JPH0716962B2 - 複合成形体の製造方法 - Google Patents

複合成形体の製造方法

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JPH0716962B2
JPH0716962B2 JP14399887A JP14399887A JPH0716962B2 JP H0716962 B2 JPH0716962 B2 JP H0716962B2 JP 14399887 A JP14399887 A JP 14399887A JP 14399887 A JP14399887 A JP 14399887A JP H0716962 B2 JPH0716962 B2 JP H0716962B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、優れた機械的強度及び耐水性を有する複合成
形体の製造方法に関する。
〔従来の技術及び発明が解決しようとする問題点〕
無機粉体の成形体は、断熱材料,保温材料,耐火被覆材
料,或いは建築物の内外装材料等に広く使用されてい
る。一般に材料の機械的強度を表わす指数として、曲げ
強度を比重の2乗で除した比強度が用いられており、上
記の無機粉体の成形体にも高い比強度が要求されてい
る。無機粉体の成形体の比強度を向上させる方法とし
て、無機粉体の成形体に重合性単量体を含浸させた後に
該重合性単量体を重合させて複合成形体を得る方法が知
られている。例えば、特開昭48−61527号公報には、ケ
イ酸カルシウム水和物を主体とする成形体にメタクリル
酸エステルを含浸させて加熱により重合させることが記
載されている。この方法によれば、比強度及び絶対強度
が共に高く、優れた耐水性を有する複合成形体が得られ
る。
しかしながら、このような製造方法により得られた複合
成形体は、ケイ酸カルシウム成形体の全空隙へのメタク
リル酸エステルの含浸が十分ではなく、特に複合成形体
の表層部に於いてメタクリル酸エステルの含浸されてい
ない空隙が多く残存する。そのため、上記の複合成形体
の比強度や絶対強度の改良の余地が残されている。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者らは、上記した複合成形体の比強度及び絶対強
度の改良と共に耐水性や表面硬度の向上を目的として鋭
意研究を重ねてきた。その結果、無機粉体の成形体に重
合性単量体及び/又は部分重合体を含浸させる工程と上
記の重合性単量体及び/又は部分重合体を重合させる工
程の間に、重合性単量体及び/又は部分重合体を含浸し
た無機粉体の成形体を高い圧力で成形する工程を加える
ことにより、上記した目的が達成されることを見い出
し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、無機粉体又はその成形体に重合性単量
体及び/又は部分重合体を含浸させた後、70〜10,000kg
/cm2の圧力で成形し、次いで該重合性単量体及び/又は
その部分重合体を重合させることを特徴とする複合成形
体の製造方法である。
即ち、本発明は、無機粉体又はその予備的な成形体に重
合性単量体及び/又は部分重合体を含浸させた後加圧又
は加圧成形することが重要であり、無機粉体の成形体に
前記重合性単量体及び/又は部分重合体を含浸させ、こ
れを加圧することなく重合させた場合には、本発明の効
果は期待できない。
本発明で使用される無機粉体としては、成形体に成形し
得るものであれば公知の無機粉体が何ら制限なく使用し
得る。一般には得られる複合成形体の比強度を向上させ
るために、乾燥状態の嵩密度が0.01〜1.0g/cc,特に0.05
〜0.4g/ccである無機粉体が好ましい。また、重合性単
量体及び/又はその部分重合体の含浸性の点からは、吸
油量が0.5〜10cc/gである無機粉体が好ましい。
本発明に於いて好適に用いられる無機粉体を具体的に例
示すると、酸化アルミニウム;酸化カルシウム;酸化ケ
イ素;3CaO・Al2O3,CaO・Al2O3等のアルミン酸カルシウ
ム;3CaO・SiO2,2CaO・SiO2等のケイ酸カルシウム等の無
機酸化物を挙げることができる。また、これらの水和物
も本発明で好適に用いられる。これらの無機粉体の中で
も、優れた成形性を有し、得られる複合成形体の比強度
が高いという理由から、酸化ケイ素又はケイ酸カルシウ
ムが好ましい。さらには、ジヤイロライト型の結晶構造
を有し、SiO2/CaOのモル比が1.6〜3.2であり、長手方向
の平均直径が0.1〜30ミクロン、厚みが0.005〜0.1ミク
ロンの花弁状のケイ酸カルシウム、或いは該ケイ酸カル
シウムに鉱酸を接触させることによってカルシウム分を
溶解除去した酸化ケイ素が最も好適に使用される。この
ような花弁状のケイ酸カルシウム及び酸化ケイ素は、特
開昭54−93698号公報及び特開昭54−118399号公報に記
載された方法によって製造することができる。
上記の無機粉体に他の成分を添加することは、必要に応
じて実施することができる。例えば、ガラス繊維,カー
ボン繊維,アラミド繊維,ビニロン繊維,金属繊維等の
繊維状物;パラフイン,タール,ポリエチレン,ポリプ
ロピレン,ゴムなどの有機質混和剤などが挙げられる。
繊維状物は、得られる複合成形体の比強度や絶対強度を
さらに向上させるのに効果的であり、通常、無機粉体中
に0.1〜5.0重量%の割合で混合することが好ましい。ま
た、有機混和剤は、得られる複合成形体の加工性および
耐凍結融解性を向上させるのに効果的であり、無機粉体
中に0.5〜10重量%の割合で混合することが好ましい。
本発明で用いられる無機粉体は予め粒状,板,球状.柱
状等に成形するのが取扱いやすい。該成形体は、上記し
た無機粉体を公知の成形方法により特に制限なく成形す
ることができる。例えば、乾燥した無機粉体の成形に
は、金型プレス成形機を用いた一軸加圧成形法,アイソ
スタイツクプレス成形法等が採用される。また、スラリ
ー状の無機粉体の成形には、鋳型注入法,脱水加圧成形
法等が採用され、成形後に乾燥が行なわれる。無機粉体
の成形に当っては、後述する重合性単量体及び/又は部
分重合体の含浸性及び得られる複合成形体の絶対強度を
勘案して、成形体の嵩密度が0.1〜0.6g/ccとなるように
成形することが好ましい。
以上のようにして得られた無機粉体又は無機粉体の成形
体に、重合性単量体及び/又は部分重合体が含浸され
る。本発明で使用される重合性単量体及び/又は部分重
合体は、無機粉体又はその成形体に含浸できるものであ
れば、公知のものが特に制限なく使用される。無機粉体
又はその成形体への含浸性を勘案すると、重合性単量体
及び/又は部分重合体の粘度は0.2〜100cpsのものが好
ましい。本発明に於いて好適に使用し得る重合性単量体
及び部分重合体の具体例を示すと次のとおりである。例
えば、塩化ビニル,塩化ビニリデン等のハロゲン化ビニ
ル類;スチレン,ジビニルベンゼン等の芳香族ビニル
類;アクリロニトリル,メタクリロニトリル等のビニル
ニトリル類;アクリル酸メチル,ジエチレングリコール
ビスアリルカーボネイト等のアクリル酸エステル類;メ
タクリル酸メチル,グリシジルメタクリレート等のメタ
クリル酸エステル類;メチルビニルケトン等のビニルケ
トン類;若しくはこれらの重合性単量体の部分重合体;
不飽和ポリエステル等のラジカル重合性不飽和基を有す
るオリゴマー類;エポキシ樹脂,ウレタン樹脂及びメラ
ミン樹脂等の未硬化物等を挙げることができる。これら
の重合性単量体及び部分重合体は1種のみ或いは2種以
上を混合して使用することができる。特に本発明におい
ては、スチレン等の芳香族ビニル類及びメタクリル酸メ
チル等のメタクリル酸エステル類は、より優れた複合成
形体が得られるために好ましく用いられる。
これらの重合性単量体及び/又は部分重合体の重合に
は、必要に応じて重合開始剤が重合性単量体及び/又は
部分重合体に混合されて用いられる。重合開始剤として
は、公知の化合物が何ら制限なく採用し得る。例えば、
アゾビスイソブチロニトリル等のアゾニトリル類;メチ
ルエチルケトンパーオキサイド等のケトンパーオキサイ
ド類;クメンハイドロパーオキサイド等のハイドロパー
オキサイド類;ベンゾイルパーオキサイド,ラウロイル
パーオキサイド等のジアシルパーオキサイド類を挙げる
ことができる。これらの中でも、アゾビスイソブチロニ
トリル,ベンゾイルパーオキサイドが好ましく用いられ
る。これらの重合開始剤の使用量は、重合性単量体及び
/又は部分重合体に対して0.001〜10重量%,好ましく
は0.3〜4重量%の範囲から選択するのが好ましい。
重合性単量体及び/又は部分重合体の無機粉体又はその
成形体への含浸量は、2〜35重量%,好ましくは5〜20
重量%とすることが好ましい。
重合性単量体及び/又は部分重合体を無機粉体又はその
成形体に含浸させる方法としては、何ら制限されるもの
ではないが、例えば、無機粉体又はその成形体を重合性
単量体及び/又は部分重合体の中に浸漬する方法、或い
はその後に脱気や加圧を行なう方法、塗布する方法、吹
き付ける方法などが挙げられる。これらの含浸方法の中
で、特にスプレー法が好ましく用いられる。
上記の方法により、重合性単量体及び/又は部分重合体
を含浸した無機粉体又はその成形体は、70〜10,000kg/c
m2,好ましくは150〜2,000kg/cm2の圧力で所定の形状に
成形される。成形圧力を上げると得られる複合成形体の
絶対強度や耐久性は向上するものの、上記範囲を超える
と、加圧効果が頭打ちになるばかりではなく、技術的に
も困難となる。逆に成形圧力を70kg/cm2よりも更に小さ
くすると成形体の曲げ強度や比強度が低下し、実用性に
乏しくなる。成形方法は公知の方法が特に制限なく実施
される。例えば、金型プレス成形機を用いた一軸加圧成
形法,アイソスタテイツクプレス成形法等の圧縮成形方
法が挙げられる。
本発明の複合成形体は、上記の方法により得られた成形
体に含浸されている重合性単量体及び/又は部分重合体
を公知の方法で重合することにより得られる。該重合性
単量体及び/又は、部分重合体の重合方法は、例えば、
加熱,放射線照射等の方法が使われる。
前記した繊維状物や有機質混和剤を無機粉体に混合して
使用した場合には、これらの繊維状物や有機混和剤と無
機粉体との接着性を向上させるために加熱することが好
ましい。従って、上記の重合性単量体及び/又は部分重
合体の重合方法として加熱する方法を採用すれば、上記
した繊維状物や有機質混和剤と無機粉体との接着を兼ね
ることが可能である。加熱の温度は、一般には50〜160
℃の範囲から選択することが好ましい。
本発明の複合成形体の形状は特に制限されず粒状,板
状,球状,柱状等として使用出来、例えば、建築材料と
して用いられる場合には一般に板状体である。
〔効果〕
本発明の方法によれば、比強度及び絶対強度の優れた複
合成形体を得ることができる。しかも、得られた複合成
形体は、耐水性及び表面硬度にも優れている。このよう
に高い比強度や良好な耐水性が得られた理由について
は、本発明者らは次のように推測している。即ち、重合
性単量体及び/又は部分重合体を無機粉体の成形体に含
浸させた後に特定の圧力で成形することによって、重合
性単量体及び/又は部分重合体が複合成形体の表層部に
緻密な層を形成し、重合された緻密な樹脂層が機械的強
度や耐水性の向上に寄与しているものと考えている。
〔実施例〕
以下に本発明を更に具体的に説明するために実施例及び
比較例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定される
ものではない。
尚、実施例及び比較例に於ける各試験は、以下の方法で
行なった。
(1)曲げ試験 3点曲げ法によりスパンを80mm,荷重速度を0.5mm/分と
して測定した。
(2)比強度 曲げ強度を供試体の気乾比重を2乗した値で除して得た
値で示した。
(3)吸水長さ変化率 気乾状態の供試体の寸法をL1とし、24時間水中に浸漬し
た後の寸法をL2とし、下記式により求めた。
吸水長さ変化率(%)=(L2−L1)/L1×100 (4)表面吸水率 気乾状態の供試体の質量W1を測定した後、供試体の1面
に、内径が25mm,高さが40mmのガラス管をゴムパツキン
グにより漏水しないようにシールして固定し、さらに、
該ガラス管に5ccの水を注入し、1時間吸水試験を行っ
た後に供試体の質量W2を測定して下記式により求めた。
(5)表面硬度 マルテンス型引っかき試験機により、硬度計の球径3mm
のものを用い、硬度計の荷重を50gとし、供試体の一面
を引っかいた後、該試験箇所を電子顕微鏡により400倍
に拡大して条痕の巾を測定して得た値で示した。
実施例1〜6 無機粉体として、ジヤイロ・ライト型の結晶構造を有
し、嵩密度が0.10g/cc,吸油量が5g/ccの花弁状ケイ酸カ
ルシウム粉体(フローライトR(商品名);徳山曹達
(株)社製)を使用し、該無機粉体を金型プレス機によ
り50kg/cm2の圧力でプレス成形を行い、嵩密度が0.35g/
ccで、100×100×5mmの板状の成形体を得た。次に該成
形体の表面にアゾビスイソブチロニトリル2.0重量%含
む粘度が0.57cpsメタクリル酸メチルを該成形体100重量
部に対して、第1表に示す割合でスプレー法により含浸
させ、さらに、金型プレス成形機により第1表に示す圧
力で該成形体をプレス成形した後、120℃で2時間重合
を行って複合成形体を得た。得られた複合成形体の試験
結果を第1表に示した。
実施例7〜10 実施例1〜6で用いた重合性単量体であるメタクリル酸
メチルにかえて、第2表に示した重合性単量体又は部分
重合体を用いた以外は、実施例1〜6と同様にして複合
成形体を得た。得られた複合成形体の試験結果を第2表
に示した。
実施例11〜13 実施例1〜6で用いた花弁状ケイ酸カルシウムにかえて
該花弁状ケイ酸カルシウムを塩酸と接触させることによ
り得られる嵩密度が0.13g/cc,吸油量が4g/ccのシリカの
粉体を用いた以外は実施例1〜6と同様にして複合成形
体を得た。得られた複合成形体の試験結果を第3表に示
した。
実施例14〜17 実施例1〜6で用いた無機粉体に第4表に示した繊維状
物を混合して混合粉体とした以外は、実施例1〜6と同
様にして複合成形体を得た。得られた複合成形体の試験
結果を第4表に示した。
実施例18〜20 実施例1〜6で用いた花弁状ケイ酸カルシウムにかえ
て、CaO/SiO2のモル比が1.0となるように石灰原料,ケ
イ酸原料を混合し、さらに水を加えてなる原料スラリー
をオートクレープ中で14kg/cm2,194℃の条件で10時間攪
拌しながら水熱反応させた後、乾燥させることによって
得られた嵩密度が0.25g/ccで吸油量が2.4cc/gのゾノト
ライトを主体とする無機粉体を用いた以外は、実施例1
〜6と同様にして、複合成形体を得た。得られた複合成
形体の試験結果を第5表に示した。
比較例1 成形圧力を60kgf/cm2とした以外は実施例1と同様にし
て複合成形体を得た。得られた成形体の試験結果を以下
に示す。
比較例2 無機粉体として、実施例18〜20と同様にゾノライトを主
体とするケイ酸カルシウム粉体を使用し、該無機粉体を
金型プレス成形機により500kg/cm2の圧力でプレス成形
した後、アゾビスイソブチロニトリルを2.0重量部含む
粘度が0.57cpsのメタクリル酸メチルを該成形体に対し
てスプレー法により7.2重量部含浸せしめ、さらに120℃
で2時間重合を行って複合成形体を得た。得られた複合
成形体の試験結果を第5表に示した。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】無機粉体又はその成形体に重合性単量体及
    び/又は部分重合体を含浸させた後、70〜10,000kg/cm2
    の圧力で成形し、次いで該重合性単量体及び/又はその
    部分重合体を重合させることを特徴とする複合成形体の
    製造方法。
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