JPH071859B2 - 弾性表面波フィルタ - Google Patents

弾性表面波フィルタ

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JPH071859B2
JPH071859B2 JP63056245A JP5624588A JPH071859B2 JP H071859 B2 JPH071859 B2 JP H071859B2 JP 63056245 A JP63056245 A JP 63056245A JP 5624588 A JP5624588 A JP 5624588A JP H071859 B2 JPH071859 B2 JP H071859B2
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正 神田
洋 清水
勇次 鈴木
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国際電気株式会社
清水 郁子
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Description

【発明の詳細な説明】 (発明の属する技術分野) 本発明は、弾性表面波フィルタに関し、特にエネルギー
閉じ込め形2端子対弾性表面波共振子の多重モード共振
を利用した広い通過帯域特性を有する弾性表面波フィル
タに関するものである。
(従来の技術) 圧電基板上のすだれ状変換器(Interdigital Transduce
r,以下IDTと略記する)の両側に、格子状反射器を有す
るエネルギー閉じ込め形弾性表面波共振子およびフィル
タは、摂動論とモード結合理論に基づいて設計される。
このようなエネルギー閉じ込め形弾性表面波共振子は、
通常第1図(a)に示すように、圧電基板1の表面中央部
に設けられたIDT2の両側に周期的構造の格子状のグレー
ティング(格子状)反射器3が配置された構成を有して
いる。このような構成において、IDT2によって励振され
た弾性表面波は、両側の格子状反射器3によって多重反
射されて定在波となり、そのエネルギーの大部分が両側
の格子状反射器3の間に閉じ込められる。このとき弾性
表面波の伝搬方向(縦方向、矢印で図に示す)にキャビ
ティが構成されているため、例えば、定在波の包絡線が
第1図(b)の4に示すような変位分布をもつ縦0次共振
モードが励起される。7は1端子対(1port)の入力端
子である。IDT2の対数は、通常、数10対以上多数設けら
れるが第1図の場合省略して2対のみ示してある。第1
図以降の図面も対数を省略して示す。
圧電基板1の材料は、通常、タンタル酸リチウム(LiTaO
3),ニオブ酸リウチウム(LiNbO3),水晶等の圧電単結晶
基板,PZT系圧電セラミックス基板、又は例えばシリコン
基板上に酸化亜鉛(ZnO),窒化アルミ(AlN)等の圧電
薄膜をスパッタリング等で形成したものが用いられ、ID
T2およびグレーティング反射器3の電極材料には、通常
アルミニュウム(Al)等が使用される。
弾性表面波共振子でフィルタを構成する場合、第1図に
示した1端子対弾性表面波共振子のIDT2を2つ、または
それ以上に分割して入力IDTと出力IDTとにした単一の共
振モードを有する2端子対共振子を、複数個縦続接続す
る構成が知られている。即ち弾性表面波共振子を2端子
対とし段単接続する構成である。
まず、単一共振モードを有する2端子対共振子は、次の
ような電極構成と共振モードを有する。
第2図(a)は、IDTを2分割した形で電極対数の相等しい
入力IDT2Aと出力IDT2Bとを格子反射器3の間に設けた2
端子対弾性表面波共振子の電極構成例であり、7は入力
端子、8は出力端子である。なお、第2図以降では、圧
電基板1の図示は省略する。第2図(b)は、第1図(b)と
同様に変位分布を示す。
一般に、エネルギー閉じ込め形2端子対共振子におい
て、格子状反射器3の間のIDT対数を多くすると共振子
の容量比γ(共振周波数と反共振周波数の差の逆数に比
例する値)が小さくなり、フィルタを構成した時に通過
帯域幅が広くとれることが知られている。
第2図に示す2端子対弾性表面波共振子の利用する共振
モードは、第1図の場合と同様に縦0次モード4である
が、通過帯域幅を広くするためにIDT2Aおよび2Bの対数
を多くすると、第2図(b)の5に示すような非調和高次
の縦1次モードが存在するようになり、フィルタを構成
したときにスプリアスとなって帯域を広くするにも限界
があり、圧電基板がXcut−112゜Y伝搬LiTaO3の場合、
最大比帯域幅が約0.26%程度であった。
第3図は、格子状反射器3の間のIDTを3分割した形
で、その中央のIDTを入力IDT2Dとし、その両側の電極対
数が相等しいIDT2Cと2Eは電気的に並列接続して出力IDT
とした入力端子7と出力端子8を有する2端子対弾性表
面波共振子の電極構成例と、縦方向共振モードの変位分
布である。第3図の場合、出力IDT2Cと2Eが中央の入力I
DT2Dに対して対称に配置させることによって、第2図
(b)に示した縦1次モード5を抑圧し、利用する縦0次
モード4だけを励起しようとしたものである。この単一
共振モード2端子対共振子は、弾性表面波フィルタとし
て用いられる。しかし、このような3つのIDTを有する
弾性表面波フィルタを、さらに通過帯域幅を広くするた
め、両側の格子状反射器3の相互間隔を広げてIDTの電
極対数を多くすると図に示すような縦2次共振モード6
が現れ、これがスプリアスとなってフィルタの広帯域化
に限界があり、圧電基板がXcut−112゜Y伝搬LiTaO3
場合、最大比帯域幅が約0.29%程度であった。
次に、上述した単一モード2端子対共振子を複数個縦続
接続して弾性表面波フィルタを構成する場合の従来例を
説明する。
第4図は、第3図の単一モード弾性表面波共振子を2段
縦続接続した2重モードフィルタの構成例を示す。接続
段数は2段に限らずそれ以上でもよい。第4図におい
て、2C,2D,2E,3,7,8は第3図の場合と同じである。
第4図のように同一圧電基板1(図示は略)上に同一構
造の単一モード共振子2個を弾性表面波の伝搬方向で平
行でかつ互いに音響結合しないような間隔で並設し、中
央のIDT2Dをそれぞれ入力IDT,出力IDTとし、その両側の
IDT2C,2Eをすべて電気的に並列接続した場合、それぞれ
の2端子対共振子の伝搬方向と直角な方向(横方向)
に、IDTの電極指が交叉する領域で周期的電極指による
反射と摂動によって弾性表面波の伝搬速度がその両側の
領域より低下して弾性表面波導波路が構成されて、第4
図(c)に示すような共振モードを有し、それぞれ対称モ
ード9と反対称モード10が互いに独立して存在する。こ
のような構成では、対称モード9と縦0次モード4との
組み合せによる対称縦0次モードと、反対称モード10と
縦0次モード4との組み合わせによる反対称縦0次モー
ドとの2重モードが利用され、しかも反対称縦0次モー
ドの反共振周波数と、対称縦0次モードの共振周波数が
一致するため、特別な周波数合わせをしなくても、反対
称縦0次モードの共振周波数から対称縦0次モードの反
共振周波数までを通過帯域とする2重モード弾性表面波
フィルタが実現できる。しかし、この2重モード弾性表
面波フィルタの通過帯域を広げるため、両側の格子状反
射器3の相互間隔を広げてIDT対数をさらに多くする
と、第3図と同様に縦2次モード6が存在するようにな
り、このモードに起因するスプリアスが発生するためフ
ィルタの広帯域化には限界があった。
(発明の目的) 本発明の目的は、従来スプリアスとして扱われていた縦
2次モードを利用し周波数合わせを行うことにより、通
過帯域幅の広い2重モード弾性表面波フィルタ、および
4重モード弾性表面波フィルタを提供することにある。
(発明の構成と作用) 本発明は、縦0次モードを利用する単一モード2端子対
弾性表面波フィルタの両側の格子状反射器の相互間隔を
広げてその間のIDT対数を多くし、ある対数以上になっ
たとき新たに励起される縦2次モードを有効活用する手
段を設定して通過帯域幅の広い2重モード2端子対弾性
表面波フィルタを実現したものであり、圧電基板と、該
圧電基板の中央に配置された入力側IDTと、該入力側IDT
の両側に配置され並列接続された前記入力側IDTとほぼ
等しい電極対数を有する出力側IDTと、該出力側IDTの両
側に配置された格子状反射器とを備えて、弾性表面波の
伝搬方向に励起される縦0次共振モードを利用するエネ
ルギー閉じ込め形2端子対弾性表面波フィルタにおい
て、 前記入力側IDTおよび2つの出力側IDTの全体の電極対数
を縦2次共振モードが励起される対数以上に設定し、か
つ、前記反射器の格子ピッチPに対する電極膜厚Hの比
(H/P)を前記縦0次共振モードの共振周波数と前記縦
2次共振モードの反共振周波数の正規化周波数差が0.00
05より小さくなるように設定したことを特徴とするもの
である。
以下図面により本発明を詳細に説明する。
第5図(a),(b)は、本発明による2重モード2端子対弾
性表面波フィルタの実施例の電極の構成例と、縦0次モ
ード(M0)4と縦2次モード(M2)6の変位分布を示す。
第5図(a)において、格子状反射器3の間の7を入力端
子とする入力IDT2Gと、8を出力端子とする並列接続さ
れた出力IDT2Fと2Hの電極対数は、第4図に示した従来
のIDTの電極対数より多いので第5図では3対ずつで示
してあるが、実際には多数対形成される。また、IDT電
極指のピッチ11は反射器3の格子ピッチ12より若干小さ
く設定される。すなわち、IDTの放射コンダクタンスが
最大になる周波数と反射器のストップバンド(反射器が
反射し得る周波数帯域幅)の中心周波数とが一致するよ
うなピッチに設定される。さらに、両側反射器3の相互
間隔Lの中心に関して左右対称の電極構成とするため、
IDTの相互間隔14およびIDTと反射器3の相互間隔13はそ
れぞれ等しく形成される。また、IDTと反射器3の間隔1
3は、通常反射器3の格子ピッチ12と等しく設定され
る。第5図(c),(d)は、第5図(a)に示した実施例のIDT
電極部の他の変形例を示す。第5図(c)は、IDT間隔14が
0の場合すなわち互いに近接する接地側電極指を共通電
極指とした場合の例であり、第5図(d)は、IDT間隔14が
IDT電極指ピッチ11の2倍になるように共通接続された
接地側電極指を1本増やした場合の例を示す。この場合
接地側電極指を1本増やす代りに全面電極指としてもよ
い。
第6図は、第5図の実施例における2つのモードM0とM2
のそれぞれ共振周波数(fr)16,18と反共振周波数(fa)15,
17の両反射器間の全体のIDT対数に対する関係を示す。
この時の正規化膜厚H/P(H:電極の膜厚,P:反射器3の格
子ピッチ12)は0.06である。また縦軸はf0=v/2P(v:自
由表面の表面波速度)で正規化した周波数であり、横軸
のIDT対数は両反射器の間隔Lに入り得る最大のIDT対数
である。即ち、言い換えれば、両反射器の間隔Lを全体
のIDT対数で表したものである。以下特に断らない限り
この意味で使用する。第6図に於いて、IDT対数が約70
対以下では、第5図の共振子は縦0次モードM0のみの単
一モードであり、約70対以上では縦2次モードM2が現れ
てくる。また縦0次モードM0の共振周波数16と縦2次モ
ードM2の反共振周波数17との差はIDT対数が多くなるに
従って小さくなる。
第7図は、第5図の実施例における縦0次モードM0と縦
2次モードM2のそれぞれの共振周波数(fr)16,18と反共
振周波数(fa)15,17の膜厚依存度を示したものでIDT対数
は150対の場合である。第7図において、電極膜厚が厚
くなる(H/Pが大きくなる)につれて、それぞれのモー
ドM0,M2の容量比が小さくなり、共振周波数frと反共振
周波数faとの差が大きくなるとともに、それぞれの周波
数は低くなる傾向を示す。
本発明では、第6図と第7図の特性で示される縦2次モ
ードM2の反共振周波数17と縦0次モードM0の共振周波数
16の周波数差が小さくなることに着目し、例えば、正規
化膜厚(H/P)を0.06に設定し、その値における両反射
器間の全IDT対数を第6図に示したように240対に設定す
ることにより、縦0次モードM0の共振周波数frと縦2次
モードM2の反共振周波数faを近づけて正規化周波数の周
波数差が0.0005以下になるようにする。このように、ID
T対数と膜厚を予め設定することによってスプリアスと
して扱われていた縦2次モードM2を通過帯域幅を広げる
ために有効活用できることを発見したのである。
IDT対数と膜厚の選定はいずれを先に設定してもよい。
第7図でH/Pを0.07に設定すれば、第6図でのIDT対数が
210程度となることが示されている。
即ち、圧電基板の材質,種類にそれぞれ対応するIDT対
数と電極膜厚を設定することにより、縦0次モードM0
共振周波数frと縦2次モードM2の反共振周波数faの周波
数差を小さくし、通過帯域幅の広い2重モード2端子対
弾性表面波フィルタを実現したのである。
本実施例では圧電基板はXcut−112゜回転Y伝搬LiTaO3
を用いた場合、比帯域幅が約0.40%得られた。
さらに、本発明では、以上の技術思想に基づき、上述の
2重モード2端子対弾性表面波フィルタ2個を同一の圧
電基板上に並設し、電気的に縦続接続することによって
4つの共振モードを組み合わせて有効活用する手段を設
定し、通過帯域幅が広く、帯域外減衰量の優れた4重モ
ード弾性表面波フィルタを実現したものであり、前述の
2重モード2端子対弾性表面波フィルタの電極構成を有
する第1の電極構造列と、該第1の電極構造列と線対称
の電極構造を有し弾性表面波の伝搬方向が平行でかつ互
いに音響結合しないように弾性表面波の波長の3倍以上
の間隔で同一圧電基板上に並設された第2の電極構造列
とから構成され、 前記第1の電極構造列の中央のIDTを入力変換器とし、
前記第1の電極構造列の前記入力側IDTの両側の出力側I
DTと前記第2の電極構造列の両側の出力側IDTのそれぞ
れ相対する電極が共通接続され、前記第2の電極構造列
の中央のIDTを出力IDTとし、 弾性表面波の伝搬方向に励起される縦2次共振モード,
縦0次共振モードと、弾性表面波の伝搬方向と直角方向
に生ずる反対称モード,対称モードとが組み合わされ周
波数の低い方から順次配列される反対称縦2次モード,
対称縦2次モード,反対称縦0次モード,対称縦0次モ
ードの4つのモードの隣りあう3箇所のそれぞれ反共振
周波数と共振周波数との正規化周波数差を、前記第1お
よび第2の電極構造列のそれぞれに対して、全体のIDT
対数,正規化膜厚,全体のIDT対数に対する中央のIDT対
数の割合,IDTの相互間隔を設定することによって0.0005
より小さくしたことを特徴とするものである。
以下図面により本発明による4重モード弾性表面波フィ
ルタについて詳細に説明する。
第8図は、本発明による4重モード弾性表面波フィルタ
の実施例で、その電極構成と縦0次モード4,縦2次モー
ド6および対称モード9,反対称モード10の変位分布を示
した。第8図(a)に示した電極構成例は、図の上側の電
極構造列は第5図の本発明による2重モード2端子対弾
性表面波フィルタの構成と全く同じであり、下側の電極
構造列は、上側の構成と同一の形でもよいが、フィルタ
としての入力側と出力側のインピーダンス終端条件が等
しくなるような形として、2つの電極構造列の間の中心
線に関して線対称になるような電極構成を採用してい
る。そして2つの電極構造列は、平行でかつ、互いに音
響結合しない間隔(弾性表面波の波長の約3倍程度以
上)で揃えて配設される。即ち、上側の電極構造列の両
反射器3の間の中央にある入力IDT2Gを入力端子7から
励振し、その両側の電極対数のほぼ等しい(約1%程度
の差)IDT2Fと2Hとを並列接続した上側電極構造列の出
力側と、下側電極構造列の3組のIDTの両側のIDTを並列
に接続した入力側とを電気的に共通接続し、中央のIDT
の出力が出力端子8から取り出される。なお、IDTと反
射器の間隔13とIDT相互の間隔14は第5図同様それぞれ
相等しく、第5図(c),(d)に示した変形例と同様なIDT電
極構成を形成することもできる。
第8図に示す本発明による構成例では、縦0次モード4
及び縦2次モード6とは独立に対称モード9と反対称モ
ード10が存在し、これらの4つのモードを組合わせた反
対称縦2次モード(M2a),対称縦2次モード(M2s),反対
称縦0次モード(M0a)および対称縦0次モード(Mos)が存
在する。第4図の従来の方法では、M0aモードとMosモー
ドを利用し周波数合わせを必要としない2重モード弾性
表面波共振子フィルタであったが、前記4つのモードで
はM2aモードの反共振周波数faとM2sモードの共振周波数
fr、M2sモードの反共振周波数faとM0aモードの共振周波
数frおよびM0aモードの反共振周波数faとM0sモードの共
振周波数frをそれぞれ一致させる周波数合わせを必要と
する。従って、第8図の構成例にて、前記3組の周波数
合わせを行うことにより、4重モード弾性表面波共振子
フィルタを実現することができる。
第9図は、4つの共振モードのリアクタンス特性例図で
ある。第9図に示すように、M2aモード22の反共振周波
数とM2sモード21の共振周波数fr(B点の近傍)、M2s
ード21の反共振周波数faとM0aモード20の共振周波数fr
(C点の近傍)、M0aモード20の反共振周波数faとM0s
ード19の共振周波数fr(D点の近傍)がそれぞれ一致す
れば、M2aモード(周波数が最も低いモード)22の共振
周波数A点からM0sモード(周波数が最も高いモード)1
9の反共振周波数E点までを通過帯域とする4重モード
フィルタが実現できることがイメージパラメータ理論に
より明らかである。
従来から行われている第4図の2重モードフィルタに於
いては、縦2次モード6はスプリアスとして扱われてお
り、これらのモードの影響を減らすようにフィルタの設
計が行われていた。このスプリアスとして扱われていた
縦2次モード6を、IDT対数,入出力IDT対数の割合,IDT
間隔及び膜厚の条件を見い出すことによって、周波数合
わせを行い、縦0次モード4と縦2次モード6の両方を
利用した4重モードフィルタを実現したのが本発明であ
る。
第8図および第9図におけるM2a,M2s,M0a,M0sの各モー
ドの共振周波数frと反共振周波数faは、IDT対数,IDT間
隔,入出力IDT対数の割合〔第5図に於いて中央のIDTの
対数が全体のIDT対数に占める割合(但し、中央に対し
左右対称とする。)すなわち2つの共振子の結合の度合
いを示すことになる。〕および膜厚に依存する。以下、
各要素の依存度について説明する。
第10図は、膜厚H/P=0.06,全体のIDT対数に対する中央
のIDT対数の比が0.29,IDT間隔14をIDT電極指のピッチ11
の4倍の場合の全体のIDT対数に対する前記4つのモー
ドの共振,反共振周波数の関係を示す。この図からM2s
モードとM2aモードの変化率はM0sモードとM0aモードの
変化率に比べて大きく、IDT対数を243対とすれば、M2s
モードの反共振周波数27とM0aモードの共振周波数26を
一致させることができる。即ち、図で示されるように全
体のIDT対数が215〜275対のときM0aモードの共振周波数
26とM2sモードの反共振周波数27の正規化周波数の差が
0.0005以内となり実用領域であることがわかる。
第11図は、全体のIDT対数が180対のとき膜厚を変えて周
波数合わせをするときの特性を示すものであり、全体の
IDT対数に対する中央のIDT対数の比が0.33,IDT間隔14が
IDT電極指のピッチ11の4倍の時の膜厚に対する各モー
ドの共振,反共振周波数の関係を示しており、膜厚が厚
くなると前記4つのモードの周波数は低下し、M2sモー
ドの反共振周波数27とM0aモードの共振周波数26の周波
数差が小さくなる傾向を示す。
この図から、全体のIDT対数を200以上にすれば、正規化
膜厚が0.07のときM0aモードの共振周波数26とM2sモード
の反共振周波数27の正規化周波数の差が0.0005程度の実
用領域になることがわかる。
第12図は、全体のIDT対数が180対のときの中央のIDT対
数の全体のIDT対数に対する割合を変えたときの特性を
示すものであり、正規化膜厚H/P=0.06,IDT間隔14がIDT
電極指のピッチ11の4倍のときの、中央のIDT対数が全
体のIDT対数に占める割合と、前記4つのモードの共
振,反共振周波数との関係を示す。この図によって、中
央のIDT対数の全体のIDT対数に占める割合が0.27〜0.31
のとき、M2aモードの反共振周波数29とM2sモードの共振
周波数28,M0aモードの反共振周波数25とM0sモードの共
振周波数24とをそれぞれ近づけて正規化周波数の差が実
用領域になることがわかる。
第13図は、膜厚H/P=0.06,IDT対数250対,全体のIDT対
数に対する中央のIDT対数の比が0.28の場合、IDT間隔
(第8図の14)と前記4つのモードの共振,反共振周波
数の関係を示しており、IDT間隔14が4〜8(×P)の
とき、M2sモードの反共振周波数27とM0aモードの共振周
波数26との周波数合わせができて実用領域になることが
わかる。
以上まとめると、M2sモードの反共振周波数27とM0aモー
ドの共振周波数26との周波数を一致させるには、IDT対
数,膜厚,IDT間隔の3つの要素が条件となり、M2aモー
ドの反共振周波数29とM2sモードの共振周波数28およびM
0aモードの反共振周波数25とM0sモードの共振周波数24
の周波数を一致させるには、中央のIDT対数が全体のIDT
対数に占める割合が条件となる。
従って、フィルタの設計に於いて、前記3組の周波数合
わせを行うための条件は多様になるが、膜厚を厚くした
場合、第11図によってM2sモードの反共振周波数27とM0a
モードの共振周波数26はそれぞれ低下する傾向にある
が、その周波数差は縮まる傾向にあるため、その分IDT
対数は少なくてよいことがわかる。また、第12図により
M2aモードの反共振周波数29とM2sモードの共振周波数2
8、およびM0aモードの反共振周波数25とM0sモードの共
振周波数24は入出力IDTの割合を0.27〜0.31変えること
により行えばよいことがわかる。
前記の周波数合わせの条件は、第12図の2組24と25およ
び28と29と第13図の1組26と27合計3組の周波数がそれ
ぞれ全て一致した時がフィルタの最適条件であるが、多
少ずれた場合は帯域内のリップルとして現れる。しか
し、そのリップルが許容範囲以内であれば、その分ずれ
ても差し支えない。また、帯域内リップルは入出力終端
インピーダンスによってもある程度調整できることは云
うまでもない。
従って、第8図の構成に於いて、フィルタの構成要素で
ある第5図の2重モード共振子では、実用上の膜厚がH/
P=0.005〜0.08の場合全体のIDT対数は、90対以上必要
であるが、この2重モード共振子を2段縦続接続した第
8図の4重モードフィルタでは、おおむね120対以上は
必要となる。
第14図は、本発明による第8図の4重モード弾性表面波
フィルタの伝送特性例を示す。比帯域幅が約0.40%であ
り、従来の約0.26%に比べて約1.5倍の帯域幅が得られ
た。この場合の4つの条件は、膜厚H/P=0.06,IDT対数
=240対,入出力IDTの割合=0.29,IDT間隔=4Pである。
以上の実施例は、Xcut−112゜回転Y伝搬LiTaO3(タン
タル酸リチウム)での例であるが、伝搬媒質である圧電
基板がLiNbO3(ニオブ酸リチウム),水晶等の場合、そ
れぞれ材料定数が異なるため、最適な膜厚,IDT対数,IDT
間隔,入出力IDT対数の割合の値は変わるが、第5図の
2重モード2端子対弾性表面波フィルタ及び第8図の構
成のような4重モード共振子フィルタが実現できること
は明らかである。
(発明の効果) 以上詳細に説明したように、スプリアスとなる縦2次モ
ードのためにIDT対数が制限された単一モード共振子を
2個縦続接続した従来の構成による2重モードフィルタ
では、比帯域幅を広くとることができず、約0.26%程度
が限界であったのに比べて、本発明によれば、1つの共
振子を2重モードフィルタとし、またそれを2段縦続接
続することによって4重モード弾性表面波フィルタと
し、従来スプリアスとして扱われてきたモードを積極的
に利用してこれらのモードの周波数合わせをすることに
より、従来の約1.5倍,約0.4%の広い通過帯域をもつフ
ィルタが実現でき、しかも小形になるため実用上の効果
は大きいことは明らかである。
【図面の簡単な説明】
第1図は1端子対弾性表面波共振子の電極構成例図、第
2図は従来の2端子対単一モード弾性表面波フィルタの
電極構成例図、第3図は従来の2端子対単一モード弾性
表面波共振子の電極構成例図、第4図は従来の単一モー
ド弾性表面波共振子を2個縦続接続した2重モード弾性
表面波フィルタの構成例図、第5図は本発明の2端子対
2重モード弾性表面波フィルタの電極構成例図、第6図
は第5図の構成による2端子対弾性表面波共振子におけ
るモードとIDT対数の特性図、第7図は第5図の構成に
よる2端子対弾性表面波共振子におけるモードの膜厚依
存特性図、第8図は本発明の4重モード弾性表面波フィ
ルタの電極構成例図、第9図は第8図の構成におけるリ
アクタンス特性図、第10図は第8図の構成における4つ
のモードの共振周波数,反共振周波数のIDT対数依存特
性例図、第11図は第8図の構成における4つのモードの
共振周波数,反共振周波数の膜厚依存特性図、第12図は
第8図の構成における4つのモードの共振周波数,反共
振周波数の入出力IDT対数割合依存特性図、第13図は第
8図の構成における4つのモードの共振,反共振周波数
のIDT間隔依存特性図、第14図は本発明の4重モード弾
性表面波フィルタの伝送特性例図である。 1……圧電基板、2,2A〜2H……IDT(Interdigital Tran
sducer,すだれ状変換器)、3……グレーティング(格
子状)反射器、4……縦0次モード変位分布(M0)、5…
…縦1次モード変位分布(M1)、6……縦2次モード変位
分布(M2)、7……入力端子、8……出力端子、9……対
称モード変位分布、10……反対称モード変位分布、11…
…IDT電極指のピッチ、12……反射器の格子ピッチ、13
……反射器とIDTとの間隔、14……IDT相互間隔、15……
縦0次モード反共振周波数、16……縦0次モード共振周
波数、17……縦2次モード反共振周波数、18……縦2次
モード共振周波数、19……対称縦0次モードリアクタン
ス特性、20……反対称縦0次モードリアクタンス特性、
21……対称縦2次モードリアクタンス特性、22……反対
称縦2次モードリアクタンス特性、23……対称縦0次モ
ード反共振周波数、24……対称縦0次モード共振周波
数、25……反対称縦0次モード反共振周波数、26……反
対称縦0次モード共振周波数、27……対称縦2次モード
反共振周波数、28……対称縦2次モード共振周波数、29
……反対称縦2次モード反共振周波数、30……反対称縦
2次モード共振周波数。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−3307(JP,A) 特開 昭61−144910(JP,A) 江畑奏男、越野昌芳「四ホウ酸リチウム 基板を用いたSAW共振フィルタ」電子情 報通信学会創立70周年記念総合全国大会 (昭和62年)93,PP.1−93

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】圧電基板と、該圧電基板の中央に配置され
    た入力側IDTと、該入力側IDTの両側に配置され並列接続
    された前記入力側IDTとほぼ等しい電極対数を有する出
    力側IDTと、該出力側IDTの両側に配置された格子状反射
    器とを備えて、弾性表面波の伝搬方向に励起される縦0
    次共振モードを利用するエネルギー閉じ込め形2端子対
    弾性表面波フィルタにおいて、 前記入力側IDTおよび2つの出力側IDTの全体の電極対数
    を縦2次共振モードが励起される対数以上に設定し、か
    つ、前記反射器の格子ピッチPに対する電極膜厚Hの比
    (H/P)を前記縦0次共振モードの共振周波数と前記縦
    2次共振モードの反共振周波数の正規化周波数差が0.00
    05より小さくなるように設定したことを特徴とする2重
    モード2端子対弾性表面波フィルタ。
  2. 【請求項2】前記圧電基板はXカット112゜回転Y伝搬
    タンタル酸リチウムで形成され、 前記全体のIDT対数を210対以上とし、 前記H/Pを0.05〜0.07の範囲にしたことを特徴とする請
    求項1記載の2重モード2端子対弾性表面波フィルタ。
  3. 【請求項3】請求項1記載の2重モード2端子対弾性表
    面波フィルタの電極構成を有する第1の電極構造列と、
    該第1の電極構造列と線対称の電極構造を有し弾性表面
    波の伝搬方向が平行でかつ互いに音響結合しないように
    弾性表面波の波長の3倍以上の間隔で同一圧電基板上に
    並設された第2の電極構造列とから構成され、 前記第1の電極構造列の中央のIDTを入力変換器とし、
    前記第1の電極構造列の前記入力側IDTの両側の出力側I
    DTと前記第2の電極構造列の両側の出力側IDTのそれぞ
    れ相対する電極が共通接続され、前記第2の電極構造列
    の中央のIDTを出力IDTとし、 弾性表面波の伝搬方向に励起される縦2次共振モード,
    縦0次共振モードと、弾性表面波の伝搬方向と直角方向
    に生ずる反対称モード,対称モードとが組み合わされ周
    波数の低い方から順次配列される反対称縦2次モード,
    対称縦2次モード,反対称縦0次モード,対称縦0次モ
    ードの4つのモードの隣りあう3箇所のそれぞれ反共振
    周波数と共振周波数との正規化周波数差を、前記第1お
    よび第2の電極構造列のそれぞれに対して、全体のIDT
    対数,正規化膜厚,全体のIDT対数に対する中央のIDT対
    数の割合,IDTの相互間隔を設定することによって0.0005
    より小さくしたことを特徴とする4重モード2端子対弾
    性表面波フィルタ。
  4. 【請求項4】請求項3記載の圧電基板はXカット112゜
    回転Y伝搬タンタル酸リチウムで形成され、 前記全体のIDT対数を215〜275,前記正規化膜厚を0.05〜
    0.07の範囲,前記全体のIDT対数に対する中央のIDT対数
    の割合を0.27〜0.31の範囲,前記IDTの相互間隔を該IDT
    の電極ピッチの4〜8倍の範囲にしたことを特徴とする
    請求項3記載の4重モード2端子対弾性表面波フィル
    タ。
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