JPH07232400A - 制振金属板用樹脂組成物および制振金属板 - Google Patents

制振金属板用樹脂組成物および制振金属板

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JPH07232400A
JPH07232400A JP2539894A JP2539894A JPH07232400A JP H07232400 A JPH07232400 A JP H07232400A JP 2539894 A JP2539894 A JP 2539894A JP 2539894 A JP2539894 A JP 2539894A JP H07232400 A JPH07232400 A JP H07232400A
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resin
metal plate
damping
vibration
resin composition
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JP2539894A
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Mamoru Yanai
護 谷内
Takayuki Furugishi
孝之 古岸
Yuki Sasaki
遊亀 佐々木
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Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 常温域で金属板に塗布してから積層し加熱・
圧着するだけで金属板と強固に複合し得、且つ優れた制
振性、曲げ加工性および耐熱性を有する制振金属板が得
られるとともに、夏場の倉庫などのように室温の高い所
でも保管や積載中に制振金属板を構成する金属板がズレ
たり、あるいは制振金属板の端部から樹脂がニジミ出し
たりするトラブルが起こり難い無溶剤型の制振金属板用
樹脂組成物を提供する。 【構成】 複数の金属板とそれらを接合する中間層とか
ら構成される制振金属板の中間層用樹脂組成物であっ
て、必須成分として分子中に2個以上のエポキシ基を有
するエポキシ樹脂、分子中にカルボキシル基を有する液
状ゴム、酸無水物、イミダゾールまたはその誘導体、さ
らに無水シリカよりなる群から選ばれる少なくとも一種
のチキソトロピー性付与剤を配合してなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、制振金属板を製造する
際の中間層に用いられる樹脂組成物と、この樹脂組成物
を接合層(中間層)として2枚またはそれ以上の金属板
を積層してなる制振金属板に関するものである。また、
この制振金属板は、騒音発生源となる建築物や機械等の
構成部材もしくはその一部として使用することによって
優れた振動減衰作用を発揮するので、振動に伴う騒音防
止材として有用である。
【0002】
【従来の技術】近年、騒音を軽減もしくは解消すること
を目的として、自動車のオイルパン、ホッパーのシュー
ト部、汎用エンジンのカバー、電気洗濯機の外板等々に
は制振金属板が実用化されている。
【0003】上記制振金属板は、2枚またはそれ以上の
金属板の間に接合剤を兼ねた樹脂組成物からなる中間層
を介在させて積層したものである。前記樹脂組成物とし
ては、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミ
ド樹脂、エチレン/α−オレフィン系樹脂、エチレン/
酢酸ビニル系樹脂、架橋タイプのポリオレフィン系樹脂
などが知られており、これら以外にも酢酸ビニル系樹
脂、ポリイソブチレン系樹脂、アクリル酸エステル系樹
脂などが制振金属板製造用中間層構成樹脂として有効で
あることが確認されている。
【0004】これらの樹脂のうち酢酸ビニル系樹脂やア
クリル酸エステル系樹脂の如き加熱溶融して溶融状態で
ロールコータなどで被着体に塗布できる樹脂は、主とし
てホットメルトラミネーション法によって金属板と積層
され、得られる制振金属板は中間層樹脂が常温(10〜40
℃)で柔軟であるため、常温付近の温度では比較的高い
制振効果と端曲げ加工性を発揮する。ところがこれらの
樹脂は常温における凝集力が低いため接着強度が弱く、
しかも焼付け塗装(通常 180℃×30分〜 230℃×30分
程)に耐えるほどの耐熱性もない。
【0005】また共重合やブレンドなどにより変性また
は改質されたポリオレフィン系樹脂、例えばエチレン/
α−オレフィン系樹脂などは、主としてフィルムラミネ
ーション法によって金属板と積層され、得られる制振金
属板は50〜 100℃程度の高温域で比較的優れた制振効果
を有しているばかりでなく、常温ににおける樹脂の凝集
力も高く成形加工に対する適応性も有しているため、自
動車用オイルパンの如く高温で用いられる制振金属板と
して好適なものとされている。しかしながらこれらにし
ても使用樹脂が熱可塑性であるため、焼付け塗装工程に
おける高温下の耐熱性に欠ける。
【0006】そこで最近、焼付け塗装に耐える接合用樹
脂として熱硬化性ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂
とエポキシ樹脂のブレンド物などが提案されており、こ
れらは樹脂を溶剤に溶かして行う溶剤法で用いられ、脱
溶剤後金属板と共に積層される。
【0007】上記の技術を含めてこれまでに開発された
製造方法の特徴を比較すると、ホットメルトラミネーシ
ョン法は、省力化、省エネルギ化、無公害化などの社会
的要請には沿うものであるが、得られる制振金属板の耐
熱性が十分でない。またフィルムラミネーション法は、
耐熱性は比較的良好であるが端曲げ加工の際、金属板へ
の密着性が高いのでフランジ折れ曲り不良現象が起こり
やすく、また膜厚精度の高い高価なフィルムを使用しな
ければならないのでコスト的に不利である。さらに、溶
剤法は、溶剤を使用するため脱溶剤設備が必要であり、
無公害化などの社会的要請を満たしていない。
【0008】このように公知の制振金属板製造用樹脂
は、制振性や耐熱性、曲げ加工性あるいは取扱い性にお
いて十分に満足すべき水準に達しているものとは言え
ず、また自動車ボディ回りの部品などのように、常温域
で高い制振性を有し且つ高温下においても高度の耐熱性
が要求される制振金属板の製造用として十分な性能を備
えた中間層としての接合用樹脂はあまり知られていな
い。
【0009】また制振金属板の新たな用途として、一般
住宅や共同住宅などの鋼製階段、鋼製床、金属ドアーな
どの建材への適用が最近積極的に進められており、これ
ら用途では一般に加工(シャーリング、曲げなど)後に
高温( 140〜 200℃)下で焼付け塗装あるいはゴム被覆
がなされるので、高温下における耐熱性が必要となる。
そのためこうした用途には、ホットメルトラミネーショ
ン法などで用いられる従来の熱可塑性樹脂は不向きであ
り、従って常・中温域(10〜60℃)ポットライフが長く
且つ高温域( 140〜 200℃)で速硬化性を有する無溶剤
型の新たな熱硬化性樹脂の開発が望まれていた。
【0010】そこで、本出願人は、上述の如き事情に着
目し、ホットメルトラミネーション法の長所を生かすと
共に、その欠点とされる耐熱性を改善し、無溶剤型で金
属板と強固に積層接合することができ、常温域で高い制
振効果と曲げ加工性を発揮すると共に、焼付け塗装等に
耐える高耐熱性を備えた制振金属板製造用の樹脂組成
物、およびこの樹脂組成物を接合用樹脂として用いた高
性能の制振金属板を開発し、これを特願平 4−181744号
として提案した。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上記先願に提案した無
溶剤型樹脂組成物は、必須成分として分子中に2個以上
のエポキシ基を有するエポキシ樹脂、分子中にカルボキ
シル基を有する液状ゴム、酸無水物、イミダゾールまた
はその誘導体を配合してなるものである。この樹脂組成
物は、上述した従来の諸問題を解消し得るものの、その
後の研究において、次の如き新たな問題が知見された。
すなわち、前記樹脂をロールコーターを用いて所定の厚
さ(30〜 200μm)に塗布した金属板の上に、もう1枚
の金属板を重ね、この積層した金属板を加熱機を通して
所定の加熱条件( 160℃以上× 2分以内)で樹脂をゲル
化し制振金属板を製造したところ、ゲル化が進み過ぎる
と、ゲル化物が硬くなり、積層した金属板の間に空気を
巻き込むものが出た。そこでゲル化条件を調整し、空気
の巻き込みのない状態で樹脂をゲル化すると、製品の制
振金属板を倉庫に保管している間に、水平に置いていな
いと積層した金属板がズレを起こしたり、あるいは積み
重ねた制振金属板の端部から樹脂がニジミ出したりする
トラブルが起き、特に夏場の倉庫などのように室温の高
い所ではその発生割合が高くなる。
【0012】そこで、本発明は、上記の問題点を解消す
るためにさらに研究を重ねることにより完成させたもの
で、その目的は、先願で提案した樹脂組成物が有する諸
特性を損なうことなく、さらに夏場の倉庫などのように
室温の高い所でも保管や積載中に制振金属板を構成する
金属板がズレたり、あるいは制振金属板の端部から樹脂
がニジミ出したりするトラブルが起こり難い制振金属板
用樹脂組成物、およびこの樹脂組成物を接合用樹脂とし
て中間層に用いた高性能の制振金属板を提供するもので
ある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明に係わる制振金属板用樹脂組成物の構成は、
複数の金属板とそれらを接合する中間層とから構成され
る制振金属板の中間層用樹脂組成物であって、必須成分
として分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ
樹脂、分子中にカルボキシル基を有する液状ゴム、酸無
水物、イミダゾールまたはその誘導体、さらに無水シリ
カよりなる群から選ばれる少なくとも一種のチキソトロ
ピー性付与剤(以下チキソ剤と言う)を配合してなるも
のであり、これらの好ましい配合割合は、エポキシ樹脂
100重量部に対し、液状ゴムを10〜 100重量部、酸無水
物を10〜80重量部、イミダゾールまたはその誘導体を 1
〜10重量部、無水シリカを 0.2〜 4重量部の範囲であ
る。そしてこの樹脂組成物を、金属板間に30〜 200μm
なる範囲内の厚さで介在せしめることにより、優れた制
振性、曲げ加工性、耐熱性を備えると共に、金属板のズ
レおよび樹脂のニジミ出しの起こり難い制振金属板を得
ることができる。
【0014】
【作用】本発明者等は、先願の樹脂組成物を中間層とし
て製造した制振金属板では、金属板のズレおよび樹脂の
ニジミ出しが時として発生する問題を知見した後、これ
らの欠点を解決するため種々検討した結果、金属板のズ
レおよび樹脂のニジミ出しなどのトラブルの発生は、ゲ
ル化物の粘度と密接な関係があることを見出し、この点
に着目して、樹脂にチキソ剤を配合し、ゲル化物の粘度
を高めることにより、前記金属板のズレおよび樹脂のニ
ジミ出しなどのトラブルを防止し得るのではないかと考
えた。そこで、特定のエポキシ樹脂、液状ゴム、酸無水
物およびイミダゾールまたはその誘導体からなる樹脂組
成物に、さらに無水シリカよりなるチキソ剤を所定量配
合した樹脂と、配合していない樹脂とを製造し、これら
樹脂による性状を比較調査したところ、チキソ剤を所定
量配合した樹脂は、配合しない樹脂に比べて、塗工時の
樹脂の粘度がほとんど変わらないが、ゲル化物の粘度が
著しく高くなることを認め、このことより、制振性が高
く、且つ適当なゲル化物の粘度を有するズレを起こし難
く、且つ樹脂のニジミ出しなどが少ない常温ないし中温
用無溶剤型熱硬化性制振金属板用樹脂組成物が開発でき
ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0015】以下、本発明について更に詳しく説明す
る。本発明は、複数の金属板とそれらを接合する中間層
から構成される制振金属板用の中間層用樹脂組成物と、
それを用いた制振金属板であって、中間層用樹脂組成物
は、必須成分としてエポキシ樹脂、液状ゴム、酸無水物
およびイミダゾールまたはその誘導体と、さらに無水シ
リカよりなる群から選ばれる少なくとも一種のチキソ剤
を配合して構成される。制振金属板の用途は、集合住宅
の階段、床、自動車のダッシュパネル、フロア、電気洗
濯機の外板、ホッパーのシュート部、汎用エンジンカバ
ーなど常温域で制振性を要求されるものが主である。常
温域で制振性を発揮するためには、樹脂組成物の硬化物
のガラス転移温度(Tg)は−70〜10℃の間にあること
が重要であるが、本発明の樹脂組成物の硬化物は、樹脂
組成の上限および下限においてTgが−70〜10℃の範囲
を満足する。
【0016】本発明に係るエポキシ樹脂は、接着性、耐
熱性などの優れた中間層用樹脂組成物の主成分となるも
のであって、1分子中に2個以上のエポキシ基を有する
ものであればすべて使用できるが、好ましいものとして
は例えばエポキシ系ジエポキサイドのポリプロピレング
リコールジグリシジルエーテル、ビスフェノールAのア
ルキレンオキサイド付加物のジグリシジルエーテル、ビ
スフェノールAのジグリシジルエーテルと重合脂肪酸付
加物、重合脂肪酸ポリグリシジルエステルおよび液状ゴ
ムのジグリシジルエーテルなどが挙げられる。これらの
エポキシ樹脂は、単独または2種以上組合せて使用する
こともできる。
【0017】本発明に係る液状ゴムは、主として中間層
用樹脂の制振作用を高める作用を発揮するものであっ
て、上記エポキシ樹脂との反応性を持たせるため分子中
にカルボキシル基を有するものが選択される。その具体
例としては、酸末端液状NBR 、酸末端液状ポリブタジエ
ン、酸末端液状クロロプレンゴムおよび酸末端ポリエス
テルなどが挙げられる。これらの液状ゴムは、単独また
は2種以上組合せて使用することもできる。
【0018】本発明に係る酸無水物は、硬化剤として配
合されるものであって、例えば芳香族酸無水物である無
水フタル酸、無水トリメリット酸、エチレングリコール
ビス(無水トリメリテート)、グリセロールトリス(無
水トリメリテート)、無水ピロメリット酸または3,3',
4,4'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物などが、
環状脂肪族酸無水物である無水マレイン酸、無水コハク
酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無
水フタル酸、無水メチルナジック酸、アルケニル無水コ
ハク酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒド
ロ無水フタル酸またはメチルヘキセンテトラカルボン酸
無水物などが、脂肪族酸無水物であるポリアジピン酸無
水物、ポリアゼライン酸無水物などが挙げられる。これ
らの無水酸無水物は単独または混合物としていずれも適
宜用いられる。
【0019】本発明に係るイミダゾールまたはその誘導
体は、主として硬化促進剤としての作用を発揮させるた
めに配合されるものであって、その好ましいものとして
は2-メチルイミダゾール、2-エチル-4- メチルイミダゾ
ール、2-ウンデシルイミダゾール、2-ヘプタデシルイミ
ダゾール、2-フェニルイミダゾール、1-ベンジル-2-メ
チルイミダゾール、1-シアノエチル-2- メチルイミダゾ
ール、1-シアノエチル-2- エチル-4- メチルイミダゾー
ル、1-シアノエチル-2- メチルイミダゾールまたは1-シ
アノエチル-2- ウンデシルイミダゾールなどが挙げられ
る。これらのイミダゾール類は単独または混合物として
いずれも適宜用いられる。
【0020】本発明に係るチキソ剤は、塗工時の樹脂の
粘度を変えずに塗工後のゲル化物の粘度を高める作用を
発揮させるために配合するものであって、ケイ素を含む
揮発性化合物を気相で反応させることにより製造される
超微粒子状無水シリカが好適に使用される。
【0021】次に上記各原料成分の好ましい配合量につ
いて説明する。まず液状ゴムの配合量は、エポキシ樹脂
100重量部に対して10〜 100重量部の範囲であるのが好
ましく、この範囲を外れると、制振金属板の制振性また
は接着強さが低下し好ましくない。
【0022】酸無水物の配合量は、エポキシ樹脂 100重
量部に対して10〜80重量部の範囲であるのが好ましく、
この範囲を外れると、制振金属板の制振性または接着強
さが低下し好ましくない。またイミダゾール類の配合量
は、エポキシ樹脂 100重量部に対して 1〜10重量部の範
囲であるのが好ましく、この範囲を外れると、樹脂組成
物のゲル化性が低下または促進されず好ましくない。さ
らに無水シリカからなるチキソ剤の配合量は、エポキシ
樹脂 100重量部に対して 0.2〜 4.0重量部の範囲である
のが好ましく、この範囲を外れると、樹脂組成物のゲル
化物の粘度が低く過ぎ、または配合量に対する増粘効果
が少なく好ましくない。なお、上記エポキシ樹脂、液状
ゴム、酸無水物、イミダゾール類および無水シリカは、
いずれも市販品が入手可能である。
【0023】本発明の樹脂組成物においては、エポキシ
樹脂中のエポキシ基が、液状ゴム中のカルボキシル基
や、酸無水物がイミダゾール類との反応によって生成す
るカルボキシル基と反応することおよびイミダゾール類
とエポキシ基の反応によって生成するアルコキシアニオ
ンと反応することによって、最終的に樹脂組成物が架橋
されてゲル化・硬化し、制振性、接着強さおよびゴム加
硫接着工程や塗装焼付け工程における耐熱性などの諸特
性が満足される。
【0024】上記の架橋反応は、製造ラインの実際の操
業条件に合わせた適当なゲル化速度・粘度にするため
に、使用するエポキシ樹脂、液状ゴム、酸無水物、イミ
ダゾール類および無水シリカの種類と量が適宜選択・配
合される。また、制振金属板の製造条件を考慮すると、
本発明のエポキシ樹脂、液状ゴム、酸無水物、イミダゾ
ール類および無水シリカからなる樹脂組成物は、常温で
低粘度(10〜 200P)であり、ロールコーターを用いて
金属板への塗工が容易であり、空気の巻き込みがなく、
加工時スポット溶接性付与のために導電性フィラーや添
加剤などの混合あるいは添加が容易になるなどの利点が
生じる。さらに、本発明の樹脂組成物には、制振金属板
の溶接性の改良を目的として導電性を付与するため、カ
ーボンブラック、黒鉛、金属粉など各種の導電性フィラ
ーを配合することができる。かくして得られた樹脂組成
物の特性は、制振性、接着強さ、耐熱性および塗工性も
良い。
【0025】本発明の樹脂組成物は、エポキシ樹脂、液
状ゴム、酸無水物、イミダゾール類および無水シリカが
別々に保管され、制振金属板製造の際に両者が混合され
て使用される、いわゆる主剤と硬化剤からなる2液型接
着剤のようにも使用されるが、本発明の樹脂組成物は室
温下でかなり安定に存在するため、1液型としても供給
できる。2液型あるいは1液型は、樹脂組成あるいは製
造ラインの実際の操業条件に合わせて適宜選択される
が、2液型の場合は2液を適正に配合し、製造ラインに
供給する必要があるので、1液型の方が操業面から好ま
しい。
【0026】本発明の樹脂組成物を用いて制振金属板を
製造するには、切り板を使用する半連続法を採用するこ
とができる。また、金属板に樹脂組成物を形成する方法
としては、塗料状の樹脂組成物をロールコーターを用い
て片方の金属板に塗工した後、もう一方の金属板をその
上に重ね、加熱圧着することにより張り合わせる方法な
どの方法を採用することができる。また金属板の種類
は、特に限定されるものではなく、同一あるいは異種の
いずれであっても良い。かかる金属板としては例えば鋼
板(表面処理鋼板、ステンレス鋼板などを含む)、アル
ミニウム板、銅板およびこれらの表面処理板などがその
用途、環境などに応じていずれも好適に用いられる。
【0027】
【実施例】次に本発明を実施例に基づき具体的に説明す
る。 〔実施例1〕制振金属板(制振鋼板)の特性(制振性、
耐熱性および鋼板のズレや樹脂のニジミ出しの状態な
ど)を確認するために、表1に示す本発明の所定量のチ
キソ剤を添加した3種類の樹脂(樹脂1〜3)と比較例
の樹脂(樹脂4)を用いて比較・検討を行った。その結
果を表2に示す。
【0028】
【表1】 備考) *1:エポキシ末端液状ゴム,EP 871〔油化シェルエポキ
シ(株)製,エポキシ当量 390〜 470〕 *2:カルボキシ末端液状ゴム,CTBN 1300×8 〔宇部興
産(株)製,数平均分子量 3270 〕 *3:メチルテトラヒドロ無水フタル酸,B 570 〔大日本
インキ化学工業(株)製〕 *4:2-エチル-4(5)-メチルイミダゾール,EMI-24〔油化
シェルエポキシ(株)製〕 *5:無水シリカ,AEROSIL R202〔日本アエロジル(株)
製〕
【0029】
【表2】
【0030】上記表2の評価結果から、本発明の樹脂組
成物(実施例1乃至3)を用いて製造した制振鋼板は、
比較品の樹脂組成物(比較例1)を用いて製造した制振
鋼板と比較して、鋼板のズレや樹脂のニジミ出しの状態
が大幅に改善されていることが分かる。また、このよう
にズレやニジミ出しが改善されることから、より好まし
い制振性と耐熱性を具備する制振鋼板を得ることができ
る。なお、本発明の樹脂組成物と比較品の樹脂組成物の
粘度はさほど差はなく、またポットライフ(樹脂の粘度
が所定の温度で初期粘度の2倍になるまでの時間で評価
する)は、共に12時間以上を有し良好なものであった。
【0031】なお、上記実施例で用いた樹脂組成物の特
性の測定方法、積層・接着方法、制振金属板の特性の測
定方法などは、以下のとおりである。 :使用金属板 厚さ 1.6mmの熱延鋼板をアセトンで脱脂して用いた。 :積層・接着方法 2枚の鋼板の表面に厚さ 100μmのスペーサを置き、鋼
板面に約 7g の所定量のチキソ剤を添加した樹脂(25℃
での粘度;約50P)をバーコーターを用いて均一に塗布
した。次いで、スペーサを取り外し、2枚の鋼板の樹脂
塗布面を合わせ、圧縮成形機を用いて 160℃で80秒加熱
し、樹脂をゲル化し、鋼板を積層・接着した。 :粘度(複素粘度,η* ) レオメトリック・ファーイースト社製のRDA−700
型動的粘弾性測定装置を用いて、周波数10Hzで測定し
た。 :制振性 この積層・接着した鋼板から短冊型試料(幅20mm×長さ
200mm)を作成し、B&K(Bruel and Kjeaer Ltd.)社
製 複素弾性係数測定装置を用い、共振法により測定周
波数 250Hzで振動減衰試験を行い、20℃での損失係数
(η)を求めた。 :接着強さ 剪断引張り強さの測定は、 JIS法(K 6854)に準じて行っ
た。 :耐熱性 上記で積層・接着した鋼板を幅20mm×長さ 200mmに裁断
し、圧縮成形機を用いて、 180℃で30分間、面圧 40kgf
/cm2 で加熱し、鋼板の端部からの“樹脂のニジミ出
し”の状況を観測し、ニジミ出しが大きいものを×、少
ないものを○で示した。 :ズレの状態 100mm角に切断した塗工・積層後の鋼板を10枚重ね、そ
の上に約 3.5kgの重し(サイズ: 120× 120×31mm)を
載せ、所定の評価条件〔室温(約20℃)、傾斜角度 5
°〕で 7時間放置し、その間の鋼板のズレ量を測定し
た。鋼板のズレ量が10枚平均で 5mm以内のものを○、 5
mmを超えるものを×で示した。 :ニジミ出しの状態 水平に保った台の上に 100mm角に切断した塗工・積層後
の鋼板を10枚重ね、その上に約 3.5kgの重しを載せ、室
温(約20℃)で24時間放置し、その間の鋼板端部からの
樹脂のニジミ出しの状態を観察した。樹脂のニジミ出し
の程度が大きいものを×、少ないものを○で示した。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の樹脂組成
物であれば、無溶剤型で常温域で金属板に塗布してから
積層し加熱・圧着するだけで金属板と強固に複合させる
ことができるとともに、夏場の倉庫などのように室温の
高い所でも保管や積載中に制振金属板を構成する金属板
がズレたり、あるいは制振金属板の端部から樹脂がニジ
ミ出したりするトラブルが防止できる。またこのように
金属板のズレや樹脂のニジミ出しが防止できることか
ら、制振金属板の製造およびその後の取扱いの作業性が
改善されるとともに、優れた制振性および曲げ加工性を
有する制振金属板を得ることができる。しかも本発明の
樹脂組成物は硬化状態で焼付け塗装等にも十分耐える優
れた耐熱性を有しているので、得られる制振金属板は、
自動車や各種交通機関、産業機械、共同住宅や工場建屋
等の金属製階段や金属ドアー、家電製品等の振動に伴う
騒音防止材として幅広く活用することができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の金属板とそれらを接合する中間層
    とから構成される制振金属板の中間層用樹脂組成物であ
    って、必須成分として分子中に2個以上のエポキシ基を
    有するエポキシ樹脂、分子中にカルボキシル基を有する
    液状ゴム、酸無水物、イミダゾールまたはその誘導体、
    さらに無水シリカよりなる群から選ばれる少なくとも一
    種のチキソトロピー性付与剤を配合してなることを特徴
    とする制振金属板用樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 分子中に2個以上のエポキシ基を有する
    エポキシ樹脂 100重量部に対し、分子中にカルボキシル
    基を有する液状ゴムを10〜 100重量部、酸無水物を10〜
    80重量部およびイミダゾールまたはその誘導体を 1〜10
    重量部、無水シリカを 0.2〜 4重量部配合したものであ
    る請求項1記載の制振金属板用樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の樹脂組成物を、
    金属板間に30〜 200μmなる範囲内の厚さで介在せしめ
    てなることを特徴とする制振金属板。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002249543A (ja) * 2001-02-26 2002-09-06 Sumitomo Bakelite Co Ltd 一液型エポキシ樹脂組成物

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