JPH07176656A - 窒化アルミニウム焼結体放熱板及びその製造方法 - Google Patents

窒化アルミニウム焼結体放熱板及びその製造方法

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JPH07176656A
JPH07176656A JP6196588A JP19658894A JPH07176656A JP H07176656 A JPH07176656 A JP H07176656A JP 6196588 A JP6196588 A JP 6196588A JP 19658894 A JP19658894 A JP 19658894A JP H07176656 A JPH07176656 A JP H07176656A
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和夫 篠崎
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和雄 安斎
Fumio Ueno
文雄 上野
Akihiro Horiguchi
昭宏 堀口
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章彦 柘植
Hiroshi Imagawa
宏 今川
Takeshi Takano
武士 高野
Hiroshi Inoue
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 (a)窒化アルミニウム、(b)アルカリ土
類アルミニウム化合物、並びに(c)周期律表第IVa、
Va、VIa、 VIIa及びVIII族に属する遷移元素のうち
少なくとも1種の元素を含む化合物からなることを特徴
とする窒化アルミニウム焼結体放熱板。ならびに、
(a)窒化アルミニウムと、(b)アルカリ土類元素を
含む化合物と、(c)周期律表第IVa、Va、VIa、 V
IIa及びVIII族に属する遷移元素を含む化合物から選ば
れた少なくとも1種とを混合したのち、成形、焼結する
ことを特徴とする窒化アルミニウム焼結体放熱板の製造
方法。 【効果】 窒化アルミニウム焼結体放熱板が緻密で、か
つ熱伝導性が良好である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は窒化アルミニウム焼結体
放熱板及びその製造方法に関し、さらに詳しくは、緻密
で、しかも熱伝導性が良好な窒化アルミニウム焼結体放
熱板及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】窒化アルミニウム(AlN)は高温まで
強度低下が少なく、化学的耐性にも優れているため、耐
熱材料として用いられる一方、その高温伝導性、高電気
絶縁性を利用して半導体装置の放熱板材料としても有望
視されている。こうしたAlNは、通常、融点を持た
ず、2,200℃以上の高温で分解するため、薄膜など
の用途を除いては焼結体として用いられる。
【0003】かかるAlN焼結体は、通常、AlN粉末
を成形、焼結して得られる。しかし、AlN粉末を単独
で用いた場合には焼結性が良好でないために、ホットプ
レス法による以外には緻密、すなわち、高密度の焼結体
を得ることが困難である。そこで、常圧で焼結する場合
には、通常焼結体の高密度化を目的として、AlN粉末
に焼結助剤として、希土類酸化物或はアルカリ土類金属
酸化物を添加することが一般に行われている。
【0004】このように焼結助剤を添加することによ
り、確かに焼結体の密度はかなり高められたが、しか
し、他方で、かかるAlN焼結体の熱伝導率は酸素その
他の不純物および粒界の存在などにより予想されるより
も低いというのが現状であった。すなわち、AlNの理
論熱伝導率が320w/m・k であるのに対し、AlN焼結
体のそれは高々40w/m・k であるという問題がある。
【0005】そのため、AlN焼結体の熱伝導率の向上
を目的として、種々の試みがなされているが、未だ充分
満足すべきものは得られていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来のかか
る問題を解消し、高密度で高熱伝導性を有するAlN焼
結体放熱板及びその製造方法の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく、AlN粉末に添加される焼結添加物と、
得られた焼結体の密度ならびに熱伝導率の関係を種々検
討した結果、以下に述べる知見を得た。
【0008】すなわち、焼結助剤としてアルカリ土類化
合物とともに、周期律表第IVa、Va、VIa、 VIIa及
びVIII族の遷移元素を含む化合物をAlN粉末に添加し
て焼結すれば、従来知られていたアルカリ土類または希
土類元素の酸化物の単独添加に比べてより低温で焼結が
可能となり、得られたAlN焼結体が緻密で、高い熱伝
導性を有するという事実である。
【0009】すなわち、本発明の窒化アルミニウム焼結
体放熱板は、(a)窒化アルミニウム、(b)アルカリ
土類アルミニウム化合物、並びに(c)周期律表第IV
a、Va、VIa、 VIIa及びVIII族に属する遷移元素の
うち少なくとも1種の元素を含む化合物からなることを
特徴とし、その製造方法は、(a)窒化アルミニウム
と、(b)アルカリ土類元素を含む化合物と、(c)周
期律表第IVa、Va、VIa、 VIIa及びVIII族に属する
遷移元素のうち少なくとも1種の元素を含む化合物とを
混合したのち、成形、焼結することを特徴とする。
【0010】本発明のAlN焼結体放熱板は、その構成
相を微視的に観察すると、AlN結晶粒の粒界に、アル
カリ土類アルミニウムの酸化物及び/又はこれらの酸フ
ッ化物等の化合物と、周期律表第IVa、Va、VIa、 V
IIa及びVIII族の遷移元素を含む化合物が生成してい
る。
【0011】かかるAlN焼結体放熱板において、含有
されるアルカリ土類元素が例えばカルシウム(Ca)で
ある場合は、上記アルミニウムとの酸化物は6Al 2O
3 ・CaO、2Al2 O3 ・CaO、Al2 O3 ・Ca
Oなどの化合物である。さらに、添加する遷移元素が例
えばZrである場合、上記遷移元素を含む化合物はZr
Nや未知相などとなり、また、Tiである場合は、Ti
Nや未知相などとなる。
【0012】さらに、かかるAlN焼結体放熱板におい
て、主成分であるAlN結晶粒の構成比は全体の80〜
99.98重量%であることが好ましい。この構成比が
80重量%未満の場合はAlN自体の特性が充分得られ
ず、逆に99.98重量%を超えると添加物の効果を充
分に発揮せしめることが困難になる。
【0013】ついで、本発明のAlN焼結体放熱板の製
造方法について述べる。本発明の製造方法は、主成分で
あるAlNと、第1の添加物としてアルカリ土類元素を
含む化合物、並びに第2の添加物として周期律表第IV
a、Va、VIa、VIIa及びVIII族に属する遷移元素を
含む化合物から選ばれた少なくとも1種とを混合し、成
形・焼結することを骨子とするものである。
【0014】まず、主成分であるAlN粉末としては、
焼結性、熱伝導性を考慮して酸素を0.001〜7重量
%含有するものを使用することがとくに有用である。
【0015】そして、第1の添加物に含まれるアルカリ
土類元素としては、Be、Mg、Ca、Sr、Baなど
があげられ、とくに、Ca、Sr、Baは好ましいもの
である。これらの元素は1種又は2種以上が上記AlN
粉末に添加される。これらの元素の化合物としては、酸
化物、窒化物、フッ化物、酸フッ化物、酸窒化物もしく
は焼成によりこれらの化合物となる物質が好適である。
焼成によって例えば酸化物となる物質としては、これら
元素の炭酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、水酸化物などをあ
げることができる。
【0016】ついで、第2の添加物に含まれる遷移元素
としては、周期律表第IVa族(Ti、Zr、Hf)、第
Va族(V、Nb、Ta)、第VIa族(Cr、Mo、
W)、第 VIIa族(Mn、Re)、および第VIII族(F
e、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、P
t)に属するものであればよく、これらの元素も上記第
1の添加物と同様、1種または2種以上が化合物粉末と
して上記AlN粉末に添加される。これらの遷移元素の
うち第4周期に属するもの、つまり、Ti、V、Cr、
Mn、Fe、CoおよびNiを使用すると、従来に比べ
て低い焼結温度、例えば1,600〜1,650℃で高
密度、高熱伝導性のAlN焼結体を製造することができ
るという利点を有する。
【0017】上述した第1及び第2の添加物は、それぞ
れ各元素の酸化物に換算して0.01〜18重量%、
0.01〜15重量%の範囲で添加することが好まし
い。また、両者の合計は0.02〜20重量%とするこ
とが好ましい。この添加量が、それぞれ0.01重量%
未満であると、添加物の効果が充分に発揮されず、ま
た、添加量が過度に多いと耐熱性、高強度性が損なわれ
るうえに熱伝導率も低下するため好ましくない。より好
ましくは、第2の添加物が0.01〜10重量%、両者
の好ましい合計量が0.02〜18重量%である。第2
の添加物量が多いと電気絶縁性が低下するおそれがあ
る。
【0018】使用するAlN粉末及び第1、第2の焼結
添加物粉末の粒径は、平均粒径でともに5μm 以下であ
り、好ましくは4μm 以下である。
【0019】次いで、本発明のAlN焼結体放熱板の製
造方法の一例を以下に述べる。先ず、AlN粉末に、焼
結添加物として上記したアルカリ土類元素化合物、なら
びに周期律表第IVa〜VIII族に属する元素のうち少なく
とも1種を含む化合物よりなる粉末を所定量添加したの
ちボールミル等を用いて混合する。焼結には常圧焼結
法、ホットプレス法などを使用することができる。常圧
焼結法による場合は、混合粉末にバインダーを加え、混
練、造粒、整粒を行なったのち成形する。成形法として
は、金型プレス、静水圧プレス或はシート成形などが適
用できる。続いて、成形体を例えばN2 ガス気流中で加
熱してバインダーを除去したのち、常圧焼結する。焼結
温度は使用する添加物の種類にもよるが、通常は1,6
50〜1,800℃に設定される。一方、ホットプレス
焼結法による場合は、前記ボールミル等で混合した原料
を直接ホットプレスすればよい。
【0020】本発明のAlN焼結体放熱板の熱伝導性の
向上効果及び焼結温度の低下効果は現在のところ不明で
あるが、本発明者らの研究によれば高熱伝導率化の一因
として次のように推定される。すなわち、高熱伝導率化
の要因の一つとして、本発明のAlN焼結体ではAlの
酸窒化物(AlON)、そしてAlNのポリタイプ(2
7R型)が生成し難いことである。本発明者らの研究結
果によれば、AlONそして27R型が生成した焼結体
は、いずれも熱伝導率が低いことがわかっている。Al
ON、27R型の生成は、AlN粉末の純度、焼結炉内
雰囲気及び焼結助剤の種類とその添加量などにも影響さ
れるが同一のAlN粉末を用いて、同一の実験条件下で
製造した焼結体を比較すると、従来の希土類酸化物やア
ルカリ土類酸化物を添加した場合に比べて、本発明の焼
結体放熱板ではAlONそして27R型の生成が明らか
に少ないか、全く生成していないのである。
【0021】一方、焼結温度の低下については、従来の
希土類酸化物またはアルカリ土類酸化物を単独で添加す
る場合に比べて焼結時により低い温度で液相を生じ焼結
が進行するためであると推定される。
【0022】さらに、本発明の焼結体放熱板は、第2の
添加物である遷移元素を含有することによって着色さ
れ、しかも、その色調は添加物元素の種類とその添加量
及び組み合わせによって様々に変えることが可能であ
る。すなわち、一般に、AlN原料ではAl/Nモル比
が必ずしも1ではなく、Alリッチである場合が多く、
このような原料では焼結体の色は灰色または黒色とな
る。また、原料がAlリッチであるほど黒色化が進む一
方で、熱伝導率が低下してしまうことが通例である。し
たがって、AlN原料において、Al/Nモル比がなる
べく1に近く、かつ含有される不純物量が少ないほど熱
伝導率が向上し、かつ白色ないしは半透明の焼結体が得
られるのである。つまり、従来は、高熱伝導率のものを
得ようとすると、必然的に焼結体の色は白色ないし半透
明となってしまい、一方、着色したものを得ようとする
と、熱伝導率が低下してしまう。これに対して、本発明
ではアルカリ土類元素と遷移金属元素とを同時に添加す
ることにより、Al/Nモル比が1に近く、しかも不純
物量の少ないAlN原料を用い高い熱伝導率を確保しつ
つ、添加元素の種類または組合せを適宜選択して、種々
に着色した焼結体を得ることが可能である。例えば、C
r2 O3 、Co3 O4 などを添加すると、濃灰色に着色
され、また、TiO2 を添加すると茶色に着色される。
一方、Eu2 O3 、Sm2 O3 などを添加すると淡赤色
となり、TiO2 とCr2 O3 を同時に添加すると黒色
のものが得られる。したがって、本発明によれば、所望
の色調を呈するAlN焼結体を製造することが可能であ
る。このように着色されたAlN焼結体は、熱の放射率
が高くなるので放熱性がさらに良好となり、また、着色
により製造時の焼結ムラなどを回避することができ製品
の美観を高めることができるなどの利点を有するもので
ある。
【0023】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれら実施例によって制限されるもの
ではない。
【0024】実施例1 不純物としての酸素を1.0重量%含有し、平均粒径が
1.2μm のAlN粉末に、第1の添加物として平均粒
径2.0μm のCaCO3 を1重量%及び第2の添加物
として平均粒径3.0μm のZrO2 を3.0重量%添
加し、ボールミルを用いて粉砕、混合を行ない原料を調
製した。次いで、この原料にバインダーとしてパラフィ
ンを7重量%添加して造粒したのち、300kg/cm2の圧
力でプレス成形して50×50×8mmの圧粉体とした。
この圧粉体を窒素ガス雰囲気中で700℃まで加熱して
パラフィンを除去した。更に、カーボン製容器に収容
し、窒素ガス雰囲気中、1,800℃において2時間常
圧焼結した。得られたAlN焼結体放熱板の密度を測定
した。又、焼結体から直径10mm、厚さ2.5mmの円板
を研削し、これを試験片としてレーザフラッシュ法によ
り熱伝導率を測定した。また、得られた焼結体から巾4
mm厚さ3mm長さ40mmの角棒を6本研削加工し、これを
抗折強度測定用試験片として、支点間距離20mm、クロ
スヘッド速度0.5mm/minの条件で3点曲げ強度を測定
した。これらの結果を表1に示した。
【0025】実施例2〜16、比較例1〜5 AlN粉末の種類並びに焼結添加物粉末の種類を種々に
変えて、上記実施例1と同様にしてAlN焼結体放熱板
を製造し、それぞれについて、同じく密度、熱伝導率及
び3点曲げ強度を測定した。結果を各AlN粉末の粒
径、酸素含有量、焼結添加物の種類、粒径、添加量とと
もに表1に示した。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】実施例17 実施例1で用いたAlN粉末に、平均粒径2μm のCa
CO3 を0.5重量%及び平均粒径3.0μm のZrO
2 を3.0重量%添加し、ボールミルを用いて粉砕、混
合を行ない原料を調製した。次いで、この原料粉を30
0kg/cm2の圧力でプレス成形して50×50×8mmの圧
粉体とした。しかるのち、この圧粉体をカーボン型中に
入れ窒素ガス雰囲気中、温度1,800℃かつ400kg
/cm2の圧力下で1時間ホットプレス焼結を行なった。実
施例1と同様にして、得られた焼結体放熱板の密度、熱
伝導率及び3点曲げ強度を測定し、結果を表2に示し
た。なお、得られた焼結体粉末の構成相を粉末X線回折
によって調べたところ、回折ピーク位置から計算される
面間隔値(d値)として、AlN以外には、CaAl2
O4 と考えられる2.97Å、CaAl4 O7 と考えら
れる3.52Å、並びにZrNと考えられる2.64Å
及び2.29Åが得られた。
【0029】実施例18〜21、比較例6〜8 AlN粉末の種類、ホットプレス温度ならびに焼結添加
物の種類を種々に変えて、上記実施例17と同様にして
AlN焼結体を製造し、それぞれについて、同じく密
度、熱伝導率及び3点曲げ強度を測定した。結果を各A
lN粉末の粒径、酸素含有量、焼結添加物の種類、粒
径、添加量及び焼結体の色とともに表2に示した。
【0030】
【表3】
【0031】実施例22 まず、不純物としての酸素を3.6重量%含有し、平均
粒径が2.2μm のAlN粉末に、第1の添加物として
平均粒径2.0μm のCaO粉末を1.5重量%及び第
2の添加物として平均粒径2.8μm のTiO2 粉末を
1.5重量%添加し、ボールミルで粉砕、混合を行ない
原料を調製した。つづいて、この原料にパラフィンを7
重量%添加して造粒した後、500kg/cm2の圧力でプレ
ス成形して30×30×8mmの圧粉体とした。ひきつづ
き、この圧粉体を窒素雰囲気中で700℃まで加熱して
パラフィンを除去した。次いで、カーボン容器中に収容
し、窒素ガス雰囲気中、1,700℃にて2時間常圧焼
結してAlN焼結体放熱板を製造した。そして、得られ
た焼結体について、実施例1と同じく、密度、熱伝導率
を表3に示した。
【0032】実施例23〜38、比較例9〜13 AlN粉末の種類並びに焼結添加物粉末の種類を種々に
変えて、上記実施例22と同様にしてAlN粉末を製造
し、それぞれについて、同じく密度、熱伝導率を測定し
た。結果を各AlN粉末粒径、酸素含有量、焼結添加物
の種類、粒径、添加量とともに表3に示した。
【0033】
【表4】
【0034】
【表5】
【0035】実施例39及び40 表4に示すAlN粉末並びに焼結添加物粉末を用いて、
上記実施例22と同様にしてAlN焼結体放熱板を製造
し、同じく密度及び熱伝導率を測定した。結果をAlN
粉末の粒径、酸素含有量、焼結添加物の種類、添加量と
ともに表4に示した。
【0036】
【表6】
【0037】実施例41 実施例1で用いたAlN粉末に、平均粒径2.0μm の
CaOを2.1重量%及び平均粒径2.0μm のFe2
O3 を0.9重量%添加し、ボールミルを用いて粉砕、
混合を行ない原料を調製した。次いで、この原料粉を5
00kg/cm2の圧力でプレス成形して直径12mm、厚さ1
0mmの圧粉体とした。しかるのち、この圧粉体をカーボ
ン型中に入れ窒素ガス雰囲気中、温度1,700℃かつ
400kg/cm2の圧力下で1時間ホットプレス焼結を行な
った。実施例1と同様にして、得られた焼結体放熱板の
密度、熱伝導率を測定し、結果を表5に示した。
【0038】比較例14〜18 AlN粉末の種類並びに焼結添加物粉末の種類を種々に
変えて、上記実施例40と同様にしてAlN焼結体放熱
板を製造し、それぞれについて、同じく密度、熱伝導率
を測定した。結果を各AlN粉末粒径、酸素含有量、焼
結添加物の種類、粒径、添加量とともに表5に示した。
【0039】
【表7】
【0040】実施例42 不純物としての酸素を1.4重量%含有し、平均粒径が
1.2μm のAlN粉末にTiO2 とCaCO3 の混合
粉末(TiO2 :CaO換算の重量比1:1)を4重量
%添加し、ボールミルで粉砕、混合を行ない原料を調製
した。つづいて、この原料にパラフィンを7重量%添加
して造粒した後、500kg/cm2の圧力でプレス成形して
30×30×8mmの圧粉体とした。ひきつづき、この圧
粉体を窒素雰囲気中で700℃まで加熱してパラフィン
を除去した。次いで、カーボン容器中に収容し、窒素ガ
ス雰囲気中、1,600℃、1,650℃、1,700
℃、1,750℃及び1,800℃にて2時間常圧焼結
して5種のAlN焼結体放熱板を製造した。
【0041】比較例19 上記実施例42と同様なAlN粉末に、CaCO3 をC
aO換算で4重量%添加した原料を用い、以下、実施例
42と同様な方法により5種のAlN焼結体放熱板を製
造した。
【0042】比較例20 上記実施例42と同様なAlN粉末に、TiO2 を5重
量%添加した原料を用い、以下、実施例42と同様な方
法により5種のAlN焼結体放熱板を製造した。
【0043】しかして、本実施例42及び比較例19、
20のAlN焼結体放熱板について、焼結温度に対する
密度及び熱伝導率の関係を調べたところ、図1及び図2
に示す特性図を得た。なお、図1及び図2中のAは本実
施例42における特性線、Bは比較例19における特性
線、Cは比較例20における特性線である。図1及び図
2より明らかなように、本発明のAlN焼結体放熱板は
低い焼結温度で高密度化、高熱伝導率化を達成でき、従
来のAlN焼結体放熱板に比べて製造コストを低く抑え
ることが可能である。
【0044】実施例43 実施例42で用いたAlN粉末にNiOとCaCO3 の
混合粉末(NiO:CaO換算の重量比1:1)を4重
量%添加したことを除いては上記実施例42と同様にし
て、圧粉体を作製し、種々の温度で焼結体を製造し、5
種のAlN焼結体放熱板を得た。
【0045】比較例21 上記実施例43と同様なAlN粉末にNiOのみを5重
量%添加した原料を用い、以下、実施例42と同様な方
法により5種のAlN焼結体放熱板を製造した。
【0046】しかして、本実施例43及び比較例19、
21のAlN焼結体放熱板について、焼結温度に対する
密度及び熱伝導率の関係を調べたところ、図3及び図4
に示す特性図を得た。なお、図3及び図4中のAは本実
施例43における特性線、Bは比較例19における特性
線、Cは比較例21における特性線である。図3及び図
4より明らかなように、本発明のAlN焼結体放熱板は
低い焼結温度で高密度化、高熱伝導率化を達成でき、従
来のAlN焼結体に比べて製造コストを低く抑えること
が可能である。
【0047】実施例44 不純物としての酸素を2.4重量%含有し、平均粒径が
1.6μm のAlN粉末に、CaCO3 とFe2 O3 の
混合粉末(Fe2 O3 :CaOの換算の重量比3:7)
をCaO+Fe2 O3 換算で4重量%添加し、上記実施
例42と同様の方法により、1,600℃、1,650
℃、1,700℃、1,750℃及び1,800℃の各
温度で2時間焼結し、それぞれ得られたAlN焼結体放
熱板について密度及び熱伝導率を測定し、結果を図5及
び図6において曲線Aにより示した。
【0048】比較例22 比較のために、実施例44と同様のAlN粉末にCaC
O3 7.14重量%(CaO換算で4.0重量%を添加
した原料粉およびY2 O3 を4重量%添加した原料粉を
使用して、上記と同様各温度で焼結を行ない、得られた
焼結体放熱板の密度及び熱伝導率を測定し結果を図5、
図6にそれぞれ曲線G、曲線Hにより示した。図5及び
図6からも明らかなように、本発明のAlN焼結体放熱
板は、大幅な焼結温度の低下が可能であり、高密度且つ
高伝導率となるため、従来のAlN焼結体に比べ製造コ
ストを低く抑えることが可能である。
【0049】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の窒化アルミニウム焼結体放熱板は高密度で、かつ高熱
伝導率を有する優れたものである。そして、添加される
添加物、とくに、上記第2の添加物である遷移元素の種
類により、極めて高強度であることや、低温で焼結が可
能であることなどの性質を付与することができる。さら
にまた、かかる遷移元素の種類および組合せによりを様
々な色に着色することができるため、その用途範囲も広
がるとともに、焼結ムラなどによる製造歩留りの低下も
回避することが可能となる。したがって、その工業的な
価値は極めて高く、とくに半導体装置などの放熱板とし
て有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例42、比較例19及び比較例20により
得たAlN焼結体について、焼結温度と密度の関係を示
す特性図である。
【図2】実施例42、比較例19及び比較例20により
得たAlN焼結体について、焼結温度と熱伝導率の関係
を示す特性図である。
【図3】実施例43、比較例19及び比較例21により
得たAlN焼結体について、焼結温度と密度の関係を示
す特性図である。
【図4】実施例43、比較例19及び比較例21により
得たAlN焼結体について、焼結温度と熱伝導率の関係
を示す特性図である。
【図5】実施例44、比較例22により得たAlN焼結
体の焼結温度と密度の関係を示す特性図である。
【図6】実施例44、比較例22により得たAlN焼結
体の焼結温度と熱伝導率の関係を示す特性図である。
【符号の説明】
A……実施例42の特性線 B……比較例19の特性線 C……比較例20の特性線 D……実施例43の特性線 E……比較例21の特性線 F……実施例44の特性線 G、H……比較例22の特性線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上野 文雄 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝総合研究所内 (72)発明者 堀口 昭宏 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝総合研究所内 (72)発明者 柘植 章彦 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝総合研究所内 (72)発明者 今川 宏 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝総合研究所内 (72)発明者 高野 武士 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝総合研究所内 (72)発明者 井上 寛 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝総合研究所内

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)窒化アルミニウム、(b)アルカ
    リ土類アルミニウム化合物、並びに(c)周期律表第IV
    a、Va、VIa、 VIIa及びVIII族に属する遷移元素の
    うち少なくとも1種の元素を含む化合物からなることを
    特徴とする窒化アルミニウム焼結体放熱板。
  2. 【請求項2】 遷移元素を含む化合物が、周期律表第V
    a、VIa、 VIIa及びVIII族に属する遷移元素のうち少
    なくとも1種の元素を含む化合物である請求項1に記載
    の窒化アルミニウム焼結体放熱板。
  3. 【請求項3】 窒化アルミニウムの含有量が80〜9
    9.98重量%である請求項1又は2に記載の窒化アル
    ミニウム焼結体放熱板。
  4. 【請求項4】 アルカリ土類アルミニウム化合物の含有
    量が、アルカリ土類元素の酸化物に換算して0.01〜
    18重量%である請求項1又は2に記載の窒化アルミニ
    ウム焼結体放熱板。
  5. 【請求項5】 周期律表第IVa、Va、VIa、 VIIa及
    びVIII族に属する遷移元素のうち少なくとも1種の元素
    を含む化合物の含有量が、その元素の酸化物に換算して
    0.01〜15重量%である請求項1に記載の窒化アル
    ミニウム焼結体放熱板。
  6. 【請求項6】 周期律表第Va、VIa、 VIIa及びVIII
    族に属する遷移元素のうち少なくとも1種の元素を含む
    化合物の含有量が、その元素の酸化物に換算して0.0
    1〜15重量%である請求項2に記載の窒化アルミニウ
    ム焼結体放熱板。
  7. 【請求項7】 アルカリ土類元素が、Ca、Sr及びB
    aのうちの少なくとも1種である請求項1又は2に記載
    の窒化アルミニウム焼結体放熱板。
  8. 【請求項8】 周期律表第IVa、Va、VIa、 VIIa及
    びVIII族に属する遷移元素が、Zr、Ti、Hf、N
    i、Cr、Mn、Fe、Co及びVのうちの少なくとも
    1種である請求項1に記載の窒化アルミニウム焼結体放
    熱板。
  9. 【請求項9】 周期律表第Va、VIa、 VIIa及びVIII
    族に属する遷移元素が、Ni、Cr、Mn、Fe、Co
    及びVのうちの少なくとも1種である請求項2に記載の
    窒化アルミニウム焼結体放熱板。
  10. 【請求項10】 アルカリ土類アルミニウム化合物が、
    酸化物及び/又は酸フッ化物である請求項1又は2に記
    載の窒化アルミニウム焼結体放熱板。
  11. 【請求項11】 (a)窒化アルミニウムと、(b)ア
    ルカリ土類元素を含む化合物と、(c)周期律表第IV
    a、Va、VIa、 VIIa及びVIII族に属する遷移元素の
    うち少なくとも1種の元素を含む化合物とを混合したの
    ち、成形、焼結することを特徴とする窒化アルミニウム
    焼結体放熱板の製造方法。
  12. 【請求項12】 遷移元素を含む化合物が、周期律表第
    Va、VIa、 VIIa及びVIII族に属する遷移元素のうち
    少なくとも1種の元素を含む化合物である請求項11に
    記載の窒化アルミニウム焼結体放熱板の製造方法。
  13. 【請求項13】 アルカリ土類元素を含む化合物の含有
    量が、アルカリ土類元素の酸化物に換算して0.01〜
    18重量%である請求項11又は12に記載の製造方
    法。
  14. 【請求項14】 周期律表第IVa、Va、VIa、 VIIa
    及びVIII族に属する遷移元素を含む化合物の含有量が、
    その元素の酸化物に換算して、0.01〜15重量%で
    ある請求項11に記載の製造方法。
  15. 【請求項15】 周期律表第Va、VIa、 VIIa及びVI
    II族に属する遷移元素を含む化合物の含有量が、その元
    素の酸化物に換算して、0.01〜15重量%である請
    求項12に記載の製造方法。
  16. 【請求項16】 アルカリ土類元素を含む化合物が、酸
    化物、窒化物、フッ化物、酸フッ化物、酸窒化物もしく
    は焼成によりこれらの化合物となる物質あるいはその組
    み合わせである請求項11又は12に記載の製造方法。
  17. 【請求項17】 周期律表第IVa、Va、VIa、 VIIa
    及びVIII族に属する遷移元素を含む化合物が、酸化物、
    窒化物、フッ化物、酸フッ化物、酸窒化物もしくは焼成
    によりこれらの化合物となる物質あるいはその組み合わ
    せである請求項11に記載の製造方法。
  18. 【請求項18】 周期律表第Va、VIa、 VIIa及びVI
    II族に属する遷移元素を含む化合物が、酸化物、窒化
    物、フッ化物、酸フッ化物、酸窒化物もしくは焼成によ
    りこれらの化合物となる物質あるいはその組み合わせで
    ある請求項12に記載の製造方法。
  19. 【請求項19】 窒化アルミニウムが0.001〜7重
    量%の酸素を含んでいる請求項11又は12に記載の製
    造方法。
  20. 【請求項20】 焼結に用いる物質が、平均粒径5μm
    以下の粉末である請求項11又は12に記載の製造方
    法。
  21. 【請求項21】 アルカリ土類元素が、Ca、Sr及び
    Baのうちの少なくとも1種である請求項11又は12
    に記載の製造方法
  22. 【請求項22】 周期律表第IVa、Va、VIa、 VIIa
    及びVIII族に属する遷移元素が、Zr、Ti、Hf、N
    i、Cr、Mn、Fe、Co及びVのうちの少なくとも
    1種である請求項11に記載の製造方法。
  23. 【請求項23】 周期律表第Va、VIa、 VIIa及びVI
    II族に属する遷移元素が、Ni、Cr、Mn、Fe、C
    o及びVのうちの少なくとも1種である請求項12に記
    載の製造方法。
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