JPH07238018A - 抗真菌性抗生物質及びその製造法 - Google Patents

抗真菌性抗生物質及びその製造法

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JPH07238018A
JPH07238018A JP2780294A JP2780294A JPH07238018A JP H07238018 A JPH07238018 A JP H07238018A JP 2780294 A JP2780294 A JP 2780294A JP 2780294 A JP2780294 A JP 2780294A JP H07238018 A JPH07238018 A JP H07238018A
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JP
Japan
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substance
culture
bacillus
antibiotic
strain
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JP2780294A
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Takeo Sugawara
武雄 菅原
Yasuyo Shimizu
靖代 清水
Yoji Yamaguchi
洋司 山口
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Yamanouchi Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Yamanouchi Pharmaceutical Co Ltd
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  • Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 下記構造式(I)で示されるYL−0370
9B−A物質からなる抗真菌性抗生物質。 【化1】 【効果】 強い抗真菌活性を示し、医薬、殊に抗真菌性
抗生物質として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、医薬、殊に抗真菌性抗
生物質として有用な新規化合物及び発酵法による該化合
物の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】1950年代以降の抗生物質に関する研
究開発の急速な進歩及びその広範な普及により、細菌性
の感染症はそのほとんどが駆逐されるに至っている。そ
の一方で、平素は無害な弱病原性微生物による感染症
(日和見感染)が近年大きな問題となりつつある。日和
見感染は、(1)免疫不全症や悪性腫瘍等の疾病又は免疫
抑制剤や抗炎症剤等の投与によって免疫機能が低下した
場合、(2)抗生物質投与による共生菌の抑制から生じる
菌交代、(3)医療機関内におけるいわゆる院内感染など
が原因とされる。このような日和見感染の中でも真菌症
がその多くを占めている。そこで、抗真菌性抗生物質と
して、従来、アムホテリシンB、グリセオフルビン、ナ
イスタチン等の物質が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前述のように、近年、
真菌症が増大する中で、より有効な抗真菌性抗生物質の
創製が切望されている。このような背景において、本発
明者らは、天然に存在する多くの微生物が生産する物質
について研究を行ったところ、バシルス属に属し、真菌
に対して抗菌活性を有する物質を生産する能力を有する
微生物を見い出し、この微生物を培地に培養することに
よって、同培地中に抗真菌作用を有する新規物質を生産
させ、この物質を単離し、本発明を完成した。したがっ
て、本発明の目的は、有用な抗真菌活性を有する新規抗
生物質を提供することにある。また、本発明の別の目的
は、新規抗真菌性抗生物質を得るための新規な製造法を
提供することにあり、更に上記抗生物質を生産する新規
微生物を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は下記
構造式(I)で示されるYL−03709B−A物質か
らなる抗真菌性抗生物質である。
【0005】
【化2】
【0006】また、本発明は、バシルス(Bacillus)属
に属するYL−03709B−A物質生産菌を培養し、
培養物中に上記YL−03709B−A物質を生産、蓄
積させ、培養物からこれらの物質を単離採取することを
特徴とするYL−03709B−A物質の製造法であ
る。
【0007】本発明の新規抗真菌性抗生物質は、YL−
03709B−A物質生産菌を培養し、培養物中に該抗
生物質を生産、蓄積させ、培養物中から該抗生物質を採
取することによって製造することができる。また、製造
される本発明のYL−03709B−A物質は、分子内
に不斉炭素原子を有することから、光学異性体等の各種
異性体が存在する。本発明の有効成分は、これらの異性
体の分離されたもの及びそれらの混合物であってもよ
い。本発明YL−03709B−A物質を生産する菌株
としては、例えば、沖縄、石垣島で採取した土壌から分
離した微生物バシルス エスピー(Bacillus sp.)YL
−03709B株を挙げることができる。以下、この菌
株の菌学的性状を説明する。
【0008】バシルス エスピー(Bacillus sp.)YL
−03709B株の菌学的性質: 1.形態的特徴 栄養寒天培地上で、32℃、5日間培養した細胞は、
0.6〜1.0×2.0〜7.0μmの桿菌でグラム染
色は陽性であり、運動性を有する。また、菌体の中央〜
末端よりに1個の胞子を形成する。この胞子は楕円形で
100℃、10分の加熱に対し耐性である。
【0009】2.各種培地における生育状態 各種培地における生育状態は以下に示す通りである。培
養は32℃で2〜7日間行い、常法に従って観察した。
色調の記載については色の標準(日本色彩研究所)によ
った。 (1)肉汁寒天培地 クリーム〜黄茶灰で光沢のある不透明なコロニーを形成
する。色素の産生は認められない。 (2)グルコース肉汁寒天培地 クリーム〜黄茶灰で光沢のある不透明なコロニーを形成
する。色素の産生は認められない。 (3)肉汁液体培地 皮膜を形成し培地上部が混濁する。
【0010】3.生理学的性質 下記表1に示すとおりである。
【表1】
【0011】4.炭素源の利用性 下記表2に示すとおりである。
【表2】
【0012】5.メナキノンの分析 主要な菌体メナキノンはMK−7である。 6.DNAのGC含量 mol%G+C=41.5
【0013】以上の菌学的性質をまとめると、本菌株は
グラム陽性有芽胞桿菌で運動性を有する。また、好気性
であり、VPテスト陰性、オキシダーゼ試験陽性、カタ
ラーゼ試験陽性、硝酸塩の還元性を有し、15〜40℃
の中温で生育する。このような性状を有する菌をバージ
ーズ-マニュアル-オブ-システマティック-バクテリオロ
ジィ(Bergey's Manual of Systematic Bacteriology、
1984)及びその他の文献によって検索し、本菌株はバシ
ルス(Bacillus)属に属する細菌であると判断された。
また、本菌株に類似した菌種を検索すると、バシルス
バディウス(Bacillus badius)、バシルス ブレビス
(Bacillus brevis)、バシルス サーキュランス(Bac
illus circulans)が挙げられる。本菌株と上記3種の
類似菌株との比較(文献値)を下記表3に示す。
【0014】
【表3】
【0015】バージーズ-マニュアル-オブ-システマテ
ィック-バクテリオロジィ(Bergey'sManual of Systema
tic Bacteriology、 1984)の記載によると、これら3種
に共通な性質として、グラム染色性は陽性、胞子を菌体
の中央かやや末端に1個形成し、VPテスト、インドー
ル反応、ジオキシアセトンの生成能は陰性であることが
挙げられる。しかし、Bacillus badius、Bacillus brev
is、Bacillus circulansの3種とも、菌のサイズが本菌
株とは異なり、Bacillus badiusは5%NaCl肉汁寒天培
地上での生育が陽性で、50℃でも生育する点におい
て、本菌株とは異なる。また、Bacillus circulansは、
デンプンの加水分解性が陽性であることから、本菌株と
は異なる。以上のことより、本菌株はBacillus badiu
s、Bacillusbrevis、Bacillus circulansと必ずしも一
致しない。
【0016】従って、今回本菌株をバシルス エスピー
(Bacillus sp.)YL−03709Bと命名した。本菌
株は工業技術院生命工学工業技術研究所に、FERM
P−14126として寄託されている。なお、微生物は
人工的に、また自然に変異を起こし易いが、本発明にお
いて用いられるバシルス エスピー YL−03709
B株は、天然から分離された菌株の他に、これを紫外
線、X線、化学薬剤などで人工的に変異させたもの及び
それらの人工変異株についても包含するものである。
【0017】(製造法)本発明の新規抗生物質の製造法
を実施するに当たり、該抗生物質の生産菌株バシルス
エスピー YL−03709B株を栄養源を含有する培
地に接種し、好気的に発育させることにより本発明の新
規抗生物質を含む培養物が得られる。培養に用いる培地
は、使用する微生物が生育可能な培地であればよく、合
成培地、半合成培地あるいは天然培地を用いることがで
きる。培地に添加する栄養物としては、細菌の栄養源と
して公知のものを使用すればよい。例えば市販されてい
るペプトン、肉エキス、コーンスティープリカー、綿実
粉、落花生粉、大豆粉、酵母エキス、小麦胚芽、カゼイ
ンの水解物、魚粉、硝酸ソーダ、硝酸アンモニウム等の
無機又は有機の窒素源、市販されている糖蜜、グルコー
ス、マルトース、フルクトース、マンニトール、グリセ
リン、ポテトスターチ、コーンスターチ、デキストリ
ン、可溶性澱粉等の炭水化物あるいは脂肪等の炭素源が
使用できる。
【0018】また金属塩として、Na、K、Mg、C
a、Zn、Fe、Mn、Co、Cu等の硫酸塩、塩酸
塩、硝酸塩、燐酸塩、炭酸塩等を必要に応じて添加でき
る。更に必要に応じてバリン、ロイシン、イソロイシ
ン、フェニルアラニン、トリプトファン、メチオニン、
リジン、アルギニン、グルタミン酸、アスパラギン酸等
のアミノ酸や、ビタミン類、オレイン酸メチル、ラード
油、シリコン油、界面活性剤等の抗生物質生産促進物質
又は消泡剤を適宜使用できる。これらのもの以外でも、
本発明YL−03709B−A物質生産菌が利用し、本
発明YL−03709B−A物質の生産に役立つもので
あれば、いずれの添加物も使用することができる。
【0019】培養法としては、一般の抗生物質の生産方
法と同様に行えばよく、その培養方法は固体培養でも液
体培養でもよい。液体培養の場合は静置培養、振盪培
養、攪拌培養のいずれを実施してもよいが、特に通気攪
拌培養が好ましい。培養条件として、培養温度は生産菌
が発育し、本発明の抗生物質を生産しうる温度、すなわ
ち15℃〜40℃の範囲で適宜変更できるが、およそ2
4℃〜37℃が好ましい。培地のpHは6〜9の範囲で
適宜変更できるが、pH7〜8が好ましい。培養時間は
種々の条件によって異なり、10時間〜168時間であ
るが、通常24時間〜120時間程度で培養液中に蓄積
される本発明の抗生物質が最高力価に達する。
【0020】培養物から目的とする本発明の抗生物質を
単離するには、微生物の産生する代謝産物に用いる通常
の抽出、精製の手段が適宜利用できる。培養物中の該抗
生物質は培養液をそのままか、又は遠心分離あるいは培
養物に濾過助剤を加えて濾過して得られた培養濾液に、
酢酸エチル、クロロホルム等の水と混和しない有機溶媒
を加えて抽出する。また培養濾液を適宜の担体に接触さ
せ、濾液中の該抗生物質を吸着させ、次いで適当な溶媒
で溶出することにより該抗生物質を抽出することができ
る。例えば、アンバーライトXAD-2、ダイヤイオン
HP-20、ダイヤイオンCHP-20、又はダイヤイオ
ンSP-900のような多孔性吸着樹脂に接触させて該
抗生物質を吸着させる。
【0021】次いで、メタノール、エタノール、アセト
ン、アセトニトリル等の有機溶媒と水の混合液を用いて
該抗生物質を溶出させる。このときの有機溶媒の混合比
率を低濃度より段階的又は連続的に高濃度まで上げてい
くことにより、該抗生物質の含まれる比率のより高い画
分を得ることができる。酢酸エチル、クロロホルム等の
有機溶媒で抽出する場合には、培養濾液にこれらの溶媒
を加え、よく振盪し、該抗生物質を抽出する。次に、上
記の各操作法を用いて得た該抗生物質含有画分は、シリ
カゲル、ODS等を用いたカラムクロマトグラフィー、
遠心液々分配クロマトグラフィー、ODSを用いた高速
液体クロマトグラフィー (HPLC)等の常法によ
り、更に純粋に分離精製することができる。
【0022】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて更に詳細に
説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもの
ではない。
【0023】(実施例)グルコース1%、ポテトスター
チ2%、酵母エキス0.5%、ポリペプトン0.5%、
炭酸カルシウム0.4%を含む種培地(pH7.0)を
500ml容の三角フラスコに100mlずつ分注し、
121℃で20分間滅菌した。ベネット寒天培地上に良
く生育させたバシルス エスピー YL−03709B
株の菌体を掻きとって接種し、28℃で72時間通気攪
拌培養を行い、種培養液とした。次に、上記と同じ組成
の生産培地に2%の割合で種培養液を植菌し、28℃で
72時間通気攪拌培養した。
【0024】このようにして培養した2.5lの培養液
を濾過後、この濾液をpH3に調整し、酢酸エチルで抽
出後、減圧下で濃縮して抽出物344mgを得た。この
抽出物を、キーセルゲル60(メルク社製)を用いたフ
ラッシュクロマトグラフィーに付し、クロロホルム/メ
タノール(9:1)で溶出した活性画分を、更に酢酸エ
チル及び飽和NaHCO3水溶液によって二層分配し、
酢酸エチル抽出画分42mgを得た。この抽出画分を、
YMC-GEL(YMC社製)を用いたフラッシュクロ
マトグラフィーに付し、メタノール/水(9:1)で溶
出した活性画分を、最終的にPegasil ODS
(センシュー科学社製)及びアセトニトリル/水(5
4:46)を用いたHPLCにより精製し、YL−03
709B−A物質を4.9mg単離した。
【0025】上記のようにして抽出、精製、単離された
YL−03709B−A物質は、下記の物理化学的諸性
質を有する。 (1)色及び形状:無色で透明又は半透明の無定型アメ状
物質。 (2)酸性、中性、塩基性の区別:中性。 (3)溶剤に対する溶解性:メタノール、エタノール、ア
セトン、酢酸エチル、クロロホルム、ジメチルスルホキ
シド等には溶けるが、水には溶け難く、ヘキサンにはほ
とんどとけない。 (4)分子量:399 (5)分子式:C2433NO4 (6)比旋光度:[α]D-106.1°(c0.33,溶剤;メタノー
ル) (7)マススペクトル(FAB−Mass):m/z 400.244
9(MH+;C2434NO4,Δ-3.8mmu) (8)紫外線吸収スペクトル(メタノール中):λmax 217
(ε19000),222(ε18000),263(ε31000)nm (9)赤外線吸収スペクトル(フィルム法):3340,296
0,1670cm-1 (10)1H−NMRスペクトル(CDCl3中,500MH
z):図1に示す。 (11)13C−NMRスペクトル(CDCl3中,125MH
z):図2に示す。 上記の物理化学的諸性質から、YL−03709B−A
物質の化学構造式を下記のように決定した。
【0026】
【化3】
【0027】
【発明の効果】本発明YL−03709B−A物質は、
強い抗真菌活性を示し、医薬、殊に抗真菌性抗生物質と
して有用である。表4にYL−03709B−A物質の
抗真菌活性を示す。なお、最小発育阻止濃度(MIC
(μg/ml))は、サブロー・デキストロース寒天培地を用
いた寒天希釈法により測定した。
【0028】
【表4】
【図面の簡単な説明】
【図1】YL−03709B−A物質の1H−NMRス
ペクトルである。
【図2】YL−03709B−A物質の13C−NMRス
ペクトルである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記構造式(I)で示されるYL−03
    709B−A物質からなる抗真菌性抗生物質。 【化1】
  2. 【請求項2】 バシルス(Bacillus)属に属し、請求項
    1記載のYL−03709B−A物質を生産する能力を
    有する微生物を培地に培養し、培養物中に上記YL−0
    3709B−A物質を生産、蓄積させ、培養物から生成
    蓄積したYL−03709B−A物質を単離採取するこ
    とを特徴とするYL−03709B−A物質の製造法。
  3. 【請求項3】 バシルス(Bacillus)属に属する微生物
    が、バシルス エスピー(Bacillus sp.)YL−037
    09B(FERM P−14126)である請求項2記
    載の製造法。
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