JPH0718601A - 防錆レール - Google Patents

防錆レール

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JPH0718601A
JPH0718601A JP15978893A JP15978893A JPH0718601A JP H0718601 A JPH0718601 A JP H0718601A JP 15978893 A JP15978893 A JP 15978893A JP 15978893 A JP15978893 A JP 15978893A JP H0718601 A JPH0718601 A JP H0718601A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 塩害腐食や環境腐食などの腐食に対して優れ
た防食性能および長期耐久性を有し、腐食によるレール
寿命の短縮を防ぐことのできる防錆レールを提供する。 【構成】 レール素地上に、防錆塗料組成物を塗布して
なる有機被覆層を形成し、該有機被覆層上に防錆顔料を
含む液状組成物が基材に担持されてなる防食材を施工し
てなる防錆材層を有してなることを特徴とする防錆レー
ルである。 【効果】 腐食によるレール寿命の短縮を防ぐことがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な防錆レールに関
する。詳しく述べると、鉄道レールにおける、塩害腐
食、環境腐食などの腐食によるレール寿命の短縮を防止
するための防錆レールに関するものである。
【0002】
【従来の技術】鉄道は、軌道によってガイドされる車両
を動力によって運行し、旅客や貨物を運搬する輸送機関
である。このうちの軌道の最も基本的な構成部品である
レールは、その形状変化や損傷により、列車の走行安全
性や乗心地に直接的かつ重大な影響を及ぼすものであ
る。
【0003】こうしたレールの減耗によるレール寿命の
主要な支配因子は摩耗であり、一般的な環境では、腐食
による減耗が寿命に及ぼす影響は小さい。しかしなが
ら、海底トンネルのような厳しい腐食環境下では、腐食
による減耗が、レール寿命のかなり支配的な因子とな
る。また、環境の腐食性が強いほど、摩耗量も増大する
という調査結果も報告されている(宮本俊光、渡辺偕年
編(1980)、線路−軌道の設計・管理−,p43〜
73,p133〜166)。
【0004】したがって、レールに対しては、動荷重に
対する十分な強度が要求され、腐食性環境におけるレー
ルの防錆対策なども重要なものであることから、耐摩耗
性、耐食性、溶接性などが要求される。
【0005】こうした設計思想に基づいて作られた現用
レールとしては、高炭素綱(C:0.6〜0.82%、
Mn:1.1%以下)を用いた一般用の普通レールの他
に、普通レールの頭部に焼入れ焼戻しを施し、ソルバイ
ト組織にした急曲線の外側レールに用いられる熱処理硬
頭レール、普通レールの継ぎ目部に用いられる端頭部熱
処理レールなどが用いられている。
【0006】しかしながら、こうした耐摩耗性、耐食
性、溶接性などを施した現用レールをもってしても、極
めて厳しい腐食環境下にたえず晒されるような新幹線の
新関門トンネル内などでのレールにおいては、海水によ
る塩分、高湿度などの原因により、非常に多くの腐食が
発生している。その結果、特に条件の悪い箇所になる
と、金槌などでレールの腹部を叩くとレールの腐食部分
がボロボロと剥がれ落ち、通常のレール寿命ではレール
の最大摩耗が一定量摩耗(通常、摩耗14〜15mmで
交換)した時点で交換しているものが、現状では、該レ
ールの摩耗よりも先に腐食により早期交換(ただし、レ
ールの波状摩耗の修正のためレール上面を研削すること
があり、最悪の場合、3〜5年程度で交換することがあ
る)を余儀なくされている。さらに近年ではレール自身
の改良が進みレールの耐摩耗性が向上する傾向にあるこ
とから、より腐食による早期交換に対する改善が望まれ
ている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は、新規な防錆レールを提供することにある。
【0008】本発明の他の目的は、塩害腐食や環境腐食
などの腐食に対して優れた防食性能および長期耐久性を
有し、腐食によるレール寿命の短縮を防ぐことのできる
防錆レールを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記諸目
的を達成するために、新規な防錆レールについて鋭意研
究を重ねた結果、レールに対し、塩害腐食、環境腐食な
どの腐食に対して優れた防食性能付与の観点から、レー
ル素地上に防錆性能を有する有機被膜を形成することで
レール素地への密着性が高められ、かつ外界からの腐食
性物質の侵入を遮断する塗膜性能が得られ、さらに該有
機被膜上に長期耐久性付与の観点から、防錆顔料を含む
樹脂コンパウンドが基材に担持されてなる防食材を施工
することでレール形状に合せて強固な膜厚を形成でき、
さらにレールの伸縮に追従できることを知り、この知見
に基づき本発明を完成するに至ったものである。
【0010】すなわち、本発明の目的は、レール素地上
に、防錆塗料組成物の塗布による有機被覆層を有し、該
有機被覆層上に防錆顔料を含む液状組成物が基材に担持
されてなる防食材の施工による防錆材層を有してなるこ
とを特徴とする防錆レールにより達成できる。
【0011】
【作用】本発明の防錆レールは、レール素地上に、防錆
塗料組成物を塗布してなる有機被覆層を有し、該有機被
覆層上に防錆顔料を含む樹脂コンパウンドが基材に担持
されてなる防食材を施工してなる防錆材層を有してなる
ことを特徴とする。 以下、本発明について詳述する。
【0012】まず、本発明に用いられるレールとして
は、特に限定されるものでなく、現在用いられているす
べてのレールに適用できるものであり、例えば、高炭素
綱(C:0.6〜0.82%、Mn:1.1%以下)を
用いた一般用の普通レール、普通レールの頭部に焼入れ
焼戻しを施し、ソルバイト組織にした急曲線の外側レー
ルに用いられる熱処理硬頭レール、普通レールの両端継
目付近を熱処理し、微細なパーライト組織にした継目軌
道に用いられる端頭部熱処理レールおよびオーステナイ
ト系マンガン綱(C:1%、Mn:13%)を用いた分
岐器のクロッシングに多用される高マンガン綱クロッシ
ングなどが挙げられる。
【0013】次に上記レール素地上に有機被覆層を形成
する前に、該レール素地面は適切に素地調整が施されて
いることが好ましい。該素地調整は、塗装に先立ち金属
面に付着している油脂などの汚れ、水分などを除去する
ものである。すなわち汚れの存在により正常な塗膜形成
を妨げると共に、塗膜の金属面への付着を阻害するから
であり、該素地調整としては、脱脂処理剤(アルカリ
型、エマルジョン型など)による処理、溶剤蒸気洗浄、
布ぶき清浄などの脱脂洗浄を行うことが望ましいもので
ある。
【0014】さらに被塗装面に錆が存在すると、塗膜下
腐食発生の原因となり、防食塗膜の耐久性が低下される
ことから、塗装前に完全に除去することが望ましい。こ
うした錆の除去の素地調整としては、、ケレン、ブラス
ト処理が機械的錆落とし法の中で信頼度の高いものであ
る。なかでも粉塵の害を少なくできるバキュームブラス
ト、ウエットブラスト、ウォータージェット工法などが
好ましい。この他にも化学的処理法として、塩酸、硫
酸、リン酸などの酸洗浄法などを用いることも可能であ
る。また、レール敷設現場における実施のように、ブラ
スト処理が不可能な場合は、動力工具、手工具(ワイヤ
ブラシなど)による錆落としであってもよい。
【0015】さらにレール素地面は、上記素地調整後に
適切な錆処理が施されていることが好ましい。該錆処理
は、既存の錆を良質の錆に転換するものであり、該錆処
理としては、例えば、ラストルB(商品名、ラステック
株式会社製)などの錆転換剤を塗布する方法等がある。
該錆転換剤の塗布により形成される塗膜の膜厚として
は、通常15〜50μm、好ましくは30〜50μm、
より好ましくは35〜50μmの範囲である。該塗膜の
膜厚が15μm未満の場合には、成膜不良により充分な
錆処理効果が得られず、また50μmを越える場合に
は、ワキ発生により好ましくない。
【0016】次に上記レール素地上に形成される有機被
覆層に用いることのできる防錆塗料組成物としては、レ
ール素地との密着性、防水性、防食性を有するものであ
れば特に制限されるものでなく、樹脂成分、溶剤および
顔料を必須成分とし、必要に応じて添加剤を含むもので
ある。
【0017】上記樹脂成分としては、防錆防食を目的に
使用される塗料に用いられる従来公知の樹脂成分であれ
ば、特に限定されるものでなく、例えば、アルキド樹
脂、アミノアルキド樹脂、アクリル樹脂、ビニル樹脂、
エポキシ樹脂、タールエポキシ樹脂、ポリウレタン樹
脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、ゴム系樹脂、
ケイ素樹脂、フッ素樹脂などが挙げられる。
【0018】また、上記樹脂成分としては、その含有量
を特に限定しないが、該塗料組成物の構成成分全体に対
して、通常57〜70重量%、好ましくは60〜70重
量%、より好ましくは60〜64重量%の範囲で用いら
れる。該樹脂成分が、50重量%未満の場合には、セッ
ティング時間が長くなることにより好ましくない。ま
た、該樹脂成分が、70重量%を越える場合には、高粘
度による塗装不良により好ましくない。
【0019】次に、本発明の防錆塗料組成物に用いられ
る溶剤は、樹脂成分を溶解し得る以上、特に限定され
ず、従来公知の溶媒を単独または混合して用いることが
できる。該溶媒としては、例えば、メタノール、エタノ
ール、ブタノール、イソプロピルアルコール、ジアセチ
ルアルコール等のアルコール、トルエン、キシレン、n
−ヘキサン等の芳香族炭化水素、アセトン、酢酸エチ
ル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート等のケトン、エ
ステル、またはエチレルセロソルブ、ブチルセロソルブ
等のグリコールエーテル等を挙げることができる。該溶
媒の種類および混合比は、用いる樹脂成分の種類等によ
って適宜選択される。
【0020】また、該溶媒は、その含有量を特に限定し
ないが、該塗料組成物の構成成分全体に対して、通常2
8〜42重量%、好ましくは30〜40重量%、より好
ましくは32〜40重量%の量で用いられる。該溶媒
が、28重量%未満の場合には、高粘度による塗装不良
により好ましくない。また、該溶媒が、42重量%を越
える場合には、ワキ発生などにより好ましくない。
【0021】また、本発明の防錆塗料組成物に用いられ
る顔料は、外界からの腐食性物質の侵入を遮断する塗膜
の機能を向上する目的で添加されるものであり、少なく
とも1種の防錆顔料を有している必要がある。
【0022】該防錆顔料としては、特に限定されるもの
でなく、例えば、鉛丹、亜酸化鉛、塩基性クロム酸鉛、
塩基性けいクロム酸鉛、シアンアミド鉛、鉛酸カルシウ
ム、塩基性硫酸鉛などの塩基性顔料、ジンククロメー
ト、クロム酸ストロンチウム、クロム酸バリウム、クロ
ム酸カルシウムなどの可溶性顔料、亜鉛末などの金属紛
顔料などが挙げられる。これらの防錆顔料は、通常、用
いる樹脂成分、溶剤などとの組合せなどにより適宜決定
されるものである。
【0023】また、該防錆顔料は、その含有量を特に限
定しないが、該塗料組成物の構成成分全体に対して、通
常5〜10重量%、好ましくは7〜10重量%、より好
ましくは8〜10重量%の量で用いられる。該防錆顔料
が、5重量%未満の場合には、防錆効果が充分に発揮さ
れず好ましくない。また、該防錆顔料が、10重量%を
越える場合には、添加量に見合っただけの防錆効果の向
上が得られず、経済的に好ましくない。
【0024】また上記防錆顔料以外にも本発明には、従
来公知の顔料を必要に応じて単独または混合して用いる
ことができる。該顔料としては、例えば、着色顔料、体
質顔料、雲母状酸化鉄粉、アルミニウム粉、ガラスフレ
ークなどが挙げられる。
【0025】本発明の防錆塗料組成物に用いられる着色
顔料としては、例えば、チタン白、亜鉛華、黄鉛、オー
カー、チタン黄、ハンザイエロー、クロムバーミリオ
ン、ベンガラ、トルイジンレッド、シンカシアレッド、
紺青、シアニンブルー、クロムグリーン、酸化クロム、
シアニングリーン、カーボンブラック、酸化鉄黒などが
挙げられるが、長期耐久性が要求されることから、こう
した耐候堅ろう度の高い顔料が好ましく、この点を考慮
に入れて色調を定めることが望ましい。
【0026】該着色顔料は、その含有量を特に限定しな
いが、該塗料組成物の構成成分全体に対して、通常2〜
5重量%、好ましくは3〜5重量%、より好ましくは3
〜4重量%の量で用いられる。該着色顔料が、2重量%
未満の場合には、色調および耐候堅ろう度の高さが充分
に発揮されず好ましくない。また、該着色顔料が、5重
量%を越える場合には、添加量に見合っただけの効果の
向上が得られず、経済的に好ましくない。
【0027】本発明の防錆塗料組成物に用いられる体質
顔料としては、例えば、炭酸カルシウム、硫酸バリウ
ム、クレー、タルク、シリカなどが挙げられ、これら
は、通常塗装性状、塗膜物性の調製の目的で添加される
ものである。
【0028】該体質顔料は、その含有量を特に限定しな
いが、該塗料組成物の構成成分全体に対して、通常30
〜45重量%、好ましくは35〜45重量%、より好ま
しくは35〜40重量%の量で用いられる。該体質顔料
が、30重量%未満の場合には、塗装性状、塗膜物性の
調製が充分に発揮されず好ましくない。また、該体質顔
料が、45重量%を越える場合には、添加量に見合った
だけの調製効果の向上が得られず、経済的に好ましくな
い。
【0029】本発明の防錆塗料組成物に用いられる雲母
状酸化鉄粉、アルミニウム粉およびガラスフレークは、
いずれもりん片状で塗膜面に平行に並び、塗膜の遮蔽機
能を向上させるものであり、さらに雲母状酸化鉄粉は、
層間付着性を確保する効果を有し、ガラスフレークは、
不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂などと組合せ
て、吹付け塗装、ロール塗装等により樹脂ライニングに
近い膜厚と防食性能を得るフレークコーティングに使用
できるものである。
【0030】本発明の防錆塗料組成物に用いられる添加
剤としては、上記樹脂成分を分散する際に使用する分散
剤として、例えば、カチオン性樹脂成分の場合にギ酸、
酢酸、乳酸、スルファミン酸などの酸類、アニオン性樹
脂成分の場合にアンモニア、アミン、無機アルカリなど
の塩基類および界面活性剤が挙げられる。
【0031】上述の防錆塗料組成物を適宜選択すること
でレール素地上に形成される有機被覆層としては、少な
くとも単一層を形成してあればよいが、該有機被覆層が
本発明の目的を達成するために必要な性能は多種類にな
るので、単一の塗料で目的を達成し得ることは少なく、
通常は、何種類かの塗料を塗り重ねて使用する場合が多
い。
【0032】該有機被覆層が単一層である場合に、該単
一層はレール素地との密着性、防錆性能および長期耐久
性を有する必要があることから、厚膜塗装が必要となる
場合が多く、該膜厚は、通常35〜500μm、好まし
くは150〜500μm、より好ましくは400〜50
0μmの範囲である。該膜厚が35μm未満の場合に
は、充分な長期耐久性を得ることができず、また500
μmを越える場合には、必要な塗膜性能は得られるが、
塗布、乾燥、硬化などの施工性が低下するため好ましく
ない。
【0033】また、有機被覆層が複数層である場合の最
も一般的な態様としては、レール素地との密着性、防錆
性能を有する下塗り層、該下塗り層上には、防錆材層と
下塗り層との付着性を助け、防錆性能の増加、塗膜物性
の改善を目的とする中塗り層を積層するものである。こ
の場合の下塗り層の膜厚は、通常15〜40μm、好ま
しくは30〜40μm、より好ましくは35〜40μm
の範囲である。該膜厚が15μm未満の場合には、成膜
不良により充分な防食性能が得られず、また40μmを
越える場合には、必要な塗膜性能は得られるが、塗布、
乾燥、硬化などの施工性が低下するため好ましくない。
また上塗り層の膜厚は、通常20〜45μm、好ましく
は30〜45μm、より好ましくは35〜45μmの範
囲である。該膜厚が20μm未満の場合には、充分な長
期耐久性を得ることができず、また45μmを越える場
合には、必要な塗膜性能は得られるが、塗布、乾燥、硬
化などの施工性が低下するため好ましくない。
【0034】また、上記防錆塗料組成物の塗装方法とし
ては、例えば、刷毛塗り、ローラー塗り、吹き付け塗
り、静電塗装、電着塗装、ロールコーター、カーテンフ
ローコーター、粉体塗装などの方法を、該レールの形
状、大きさなどを考慮して適宜選択する必要がある。
【0035】また、レール敷設現場での塗装の場合に
は、加熱硬化型塗料の使用は事実上、使用不可能である
ことから、常温硬化型塗料で速乾性の溶剤蒸発型塗料の
使用が適しており、該塗料を用いて、刷毛塗り、ローラ
ー塗り、吹き付け塗りなどの塗布方法により塗布され
る。この場合、敷設現場がトンネル内などの場合には、
使用する溶剤などの塗装環境を特に考慮する必要があ
る。
【0036】次に該有機被覆層上に施工される防錆材層
を構成する防食材に用いられる液状組成物としては、有
機被覆層との密着性、防水性、防食性、耐候性を有する
ものであれば特に制限されるものでなく、樹脂成分、溶
剤および少なくとも1種の防錆顔料を含む顔料を必須成
分とし、必要に応じて添加剤を含む液状組成物である。
【0037】したがって、該液状組成物に用いられる樹
脂成分、溶剤、少なくとも1種の防錆顔料を含む顔料お
よび添加剤としては、例えば、上述の有機被覆層に用い
ることのできる防錆塗料組成物の構成成分である樹脂成
分、溶剤、顔料および添加剤に用いられる成分を適宜選
択して組合せてなる液状組成物を用いることができる。
【0038】この場合の樹脂成分としては、その含有量
を特に限定しないが、該液状組成物の構成成分全体に対
して、通常50〜68重量%、好ましくは60〜68重
量%、より好ましくは60〜64重量%の範囲で用いら
れる。該樹脂成分が、50重量%未満の場合には、セッ
ティング時間が長くなることにより好ましくない。ま
た、該樹脂成分が、68重量%を越える場合には、高粘
度による基材への含浸などによる担持が十分でなく好ま
しくない。
【0039】また、溶媒は、その含有量を特に限定しな
いが、該液状組成物の構成成分全体に対して、通常30
〜50重量%、好ましくは30〜40重量%、より好ま
しくは32〜40重量%の量で用いられる。該溶媒が、
30重量%未満の場合には、高粘度による基材への含浸
などによる担持が十分でなく好ましくない。また、該溶
媒が、50重量%を越える場合には、ワキ発生などによ
り好ましくない。
【0040】また、防錆顔料は、その含有量を特に限定
しないが、該液状組成物の構成成分全体に対して、通常
6〜10重量%、好ましくは8〜10重量%、より好ま
しくは8〜9重量%の範囲で用いられる。該防錆顔料
が、6重量%未満の場合には、防錆効果が充分に発揮さ
れず好ましくない。また、該防錆顔料が、10重量%を
越える場合には、添加量に見合っただけの防錆効果の向
上が得られず、経済的に好ましくない。
【0041】さらに着色顔料は、その含有量を特に限定
しないが、該液状組成物の構成成分全体に対して、通常
3〜5重量%、好ましくは3〜4重量%、より好ましく
は3〜3.5重量%の量で用いられる。該着色顔料が、
3重量%未満の場合には、色調および耐候堅ろう度の高
さが充分に発揮されず好ましくない。また、該着色顔料
が、5重量%を越える場合には、添加量に見合っただけ
の効果の向上が得られず、経済的に好ましくない。
【0042】さらにまた体質顔料は、その含有量を特に
限定しないが、該液状組成物の構成成分全体に対して、
通常30〜50重量%、好ましくは35〜45重量%、
より好ましくは35〜40重量%の量で用いられる。該
体質顔料が、30重量%未満の場合には、塗装性状、塗
膜物性の調製が充分に発揮されず好ましくない。また、
該体質顔料が、50重量%を越える場合には、添加量に
見合っただけの調製効果の向上が得られず、経済的に好
ましくない。
【0043】次に上記有機被覆層上に施工される防錆材
層を構成する防食材に用いられる基材としては、不織
布、織布、紙、フィルム、合成繊維、天然繊維等からな
るシート状またはテープ状物を用いることができる。
【0044】上記基材の原料としては、特に制限される
ものでなく、例えば、ポリオレフィン、ポリエステル、
ポリアミド、ポリアクリロニトリル、ポリカーボネー
ト、セルロース等からなる不織布、織布、紙、フィルム
等が挙げられる。なかでも、スパンボンド法で製造され
るポリエステル、ポリアクリロニトリル等の長繊維不織
布シートが、機械的強度、防水性能、防錆性能および非
生分解性の点で好ましい。
【0045】次に上記有機被覆層上に施工される防錆材
層を構成する防食材は、上記液状組成物を、上記基材の
片面、両面および/または空隙に担持して複合化するこ
とにより得られるものであり、これにより作業性が良
く、かつ長期耐久性および防錆性能の高い形態の防食材
として用いることができる。
【0046】該液状組成物を基材に担持して防食材とす
る方法としては、特に制限されるものでないが、例え
ば、液状組成物に必要により界面活性剤等を加えた後、
不織布、織布、紙、フィルム等のシート状またはテープ
状基材の片面または両面に塗布したり、基材に該液状組
成物を含浸して担持させ、必要により該シート状または
テープ状基材を適当な幅に裁断することによって、シー
ト状またはテープ状の防食材とする方法などが挙げられ
る。
【0047】上記防食材に担持する際の液状組成物の粘
度は、上述の担持方法等により大きく異なるが、通常3
〜15cp、好ましくは5〜15cp、より好ましくは
5〜11cpである。該粘度が、3cp未満の場合に
は、充分に基材に含浸することはできるが、低粘性のた
め基材中に担持することが困難であり、使用に際しても
該液状組成物が硬化する前に基材より漏出するなど好ま
しくなく、また該粘度が15cpを越える場合には、含
浸に長時間を要し、また使用に際しても防食材の柔軟性
が乏しくなるため作業性が悪くなる場合があるなど好ま
しくない。
【0048】次に本発明の防食材の基材に担持される液
状組成物の重量は、乾燥重量として、通常,480〜6
00g/m2 、好ましくは480〜560g/m2 、よ
り好ましくは480〜544g/m2 である。該液状組
成物の重量が480g/m2未満の担持量では、得られ
る防食材の長期耐久性が十分に得られない場合がある。
また、600g/m2 を越える担持量では、得られる防
食材の柔軟性が乏しくなるため作業性が悪くなるなど好
ましくない。
【0049】こうして得られた防食材の施工法は、なん
ら制限されるものでないが、好ましくは前記有機被覆層
との密着性をより高めるべく、該有機被覆層を形成する
ための防錆塗料組成物を塗布した後、該塗料組成物がウ
エットの状態でレール形状に合わせて貼付け、常温下、
自然乾燥することで硬化させ固定する方法などが望まし
い施工法の1つである。
【0050】こうして得られる防錆材層の施工後の乾燥
膜厚は、通常300〜500μm、好ましくは300〜
400μm、より好ましくは300〜350μmであ
る。該膜厚が300μm未満の場合には、強固な膜厚が
得られず、充分な機械的強度、長期耐久性および耐食性
が付与できないため好ましくなく、また500μmを越
える場合には、これに見合うだけの充分な効果を得られ
るが、経済的にみて好ましくない。
【0051】さらに本発明では、上述の防錆材層の上
に、必要に応じて、耐候性、防食性を付与する目的で防
錆塗料組成物を塗布してなる上塗り層を形成することが
望ましい。該上塗り層に用いることのできる防錆塗料組
成物としては、例えば、上述のレール素地上に形成する
有機被覆層に用いることのできる防錆塗料組成物の構成
成分である樹脂成分、溶剤、顔料および添加剤に用いら
れる成分を適宜選択して組合せてなるものを用いること
ができる。
【0052】また、上塗り層の塗布方法などにおいて
も、先述した有機被覆層の方法を適用することができ
る。
【0053】さらに、上記上塗り層の塗装膜厚として
は、通常15〜50μm、好ましくは30〜50μm、
より好ましくは35〜50μmである。該膜厚が15μ
m未満の場合には、充分な耐食性、耐水性が付与できな
いため好ましくなく、また50μmを越える場合には、
これに見合うだけの充分な効果が得られず、経済的な観
点より好ましくない。
【0054】次に、本発明で得られる防錆レールにおけ
る防錆処理を施した部分の全体の膜厚は、通常350〜
500μm、好ましくは400〜500μm、より好ま
しくは400〜450μmである。該膜厚が350μm
未満の場合には、充分な防錆効果が得られず好ましくな
く、また500μmを越える場合には、これに見合うだ
けの充分な効果を得られるが、経済的な観点より好まし
くない。
【0055】また、こうして得られた防錆処理を施した
部分の多層膜(基材を含む)構造部分の各層間の密着性
は良好でなければならないが、よりレール素地面に近い
層間の密着強度が強くなるように各層の材質などを選択
する必要がある。これは、該多層膜構造部分に強い破壊
力が加わった時に、多層膜全体が剥がれてレール素地が
露出して腐食が起こらないように、上層膜が剥がれるこ
とにより力を弱め、化層膜は残るようにするためであ
る。
【0056】次に、本発明の防錆レールにおける施工箇
所を図面を用いて説明する。
【0057】図1は、本発明の防錆レールのレール軸方
向に垂直な断面での各実施態様を示す拡大断面概略図で
ある。
【0058】図1(A)では、防錆レールにおける施工
箇所としてレール1の腹部のみを行うものとして、該レ
ール1の腹部素地表面を素地調製し、さらに錆処理とし
て錆処理剤を塗布して錆処理剤層2を形成した上に、下
塗り層3および中塗り層4の2層で構成された有機被覆
層5を順次形成し、該有機被覆層5上にテープ状基材に
液状組成物を担持させた防食材をレール軸方向に沿って
貼付け、乾燥硬化させて防錆材層6を形成し、最後に該
防錆材層6上に上塗り層7を形成し、所望の防錆レール
とするものである。該防錆レールは、以下に説明する場
合に比して海水による塩分、高湿度などの原因による腐
食の発生頻度が低い箇所での施工に適している。
【0059】また、図1(B)では、防錆レールにおけ
る施工箇所としてレール1の腹部および底部の双方を行
うものとして、該レール1の腹部および底部素地表面を
素地調製し、さらに錆処理として錆処理剤を塗布して錆
処理剤層2を形成した上に、下塗り層3および中塗り層
4の2層で構成された有機被覆層5を順次形成し、該有
機被覆層5上にテープ状基材に液状組成物を担持させた
防食材をレール軸方向に沿って貼合せまたは巻付けを行
い、乾燥硬化させて防錆材層6を形成し、最後に該防錆
材層6上に上塗り層7を形成し、所望の防錆レールとす
るものである。該防錆レールは、海水による塩分、高湿
度などの原因による腐食の発生頻度が非常に高い箇所で
の施工に適している。
【0060】さらに図1(C)では、防錆レールにおけ
る施工箇所として、素地調製、錆処理剤層2の形成、下
塗り層3および中塗り層4の2層で構成された有機被覆
層5の形成まではレールの腹部および底部の双方に行
い、その後の防錆材層6の形成および上塗り層7の形成
についてはレールの腹部(または底部(図示せず)のい
ずれか一方)のみとするものである。該防錆レールは、
腐食の発生頻度が図1(A)と図1(B)の中間程度の
場合に適している。
【0061】さらに、上記説明以外にも、本発明では、
各レール間の溶接部においても、溶接後に上記図1
(A)〜図1(C)のいずれかに示す順に施工するもの
であってよい。この場合には、特に素地調製により十分
に溶接焼けなど密着性の低下および腐食発生原因となる
ものを除去する必要がある。
【0062】
【実施例】つぎに、実施例を挙げて本発明方法をさらに
詳細に説明する。
【0063】実施例1(N1) 敷設後1カ月経過後のスラブ軌道用の山陽新幹線の新関
門トンネルの現用レールを用いて、図1(C)に示す防
錆レールの作製を現地において40mにわたって行っ
た。
【0064】まず、該現用レール1(日本鋼管株式会社
製、新幹線60レール)の腹部および底部の腹部素地表
面をサンドペーパーおよびワイヤースポンジを用いて脱
脂、清掃して素地調製し、素地調製後、速やかに錆処理
としてハケないしローラーにて錆処理剤(ラステック株
式会社製、ラストル−B)を約300g/m2 の目安で
塗布して錆処理剤層2を形成した。該錆処理剤層2の乾
燥膜厚は約30μmであった。
【0065】次に錆処理剤を塗布後、30分〜1時間
(この間にマスキング処理を行った)後、該錆処理剤層
2上に、ハケないしローラーにて下塗り用の防錆塗料組
成物(ラステック株式会社製、ナイトプライマーNP
100S)を約300g/m2の目安で塗布して下塗り
層3を形成した。該下塗り層3の乾燥膜厚は約35μm
であった。
【0066】続いて下塗り後、30分〜1時間後、該下
塗り層3上に、ハケないしローラーにて中塗り用の防錆
塗料組成物(ラステック株式会社製、ナイトプライマー
NP100)を約300g/m2 の目安で塗布して中塗
り層4を形成して、有機被覆層5を形成した。該中塗り
層4の乾燥膜厚は約30μmであった。
【0067】その後、該現用レール1の腹部のみに、上
記中塗り用の防錆塗料組成物がウエットの状態にて、手
貼りにて、有機被覆層5上にテープ状基材に液状組成物
を担持させた防食材(ラステック株式会社製、ナイトテ
ープNT 105、100mmのテープ巾のもの)をレ
ール軸方向に沿って貼付け、乾燥硬化させて防錆材層6
を形成した。該防錆材層6の乾燥膜厚は約300μmで
あった。
【0068】最後に、防食材を施行した後、指触乾燥を
確認の上、該防錆材層6上に、ハケないしローラーにて
上塗り用の防錆塗料組成物(ラステック株式会社製、ナ
イトプライマーNP 100S)を約400g/m2
目安で塗布して上塗り層7を形成し、所望の防錆レール
(1)を得た。該上塗り層7の乾燥膜厚は約35μmで
あった。施工に要した時間は、全体で3時間であった。
なお、本実施例に用いた錆処理剤、下塗り用の防錆塗料
組成物、中塗り用の防錆塗料組成物、防食材および上塗
り用の防錆塗料組成物の構成成分組成および性状を表1
に示す。
【0069】実施例2(N2) 実施例1において、防食材(ラステック株式会社製、ナ
イトテープNT 105、100mmのテープ巾のも
の)の代わりに防食材(ラステック株式会社製、ナイト
テープNT 100、100mmのテープ巾のもの)を
用いて、乾燥膜厚400μmの防錆材層6を形成し、上
塗り用の防錆塗料組成物(ラステック株式会社製、ナイ
トプライマーNP 100S)の代わりに上塗り用の防
錆塗料組成物(ラステック株式会社製、ナイトプライマ
ーNP 100)を用いて上塗り層7を形成した以外
は、実施例1と同様にして、所望の防錆レール(2)を
得た。施工に要した時間は、全体で2時間40分であっ
た。なお、本実施例に用いた錆処理剤、下塗り用の防錆
塗料組成物、中塗り用の防錆塗料組成物、防食材および
上塗り用の防錆塗料組成物の構成成分組成および性状を
表1に示す。
【0070】
【表1】
【0071】比較例1(C1) 実施例1と同様に、敷設後1カ月経過後の一般用の現用
レールを用いて、防錆レールの作製を40mにわたって
行った。
【0072】まず、該現用レールの腹部および底部の腹
部素地表面をサンドペーパーおよびワイヤースポンジを
用いて脱脂、清掃して素地調製し、素地調製後、該素地
調製済層上に、ハケないしローラーにて低地下処理面用
厚膜型エポキシ樹脂(中国塗料株式会社製、ユニバンH
S)を約160g/m2 の目安で塗布して塗膜層を形成
し、所望の防錆レール(3)を得た。該塗膜層の乾燥膜
厚は約70μmであった。施工に要した時間は、全体で
3時間であった。
【0073】比較例2(C2) 比較例1において、低地下処理面用厚膜型エポキシ樹脂
の代わりに厚膜型タールエポキシ樹脂(中国塗料株式会
社製、ビスコンHS)を約300g/m2 の目安で塗布
して塗膜層を形成した以外は、比較例1と同様にして、
所望の防錆レール(4)を得た。該塗膜層の乾燥膜厚は
約120μmであった。施工に要した時間は、全体で3
時間であった。
【0074】比較例3(K1) 実施例1と同様に、敷設後1カ月経過後の一般用の現用
レールを用いて、防錆レールの作製を40mにわたって
行った。
【0075】まず、該現用レールの腹部および底部の腹
部素地表面をサンドペーパーおよびワイヤースポンジを
用いて脱脂、清掃して素地調製し、素地調製後、速やか
に防錆処理としてハケないしローラーにてラッカータイ
プの防錆油(興和化成株式会社製、コーワサビトップ
E、キレート基含有エポキシ樹脂)を約300g/m2
の目安で塗布して防錆層を形成し、所望の防錆レール
(5)を得た。該防錆層の膜厚は約50μmであった。
施工に要した時間は、全体で1時間であった。
【0076】比較例4(K2) 比較例3において、ラッカータイプの防錆油の代わりに
グリースタイプの防錆油(光和化成株式会社製、ホット
メルト型止水油G−3K)を約500g/m2の目安で
塗布して防錆層を形成した以外は、比較例3と同様にし
て、所望の防錆レール(6)を得た。該防錆層の膜厚は
約500μmであった。施工に要した時間は、全体で
1.5時間であった。
【0077】比較例5(K3) 比較例3において、ラッカータイプの防錆油の代わりに
透明油タイプの防錆油(光和化成株式会社製、メタレッ
クスS−250、溶剤希釈型防錆油)を約300g/m
2 の目安で塗布し、乾燥して非粘着性軟質膜の防錆層を
形成した以外は、比較例3と同様にして、所望の防錆レ
ール(7)を得た。該防錆層の膜厚は約40μmであっ
た。施工に要した時間は、全体で1.5時間であった。
【0078】比較例6(K4) 比較例3において、ラッカータイプの防錆油の代わりに
黒色油タイプの防錆油(光和化成株式会社製、メタレッ
クスAP−1、アスファルト系ワックス質)を約350
g/m2 の目安で塗布し、乾燥して黒色硬化膜の防錆層
を形成した以外は、比較例3と同様にして、所望の防錆
レール(8)を得た。該防錆層の膜厚は約45μmであ
った。施工に要した時間は、全体で1.5時間であっ
た。
【0079】実施例3 実施例1〜2および比較例1〜6で得られた防錆レール
(1)〜(8)に関し、防錆試験として実際に鉄道レー
ルとして使用する間の腐食経過を外観目視観察にて評価
した。
【0080】かかる防錆試験の結果を表2に示す。
【0081】
【表2】
【0082】上記防錆試験の結果、比較例3〜5の各防
錆油タイプの防錆レールにおいては該防錆油が流れ落ち
ることで他のサンプルに比して短時間で防錆力が失われ
ることが確認された。なお保守により再度該防錆油を塗
布することも可能であるが、流れ出た防錆油が排水に混
じり海に流出することで海洋汚染などの公害が出る恐れ
があるため好ましくないことと考えられる。
【0083】また比較例1〜2の樹脂塗料タイプの防錆
レールにおいては、防錆油タイプよりは防錆力は持続で
きるが本発明と比較した場合にはその持続力は短いこと
が確認された。また一旦サビが発生すると防錆油のよう
に樹脂塗料を重ね塗りしても内部腐食が広がる恐れがあ
るなど好ましくないものである。
【0084】上記防錆試験と同時に行われた財団法人鉄
道総合技術研究所内(東京都国分寺市)での定置試験の
結果を表3に示す。なお、定置試験内容は、一般用の現
用レールを用いて、上記実施例1〜2および比較例1〜
6の防錆レールの作製方法と同様にして防錆レール
(1)〜(8)を作製し、これらを用いて、防錆試験を
行い、腐食経過を外観目視観察にて評価したものであ
る。
【0085】
【表3】
【0086】上記表3の結果でも、実施例1〜2の防錆
レールと比較例1〜6の防錆レールとでは、その防錆性
能に優位性があることが確認された。
【0087】上記表2および表3の結果から、比較例に
比して本発明の防錆レールでは、試験期間内ではまった
く錆は発生せず、優れた防錆性能および耐久性を有する
ことが確認された。
【0088】以上の結果から、本発明の防錆レールで
は、主目的たる防錆機能を有する以外にも、下記(1)
〜(4)の特長を有することがわかった。
【0089】(1)作業性が良好である。
【0090】既設のレール、特に夜間、トンネル内にお
いても、列車運行停止中の数時間の間でも作業性が良
く、また通常の塗装と異なり、塗膜厚さ管理が容易で完
全な防錆が可能である。
【0091】(2)耐久性が良好である。
【0092】塗装だけでは列車の走行振動により、塗装
面が割れ、剥がれることがあり、本発明に比し耐久性に
欠けるが、本発明では剥がれず、耐久性に優れる。
【0093】(3)防振性を有する。
【0094】レール側面に本発明の方式で施工した防錆
レールは、防食材をレール形状に合せて強固な膜がで
き、走行振動によるレールの共振を防ぎ、走行音、キシ
ミ音などを減少させ、防音レールとしての機能も併せ持
つことができる。
【0095】(4)レールの防食絶縁性 踏切部分などにおいては、レール下面が湿潤していて、
電気腐食を起すことがあるので、本発明によるレール絶
縁を行なうことにより電気腐食の防食阻止が可能とな
る。
【0096】
【効果】本発明の防錆レールは、防錆機能を持たせる防
錆材はいずれもレール形状に容易に施工可能であり、施
工後には、強固な膜厚に形成でき、より高い絶縁性を持
ち、さらにレールの伸縮に追従でき、塩害腐食や環境腐
食および電気腐食などに対して優れた防食性能および長
期耐久性を有し、腐食によるレール寿命の短縮を防ぐこ
とができる。
【0097】また、本発明の防錆レールは、防錆材が外
部に溶出せず、海洋汚染などの恐れがなく、無公害で環
境にやさしいものである。
【0098】さらに、本発明の防錆レールは、施工性に
優れるため、既に敷設されている現用レールに短時間で
施工することができるものであり、現在ある新関門トン
ネル、青函トンネル、新丹那トンネルや本州・四国連絡
橋など塩害腐食や環境腐食などが心配されるレールへの
適用のほか、古い排煙口付きの山岳トンネルの中間部分
などの防食、踏切部分のレールなどの電気腐食防止への
適用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の防錆レールのレール軸方向に垂直な
断面での各実施態様を示す拡大断面概略図であり、図1
(A)では、防錆レールにおける施工箇所としてレール
の腹部のみを行う場合の拡大断面概略図であり、図1
(B)では、防錆レールにおける施工箇所としてレール
の腹部および底部の双方を行う場合の拡大断面概略図で
あり、図1(C)では、防錆レールにおける施工箇所と
して、素地調製、錆処理剤層、有機被覆層の形成までは
レールの腹部および底部の双方に行い、防錆材層および
上塗り層の形成はレールの腹部のみを行う場合の拡大断
面概略図である。
【符号の説明】
1…レール、 2…錆処理剤層、3…
下塗り層、 4…中塗り層、5…有機被
覆層、 6…防錆材層、7…上塗り層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 御船 直人 東京都国分寺市光町二丁目8番地38 財団 法人鉄道総合技術研究所内 (72)発明者 阿部 則次 東京都国分寺市光町二丁目8番地38 財団 法人鉄道総合技術研究所内 (72)発明者 門馬 仁 神奈川県大和市深見3534番地の1 グリン ピア202号 (72)発明者 小澤 一馬 千葉県船橋市本中山4−1−2 シティー コートフドー中山 ラステック株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レール素地上に、防錆塗料組成物の塗布
    による有機被覆層を有し、該有機被覆層上に防錆顔料を
    含む液状組成物が基材に担持されてなる防食材の施工に
    よる防錆材層を有してなることを特徴とする防錆レー
    ル。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100431766C (zh) * 2006-01-18 2008-11-12 阴生毅 钢轨表面焊接合金层的方法
WO2014174845A1 (ja) * 2013-04-26 2014-10-30 Jfeスチール株式会社 蓄圧器
JP2018168455A (ja) * 2017-03-30 2018-11-01 日東電工株式会社 防食構造体

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