JPH0716403B2 - キヤンデイダ・ボイデイニイpc−31株 - Google Patents

キヤンデイダ・ボイデイニイpc−31株

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JPH0716403B2
JPH0716403B2 JP25146286A JP25146286A JPH0716403B2 JP H0716403 B2 JPH0716403 B2 JP H0716403B2 JP 25146286 A JP25146286 A JP 25146286A JP 25146286 A JP25146286 A JP 25146286A JP H0716403 B2 JPH0716403 B2 JP H0716403B2
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吉樹 谷
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  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)

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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は,ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(以
下NADと略称する。)含有量の高いキヤンデイダ・ボイ
デイニイPC−31株に関するものである。
(従来の技術) NADは,生体内における多種多様な酸化還元酵素の補酵
素として生体内のエネルギー代謝,各種物質の補酵素と
して古くから知られている。また,近年では,臨床用試
薬,生化学試薬として生化学,医学方面に広範な用途が
拡大し,その需要は多いに高まってきているが,NADは高
価な物質である。
従来,NADは酵母,細菌等を培養し,培養菌体から抽出す
ることで製造されてきた。近年では,生産量の向上をは
かるため,培養方法に種々の工夫が凝らされている。例
えば,培養過程にNAD前駆物質やNAD前駆物質と共に界面
活性剤を添加して菌体内又は培養液中にNADを蓄積させ
る方法(特公昭47−19748号公報,特公昭47−19749号公
報,特公昭45−29436号公報,特開昭48−56891号公報参
照),あるいは培養終了後,培養液から菌体を一旦分離
し,界面活性剤で処理した後,NAD前駆物質を含んだ溶液
中でさらに培養する方法(特開昭54−80493号公報,特
開昭54−80494号公報参照)が提案されている。
しかしながら,上記のような従来例において用いられる
微生物は,いずれも炭水化物を炭素源及びエネルギー源
として生育するものに限られ,工業的規模での生産にお
ける原料としては,現在の醗酵工業の共通の原料である
廃糖蜜あるいは澱粉糖化液を使わざるをえず,これらの
原料は工業的見地から供給が不安定であり,均一な製品
が得られないため培養管理が難しく,強い着色のため廃
液処理にコストがかかると共に,目的物質の単離,精製
が困難である等の問題点を有しており,ひいてはNADの
価格上昇の大きな要因になっている。
これを解決するため,本発明者らは先にキヤンデイダ25
−Aをメタノールを主たる炭素源とする培地で培養し,
培養物からNADを採取するNADの製造法を提案した(日本
農芸化学会,昭和61年度大会講演要旨集P505参照)。
(発明が解決しようとする問題点) しかしながら,上記で用いられているキヤンデイダ25−
Aは,NADの含有量がそれほど高くないので,NADの生産量
はまだ満足いくべきものではなかった。このことによ
り,NADを未だ高価な物質としているのである。
(問題点を解決するための手段) 本発明者らは,上記のごとき問題点を解決してNAD含有
量の高い菌株を提供することを目的として鋭意検討を重
ねた結果,上記のキヤンデイダ25−Aを用いて突然変異
処理を行うことにより,ピコリン酸に耐性を有する変異
株を発見し,その菌株がNAD含有量の高い菌株であるこ
とを見い出し,本発明を完成するに至った。
すなわち,本発明は,ピコリン酸に耐性を有し,かつ,N
AD含有量の高いキヤンデイダ・ボイデイニイPC−31株を
要旨とするものである。
次に,本発明の菌学的性質を以下に示す。この菌学的性
質の検討のうち,ピコリン酸耐性とNAD含有量の検討に
は,メタノールを炭素源とする以下の培地を用いた。
なお,%は特に明記しない限りは重量%を示す(以下同
様)。
メタノール2容量%,塩化アンモニウム0.5%,リン酸
2水素カリウム0.1%,リン酸1水素カリウム0.1%,硫
酸マグネシウム0.05%,塩化第2鉄30μg/ml,塩化カル
シウム10μg/ml,硫酸マンガン10μg/ml,硫酸亜鉛10μg/
ml,チアミン塩酸塩2μg/ml,ビオチン0.02μg/mlからな
るメタノール培地(pH6.0)。
これ以外の検討には,酵母の分類同定法〔飯塚広,後藤
昭二著,(1969)〕,改訂版微生物の分類と同定(上)
〔長谷川武治編著,(1984)〕,ザ イースツ ア タ
クソノミツク スタデイー(THE YEASTS A taxonomic s
tudy)〔ロツダー(Lodder)編著,(1970)〕及びザ
イースツ ア タクソノミツク スタデイー(The Yeas
ts a taxonomic study)〔リジ(Rij)編著,(198
4)〕に記載されている方法に従った。
(a) 各培地における生育状態 MY液体培地,28℃,3〜5日間培養 細胞の大きさ:1.5〜3.5μ×2.0〜12.0μ 細胞の形態:卵円形又は円筒形,単独又は二連で,まれ
に仮性菌糸を形成しているものあり 増殖の形式:多極出芽 生育による培地の混濁:やや濁る 沈殿物の生成:粉状沈殿物あり 皮膜の形成:表面にシワ状皮膜あり MY寒天培地,28℃,3〜5日間培養 生育の程度:良好 周縁の形状:全縁 隆起状態:半レンズ状 表面の形状:粗面 表面の光沢:鈍光 表面の性状:バター質 表面の色調:乳白色 バレイシヨ・グルコース寒天培地によるスライド培養 仮性菌糸:形成し,芽出胞子も形成する 分裂子,厚膜胞子:形成せず (b) 子嚢胞子の形成:なし (c) 射出胞子の形成:なし (d) 各生理的性質 最適生育条件:pH4.0〜7.0,27〜30℃ 生育の範囲:pH2.5〜9.5,18〜33℃ 硝酸塩の同化:あり 脂肪の分解:なし 尿素の分解:なし ゼラチンの液化:なし 耐浸透圧性: 塩化ナトリウム10%以上では生育しない カロチノイドの生成:なし 顕著な有機酸の生成:なし 殿粉様物質の生成:なし ビタミンの要求性: ビタミンを含有しない培地でも弱く生育するが,ビオチ
ンの添加により生育は増大する 菌株の特徴となる生理的性質 ピコリン酸耐性:あり 0.3%キノリン酸添加メタノール培地におけるNAD含有
量:26mg/g乾燥菌体(79mg/培地) (e) 醗酵性と同化性 醗酵性を有する炭素源:D−グルコース 醗酵性のない炭素源: D−ガラクトース,麦芽糖,シヨ糖,乳糖,ラフイノー
ス 同化性を有する炭素源: D−リボース,D−キシロース,D−グルコース,D−マンノ
ース,D−フラクトース,エタノール,アドニツト,エリ
トリツト,D−マンニツト,D−ソルビツト,グリセリン 弱い同化性を有する炭素源: D−ガラクトース,麦芽糖,D−グルコン酸塩,DL−乳酸
塩,コハク酸塩 同化性のない炭素源: D−アラビノース,L−アラビノース,L−ラムノース,L−
ソルボース,シヨ糖,乳糖,メリビオース,セロビオー
ス,トレハロース,ラフイノース,D−メレジトース,α
−メチル−D−グルコシド,アルブチン,デキストリ
ン,可溶性澱粉,イヌリン,イノシツト,ズルシツト,2
−ケト−D−グルコン酸塩,クエン酸塩 上記の菌学的性質から,ロツダー(Lodder)の「ザ イ
ースツ ア タクソノミツク スタデイー(THE YEASTS
A taxonomic study)」(1970)の検索表及びリジ(Ri
j)の「ザ イースツ ア タクソノミツク スタデイ
ー(The Yeasts a taxonomic study)」(1984)の検索
表に基づき検索した結果,本菌株はキヤンデイダ(Cand
ida)属に属するものと判断され,さら炭素源の同化性
に関してあまり重要でない2,3の糖類についての結果が
異なるものの,その他の性質において一致をみたので,
本菌株はキヤンデイダ・ボイデイニイ(Candida boidin
ii)と同定するのが妥当であると判断した。
そして,親株であるキヤンデイダ25−Aがピコリン酸に
耐性を有しないのに対して,本菌株はピコリン酸に耐性
を有するようになったことで,両者に著しい差がみられ
た。しかも,NADの含有量は,親株であるキヤンデイダ25
−Aに比べて約2.4倍に増加していた。
このように,本菌株は菌学的性質が明らかに既存菌とは
異なっているので,新菌株と判断し,キヤンデイダ・ボ
イデイニイ(Candida boidinii)PC−31と命名し,昭和
61年9月25日に通産省工業技術院微生物工業技術研究所
へ寄託した〔微工研菌寄第8975号(FERM P−897
5)〕。
本発明の菌株を得るためには,例えば,親株としてすで
に微工研に寄託されているメタノール資化性酵母キヤン
デイダ(Candida)25−A微工研菌寄第8725号(FERM
P−8725)を用い,変異誘発源として紫外線を用いて変
異させればよい。このとき,変異誘発源としては,紫外
線以外に物理的因子や薬剤を用いてもよい。そのような
ものとしては,例えば,放射線,高熱処理,5−ブロモウ
ラシル,エチルメタンサルホネート,マスタードガス,
ニトロソグアニジンがあげられる。
本発明の菌株を培養するに際して用いられる培地として
は,メタノールを炭素源とし,前駆物質としてキノリン
酸を添加すること以外は,キヤンデイダ属に属する酵母
で通常用いられる培地でよい。このときの培地組成とし
て,メタノール濃度を0.5〜3容量%程度,キノリン酸
濃度を0.1〜0.5%程度とし,それ以外の培地組成とし
て,例えば,ペプトン,尿素,硫安,塩安,硝安,硝酸
ソーダ等の窒素源が用いられ,また,リン酸2水素ナト
リウム,リン酸2水素カリウム,リン酸1水素カリウム
等のリン酸源が用いられる。さらに増殖促進因子とし
て,ビオチン,チアミン,酵母エキス,あるいは鉄,カ
ルシウム,マンガン,亜鉛等の金属塩を微量添加するこ
とができる。
これらの培地を用いて,本発明の菌株をpH4〜7,温度25
〜33℃で通気撹拌培養すればよい。このとき,培養終了
時点は,菌の増殖後であればいつでもよいが,好ましく
は培養液のメタノールがまったく消費された後にするの
が,NADがより蓄積されていて良い。
本発明において,NADを単離,精製するには,例えば,ま
ず培養物から遠心分離や濾過等で菌体を集菌し,次い
で,集菌した菌体を常法,すなわち菌体を破砕後,遠心
分離して得られた上澄に有機溶媒又は各種の塩類を加え
て分画精製したり,担体に吸着させて精製する等の方法
で行うことができる。
(実施例) 以下,実施例をあげて本発明をさらに具体的に説明す
る。
なお,実施例中の%は,特に明記しない限りは重量%を
示す。
実施例1,比較例1 まず,親株として用いたキヤンデイダ25−A(微工研菌
寄第8725号)の紫外線に対する感受性を調べるため,メ
タノール1容量%,塩化アンモニウム0.5%,リン酸2
水素カリウム0.1%,リン酸1水素カリウム0.1%,硫酸
マグネシウム0.05%,塩化第2鉄30μg/ml,塩化カルシ
ウム10μg/ml,硫酸マンガン10μg/ml,硫酸亜鉛10μg/m
l,チアミン塩酸塩2μg/ml,ビオチン0.02μg/ml,寒天1.
5%,pH6.0からなる培地(以下メタノール培地と略称す
る。)を用いてプレートを作成し,それに各種濃度の菌
懸濁液をまき,その上から紫外線を400μw/cm2の照度で
照射し,生存率0.1%を与える照射時間を求めたところ,
34秒間であった。
次に,メタノール培地にピコリン酸を各種濃度で添加し
た培地にキヤンデイダ25−A(微工研菌寄第8725号)を
まき,ピコリン酸に対する感受性を調べたところ,ピコ
リン酸10mM含有の培地ではまったく生育できないことが
わかった。そこで,メタノール培地にピコリン酸10mMを
添加したプレートを作り,それにキヤンデイダ25−A
(微工研菌寄第8725号)をまき,その上から紫外線を40
0μw/cm2の照度で34秒間照射した後,28℃で1週間培養
し,生育してきた多数のコロニーを拾い上げた。これら
の菌株をメタノール培地にキノリン酸0.3%を添加した
液体培地を用いて振盪培養し,4日後に菌体中のNAD含有
量を測定したところ,これらの菌株中からNAD含有量が
親株より約2.4倍高くなったキヤンデイダ・ボイデイニ
イ(Candida boidinii)PC−31〔微工研菌寄第8975号
(FERM P−8975)〕が得られた。
なお,NADの定量は,菌体を集菌後85℃の熱水で抽出し,
アルコールデヒドロゲナーゼを用いる酵素法にて行った
〔メソツズ オブ エンザイマテイツク アナリシス
(Methods of Enzymatic Analysis)第3版(1984)7
巻P253参照〕。
次に,グルコース1%,塩化アンモニウム0.4%,リン
酸2水素カリウム0.1%,硫酸マグネシウム0.05%,酵
母エキス0.2%からなる組成の培地に上記菌株を植菌し,
pH6.0にて28℃で24時間振盪培養して種菌液を調製し
た。次いで,メタノール濃度を2容量%とし,寒天を加
えないメタノール培地100mlを500ml容振盪フラスコに入
れ,これに上記の種菌液を1%になるように加えて28℃
で振盪培養した。培養を開始して100時間後に,酵母菌
体中には26mg/g乾燥菌体のNADが蓄積されていた。
なお,比較のため,親株であるキヤンデイダ(Candid
a)25−A微工研菌寄第8725号(FERM P−8725)を用
いて上記と同様にして培養を行ったところ,酵母菌体中
には11mg/g乾燥菌体のNADが蓄積されていた。
実施例2 2容ミニジヤーフアーメンターに,メタノール濃度を
2容量%とし,寒天を加えないメタノール培地1.2を
入れ,実施例1と同様に植菌した後,温度28℃,通気条
件1VVM,400rpmで培養を行った。培養開始100時間後に
は,酵母菌体中には約26mg/g乾燥菌体のNADが,また,
培養液1.2中には95mgのNADが蓄積していた。
次に,この培養液から遠心分離により菌体を得て,2,3回
0.9%塩化ナトリウムで洗浄した。この菌体に85℃の熱
水を約10ml加え,85℃の湯浴中で約5分間撹拌すること
によりNADを抽出し,冷却後,遠心分離により抽出液を
得た。これをDowex1−X2(200〜400メツシュ,ギ酸型)
カラム(0.8×40cm)にかけ,ギ酸0〜0.15Nのグラジエ
ント溶出(400ml)を行い,10mlごとに分画した。各画分
につき,260nmにおける吸光度とNADを定量したところ,
ギ酸濃度0.08N付近に溶出している紫外線吸収ピークがN
ADのピークであった。この画分を回収し,pHをおよそ2
に合わせた後,活性炭に吸着させた。この活性炭をよく
撹拌後,吸引濾過し,適当量の冷0.001N HClで洗浄後,
ただちに50%エタノール:濃アンモニア(200:1)溶液
に加え,撹拌後,吸引濾過してNADを含む濾液を回収し
た。
この濾液を数ml程度まで減圧濃縮後,これに10倍量のエ
タノールを加え,生じた沈殿を遠心分離により回収し
た。この沈殿を洗浄して乾燥したところ,75mgの白色粉
末が得られた。この白色粉末は89%の純度を有するNAD
であった。
(発明の効果) 本発明の菌株は,NAD含有量が高いので,これを培養すれ
ば,NADを安価に製造することができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ピコリン酸に耐性を有し,かつ,ニコチン
    アミドアデニンジヌクレオチド含有量の高いキヤンデイ
    ダ・ボイデイニイPC−31株。
JP25146286A 1986-10-21 1986-10-21 キヤンデイダ・ボイデイニイpc−31株 Expired - Lifetime JPH0716403B2 (ja)

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JP25146286A JPH0716403B2 (ja) 1986-10-21 1986-10-21 キヤンデイダ・ボイデイニイpc−31株

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