JPH07229213A - 硬質合成樹脂発泡板断熱材及び該断熱材を用いた断熱施工方法 - Google Patents

硬質合成樹脂発泡板断熱材及び該断熱材を用いた断熱施工方法

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JPH07229213A
JPH07229213A JP6019614A JP1961494A JPH07229213A JP H07229213 A JPH07229213 A JP H07229213A JP 6019614 A JP6019614 A JP 6019614A JP 1961494 A JP1961494 A JP 1961494A JP H07229213 A JPH07229213 A JP H07229213A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 よりすくない力で湾曲させることができさら
に湾曲後の保形率の高い改良された硬質合成樹脂発泡板
断熱材及びその断熱材を用いた断熱施工方法を得る。 【構成】 一方の面に不織布Bを貼着した硬質合成樹脂
発泡板Aの他方の面に溝Mを所要数加工して硬質合成樹
脂発泡板断熱材を得る。それを、溝加工が施された面を
内側となるようにして湾曲した建造物の壁面などに沿っ
て圧接する。 【効果】 取り付け時に、溝Mの空隙部分が閉塞された
状態で湾曲することから、硬質合成樹脂発泡板断熱材の
内面層部となる部位を過度に圧縮することはなく、比較
的少ない力で容易に湾曲させることができる。さらに、
圧縮荷重を受けているものの破断にいたらない発泡気泡
の存在を大きく低減できることから、荷重を除去した後
の戻りは少なくなる(保形率が高くなる)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は硬質合成樹脂発泡板断熱
材及び該断熱材を用いた断熱施工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリスチレン系発泡板、塩化ビニ
ル系発泡板などの硬質合成樹脂発泡板は熱伝導性が低く
軽量であり所要の機械的強度も有していることから断熱
材として広く用いられている。しかし、通常この種の硬
質合成樹脂発泡板は曲げに対する耐性が低いことから、
円筒状のタンクのように湾曲した壁面に沿わせて張りつ
けようとすると発泡板に亀裂が入り、場合によっては破
断にいたる。それを回避するためには、厚さの薄い断熱
材を用いて複数層に積層することが考えられるが工程が
煩雑となり実用性に欠ける。
【0003】別の解決手段として、曲面に沿った形状に
硬質合成樹脂発泡板を切削加工すること、断熱板の内側
面に切欠きを多数刻設して曲率を出し易くすること、曲
率をもった形状に当初から発泡成形すること、などが行
われるが、加工に手数がかかること、断熱性が均一なも
のを多数得ることは困難なこと、あるいは異なった曲率
を持つ面に対してはそのままでは適用できないことなど
の不都合がある。
【0004】また、いずれの場合にも湾曲時に発泡板に
亀裂や破断が生じることとなる。上記のような不都合を
解決するための手段として、硬質合成樹脂発泡板の片表
面にたわみ性を有した表装材を該発泡板表層部の伸長を
破断伸度以下に拘束するように積層一体化し、得られた
積層体を表装材側が外側曲面となすように押し曲げ、曲
面を持つ構築物の該曲面に添わせて、上記湾曲積層体を
構築物表面に固定する構築物の断熱施工方法が提案され
ている(特開昭59−12836号公報参照)。
【0005】上記提案は、通常の成形方法により成形さ
れた平板状の硬質合成樹脂発泡板をそのまま用いて湾曲
を持つ構築物の表面に断熱材として固定することができ
るものであり、硬質合成樹脂発泡板に対して特別の加工
を必要とせずまた異なった曲率のところにも同じものを
用いて施工することができることから、有効な断熱施工
方法であると解される。しかし、表装材として金属薄板
あるいはプラスチック補強シートのような重くかつ硬質
のものを用いるものであることから、製品そのものが重
量物とならざるを得ず、運搬時や施工時に取り扱いが容
易でなく、また、湾曲させるのに硬質合成樹脂発泡板の
曲げに必要な力に加え表装材である金属薄板あるいはプ
ラスチック補強シートの曲げに必要な力が必要となり、
大きな力を必要とする。
【0006】本発明者らは、すでに提案されている上記
のような硬質合成樹脂発泡板を用いた断熱施工方法の持
つ課題に留意しつつ、硬質合成樹脂発泡板の曲げ特性の
改善法について多くの研究と実験を継続して行う過程に
おいて、従前のように硬質合成樹脂発泡板の表層部の伸
長を拘束するための表装材として、鉄、アルミニウムな
どの金属薄板、あるいはガラス繊維、金属メッシュなど
を補強材としたプラスチック補強シートなどのように重
くかつ硬質のものを用いなくとも、単にその表面に不織
布を通常の態様で接着剤を用いて貼着し、その貼着面が
外側曲面となるようにして湾曲させたときに、硬質合成
樹脂板はその湾曲表面になんの亀裂も生じることなく大
きく湾曲し得るという驚くべき事実を見出し、上記知見
に基づき、硬質合成樹脂発泡板の少なくとも1面に不織
布を貼着したことを特徴とする硬質合成樹脂発泡板断熱
材及び該硬質合成樹脂発泡板断熱材を用いた断熱施工方
法としてその不織布側を外側湾曲面となるようにして、
曲面を持つ構築物の該曲面に沿わせて湾曲させ、かつ該
構築物の該曲面に沿って固定することを特徴とする硬質
合成樹脂発泡板断熱材を用いた断熱施工方法についてす
でに提案している(特願平5−192519号参照)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは硬質合成
樹脂発泡板を用いた断熱材について実験と研究をさらに
継続して行う過程において、前記した本発明者らがすで
に提案している硬質合成樹脂発泡板断熱材は多くの利点
を持つものではあるが、表面材である不織布貼着面を外
側曲面となるようにして構築物の曲面に沿って湾曲させ
るのに依然として大きな力が必要であり、それはさらに
改善すべき課題であること、また、必要な荷重をかけて
所定量湾曲させたのちに荷重を解放した場合、湾曲した
硬質合成樹脂板断熱材がその湾曲状態を保形し得る割合
が必ずしも十分でなく保形率の向上もさらに解決すべき
課題であることを知った。
【0008】本発明は、本発明者らがすでに提案してい
る硬質合成樹脂発泡板の少なくとも1面に不織布を貼着
した硬質合成樹脂発泡板断熱材の持つ上記の課題を解決
することを目的としており、より具体的には、よりすく
ない力で湾曲させることができさらに湾曲後の保形率の
高い改良された硬質合成樹脂発泡板断熱材を得ることを
目的としている。
【0009】本発明のさらに他の目的は、施工作業性の
容易な硬質合成樹脂発泡板断熱材を得ることを目的とし
ている。本発明のさらに他の目的は、上記硬質合成樹脂
発泡板断熱材を用いた施工作業性の容易な断熱施工方法
を得ることを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決しかつ
目的を達成するために、本発明者らはさらに実験を継続
し、分析と解析を行った。それにより、上記硬質合成樹
脂発泡板断熱材をその表面材である不織布貼着面を外側
曲面となるようにして湾曲させる場合、その内面層部は
圧縮されその圧縮のために大きな力を必要とすること、
また、その圧縮により一部の発泡気泡は破断にいたる
が、圧縮荷重を受けているものの破断にいたらない発泡
気泡も多数存在しており、解圧後にその気泡が元の状態
に復元しようとする力がその曲率保持性を阻止している
ものと解されることを知った。
【0011】本発明は上記の知見に基づくものであり、
硬質合成樹脂発泡板断熱材を湾曲させる際にその内面層
部となる部位に、施工時に必要とされる断熱材としての
強度を阻害しない程度に溝加工を施し、それにより、湾
曲時に必要とされる荷重を低減しかつ圧縮荷重を受けて
いるものの破断にいたらない発泡気泡の存在を極力少な
くすることにより目的を達成するものである。
【0012】すなわち、本出願は1つの発明として、一
方の面に不織布を貼着した硬質合成樹脂発泡板の他方の
面に溝加工を施してなることを特徴とする硬質合成樹脂
発泡板断熱材を開示する。また、本出願は他の発明とし
て、上記の硬質合成樹脂発泡板断熱材をその溝加工した
面を内側湾曲面となるようにして、曲面を持つ構築物の
該曲面に沿わせて湾曲させ、かつ該構築物の該曲面に沿
って固定することを特徴とする硬質合成樹脂発泡板断熱
材を用いた断熱施工方法を開示する。
【0013】本発明において硬質合成樹脂発泡板断熱材
とは、ポリスチレン系、ポリ塩化ビニル系、ポリアクリ
ル系、ポリウレタン系など合成樹脂を押出発泡法成形ま
たは型内発泡法成形などの適宜の発泡法により発泡させ
て成形した発泡板を断熱材として用いるものを総称する
ものであり、形状は平板状が好ましいがそれに限ること
なく任意である。厚さも任意であるが施工後の作業性と
断熱性の観点から10〜100mm程度の厚さが好まし
い。また、密度も断熱性や機械的強度の観点から15〜
75kg/m3 程度が好ましい。
【0014】前記のように、この種の硬質合成樹脂発泡
板は伸度がきわめて小さく曲げに対する耐性が小さいこ
とから、そのままの形で湾曲させようとすると、ごくわ
ずかの曲げにより延伸する方の面に亀裂が走りさらに曲
げようとすると直ちに破断する。本発明においては硬質
合成樹脂発泡板の一方の表面に対して不織布を貼着する
ことにより硬質合成樹脂発泡板の表面に亀裂が発生する
ことが大きく抑制されて大きく湾曲させることが可能と
なる。
【0015】本発明者らの実験によれば、用いる不織布
は、レーヨン、綿、ポリエステル、ポリプロピレン、ナ
イロンなど若しくはこれらのブレンドの短繊維、または
ポリプロピレン、ポリエステル、ナイロンなど若しくは
これらブレンドの長繊維、あるいはガラス繊維、SUS
繊維などを通常の方法でウエブ状又はマット状に配列さ
せ、必要に応じて接着剤を用いつつ繊維相互を接合させ
て得られるシート状のものであってもよく、不織布に方
向性がある場合には少なくとも湾曲方向の破断伸度が2
0%以上、引張強度2kg/5cm(JIS L−10
96:カットスリップ法)以上のものが好ましく、さら
に好ましくは破断伸度が30%以上の引張強度4kg/
5cm以上の範囲のものが適している。
【0016】方向性のある不織布を用いることもでき、
本発明者らの実験によれば、その場合には、繊維の方向
を湾曲する方向に一致させるように貼着することによ
り、一層大きく湾曲させることが可能な製品を得ること
ができる。硬質合成樹脂発泡板と不織布の接着強度は屈
曲したときにその伸びに追従できる強度を必要とする。
この接着強度を得ることのできる接着剤としては、本発
明者らの実験によれば、エチレン−酢酸ビニル共重合体
で代表されるホットメルト型接着剤、二液エポキシ樹脂
系、一液ウレタン系などの反応硬化型接着剤、酢酸ビニ
ル系、ウレタン系で代表されるエマルジョン系、二液の
ポリエステル系、ウレタン系で代表される溶剤系などで
あってもよく、ホットメルト型接着剤を用いる場合に
は、不織布の積層面に押し出し法、ロールコーター法な
どで接着剤をコーティングしたものを熱ロールを用いて
硬質合成樹脂発泡板にプレス・接着する方法が有効であ
り、反応硬化型接着剤を用いる場合には、ロールコータ
ー法などでどちらか一方に塗布したものを圧着していく
方法が効果的である。
【0017】塗布量も特に制限はないが少なすぎると湾
曲時に硬質合成樹脂発泡板と不織布との間に剥離が生じ
る恐れがあり、また厚すぎると不織布の伸びを規制する
恐れがあるので、10〜60g/m2 (ドライ)程度が
適切である。また、不織布は水分吸着性が良いために液
化ガスタンクなどの断熱壁として施工するときにタンク
面での結露の吸収材としての機能も果たしうる。
【0018】不織布を貼着した面とは反対側の面に加工
する溝の断面形状はV字状、U字状、I字状など任意で
あるが、発泡気泡の圧縮を効果的に低減できる理由から
V字状であることが最も望ましい。溝加工の方向は断熱
施工時に硬質合成樹脂発泡板断熱材を曲げる方向に垂直
な方向とされるが、施工現場により同じ形状の硬質合成
樹脂発泡板断熱材であってもその曲げる方向が異なる場
合もありうるので、硬質合成樹脂発泡板断熱材の好まし
くは長辺及び短辺に平行に碁盤目のようにクロス状に加
工しておくことも有効である。また、施工面が円筒状曲
面でなく球面あるいはラグビーボールのような曲率半径
の変化する曲面のような場合にあっては、曲線状に溝加
工を行うことも有効となる。
【0019】溝加工の手段にも特に制限はないが、加工
すべき溝の形状を周面に持つ加圧ローラあるいは加圧板
を硬質合成樹脂発泡板の表面に圧接することによりエン
ボス加工として行ってもよく、回転刃、チップソー、フ
ィンガーカッターなど従来平板状部材に溝を切削加工す
るのに用いられている任意の手段により切削加工として
行ってもよい。
【0020】加工される溝の幅及び深さに必ずしも制限
はなく、実験的に最適値が定められるが、次のような方
法によりそれを定めるのも有効な手法である。すなわ
ち、図1に示すように、施工先であるLPGタンクなど
の構築物の外半径をR、溝加工すべき硬質合成樹脂発泡
板Aの一枚当たりの長さをL、厚みをT、構築物に一周
分巻き付けるのに必要な枚数をm、加工すべき溝Mの溝
幅をW、硬質合成樹脂発泡板一枚当たりの溝数をnとす
ると、 W=2πT/(m・n) または W=(mL−2πR)/(m・n) で求められる。
【0021】さらに、溝の深さdは施工時に必要とされ
る断熱材としての強度を阻害しない程度であれば任意で
あるが、本発明者による実験によれば、曲げに必要とさ
れる力の低減及び保形率の向上との兼ね合いから、溝加
工すべき硬質合成樹脂発泡板の厚みTの1/2〜1/3
程度が適している。本発明による硬質合成樹脂発泡板断
熱材の例を図2〜図4に示すと、前記したような材料か
らなる硬質合成樹脂発泡板Aの一方の面に対して前記の
ようにして不織布Bが貼着され、他方の面に多数の溝M
が形成される。図3は溝Mの部分を拡大して示したもの
であり、この例では複数本のV字状の溝Mが平行に形成
されている。図4は溝Mの他の例を示しており、硬質合
成樹脂発泡板断熱材の長辺及び短辺に平行に碁盤目のよ
うにクロス状に断面U字状の溝Mを加工したものであ
る。
【0022】本発明による硬質合成樹脂発泡板断熱材の
製造に際しては、通常の手段により板状の硬質合成樹脂
発泡板Aを成形し、次いで上記のように適宜の手段によ
り溝Mの加工を行い、さらに、通常のラミネータなどを
用いて所望の不織布Bを溝加工を施さない方の面に貼着
する。もちろん、成形加工機の態様によっては、溝Mの
加工と不織布Bの貼着加工の順を逆としてもよく、場合
によっては同時に行ってもよい。
【0023】本発明による硬質合成樹脂発泡板断熱材の
構築物への施工は次のようにして行う。 硬質合成樹脂発泡板断熱材を構築物の曲面とほぼ同
じ曲面を持つように不織布Bを貼着した面が外側となる
ようにして予め湾曲加工を行っておき、それを構築物の
曲面部分に対して取り付ける。必要に応じて取り付け後
にバンドなどで締めつける。この施工法において、湾曲
加工は加熱状態で行ってもよく、また、前記したように
本発明による硬質合成樹脂発泡板断熱材は大きく湾曲さ
せた後荷重を解放すると所定の曲率を保った状態に長時
間保持されることから、構築物の曲率を勘案しつつこの
ような曲げ加工により行うことも可能である。
【0024】 構築物の曲面に平板状の硬質合成樹脂
発泡板断熱材をその溝加工面を当接した状態で両側片部
を押圧し、全体として構築物の曲面に沿わせたのち必要
に応じて取り付け後にバンドなどで締めつける。この方
法によれば、曲率の異なる異なった構築物に対して、同
一態様の硬質合成樹脂発泡板断熱材を自由に用いること
が可能となる。
【0025】なお、前記の及びのいずれの場合に
も、硬質合成樹脂発泡板断熱材は、それが構築物の曲面
に沿って湾曲された場合に、図5に示すように溝Mの部
分の空隙部分が閉塞された状態となる。
【0026】
【作 用】前記のように本発明による硬質合成樹脂発泡
板断熱材においては、不織布を貼着した面とは反対の面
に溝加工が施されている。従って、溝加工が施された面
を内側となるようにして湾曲させるあるいは建造物の壁
面などに沿って断熱加工する場合に、図5に示すように
溝Mの空隙部分が閉塞された状態で湾曲することから、
内面層部となる部位を過度の圧縮することはなく、比較
的少ない力で容易に湾曲させることができる。さらに、
圧縮荷重を受けているものの破断にいたらない発泡気泡
の存在を大きく低減できることから、荷重を除去した後
の戻りは少なくなる(保形率が高くなる)。
【0027】また、外側となる面には不織布が貼着され
ていることから大きく湾曲させた場合でも硬質合成樹脂
発泡板に破断が生じることはない。その理由は必ずしも
明らかでないが、硬質合成樹脂発泡板の表面に貼着され
た不織布により湾曲したときに生じる該発泡板表層部の
引張応力が破断強度以下となるように保持され、結果と
して伸びに起因する亀裂の発生を阻止しているものと解
される。
【0028】また、本発明による硬質合成樹脂発泡板断
熱材を用いた断熱施工方法においては、内側面に溝加工
を施した硬質合成樹脂発泡板の曲げに必要な負荷と実質
的に同じ負荷でもって断熱材を曲げ加工することができ
かつ保形率も高められることから、金属板などを表面に
貼着したものと比べて施工作業がきわめて容易となる。
【0029】
【実施例】以下、実施例及び比較例により本発明を説明
する。 〔実施例(比較例)1〕密度27kg/m3 の押出発泡
ポリスチレン板(積水化成品工業(株)製、商品名:エ
スレンフォームSG)の25mm、50mm、100m
m厚みのものをそれぞれ準備し、その一面にエチレン−
酢酸ビニル系ホットメルト型接着剤50g/m2 をコー
ティングしたポリエステル系不織布(旭化成(株)製、
商品名:スパンボンド・エルタスP03070)を約1
30℃の熱ローラーで貼着した。これらをそれぞれ、幅
200mm、長さ1000mm、の試験片とし、不織布
を貼着していない面に、溝の幅、深さ、間隔がそれぞれ
5mm、3mm、10mmのV字状のカット溝を入れた
後、不織布面を外側にして湾曲させた。そのときの、湾
曲せしめるに要した曲げ荷重と曲率半径との関係を求め
た。その結果を表1に示す。また、湾曲の保形率との関
係を求めた。その結果を表2に示す。
【0030】また、比較例として同じ材料を用い、溝加
工を施さない(ブランク)の試験片についても同様の実
験を行い、その結果を同様に表1、表2に示した。な
お、保形率=d2 /d1 ×100%であり、d1 は荷重
時の湾曲した断熱材の弦からの垂直線が弧と交差するま
での距離の最大値(通常、弦の中心部分での垂直線の長
さ)であり、d2 は1分間の荷重の後に荷重を除去し、
その30分後に測定した同じ長さである。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】〔実施例(比較例)2〕密度34kg/m
3 の押出発泡ポリスチレン板(積水化成品工業(株)
製、商品名:エスレンフォームSU)について、実施例
1と同様の試験片を用意した。溝の幅は、湾曲時のその
曲率半径に相当する弧と断熱材が同じ内径の弧長となる
ようにして、表3のようにV字状溝を入れた。
【0034】
【表3】
【0035】なお、T:断熱材厚み(mm) R:湾曲時(荷重時)の曲率半径(mm) 溝の数は等間隔に10箇所入れ、溝深さはそれぞれ各厚
みの1/2とした。以上の溝を入れた試験片につき、実
施例1と同じ試験を行い、曲げ荷重とその時の曲率半径
との関係を表4に、また、湾曲の保形率との関係を表5
にそれぞれ示した。
【0036】
【表4】
【0037】
【表5】
【0038】〔考 察〕表1、2、及び、表4、5から
明らかなように、硬質合成樹脂発泡板の厚みが同じ場合
に、本発明による硬質合成樹脂発泡板断熱材はいずれの
場合にも、溝加工のないブランクのものと比較して、曲
げに要する荷重は低下しており、かつ湾曲の保形率も高
くなっていることがわかる。
【0039】
【発明の効果】本発明による硬質合成樹脂発泡板断熱材
は、硬質合成樹脂発泡板の一方の面に不織布を貼着し他
方の面に溝加工を施したことにより、破断を生じること
なく大きく湾曲させることが可能であるばかりでなく、
溝加工を施さないものと比較して、曲げに要する荷重は
低下しており、かつ保形率も高くなっている。従って、
本発明による硬質合成樹脂発泡板断熱材を用いることに
より、湾曲した壁面へ断熱施工を容易に行うことができ
る利点がある。
【0040】また、表装材が不織布であるためカッター
ナイフ、ノコなどでの切断や開孔加工が容易であり、建
造物への組付け作業をより確実に行うことができる。断
熱施工後も、表装材として不織布を用いていることか
ら、腐食することはなく、結露の発生も少なく、吸着水
の放出も良好となる。製造に際しても、不織布は軽く、
薄く、ロール状の原反となっているために、硬質合成樹
脂発泡板との接着加工が容易であり、生産性も向上す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】溝の好ましい幅を定める態様を説明する図。
【図2】本発明による硬質合成樹脂発泡板断熱材の一実
施例を示す斜視図。
【図3】溝の配置状態を示す拡大図。
【図4】溝の配置の他の状態を示す拡大図。
【図5】本発明による硬質合成樹脂発泡板断熱材の湾曲
した状態を示す斜視図。
【符号の説明】
A…硬質合成樹脂発泡板、B…不織布、M…溝

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一方の面に不織布を貼着した硬質合成樹
    脂発泡板の他方の面に溝加工を施してなることを特徴と
    する硬質合成樹脂発泡板断熱材。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の硬質合成樹脂発泡板断熱
    材をその溝加工した面を内側湾曲面となるようにして、
    曲面を持つ構築物の該曲面に沿わせて湾曲させ、かつ該
    構築物の該曲面に沿って固定することを特徴とする硬質
    合成樹脂発泡板断熱材を用いた断熱施工方法。
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Cited By (8)

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