JPH0717994A - デオキシリボヌクレオシド誘導体の合成法 - Google Patents

デオキシリボヌクレオシド誘導体の合成法

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JPH0717994A
JPH0717994A JP16185393A JP16185393A JPH0717994A JP H0717994 A JPH0717994 A JP H0717994A JP 16185393 A JP16185393 A JP 16185393A JP 16185393 A JP16185393 A JP 16185393A JP H0717994 A JPH0717994 A JP H0717994A
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JP
Japan
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group
nucleophile
synthesizing
anhydro
acid catalyst
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Application number
JP16185393A
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English (en)
Inventor
Yukio Aoyama
如生 青山
Etsuko Kawashima
悦子 川島
Ryoji Ishido
良治 石戸
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KOBAYASHI KORYO KK
TOKYO YATSUKA UNIV
Original Assignee
KOBAYASHI KORYO KK
TOKYO YATSUKA UNIV
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 アンヒドロ環を有し、且つ該アンヒドロ環の
形成に関与した水酸基以外の糖部分水酸基が保護基(例
えば1,1,3,3- テトライソプロピルジシロキサン
- 1,3- ジイル(TPDS)基)で保護されたアンヒ
ドロシクロヌクレオシド化合物に、三フッ化ホウ素等か
らなる酸触媒の存在下で、求核試薬(例えばハロゲン化
物)を反応させることにより、上記アンヒドロ環を開環
させるとともに上記糖部分に求核体を導入する。 【効果】 求核試薬との反応により容易に上記アンヒド
ロ環が開環して糖部分に求核体が導入されるため、所望
の求核体が導入されたデオキシリボヌクレオシド誘導体
を、簡便かつ温和な条件下で得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、活性化試剤たる酸触媒
の存在下におけるアンヒドロヌクレオシド化合物の、求
核試薬による開環反応を利用したヌクレオシド誘導体の
合成法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば、ピリミジンデオキシ
リボヌクレオシドの2´位へのBr等のハロゲン原子導
入法としては、下記式(化1)に示した3' ,5' −ジ
- -ベンゾイル- 2'-ブロモ- 2'-デオキシウリジン
の合成法に見られるように、ピリミジン- O2 ,2'-ア
ンヒドロヌクレオシドにハロゲン化アシル、あるいはハ
ロゲン化水素を作用させて、ヌクレオシドのハロゲン化
物を調製する方法が一般に知られている( Honjo, M.;
Marumoto, R. Chem. Pharm. Bull ., 1974 ,22, 128-
134 / Russell, A. F. ; Prystasz, M.; Hamamura, E.
K. Verheyden,J. P. H. ;Moffatt, J. G. J. Or g. Ch
em. , 1974, 39, 2182-2186 / Hamamura, E. K.; Prys
tasz, M.; Verheyden, J. P. H.; Moffatt, J. G.; Yam
aguchi,K.;Uchida, N.; Sato, K.; Nomura, A.; Shira
tori, O.; Takase, S.; Katagiri, K.; J. Med. Chem.
, 1976, 19,663-667/ Rechman, U.; Chiu, C. K.; Ol
lenberg, D. H. H.; Watanabe, K. A.; Fox, J. J. S
ynthesis ., 1976, 533-534 . / Kondo, K.; Adachi,
T.; Inoue, I. J. Org. Chem. , 1976, 41, 2 995-299
9. )。
【0003】
【化1】
【0004】例えば、ウリジンと各種のハロゲン化アシ
ルとの反応では,O2 , 2´- アンヒドロ- β- D- ア
ラビノフラノシルウラシルが得られるが、反応がさらに
進行すると2´- ハロゲノ- 2'-デオキシウリジン誘導
体が得られる。これは上記ウリジンが中間に2´,3´
- アシルオキソニウムイオンを経由してシクロ体とな
り、共存するハロゲン化物イオンの2´位の攻撃によっ
て該シクロ体のアンヒドロ結合が開裂して2´- ハロゲ
ノ- 2'-デオキシウリジン誘導体となるためである(化
2)。
【0005】
【化2】
【0006】このようなハロゲン化アシルの例として
は、塩化2- アセトキシイソブチリル、塩化2- アセト
キシ安息香酸、臭化プロピオニルなどが知られており、
また他のハロゲン化剤としては、四塩化ケイ素も用いら
れる。一方、ウリジンのアンヒドロ体は、ハロゲン化水
素処理では2´- ハロゲノ誘導体を与える(Codington,
J. F.; Doerr, I. L.; Fox, J. J. J. Org. Chem.,196
4, 29, 558-564; J. Org.Chem., 1964, 29, 564-569./
Cushley,R. J.; Codington, J. F.; Fox, J. J.Can J.
Chem.,1968, 46, 1131-1140./ Holy, A. ; Cech, D.
Collect. Czech. Chem. Commun. , 1974, 39, 3157-31
67.).しかしながら、上記した従来の方法によって
は、3´,5´位水酸基が遊離の2´- ブロモ体、ある
いは3´,5´位水酸基がアシル基で保護された2´-
ブロモ誘導体以外は得られず、3´,5´位水酸基がア
シル基以外の他の保護基、例えば1,1,3,3- テト
ライソプロピルジシロキサン- 1,3- ジイル(TPD
S)基等の含ケイ素保護基で保護された2´- Br- 2
´- デオキシウリジンを得ることは困難である。例え
ば、3´、5´- - TPDS- O2 , 2´-アンヒド
ロ- β−D- アラビノフラノシルウラシルを原料として
ブロモ誘導体を得るには、従来の方法では、かなり強い
酸性条件を反応条件として用いることを必要とするが、
このような強い酸性条件下では、上記原料の3´,5´
−TPDS基が除去される惧れがある。
【0007】一方、従来のブロモ化反応を行った後に、
上記TPDS基を3´,5´−−位へ導入する合成経
路を用いることも考えられるが、一般に、アシル保護さ
れた化合物の脱アシル化は塩基性条件を必要とするた
め、原料の2´位にブロモ基が存在する場合、該塩基性
条件下で該ブロモ基が結合する炭素にアニオンの求核攻
撃が起こり易い。したがって、このような合成経路は用
いることが困難である。更に、2´−Br−2´−デオ
キシ体(3´,5´位水酸基が遊離の2´- ブロモ体)
に直接TPDS基を導入する事も考えられるが、このよ
うな方法を用いた場合、TPDS導入条件下で2´位の
Br基が反応する可能性がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、糖部
分を構成する水酸基の一つが求核体で置換され、且つ糖
部分の他の水酸基が保護基で保護されたデオキシリボヌ
クレオシド誘導体を、簡便かつ温和な条件下で得ること
ができるデオキシリボヌクレオシド誘導体の合成法を提
供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は鋭意研究の結
果、アンヒドロ環の形成に関与した水酸基以外の糖部分
水酸基が保護基で保護されたアンヒドロシクロヌクレオ
シド化合物は、酸触媒の存在下で、求核試薬に対して良
好な反応性を発揮することを見い出だした。
【0010】本発明のデオキシリボヌクレオシド誘導体
の合成法は上記知見に基づくものであり、より詳しく
は、アンヒドロ環を有し、且つ該アンヒドロ環の形成に
関与した水酸基以外の糖部分水酸基が保護基で保護され
たアンヒドロシクロヌクレオシド化合物に、酸触媒の存
在下で、求核試薬を反応させることを特徴とするもので
ある。
【0011】以下、本発明を詳細に説明する。
【0012】(シクロヌクレオシド化合物)本発明にお
いては、アンヒドロ環を有し、且つ該アンヒドロ環の形
成に関与した水酸基以外の糖部分水酸基が保護基で保護
されたアンヒドロシクロヌクレオシド化合物を、原料
(ないし基質)として用いる。本発明で用いるシクロヌ
クレオシド化合物は、ピリミジンシクロヌクレオシド化
合物であることが好ましい。
【0013】上記アンヒドロ環の位置は、O2 ,2´
−、O2 ,3´−、又はO2 ,5´−のいずれであって
もよい。本発明においては、アンヒドロ環の形成に関与
した糖部分の水酸基の位置(例えば、原料がO2 ,2´
−アンヒドロピリミジンシクロヌクレオシド化合物の場
合には、ペントースの2´の位置)に、求核試薬に基づ
く官能基(例えばハロゲン原子)が導入される。
【0014】(保護基)本発明における原料たるシクロ
ヌクレオシド化合物においては、アンヒドロ環の形成に
関与した水酸基以外の糖部分水酸基(例えば、原料がO
2 ,2´−アンヒドロピリミジンシクロヌクレオシド化
合物の場合には、ペントースの3´および5´の位置の
水酸基)は、保護基で保護されている。本発明において
は、酸触媒を用いるため、この保護基は、該酸触媒(ル
イス酸等)に反応しにくい基であることが好ましい。こ
の点からは、上記保護基はアシル基(カルボニル基に酸
触媒が作用しやすい)以外の基であることが好ましい。
【0015】(O2 ,2´−アンヒドロ体の保護基)よ
り具体的には例えば、原料がO2 ,2´−アンヒドロ体
である場合、3´および5´位の水酸基の保護基として
は、これらをまとめて保護可能な含ケイ素保護基(すな
わち、少なくとも一つのケイ素を含む保護基)を用いる
ことが好ましい。本発明においては、この含ケイ素保護
基として、少なくとも一つの低級アルキル基(炭素数1
〜4のアルキル基)が結合したケイ素原子を有する保護
基を用いることが好ましい。このような保護基として
は、例えば、下記の、に示すような保護基が好まし
く用いられる。
【0016】 −Si(i- C3 7 2 −O−Si
(i- C3 7 2 − (1,1,3,3- テトライソプロピルジシロキサン-
1,3- ジイル(TPDS)基;2価の保護基) −Si(t- C4 9 2 − (ジターシャリーブチルシランジイル(DTBS)基;
2価の保護基) 上記した保護基のうち、のTPDS基は、糖部分の3
´位および5´位の水酸基に選択的に且つ高収率で導入
可能であるため、好ましく用いられる。これに対して、
アシル基の一種であるベンゾイル基をリボースの3´位
および5´位の水酸基の保護基として用いた場合には、
その選択性が比較的低い(2´位の水酸基にもベンゾイ
ル基が導入される)ため、目的とする原料をカラムクロ
マトグラフィー等により精製する必要がある。
【0017】一方、3´および5´位の水酸基をそれぞ
れの保護基で保護する場合、5´位の水酸基の保護基と
しては、トリチル基ないしその誘導体、1価の含ケイ素
保護基、またはベンジル基(C6 5 CH2 −)を用い
ることが好ましい。より具体的には例えば、上記トリチ
ル基ないしその誘導体としては、下記の、、に示
すような保護基が好ましく用いられる。
【0018】 (CH3 OC6 4 2 (C6 5 )C− (ジメトキシトリチル(DMTr)基) (CH3 OC6 4 )(C6 5 2 C− (モノメトキシトリチル(MMTr)基) (C6 5 3 C− (トリチル(Tr)基) 上記1価の含ケイ素保護基としては、下記の、に示
すような保護基が好ましく用いられる。
【0019】 t- C4 9 Si(CH3 2 − (ターシャリーブチルジメチルシリル(TBDMS)
基) t- C4 9 Si(C6 5 2 − (ターシャリーブチルジフェニルシリル(TBDPS)
基) 一方、上記3´位の水酸基の保護基としては、上記TB
DMS基、テトラヒドロピラニル(THP)基、または
ベンジル基等を用いることが好ましい。
【0020】(O2 ,3´−アンヒドロ体の保護基)よ
り具体的には例えば、原料がO2 ,3´−アンヒドロ体
である場合、5´位の水酸基の保護基としては、トリチ
ル基ないしその誘導体、1価の含ケイ素保護基、または
ベンジル基等を用いることが好ましい。より具体的には
例えば、上記DMTr基、MMTr基、Tr基、TBD
MS基、TBDPS基、ベンジル基等を用いることが好
ましい。
【0021】一方、2´位の水酸基の保護基としては、
上記TBDMS基、ベンジル基及び/またはTHP基を
用いることが好ましい。
【0022】(O2 ,5´−アンヒドロ体の保護基)原
料がO2 ,5´−アンヒドロ体である場合、2´および
3´位の水酸基の保護基としては、これらをまとめて保
護可能な基、より具体的には例えば、以下の、に示
すような保護基が好ましく用いられる。
【0023】 −C(CH3 2 − (2´,3´−O−イソプロピリデン基) −CH(C6 5 )− (2´,3´−O−ベンジリデン基) 一方、2´および3´位の水酸基をそれぞれの保護基で
保護する場合、それぞれの水酸基の保護基としては、1
価の含ケイ素保護基、またはベンジル基を用いることが
好ましい。より具体的には例えば、上記TBDMS基、
ベンジル基、またTHP基等の保護基が好ましく用いら
れる。
【0024】(酸触媒)本発明においては、酸触媒とし
てルイス酸(電子対受容体)が好ましく用いられる。こ
のようなルイス酸としては、より具体的には例えば、B
3 (三フッ化ホウ素)等のハロゲン化ほう素(B
3 )、ハロゲン化アルミ(AlX3 )、ハロゲン化チ
タン(TiX4 )、塩化亜鉛(ZnCl2 )、塩化鉄
(FeCl3 )、塩化すず(SnCl4 )等が好ましく
用いられる。本発明に用いる酸触媒は、必要に応じて、
電子対供与体への付加物ないし錯体として用いてもよ
い。例えば、上記三フッ化ホウ素は、三フッ化ホウ素ジ
エチルエーテル錯体(BF3 ・OEt2 )として用いて
もよい。
【0025】本発明においては、酸触媒は、上記原料
(ないし基質)1モルに対して、0.2〜2モル(更に
は1.1〜1.5モル)用いることが好ましい。
【0026】(求核試薬)本発明においては、求核試薬
としてハロゲン化物、アジド(−N3 )化合物、アルコ
キシド(- OR)、シアン化合物(NaCN、KC
N)、アルキルリチュウム(RLi)、グリニア試薬
(RMgX)、ジスルフィド(RSSR)、ジアルキル
セレニド(RSeSeR)等が好ましく用いられる。求
核試薬としてハロゲン化物を用いる場合、生成物(デオ
キシリボヌクレオシド誘導体)の反応性の点からは、上
記ハロゲンは臭素(Br)であることが好ましい。
【0027】上記求核試薬は陽イオン成分を有していて
もよい。このような陽イオン成分としては、アルカリ金
属が好ましく用いられるが、溶媒への溶解性の点から
は、アルカリ金属の中でもLi(リチウム)が好ましく
用いられる。上記アルカリ金属イオンに代えてアンモニ
ウムイオン(例えば、炭素数1〜4の低級アルキル基を
有するテトラアルキルアンモニウムイオン)を用いるこ
とも可能であるが、反応の後処理における第四アンモニ
ウム塩除去の困難性を考慮すれば、上記陽イオン成分は
アルカリ金属であることが好ましい。
【0028】上記求核試薬は、上記原料1モルに対し
て、1〜5モル(更には1.1〜2モル)用いることが
好ましい。
【0029】(溶媒)本発明においては、必要に応じて
溶媒を用いてもよい。このような溶媒としては、本発明
の求核反応に実質的に不活性であり、且つ、該反応の反
応温度において液状である有機若しくは無機の化合物
(又はこれらの混合物)を特に制限なく用いることがで
きる。原料および求核試薬の溶解性の点からは、例え
ば、ジオキサン、ジグリム、HMPA(ヘキサメチルホ
スホラストリアミド)等が好ましく用いられる。
【0030】(反応温度)本発明の求核反応の温度は特
に制限されないが、反応速度等を考慮して、必要に応じ
て加熱してもよい。加熱する場合、その温度は室温〜1
20℃程度であることが好ましい。
【0031】(2'- ブロモ-2'-デオキシウリジンの合
成)以下、本発明の合成法の一態様たる3´,5´-
- TPDS- 2´- ブロモ- 2´- デオキシウリジンの
合成について述べる。
【0032】この3´,5´- - TPDS- 2´- ブ
ロモ- 2´- デオキシウリジンに至る合成経路として
は、以下の(1)〜(3)の経路が考えられる。
【0033】(1)ウリジンを従来のハロゲン化アシル
を用いる方法でアシル化およびブロム化して3´,5´
- - アシル- 2´- ブロモ誘導体を調製し、該ブロモ
誘導体を脱アシル化することにより遊離とした3´およ
び5´- 位の水酸基を、TPDS基で保護する経路が考
えられる。しかしながら、一般に上記の脱アシル化はか
なり強い塩基性条件を必要とするため、2´位にブロモ
基が存在する場合、塩基性条件下で該ブロモ基が結合す
る炭素にアニオンの求核攻撃が起こりやすいので好まし
くない。
【0034】(2)ウリジンをTPDS化した後に、従
来法により臭化水素と処理する方法が考えられる。しか
しながら、この方法はかなり強い酸性条件下での反応を
必要とするため、3´,および5´位の保護基が酸性条
件で除去される可能性のあるTPDS基である誘導体を
ブロモ化するに際しては、適用が困難である。
【0035】(3)O2 ,2´- アンヒドロ- β- D-
アラビノフラノシルウラシルを出発物質として、3´,
5´位にTPDS基を導入した後、ブロモ化反応を行う
方法。
【0036】簡便さの点からは、上記した(1)〜
(3)の3法のうち、(3)の方法を用いることが好ま
しい。この(3)の方法においては、例えば基質とし
て,O2 ,2´- β- D- アラビノフラノシルウラシル
にピリジン中、TPDSCl2 を作用させて得られる3
´,5´- - (1,1,3,3−テトライソプロピル
ジシロキサン−1,3−ジイル)- O2 , 2´- β- D
- アラビノフラノシルウラシルを用いることが好まし
い。
【0037】本発明者の知見によれば、本発明の上記
(3)の態様においては、その基質の構造のO4 原子に
ルイス酸(化3に示す態様においてはBF3 ・OE
2 )が配位して、糖部分の2´位のδ+ 性が増大し、
そこに求核試薬(この態様においては臭化物イオン)の
求核攻撃が起こりやすくなるため、アンヒドロ環の求核
攻撃による結合開裂が促進されるものと推定される(化
3)。
【0038】
【化3】
【0039】本発明の実験によれば、上記ブロモ化反応
の基質たる3´,5´- -TPDS- O2 , 2´- ア
ンヒドロ- β- D- アラビノフラノシルウラシルに、ル
イス酸たる三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体(BF
3 ・OEt2 )(1.1当量)存在下、1,4- ジオキ
サン中80℃で、求核試薬たる臭化リチウム(LiB
r)(1.1当量)を反応させたところ、目的とする
(2´)-3´, 5´- - TPDS- 2'-ブロモ-
2'-デオキシウリジンが76%の収率で得られた(化
4)。
【0040】
【化4】
【0041】一方、上記三フッ化ホウ素ジエチルエーテ
ル錯体(BF3 ・OEt2 )を添加しなかった以外は上
記と同様の実験を繰り返したところ、同じ反応条件で原
料が100%回収された。これらの実験結果は、上記
(化3)に示す反応機構を支持する。
【0042】上述した(2´)−3´,5´- -
(1,1,3,3- テトライソプロピル- 1, 3- ジイ
ル)-2´- ブロモ−2'-デオキシウリジンの合成法と同
様に、3´,5´- -TPDS -2´- ブロモチミジ
ンの合成が可能である。
【0043】すなわち、本発明者の実験によれば、この
ブロモ化反応の基質たる3´,5´- -TPDS- O
2 ,2´- チミンに、BF3 ・Et2 O(1.1当量)
存在下、1,4- ジオキサン中80℃でLiBr(1.
1当量)を作用させたところ、目的とする(2´)-3
´,5´- - TPDS- 2´- ブロモチミジンが78
%の収率で得られた(化5)。
【0044】
【化5】
【0045】(生成物)上述した本発明の合成法は、2
´- ハロゲノ- 2'-デオキシウリジン誘導体や2´- ハ
ロゲノチミジン誘導体のみならず、3´- ハロゲノ-
3'-デオキシウリジン誘導体や3´- ハロゲノ- 3'-デ
オキシチミジン誘導体合成、あるいは5´- ハロゲノ-
5'-デオキシウリジン誘導体や5´- ハロゲノ- 5'-デ
オキシチミジン誘導体合成にも応用できる。また、デオ
キシウリジンを出発物質とした場合、3´- ハロゲノ-
2´,3'-ジデオキシウリジン誘導体、5´- ハロゲノ
- 2´,5'-ジデオキシウリジン誘導体等の合成に応用
でき、リボシルチミンを出発物質とした場合、3´- ハ
ロゲノ- 3'-デオキシリボシルチミン誘導体、5´-ハ
ロゲノ- 5'-デオキシリボシルチミン誘導体等の合成に
応用できる。更に、上記求核試薬としてアジド化合物
(例えば、LiN3 )を用いることにより、AZT
(抗ヒト免疫不全ウィルス(HIV)薬)たる3´- ア
ジド- 3'-デオキシチミジン等の合成に応用することも
できる。
【0046】以下、実施例に基づき、本発明を更に具体
的に説明する。
【0047】
【実施例】実施例1 (2'R )-3', 5'- O -(1, 1, 3, 3-テトライソプロピル
ジシロキサン-1, 3-ジイル)-2'- ブロモ-2'-デオキシウ
リジンの合成 3', 5'- O -(1, 1, 3, 3-テトライソプロピルジシロキ
サン-1, 3-ジイル)-O2 ,2'-アンヒドロ- β-D- アラビ
ノフラノシルウラシル(468.7mg, 1.0mmo
l)を、臭化リチウム (95.5mg,1.1mmo
l)と共に1,4- ジオキサン(20mL) に懸濁し、
三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体(0.135m
L,1.1mmol) を加え、80℃で6時間攪拌し
た。反応溶液を減圧下濃縮し、水(40mL) を加え、
クロロホルムで抽出 (50mL×3)、水(40m
L) で洗浄し、有機層を減圧下濃縮した。この濃縮物を
シリカゲルカラムクロマトグラフィー(移動相:クロロ
ホルム)により精製して、目的物たる(2' R )-3', 5'-
O -(1, 1, 3, 3-テトライソプロピルジシロキサン-1,3
-ジイル)-2'- ブロモ-2'-デオキシウリジンを419.
1mg(収率76%)得た。
【0048】1 H-NMR(CDCl3 , 10ppm): δ0.78-1.3(28
H, m, CH(CH3 ) 2 ×4), 4.01(1H, dd,J5', 4'2.31Hz,
J 5',5' 13.66Hz, H-5'), 4.18-4.29(3H, m, H-3', H-
4', H-5'), 4.37(1H, dd, J2',1' 0Hz, J2',3' 4.71Hz,
H-2'), 5.67(1H, dd, J 5,6 8.18Hz, 4 J 5,N3H 1.89H
z, H-5), 6.11(1H, d, J 1',2' 0Hz, H-1'), 7.88(1H,
d, J 6,5 8.18Hz, H-6), 8.30(1H, bs, N3 H) 元素分析値 C21376 2 BrSi2 C H N Calcd 45. 89 6. 79 5. 10 Found 45. 88 6. 61 5. 09実施例2 (2' R )-3', 5'- O -(1, 1, 3, 3-テトライソプロピル
ジシロキサン-1, 3-ジイル)-2'- ブロモチミジンの合成 3', 5'- O -TPDS-O2 ,2'-アンヒドロ- β-D- アラビノ
フラノシルチミン(482.7mg,1.0mmol)
を臭化リチウム(95.5mg,1.1mmol)と共
に1,4−ジオキサン(20mL)に懸濁し、三フッ化
ホウ素ジエチルエーテル錯体(0.135mL,1.1
mmol) を加え、80℃で6時間攪拌した。反応溶液
を減圧下濃縮し、水(40mL) を加え、クロロホルム
(50mL×3)で抽出、水(40mL) で洗浄し、有
機層を減圧下濃縮する。この濃縮物をシリカゲルカラム
クロマトグラフィー(クロロホルム)により精製して、
(2' R )-3', 5'- O -(1, 1, 3, 3-テトライソプロピル
ジシロキサン-1, 3-ジイル)-2'- ブロモチミジンを43
9.2mg(収率78%)得た。
【0049】1 H-NMR(CDCl3 , 10ppm): δ0.8-1.25(28
H, m, CH(CH3 ) 2 ×4), 1.92(3H, d,4 J 5CH3,61.19H
z, 5-CH3 ), 4.01(1H, dd, J 5',4' 2.68Hz, J 5',5' 1
3.58Hz,H-5'), 4.14-4.33(3H, m, H-3', H-4', H-5'),
4.39(1H, dd, J 2',1' 0Hz, J2'3'5.36Hz, H-2'), 6.09
(1H, d, J1',2' 0Hz, H-1'), 7.56(1H,s, H-6), 8.21
(1H, s, N 3 H) 元素分析値 C22396 2 BrSi2 C H N Calcd 46. 88 6. 97 4. 97 Found 46. 83 6. 82 4. 86比較例1 ( 三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体を使用しない方
法)3', 5'- O -(1, 1, 3, 3-テトライソプロピルジシ
ロキサン-1, 3-ジイル)-O2 ,2'-アンヒドロ- β- D-
アラビノフラノシルウラシル(468.7mg,1.0
mmol) を臭化リチウム(95.5mg,1.1mm
ol)と共にジオキサン(20mL) に懸濁し、80℃
で6時間攪拌した。反応溶液を減圧下濃縮し、水(40
mL) を加え、クロロホルムで抽出(50mL×3)、
水(40mL) で洗浄し、有機層を減圧下濃縮した。こ
の濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロ
ロホルム)により精製したところ、原料を100%回収
した。
【0050】
【発明の効果】上述したように本発明によれば、アンヒ
ドロ環を有し、且つ該アンヒドロ環の形成に関与した水
酸基以外の糖部分水酸基が保護基で保護されたアンヒド
ロシクロヌクレオシド化合物に、酸触媒の存在下で、求
核試薬を反応させることを特徴とするデオキシリボヌク
レオシド誘導体の合成法が提供される。
【0051】本発明においては、酸触媒の存在下で、求
核試薬との反応により容易に上記アンヒドロ環が開環す
るとともに上記アンヒドロシクロヌクレオシド化合物の
糖部分に求核体が導入されるため、所望の求核体が導入
されたデオキシリボヌクレオシド誘導体を、簡便かつ温
和な条件下で得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石戸 良治 東京都八王子市堀之内1432−1 東京薬科 大学内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アンヒドロ環を有し、且つ該アンヒドロ
    環の形成に関与した水酸基以外の糖部分水酸基が保護基
    で保護されたアンヒドロシクロヌクレオシド化合物に、
    酸触媒の存在下で、求核試薬を反応させることを特徴と
    するデオキシリボヌクレオシド誘導体の合成法。
  2. 【請求項2】 前記アンヒドロシクロヌクレオシド化合
    物が、ピリミジンシクロヌクレオシド化合物である請求
    項1記載のデオキシリボヌクレオシド誘導体の合成法。
  3. 【請求項3】 前記保護基が、1,1,3,3- テトラ
    イソプロピルジシロキサン- 1,3- ジイル(TPD
    S)基である請求項1記載のデオキシリボヌクレオシド
    誘導体の合成法。
  4. 【請求項4】 前記酸触媒がルイス酸からなる酸触媒で
    ある請求項1記載のデオキシリボヌクレオシド誘導体の
    合成法。
  5. 【請求項5】 前記酸触媒が三フッ化ホウ素からなる酸
    触媒である請求項4記載のデオキシリボヌクレオシド誘
    導体の合成法。
  6. 【請求項6】 前記求核試薬がハロゲン化物である請求
    項1記載のデオキシリボヌクレオシド誘導体の合成法。
  7. 【請求項7】 前記求核試薬がリチウムのハロゲン化物
    である請求項6記載のデオキシリボヌクレオシド誘導体
    の合成法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1997026270A3 (en) * 1996-01-16 1997-11-20 Ribozyme Pharm Inc Synthesis of methoxy nucleosides and enzymatic nucleic acid molecules
JP2005272435A (ja) * 2004-02-26 2005-10-06 Mitsui Chemicals Inc N4−アシルシチジン誘導体の金属塩、およびこの金属塩を用いるn4−アシルシチジン誘導体の製造方法
WO2008075747A1 (ja) 2006-12-21 2008-06-26 Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. 圧縮機

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JP2005272435A (ja) * 2004-02-26 2005-10-06 Mitsui Chemicals Inc N4−アシルシチジン誘導体の金属塩、およびこの金属塩を用いるn4−アシルシチジン誘導体の製造方法
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