JPH07172929A - イットリウム含有複合粉末及びその製造方法 - Google Patents

イットリウム含有複合粉末及びその製造方法

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JPH07172929A
JPH07172929A JP5343986A JP34398693A JPH07172929A JP H07172929 A JPH07172929 A JP H07172929A JP 5343986 A JP5343986 A JP 5343986A JP 34398693 A JP34398693 A JP 34398693A JP H07172929 A JPH07172929 A JP H07172929A
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yttrium
polysilazane
composite powder
bond
hydrocarbon group
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JP5343986A
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Yoshikatsu Higuchi
義勝 樋口
Masanori Okabe
昌規 岡部
Yasunobu Kawakami
泰伸 川上
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Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 焼結性に優れた窒化珪素/炭化珪素複合セラ
ミックス焼成体用イットリウム含有複合粉末を提供す
る。 【構成】 分子中にSi−C結合及びSi−N結合を有
し、かつSi−O−Y結合及び/又はN−O−Y結合を
有するイットリウム含有ポリシラザンを不活性ガス雰囲
気又は真空中で800℃以上の温度で熱分解し、粉砕す
ることにより、窒化珪素/炭化珪素複合焼成体用イット
リウム含有複合粉末を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、イットリウムを含有す
る複合粉末及びそれを製造する方法に関し、詳しくは窒
化珪素/炭化珪素系セラミックス複合焼成体を製造する
のに適したイットリウム含有複合粉末及びその製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】窒化珪
素、炭化珪素系等のセラミックスは耐熱性に優れ、高強
度及び高硬度を有し、また比較的軽量でもあるので、金
属材料の代替材料としてクローズアップされてきた。こ
のようなセラミックスは一般に原料粉末より成形体を製
造し、これを焼結して製造している。中でも、窒化珪素
に炭化珪素を分散させてなる複合セラミックスは、優れ
た耐熱性及び高温強度とともに、良好な破壊靭性を有す
るという利点があり、高温高負荷条件下で使用する部品
に好適である。
【0003】従来、このような複合セラミックスを製造
する場合、窒化珪素粉末に炭化珪素粉末及び少量の焼結
助剤(Y2 O3 等)を配合し、均一に分散させた後に成
形、焼結させていた。しかし、異なる粉末をいかに均一
に分散させても、均一度は粒径レベルに止まり、それ以
上の均一化は不可能である。そこで、最近均一な窒化珪
素/炭化珪素複合系セラミックスを製造するために、原
料成分があらかじめ混合したいわゆる複合粉末を製造
し、それを成形、焼成する方法が注目されている。
【0004】このような方法として、窒化珪素/炭化珪
素系複合セラミックスの前駆物質としてポリシラザン又
はポリシランを使用するとともに、チタン、アルミニウ
ム、ハフニウム、ジルコニウム等の元素の化合物を複合
化し、生成した複合ポリマーを焼成してセラミックスと
する方法が提案されている。
【0005】例えば、特開昭63−191832号は、
一般式: −SiR1 R2 −NR3 − (ただし、R1 、R2 及びR3 は水素原子、アルキル
基、アルケニル基などであり、少なくとも一つは水素原
子である。)で表される単位からなる主骨格を有する数
平均分子量100〜5万のポリシラザンと、一般式:A
l(OR4 )3 (式中、R4 は水素原子、アルキル基又
はアリール基である。)で表されるアルミニウムアルコ
キシドとを加熱反応させることにより、ポリアルミノシ
ラザンを製造する方法を開示している。このポリアルミ
ノシラザンはSi−Al−O−N系セラミックス(サイ
アロン)の合成に用いられている。
【0006】また、特開平3−190932号は、一般
式HfX4 (ただし、式中Xは塩素原子又は臭素原子を
示す。)で示されるハフニウム化合物と、一般式(Si
R1R2 R3 )2 NH(式中R1 、R2 及びR3 は水素
原子、メチル基等を示し、同一又は異なっていてもよ
い。)で示されるジシラザンとを反応させて、ハフニウ
ム含有シラザン重合体を生成し、それを溶融、成形し、
更に不融化した後、焼成して、セラミックスを製造する
方法を開示している。
【0007】さらに、特開平3−81330号は、 (A)一般式: X−SiR1 2 −CHR2 −CHR2 −SiR1 2 −X (ただし、式中R1 は水素、塩素、臭素、メチル基、エ
チル基等であり、R2 は水素又はメチル基、Xは塩素ま
たは臭素を示す。)で示される有機珪素化合物、(B)
ハロゲンシラン化合物、(C)チタン化合物、(D)
(R3 3 Si)2 NH(式中R3 は水素原子、メチル基
等を示す。)で示されるジシラザンを反応させて、ポリ
チタノカルボシラザン重合体を得る製造方法を開示して
いる。
【0008】しかし、ポリシラザンにイットリウムを複
合したものについては、未だ報告されていない。
【0009】なお、焼結助剤であるイットリウムを複合
したものとして、特開昭64−66239号は、有機ハ
ロゲンシランとアルミニウム、イットリウム等の金属を
含有する反応性金属化合物とを含有する混合物を転移触
媒を用いて100〜340℃の温度で処理し、ハロゲン
含有金属ポリシランを調製し、このハロゲン含有金属ポ
リシランを一般式NHRiv 2 (式中、Riv 2 は水素、ア
ルキル基、フェニル基又は−SiRv 3 (ただし、Rv
はアルキル基などである。)である。)を有するアミノ
リシス試薬と無水条件下で適当な溶媒中で25〜100
℃の温度で反応させ、Riv 2 N−を含有する金属ポリシ
ランを回収することより、Riv 2 N−を含有する金属ポ
リシランを調製する方法を開示している。しかしなが
ら、Riv 2N−を含有する金属ポリシランから作られる
セラミックスは炭化珪素を主成分とするものであり、複
合ポリシラザンから作られる窒化珪素を主成分とするセ
ラミックスに比べて、耐熱衝撃性、破壊靭性が劣る欠点
がある。
【0010】従って、本発明の目的は、良好な耐熱性、
高温強度及び破壊靭性を有する窒化珪素/炭化珪素複合
セラミックス焼成体を製造するのに好適なイットリウム
含有複合粉末及びそれを製造する方法を提供することで
ある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成すべく鋭
意研究の結果、本発明者らは、ポリシラザンとイットリ
ウムアルコキシドを加熱反応させて生成したイットリウ
ム含有ポリシラザンを高温で熱分解させることにより、
イットリウムが均一に分散した複合粉末が得られること
を発見し、本発明に想到した。
【0012】すなわち、窒化珪素/炭化珪素複合焼成体
に用いる本発明のイットリウム含有複合粉末は、分子中
にSi−C結合及びSi−N結合を有し、かつSi−O
−Y結合及び/又はN−O−Y結合を有するイットリウ
ム含有ポリシラザンを不活性ガス雰囲気又は真空中で8
00℃以上の温度で熱分解し、粉砕することにより得ら
れることを特徴とする。
【0013】また、窒化珪素/炭化珪素複合焼成体に用
いるイットリウム含有複合粉末を製造する本発明の方法
は、 (a)主として一般式
【化3】 (ただし、R1 、R2 、R3 はそれぞれ独立に水素原子
又は炭化水素基であって、R1 、R2 のうち少なくとも
一つは炭化水素基である。)で表される繰り返し単位か
らなる主骨格を有するポリシラザンと一般式:Y(O
R)3 (ただし、Rは水素原子又は炭化水素基を表し、
また三つのRは同一でも異なっていてもよい。)で表さ
れるイットリウムアルコキシドとを有機溶媒に均一に溶
解し、(b)得られた溶液を不活性ガス雰囲気中で加熱
反応させてイットリウム含有ポリシラザンを合成し、
(c)前記イットリウム含有ポリシラザンを不活性ガス
雰囲気又は真空中で800℃以上の温度で熱分解し、
(d)前記熱分解物を粉砕してイットリウム含有複合粉
末を得ることを特徴とする。
【0014】本発明を以下に詳細に説明する。 (1)ポリシラザン 本発明で用いるポリシラザンの骨格は下記の一般式で表
すことができる。
【化4】 但し、R1 、R2 、R3 はそれぞれ独立に水素原子又は
炭化水素基であって、R1 、R2 のうち少なくとも一つ
は炭化水素基である。イットリウムアルコキシドとの反
応性を考慮すると、上記炭化水素基の炭素数は1〜5で
あるのが好ましい。炭化水素基の炭素数が5を越える
と、立体障害によりイットリウムアルコキシドと珪素原
子又は窒素原子との反応性が低下する。
【0015】ポリシラザン単独は無論のこと、ポリシラ
ザンと他のポリマーとの共重合体でも利用できる。本発
明で用いるポリシラザンには、鎖状、環状、あるいは架
橋構造を有するもの、あるいは分子内にこれらの複数の
構造を同時に有するものがあり、これら単独でもあるい
は混合物でも利用できる。
【0016】本発明で用いるポリシラザンの数平均分子
量は100〜10000であるのが好ましい。本発明で
は公知の方法で製造されるポリシラザンを用いるが、特
にシクロシラザンとハロシランとから製造されるポリシ
ラザンを用いるのが好ましい。
【0017】シクロシラザンは、一般に(R2 SiNR)
n (ここでRはH又はアルキル基であり、nは2〜4の
整数である。)で表され、(Me2 SiNH)2 、(MeHSiN
H)2、(H2 SiNH)2 、(Me2 SiNH)3 、(MeHSiNH)
3 、(H2 SiNH)3 、(Me2SiNH)4 、(MeHSiN
H)4 、(H2 SiNH)4 等が好ましいが、なかでもヘキ
サメチルシクロトリシラザン(Me2 SiNH)3 が特に好ま
しい。
【0018】また、ハロシランとしては、クロロシラン
(Rn SiCl4-n 、ただしn=0〜3の整数であり、Rは
H又はアルキル基である。)を用いるのが好ましい。中
でもトリクロロメチルシランを用いるのが好ましい。
【0019】(2)ポリシラザンの製造 以下に、シクロシラザンとハロシランを用いてポリシラ
ザンを製造する方法の一例について説明するが、本発明
はこれに限定されない。シクロシラザン及びハロシラン
として、それぞれヘキサメチルシクロトリシラザン及び
トリクロロメチルシランを用いた場合を例にとり説明す
る。
【0020】まず、ヘキサメチルシクロトリシラザンと
トリクロロメチルシランとを、好ましくは1:1〜1:
5のモル比、より好ましくは1:2〜1:4のモル比で
混合する。
【0021】次に、ヘキサメチルシクロトリシラザンと
トリクロロメチルシランとの混合物を約 190〜200 ℃で
加熱還流する。これによってヘキサメチルシクロトリシ
ラザンが開環し、クロロシラザンオリゴマーが生成され
る。このとき、加熱還流時間を調節することによって、
得られるクロロシラザンオリゴマーの分子量分布を調節
することができる。具体的な加熱還流時間は、出発物質
の種類及び量等に依存するが、3〜24時間程度であ
る。
【0022】続いて、クロロシラザンオリゴマーの溶液
に10〜90リットル/時間、好ましくは30〜60リ
ットル/時間のアンモニアガスを吹き込み、アンモノリ
シスを行って、アミノシラザンオリゴマーを生成する。
なお、アンモノリシスにより副生した塩化アンモニウム
は除去する。
【0023】得られたアミノシラザンオリゴマーを窒素
ガス等の不活性ガス中又は減圧下で、 250〜400 ℃程度
に加熱しながら脱アンモニア工程を行い、熱可塑性を示
す無色固体のポリシラザンを得る。加熱時間は30〜6
0分とするのがよい。この脱アンモニア工程を減圧・撹
拌状態で行い、加熱も二段階に分けて行えば、ポリシラ
ザンの縮合反応に寄与しない低分子量成分を除去するこ
とができ、ポリシラザンの高分子量化が図れるうえ、生
成されるポリシラザンの分子量のバラツキを小さくする
ことができる。よって脱アンモニア工程を減圧・撹拌状
態の二段階加熱で行うのは好ましい。
【0024】脱アンモニア工程を減圧・撹拌状態の二段
階加熱で行う場合では、いずれの段階においても、反応
容器内の圧力は0.1〜200mmHg、好ましくは7
0〜100mmHgとし、撹拌速度(反応物の流動速度
で表す)は0.1〜1000m/分、好ましくは100
〜300m/分とする。
【0025】圧力が200mmHgより高いと低分子量
成分の除去が不十分であるが、0.1mmHg未満にし
てもそれに応じた効果が得られない。一方、撹拌速度が
0.1m/分未満であると低分子量成分の除去速度が遅
く、また1000m/分より速くするのは困難である。
【0026】一段階目の加熱温度は100〜300℃、
好ましくは200〜250℃とする。熱処理温度が10
0℃未満であると、低分子量成分の除去が不十分であ
り、また300℃を超えると、シラザンオリゴマーの加
熱重合反応(縮合反応)が進んでしまい、二段階の加熱
による効果が失われてしまう。なお、加熱はソルトバス
等に反応容器を入れることにより行うことができる。一
段目の熱処理時間はポリシラザンの用途に応じて適宜調
節できるが、一般的には0.1〜20時間とするのが好
ましく、より好ましくは0.2〜10時間とする。
【0027】減圧・撹拌下での一段階目の加熱によっ
て、縮合反応に関与することのない低分子量成分の多く
は除去され、シラザンオリゴマーの分子量(ゲルパーミ
エーションクロマトグラフィ(GPC)法により測定し
た値をポリスチレン換算)の分布は非常に均一になる。
除去される低分子量成分の分子量は、700以下、好ま
しくは400以下である。また、シラザンオリゴマー中
に残留する低分子量成分の量は、20重量%以下となる
ようにする。一段階目の加熱工程でも、シラザンオリゴ
マーは幾分縮合するが、その数平均分子量は約1000
以下である。
【0028】一段階目の加熱後、同様の条件で減圧下で
撹拌しながら、昇温して二段階目の加熱を行う。二段階
目の加熱温度は200〜400℃、好ましくは250〜
350℃で、かつ一段階目の加熱より高い温度とし、重
合時間は1〜10時間とするのが好ましい。二段階目の
加熱工程でシラザンオリゴマーは十分に縮合しポリシラ
ザンとなる。
【0029】このように製造されるポリシラザンはSi
−N結合及びSi−C結合を有し、窒化珪素/炭化珪素
複合焼成体の原料に適している。
【0030】(3)イットリウム含有ポリシラザンの合
成 得られたポリシラザンとイットリウムアルコキシドとを
有機溶媒に溶解してイットリウム含有ポリシラザンを合
成する。本発明で用いるイットリウムアルコキシドは一
般式Y(OR)3 で表わされる。Rは水素又は炭化水素
基を表わす。炭化水素基は炭素数1〜20のアルキル基
が好ましく、炭素数1〜10のアルキル基がより好まし
い。中でも、炭素数1〜4のアルキル基が特に好まし
い。このようなイットリウムアルコキシドとしては、例
えばトリメトキシイットリウム(Y(OCH3 )3 )、
トリエトキシイットリウム(Y(OC2 H5 )3 )、ト
リイソプロポキシイットリウム(Y(O−i-C3 H7 )
3 )等が挙げられる。
【0031】ポリシラザンとイットリウムアルコキシド
とを溶解する有機溶媒としては、芳香族炭化水素、脂肪
族炭化水素、脂環式炭化水素の炭化水素溶媒、ハロゲン
化炭化水素、脂肪族エーテル、脂環式エーテル類が挙げ
られる。好ましい溶媒としては、例えばベンゼン、トル
エン、キシレン、ジクロロメタン、クロロホルム、エチ
ルエーテル等が挙げられる。また、これら有機溶媒中の
水分量は0.1重量%以下であるのが好ましい。
【0032】ポリシラザンとイットリウムアルコキシド
との混合比は、Y/Siの原子比が0.003〜0.
1、好ましくは0.008〜0.05、特に好ましくは
0.01〜0.04になるようにする。イットリウムア
ルコキシドの添加量をこれより多くすると、生成される
セラミックスの耐熱強度が低下する。またイットリウム
アルコキシドの添加量をこれより少なくすると、セラミ
ックスの焼結性が悪くなる。
【0033】合成反応温度は用いられるイットリウムア
ルコキシドとポリシラザンの種類により変動するが、一
般に50〜400℃とするのが好ましい。反応温度が4
00℃を越えると、イットリウム含有ポリシラザンが熱
分解を起こし、ゲル化してしまう。反応は窒素、アルゴ
ン等の不活性ガス雰囲気中で行うことが必要である。空
気などの酸化性雰囲気中では原料のポリシラザン及びイ
ットリウムアルコキシドの酸化や加水分解が起こるため
好ましくない。反応時間は2〜24時間にするのが好ま
しい。反応時間が2時間以下ではまだ反応が十分ではな
く、24時間を越えても収率が実質的に変化しない。反
応終了後、生成物のイットリウム含有ポリシラザンを濾
過などの公知方法により未反応物及び副生成物から分離
除去する。
【0034】この合成反応により、イットリウムアルコ
キシドがポリシラザン中のSi−R、N−R基と反応
し、Si−O−Y結合及び/又はN−O−Y結合が形成
される。生成されるイットリウム含有ポリシラザンの数
平均分子量は300〜10000であり、イットリウム
アルコキシドの架橋作用によりポリマーの重合度が増加
する。
【0035】(4)イットリウム含有複合粉末の合成 合成したイットリウム含有ポリシラザンを800℃以上
の温度で熱処理する。熱処理温度が800℃以下では、
イットリウム含有ポリシラザンの熱分解が十分に進行し
ない。好ましい熱処理温度は1000〜1200℃であ
る。また、熱処理時間は1〜4時間にするのが好まし
い。雰囲気ガスとしては窒素が好都合であるが、アルゴ
ン等の不活性ガスを利用することもできるし、真空下で
行うこともできる。
【0036】熱処理した生成物を粉砕機により粉砕し、
イットリウム(Y2 O3 と見なすことができる。)が均
一に分散した窒化珪素/炭化珪素系複合粉末を得る。こ
の複合粉末におけるイットリウム元素の含有量は、イッ
トリア(Y2 O3 )に換算した重量が全粉末重量の2〜
10重量%となるようにするのが好ましい。また、反応
条件によって異なるが、SiCの含有量は全粉末重量の
5〜40重量%であるのが好ましい。なお、このイット
リウム含有複合粉末の粒径は0.05〜1μmとするの
が好ましい。
【0037】
【作用】イットリウムアルコキシドとポリシラザンとを
反応させることにより、イットリウムを均一に複合した
ポリシラザンを得ることができる。このイットリウム含
有ポリシラザンを熱処理して得られるセラミックス焼成
体用複合粉末は均一に分散したイットリウムを有するた
めに、この複合粉末より作られるセラミックス成形体は
優れた焼結性を有する。また、作られるセラミックス焼
結体において、窒化珪素粒子内又は粒界に炭化珪素の微
粒子が存在し、亜粒界を形成することによりセラミック
スの強度を増加させることができる。これは組織の微細
化あるいは炭化珪素粒子が窒化珪素粒子内及び粒界に存
在することで亜粒界が形成されるためと考えられる。
【0038】
【実施例】本発明を以下の実施例により更に詳細に説明
する。実施例1 (1)ポリシラザンの合成 冷却塔及びコンデンサを備え、窒素ガスで十分置換した
500mlのナス型フラスコに、ヘキサメチルシクロトリシ
ラザン54.8g、トリクロロメチルシラン111g
(ヘキサメチルシクロトリシラザン:トリクロロメチル
シランのモル比は1:3である。)を入れ、マントルヒ
ーターにより加熱して190〜195℃に保った状態で
12時間加熱還流した。室温に冷却した後、副生された
塩化アンモニウムを濾過し、クロロシラザンオリゴマー
136gを得た。
【0039】攪拌機を備え、窒素で十分置換した2リッ
トルの三口フラスコに得られたクロロシラザンオリゴマ
ー100gを入れ、約1リットルのシクロヘキサンを溶
媒として加え、氷冷し、攪拌しながらアンモニアガスを
約60リットル/時間の割合で3時間吹き込んでアンモ
ノリシスを行った。その後、副生された塩化アンモニウ
ムを吸引濾過し、さらに溶媒を除いて無色の粘性液体
(アミノシラザンオリゴマー)を得た。
【0040】得られたアミノシラザンオリゴマー50g
を反応容器に入れ、窒素気流中、350℃の温度で30
分間熱処理を行い、熱可塑性を示す固体ポリシラザン3
2gを得た。ポリシラザンの分子量をゲルパーミエーシ
ョンクロマトグラフィ(GPC)法により求めた結果、
ポリシラザンの数平均分子量は1500であった。
【0041】(2)イットリウム含有ポリシラザンの合
成 ポリシラザン43gとトリメトキシイットリウム(Y
(OCH3 )3 )6.4gとを300mlのベンゼン
(水分量0.06重量%)に溶解し、冷却塔を備え、窒
素ガスで十分に置換した1リットルのナス型フラスコに
入れ、マントルヒーターにより80に保った状態で6時
間保持して反応させた。そして、室温までに冷却させ、
溶媒を除去し、固体のイットリウム含有ポリシラザン4
1gを得た。
【0042】(3)イットリウム含有複合粉末の生成 得られたイットリウム含有ポリシラザン20gを窒素ガ
ス雰囲気中、1200℃の温度で30分間熱処理を行
い、12.7gの黒色固形物を得た。これを粉砕機によ
り粉砕し、イットリウム含有複合粉末を得た。得られた
イットリウム含有複合粉末について元素分析を行い、そ
の結果を表1に示す。
【0043】 表 1 イットリウム含有複合粉末の元素分析結果 Si N C Y O 含有率(%) 51.8 22.7 14.6 6.1 3.4
【0044】
【発明の効果】上記の通り、本発明のイットリウム含有
複合粉末はSi−N結合及びSi−C結合を有し、窒化
珪素/炭化珪素複合焼成体の原料粉末として適してい
る。また、均一に分散したイットリウム及び炭素を有す
るため、焼結により、結晶粒子内及び粒界に炭化珪素及
びイットリウムシリケート等の微粒子が析出した複合セ
ラミックス焼結体とすることができる。本発明の製造方
法を用いれば、ポリシラザンを介してイットリウム含有
複合粉末を得るので、粉末内のイットリウムの分散が極
めて均一である。本発明の複合粉末を通常の方法により
成形・焼結すれば、各種形状の窒化珪素/炭化珪素複合
系セラミックスとすることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 83/16 LRM

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 窒化珪素/炭化珪素複合焼成体に用いる
    イットリウム含有複合粉末において、分子中にSi−C
    結合及びSi−N結合を有し、かつSi−O−Y結合及
    び/又はN−O−Y結合を有するイットリウム含有ポリ
    シラザンを不活性ガス雰囲気又は真空中で800℃以上
    の温度で熱分解し、粉砕することにより得られることを
    特徴とするイットリウム含有複合粉末。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のイットリウム含有複合
    粉末において、前記イットリウム含有ポリシラザンは、
    主として一般式 【化1】 (ただし、R1 、R2 、R3 はそれぞれ独立に水素原子
    又は炭化水素基であって、R1 、R2 のうち少なくとも
    一つは炭化水素基である。)で表される繰り返し単位か
    らなる主骨格を有するポリシラザンと一般式:Y(O
    R)3 (ただし、Rは水素原子又は炭化水素基であり、
    三つのRは同一でも異なっていてもよい。)で表される
    イットリウムアルコキシドとを有機溶媒に均一に溶解
    し、不活性ガス雰囲気中で加熱反応させて合成されるこ
    とを特徴とするイットリウム含有複合粉末。
  3. 【請求項3】 窒化珪素/炭化珪素複合焼成体に用いる
    イットリウム含有複合粉末を製造する方法であって、 (a)主として一般式 【化2】 (ただし、R1 、R2 、R3 はそれぞれ独立に水素原子
    又は炭化水素基であって、R1 、R2 のうち少なくとも
    一つは炭化水素基である。)で表される繰り返し単位か
    らなる主骨格を有するポリシラザンと一般式:Y(O
    R)3 (ただし、Rは水素原子又は炭化水素基を表し、
    また三つのRは同一でも異なっていてもよい。)で表さ
    れるイットリウムアルコキシドとを有機溶媒に均一に溶
    解し、 (b)得られた溶液を不活性ガス雰囲気中で加熱反応さ
    せてイットリウム含有ポリシラザンを合成し、 (c)前記イットリウム含有ポリシラザンを不活性ガス
    雰囲気又は真空中で800℃以上の温度で熱分解し、 (d)前記熱分解物を粉砕してイットリウム含有複合粉
    末を得ることを特徴とする方法。
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