1位の水酸基が色原体を結合し、非還元
末端グルコースの4位または6位の水酸基がβ−ガラク
トースで修飾されたβ−ガラクトシルマルトオリゴ糖、
α−グルコシダーゼおよび/またはβ−グルコシダーゼ
およびβ−ガラクトシダーゼ阻害剤を含む試薬を、試料
中のα−アミラーゼに作用させ、生成する色原体を測定
することを特徴とするα−アミラーゼ活性測定法であ
る。
【0009】また本発明は還元末端グルコースの1位の
水酸基が色原体を結合し、非還元末端グルコースの4位
または6位の水酸基がβ−ガラクトースで修飾されたβ
−ガラクトシルマルトオリゴ糖、α−グルコシダーゼお
よび/またはβ−グルコシダーゼおよびβ−ガラクトシ
ダーゼ阻害剤を含むことを特徴とするα−アミラーゼ活
性測定用試薬組成物である。
【0010】本発明において使用する還元末端グルコー
スの1位の水酸基が色原体を結合し、非還元末端グルコ
ースの4位または6位の水酸基がβ−ガラクトースで修
飾されたβ−ガラクトシルマルトオリゴ糖とは、グルコ
ース数が2〜7であるマルトオリゴ糖の還元末端グルコ
ースの1位の水酸基に、α−グルコシダーゼ及びβ−グ
ルコシダーゼの追随酵素により加水分解を受けると呈色
する色原体をα−結合またはβ−結合し、非還元末端グ
ルコースの4位または6位の水酸基がβ- ガラクトシル
基で修飾されたものをいう。
【0011】色原体としては、可視部に吸光度を有する
ものに限定されるものではなく、紫外部に吸光度を有す
るものや、蛍光測定あるいは発光測定が可能である化合
物でもよい。可視部に吸光度を有する色原体としては、
置換基としてニトロ基を有するフェノール類、例えば2
−クロロ−4−ニトロフェノール、p−ニトロフェノー
ル等がある。紫外部に吸光度を有する色原体としては、
アニリノ基、メチルアニリノ基、ヒドロキシアニリノ
基、カルボキシフェニルアミノ基などがある。蛍光測定
が可能である化合物としては、2−ピリジルアミノ基、
3−ピリジルアミノ基、ウンベリフェリル基などがあ
る。
【0012】本発明に使用する基質としては、下記式に
て示される化合物が例示される。
【0013】
【化1】 (式中、R1 およびR2 のいずれか一方はβ−ガラクト
ピラノシル基を示し、他方は水素を示し、R3 はp−ニ
トロフェニル基またはハロゲン置換p−ニトロフェニル
基を示し、nは0〜5の整数を示す。)
【0014】還元末端グルコースの1位の水酸基が色原
体をα−結合し、非還元末端グルコースの4位または6
位の水酸基がβ−ガラクトースで修飾されたβ−ガラク
トシルマルトオリゴ糖としては、4−ニトロフェニル
4−O−β−D−ガラクトピラノシル−α−マルトシ
ド、4−ニトロフェニル 4−O−β−D−ガラクトピ
ラノシル−α−マルトトリオシド、4−ニトロフェニル
4−O−β−D−ガラクトピラノシル−α−マルトテ
トラオシド、4−ニトロフェニル 4−O−β−D−ガ
ラクトピラノシル−α−マルトペンタオシド、4−ニト
ロフェニル 6−O−β−D−ガラクトピラノシル−α
−マルトテトラオシド、4−ニトロフェニル 6−O−
β−D−ガラクトピラノシル−α−マルトペンタオシ
ド、2−クロロ−4−ニトロフェニル 4−O−β−D
−ガラクトピラノシル−α−テトラオシドまたは2−ク
ロロ−4−ニトロフェニル 4−O−β−D−ガラクト
ピラノシル−α−マルトペンタオシド等がある。
【0015】還元末端グルコースの1位の水酸基が色原
体をβ−結合し、非還元末端グルコースの4位または6
位の水酸基がβ−ガラクトースで修飾されたβ−ガラク
トシルマルトオリゴ糖としては、2−クロロ−4−ニト
ロフェニル 4−O−β−D−ガラクトピラノシル−β
−マルトシド、2−クロロ−4−ニトロフェニル 4−
O−β−D−ガラクトピラノシル−β−マルトトリオシ
ド、2−クロロ−4−ニトロフェニル 4−O−β−D
−ガラクトピラノシル−β−マルトテトラオシドまたは
2−クロロ−4−ニトロフェニル 4−O−β−D−ガ
ラクトピラノシル−β−マルトペンタオシド、2−クロ
ロ−4−ニトロフェニル 6−O−β−D−ガラクトピ
ラノシル−β−マルトテトラオシドまたは2−クロロ−
4−ニトロフェニル 6−O−β−D−ガラクトピラノ
シル−β−マルトペンタオシド、4−ニトロフェニル
4−O−β−D−ガラクトピラノシル−β−テトラオシ
ドまたは4−ニトロフェニル 4−O−β−D−ガラク
トピラノシル−β−マルトペンタオシド等が挙げられ
る。このような化合物の製造法としては、特開平3-2645
96号公報、特開平5-208989号公報および特願平4-209277
号明細書に記載された方法などがある。
【0016】β−ガラクトシダーゼ阻害剤としては、例
えばβ−D−チオガラクトシル類、キレート剤またはア
ミン類、または1mM以上のカルシウムイオン、ラクト
ース、ガラクトスタンが挙げられる。β−チオガラク
トシド誘導体としては、例えばイソプロピルチオガラク
トシド、等がある。またキレート剤としては、EDTA
−2Na、EDTA−3Na等がある。さらにアミン類
としては、例えばエタノールアミン、メルカプチルアミ
ン等がある。カルシウイオンの供給源としては、塩化
カルシウム、酢酸カルシウム等がある。
【0017】本発明に用いるα−グルコシダーゼは、動
物、植物または微生物などから得られるα−グルコシダ
ーゼが利用でき、その起源を問わない。
【0018】本発明において用いるβ−グルコシダーゼ
は、植物、微生物などから得られるβ−グルコシダーゼ
が利用でき、その起源を問わない。
【0019】本発明のα−アミラーゼ活性測定用試薬組
成物は、上記ガラクトシルマルトオリゴ糖、α−グルコ
シダーゼおよび/又はβ−グルコシダーゼおよびβ−ガ
ラクトシダーゼ阻害剤を含有するものであり、緩衝液の
ほかに必要に応じてその他の添加物、例えば界面活性
剤、塩化ナトリウム等の塩類、蛋白結合防止剤、防腐剤
などを含有しても良い。
【0020】還元末端グルコースの1位の水酸基が色原
体をα−結合し、非還元末端グルコースの4位または6
位の水酸基がβ−ガラクトースで修飾されたβ−ガラク
トシルマルトオリゴ糖を基質とする場合、α−グルコシ
ダーゼおよびβ−ガラクトシダーゼ阻害剤を含む。
【0021】還元末端グルコースの1位の水酸基が色原
体をβ−結合し、非還元末端グルコースの4位または6
位の水酸基がβ−ガラクトースで修飾されたβ−ガラク
トシルマルトオリゴ糖であって、グルコース数が2また
は3のものを基質とする場合、β−グルコシダーゼおよ
びβ−ガラクトシダーゼ阻害剤を含む。
【0022】還元末端グルコースの1位の水酸基が色原
体をβ−結合し、非還元末端グルコースの4位または6
位の水酸基がβ−ガラクトースで修飾されたβ−ガラク
トシルマルトオリゴ糖であって、グルコース数が4〜7
のものを基質とする場合、α−グルコシダーゼ、β−グ
ルコシダーゼおよびβ−ガラクトシダーゼ阻害剤を含
む。
【0023】本発明のα−アミラーゼ活性測定用試薬組
成物を用いたα−アミラーゼ活性の測定は、還元末端グ
ルコースの1位の水酸基が色原体を結合し、非還元末端
グルコースの4位または6位の水酸基がβ−ガラクトー
スで修飾されたβ−ガラクトシルマルトオリゴ糖、α−
グルコシダーゼおよび/またはβ−グルコシダーゼおよ
びβ−ガラクトシダーゼ阻害剤を含む試薬を、試料中の
α−アミラーゼに作用させ、生成する色原体を測定す
る。生成された色原体は常法に従って測定する。例えば
可視部に吸光度を有する化合物であれば、吸光度計によ
り吸光度変化を測定する。
【0024】本発明において、体液中のβ−ガラクトシ
ダーゼ活性は以下の方法により測定する。o−ニトロフ
ェニル−β−ガラクトピラノシド(ONPG)を基質と
して、β−ガラクトシダーゼの作用より生成するo−ニ
トロフェノールの生成量を410nmの吸光度の変化で
測定する。1分間の1マイクロモルのo−ニトロフェノ
ールを生成する酵素量を1ユニット(IU)とする。
【0025】β−ガラクトシダーゼの活性測定方法 1.試薬 0.1M リン酸緩衝液 pH7.3 (37℃) 3.36M メルカプトエタノール溶液 30mM MgCl2 溶液 0.34mM ONPG溶液(o−ニトロフェニル−β
−D−ガラクトピラノシド) 2.操作方法 下記反応混液をキュベットに調製し、37℃で約5分予
備加温する。 2.5ml 0.1Mリン酸緩衝液pH7.3 0.1ml メルカプトエタノール溶液 0.1ml MgCl2 溶液 0.1ml ONPG溶液 酵素液を0.1ml添加し、緩やかに混和後、水を対照
に37℃に制御された分光光度計で410nmの吸光度
変化を2〜3分間記録し、その初期直線部分から、1分
間あたりの吸光度変化量を求める。(△ODtest) 盲検は、酵素液の代わりに酵素希釈液(1.0mMのM
gCl2 を含む50mMリン酸緩衝液pH7.3)を
0.1mlを加え、上記同様に操作を行って1分あたり
の吸光度変化を求める。(△ODblank)
【0026】3.計算式
【数1】 3.5 :o−ニトロフェノールの上記測定条件下でのミリ
モル分子吸光係数(cm2/micromole) 1.0 :光路長(cm)
【0027】
【実施例】次に実施例および比較例により本発明を更に
詳細に説明する。 参考例1 非還元末端グルコースをガラクトースで修飾し基質を使
用するα−アミラーゼの活性測定法へのβ−ガラクトシ
ダーゼの影響 1.試薬組成 50mM グッド緩衝液(PIPES) pH7.0 α−グルコシダーゼ 90 U/ml β−グルコシダーゼ 12 U/ml CaCl2 0.5mM 2−クロロ−4−ニトロフェニル 4−O−β−D− −ガラクトピラノシル−β−マルトテトラオシド 2mM 2.サンプル 大腸菌由来β−ガラクトシダーゼを0IU/ml、10
IU/ml、20IU/ml、100IU/ml、20
0IU/mlになるように蒸留水で調製した。 3.検討方法 上記試薬3mlにサンプル0.25mlを添加し、37
℃において3分間放置した後、405nmにおける吸光
度の変化を測定し、1分間あたりの吸光度変化量からα
−アミラーゼの活性測定法に対するβ−ガラクトシダー
ゼの影響(△OD/min)を測定した。その結果を表1に
示す。
【0028】
【表1】
【0029】β−ガラクトシダーゼ活性が高くなるのに
つれて、測定値(△OD/min)が上昇し、α−アミラー
ゼの活性測定法に対する影響度が大きくなっていること
が表1から明らかである。
【0030】実施例1 イソプロピルチオガラクトシドの効果の検討(その1) 参考例1の試薬に、イソプロピルチオガラクトシドを各
種濃度添加し、α−アミラーゼの活性測定法に対するβ
−ガラクトシダーゼの影響度を測定した。サンプルとし
て大腸菌由来β−ガラクトシダーゼ25IU/mlを用
い、比較例1に記載した検定方法に基づき検討を実施し
た。なお、結果を表2に示す。
【0031】
【表2】
【0032】イソプロピルチオガラクトシドの添加濃度
を高くするのに従い、測定値は低くなりα−アミラーゼ
の活性測定法に対するβ−ガラクトシダーゼの影響は回
避されていることが表2から明らかである。。
【0033】実施例2 各種β−ガラクトシダーゼ阻害剤の効果の検討 参考例1の試薬に、各種β−ガラクトシダーゼ阻害剤を
各種濃度添加し、α−アミラーゼの活性測定法に対する
β−ガラクトシダーゼの影響度を測定した。サンプルと
して大腸菌由来β−ガラクトシダーゼ25IU/mlを
用い、比較例1に記載した検定方法に基づき検討を実施
した。なお、結果を表3に示す。
【0034】
【表3】
【0035】β−ガラクトシダーゼ阻害剤を添加するこ
とにより、測定値は低下しα−アミラーゼ活性測定法に
対するβ−ガラクトシダーゼの影響は、回避されている
ことが表3から明らかである。
【0036】参考例2 尿中のβ−ガラクトシダーゼ活性の測定 健常者20名の尿中のβ−ガラクトシダーゼ活性を上記
方法により測定した。結果を表4に示す。
【0037】
【表4】
【0038】健常者20名の尿中のβ−ガラクトシダー
ゼ活性は、0〜6IU/l程度含まれていることがわか
った。各種疾患では、高値のβ−ガラクトシダーゼ含有
尿検体が存在する可能性は否定できない。
【0039】実施例3 イソプロピルチオガラクトシドの効果の検討(その2) 健常者2名の尿に大腸菌由来β−ガラクトシダーゼを1
0IU/mlとなるように添加したサンプルを調製し、
尿中α−アミラーゼ活性を参考例1で記載した方法によ
り測定した。また、終濃度5mMのイソプロピルチオガ
ラクトシドを添加した試薬でも上記β−ガラクトシダー
ゼを添加した尿サンプル中のα−アミラーゼ活性を測定
し、両者の測定値を比較した。また、非還元末端グルコ
ースがガラクトースで修飾されていないマルトオリゴ糖
誘導体基質を用いたα−アミラーゼ測定法である、体外
診断用医薬品ダイヤカラー・AMYネオレート(東洋紡
績社製)を対照試薬として用いて同時に尿サンプル中の
α−アミラーゼ活性を測定した。α−アミラーゼ活性
は、キャリブザイムP(国際試薬社製)のα−アミラー
ゼ活性表示値をもとに各試薬での測定値を補正して、α
−アミラーゼ活性値とした。結果を表5に示す。
【0040】
【表5】
【0041】イソプロピルチオガラクトシドを添加しな
い試薬(比較例)では、α−アミラーゼ活性測定値が、
約7IU/L程度高く測定されている。
【0042】実施例4 カルシウムイオンの効果の検討(その1) 参考例1の試薬に、CaCl2 を各種濃度添加し、α−
アミラーゼの活性測定法に対するβ−ガラクトシダーゼ
の影響度を測定した。サンプルとして大腸菌由来β−ガ
ラクトシダーゼ25IU/mlを用い、比較例1に記載
した検定方法に基づき検討を実施した。なお、結果を表
6に示す。
【0043】
【表6】
【0044】カルシウムイオンの添加濃度を高くするの
に従い、測定値は低くなりα−アミラーゼの活性測定法
に対するβ−ガラクトシダーゼの影響は回避されている
ことが表6 から明らかである。またカルシウムイオン0.
5mM 以下では影響を回避する効果がなく、1mM 以上でβ
−ガラクトシダーゼの影響を回避する効果があることが
わかる。
【0045】実施例5 ルシウムイオンの効果の検討(その2) 健常者2名の尿に大腸菌由来β−ガラクトシダーゼを1
0IU/mlとなるように添加したサンプルを調製し、
尿中α−アミラーゼ活性を参考例1で記載した方法によ
り測定した。また、終濃度5mMのCaCl2 を添加し
た試薬でも上記β−ガラクトシダーゼを添加した尿サン
プル中のα−アミラーゼ活性を測定し、両者の測定値を
比較した。また、非還元末端グルコースがガラクトース
で修飾されていないマルトオリゴ糖誘導体基質を用いた
α−アミラーゼ測定法である、体外診断用医薬品ダイヤ
カラー・AMYネオレート(東洋紡績社製)を対照試薬
として用いて同時に尿サンプル中のα−アミラーゼ活性
を測定した。α−アミラーゼ活性は、キャリブザイムP
(国際試薬社製)のα−アミラーゼ活性表示値をもとに
各試薬での測定値を補正して、α−アミラーゼ活性値と
した。結果を表7に示す。
【0046】
【表7】
【0047】CaCl2 を添加しない試薬(比較例)で
は、α−アミラーゼ活性測定値が、約7IU/L程度高
く測定されている
【0048】参考例1 カルシウムイオンがアミラーゼ活性測定に与える影響 1.試薬組成 50mM グッド緩衝液(PIPESUpH7.0 α−グルコシダーゼ 90U/ml β−グルコシダーゼ 12U/ml NaCl 20mM 2−クロロ−4−ニトロフェニル4−O−β−D−ガラクトピラノシル−β −マルトテトラオシド 2mM 2.サンプル ヒト由来α−アミラーゼ 100IU/ml 3.検出方法 上記試薬組成にさらにCaCl2 を下表にように各種濃
度添加したのち、3mlをとり、サンプルを0.25m
l添加して、37℃において3分間放置した後、405
nmにおける吸光度の変化を測定し、1分間当たりの吸
光度変化量からα−アミラーゼの活性を測定した。その
結果を表8に示す
【0049】
【表8】
【0050】カルシウムイオンの添加濃度を高くするに
従い、CaCl2 0.8mM以上では測定値が変わら
ず、α−アミラーゼの活性測定法それ自体へのカルシウ
ムイオンの影響はないことが確認された
【0051】
【発明の効果】本発明の非還元末端グルコースをβ−ガ
ラクトースで修飾したβ−ガラクトシルマルトオリゴ糖
を基質として測定するアミラーゼ活性測定法では、β−
ガラクトシダーゼ阻害剤を使用することにより、試料中
のβ−ガラクトシダーゼによるガラクトシルマルトオリ
ゴ糖の分解を阻止し、正確に試料中のα−アミラーゼ活
性測定方法を提供できる。さらに本発明では上記利点を
有するα−アミラーゼ活性測定試薬組成物を提供でき
る。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 還元末端グルコースの1位の水酸基が色
    原体を結合し、非還元末端グルコースの4位または6位
    の水酸基がβ−ガラクトースで修飾されたβ−ガラクト
    シルマルトオリゴ糖、α−グルコシダーゼおよび/また
    はβ−グルコシダーゼおよびβ−ガラクトシダーゼ阻害
    剤を含む試薬を、試料中のα−アミラーゼに作用させ、
    生成する色原体を測定することを特徴とするα−アミラ
    ーゼ活性測定法。
  2. 【請求項2】 β−ガラクトシルマルトオリゴ糖が、還
    元末端グルコースの1位の水酸基が色原体をα−結合ま
    たはβ−結合したものであることを特徴とする請求項1
    項記載のα−アミラーゼ活性測定法。
  3. 【請求項3】 還元末端グルコースの1位の水酸基が色
    原体をα−結合し、非還元末端グルコースの4位または
    6位の水酸基がβ−ガラクトースで修飾されたβ−ガラ
    クトシルマルトオリゴ糖が、4−ニトロフェニル 4−
    O−β−D−ガラクトピラノシル−α−マルトテトラオ
    シドまたは4−ニトロフェニル 4−O−β−D−ガラ
    クトピラノシル−α−マルトペンタオシドであることを
    特徴とする請求項1記載のα−アミラーゼ活性測定法。
  4. 【請求項4】 還元末端グルコースの1位の水酸基が色
    原体をβ−結合し、非還元末端グルコースの4位または
    6位の水酸基がβ−ガラクトースで修飾されたβ−ガラ
    クトシルマルトオリゴ糖が、2−クロロ−4−ニトロフ
    ェニル 4−O−β−D−ガラクトピラノシル−β−マ
    ルトテトラオシドまたは2−クロロ−4−ニトロフェニ
    ル 4−O−β−D−ガラクトピラノシル−α−マルト
    ペンタオシドであることを特徴とする請求項1記載のα
    −アミラーゼ活性測定法。
  5. 【請求項5】 β−ガラクトシダーゼ阻害剤が、β−D
    −チオガラクトシル類、キレート剤、アミン類、1mM
    以上のカルシウムイオン、ラクトースまたはガラクトス
    タチンであることを特徴とする請求項1項記載のα−ア
    ミラーゼ活性測定法。
  6. 【請求項6】 還元末端グルコースの1位の水酸基が色
    原体を結合し、非還元末端グルコースの4位または6位
    の水酸基がβ−ガラクトースで修飾されたβ−ガラクト
    シルマルトオリゴ糖、α−グルコシダーゼおよび/また
    はβ−グルコシダーゼおよびβ−ガラクトシダーゼ阻害
    剤を含むことを特徴とするα−アミラーゼ活性測定用試
    薬組成物。
  7. 【請求項7】 還元末端グルコースの1位の水酸基が色
    原体をα−結合し、非還元末端グルコースの4位または
    6位の水酸基がβ−ガラクトースで修飾されたβ−ガラ
    クトシルマルトオリゴ糖、α−グルコシダーゼおよびβ
    −ガラクトシダーゼ阻害剤を含むことを特徴とする請求
    項6記載のα−アミラーゼ活性測定用試薬組成物。
  8. 【請求項8】 還元末端グルコースの1位の水酸基が色
    原体をβ−結合し、非還元末端グルコースの4位または
    6位の水酸基がβ−ガラクトースで修飾されたβ−ガラ
    クトシルマルトオリゴ糖、β−グルコシダーゼおよびβ
    −ガラクトシダーゼ阻害剤を含むことを特徴とする請求
    項6記載α−のアミラーゼ活性測定用試薬組成物。
  9. 【請求項9】 還元末端グルコースの1位の水酸基が色
    原体をβ−結合し、非還元末端グルコースの4位または
    6位の水酸基がβ−ガラクトースで修飾されたβ−ガラ
    クトシルマルトオリゴ糖、α−グルコシダーゼ、β−グ
    ルコシダーゼおよびβ−ガラクトシダーゼ阻害剤を含む
    ことを特徴とする請求項6記載のα−アミラーゼ活性測
    定用試薬組成物。
  10. 【請求項10】 β−ガラクトシダーゼ阻害剤が、β−
    D−チオガラクトシル類、キレート剤、アミン類、1m
    M以上のカルシウムイオン、ラクトースまたはガラクト
    スタチンであることを特徴とする請求項6項記載のα−
    アミラーゼ活性測定試薬組成物。
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