JPH0714631B2 - 熱成形用繊維強化樹脂シート及びその製造方法並びに上記シートの熱成形方法 - Google Patents

熱成形用繊維強化樹脂シート及びその製造方法並びに上記シートの熱成形方法

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JPH0714631B2
JPH0714631B2 JP2259783A JP25978390A JPH0714631B2 JP H0714631 B2 JPH0714631 B2 JP H0714631B2 JP 2259783 A JP2259783 A JP 2259783A JP 25978390 A JP25978390 A JP 25978390A JP H0714631 B2 JPH0714631 B2 JP H0714631B2
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、強化繊維間に熱可塑性樹脂が含浸一体化され
た熱成形用繊維強化樹脂シート及びその製造方法並びに
上記シートの成形方法に関する。
(従来の技術) 粒子状乃至繊維状の磁性粉体を含有する熱成形用繊維強
化樹脂シートは知られている。
例えば、特開昭63−1538公報には、第3図に示すように
長繊維ガラスマット1′に熱可塑性樹脂を溶融含浸して
なる二枚の繊維強化熱可塑性樹脂シート4′の間に、粒
子状乃至繊維状の磁性粉体2′を含有する熱可塑性樹脂
の層3′を一体に形成してなる熱成形用繊維強化樹脂シ
ート(スタンパブルシート)6′を、高周波電磁誘導加
熱により加熱し、異形に成形する技術が開示されてい
る。
このような熱成形用繊維強化樹脂シートは、これに含有
されている磁性粉体が高周波磁界により瞬時に発熱して
樹脂を短時間で溶融させるので、成形加工前のシートの
加熱時間が短くなり、生産性が向上するという利点があ
る。
(発明が解決しようとする課題) ところが、上記の従来の熱成形用繊維強化樹脂シート
6′は、二枚の長繊維ガラスマット1′の外側から二枚
の熱可塑性樹脂シートを重ね合わせ、さらに上記二枚の
長繊維ガラスマット1′の間に磁性粉体2′を含有する
溶融状態の熱可塑性樹脂の層3′を挟み、これを上下一
対の無端ベルトで挟持し搬送しながら、加熱領域及び冷
却領域を通過させることにより、長繊維ガラスマット
1′に樹脂を溶融含浸させて製造されている。
このような製造方法にあっては、長繊維ガラスマット
1′のモノフィラメント間に熱可塑性樹脂を充分に含浸
させることが容易でなく、得られる製品の物性(ガラス
マットの補強効果)が充分に発揮されないという欠点が
ある。また、熱成形用繊維強化樹脂シートの製造或いは
その成形の際に、例えば加熱温度を比較的高く設定して
ガラスマットに樹脂を充分に含浸させた場合は、得られ
る熱成形用繊維強化樹脂シート6′の表面にガラス繊維
が浮きだしてその表面状態が悪くなるという問題があ
る。
本発明は、上記のような問題を解決するもので、その目
的とするところは、強化繊維がモノフィラメント単位で
分散し、モノフィラメント間にまで樹脂が充分に含浸さ
れて物性が優れ、しかも表面状態の良好な熱成形用繊維
強化樹脂シート及びその製造方法並びに上記シートの成
形方法を提供することにある。
(課題を解決するための手段) 本発明の熱成形用繊維強化樹脂シートは、粒子状乃至繊
維状の磁性粉体を含有する繊維強化熱可塑性樹脂シート
の少なくとも片面に、磁性粉体を含有しない熱可塑性樹
脂シートが積層接着されていることを特徴としている。
また、本発明の熱成形用繊維強化樹脂シートの製造方法
は、多数の連続するモノフィラメントより構成される強
化繊維束を、磁性粉体を含有し流動化された熱可塑性樹
脂粉体の中を通過させ、この繊維束のモノフィラメント
に上記樹脂粉体を付着させ、この樹脂粉体が付着した繊
維束を所望長さに切断し、これを無端ベルト上に落下さ
せ集積させながら、この集積物の少なくとも片面に、磁
性粉体を含有しない熱可塑性樹脂シートを重ね合わせ、
これを上下一対の無端ベルトで挟持し搬送しながら、加
熱領域及び冷却領域を通過させることも特徴としてい
る。
さらに、本発明の熱成形用繊維強化樹脂シートの成形方
法は、上記の熱成形用繊維強化樹脂シートを、高周波電
磁誘導加熱により加熱し、異形に成形することを特徴と
している。
以上の構成により、上記の目的が達成される。
本発明で用いられる強化繊維束としては、連続するモノ
フィラメントが数百〜数千から構成されたストランド状
或いはロービング状の繊維束が好適に用いられる。そし
て、この強化繊維束は、製造する繊維強化樹脂シートの
幅、厚み、製造速度等を考慮して、一般に多数本が並列
に使用される。
強化繊維としては、使用する熱可塑性樹脂粉体の溶融温
度において熱的に安定な繊維が用いられる。例えば、ガ
ラス繊維、炭素繊維、シリコン・チタン・炭素繊維、ボ
ロン繊維、微細な金属繊維等の無機繊維、アラミド繊
維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維等の有機繊維が
好適に用いられる。
モノフィラメントの直径は1〜50μmが好ましい。ま
た、モノフィラメントが収束剤により収束された状態の
強化繊維束を使用する場合には、収束剤の付着量が1重
量%以下が好ましく、さらに好ましくは0.5以下であ
る。収束剤の付着量が1重量%を上回ると、樹脂の流動
床中で強化繊維束をモノフィラメント単位に分離するの
が困難となり、樹脂のモノフィラメント間への含浸性が
低下する。
本発明において、所望長さに切断される強化繊維束の長
さは、通常0.5〜500mmであり、特に3〜150mmが好まし
い。切断された強化繊維束の長さが0.5mmを下回ると補
強効果が少なく、また500mmを上回ると均質な繊維強化
樹脂シートを得ることが困難となる。
また、本発明で用いられる熱可塑性樹脂粉体は、加熱に
より軟化溶融する樹脂はすべて使用可能である。例え
ば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、
ポリスチレン、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、
ポリフッ化ビニリデン、ポリフェニレンサルファイド、
ポリフェニレンオキサイド、ポリエーテルスルホン、ポ
リエーテルエーテルケトン等が使用される。
また、上記の樹脂を主成分とする共重合体やグラフト樹
脂やブレンド樹脂、例えばエチレン−塩化ビニル共重合
体、酢酸ビニル−エチレン共重合体、酢酸ビニル−塩化
ビニル共重合体、ウレタン−塩化ビニル共重合体、アク
リロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、アクリ
ル酸変成ポリプロピレン、マレイン酸変成ポリエチレン
等も使用される。
これ等の樹脂は、重合時に粉体状で得られる樹脂及び粉
砕機により粉体状とした樹脂のいずれも使用できる。粒
子径としては、平均粒径が2000μm以下が好ましい。平
均粒径が2000μmを超えると、樹脂の流動床中で強化繊
維束のモノフィラメント間に均一に付着させにくくな
る。なお、これらの樹脂には、安定剤、滑剤、加工助
剤、可塑剤、着色剤のような一般の添加剤が配合されて
もよい。
そして、これ等の樹脂粉体には、粒子状乃至繊維状の磁
性粉体が均一に混合される。このような磁性粉体として
は、高周波磁界中に置かれた際に発熱するものであれば
よく、例えば鉄、コバルト、ニッケル、クロム、アルミ
ニウム等の金属;ニッケル−鉄、ニッケル−クロム等の
合金;酸化鉄、三酸化鉄、酸化ニッケル、二酸化クロ
ム、三酸化コバルト等の金属酸化物;その他フェライ
ト、炭素繊維、カーボンブラック等があげられる。
これ等の磁性粉体は、上記の樹脂粉体100重量部に対し
一般に0.05〜70重量部の範囲で混合される。混合量が0.
05重量部未満ではその効果が殆どなく、逆に70重量部を
超えるとシートの機械的強度の低下が著しくなる。
また、本発明において、樹脂粉体と強化繊維束との混合
割合は、熱成形用繊維強化樹脂シートの必要とする物性
により適宜決定されるが、シート中の強化繊維が5〜70
重量%であることが好ましい。強化繊維が70重量%を上
回ると樹脂が均一に含浸したシートが得にくくなり、逆
に5重量%を下回るとシートの機械的強度が低下する。
以下、図面を参照しながら、本発明を詳細に説明する。
第1図は、本発明の熱成形用繊維強化樹脂シートを製造
するために用いられる装置の一例を示す概略側面図であ
る。
この装置は、強化繊維束1が巻回されたロールをセット
する巻戻しロール10と、磁性粉体2′を含有する熱可塑
性樹脂粉体2が供給されている容器20と、容器20を通過
した強化繊維束1に付着した樹脂粉体2の付着量を調整
するスリッター30と、巻戻しロール10から強化繊維束1
を巻き戻すゴム製の引取り駆動ロール40及びピンチロー
ル41と、樹脂粉体2が付着した強化繊維束を所望長さに
切断するカツターロール50と、樹脂粉体2が付着した短
寸法の強化繊維束を集積させ、この集積物3や後述の積
層体5を挟持し搬送する上下一対の無端ベルト60、61
と、加熱手段70及び冷却手段80と、磁性粉体を含有しな
い熱可塑性樹脂シート4が巻回されたロールをセットす
る巻戻しロール90、91とを備えている。
上記容器20の底部には多数の通気孔が設けられていて、
気体供給路から送られた空気や窒素などの気体が矢印方
向に通気孔を通って容器20内へ供給されるように構成さ
れており、容器20内に供給された樹脂粉体2はその気体
の噴出によって流動化した状態となり流動床2aが形成さ
れる。容器20の内部及び壁部上端には、強化繊維束1を
案内するためのガイドロール21が設けられている。
前記カツターロール50は、金属製ロールの周面に一定の
配置で設けられた多数の切断刃を有し、引取り駆動ロー
ル40と組み合わされており、カツターロール50の回転に
より樹脂粉体2が付着した強化繊維束が切断される。こ
のようなロータリーカツターは公知である。
前記の無端ベルト60、61は、図外のモーターで駆動ロー
ル62、63を駆動することにより、連続して同方向へほぼ
同速度で回転移動する移動するように設定されている。
上側無端ベルト61と下側無端ベルト60にはそれぞれ移送
部60a、61aが形成され、移送部60a、61aは間隙を介して
上下に対向して配置されている。
下側無端ベルト61の移送部61aは、上側無端ベルト60の
移送部60aよりも長く、且つ移送部61aの前端よりも前方
へ延設され、上方が開放された移送部61bが形成されて
いる。この下側無端ベルト61の移送部61bは、場合によ
っては、下側無端ベルト61の移送部61aを延長すること
なく別の無端ベルトを下側に配置することにより形成す
ることもできる。このような無端ベルト60、61は、高強
度で耐熱性のあるもの、例えばスチールベルト、ステン
レスベルト、ガラス布強化テフロンベルト等で形成する
ことができる。
上側無端ベルト60と下側無端ベルト61の移送部60a、61a
の対向する箇所にはそれぞれ加熱手段70が配置され、加
熱手段70に引き続く後方には冷却手段80がそれぞれ配置
されている。加熱手段70は、図示のように熱風循環式或
いは電熱式の加熱炉で構成し、これらの中を無端ベルト
60、61を通過させる方式のものが好適に採用される。そ
の他、加熱ロールで構成して無端ベルト60、61を挟持し
つつ直接ベルトを加熱する方式のものも採用され得る。
加熱手段70内には上下で対応する位置に複数対のガイド
ロール71が配設されている。また、冷却手段80は、冷却
ブロアーと上下に対応する位置に複数対のガイドロール
81で構成されている。そして、上下に対応するガイドロ
ール71と81のクリアランスはそれぞれ調整可能になされ
ている。なお、冷却手段80としては、上記のようなブロ
アーにより空気を吹き付けて冷却する方式のもの以外
に、ガイドロール81を水冷する方式のものも採用され得
る。
次に、上記の装置を用いて本発明の熱成形用繊維強化樹
脂シートの製造方法を説明する。
第1図に示すように、多数のモノフィラメントより構成
される強化繊維束1は、引取り駆動ロール40とピンチロ
ール41とにより引き取られながら、強化繊維束1が巻回
されたロールからひねりが掛からないように巻き戻され
る。そして、この強化繊維束1はガイドロール21で案内
されながら流動床2a中へ導かれる。なお、図において、
強化繊維束1は便宜上ただ一本のみを図示して説明して
いるが、一般に多数本の強化繊維束1が並列に用いられ
る。
この流動床2a中で、強化繊維束1は気体の噴出や流動床
2a中に発生する静電気や磁性粉体2′を含有する樹脂粉
体2の擦り揉み効果等によって、モノフィラメント単位
に分離、開繊され、このモノフィラメント間に樹脂粉体
2が侵入し静電気的に捕捉されて付着する。この場合、
強化繊維束1の幅は、モノフィラメント単位に分離、開
繊されるためある程度広くなる。樹脂粉体2が付着した
強化繊維束1はスリッター30間を通過することで、過剰
に付着した樹脂粉体2が除去される。スリッター30の間
隙を調整することにより、磁性粉体含有の樹脂粉体2の
付着量が調節される。
磁性粉体含有の樹脂粉体2が付着した強化繊維束1は、
引取り駆動ロール40とピンチロール41とを通過した後、
カツターロール50で所望の長さの短寸法に切断され、下
側無端ベルト61の移送部61b上に落下供給されて所定の
厚みに集積される。
他方、磁性粉体を含有しない上下二枚の熱可塑性樹脂シ
ート4が巻戻しロール90、91から巻き戻され、それぞれ
ガイドロール64、65の無端ベルト60、61の位置から移送
部60a、61aへ供給される。
そして、集積物3の上下に磁性粉体を含有しない熱可塑
性樹脂シート4が重ね合わされて三層になされる。引き
続いて、この積層体5は上下一対の無端ベルト60、61で
挟持されながら移送され加熱手段70へ供給されて、樹脂
粉体2を構成する樹脂の融点もしくは溶融温度以上の適
当な温度に唄熱されることにより、フィラメント間に磁
性粉体を含有する溶融樹脂が含浸される。
ここで、ガイドロール71により上下の無端ベルト60、61
間のクリアランスが調節され、積層体5が厚み方向に適
当な圧力で加圧される。この加圧により溶融した樹脂粉
体2が流動しモノフィラメント間の空隙が埋められ、樹
脂粉体2を構成する樹脂と強化繊維とが良好に一体化さ
れ、同時にその表面に磁性粉体を含有しない熱可塑性樹
脂シート4が良好に積層接着される。
引き続いて、冷却手段80のガイドロール81により上下の
無端ベルト60、61間のクリアランスが調節され、加熱さ
れている積層体5が加圧されながら適当な温度に冷却さ
れる。かくして、所定厚みの熱成形用繊維強化樹脂シー
ト6が製造される。
このような本発明の熱成形用繊維強化樹脂シート6は、
第2図に示すように、磁性粉体2′を含有する繊維強化
熱可塑性樹脂シート3の両面に、磁性粉体を含有しない
熱可塑性樹脂シート4が積層接着されているが、磁性粉
体を含有しない熱可塑性樹脂シート4は、磁性粉体を含
有する熱成形用繊維強化樹脂シート3の片面のみに積層
接着されていてもよい。なお、1′は強化繊維である。
このようにして製造された本発明の熱成形用繊維強化樹
脂シート6は、一般に別の独立した工程で、高周波電磁
誘導加熱により樹脂溶融する温度に加熱され、種々の異
形の製品形状に成形される。高周波電磁誘導加熱の方法
は、従来公知の方法が採用される。また、成形方法も、
真空方法、圧縮成形、プレス成形など公知の方法が採用
される。
(作用) このように、本発明の熱成形用繊維強化樹脂シートは、
少なくとも一表面に磁性体を含有しない熱可塑性樹脂シ
ートを有するので、従来の強化繊維が存在する熱可塑性
樹脂シートを表面に有するものに較べ、表面への強化繊
維の浮きだしが防止される。
また、本発明の熱成形用繊維強化樹脂シート製造方法に
おいて、熱可塑性樹脂粉体の流動床で強化繊維束に磁性
粉体を含有する樹脂粉体を付着させ、これを所望長さに
切断して集積し、このような集積物を上下一対の無端ベ
ルト間に供給して加熱加圧すると、流動床での繊維束の
開繊作用等により繊維束のモノフィラメント間に磁性粉
体含有の樹脂が充分に含浸される。また、その工程が連
続的に行える。
しかも、この際、上記集積物の少なくとも片面に磁性粉
体を含有しない熱可塑性樹脂シートを重ね合わせ、この
ような積層体を上記の上下一対の無端ベルト間に供給し
て加熱加圧すると、前記のように強化繊維束に磁性粉体
含有の樹脂が良好に含浸されるので、従来技術のように
例えば加熱温度を高い過酷な条件に設定して樹脂の含浸
を促進させる必要なしに、上記の積層体が一体に積層接
着される。それゆえ、得られる熱成形用繊維強化樹脂シ
ートの表面に強化繊維が浮きだすことが防止される。
また、本発明の熱成形用繊維強化樹脂シートの成形方法
によれば、従来技術と同様にシート中の磁性粉体が高周
波磁界により瞬時に発熱し樹脂を短時間で溶融させるの
で、成形加工前のシートの加熱時間が短くなる。
(実施例) 以下、本発明の実施例及び比較例を示す。
実施例1 第1図に示す装置を用い、次のようにして第2図に示す
熱成形用繊維強化樹脂シートを製造し、この熱成形用繊
維強化樹脂シートを成形加工した。
磁性粉体を含有する熱可塑性樹脂粉体2として、低密度
ポリエチレン粉砕物(比重0.92、平均粒径200μm)100
重量部と、磁性粉体として鉄粉(平均粒径80μm)20重
量部とを均一に混合したものを用いた。
強化繊維束1として、直径13μmのモノフィラメントが
多数収束されてなるロービング状ガラス繊維束(2200g/
km、収束剤付着量約0.3重量%)を用いた。
磁性粉体を含有しない熱可塑性樹脂シート4として、高
密度ポリエチレンシート(幅450mm、厚さ1mm、比重0.9
6)を用いた。
また、無端ベルト60、61として、ガラス布強化テフロン
ベルト(幅600mm、厚さ約1mm)を用いた。
先ず、多数の強化繊維束1を、磁性粉体を含有する樹脂
粉体2の流動床2a中を連続的に通過させ、モノフィラメ
ント間に樹脂粉体2を付着させた後、スリッター30によ
り過剰の樹脂粉体を除去し、磁性粉体含有の樹脂粉体と
強化繊維の重量割合が7:3となるように調整し、全体の
幅が450mmとなるようにカッターロール50へ供給した。
これをカッターロール50により長さ約25mmに切断しつつ
下側無端ベルトの移送部61bの上に落下供給した。供給
量は、幅600mmの下側無端ベルトの移送部61bの中央部約
450mmの範囲に約1660g/m2となるように供給集積した。
この時の集積物3の見掛け厚みは約11mmであった。
この集積物3を、580mm/分の速度で移動する上下の無端
ベルト60、61の間に挟持しつつ、この集積物3の両面に
磁性粉体を含有しない熱可塑性樹脂シート4を重ね合わ
せ、この三層の積層体5を、長さ約1500mmで約190℃の
熱風が循環している加熱炉70中を通過させて樹脂粉体2
を溶融させた。この際、無端ベルト60、61の間の最小間
隙をガイドロール71により約2.2mmに調節した。
引き続いて、樹脂粉体2が溶融状態にある積層体5を、
冷却ブロアー70により冷却して熱成形用繊維強化樹脂シ
ート6を製造した。この際、無端ベルト60、61の間の間
隙をガイドロール71により約2mmに調節した。この熱成
形用繊維強化樹脂シート6は、幅約450mm、厚み約2mmで
あり、フィラメント間に樹脂がよく含浸し、フィラメン
トが均一に分散したシートであった。
この熱成形用繊維強化樹脂シート6から、幅20mm×長さ
150mmの試験片を切り出し、JIS K7203に準拠し支点間距
離120で三点曲げ試験を行い、曲げ強度を測定した。ま
た、熱成形用繊維強化樹脂シート6から、1号A試験片
を切り出し、JIS K7110に準拠してアイゾッド衝撃強度
を測定した。曲げ強度は8.6kg/mm2、アイゾッド衝撃強
度は20kg・cm/cm2であった。
また、上記の熱成形用繊維強化樹脂シート6を、5Kw、1
0MHzの高周波を15秒付与することにより高周波電磁誘導
加熱を行い、これを口径12cm、深さ2cmのコップの形状
に真空成形した。この場合、シート6は上記のコップの
形状に良好に成形でき、且つガラス繊維の浮きだし等の
表面凹凸がなく表面性の良いものであった。
実施例2 磁性粉体を含有する熱可塑性樹脂粉体2として、ポリ塩
化ビニル樹脂(平均重合度400、平均粒径150μm)100
重量部と、ブチル錫マレエート3重量部と、ステアリル
アルコール1重量部と、ポリエチレンワックス0.3重量
部と、磁性粉体として鉄粉(平均粒径80μm)20重量部
とをスーパーミキサーで均一に混合したものを用いた。
また、磁性粉体を含有しない熱可塑性樹脂シート4とし
て、ポリ塩化ビニル樹脂(平均重合度1050)100重量部
と、ブチル錫マレエート3重量部と、ステアリルアルコ
ール1重量部と、ポリエチレンワックス0.3重量部とか
らなるポリ塩化ビニル樹脂シート(幅450mm、厚さ1mm)
を用いた。
また、シート6の成形に際して5Kw、10MHzの高周波を20
秒付与することにより高周波電磁誘導加熱を行った。
それ以外は実施例1と同様に行った。得られたシート6
は、フィラメント間に樹脂がよく含浸し、フィラメント
が均一に分散したシートであり、曲げ強度は12.5kg/m
m2、アイゾッド衝撃強度は31kg・cm/cm2であった。ま
た、シート6はコップの形状に良好に成形でき、且つガ
ラス繊維の浮きだし等の表面凹凸がなく表面性の良いも
のであった。
実施例3 磁性粉体を含有する熱可塑性樹脂粉体2として、ポリ塩
化ビニル樹脂(平均重合度800、平均粒径150μm)100
重量部と、ブチル錫マレエート3重量部と、ジオクチル
フタレート3重量部と、ポリエチレンワックス0.3重量
部と、磁性粉体として鉄粉(平均粒径80μm)20重量部
とをスーパーミキサーで均一に混合したものを用いた。
また、磁性粉体を含有しない熱可塑性樹脂シート4とし
て、ポリ塩化ビニル樹脂(平均重合度800、平均粒径150
μm)100重量部と、ブチル錫マレエート3重量部と、
ジオクチルフタレート3重量部と、ポリエチレンワック
ス0.3重量部とからなるポリ塩化ビニル樹脂シート(幅4
50mm、厚さ1mm)を用いた。
また、シート6の成形に際して5Kw、10MHzの高周波を20
秒付与することにより高周波電磁誘導加熱を行った。
それ以外は実施例1と同様に行った。得られたシート6
は、フィラメント間に樹脂がよく含浸し、フィラメント
が均一に分散したシートであり、曲げ強度は13.2kg/m
m2、アイゾッド衝撃強度は34kg・cm/cm2であった。ま
た、シート6はコップの形状に良好に成形でき、且つガ
ラス繊維の浮きだし等の表面凹凸がなく表面性の良いも
のであった。
実施例4 磁性粉体を含有する熱可塑性樹脂粉体2として、ナイロ
ン12(平均粒径180μm)100重量部と、磁性粉体として
カーボンブラック(平均粒径30μm)20重量部とを均一
に混合したものを用いた。
また、磁性粉体を含有しない熱可塑性樹脂シート4とし
て、上記と同じナイロン12の樹脂シート(幅450mm、厚
さ1mm)を用い、加熱炉の熱風温度を約200℃として積層
体5を得た。
また、シート6の成形に際して5Kw、10MHzの高周波を20
秒付与することにより高周波電磁誘導加熱を行った。
それ以外は実施例1と同様に行った。得られたシート6
は、フィラメント間に樹脂がよく含浸し、フィラメント
が均一に分散したシートであり、曲げ強度は13.8kg/m
m2、アイゾッド衝撃強度は36kg・cm/cm2であった。ま
た、シート6はコップの形状に良好に成形でき、且つガ
ラス繊維の浮きだし等の表面凹凸がなく表面性の良いも
のであった。
実施例5 磁性粉体を含有する熱可塑性樹脂粉体2として、ポリフ
ッ化ビニリデン(平均粒径120μm)100重量部と、磁性
粉体として繊維状アルミニウム(繊維長約100μm)20
重量部とを均一に混合したものを用いた。
また、磁性粉体を含有しない熱可塑性樹脂シート4とし
て、上記と同じポリフッ化ビニリデンの樹脂シート(幅
450mm、厚さ1mm)を用い、加熱炉の熱風温度を約220℃
として積層体5を得た。
また、シート6の成形に際して5Kw、10MHzの高周波を20
秒付与することにより高周波磁性誘導加熱を行った。
それ以外は実施例1と同様に行った。得られたシート6
は、フィラメント間に樹脂がよく含浸し、フィラメント
が均一に分散したシートであり、曲げ強度は10.8kg/m
m2、アイゾッド衝撃強度は27kg・cm/cm2であった。ま
た、シート6はコップの形状に良好に成形でき、且つガ
ラス繊維の浮きだし等の表面凹凸がなく表面性の良いも
のであった。
比較例1 実施例1において、磁性体を含有する熱可塑性樹脂粉体
2に替えて、磁性粉体(鉄粉)を含有しない熱可塑性樹
脂粉体2を用いた。また、高周波電磁誘導加熱に替え
て、遠赤外線ヒーターによる加熱を行った。それ以外は
実施例1と同様に行った。
この場合、得られたシート6を比較的高温に加熱すると
コップの形状に良好に成形できたが、シート6はその表
面層が内層より高温に加熱されるため、ガラス繊維の浮
きだしにより表面性が悪くなった。表面性を良くするた
めにシート6の加熱温度を低くすると、コップの形状に
成形される途中でシート6に裂けが発生し、完全なコッ
プの形状に成形されなかった。
比較例2 実施例2において、磁性粉体を含有しない熱可塑性樹脂
シート4を全く使用しなかった。それ以外は実施例2と
同様に行った。
この場合、得られたシート6は比較的高温に加熱されて
コップの形状に良好に成形できたが、ガラス繊維の浮き
だしにより表面性が悪くなった。表面性を良くするため
に高周波電磁誘導加熱の条件を変更してシート6の加熱
温度を低くすると、コップの形状に成形される途中でシ
ート6に裂けが発生し、完全なコップの形状に成形され
なかった。
比較例3 実施例2において、高周波電磁誘導加熱に替えて、遠赤
外線ヒーターによる加熱を行った。それ以外は実施例3
と同様に行った。
この場合、得られたシート6を比較的高温に加熱すると
コップの形状に良好に成形できたが、シート6はその表
面層が内層より高温に加熱されるため、ガラス繊維の浮
きだしにより表面性が悪くなった。表面性を良くするた
めにシート6の加熱温度を低くすると、コップの形状に
成形される途中でシート6に裂けが発生し、完全なコッ
プの形状に成形されなかった。
比較例4 実施例4において、磁性粉体を含有しない熱可塑性樹脂
シート4を全く使用しなかった。それ以外は実施例4と
同様に行った。
この場合、得られたシート6を比較的高温に加熱されて
コップの形状に良好に成形できたが、ガラス繊維の浮き
だしにより表面性が悪くなった。表面性を良くするため
に高周波電磁誘導加熱の条件を変更してシート6の加熱
温度を低くすると、コップの形状に成形される途中でシ
ート6に裂けが発生し、完全なコップの形状に成形され
なかった。
比較例5 実施例5において、高周波電磁誘導加熱に替えて、遠赤
外線ヒーターによる加熱を行った。それ以外は実施例4
と同様に行った。
この場合、得られたシート6を比較的高温に加熱すると
コップの形状に良好に成形できたが、シート6はその表
面層が内層より高温に加熱されるため、ガラス繊維の浮
きだしにより表面性が悪くなった。表面性を良くするた
めにシート6の加熱温度を低くすると、コップの形状に
成形される途中でシート6に裂けが発生し、完全なコッ
プの形状に成形されなかった。
(発明の効果) 上述の通り、本発明の熱成形用繊維強化樹脂シートは、
表面への強化繊維の浮きだしがなく表面状態が良好であ
り、各種製品を得るためのプレス成形用の素材である所
謂スタンパブルシートとして好適に使用され得る。
また、本発明の製造方法によれば、強化繊維がモノフィ
ラメント単位で良好に分散し、且つ強化繊維がモノフィ
ラメント間にまで樹脂が充分に含浸されるため、強化繊
維の補強効果が高く優れた物性を有する熱成形用繊維強
化樹脂シートが得られる。
さらに、本発明の成形方法によれば、熱成形用繊維強化
樹脂シートが短時間に加熱され、表面への強化繊維の浮
きだしがなく表面状態が良好な各種製品を良好な賦形性
で生産性よく得ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の熱成形用繊維強化樹脂シートの製造方
法に用いる装置の一例を示す概略側面図、第2図は本発
明の熱成形用繊維強化樹脂シートの一例を示す概略断面
図、第3図は従来の熱成形用繊維強化樹脂シートの一例
を示す概略断面図である。 1……強化繊維束、1′……強化繊維、2……熱可塑性
樹脂粉体、2′……磁性粉体、2a……樹脂粉体の流動
床、3……集積物、4……磁性粉体を含有しない熱可塑
性樹脂シート、5……積層体、50……カッターロール、
6……熱成形用繊維強化樹脂シート、60,61……上下一
対の無端ベルト、70……加熱手段、80……冷却手段。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】粒子状乃至繊維状の磁性粉体を含有する繊
    維強化熱可塑性樹脂シートの少なくとも片面に、磁性粉
    体を含有しない熱可塑性樹脂シートが積層接着されてい
    ることを特徴とする熱成形用繊維強化樹脂シート。
  2. 【請求項2】多数の連続するモノフィラメントより構成
    される強化繊維束を、磁性粉体を含有し流動化された熱
    可塑性樹脂粉体の中を通過させ、この繊維束のモノフィ
    ラメントに上記樹脂粉体を付着させ、この樹脂粉体が付
    着した繊維束を所望長さに切断し、これを無端ベルト上
    に落下させ集積させながら、この集積物の少なくとも片
    面に、磁性粉体を含有しない熱可塑性樹脂シートを重ね
    合わせ、これを上下一対の無端ベルトで挟持し搬送しな
    がら、加熱領域及び冷却領域を通過させることを特徴と
    する熱成形用繊維強化樹脂シートの製造方法。
  3. 【請求項3】請求項1記載の熱成形用繊維強化樹脂シー
    トを、高周波電磁誘導加熱により加熱し、異形に成形す
    ることを特徴とする熱成形用繊維強化樹脂シートの成形
    方法。
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