JPH07213253A - 赤身食肉の色調安定化方法 - Google Patents

赤身食肉の色調安定化方法

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JPH07213253A
JPH07213253A JP6011206A JP1120694A JPH07213253A JP H07213253 A JPH07213253 A JP H07213253A JP 6011206 A JP6011206 A JP 6011206A JP 1120694 A JP1120694 A JP 1120694A JP H07213253 A JPH07213253 A JP H07213253A
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JP
Japan
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color tone
red meat
hemoglobin
red
surface layer
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JP6011206A
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Takashi Nozawa
隆志 野沢
Makoto Kamei
誠 亀井
Hidetoshi Tochigi
英利 栩木
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Nichirei Corp
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Nichirei Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】赤色色調の主な色素成分がミオグロビン及び/
又はヘモグロビンである魚肉、畜肉等の赤身食肉の少な
くとも表面層を、該表面層のpHより高くすることによ
り、ミオグロビン及び/又はヘモグロビンの酸化を阻止
し、色調を保持する赤身食肉の色調安定化方法。 【効果】前記赤身食肉の色調安定化方法は、単に赤身食
肉の少なくとも表面層のpHを調整するという容易な方
法で、従来の酸化還元反応を伴わず、また酸化窒素等が
生じることなく、ミオグロビン及び/又はヘモグロビン
の色調を安定化させることができるので、従来の発色剤
等に代わっての使用が期待できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ミオグロビン及び/又
はヘモグロビンにより赤色色調を呈する魚肉、畜肉等の
色調を、ミオグロビン及び/又はヘモグロビンの酸化・
還元反応や酸化窒素の生成等を行なわずにpHを高くさ
せるのみで色調を安定化させる赤身食肉の色調安定化方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】赤身食肉の赤色色調を呈する色素として
は、鮪、鰹等の魚肉又は牛肉、豚肉等の畜肉に含有され
るミオグロビン及び/又はヘモグロビン、あるいは鮭、
鱒、キンキ、金目鯛、メヌケ等の魚肉に含有されるカロ
チノイド系のアスタキサンチン等が主に知られている。
このような赤色色調は、空気中に暴され、温度、酸素分
圧等の条件により酸化反応が生じ、褐色化や退色等の色
調変化が経時的に進行する。このような赤身食肉の色調
変化は、流通段階において避け難い現象であって、商品
価値を低下させる要因になっている。
【0003】一般的には赤身食肉を凍結処理することに
より色調変化を遅延させることはできるが、解凍時等に
おいては色調変化が生じ、しかも全ての赤身食肉が冷凍
保存されるとは限らず、特に加工品等においては凍結保
存が困難である。
【0004】そこで前記ミオグロビン及び/又はヘモグ
ロビンの色調を安定化させるために、流通段階等により
酸化して生じるメトミオグロビン又はメトヘモグロビン
を、亜硝酸塩等の発色剤又はアスコルビン酸等の発色促
進剤を用いて還元し、酸化窒素を生成させると共に還元
型ミオグロビン又は還元型ヘモグロビンにして色調を安
定化させる方法が提案されている。
【0005】一方前記アスタキサンチン等の色調を安定
化させる方法としては、ビタミン類等の抗酸化剤を用い
て、酸化還元反応によりアスタキサンチンの色調を安定
化させる方法が提案されている。該抗酸化剤を使用する
場合には、酸化還元反応を制御するために、抗酸化剤の
種類に応じてそのpHを弱酸性〜弱アルカリ性の間で調
整することも知られている。しかしこのような抗酸化剤
を、赤身食肉のミオグロビン及び/又はヘモグロビンの
色調安定化に使用することは殆ど行なわれていない。
【0006】前述のように、従来酸化還元反応を利用し
て赤身食肉の色調を安定化させることは知られている
が、このような酸化還元反応を伴う場合には、その反応
条件等によっては、必ずしも色調安定化が充分行なわれ
るとは限らず、しかも他の組織への影響並びに添加する
発色剤、抗酸化剤等の安全性等も考慮する必要があるの
で、酸化還元反応や酸化窒素の生成等を伴わず赤身食肉
の色調を安定化させる方法の開発が望まれている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明の目的
は、酸化還元反応を伴わず、また酸化窒素等が生じるこ
となく、しかも容易にミオグロビン及び/又はヘモグロ
ビンの色調を安定化させることが可能な赤身食肉の色調
安定化方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、赤色色
調の主な色素成分がミオグロビン及び/又はヘモグロビ
ンである赤身食肉の少なくとも表面層を、該表面層のp
Hより高くすることにより、ミオグロビン及び/又はヘ
モグロビンの酸化を阻止し、色調を保持することを特徴
とする赤身食肉の色調安定化方法(以下単に色調安定化
方法と称す)が提供される。
【0009】以下本発明を更に詳細に説明する。本発明
の色調安定化方法において、対象となる赤身食肉は、そ
の赤色を呈する色素成分が主にミオグロビン及び/又は
ヘモグロビンであれば特に限定されるものではなく、具
体的には鮪、鰹等の魚肉又は牛肉、豚肉等の畜肉、更に
はこれらの加工品、凍結品等を挙げることができる。
【0010】本発明の色調安定化方法においては、前記
赤身食肉の少なくとも表面層を、該表面層のpHより高
くすることによって、ミオグロビン及び/又はヘモグロ
ビンをアルカリ変性等させ、ミオグロビン及び/又はヘ
モグロビンの酸化を阻止する。前記赤身食肉の少なくと
も表面層とは、少なくとも赤身食肉の外観の色調を構成
する表面付近のミオグロビン及び/又はヘモグロビンが
存在している部分のことであり、赤身食肉内部のpHを
も高くしても良い。
【0011】本発明における色調安定化の作用機構につ
いては、現段階において解明されてはいないが、少なく
とも従来の発色剤又は抗酸化剤等のミオグロビン、ヘモ
グロビンの酸化還元反応及び酸化窒素の生成は生じてお
らず、これらの反応機構とは異なる作用機構によりミオ
グロビン及び/又はヘモグロビンの色調が安定化され
る。
【0012】本発明の色調安定化方法において、赤身食
肉の少なくとも表面層を、該表面層のpHより高くする
方法としては特に限定されるものではないが、好ましく
は赤身食肉の表面層のpHよりpHが高い溶液に赤身食
肉を接触させ、該溶液を付着又は浸透させる方法、赤身
食肉の表面層のpHよりpHが高い溶液を、赤身食肉の
表面層へ注入する方法等を挙げることができる。前記接
触は、例えば浸漬、噴霧、塗布等により行なうことがで
きる。
【0013】前記赤身食肉の表面層のpHよりpHが高
い溶液としては、通常アルカリを呈する溶液等を挙げる
ことができるが、食用に供する点から、好ましくは溶媒
に溶解した際臭気を発生せず、且つ赤身食肉表面層のp
Hより高いpHを示すアルカリ性塩類の溶液、具体的に
は炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウ
ム、リン酸水素二ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム又
はこれらの混合物を水に溶解した溶液等を挙げることが
できる。該溶液の濃度は、好ましくは対象とする赤身食
肉の表面層のpHが0.1以上高くなるように、特に好
ましくはpHが0.5〜2.0高くなるように任意に調
整すれば良い。このような溶液には、前記pHを高くす
る作用を阻害しない範囲において、食塩、調味料類、そ
の他各種の添加剤等を添加することもできる。
【0014】前記赤身食肉の表面層のpHよりpHが高
い溶液を用いて前記赤身食肉への接触を行なう場合の接
触時間は、30分以内が好ましい。30分を超える場合
には、色調安定効果は得られるが、赤身食肉の食感に変
化が生じる恐れがあるので好ましくない。
【0015】本発明の色調安定化方法により得られる赤
身食肉は、加熱調理等による蛋白変性等を生じさせない
限り、該赤身食肉の色素成分であるミオグロビン及び/
又はヘモグロビンの酸化が阻止された状態に固定される
ので、前記赤身食肉の少なくとも表面層を、該表面層の
pHより高くした後、必要に応じて水又は蛋白変性を起
こさない程度の酸性水溶液等で洗浄することもできる。
【0016】本発明の色調安定化方法により得られる赤
身食肉は、加熱調理等により蛋白変成させた場合、未処
理の赤身食肉と同様に変色するので、違和感なく食する
ことができる。
【0017】
【発明の効果】本発明の赤身食肉の色調安定化方法は、
単に赤身食肉の少なくとも表面層のpHを調整するとい
う容易な方法で、従来の酸化還元反応を伴わず、また酸
化窒素等が生じることなく、ミオグロビン及び/又はヘ
モグロビンの色調を安定化させることができるので、従
来の発色剤等に代わっての使用が期待できる。
【0018】
【実施例】以下本発明を実施例及び比較例により更に詳
細に説明するが本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0019】
【実施例1】刺身状にスライスしたキハダ鮪(表面pH
6.0)を、予め調製したpH5.5、pH6.5、p
H7.5、pH8.5のリン酸緩衝液に別個に1分間浸
漬させた。浸漬後のキハダ鮪の表面pHは、それぞれp
H6.3、pH7.0、pH7.5であった。次いで表
面の水分を充分に除去した後、トレイ上に並べラップで
包装し、10℃で2日間保存した。保存前のキハダ鮪表
面の赤色色調と、保存後の色調とを、色差計(ミノルタ
(株)製、商品名「CR−200」)によるa値の測定
により観察した。また対象として未処理及びpH5.5
のリン酸緩衝液に浸漬させたキハダ鮪についても同様な
観察を行なった。pH5.5のリン酸緩衝液に浸漬させ
たキハダ鮪の表面pHは5.8であった。結果を図1に
示す。図1の結果より表面のpHを高めた本実施例は、
対象の未処理物及び表面pHを低くしたものに比して鮪
の赤色が保持されていることが判る。
【0020】
【実施例2】刺身状にスライスしたキハダ鮪(表面pH
6.0)に、8重量%リン酸水素二ナトリウム水溶液
を、表面が湿る程度に噴霧した。噴霧後のキハダ鮪の表
面pHは7.4であった。次いで−10℃で3週間凍結
保存したところ、赤色に変化は認められず、更に解凍後
10℃に放置した場合にも赤色の変化は認められなかっ
た。また対象として未処理のキハダ鮪について同様な凍
結保存、解凍処理を行なったところ、凍結保存時に既に
変色が認められ、解凍後は短時間による色落ちが顕著で
あった。
【0021】
【実施例3】スライスした牛肉モモ(表面pH5.9)
を、4重量%リン酸水素二ナトリウム水溶液に3秒間浸
漬した。浸漬後の牛肉モモの表面pHは7.4であっ
た。次いで、トレイ上に並べラップで包装し、10℃で
2日間保存したところ、赤色に変化は認められず肉らし
い赤色を呈していた。また対象として未処理の牛肉モモ
について同様な保存処理を行なったところ、保存後の色
落ちが早く、褐色に変色した。
【0022】
【試験例1】本発明の色調安定化方法が、酸化還元反応
によって赤身食肉の色調を保持しているのではないこと
を示すために、メト化率測定法(高坂和久著、「食品鑑
別・検査法ハンドブック」、建帛社発行)に従い、下記
条件により試験を行なった。刺身状にスライスしたキハ
ダ鮪(表面pH6.0)を、8重量%リン酸水素二ナト
リウム水溶液又は1重量%エリソルビン酸ナトリウム
(酸化防止剤)溶液に別々に5分間浸漬させた。また対
象として未処理物を用いた。8重量%リン酸水素二ナト
リウム水溶液に浸漬後の鮪表面のpHは7.4であり、
1重量%エリソルビン酸ナトリウム溶液に浸漬後の鮪表
面のpHは6.0であった。次いでそれぞれの鮪を室温
で1時間放置後、色素を水で抽出し、分光光度計(商品
名「U−2000」)によりスペクトル吸収を測定し
た。
【0023】その結果、未処理物では完全にメト化(酸
化)が生じ、肉眼的に褐色に変色した。エリソルビン酸
ナトリウム溶液に浸漬させた鮪は、肉眼的には赤色が保
持されており、(1)577.5nm、(2)539.
5nm、(3)411.0nmに3つのスペクトルピー
クが認められた。またリン酸水素二ナトリウム水溶液に
浸漬させた鮪は、肉眼的には赤色が保持されており、
(1)578.0nm、(2)542.0nm、(3)
415.5nmに3つのスペクトルピークが認められ
た。即ちエリソルビン酸ナトリウム溶液又はリン酸水素
二ナトリウム水溶液に浸漬させた鮪は、(1)のピーク
においては略同じ波長であったが(2)及び(3)のピ
ークに関しては異なっており、この結果から、リン酸水
素二ナトリウム水溶液に浸漬させた鮪は、酸化防止剤で
あるエリソルビン酸ナトリウム溶液に浸漬させた鮪とは
異なり、酸化還元反応による反応機構とは異なる反応機
能により色調が安定化されていることが判る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、実施例1で行なった色差計によるa値
の測定結果を示すグラフである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 赤色色調の主な色素成分がミオグロビン
    及び/又はヘモグロビンである赤身食肉の少なくとも表
    面層を、該表面層のpHより高くすることにより、ミオ
    グロビン及び/又はヘモグロビンの酸化を阻止し、色調
    を保持することを特徴とする赤身食肉の色調安定化方
    法。
  2. 【請求項2】 溶媒に溶解した際臭気を発生せず、且つ
    赤身食肉表面層のpHより高いpHを示すアルカリ性塩
    類の溶液を用いて前記赤身食肉の少なくとも表面を、該
    表面層のpHより高くすることを特徴とする赤身食肉の
    色調安定化方法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006345797A (ja) * 2005-06-17 2006-12-28 Maruha Corp 生食用赤身魚肉の加工食品
JP2008029209A (ja) * 2006-07-26 2008-02-14 Nippon Suisan Kaisha Ltd マグロ刺身の冷凍品、その製造方法、及び調味液との包装体
JP2011206042A (ja) * 2009-12-10 2011-10-20 Oriental Yeast Co Ltd 魚肉用退色防止剤
KR20210094316A (ko) * 2020-01-21 2021-07-29 주식회사 미트뱅크 선택적 첨가물의 저감화를 위한 분쇄가공육의 이중충진방법 및 이를 이용하여 제조된 분쇄가공육
JP2024131886A (ja) * 2023-03-16 2024-09-30 マルハニチロ株式会社 サケ類に含まれる色素を発色させる方法及び、発色したサケ類食品の製造方法

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