JPH0715083B2 - 耐チツピング性塗料 - Google Patents

耐チツピング性塗料

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JPH0715083B2
JPH0715083B2 JP61189344A JP18934486A JPH0715083B2 JP H0715083 B2 JPH0715083 B2 JP H0715083B2 JP 61189344 A JP61189344 A JP 61189344A JP 18934486 A JP18934486 A JP 18934486A JP H0715083 B2 JPH0715083 B2 JP H0715083B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は耐チッピング性塗料に関し、さらに詳しくは、
例えば自動車車体の外板面の塗装系に用いると、形成塗
膜の平滑性がすぐれており、かつ寒冷地を走行しても小
石などの衝突によって塗膜が剥離せず、車体鋼板の腐食
を防止する耐チッピング性塗料に関する。
従来の技術 自動車が高速走行すると、自動車車体外板の塗装面に小
石が衝突することは避けられない。小石の衝突は足まわ
り部及びフード、ルーフの先端部に多い。小石の高速衝
突によって塗膜が剥離する現象、いわゆる“チッピン
グ”をおこし、美観を低下させると共に、衝撃部の鋼板
面が露出してすみやかに錆が発生し、腐食が進行する。
特に北米、カナダ、北欧などの寒冷地では、融雪のため
道路に多量の岩塩や砂利などが散布されること、走行中
の塗膜温度が−20〜−30℃またはそれ以下になって通常
の塗膜が凍結状態になり、著しく脆く、硬くなっている
ことなどのために、温暖地域の走行に比べて小石衝突に
よるチッピングが極めて発生し易く、深刻な問題であ
る。
自動車車体外板面の塗装系は、一般に、燐酸鉄/亜鉛系
の化成処理を施した鋼板上に、電着塗料(下塗塗料)、
中塗塗料及び上塗塗料を順次塗装し、焼付けして成る
が、上記のチッピング及びそれに基ずく鋼板の腐食を防
止するため、従来から、化成処理皮膜、電着塗料、中塗
塗料および上塗塗料についても各種の検討が加えられ
た。例えば、化成処理において、異なる結晶形のもの、
また、電着塗料、中塗塗料および上塗塗料については樹
脂の組成や物性または顔料の形状等に関し、種々の検討
がなされてきた。このうち、顔料形状の検討としては、
例えば、タルクなどの無機箔片状顔料の配合によって、
塗膜の内部応力を減少させ、かつ塗膜内のズリにより、
衝撃力の緩和/分散をはかりチッピング性の改善をはか
るなどが挙げられる。
また、電着塗膜と中塗塗膜との層間に、ポリエステル樹
脂とメラミン樹脂もしくはブロックイソシアネート化合
物とを主成分とする比較的軟質な塗膜を形成する耐チッ
ピング塗料を塗装することも行なわれつつある。
発明が解決しようとする問題点 耐チッピング性を改良するために行なわれていた上記の
方法において、化成処理皮膜、電着塗料、中塗・上塗塗
料などの検討では実質的に耐チッピング性を向上させる
ことは極めて困難であった。
また、上記耐チッピング塗料についてみると、ポリエス
テル樹脂/メラミン樹脂系は温暖地域で、しかも小石衝
撃がゆるやかなケースに対しては耐チッピング性は良好
であるが、寒冷地域での冬期高速走行時のように、−20
〜−30℃もしくはそれ以下の低温で衝撃が強いケースで
は塗膜が凍結して著しく硬く、脆くなっているため、塗
膜の剥離現象を防止することは困難である。また、上記
メラミン樹脂をブロックイソシアネート化合物に代える
と、低温領域における耐チッピング性はメラミン樹脂を
用いたものと比べ向上するが実用的にまだ十分でなく、
さらに、中塗塗料や上塗塗料を塗り重ねるとその塗面に
ちりめん状のしわ(いわゆる“チヂミ”)や凹凸などが
発生し、上塗塗装後の仕上がり外観を著しく低下させる
という欠陥を有している。
さらに、マレイン酸をグラフトしたポリオレフィン樹脂
を主成分とする耐チッピング塗料を電着塗面に塗装する
ことも知られているが、形成塗膜厚を肉厚にできない
(せいぜい5〜8μ)ので先鋭的な小石などが高速で衝
突すると電着塗膜にキズを発生させるという問題点を含
んでいる。
問題を解決するための手段 本発明の目的は、特に、自動車外板面に形成した電着塗
膜、中塗塗膜(省略することもある)および上塗塗膜か
らなる複層塗膜の塗膜外観を低下させることなく、寒冷
地域で走行中に小石などが衝突しても塗膜剥離を防止で
き、しかも15μ以上の塗膜厚を形成できる耐チッピング
塗料に開発するところにある。その結果、下記組成の塗
料を開発できた。
すなわち、本発明は、 (A)ジイソシアネート化合物と1分子あたり平均2〜
3個の水酸基を有するポリオールとの付加物で、数平均
分子量が10,000〜100,000である有機溶剤可溶性のウレ
タンポリマー (B)数平均分子量が400〜5000の水酸基含有樹脂およ
び (C)ブロックポリイソシアネート化合物 を主成分とし、上記(A)成分と(B)成分との合計固
形分重量に基いて、(A)成分が30〜90重量%、(B)
成分が70〜10重量%であり、(C)成分の再生イソシア
ネート基が(A)および(B)成分中の合計水酸基1当
量あたり、0.3〜1.5当量であって、しかも加熱硬化塗膜
のガラス転移温度が10℃以下であることを特徴とする耐
チッピング性塗料に関する。
本発明の耐チッピング性塗料(以下、「本塗料」と略称
することがある)は、上記電着塗膜・中塗塗膜(省略す
ることもある)・上塗塗膜からなる複層塗膜の電着塗膜
面に適用することが最も好適であるが、これのみに限定
されないことは当然である。
本塗料を構成する各成分について説明する。
(A)成分:ジイソシアネート化合物と1分子あたり平
均2〜3個の水酸基を有するポリオールとの付加物で、
数平均分子量が10,000〜100,000である有機溶剤可溶性
のウレタンポリマー ジイソシアネート化合物は、1分子中に2個のイソシア
ネート基を有する化合物であり、例えば、ヘキサメチレ
ンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、リ
ジンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイ
ソシアネート、メチレンビス(シクロヘキシルイソシア
ネート)、ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレ
ンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、1,
3−(イソシアネートメチル)シクロヘキサンなどの脂
肪族、脂環族及び芳香族系ジイソシアネート化合物があ
げられ、このうち特にヘキサメチレンジイソシアネー
ト、イソホロンジイソシアネートなどが好適である。
一方、ポリオールは、上記ジイソシアネート化合物と付
加せしめる化合物で、1分子あたり平均2〜3個の水酸
基を有するものであって、1分子中に1〜4個の水酸基
を有するアルコール類から選ばれた1種もしくは2種以
上を混合して平均1分子あたりの水酸基含有量を2〜3
個に調整してなるものである。具体的には、1種類では
2〜3個の水酸基を有するアルコール類を用いることが
必要であり、また、2種類以上では、1〜4個の水酸基
を有するアルコール類を用いて構成比率も考慮したう
え、1分子あたりの平均水酸基数が2〜3の範囲内に含
まれることが必要である。このポリオールの水酸基が1
分子あたり平均2個より少なくなると塗膜の耐チッピン
グ性、強じん性などが低下し、一方、3個より多くなる
と、ジイソシアネート化合物との付加反応中にゲル化し
やすく、しかもチッピング性も低下するのでいずれも好
ましくない。
ポリオールを構成するアルコール類に関し、1分子中に
1個の水酸基を有する化合物としては、例えばメタノー
ル、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノ
ール、オクタノールなどの炭素1〜20の飽和1価アルコ
ールなどがあげられ、1分子中に2〜3個の水酸基を有
するアルコールとしては、例えばポリカプロラクトン;
ポリテトラメチレングリコール、ポリプレングリコー
ル、ポリエチレングリコールなどのポリエーテルポリオ
ール;下記(B)成分で例示した多価アルコールと多塩
基酸とを用いて得られるポリエステルポリオール;など
があげられ、1分子中に4個の水酸基を有するアルコー
ルとしてはペンタエリスリトール、ポリエステル樹脂な
どがあげられる。
これらのポリオールのうち、ポリカプロラクトン;シク
ロヘキサンジメタノールを含むポリエステル;ポリテト
ラメチレングリコール;などが特に好適である。
該ポリオールに関し、数平均分子量が200〜5,000、特に
400〜2,500の範囲内にあることが好ましく、分子量が20
0より小さいと上記範囲の数平均分子量を有するウレタ
ンポリマーを得るために、ジイソシアネート化合物の使
用量が多く必要となり、その結果(B)、(C)成分と
の相溶性、スプレー塗装作業性が悪くなるおそれがあ
り、また、分子量が5,000より大きくなると、逆にジイ
ソシアネートの使用量は少なくなり塗膜強じん性が不足
して、耐チッピング性が低下することがある。また、該
ポリオールの水酸基価は22〜840の範囲内にあることが
好ましい。
ジイソシアネート化合物とポリオールとの付加反応に関
し、両成分の構成比率は、付加物の数平均分子量が前記
範囲内になるような比率であれば任意に選択できるが、
具体的には、ポリオール100重量部あたり、ジイソシア
ネート化合物を2〜40重量部が好ましい。
このようにして得られるウレタンポリマー[(A)成
分]は、その数平均分子量を10,000〜100,000、好まし
くは20,000〜80,000の範囲内に調整する必要があり、数
平均分子量が10,000より小さくなると耐チッピング性が
不足し、しかも続いて中塗塗料などを塗装すると中塗塗
膜などにチヂミや凹凸が発生し、一方数平均分子量が10
0,000を超えるとスプレー塗装で美粒化が悪く、塗膜の
平滑性が低下し、かつ(B)、(C)成分との相溶性も
低下するなどの欠陥を生じる。
さらに、該ウレタンポリマーは、水酸基価が100以下、
特に1〜50、イソシアネート基価が3以下であることが
それぞれ好ましい。
そして、該ウレタンポリマーは、通常の塗料用有機溶
剤、例えば、炭化水素系、アルコール系、エステル系、
ケトン系、エーテル系などに溶解させて使用できる。
(B)成分:数平均分子量が400〜5,000である水酸基含
有樹脂 具体的には、水酸基を含有し、かつ上記分子量のポリエ
ステル樹脂、ポリエーテルまたはこれらのウレタン変性
物などがあげられる。
まず、水酸基を含有するポリエステル樹脂は、1分子中
に2個以上のカルボキシル基を有する多塩基酸と2分子
中に2個以上の水酸基を有する多価アルコールとを通常
の方法でエステル化せしめることによって得られる。多
塩基酸および多価アルコールには通常のものが使用で
き、前者として無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタ
ル酸、無水トリメリット酸、テトラヒドロ無水フタル
酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水ハイミック酸など
の芳香族もしくは脂環族系が好ましく、さらに無水コハ
ク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカ
ンジカルボン酸、無水マレイン酸なども併用でき、後者
としてエチレングリコール、プロピレングリコール、1,
6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ネオペ
ンチルグリコール、トリエチレングリコール、エステル
ジオール204、ビスフェノールジヒドロキシプロピルエ
ーテル、シクロヘキサンジメタノール、グリセリン、ト
リメチロールエタン、トリメチロールプロパンなどがあ
げられる。
次に、水酸基を有するポリエーテルとしては、例えば、
ポリテトラメチレングリコール、ポリプロピレングリコ
ール、ポリエチレングリコール、ポリオキシプロピレン
グリコール、ポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレ
ングリコールなどがあげられる。また、ウレタン変性物
としては、上記ポリエステルおよび(または)ポリエー
テルに、前記(A)成分で例示したジイソシアネート化
合物を反応せしめた化合物などがある。
本発明では、水酸基を含有するポリエステル樹脂が特に
好ましい。
該(B)成分に関し、数平均分子量は400〜5,000、好ま
しくは800〜3,000の範囲内に包含されており、さらに水
酸基価は50〜200、特に70〜150の範囲内であることが好
ましい。(B)成分の数平均分子量が400より小さくな
ると塗膜の凝集力が低下して耐食性、耐湿性が劣り、一
方、5,000より大きくなると上記(A)成分との相溶性
が低下する。
(C)成分:ブロックポリイソシアネート化合物 1分子中に2個以上のイソシアネート基を有するポリイ
ソシアネート化合物中の該イソシアネート基をブロック
剤でブロックした化合物である。
ポリイソシアネート化合物は、前記(A)成分の原料と
して例示したジイソシアネート化合物それ自体および該
ジイソシアネート化合物とポリオール化合物とをイソシ
アネート基過剰で反応させてなる付加物などから選ばれ
た1種もしくは2種以上が使用できる。このうち、ポリ
オール化合物としては、前記(A)成分で使用するポリ
オールのうち数平均分子量が500〜1,500であるポリエー
テルポリオールもしくはポリエステル樹脂が好適であ
り、そして該ポリオール化合物とジイソシアネート化合
物との付加反応比率はイソシアネート基/水酸基(当量
比)で1.2〜4/1が好ましい。また、ジイソシアネート化
合物を単独で用いる場合は、ヘキサメチレンジイソシア
ネート、イソホロンジイソシアネート、メチレンビス
(シクロヘキシルイソシアネート)、1,3−(イソシア
ネートメチル)シクロヘキサンなどが特に好ましい。
ブロック剤は、それ自体すでに公知のものが使用でき、
例えば、オキシム系、フェノール系、カプロラクトン系
およびフェノール系などから選ばれた1種もしくは2種
以上が使用でき、これらはポリイソシアネート化合物中
の遊離の活性なすべてのイソシアネート基をブロックす
るのである。ブロック剤としては、上記のうち、オキシ
ム系を用いることが好ましい。
ブロックポリイソシアネート化合物は、常温において不
活性であるが、解離温度(約120℃)以上に加熱すると
ブロック剤が解離し、イソシアネート基が再生して上記
(A)、(B)成分中の水酸基などと架橋反応すること
ができる。
本塗料は、上記(A)、(B)および(C)成分を主成
分としており、上記(A)成分と(B)成分との合計固
形分重量に基いて、(A)成分が30〜90重量%、好まし
くは40〜80重量%、(B)成分が70〜10重量%、好まし
くは60〜20重量%であり、(C)成分の再生イソシアネ
ート基が(A)および(B)成分中の合計水酸基1当量
あたり、0.3〜1.5当量、好ましくは0.4〜1.2当量であっ
て、しかも加熱硬化塗膜のガラス転移温度が10℃以下で
ある。
(A)成分が30重量%より少ない塗料組成物を塗装し次
いで中塗塗料もしくは上塗塗料を塗り重ねると、塗り重
ねた塗膜にチヂミやヘコミが発生し、一方90重量%より
多くなると、スプレー塗装の微粒化の状態が悪く、平滑
な塗膜に仕上りにくいなどの問題がある。
さらに、(C)成分の配合比率に関し、再生イソシアネ
ート基の上記当量比が0.3より小さくなると硬化性不十
分なため耐チッピング性、耐水性などが低下し、一方1.
5より大きくなるとそれ以上の性能向上が期待できな
い。
また、本塗料において、上記(A)、(B)および
(C)成分を主成分とし、かつ硬化塗膜のガラス転移温
度が+10℃以下、好ましくは0℃以下であることが必要
である。ガラス転移温度が10℃より高くなると低温耐チ
ッピング性が低下するので好ましくない。このガラス転
移温度の調整は上記(A)、(B)および(C)成分を
構成する組成および各成分の比率などによって容易に行
なわれる。
ガラス転移温度の測定は、上記(A)、(B)および
(C)成分を主成分とする本塗料を硬化塗膜にもとづい
て25μになるように塗装し、(C)成分のブロック剤の
解離温度以上に加熱して硬化せしめた塗膜を用い、この
単離塗膜をバイブロンを用い周波数110ヘルツ、昇温速
度3℃/分で測定した動的ガラス転移温度である。
さらに、本塗料の硬化塗膜に関し、その単離被膜の引張
破断伸び率が、−20℃において、50〜600%、特に70〜5
00%の範囲内にあることが好ましい。この引張破断伸び
率は、恒温槽付万能引張試験(島津製作所オートグラフ
S・D型)を用いて測定した値であり、試料の長さは20
mm、引張速度は20mm/分で行なった。本塗料の単離塗膜
は、形成塗膜にもとづいて25μになるようにブリキ板に
塗装し、140℃で30分加熱し硬化させたのち、水銀アマ
ルガム法により単離したものを使用した。
本塗料は、上記の(A)、(B)、(C)成分を主成分
とするが、その他に、レベリング剤、たれ防止剤、硬化
促進剤などの各種助剤を添加することもできる。
また、膜厚を保持し、かつ中塗仕上がり性向上のため
に、酸化チタン、硫酸バリウム、タルク、シリカー等の
無機顔料を、本塗料中の全樹脂100重量部に対し、30〜1
00重量部で加えるのが好ましい。
本塗料は、前記から選ばれた有機溶剤で塗装適性粘度に
調整し、例えば、スプレー塗装、静電塗装、浸漬塗装な
どによって塗装できる。塗装膜厚は硬化塗膜にもとづい
て15〜30μが適している。該塗膜は、ブロックポリイソ
シアネート化合物[(C)成分]のブロック剤の解離温
度以上、例えば120℃以上に加熱することによって架橋
硬化する。
本塗料は、従来の電着塗膜、中塗塗膜(省略することも
ある)および上塗塗膜からなる複層塗膜の層間、特に電
着塗膜と中塗塗膜もしくは上塗塗膜との層間に塗装する
と、該複層塗膜の低温領域における耐チッピング性を著
しく改善でき、しかも仕上がり性も良好であった。
すなわち、適宜の脱脂、表面処理を行なった鋼板にカチ
オン型もしくはアニオン型の電着塗料を塗装し、加熱硬
化させてから、この電着塗膜面に本塗料を硬化塗膜にも
とずいて10〜35μ、好ましくは15〜25μの厚さになるよ
うに塗装する。本塗料の塗膜を加熱硬化してから中塗塗
料もしくは上塗塗料を塗装してもさしつかえないが、本
塗料の塗膜を加熱硬化させることなく未硬化状態で中塗
塗料などを塗装すると、従来の塗装工程を大幅に変更す
る必要がないので有利である。そして、中塗塗料を塗装
し加熱して該中塗塗膜自体またはすでに塗装してある未
硬化の本塗料の塗膜も併せて同時に硬化せしめてから、
上塗塗料を塗装し、硬化せしめる。この上塗塗料の塗装
には、1コート1ベーク方式、2コート1ベーク方式、
2コート2ベーク方式、3コート1ベーク方式、3コー
ト2ベーク方式などによるソリッドカラー仕上げ、メタ
リック仕上げなどがあげられる。これらの塗装方法にお
いて、中塗塗装を省略し、本塗料を塗装し、加熱硬化し
てからもしくは加熱硬化せずに上塗塗料を塗装してもさ
しつかえない。
上記塗装工程における電着塗料、中塗塗料および上塗塗
料などはすでに一般に使用されているものから目的に応
じて適宜選択すればよい。
作用、効果 上記の組成および物理的特性値を有する本塗料の塗膜を
複層塗膜の一層として介在させることで、−20℃以下の
低温において小石などによる強い衝撃が塗膜に加わって
も、その衝撃エネルギーの殆どが本塗料の塗膜内に吸収
され、下層の電着塗膜まで波及せず、しかも中塗り及び
上塗りの両塗膜を物理的損傷を受けることが殆ど解消さ
れたのである。つまり本塗料の塗膜が外部からの衝撃力
の緩衝作用を呈していると思われる。
また、本塗料の塗膜を加熱硬化せず未硬化状態で中塗塗
料もしくは上塗塗料を塗装してもチヂミや凹凸などの発
生は全く認められず、平滑性が著しく改善された。
次に、本発明に関する製造例、実施例および比較例につ
いて説明する。なお、部および%はいずれも重量にもと
ずく。
I.製造例 1)(A)成分の製造例 (A−1):フラスコ中に数平均分子量1250、1分子あ
たりの平均水酸基数2.0(水酸価90)のポリカプロラク
トン(ダイセル(株)製、プラクセル212)700部にトル
エン760部を加え、加熱溶解し更に還流して微量の水分
を除去した。この溶液を80℃に保った中にヘキサメチレ
ンジイソシアネート94部とメチルエチルケトン400部と
の混合液を1時間かけて滴下した後、ウレタン化触媒と
してジブチル錫ジアセテート0.04部をトルエン32部に混
合して加えて2.5時間保ち、ガードナー粘度(20℃)
V、NCO価1以下、水酸基価2、GPC(ゲルパーミエイシ
ョンクロマトグラフィー)で調べた数平均分子量40,000
のウレタンポリマー溶液を得た。
(A−2):フラスコ中に1,4−シクロヘキサンジメタ
ノール432部およびアジピン酸292部を入れ、160℃から2
20℃まで2.5時間かけて昇温し220℃で1時間保持後、ト
ルエン40部を加えて還流しながら酸価が1以下になるま
で反応し、トルエンを加えて40%ポリエステルワニスを
得た。1分子あたり平均2個の水酸基を有し、水酸基価
172、数平均分子量は654であった。フラスコにこの40%
ポリエステルワニス727部、ポリカプロラクトン(ダイ
セル(株)製、プラクセル308、1分子あたりの平均水
酸基数3、水酸基価195、数平均分子量860)145部を含
む40%トルエン溶液363部(脱水還流ずみ)およびメチ
ルエチルケトン223部を入れ100℃に保ち、イソホロンジ
イソシアネート166部を1時間かけて滴下した。次いで
ジブチル錫ジアセテート0.12をトルエン23.2部と混合し
て加え、2.5時間反応を続け、ガードナー粘度Z、NCO価
0.5以下、水酸基価34、数平均分子量69,000の40%ウレ
タンポリマー溶液を得た。
(A−3):上記(A−2)と同様にして、1,6−ヘキ
サンジオール236部、コハク酸118部、脱水還流用トルエ
ン22部、希釈トルエン296部を用いて数平均分子量318、
酸価1以下、OH価353、1分子あたり水酸基2個有する5
0%ポリエステルワニスを得た。次にこの50%ポリエス
テルワニス496部、トリレンジイソシアネート137部、メ
チルエチルケトン190部、トルエン140部、ジブチル錫ジ
アセテート0.02部を用いて、70℃で反応を行ない、水酸
基価3、NCO価0.5以下、数平均分子量38,000のウレタン
ポリマーを得た。
2)(B)成分の製造例 (B−1):フラスコ中に、トリメチロールプロパン27
4部、1,6−ヘキサンジオール944部、ヘキサヒドロ無水
フタル酸462部およびアジピン酸876部を加えて、160℃
から230℃まで3時間かけて昇温し、230℃で1.5時間保
持したのち、キシレン114部を加えて80%のポリエステ
ルワニスを得た。このポリエステルワニスはガードナー
粘度X、酸価10、数平均分子量1550、水酸基価108であ
った。
(B−2):フラスコ中にトリメチロールプロパン314
部、ネオペンチルグリコール808.5部、無水フタル酸296
部、テトラヒドロ無水フタル酸760部およびアジピン酸2
57部を加えて、160℃から230℃まで3時間かけて昇温
し、230℃で1時間保持したのち、キシレン11部を加え
て脱水還流させながら、反応を続けキシレン138.7部を
加えて60%ポリエステルワニスを得た。このポリエステ
ルワニスはガードナー粘度U、酸価0.6、水酸基価119、
数平均分子量1780であった。次にこの60%ポリエステル
ワニス100部にヘキサメチレンジイソシアネート1.2部を
加え80℃でウレタン変性反応を行なった。得られたウレ
タン変性ポリエステルワニスはガードナー粘度Y、OH価
104、数平均分子量2,300であった。
3)(C)成分の製造例 (C−1):トリレンジイソシアネート5モル、分子量
1,000±100のポリテトラメチレングリコール1モルおよ
びトリメチロールプロパン1モルよりなる、ジイソシア
ネートとポリオールとの付加反応物で、遊離のNCO基は
全て、メチルエチルケトオキシムで封鎖したブロックポ
リイソシアネートの50%キシレン/セロソルブアセテー
ト溶液で、再生イソシアネート基含有率が3.7%であっ
た。
(C−2):トリレンジイソシアネート3モル、トリメ
チロールプロパン1モルよりなる付加反応物で、遊離の
イソシアネート基は全てメチルエチルケトオキシムで封
鎖したブロックポリイソシアネートの60%キシレン/セ
ロソルブアセテート溶液で、再生イソシアネート基含有
率が7%であった。
II.実施例および比較例 上記製造例で得た(A)、(B)および(C)成分を第
1表に示した比率で配合して本塗料(実施例)および比
較用塗料(比較例)を製造した。
第1表において、各成分の配合量は固形分重量に基いて
おり、NCO基/OH基は(C)成分中の再生イソシアネート
基と(A)、(B)成分中のOH基との当量比である。
(A)、(B)および(C)成分からなる混合物に、こ
れらの固形分合計100重量部あたり、酸化チタン48g、硫
酸バリウム12g、ジブチル錫ラウレート0.1gを配合し
て、耐チッピング塗料組成物を得た。また、ガラス転移
温度および引張破断伸び率は本塗料(比較用も含む)の
単独硬化塗膜を前記した方法にもとづいて測定した。
III.塗膜性能試験結果 実施例および比較例で得た本塗料などを、エポキシ樹脂
系カチオン電着塗装し、16℃で30分加熱硬化させた鋼板
に、硬化塗膜にもとづいて20±5μになるようにスプレ
ー塗装し、室温で1分間放置後、ポリエステル樹脂・メ
ラミン樹脂系中塗塗料を硬化塗膜にもとずいて40μにな
るように塗装してから、140℃で30分加熱して本塗料な
どの塗膜と中塗塗料塗膜とを同時に硬化させた。更にこ
の上にポリエステル・メラミン樹脂系上塗塗料を40μ塗
装し、140℃×30分で焼付けて試験板を作成した。
このようにして得た試験板を用いて各種の塗膜性能試験
を行ない、その結果も前記第1表に併記した。
試験方法は次のとおりである。
(1)スプレー塗装作業性 本塗料などの耐チッピング塗料をフォードカップ#4/20
℃で20±2秒に希釈し、エアースプレーガンで噴霧した
ときの微粒化の状態および塗着塗面を目視観察し、良、
否を評価した。◎:良好、△:やや劣る。
(2)中塗塗膜の平滑性 鋼板に、電着塗料/本塗料など/中塗塗料を塗装し、前
記のごとく焼付けた塗装試験板を用い、中塗塗膜表面に
蛍光燈を写し、その映像の鮮明度で良好(◎)〜劣る
(×)を5段階で評価した。
(3)上塗塗膜の鮮映性 (2)で用いた中塗塗料塗装板にさらに上塗塗料(ソリ
ッドカラー又はメタリックカラーエナメル)を塗装し、
焼付け乾燥した塗装試験板を用いる。鮮映性の評価方法
は(2)で述べた方法(蛍光燈の映像評価)に同じ。
(4)耐チッピング性 飛石試験機(スガ試験機(株)、JA−400型)を使用。
同試験機の試料ホルダーに塗装試験板[(3)で作成し
たものに同じ]を垂直にとりつけ50gの7号砕石を、同
試験機の圧力計で4kg/cm2の空気圧で噴射し、砕石を試
験板に対し直角に衝突させる。試験板は水洗・乾燥さ
せ、チッピングによって浮き上った塗膜は粘着テープで
除去し、ハガレ傷の程度を良好(◎)〜劣る(×)の5
段階で判定した。低温チッピング試験の場合は、−30〜
−35℃に冷やしたドライアイス/メタノール液中に塗装
試験板を5分〜10分間浸漬し、とり出して直ちに(数秒
以内で)上記方法でチッピング試験を行なった。チッピ
ング時の試験板の温度は−20±5℃である。
(5)耐湿性 湿潤試験機(スガ試験機(株))を使用。相対湿度98
%、温度49±1℃に保持された槽内に(3)と同様にし
て作成した塗装試験板を入れ、240時間放置する。
とり出して、直ちに、水滴等をぬぐいとり、上塗塗膜面
のフクレ、チヂミ等の異常の有無を評価した。耐湿試験
前の塗装試験板と比較して、変化のないものを合格
(◎)とし、△はフクレ、チヂミ等が少く認められた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高木 偵聿 神奈川県平塚市東八幡4丁目17番1号 関 西ペイント株式会社内 (72)発明者 瀬古 健治 神奈川県平塚市東八幡4丁目17番1号 関 西ペイント株式会社内 (72)発明者 吉田 勝義 栃木県鹿沼市さつき町7番3号 関西ペイ ント株式会社内 (72)発明者 花田 司 栃木県鹿沼市さつき町7番3号 関西ペイ ント株式会社内 (72)発明者 大井 与三 栃木県鹿沼市さつき町7番3号 関西ペイ ント株式会社内 審査官 谷口 浩行 (56)参考文献 特開 昭62−4754(JP,A) 特開 昭62−220563(JP,A) 特開 昭60−156766(JP,A) 特公 昭54−25067(JP,B2) 特公 昭58−46225(JP,B2)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)ジイソシアネート化合物と1分子あ
    たり平均2〜3個の水酸基を有するポリオールとの付加
    物で、数平均分子量が10,000〜100,000である有機溶剤
    可溶性のウレタンポリマー (B)数平均分子量が400〜5000の水酸基含有樹脂およ
    び (C)ブロックポリイソシアネート化合物 を主成分とし、上記(A)成分と(B)成分との合計固
    形分重量に基いて、(A)成分が30〜90重量%、(B)
    成分が70〜10重量%であり、(C)成分の再生イソシア
    ネート基が(A)および(B)成分中の合計水酸基1当
    量あたり、0.3〜1.5当量であって、しかも加熱硬化塗膜
    のガラス転移温度が10℃以下であることを特徴とする耐
    チッピング性塗料。
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