JPH07166329A - Al−Cr合金蒸着めっき材の製造方法 - Google Patents
Al−Cr合金蒸着めっき材の製造方法Info
- Publication number
- JPH07166329A JPH07166329A JP5310796A JP31079693A JPH07166329A JP H07166329 A JPH07166329 A JP H07166329A JP 5310796 A JP5310796 A JP 5310796A JP 31079693 A JP31079693 A JP 31079693A JP H07166329 A JPH07166329 A JP H07166329A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- plating
- plated
- alloy
- vapor deposition
- vacuum deposition
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
- 239000000463 material Substances 0.000 title claims abstract description 40
- 229910000599 Cr alloy Inorganic materials 0.000 title claims abstract description 20
- 238000004519 manufacturing process Methods 0.000 title claims description 10
- 238000001771 vacuum deposition Methods 0.000 title abstract description 10
- 238000007747 plating Methods 0.000 claims abstract description 87
- QQHSIRTYSFLSRM-UHFFFAOYSA-N alumanylidynechromium Chemical compound [Al].[Cr] QQHSIRTYSFLSRM-UHFFFAOYSA-N 0.000 claims abstract description 17
- 238000000034 method Methods 0.000 claims abstract description 17
- 238000007740 vapor deposition Methods 0.000 claims description 40
- 239000013078 crystal Substances 0.000 abstract description 13
- 238000001704 evaporation Methods 0.000 abstract description 9
- 239000000956 alloy Substances 0.000 abstract description 5
- 229910045601 alloy Inorganic materials 0.000 abstract description 4
- 239000000758 substrate Substances 0.000 abstract description 3
- 230000001105 regulatory effect Effects 0.000 abstract description 2
- 230000004913 activation Effects 0.000 abstract 1
- 239000002932 luster Substances 0.000 abstract 1
- 229910000831 Steel Inorganic materials 0.000 description 18
- 239000010959 steel Substances 0.000 description 18
- 230000007797 corrosion Effects 0.000 description 11
- 238000005260 corrosion Methods 0.000 description 11
- 230000008020 evaporation Effects 0.000 description 7
- 230000007423 decrease Effects 0.000 description 6
- 229910052782 aluminium Inorganic materials 0.000 description 5
- 239000002994 raw material Substances 0.000 description 5
- 238000001816 cooling Methods 0.000 description 4
- 238000010438 heat treatment Methods 0.000 description 4
- 238000009826 distribution Methods 0.000 description 3
- -1 halide ions Chemical class 0.000 description 3
- 230000005855 radiation Effects 0.000 description 3
- 230000033228 biological regulation Effects 0.000 description 2
- 239000004566 building material Substances 0.000 description 2
- 230000006866 deterioration Effects 0.000 description 2
- JEIPFZHSYJVQDO-UHFFFAOYSA-N iron(III) oxide Inorganic materials O=[Fe]O[Fe]=O JEIPFZHSYJVQDO-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 2
- 229910052751 metal Inorganic materials 0.000 description 2
- 239000002184 metal Substances 0.000 description 2
- 150000002739 metals Chemical class 0.000 description 2
- 239000000126 substance Substances 0.000 description 2
- 229910000838 Al alloy Inorganic materials 0.000 description 1
- 241001163841 Albugo ipomoeae-panduratae Species 0.000 description 1
- OKTJSMMVPCPJKN-UHFFFAOYSA-N Carbon Chemical compound [C] OKTJSMMVPCPJKN-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- 241001562081 Ikeda Species 0.000 description 1
- 229910000655 Killed steel Inorganic materials 0.000 description 1
- 238000002441 X-ray diffraction Methods 0.000 description 1
- 239000007864 aqueous solution Substances 0.000 description 1
- 229910052799 carbon Inorganic materials 0.000 description 1
- 239000000919 ceramic Substances 0.000 description 1
- 238000006243 chemical reaction Methods 0.000 description 1
- 239000011248 coating agent Substances 0.000 description 1
- 238000000576 coating method Methods 0.000 description 1
- 239000002131 composite material Substances 0.000 description 1
- 238000009833 condensation Methods 0.000 description 1
- 230000005494 condensation Effects 0.000 description 1
- 229910052802 copper Inorganic materials 0.000 description 1
- 230000002950 deficient Effects 0.000 description 1
- 238000000151 deposition Methods 0.000 description 1
- 230000008021 deposition Effects 0.000 description 1
- 238000010586 diagram Methods 0.000 description 1
- 230000000694 effects Effects 0.000 description 1
- 238000004070 electrodeposition Methods 0.000 description 1
- 238000010894 electron beam technology Methods 0.000 description 1
- 238000009713 electroplating Methods 0.000 description 1
- 238000011156 evaluation Methods 0.000 description 1
- 230000006698 induction Effects 0.000 description 1
- 238000010884 ion-beam technique Methods 0.000 description 1
- 239000007769 metal material Substances 0.000 description 1
- 239000000203 mixture Substances 0.000 description 1
- 238000012986 modification Methods 0.000 description 1
- 230000004048 modification Effects 0.000 description 1
- 230000001590 oxidative effect Effects 0.000 description 1
- 238000002310 reflectometry Methods 0.000 description 1
- 239000003870 refractory metal Substances 0.000 description 1
- 239000007787 solid Substances 0.000 description 1
- 239000006104 solid solution Substances 0.000 description 1
- 239000010935 stainless steel Substances 0.000 description 1
- 229910001220 stainless steel Inorganic materials 0.000 description 1
- 229910052719 titanium Inorganic materials 0.000 description 1
- 238000007738 vacuum evaporation Methods 0.000 description 1
Landscapes
- Physical Vapour Deposition (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【構成】 予め前処理された被めっき材表面の少なくと
も片面に連続的にAl−Cr合金蒸着めっきを施す真空
蒸着法において、蒸着めっき開始前の被めっき材温度を
200℃以上に、かつ蒸着めっき終了時のめっき材温度
を400℃以下に制御するものであるAl−Cr合金蒸
着めっき材の製造方法。 【効果】 Al−Cr合金蒸着めっき材を連続的に製造
する上で、蒸着前後の被めっき材表面温度を規定するこ
とによって、高光沢で、かつ黒色化等の変色のない外観
に優れた製品を安定して得ることができる様になった。
も片面に連続的にAl−Cr合金蒸着めっきを施す真空
蒸着法において、蒸着めっき開始前の被めっき材温度を
200℃以上に、かつ蒸着めっき終了時のめっき材温度
を400℃以下に制御するものであるAl−Cr合金蒸
着めっき材の製造方法。 【効果】 Al−Cr合金蒸着めっき材を連続的に製造
する上で、蒸着前後の被めっき材表面温度を規定するこ
とによって、高光沢で、かつ黒色化等の変色のない外観
に優れた製品を安定して得ることができる様になった。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、優れた外観品質を有す
るAl−Cr合金蒸着めっき材を安定して製造する方法
に関するものである。なお、本発明の適用対象となる被
めっき材は、普通鋼やステンレス鋼、各種合金鋼の他、
Al、Cu、Ti等の非鉄材料やそれらの合金材が含ま
れる。本発明では最も汎用である鋼板を主体に説明す
る。なお、被めっき材の形状も、板状、棒状、管状等特
に限定されない。
るAl−Cr合金蒸着めっき材を安定して製造する方法
に関するものである。なお、本発明の適用対象となる被
めっき材は、普通鋼やステンレス鋼、各種合金鋼の他、
Al、Cu、Ti等の非鉄材料やそれらの合金材が含ま
れる。本発明では最も汎用である鋼板を主体に説明す
る。なお、被めっき材の形状も、板状、棒状、管状等特
に限定されない。
【0002】
【従来の技術】溶融Alめっき鋼板は、耐熱性、耐食
性、熱反射性等の優れた特性を有しており、生産コスト
も比較的安価であることから、自動車のマフラー、家電
製品、建築材料、焼却炉部材等に汎用されてきた。しか
し、Alめっき鋼板はCl- イオンの様なハロゲン化物
イオンが多量に存在する環境下では、Al表面の不働態
皮膜が該ハロゲン化物イオンによって破壊され易く、め
っき層に孔食が発生することが多い。発生した孔食の発
生部周辺にはAlの腐食生成物であるAl(OH)3等を
主成分とする白錆が生じる。また、孔食がさらにめっき
厚み方向に進行して素地鋼板にまで達すると、鋼板の腐
食による赤錆が発生するという問題がある。このため、
耐食性向上を目的として、Al浴にZn等の各種金属を
添加する検討が行われているが、Al浴に添加できる金
属の種類と量に限界があり、満足いく結果は得られてい
ない。
性、熱反射性等の優れた特性を有しており、生産コスト
も比較的安価であることから、自動車のマフラー、家電
製品、建築材料、焼却炉部材等に汎用されてきた。しか
し、Alめっき鋼板はCl- イオンの様なハロゲン化物
イオンが多量に存在する環境下では、Al表面の不働態
皮膜が該ハロゲン化物イオンによって破壊され易く、め
っき層に孔食が発生することが多い。発生した孔食の発
生部周辺にはAlの腐食生成物であるAl(OH)3等を
主成分とする白錆が生じる。また、孔食がさらにめっき
厚み方向に進行して素地鋼板にまで達すると、鋼板の腐
食による赤錆が発生するという問題がある。このため、
耐食性向上を目的として、Al浴にZn等の各種金属を
添加する検討が行われているが、Al浴に添加できる金
属の種類と量に限界があり、満足いく結果は得られてい
ない。
【0003】また、電気めっき法によって非水溶液中か
らAlやAl合金を電析する方法も検討されているが、
電析時の電流密度が非常に小さいためにめっき効率が低
く、めっき浴が電気的に不安定であるという事実と併せ
ると、工業的規模での実用化には多くの問題が残されて
いる。
らAlやAl合金を電析する方法も検討されているが、
電析時の電流密度が非常に小さいためにめっき効率が低
く、めっき浴が電気的に不安定であるという事実と併せ
ると、工業的規模での実用化には多くの問題が残されて
いる。
【0004】一方、真空または希薄ガス雰囲気下で蒸発
原料を加熱蒸発させて、走行している被めっき材表面に
連続的に蒸着めっきを施すいわゆる連続真空蒸着めっき
が実用化されている。蒸発原料を加熱蒸発させる方法と
しては、電気抵抗加熱法や高周波誘導加熱法を採用する
こともできるが、電子ビームやイオンビームあるいはレ
ーザービーム等の高エネルギー源を採用することによ
り、各種高融点金属材料の他にセラミックス等の非金属
材料への適用も可能になっている。
原料を加熱蒸発させて、走行している被めっき材表面に
連続的に蒸着めっきを施すいわゆる連続真空蒸着めっき
が実用化されている。蒸発原料を加熱蒸発させる方法と
しては、電気抵抗加熱法や高周波誘導加熱法を採用する
こともできるが、電子ビームやイオンビームあるいはレ
ーザービーム等の高エネルギー源を採用することによ
り、各種高融点金属材料の他にセラミックス等の非金属
材料への適用も可能になっている。
【0005】このような連続真空蒸着めっき技術を、A
l系めっき材料の耐食性向上に応用した検討がなされて
おり、例えば、特開昭64-21060号、特開平1-127665号に
は、AlとCrを個別に真空蒸着させて、Al−Cr合
金めっき鋼板を得る技術が、また特開平1-188666号に
は、最下層にCrめっき層、中間層にAl−Cr合金め
っき層、最上層にAlめっき層を施した積層型の蒸着め
っき鋼板が開示されており、耐食性向上に成功してい
る。
l系めっき材料の耐食性向上に応用した検討がなされて
おり、例えば、特開昭64-21060号、特開平1-127665号に
は、AlとCrを個別に真空蒸着させて、Al−Cr合
金めっき鋼板を得る技術が、また特開平1-188666号に
は、最下層にCrめっき層、中間層にAl−Cr合金め
っき層、最上層にAlめっき層を施した積層型の蒸着め
っき鋼板が開示されており、耐食性向上に成功してい
る。
【0006】しかしながら、これら従来のAl−Cr蒸
着めっき法では、Al用とCr用の2つの蒸発原料槽が
必要で、それぞれ個別に蒸発速度の制御を行わなければ
ならないが、この制御が非常に難しく、めっき付着量や
合金組成がばらつくことが多かった。また、Crは溶融
浴を作らず、固体のまま蒸発する昇華性物質であって、
蒸発して減少した原料を補給する手段が特に連続蒸着の
場合には確立されておらず、原料がなくなった時点でめ
っきを中断するというバッチ方式を採用せざるを得なか
った。
着めっき法では、Al用とCr用の2つの蒸発原料槽が
必要で、それぞれ個別に蒸発速度の制御を行わなければ
ならないが、この制御が非常に難しく、めっき付着量や
合金組成がばらつくことが多かった。また、Crは溶融
浴を作らず、固体のまま蒸発する昇華性物質であって、
蒸発して減少した原料を補給する手段が特に連続蒸着の
場合には確立されておらず、原料がなくなった時点でめ
っきを中断するというバッチ方式を採用せざるを得なか
った。
【0007】このような問題を解決するものとして、本
発明者等は単一蒸発槽内のAl−Cr合金浴から直接A
l−Cr混合蒸気を真空蒸発させて連続蒸着する方法を
見出し、さらなる耐食性向上の検討を行っている。例え
ば、特願平5−36940号には、Crが過飽和に固溶
したα(Al)相単相のめっき層結晶構造とすることに
より耐食性が向上した結果が、また特願平5−6280
4号には、α(Al)相とθ(Al13Cr2)からなり、
且つX線回折における回折ピークが面間隔2.29〜
2.34Åの範囲に2つ存在するめっき層結晶構造とす
ることによって、加工性と耐赤錆性の向上に成功した結
果が示されている。
発明者等は単一蒸発槽内のAl−Cr合金浴から直接A
l−Cr混合蒸気を真空蒸発させて連続蒸着する方法を
見出し、さらなる耐食性向上の検討を行っている。例え
ば、特願平5−36940号には、Crが過飽和に固溶
したα(Al)相単相のめっき層結晶構造とすることに
より耐食性が向上した結果が、また特願平5−6280
4号には、α(Al)相とθ(Al13Cr2)からなり、
且つX線回折における回折ピークが面間隔2.29〜
2.34Åの範囲に2つ存在するめっき層結晶構造とす
ることによって、加工性と耐赤錆性の向上に成功した結
果が示されている。
【0008】しかしながら、上記方法で製造したAl−
Cr合金蒸着めっき製品においても依然としてめっき製
造条件に依存して製品外観が変化し易いという問題があ
り、自動車、家電製品、建材等の分野で最も重要な要求
品質の一つである美しい外観を有する製品の安定製造
は、まだ達成できていないのが現状である。
Cr合金蒸着めっき製品においても依然としてめっき製
造条件に依存して製品外観が変化し易いという問題があ
り、自動車、家電製品、建材等の分野で最も重要な要求
品質の一つである美しい外観を有する製品の安定製造
は、まだ達成できていないのが現状である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は以上の様な状
況に着目してなされたものであって、優れた外観品質を
有するAl−Cr合金蒸着めっき材を安定して連続製造
する方法を提供することが主目的である。
況に着目してなされたものであって、優れた外観品質を
有するAl−Cr合金蒸着めっき材を安定して連続製造
する方法を提供することが主目的である。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成し得た本
発明のAl−Cr合金蒸着めっき材の製造方法は、予め
前処理された被めっき材表面の少なくとも片面に連続的
にAl−Cr合金蒸着めっきを施す真空蒸着法におい
て、蒸着めっき開始前の被めっき材温度を200℃以上
に、かつ蒸着めっき終了時のめっき材温度を400℃以
下に制御するところに要旨を有する。
発明のAl−Cr合金蒸着めっき材の製造方法は、予め
前処理された被めっき材表面の少なくとも片面に連続的
にAl−Cr合金蒸着めっきを施す真空蒸着法におい
て、蒸着めっき開始前の被めっき材温度を200℃以上
に、かつ蒸着めっき終了時のめっき材温度を400℃以
下に制御するところに要旨を有する。
【0011】
【作用】以下、本発明に到達し得た経緯に沿って本発明
を詳細に説明する。本発明者らは、Al−Cr合金蒸着
めっき(以下特に断らない限り、「めっき」は「蒸着め
っき」の意味である)鋼板を製造するに当たり、図1に
示す連続蒸着めっき設備を用いて、製造条件と得られた
めっき品質について検討を行った。
を詳細に説明する。本発明者らは、Al−Cr合金蒸着
めっき(以下特に断らない限り、「めっき」は「蒸着め
っき」の意味である)鋼板を製造するに当たり、図1に
示す連続蒸着めっき設備を用いて、製造条件と得られた
めっき品質について検討を行った。
【0012】図1は連続めっき設備例を示す説明図であ
る。同図において、1は矢印A方向に移動する被めっき
材としての鋼板である。還元炉2内で表面を還元・活性
化された鋼板1は、ガス冷却帯3で所定の温度まで冷却
され、その後2つの接続チャンバー41、42、および
入側真空シール装置5で雰囲気圧力を大気圧下から真空
下まで減少させ真空蒸着室6に導入される。めっき後に
は、接続チャンバー43、44および出側真空シール装
置7で大気圧下に戻されている。
る。同図において、1は矢印A方向に移動する被めっき
材としての鋼板である。還元炉2内で表面を還元・活性
化された鋼板1は、ガス冷却帯3で所定の温度まで冷却
され、その後2つの接続チャンバー41、42、および
入側真空シール装置5で雰囲気圧力を大気圧下から真空
下まで減少させ真空蒸着室6に導入される。めっき後に
は、接続チャンバー43、44および出側真空シール装
置7で大気圧下に戻されている。
【0013】本発明者等は上記装置でめっき品質につい
て種々の検討を行い、Al−Cr合金蒸着めっき層に
は、表面光沢が低下して不良となる場合、めっき層表面
が黒色化する場合、またその両者が同時に発生する場合
があることを知見し、この知見を元に、光沢低下の原
因、黒色化の原因を追求した結果、蒸着めっき開始前の
被めっき材温度を200℃以上に、かつ蒸着めっき終了
時のめっき材温度を400℃以下に制御すれば、表面品
質の低下が起こらないことを見出したのである。
て種々の検討を行い、Al−Cr合金蒸着めっき層に
は、表面光沢が低下して不良となる場合、めっき層表面
が黒色化する場合、またその両者が同時に発生する場合
があることを知見し、この知見を元に、光沢低下の原
因、黒色化の原因を追求した結果、蒸着めっき開始前の
被めっき材温度を200℃以上に、かつ蒸着めっき終了
時のめっき材温度を400℃以下に制御すれば、表面品
質の低下が起こらないことを見出したのである。
【0014】まず蒸着めっき開始前の被めっき材はその
表面温度が200℃以上でなければならない。図2に
は、めっき前鋼板の温度と表面光沢度の関係を示した。
200℃未満の場合、めっき前板温が低ければ低いほ
ど、めっき後の表面光沢が著しく低くなることが分か
る。また、200℃未満の場合、蒸着めっき中やめっき
後に板温が上昇しても、表面光沢は低いままであること
も明らかとなった。200℃以上では、安定して高光沢
度を得ることが可能である。なお、めっき前の被めっき
材の表面温度が200℃未満でさらに板幅方向に不均一
な温度分布がある場合には、温度分布位置が光沢ムラと
なるという不都合が生じる。
表面温度が200℃以上でなければならない。図2に
は、めっき前鋼板の温度と表面光沢度の関係を示した。
200℃未満の場合、めっき前板温が低ければ低いほ
ど、めっき後の表面光沢が著しく低くなることが分か
る。また、200℃未満の場合、蒸着めっき中やめっき
後に板温が上昇しても、表面光沢は低いままであること
も明らかとなった。200℃以上では、安定して高光沢
度を得ることが可能である。なお、めっき前の被めっき
材の表面温度が200℃未満でさらに板幅方向に不均一
な温度分布がある場合には、温度分布位置が光沢ムラと
なるという不都合が生じる。
【0015】このようにめっき前の被めっき材表面温度
がめっき層の表面光沢に大きな影響を及ぼす理由は次の
ように考えられる。一般に蒸着めっきで得られるめっき
層の結晶粒は径の微細な柱状晶になるはずであるが、め
っき層表面に個々の柱状晶に由来する微細な凹凸が生成
してしまうと表面光沢が低下すると考えられる。この凹
凸の生成原因は、めっき層を構成する個々の結晶粒が様
々な結晶方位を持つためか、あるいは結晶粒の成長速度
が不均一になるためである。めっき層を構成する結晶粒
が様々な結晶方位を持つ場合、めっき前の板温が低下し
て結晶粒成長速度が不均一になったとしても、めっき層
光沢度は徐々に低下するのみであって、本発明者等が検
討した様な著しい光沢低下にはならないと考えられる。
がめっき層の表面光沢に大きな影響を及ぼす理由は次の
ように考えられる。一般に蒸着めっきで得られるめっき
層の結晶粒は径の微細な柱状晶になるはずであるが、め
っき層表面に個々の柱状晶に由来する微細な凹凸が生成
してしまうと表面光沢が低下すると考えられる。この凹
凸の生成原因は、めっき層を構成する個々の結晶粒が様
々な結晶方位を持つためか、あるいは結晶粒の成長速度
が不均一になるためである。めっき層を構成する結晶粒
が様々な結晶方位を持つ場合、めっき前の板温が低下し
て結晶粒成長速度が不均一になったとしても、めっき層
光沢度は徐々に低下するのみであって、本発明者等が検
討した様な著しい光沢低下にはならないと考えられる。
【0016】通常、Al−Cr合金蒸着めっき層は、め
っき層中にCrを含有しているために、α(Al)相の
(111)面が基板に平行になるように強く優先配向し
た結晶構造となり、高い光沢度を示すのである。しか
し、めっき前の板温が低下すると、α(Al)相の(1
11)面が基板に平行に優先配向する程度が減少し、さ
らにその一方で個々の結晶粒成長速度も不均一となる。
この成長速度が不均一となる理由は、めっき層中に過飽
和に固溶しているCrの存在によって、原料蒸気が安定
な位置まで移動して凝縮することを阻害するためでない
かと考えている。結局、これらの要因が相乗されて、め
っき層表面に微細な凹凸が生成し、表面光沢が低下する
こととなり、そしてこれらの作用はめっき前の板温が2
00℃未満の時に顕著に現れるのである。従って本発明
では、蒸着めっき開始前の被めっき材はその表面温度が
200℃以上でなければならない。
っき層中にCrを含有しているために、α(Al)相の
(111)面が基板に平行になるように強く優先配向し
た結晶構造となり、高い光沢度を示すのである。しか
し、めっき前の板温が低下すると、α(Al)相の(1
11)面が基板に平行に優先配向する程度が減少し、さ
らにその一方で個々の結晶粒成長速度も不均一となる。
この成長速度が不均一となる理由は、めっき層中に過飽
和に固溶しているCrの存在によって、原料蒸気が安定
な位置まで移動して凝縮することを阻害するためでない
かと考えている。結局、これらの要因が相乗されて、め
っき層表面に微細な凹凸が生成し、表面光沢が低下する
こととなり、そしてこれらの作用はめっき前の板温が2
00℃未満の時に顕著に現れるのである。従って本発明
では、蒸着めっき開始前の被めっき材はその表面温度が
200℃以上でなければならない。
【0017】本発明では、めっき前板温の規定の他に、
蒸着めっき終了時のめっき材の表面温度が400℃以下
であることも必須要件である。めっき後のめっき材の温
度が400℃を超えるとめっき表面が著しく黒色化する
ため好ましくない。これは以下の様な理由による。蒸着
めっきでは、めっき中に、蒸気の凝縮熱や、蒸発槽から
の輻射熱等を受けて被めっき材の温度が上昇するが、こ
のときに、蒸着室内の残留酸化性ガス成分とめっき層最
表面が反応して酸化物皮膜が形成される。純Alめっき
の場合は酸化物皮膜が生成しても黒色化の度合いが少な
いが、Al−Cr合金めっきの場合はめっき層最表面
に、Al−Cr−O系の複合酸化物皮膜が形成されるこ
ととなり、黒色化の程度が激しくなるのである。この酸
化物皮膜はめっき後のめっき材温度が400℃を超える
と、著しく黒色に変色することが明らかになったので、
本発明では蒸着めっき終了時のめっき材表面温度を40
0℃以下に規定した。
蒸着めっき終了時のめっき材の表面温度が400℃以下
であることも必須要件である。めっき後のめっき材の温
度が400℃を超えるとめっき表面が著しく黒色化する
ため好ましくない。これは以下の様な理由による。蒸着
めっきでは、めっき中に、蒸気の凝縮熱や、蒸発槽から
の輻射熱等を受けて被めっき材の温度が上昇するが、こ
のときに、蒸着室内の残留酸化性ガス成分とめっき層最
表面が反応して酸化物皮膜が形成される。純Alめっき
の場合は酸化物皮膜が生成しても黒色化の度合いが少な
いが、Al−Cr合金めっきの場合はめっき層最表面
に、Al−Cr−O系の複合酸化物皮膜が形成されるこ
ととなり、黒色化の程度が激しくなるのである。この酸
化物皮膜はめっき後のめっき材温度が400℃を超える
と、著しく黒色に変色することが明らかになったので、
本発明では蒸着めっき終了時のめっき材表面温度を40
0℃以下に規定した。
【0018】なお、めっき層表面の酸化物皮膜の黒色化
は、製品外観を劣化させるだけでなく、めっき後に必要
に応じて施される化成処理がうまく行えなかったり、あ
るいはめっき層自身の塑性変形能が低下して加工性が悪
化したり、密着性が劣るようになるといった問題を引き
起こすため、黒色化を防止することは非常に重要であ
る。また、めっき後の板幅方向で部分的に400℃以上
の部位があった場合には、その部位のみが黒色を呈する
結果となり、めっき材の進行方向に帯状黒色模様が存在
することとなるため、板幅方向の温度分布は極力避ける
ことが好ましい。
は、製品外観を劣化させるだけでなく、めっき後に必要
に応じて施される化成処理がうまく行えなかったり、あ
るいはめっき層自身の塑性変形能が低下して加工性が悪
化したり、密着性が劣るようになるといった問題を引き
起こすため、黒色化を防止することは非常に重要であ
る。また、めっき後の板幅方向で部分的に400℃以上
の部位があった場合には、その部位のみが黒色を呈する
結果となり、めっき材の進行方向に帯状黒色模様が存在
することとなるため、板幅方向の温度分布は極力避ける
ことが好ましい。
【0019】本発明の温度規定条件を満足するために
は、図1中のガス冷却帯3においてめっき前の鋼板温度
が200℃以上になる様に制御する。また蒸着室6内で
は蒸着めっき量の増加に伴い鋼板温度が上昇するのでめ
っき付着量を適切に制御してめっき後の鋼板温度が40
0℃を超えない様にする。また、図1において真空蒸着
室6の前後の接続チャンバー42、43内に放射温度計
8を設置して温度制御に役立てることも有効な手段であ
る。
は、図1中のガス冷却帯3においてめっき前の鋼板温度
が200℃以上になる様に制御する。また蒸着室6内で
は蒸着めっき量の増加に伴い鋼板温度が上昇するのでめ
っき付着量を適切に制御してめっき後の鋼板温度が40
0℃を超えない様にする。また、図1において真空蒸着
室6の前後の接続チャンバー42、43内に放射温度計
8を設置して温度制御に役立てることも有効な手段であ
る。
【0020】
【実施例】以下実施例によって本発明を更に詳述する
が、下記実施例は本発明を制限するものではなく、前・
後記の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施することは全て
本発明の技術範囲に包含される。 実施例1 図1に示した連続蒸着めっき設備を用いて、下記および
表1に示した様に蒸着条件を変えてAl−Cr合金蒸着
めっき鋼板の製造を行い、得られためっき材の品質につ
いて検討を行なった。表1に示した以外の主な製造条件
は以下の通りである。
が、下記実施例は本発明を制限するものではなく、前・
後記の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施することは全て
本発明の技術範囲に包含される。 実施例1 図1に示した連続蒸着めっき設備を用いて、下記および
表1に示した様に蒸着条件を変えてAl−Cr合金蒸着
めっき鋼板の製造を行い、得られためっき材の品質につ
いて検討を行なった。表1に示した以外の主な製造条件
は以下の通りである。
【0021】<主な製造条件> ・被めっき帯材 :極低炭Tiキルド鋼板(板厚
0.6mm) ・蒸着めっき :ピアス型電子銃(最大出力: 3
00kW)を加熱源として、Al−Cr合金浴からの真空
蒸着を行った。 ・蒸着室真空度 :5×10-3〜2×10-2Pa ・めっき前後の鋼板 温度の測定方法 :蒸着室入側および出側の接続チャ
ンバーに設置した放射温度計で測定 ・外観評価基準 ・光沢 ○:光沢度高 △:光沢度中 ×:光沢度低、あるいは光沢ムラあり ・黒色化 ○:黒色化部分なし △:薄い黒色化部分あり ×:濃い黒色化部分あり 表1に外観評価結果を併記した。
0.6mm) ・蒸着めっき :ピアス型電子銃(最大出力: 3
00kW)を加熱源として、Al−Cr合金浴からの真空
蒸着を行った。 ・蒸着室真空度 :5×10-3〜2×10-2Pa ・めっき前後の鋼板 温度の測定方法 :蒸着室入側および出側の接続チャ
ンバーに設置した放射温度計で測定 ・外観評価基準 ・光沢 ○:光沢度高 △:光沢度中 ×:光沢度低、あるいは光沢ムラあり ・黒色化 ○:黒色化部分なし △:薄い黒色化部分あり ×:濃い黒色化部分あり 表1に外観評価結果を併記した。
【0022】
【表1】
【0023】本発明で規定する条件を満足する実施例
(No.1〜10)は、高光沢であり、黒色化部分も見ら
れず、優れた表面品質を示すことが分かる。
(No.1〜10)は、高光沢であり、黒色化部分も見ら
れず、優れた表面品質を示すことが分かる。
【0024】
【発明の効果】本発明は以上の様に構成されており、A
l−Cr合金蒸着めっき材を連続的に製造する上で、蒸
着前後の被めっき材表面温度を規定することによって、
外観に優れた製品を安定して得ることができる様になっ
た。
l−Cr合金蒸着めっき材を連続的に製造する上で、蒸
着前後の被めっき材表面温度を規定することによって、
外観に優れた製品を安定して得ることができる様になっ
た。
【図1】連続蒸着めっき設備の説明図である。
【図2】めっき前鋼板表面温度とめっき層表面光沢の関
係を示したグラフである。
係を示したグラフである。
1 被めっき材 2 ガス還元炉 3 ガス冷却帯 41,42,43,44 接続チャンバー 5 入側真空シール装置 6 真空蒸着室 7 出側真空シール装置 8 放射温度計 9 出側ガス冷却帯
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川福 純司 兵庫県加古川市尾上町池田字池田開拓2222 番地1 株式会社神戸製鋼所加古川研究地 区内
Claims (1)
- 【請求項1】 予め前処理された被めっき材表面の少な
くとも片面に連続的にAl−Cr合金蒸着めっきを施す
真空蒸着法において、蒸着めっき開始前の被めっき材温
度を200℃以上に、かつ蒸着めっき終了時のめっき材
温度を400℃以下に制御することを特徴とするAl−
Cr合金蒸着めっき材の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5310796A JPH07166329A (ja) | 1993-12-10 | 1993-12-10 | Al−Cr合金蒸着めっき材の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5310796A JPH07166329A (ja) | 1993-12-10 | 1993-12-10 | Al−Cr合金蒸着めっき材の製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH07166329A true JPH07166329A (ja) | 1995-06-27 |
Family
ID=18009552
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP5310796A Withdrawn JPH07166329A (ja) | 1993-12-10 | 1993-12-10 | Al−Cr合金蒸着めっき材の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH07166329A (ja) |
-
1993
- 1993-12-10 JP JP5310796A patent/JPH07166329A/ja not_active Withdrawn
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| CA1157806A (en) | Cubic boron nitride preparation | |
| EP3733924A1 (en) | Multilayered zinc alloy plated steel material having excellent spot weldability and corrosion resistance | |
| EP0572673B1 (en) | Method of forming layer of evaporation coating | |
| JPH07166329A (ja) | Al−Cr合金蒸着めっき材の製造方法 | |
| JPH07113182A (ja) | 金属基板を金属又は金属合金の被覆層で被覆する方法及び 装置 | |
| EP0584364B1 (en) | Al-Si-Cr-PLATED STEEL SHEET EXCELLENT IN CORROSION RESISTANCE AND PRODUCTION THEREOF | |
| JPS634057A (ja) | 合金化蒸着亜鉛メツキ鋼帯の製造方法 | |
| JPH03170661A (ja) | 昇華性金属の蒸発方法 | |
| JPH06158285A (ja) | Al系蒸着めっき材の製造方法 | |
| JPS6296669A (ja) | 合金化蒸着亜鉛めっき鋼板の製造方法 | |
| JPH05311401A (ja) | 蒸着Alめっき材 | |
| JPH05222550A (ja) | 多層合金めっき鋼板及びその製造方法 | |
| JPH05320874A (ja) | 蒸着めっき層の形成方法及び蒸着Al−Zn合金めっき材料 | |
| JPH04154958A (ja) | 耐食性に優れた蒸着a1めっき材料 | |
| KR0140835B1 (ko) | 단일증발원에 의한 알루미늄-크롬 합금증착 도금강판의 제조방법 | |
| KR910007949B1 (ko) | 우수한 디프 드로잉성을 갖는 합금화된 아연 도금 티타늄 킬드강판의 제조방법 | |
| JP2685772B2 (ja) | 高耐食性A1−Ti合金蒸着めっき製品およびその製造方法 | |
| JP3074056B2 (ja) | 蒸着Znめっき鋼板の製造方法 | |
| JPH0313562A (ja) | 蒸着Al―Cr合金めっき鋼材の製法 | |
| JPS63247353A (ja) | 高耐食性Zn−A1合金めつき金属材の製法 | |
| KR0146988B1 (ko) | 망간의 증발방법 | |
| KR100198049B1 (ko) | 내열성 및 내식성이 우수한 알루미늄-아연/아연-알루미늄 이층형 합금 도금강판 | |
| JPH07138742A (ja) | 電子線加熱式蒸着めっき方法 | |
| JPH07188908A (ja) | 金属元素の真空蒸発方法 | |
| JPH06146013A (ja) | 耐食性に優れた積層型蒸着Al系めっき金属材及びその製造方法 |
Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20010306 |