JPH07239310A - 電磁波検出装置及び基板加工装置 - Google Patents

電磁波検出装置及び基板加工装置

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JPH07239310A
JPH07239310A JP6029476A JP2947694A JPH07239310A JP H07239310 A JPH07239310 A JP H07239310A JP 6029476 A JP6029476 A JP 6029476A JP 2947694 A JP2947694 A JP 2947694A JP H07239310 A JPH07239310 A JP H07239310A
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武彦 中原
Masao Ecchu
昌夫 越中
Noriyuki Kosaka
宣之 小坂
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 強度比が大きい複数の電磁波を測定する際に
微弱な電磁波をも検出できる電磁波検出装置を得ると共
に、また、基板加工プロセス中における組成の変化を測
定できる機能を有する基板加工装置を得る。 【構成】 試料1Cから発生する特性X線の内、強度の
強い元素からの特性X線7aを選択的に透過させて減衰
させると共に強度の弱い元素からの特性X線7bを選択
的に反射させる光学素子としての全反射ミラー31と、
特性X線7aの強度を調整する強度調整機構としてのス
リット32と、上記全反射ミラー31により反射された
特性X線7bと上記スリット32により強度が調整され
た特性X線7aとを同一の半導体X線検出器6で検出す
るようにして、試料1C中の元素が発生する強度比が大
きい特性X線を測定する際に微弱な電磁波をも検出可能
にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、X線や電子ビーム・
イオンビーム等の励起源により元素を励起し、励起され
た元素から放出される電磁波、特に特性X線(以下、特
性X線には蛍光X線を含む)を検出する電磁波検出装置
及びこの電磁波検出装置を用いて基板加工中の組成の変
化を検出可能にする基板加工装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、電子デバイスや半導体等の高集積
化・微細化に伴い、極微量の不純物がデバイス特性を左
右するようになってきている。そのため、極微量の不純
物汚染を調べることが重要となりつつある。このような
極微量の不純物汚染を測定する方法として、X線や電子
ビーム・イオンビーム等の励起源により不純物元素を励
起し、励起された元素から放出される電磁波、特に特性
X線を検出することにより不純物元素を測定する方法が
ある。この測定方法は、試料を破壊することなく不純物
元素を測定できることから、近年よく用いられるように
なっている。
【0003】図21は試料を破壊することなく不純物元
素を測定する従来の電磁波検出装置としてのX線検出装
置を示すもので、例えば「シンクロトロン放射光技術」
(富増多喜夫編著、工業調査会、1990年、p.49
7)に示されたものと同様なものである。図21におい
て、1Aは例えば硅素Si基板上に鉄Feまたは銅Cu
等重金属の不純物が混入されている試料、2は試料1A
の元素を励起するためのシンクロトロン放射光等の励起
源、3は励起源2からのX線5を分光するための分光
器、4a、4bは分光器3の入出射角を決定するための
スリット、6は励起源2からのX線5により励起される
試料1A中の元素が発生する特性X線7を検出するため
の半導体X線検出器、8は波高分析器と記憶・表示装置
を含み上記半導体X線検出器6からの検出信号を処理す
る信号処理回路、9は試料容器である。
【0004】次に上記構成に係る動作について説明す
る。シンクロトロン放射光等の励起源2から照射される
X線5は、スリット4a、4bにより決定された入出射
角で分光器3により分光され、試料1Aに照射される。
これにより、試料1Aの元素は励起され、励起された元
素が放出する特性X線7を半導体X線検出器6で検出す
る。半導体X線検出器6で検出された特性X線7は信号
処理回路8で処理され、スペクトルとして記憶・表示さ
れる。
【0005】ここで、上記半導体X線検出器6として
は、全体のX線スペクトルが同時に観測できるエネルギ
ー分散型検出器が用いられており、この半導体X線検出
器6のX線検出原理及び上記信号処理回路8に含まれる
図示しない波高分析器における信号処理を図22(a)
ないし(c)を用いて説明する。図22(a)におい
て、6Aは上記半導体X線検出器6に試料1Aから放出
される特性X線7が入射することにより生成される該特
性X線7のエネルギー値に応じた数の電子・正孔対、8
Aと8Bは上記信号処理回路8のバイアス電圧と電流パ
ルスである。
【0006】すなわち、上記半導体X線検出器6に特性
X線7が入射すると、それぞれの特性X線7のエネルギ
ー値に比例した数の電子・正孔対6Aが生成され、電流
パルス8Bとして出力し、信号処理回路8は、この電流
パルス8Bを内蔵する増幅器を通して電流パルスの量に
比例した電圧パルスに変換した後、内蔵する波高分析器
によりそれぞれのパルス波高値に相当するチャネルに蓄
積してエネルギースペクトルを得るようになっている。
図22(b)はある試料から放出された特性X線、例え
ば3種類の異なったエネルギー値の特性X線7を半導体
X線検出器6で検出したときに得られる電流パルスを示
す模式図であり、また、図22(c)は図22(b)の
電流パルスを波高分析した結果を示す図で、電流パルス
P1、P2、P3がそれぞれのエネルギーに対応したパ
ルス数として表示される。
【0007】また、従来、上述したような電子デバイス
や半導体等の高集積化、微細化に伴い、薄膜の膜質が電
子デバイスの性能を左右するようになってきている。例
えば、二酸化硅素SiO2 膜における硅素Siと酸素O
との比が1:2からずれると、膜中にSiO2 以外の物
質が混入したことになり、誘電率が変化し所望の高周波
特性が得られないことがある。さらに、化合物の薄膜を
形成する場合に、所望の組成を得ることは、スパッタ率
の違いや付着係数の違い等により困難なことが多く、従
来、薄膜形成装置で薄膜を形成した後に組成分析装置で
評価していたが、その場合には、薄膜形成中の条件の変
動による組成の変化を薄膜形成中に補正することは困難
であった。そこで、薄膜形成中の組成の変化を逐次測定
する試みがなされている。
【0008】図23(a)と(b)は、例えば「RHE
ED励起X線全反射角分光(TRAXS)法による表面
の研究」(井野他、応用物理、第56巻、第7号、19
87、p.843〜850)に示されたもので、半導体
X線検出器6が付加された従来の薄膜形成装置を示す構
成図と、上記半導体X線検出器6内の拡大構成図であ
る。図23(a)において、1Bは硅素Si基板上にガ
リウムGaやひ素Asを蒸着してひ化ガリウムGaAs
薄膜が形成される試料、10は薄膜形成装置の真空槽、
11は上記真空槽10内の排気を行う排気機構、12は
後述する基板等母材上に薄膜を形成するための製造機
構、13は真空槽10内部の真空状態を保ちつつ特性X
線を透過するX線透過窓、14は後述する半導体X線検
出器6の検出素子6aを冷却するための液体窒素デュア
である。
【0009】また、ここで用いられる半導体X線検出器
6の構造としては、図23(b)に示すように、例えば
硅素Si基板上にガリウムGaやひ素Asを蒸着してひ
化ガリウムGaAs薄膜が形成される試料1Bから励起
源2によって励起された特性X線を検出するための検出
素子6a、この検出素子6aを真空に保つための真空容
器6b、内部の真空状態を保ちつつ特性X線を透過する
X線透過窓6c、上記検出素子6aからの検出信号を増
幅する増幅器6d、上記増幅器6dにより増幅された検
出信号を真空外に導出すると共に上記検出素子6aを冷
却するために熱を外部へ導出するロッド6eを有する。
【0010】次に、上記構成に係る薄膜形成装置の動作
について説明する。製造機構12において、図示しない
蒸発用るつぼに例えばガリウムGaやひ素Asを入れて
真空中で加熱することにより、試料1Bの硅素Si基板
上に上記ガリウムGaやひ素Asを蒸着してひ化ガリウ
ムGaAs薄膜を形成する。このようにして形成される
試料1Bの薄膜形成中に、励起源2で上記薄膜を形成す
るガリウムGaやひ素Asの特性X線を励起し、それを
X線透過窓13で一旦大気中に取り出し、半導体X線検
出器6前面のX線透過窓6cを通して該検出器6で検出
することにより、薄膜形成中の組成の変化を逐次測定す
るようになされている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上述した図21に示す
従来のX線検出装置は上記のように構成されているの
で、鉄Feまたは銅Cu等重金属の不純物元素からの特
性X線の強度と硅素Si基板等母体からの特性X線の強
度の比が大きい。そのため、このような測定法において
は、例えば図22(b)、(c)において、基板からの
特性X線のエネルギーが電流パルスP3で示され、不純
物元素の特性X線のエネルギーが電流パルスP1、P2
で示される場合、基板からの特性X線の強度が非常に強
いので、図24に示すように、電流パルスP3が時間間
隔を短くして列をなすようにしてパルス量が増し、これ
により、電流パルスP3と電流パルスP1、P2とが重
なる確率が高くなり、正しい分析が困難となる。また、
電流パルスを波高分析するためには、電流量を時間積分
しなければならなくパルスを変換するための時間が必要
なため、パルス列が密になると全てのパルスを数えるこ
とが困難になる。それ故、微弱な不純物元素からの特性
X線を感度よく測定することは困難であるという問題点
があった。
【0012】また、図23に示すX線を測定できる機能
を有する従来の薄膜形成装置は、上記のように構成され
ているので、以下のような課題があった。 1)従来、X線透過窓6c及び13にはベリリウムBe
箔が使われており、通常の真空状態が保たれる厚さで
は、X線エネルギーが1keV以下の軟X線は吸収され
てしまうため、酸化物や炭化物といった軽元素を含む物
質の特性X線を測定することが困難であった。 2)たとえ、上記軟X線を透過する有機物質(例えばパ
リレン)を上記X線透過窓6c及び13として用いたと
しても、薄膜形成中の基板等からの輻射熱により、該X
線透過窓6c及び13が軟化したり溶けたりすることが
ある。 3)また、軽元素が測定できるように工夫しても、特に
酸素や窒素や炭素のような軽元素の場合、原子番号が小
さくなるほど特性X線の発生効率は極端に低くなるの
で、このような軽元素を含むような化合物においては、
たとえ組成比が1:1であろうとも、該特性X線の光子
をパルス計測する際、該パルス計測の計数率が非常に小
さくなるので、ある精度で測定するためには測定時間を
長くする必要があった。 4)それ故、上記軽元素を含む物質を測定する際には、
測定時間がかかり、薄膜形成速度に追従することが困難
であり、薄膜形成プロセス過程における試料の組成を逐
一測定することは困難であった。
【0013】この発明は上記のような従来例に係る問題
点を解決するためになされたものであり、強度比が大き
い複数の電磁波を測定する際に微弱な電磁波をも検出で
きる電磁波検出装置を得ることを目的としている。
【0014】また、基板加工プロセス中に、強度比の大
きく異なる電磁波を用いて組成を測定する際にプロセス
中における試料やターゲットの組成を測定できる機能を
有する基板加工装置を得ることを目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】この発明の請求項1に係
る電磁波検出装置は、試料中の元素が発生する複数の波
長の電磁波を検出する検出器を有する電磁波検出装置に
おいて、上記試料と上記検出器との間に設置されて上記
試料から発生する複数の波長の電磁波の内少なくとも1
つ以上の波長を選択的に反射または透過する光学素子
と、上記試料と上記検出器との間に設置されて電磁波の
強度を調整する強度調整機構とを備え、上記光学素子に
より反射または透過された電磁波と上記強度調整機構に
より強度が調整された電磁波を上記検出器で検出するこ
とを特徴とするものである。
【0016】また、請求項2に係る電磁波検出装置は、
上記電磁波の波長が、X線領域であることを特徴とする
ものである。
【0017】また、請求項3に係る電磁波検出装置は、
上記検出器が、エネルギー分散型検出器であることを特
徴とするものである。
【0018】また、請求項4に係る電磁波検出装置は、
上記検出器に入る光や熱を遮蔽すると共に1keV以下
の軟X線を含むX線を透過する耐熱性のある遮蔽体を備
えたことを特徴とするものである。
【0019】また、請求項5に係る電磁波検出装置は、
上記強度調整節機構が、スリットであることを特徴とす
るものである。
【0020】また、請求項6に係る電磁波検出装置は、
上記光学素子が、全反射現象を利用する光学素子である
ことを特徴とするものである。
【0021】また、請求項7に係る電磁波検出装置は、
上記光学素子が、回折現象を利用する光学素子であるこ
とを特徴とするものである。
【0022】また、請求項8に係る基板加工装置は、基
板を加工する加工機構と、上記加工中の基板に含まれる
複数の元素を励起する励起源と、上記励起源により励起
された元素が放出する複数の波長の電磁波を検出する検
出器と、上記加工中の基板と上記検出器との間に設置さ
れて上記複数の波長の電磁波の内少なくとも1つ以上の
波長を選択的に反射または透過する光学素子と、上記加
工中の基板と上記検出器の間に設置されて電磁波の強度
を調整する強度調整機構とを備え、上記加工機構による
基板の加工中に、上記光学素子により反射または透過さ
れた電磁波と上記強度調整機構により強度が調整された
電磁波を上記検出器で検出することを特徴とするもので
ある。
【0023】また、請求項9に係る基板加工装置は、基
板にスパッタリング現象を用いて薄膜を形成するための
薄膜形成機構と、スパッタリングされるターゲット材中
の元素を励起する励起源と、この励起源により励起され
た元素が放出する電磁波を検出する検出器とを備えたこ
とを特徴とするものである。
【0024】また、請求項10に係る基板加工装置は、
上記ターゲット材と上記検出器との間に設置されて上記
電磁波を透過または反射する光学素子と、上記ターゲッ
ト材と上記検出器の間に設置されて電磁波の強度を調整
する強度調整機構とを備えたことを特徴とするものであ
る。
【0025】また、請求項11に係る基板加工装置は、
請求項8ないし10のいずれかにおいて、上記電磁波の
波長が、X線領域であることを特徴とするものである。
【0026】また、請求項12に係る基板加工装置は、
請求項8ないし11のいずれかにおいて、上記検出器
が、エネルギー分散型検出器であることを特徴とするも
のである。
【0027】また、請求項13に係る基板加工装置は、
請求項8ないし12のいずれかにおいて、上記検出器に
入る光や熱を遮蔽すると共に1keV以下の軟X線を含
むX線を透過する耐熱性のある遮蔽体を備えたことを特
徴とするものである。
【0028】また、請求項14に係る基板加工装置は、
請求項8ないし13のいずれかにおいて、上記強度調整
機構が、スリットであることを特徴とするものである。
【0029】また、請求項15に係る基板加工装置は、
請求項8ないし14のいずれかにおいて、上記光学素子
が、全反射現象を利用する光学素子であることを特徴と
するものである。
【0030】また、請求項16に係る基板加工装置は、
請求項8ないし14のいずれかにおいて、上記光学素子
が、回折現象を利用する光学素子であることを特徴とす
るものである。
【0031】
【作用】この発明の請求項1に係る電磁波検出装置にお
いては、光学素子により、試料中の元素が発生する複数
の波長の電磁波の内少なくとも1つ以上の波長を選択的
に反射または透過すると共に、強度調整機構により、電
磁波の強度を調整することによって、上記光学素子によ
り反射または透過された電磁波と上記強度調整機構によ
り強度が調整された電磁波が検出器で検出されて、強度
比が大きい複数の電磁波を測定する際に微弱な電磁波を
も検出可能にする。
【0032】また、請求項2に係る電磁波検出装置にお
いては、強度比が大きい複数の電磁波を測定する際に上
記電磁波の波長をX線領域とすることにより、X線のエ
ネルギー値に基づき元素の種類の識別を容易にする。
【0033】また、請求項3に係る電磁波検出装置にお
いては、上記検出器を、エネルギー分散型検出器とする
ことによって、強度比の大きい複数の電磁波を検出する
場合に強度の大きい電磁波により計数率が律速されるこ
となく微弱な電磁波をも同時に検出することを可能にす
る。
【0034】また、請求項4に係る電磁波検出装置にお
いては、上記検出器に入る光や熱を遮蔽すると共に1k
eV以下の軟X線を含むX線を透過する耐熱性のある遮
蔽体を備えたことにより、光や熱が検出器に与える悪影
響を防ぎ、1keV以下の軟X線を含むX線を放出する
軽元素をも検出可能にする。
【0035】また、請求項5に係る電磁波検出装置にお
いては、上記強度調節機構を、スリットで構成すること
によって、スリットの開口率を変化させて簡便な強度調
整を可能にする。
【0036】また、請求項6に係る電磁波検出装置にお
いては、上記光学素子として全反射現象を利用した光学
素子を用いることにより、所定の入反射角度で電磁波を
入反射させることで、複数の電磁波の内、所定のエネル
ギーよりも低いエネルギーの電磁波を放出する複数の元
素から放出される電磁波を同時に反射させることがで
き、その反射された電磁波を放出する元素を同時に測定
可能にする。
【0037】また、請求項7に係る電磁波検出装置にお
いては、上記光学素子として回折現象を利用した光学素
子を用いることにより、所定の入反射角度で電磁波を入
反射させることで、強度の弱い電磁波と強度の強い電磁
波のエネルギーの高低を問わずに特定の元素の電磁波を
選択的に取り出すことが可能で、全反射現象を利用した
光学素子を用いた場合と異なり、強度の強い電磁波より
もエネルギーの高い電磁波を放出する元素が不純物とし
て存在し量が微量なため強度が弱い場合においても、エ
ネルギーの高い電磁波を放出する元素の電磁波のみを選
択的に取り出すことを可能にする。
【0038】また、請求項8に係る基板加工装置におい
ては、加工機構による基板の加工中に、光学素子により
反射または透過された電磁波と強度調整機構により強度
が調整された電磁波を検出器で検出することにより、基
板の加工中に、強度比が大きい複数の電磁波を測定する
際に微弱な電磁波をも検出可能にして、組成の変化を測
定可能にする。
【0039】また、請求項9に係る基板加工装置におい
ては、薄膜形成機構により、基板にスパッタリング現象
を用いて薄膜を形成する際、スパッタリングされるター
ゲット材中の元素を励起源によって励起し、検出器によ
って励起された元素が放出する電磁波を検出することに
より、ターゲット材の組成の変化を検出可能にする。
【0040】また、請求項10に係る基板加工装置にお
いては、光学素子により、ターゲット材中の元素が発生
する電磁波の内少なくとも1つ以上の波長を選択的に反
射すると共に、強度調整機構により、電磁波の強度を調
整することによって、上記光学素子により反射または透
過された電磁波と上記強度調整機構により強度が調整さ
れた電磁波が検出器で検出されて、ターゲット材中の元
素が発生する強度比が大きい複数の電磁波を測定する際
に微弱な電磁波をも検出可能にする。
【0041】また、請求項11に係る基板加工装置にお
いては、請求項8ないし10のいずれかにおいて、基板
加工中に、強度比の大きい複数の電磁波を測定する際
に、上記電磁波の波長をX線領域とすることにより、X
線のエネルギー値に基づき試料となる基板またはターゲ
ット材の元素の種類の識別を容易にする。
【0042】また、請求項12に係る基板加工装置にお
いては、請求項8ないし11のいずれかにおいて、上記
検出器を、エネルギー分散型検出器とすることによっ
て、強度比の大きい複数の電磁波を検出する場合に強度
の大きい電磁波により計数率が律速されることなく微弱
な電磁波をも同時に検出することを可能にする。
【0043】また、請求項13に係る基板加工装置にお
いては、請求項8ないし12のいずれかにおいて、上記
検出器に入る光や熱を遮蔽すると共に1keV以下の軟
X線を含むX線を透過する耐熱性のある遮蔽体を備えた
ことにより、光や熱が検出器に与える悪影響を防ぎ、1
keV以下の軟X線を含むX線を放出する軽元素も検出
可能にする。
【0044】また、請求項14に係る基板加工装置にお
いては、請求項8ないし13のいずれかにおいて、上記
強度調節機構を、スリットで構成することによって、ス
リットの開口率を変化させて簡便な強度調整を可能にす
る。
【0045】また、請求項15に係る基板加工装置にお
いては、請求項8ないし14のいずれかにおいて、上記
光学素子として全反射現象を利用した光学素子を用いる
ことにより、所定の入反射角度で電磁波を入反射させる
ことで、複数の電磁波の内、所定のエネルギーよりも低
いエネルギーの電磁波を放出する複数の元素から放出さ
れる電磁波を同時に反射させることができ、その反射さ
れた電磁波を放出する元素を同時に測定可能にする。
【0046】また、請求項16に係る基板加工装置にお
いては、請求項8ないし15のいずれかにおいて、上記
光学素子として回折現象を利用した光学素子を用いるこ
とにより、所定の入反射角度で電磁波を入反射させ、ま
たは所定の焦点位置に試料と検出器をおき試料から放出
される測定対象の元素の電磁波を検出器に集光させるこ
とで、強度の弱い電磁波と強度の強い電磁波のエネルギ
ーの高低を問わずに特定の元素の電磁波を選択的に取り
出すことが可能で、全反射現象を利用した光学素子を用
いた場合と異なり、強度の強い電磁波よりもエネルギー
の高い電磁波を放出する元素が不純物として存在し量が
微量なため強度が弱い場合においても、エネルギーの高
い電磁波を放出する元素の電磁波のみを選択的に取り出
すことを可能にする。
【0047】
【実施例】
実施例1.以下、図示実施例に基づいて説明する。図1
は実施例1に係る電磁波検出装置としてのX線検出装置
の主要部を示す構成図で、図21に示す従来例における
試料容器9内の構成を示す。図1において、1Cは例え
ば酸化マグネシウム基板などの酸素等軽元素を含む化合
物試料、5、6、8、9は従来のX線検出装置の構成と
同様であり、5は図示しない励起源からのX線、6はこ
のX線5により励起される試料1C中の元素が発生する
特性X線を検出するための半導体X線検出器で、全体の
X線スペクトルが同時に観測できるエネルギー分散型検
出器で成る。7a、7bは特性X線、8は波高分析器と
記憶・表示装置を含み上記半導体X線検出器6からの検
出信号を処理する信号処理回路、9は試料容器である。
【0048】また、31は全反射現象を利用した光学素
子としての全反射ミラー、32は強度調整機構であるス
リット、33は光や熱を遮蔽し1keV以下の軟X線を
含むX線を透過する耐熱性のある遮蔽体である。なお、
この実施例1に係るX線検出装置には、図示しないが、
図21に示す従来例と同様に、試料1Cの元素を励起す
るためのシンクロトロン放射光等の励起源2、励起源2
からのX線5を分光するための分光器3、分光器3の入
出射角を決定するためのスリット4a、4bを備えてい
る。
【0049】ここで、上記全反射ミラー31は、図2
(a)に示すように、同一の入反射角での反射率を向上
させるために、例えばミラー材としてSiO2 のガラス
基板31aの表面に密度の高い金Auまたは白金Ptな
どの金属薄膜31bを100nm程度蒸着したもので成
り、屈折率の大きい媒質から小さい媒質に電磁波が入射
するとき、入射角(ここでは、ミラー面からの角度:視
射角とする)がある角度以下になると、全反射が起こり
反射率が急激に大きくなるという全反射現象を利用した
光学素子で、X線領域では、真空中の屈折率がミラーの
材質の屈折率より大きく、そのため、真空中のX線がミ
ラーに入射するとき、臨界角以下では全反射が起こり、
反射率が大きくなる。
【0050】そして、視射角と反射率及びエネルギーの
関係は、図2(b)から理解されるように、例えば酸素
の特性X線の臨界角と炭素の特性X線の臨界角との間に
視射角を設定し入反射を行うと、炭素の特性X線は大き
な反射率を有するが、酸素の特性X線の反射率は小さ
く、炭素の特性X線のみを選択的に取り出すことが可能
になる。従って、上記のように入反射角を設定した場
合、炭素の特性X線のみならず、炭素の特性X線のエネ
ルギーよりも低いエネルギーの特性X線の反射率も高
く、炭素のみならず炭素の特性X線のエネルギーよりも
低いエネルギーの特性X線を放出する元素も同時に測定
することができる。
【0051】また、強度調整機構であるスリット32
は、例えば図3に示すように、それぞれ同一の開口部を
持つ板32aと32bを備え、2枚の開口部を持つ板3
2a、32bをずらすことで開口率を変化させることに
より、特性X線7aの強度を調整するようになされてい
る。
【0052】さらに、遮蔽体33は、例えば図4に示す
ように、例えば特開平3−276089号公報と同様
に、珪素Si基板33cに支持膜33bをCVD法など
により密着性よく形成し、上記支持膜33b上に金属薄
膜33aを蒸着して形成し、金属薄膜10aを光や熱を
遮る最低限の厚さにして軟X線を透過できるようにす
る。そして、上記支持膜33bには、軟X線をよく透過
し、構造的強度が強いものが望まれ、また、輻射熱を受
けるため耐熱性も求められる。また、金属薄膜33aに
熱を逃すために熱伝導率の良いものが求められ、材料と
しては、X線エネルギー1keV以下のX線が透過する
ので、低原子番号の材料が望まれ、安定性も考慮して、
金属薄膜33aはアルミニウムAlまたはベリリウムB
eが適しており、また、支持膜33bには、窒化ホウ素
BN以外に窒化シリコンや炭素や炭化シリコン等を用い
ても良い。
【0053】次に上記構成に係る動作について説明す
る。シンクロトロン放射光等の励起源2(図示せず)か
ら照射されるX線5は、スリット4a、4b(図示せ
ず)により決定される入出射角で分光器3(図示せず)
により分光され、試料1Cに照射される。これにより、
試料1Cの元素は励起され、励起された元素が放出する
特性X線7aは強度調整機構であるスリット32を通過
し、半導体X線検出器6で検出される。また、同様に、
励起された元素が放出する特性X線7bは全反射ミラー
31に反射された後、半導体X線検出器6で検出され
る。半導体X線検出器6で検出されたこれら特性X線7
aと7bは信号処理回路8で処理され、スペクトルとし
て記憶・表示される。
【0054】ここで、例えば、酸化マグネシウムMgO
基板の酸素の欠損量を測定する場合、文献1(「X線の
回折」、三宅静雄、朝倉書店)と文献2(M.J.Janiak,
T,Arai:Abstr.1979,Pittsburgh Conf.Anal.Chem.Appl.
Spectros.,p701)等から周知のように、上記全反射ミラ
ー31は、ある入出射角度においてエネルギーの高いX
線ほど反射率が低いことから、当該全反射ミラー31に
ある入出射角度でX線を入出射させることで、例えば二
つのエネルギー値をもったX線のうち、ほとんど低エネ
ルギーのX線のみを反射させることができる。すなわ
ち、上記入出射角を、分析したい試料1Cの強度の弱い
元素のX線の臨界角以下で、かつ強度の強い元素のX線
の臨界角以上の角度に設定することにより、低エネルギ
ーの特性X線を放出する元素を効率良く測定することが
できる。
【0055】酸化マグネシウムMgOのようにほぼ1体
1の割合でマグネシウムMgと酸素Oが含まれている試
料1Cを測定する場合に、マグネシウムMgの特性X線
と酸素Oの特性X線の発生効率が大きく異なる。一般的
には、エネルギーの高い特性X線を放出する元素、例え
ば重金属の方が特性X線の発生効率が高いため、マグネ
シウムMgの特性X線と酸素Oの特性X線は強度比が大
きい。
【0056】従って、発生効率の小さい軽元素からの特
性X線を選択的に反射し、強度の強い重金属からの特性
X線を反射しないようにできることから、試料1Cから
放出された特性X線の内、強度の強いマグネシウムMg
からの特性X線は全反射ミラー31で減衰させることが
可能で、全反射ミラー31で反射された特性X線7bは
酸素Oから放出される低エネルギーの特性X線が大部分
となる。そして、全反射ミラー31で反射された後の酸
素Oの特性X線7bの強度と、スリット32を用いて強
度が調整されたマグネシウムMgからの特性X線7aの
強度をほぼ等しくすることで、同一の半導体X線検出器
6で同時に検出することができるようにしている。
【0057】すなわち、図3に示す強度調整機構である
スリット32の2枚の開口部を持つ板32a、32bを
ずらすことで開口率を変化させることが可能であり、2
枚の開口部を持つ板32a、32bをずらして開口率を
変化させることにより、マグネシウムMgからの特性X
線7aの強度を、全反射ミラー31で反射された後の酸
素Oの特性X線7bの強度と略等しくして、同一の半導
体X線検出器6で検出し、効率よく両元素を同時に測定
することができるようにしている。
【0058】また、酸化マグネシウムMgOの基板にX
線や電子線などを照射した場合に、可視領域の光を放出
する場合がある。半導体X線検出器6は、この可視光に
対しても感度を有している。そこで、遮蔽体33によ
り、可視光を遮りX線のみを半導体X線検出器6によっ
て検出するようにしており、可視光による半導体X線検
出器6に与える影響を防ぐことができるようにしてい
る。
【0059】なお、実施例1においては、上述したよう
に、酸素Oからの特性X線のみでなく、マグネシウムM
gからの特性X線も同時に測定できるので、入射X線の
変動をマグネシウムMgからの特性X線を使って正規化
することが可能となる。また、全反射ミラー31を曲面
ミラーもしくは複数のミラーで構成することにより、集
光作用をもたせ軽元素に対する感度を上げることが可能
となる。さらに、強度調整機構であるスリット32を構
成する開口部を持つ板の形状は実施例1に限定されるも
のではない。
【0060】また、上記実施例1において、上記全反射
ミラー31は、回折を用いた光学素子のように特定のエ
ネルギーのX線を選択的に取り出すのではなく、臨界角
によって規定されてある所定のエネルギー以下の全ての
X線を選択的に取り出せるため、上記酸化マグネシウム
MgOを測定する際に、酸素Oより低いエネルギーの特
性X線も測定できるので、酸素Oより低いエネルギー特
性X線を放出する炭素などの不純物も同時に測定可能と
なる。
【0061】従って、上記実施例1によれば、光学素子
として全反射ミラー31を用い、選択的に反射された強
度の弱い軽元素からの特性X線に対し、強度の強い重金
属からの特性X線の強度を強度調整機構であるスリット
32にて調整するようにして、適切な強度比に設定する
ことができ、試料1Cから励起された元素が放出する特
性X線のうち、強度調整機構としてのスリット32によ
り、エネルギーの高い特性X線7aの強度を、全反射ミ
ラー31で反射されたエネルギーの低い特性X線7bの
強度と等しくすることにより、同一の半導体X線検出器
6で効率良く両元素をほぼ等しく同時に検出することが
できる。また、遮蔽体33により、可視光を遮りX線の
みを半導体X線検出器6によって検出するようにするこ
とにより、可視光による半導体X線検出器6に与える影
響を防ぐことができる。
【0062】実施例2.次に、図5は実施例2に係るX
線検出装置の主要部を示す構成図である。図5におい
て、図1に示す実施例1と同一部分は同一符号を付して
その説明は省略する。新たな符号として、1Dは珪素S
i基板上にホウ素Bがドーピングされた試料、34は実
施例1の全反射現象を用いた光学素子である全反射ミラ
ー31に代えて設けられた回折現象を利用した光学素子
である多層膜ミラー、35a、35bは多層膜ミラー3
4への入出射角を規定するスリットである。その他は、
実施例1と同様である。
【0063】ここで、回折現象を利用した光学素子であ
る多層膜ミラー34は、図6に示すように、X線領域に
おいては、例えば珪素Si基板34a上に屈折率の異な
る重金属としてのモリブテンMo薄膜34bと軽金属と
しての珪素Si薄膜34cとを交互に数100層程度重
ねたものが用いられる。このように、屈折率の異なる2
層の膜をある周期にわたって積層すると、光の回折現象
によりブラック条件を満足するところで高い反射率が得
られる。例えば、測定対象の元素が放出する特性X線の
波長におけるブラック条件を満足する角度で特性X線を
入反射させると、測定対象の元素が放出する特性X線は
高い反射率が得られ、それ以外の元素の特性X線の反射
率は低くなり減衰させることができる。
【0064】従って、強度の弱い特性X線と強度の強い
特性X線のエネルギーの高低は問わずに、ある特定の元
素の特性X線を選択的に取り出すことが可能である。つ
まり、実施例1の全反射現象を利用した全反射ミラー3
1を使用した場合と異なり、強度の強い特性X線よりも
エネルギーの高い特性X線を放出する元素が不純物とし
て存在し量が微量なため強度が弱い場合においても、エ
ネルギーの高い特性X線を放出する元素の特性X線のみ
を選択的に取り出すことが可能となる。
【0065】上記のように構成されたX線検出装置にお
いては、実施例1と同様にして動作する。すなわち、シ
ンクロトロン放射光等の励起源2(図示せず)からのX
線5は試料1Dに照射される。これにより、試料1Dの
元素は励起され、励起された元素が放出する特性X線
(蛍光X線)7aは強度調整機構であるスリット32を
通過し、半導体X線検出器6で検出される。また、同様
に、励起された元素が放出する特性X線(蛍光X線)7
bはスリット35a、35bで規定された入出射角で多
層膜ミラー34に反射された後、半導体X線検出器6で
検出される。半導体X線検出器6で検出されたこれら特
性X線7aと7bは信号処理回路8で処理され、スペク
トルとして記憶・表示される。
【0066】ここで、珪素Si基板上のドーピングされ
たホウ素Bを測定する場合、多層膜ミラー34は、上述
したように、測定対象の元素が放出する特性X線の波長
におけるブラック条件を満足する角度で特性X線を入反
射させることで、試料1Dから放出された特性X線の
内、強度の強い珪素Siからの特性X線を減衰させると
共にホウ素Bからの特性X線7bを反射させることが可
能で、多層膜ミラー34で反射された特性X線はホウ素
Bの特性X線が大部分となる。そして、多層膜ミラー3
4で反射された後のホウ素Bの特性X線7bの強度と、
珪素Siからの特性X線7aの強度をスリット32を用
いて強度を調整してほぼ等しくすることで、同一の半導
体X線検出器6で効率よく両元素を同時に測定すること
ができる。
【0067】なお、実施例2においては、上述したよう
に、ホウ素Bの特性X線のみでなく、珪素Siからの特
性X線も同時に測定できるので、入射X線の変動を珪素
Siからの特性X線を使って正規化することが可能とな
る。
【0068】従って、上記実施例2によれば、回折現象
を利用した光学素子として多層膜ミラー34を用い、選
択的に反射された強度の弱い不純物元素からの特性X線
に対し、強度の強い重金属からの特性X線の強度を強度
調整機構であるスリット32にて調整するようにして、
適切な強度比に設定することができ、試料1Dから励起
された元素が放出する特性X線のうち、強度調整機構と
してのスリット32により、強度の強い高い特性X線7
aの強度を、多層膜ミラー34で反射された強度の小さ
い特性X線7bの強度と等しくするようにすることによ
り、同一の半導体X線検出器6で効率良く両元素を同時
に検出することができる。
【0069】実施例3.次に、図7は実施例3に係るX
線検出装置の主要部を示す構成図である。図7におい
て、図1に示す実施例1と同一部分は同一符号を付して
その説明は省略する。新たな符号として、1Eは酸化亜
鉛ZnOの蛍光物質中に炭素Cの不純物が含まれている
試料、36は実施例1の全反射現象を利用した光学素子
である全反射ミラー31に代えて設けられた回折現象を
利用した透過型結像素子としてのフレネルゾーンプレー
トのような透過型回折格子、6fは半導体X線検出器6
の前面に設けられた開閉機構である。その他は、実施例
1と同様である。
【0070】ここで、上記透過型回折格子36は、図8
に示すように、回折現象を利用した透過型結像素子の一
種で、半径Rmが整数mの平方根に比例する同心円によ
って作られるリングを1つ置き不透明な部分36aに
し、透明なリング部分36bからの光が同位相で集まる
ようにしたもので、焦点面において特定の波長の光が集
光されるようになされ、X線領域においては、不透明な
部分36aに金などが用いられる。
【0071】そして、測定対象の元素が放出する特性X
線の波長λにおける正負の焦点位置f=Rm2 /mλに
試料1Eと半導体X線検出器6をおき、試料1Eから放
出される測定対象の元素の特性X線を半導体X線検出器
6に集光させるようにして、この集光作用により、測定
対象の元素が放出する特性X線の強度がそれ以外の元素
の特性X線より相対的に大きくなり、ある特定の元素の
特性X線を選択的に取り出すことが可能になる。
【0072】従って、強度の弱い特性X線と強度の強い
特性X線のエネルギーの高低は問わずに、ある特定の元
素の特性X線を選択的に取り出すことが可能である。つ
まり、実施例1の全反射現象を利用した全反射ミラー3
1を使用した場合と異なり、強度の強い特性X線よりも
エネルギーの高い特性X線を放出する元素が不純物とし
て存在し量が微量なため強度が弱い場合においても、エ
ネルギーの高い特性X線を放出する元素の特性X線のみ
を選択的に取り出すことが可能となる。
【0073】上記のように構成されたX線検出装置にお
いては、試料容器9は排気機構(図示せず)により容器
内が真空引きされる。真空になった状態で、開閉機構6
fを開け、半導体X線検出器6前面を開放する。そし
て、実施例1と同様にして、シンクロトロン放射光等の
励起源2(図示せず)からのX線5は試料1Eに照射さ
れる。これにより、試料1Eの元素は励起され、励起さ
れた元素が放出する特性X線(蛍光X線)7aは強度調
整機構であるスリット32を通過し、遮蔽体33を経て
半導体X線検出器6で検出される。また、同様に、励起
された元素が放出する特性X線(蛍光X線)7bは透過
型回折格子36で回折された後、遮蔽体33を経て半導
体X線検出器6で検出される。半導体X線検出器6で検
出されたこれら特性X線7aと7bは信号処理回路8で
処理され、スペクトルとして記憶・表示される。
【0074】そして、この実施例3では、例えば蛍光物
質中に含まれる不純物濃度を測定する場合を取り上げる
ものであり、X線や電子線を試料1Eに照射すると、蛍
光物質としての酸化亜鉛ZnOは、特性X線(蛍光X
線)を放出すると同時に強い可視光も放出し、半導体X
線検出器6は、この可視光に対しても感度を有してい
る。そこで、実施例1と同様にして、遮蔽体33によ
り、可視光を遮りX線のみを半導体X線検出器6によっ
て検出するようにしており、可視光による半導体X線検
出器6に与える影響を防ぐことができるようにしてい
る。
【0075】そして、上述したフレネルゾーンプレート
のような透過型回折格子36は、測定対象の元素が放出
する特性X線の波長λにおける正負の焦点位置f=Rm
2 /mλに試料1Eと半導体X線検出器6をおき、試料
1Eから放出される測定対象の元素の特性X線を半導体
X線検出器6に集光させることで、特定のエネルギーの
X線を回折させることができ、試料1Eから放出された
特性X線(蛍光X線)の内、炭素Cの特性X線(蛍光X
線)のみを透過型回折格子36で回折させ、この透過型
回折格子36で回折された炭素Cの特性X線(蛍光X
線)の強度と強度調整機構であるスリット32を通過し
た亜鉛Znの強度とがほぼ等しくなるように強度調整機
構であるスリット32を設定することで、効率良く不純
物元素を同時に測定することができる。
【0076】なお、実施例3においては、上述したよう
に、炭素の特性X線(蛍光X線)のみでなく、亜鉛Zn
や酸素Oの特性X線(蛍光X線)も同時に測定できるの
で、入射X線の変動を亜鉛Znや酸素Oの特性X線(蛍
光X線)の強度を使って正規化することが可能となる。
【0077】従って、上記実施例3によれば、回折現象
を利用した光学素子として透過型回折格子36を用い、
炭素Cの特性X線(蛍光X線)を回折させ、その炭素C
の特性X線(蛍光X線)の強度と強度調整機構であるス
リット32を通過した亜鉛Znの強度とがほぼ等しくな
るように強度調整機構であるスリット32を設定するこ
とで、効率良く不純物元素を、同一の半導体X線検出器
6で検出することができる。また、遮蔽体33により、
可視光を遮りX線のみを半導体X線検出器6によって検
出するようにすることにより、可視光による半導体X線
検出器6に与える影響を防ぐことができる。
【0078】実施例4.次に、図9は実施例4に係る元
素分析装置を示す構成図である。図9において、1Fは
後述する放電管内でそれぞれの元素特有の電磁波である
光を放っているプラズマ状態の試料、32は図1に示す
実施例1と同様な強度調整機構としてのスリット、37
は放電管、38a、38bは放電管37へ分析する試料
を導入及び導出する導入導出口、39は導入された試料
をプラズマ状態にするための電源、40a、40b、4
0cはプラズマ状態の試料1Fから放出された光、41
a、41b、42a、42bはスリット、43、44は
回折現象を用いた光学素子としての回折格子で、これら
回折格子43、44への入出射角が上記スリット41
a、41b、42a、42bにより決定される。また、
60は試料1F中の元素が発生する複数の波長の光を検
出する検出器で、実施例1ないし3の半導体X線検出器
6とは異なるエネルギー分散型検出器で、超伝導体にお
けるトンネル接合を用いた検出器である。
【0079】ここで、上記回折格子43、44は、例え
ば図10に示すように、基板43表面上に多数の溝43
bをある周期で刻み込んでなり、単色光の波長をλ、溝
43bの中心の間隔をd、整数nとしたとき、例えば、
測定対象の元素が放出する波長λの電磁波を下式に示す
入射角i及び回折角θで入反射させると、 d(sini−sinθ)=nλ 測定対象の元素が放出する電磁波は高い反射率が得ら
れ、それ以外の元素の電磁波の反射率は低くなり減衰さ
せることができる。従って、ある特定の元素の電磁波を
選択的に取り出すことが可能となり、測定対象の元素の
電磁波のみを選択的に取り出すことができる。
【0080】また、上記超伝導体におけるトンネル接合
を用いた検出器60は、図11に示すように、スズSn
薄膜でなる超伝導体60aと60cの間に酸化スズSn
O薄膜で成る絶縁体60bが介在された構造のトンネル
接合でなり、超伝導体のエネルギーギャップの大きさが
meV程度であり、半導体のエネルギーギャップより3
桁近く小さい。このため、実施例1ないし3で用いた半
導体X線検出器6では、半導体のエネルギーギャップが
数eVであるため、X線領域の電磁波に対してはエネル
ギーの分解が可能であるが、それよりもエネルギーの小
さい電磁波に対してはエネルギーの分解が不可能である
が、超伝導体におけるトンネル接合を用いた検出器60
の場合、X線領域の電磁波よりもエネルギーの小さい電
磁波のエネルギーの分解が可能となり、紫外から可視光
の領域においても、エネルギー分解が可能になる。
【0081】このような超伝導体におけるトンネル接合
を用いた検出器60に、図11に示すように、光が入射
すると、それぞれの光のエネルギーに比例した数の電子
・正孔対が生成され、電流パルスとして出力される。こ
の電流パルスは、従来例及び実施例1ないし3と同様に
して、信号処理回路8に入力され、内蔵する増幅器を通
して電流パルスの量に比例した電圧パルスに変換した
後、内蔵する波高分析器によりそれぞれのパルス波高値
に相当するチャネルに蓄積されエネルギースペクトルを
得るようになされている。
【0082】上記のように構成された元素分析装置にお
いては、プラズマ状態の試料1Fから放出された光40
aは、強度調整機構であるスリット32を通過し、検出
器60に入射される。また、同様に、放出された光40
bは、スリット41a、41bで規定された入出射角で
回折格子43に反射された後、検出器60に入射され
る。さらに、同様に、放出された光40cは、スリット
42a、42bで規定された入出射角で回折格子44に
反射された後、検出器60に入射される。検出器60に
入射されたこられ光40a、40b、40cは、上述し
たようにして信号処理回路8で処理され、スペクトルと
して記憶・表示される。
【0083】ここで、例えば、噴霧状にされた極微量の
不純物を含む試料を測定する場合、回折格子43、44
は、上述したように、所定の入射角i及び回折角θで入
反射させることにより、ある特定の元素の電磁波を選択
的に取り出すことが可能となり、測定対象の元素の電磁
波のみを選択的に取り出すことができるから、強度の弱
い不純物元素からの光を選択的に反射し、強度の強い光
を反射しないようにすることができ、プラズマ状態の試
料1Fから放出された光の内、強度の強い物質からの光
は、回折格子43、44で減衰させることが可能で、回
折格子43、44で反射された光は、極微量の不純物か
ら放出される光が大部分となる。また、回折格子を複数
にすることで感度を上げると共に、複数の極微量の不純
物から放出される光を反射させることができる。そし
て、回折格子43、44で反射された後の極微量の不純
物から放出される光40b、40cの強度と、強度の強
い物質から放出される光40aの強度をスリット32を
用いて調整してほぼ等しくすることで、効率よく複数の
元素を測定することができる。
【0084】なお、上記実施例4においては、上述した
ように、極微量の不純物から放出される光のみでなく、
強度の強い物質から放出される光も同時に測定できるの
で、プラズマ状態の試料1Fから放出された光の変動を
強度の強い物質から放出される光を使って正規化するこ
とが可能となる。
【0085】従って、上記実施例4によれば、回折現象
を利用した光学素子として回折格子43、44を用い、
選択的に反射された強度の弱い不純物元素からの光に対
し、強度の強い光の強度を強度調整機構であるスリット
32にて調整するようにして、適切な強度比に設定する
ことができ、試料1Fから励起された元素が放出する光
のうち、強度調整機構としてのスリット32により、エ
ネルギーの高い光40aの強度を、回折格子43、44
で選択的に反射されたエネルギーの低い光40b、40
cの強度と等しくすることにより、同一の検出器60で
効率良く両元素を検出することができる。
【0086】実施例5.次に、図12は実施例5に係る
X線検出装置の主要部を示す構成図で、試料容器9内の
構成を示す。図12において、図1に示す実施例1と同
一符号は同一部分を示し、その説明は省略する。新たな
符号として、1Gは珪素Si基板上の弗素Fが混入され
ている試料、45は試料1Gから放出された特性X線の
内、特定のエネルギーをもった特性X線のみを反射させ
る回折現象を利用した光学素子としての有機物結晶(ま
たは無機物結晶)、46a、46bは有機物結晶45へ
の入出射角を規定するソーラスリットである。その他
は、図1に示す実施例1と同様である。
【0087】ここで、上記有機物結晶45は、例えば図
13の結晶断面模式図に示すように、結晶の原子の格子
面が間隔d毎離隔された周期構造をもつため、光の回折
現象によりブラック条件を満足するところで強い反射率
が得られる。従って、測定対象の元素が放出する特性X
線の波長におけるブラック条件を満足する角度で特性X
線を入反射させると、測定対象の元素が放出する特性X
線は高い反射率が得られ、それ以外の元素の特性X線の
反射率は低くなり減衰させることができる。
【0088】このため、強度の弱い特性X線と強度の強
い特性X線のエネルギーの高低は問わずに、ある特定の
元素の特性X線を選択的に取り出すことが可能になる。
つまり、実施例1の全反射現象を利用した全反射ミラー
31を使用した場合と異なり、強度の強い特性X線より
もエネルギーの高い特性X線を放出する元素が不純物と
して存在し量が微量なため強度が弱い場合においても、
エネルギーの高い特性X線を放出する元素の特性X線の
みを選択的に取り出すことが可能となる。
【0089】上記のように構成されたX線検出装置にお
いては、シンクロトロン放射光等の励起源2(図示せ
ず)から出たX線が試料1Gに照射される。これによ
り、試料1Gの元素は励起され、励起された元素が放出
する特性X線7aは強度調整機構であるスリット32を
通過し、半導体X線検出器6で検出される。また、同様
に、励起された元素が放出する特性X線7bはソーラス
リット46a、46bで規定された入出射角で有機物結
晶45に反射された後、半導体X線検出器6で検出され
る。半導体X線検出器6で検出されたこれら特性X線は
信号処理回路8で処理され、スペクトルとして記憶・表
示される。
【0090】例えば、珪素Si基板上の弗素Fを測定す
る場合、有機物結晶45(または無機物結晶)は、上述
したように、ブラック条件を満たす角度で特性X線を入
反射させると、強度の弱い不純物元素からの特性X線を
選択的に反射し、強度の強い特性X線を反射しないよう
にできることから、試料1Gから放出された特性X線の
内、強度の強い珪素Siからの特性X線は有機物結晶4
5で減衰させることが可能で、有機物結晶45で反射さ
れた特性X線は弗素Fの特性X線が大部分となる。そし
て、有機物結晶45で反射された後の弗素Fの特性X線
強度と珪素Siからの特性X線強度をスリット32を用
いてほぼ等しくすることで、効率よく両元素を測定する
ことができる。
【0091】なお、上記実施例5においては、上述した
ように、強度の弱い不純物元素である弗素Fの特性X線
のみでなく、強度の強い珪素Siからの特性X線も同時
に測定できるので、入射X線の変動を珪素Siからの特
性X線を使って正規化することが可能となる。
【0092】従って、上記実施例5によれば、回折現象
を利用した光学素子として有機物結晶45(または無機
物結晶)を用い、測定対象の元素が放出する特性X線の
波長におけるブラック条件を満足する角度で特性X線を
入反射させることで、測定対象の元素を選択的に反射さ
せることができ、選択的に反射された強度の弱い不純物
元素からの特性X線に対し、強度の強い重金属からの特
性X線の強度を強度調整機構であるスリット32にて調
整するようにして、適切な強度比に設定することがで
き、試料1Gから励起された元素が放出する光のうち、
強度調整機構としてのスリット32により、エネルギー
の高い特性X線7aの強度を、有機物結晶45で選択的
に反射されたエネルギーの低い特性X線7bの強度と等
しくすることにより、同一の半導体X線検出器6で効率
良く両元素を検出することができる。
【0093】実施例6.次に、図14は実施例6に係る
薄膜形成装置を示す構成図である。図14において、図
23に示す従来例と同一部分は同一符号を付し、1Hは
珪素Si基板上に自然酸化膜や炭素等の極微量の軽元素
不純物が混入された試料、2は試料1Hの元素を励起す
るための電子線源等の励起源、6は半導体X線検出器、
10は薄膜形成装置の真空槽、11は上記真空槽10内
の排気を行う排気機構、12は試料1H上に薄膜を形成
するための製造機構、14は半導体X線検出器6の検出
素子を冷却するための液体窒素デュアである。また、3
1と32は図1に示す実施例1と同様な光学素子として
の例えばソーダ石灰ガラスなどの全反射ミラーと強度調
整機構であるスリットであり、7a、7bは特性X線で
ある。
【0094】また、ここで用いられる半導体X線検出器
6としては、従来例と同様に、図14(b)に示すよう
に、試料1Hから励起源2によって励起された特性X線
を検出するための検出素子6a、この検出素子6aを真
空に保つための真空容器6b、特性X線を透過するX線
透過窓6c、上記検出素子6aからの検出信号を増幅す
る増幅器6d、上記増幅器6dにより増幅された検出信
号を真空外に導出すると共に上記検出素子6aを冷却す
るために熱を外部へ導出するロッド6eを有すると共
に、新たに、検出器前面で真空容器6bの一部を開閉す
る開閉機構6fを有する。
【0095】上記のように構成された薄膜形成装置にお
いては、まず、半導体X線検出器6は開閉機構6fを閉
じた状態で真空に保たれていて、排気機構11で真空槽
10を真空引きし、真空になった状態で上記開閉機構6
fを開け、半導体X線検出器6の前面を開放する。その
状態で、励起源2から出た電子線が試料1Hに照射され
る。これにより、試料1Hの元素は励起され、励起され
た元素が放出する特性X線7aは強度調整機構であるス
リット32を通過し、半導体X線検出器6で検出され
る。また、同様に、励起された元素が放出する特性X線
7bは全反射ミラー31に反射された後、半導体X線検
出器6で検出される。半導体X線検出器6で検出された
これら特性X線は信号処理回路(図示せず)で処理さ
れ、スペクトルとして記憶・表示される。
【0096】また、メインテナンス等で真空槽10を大
気に曝すときには、開閉機構6fを閉じて半導体X線検
出器6の真空を保ち、半導体X線検出器6を保護する。
これは、半導体X線検出器6の雑音を減らすために半導
体X線検出器6を冷却する場合に必要な手続きであり、
冷却の必要のない検出器の場合、開閉機構6fのない検
出器を用いても同様の効果を得ることができる。
【0097】上記構成にかかる薄膜形成装置内で、例え
ば珪素Si基板上の自然酸化膜や炭素等の極微量の軽元
素不純物を測定する場合、試料1Hから放出された特性
X線の内、強度の強い珪素Siからの特性X線は全反射
ミラー31で減衰させることが可能で、全反射ミラー3
1で反射された特性X線は酸素や炭素等の低エネルギー
の特性X線が大部分となる。そして、全反射ミラー31
で反射された後の酸素や炭素等の特性X線強度と珪素S
iからの特性X線強度をスリット32を用いてほぼ等し
くすることで、効率よく両元素を測定することが可能と
なる。
【0098】なお、実施例6においては、上述したよう
に、酸素や炭素等の特性X線のみでなく、珪素Siから
の特性X線も同時に測定できるので、入射X線の変動を
珪素Siからの特性X線を使って正規化することが可能
となる。
【0099】従って、上記実施例6によれば、薄膜形成
中に、励起源2からの電子線を試料1Hに照射して励起
された試料1Hの元素から特性X線を放出させ、全反射
ミラー31で反射された特性X線7bとスリット32に
より強度が調整された特性X線7aとを同一の半導体X
線検出器6で検出するようにしたので、強度比が大きい
複数の元素の特性X線を測定する際に微弱な特性X線を
も検出可能にして、薄膜形成中に組成の変化を逐一測定
することができる。
【0100】実施例7.次に、図15は実施例7に係る
薄膜形成装置を示す構成図である。図15において、図
6に示す実施例5と同一部分は同一符号を付し、その説
明は省略する。また、33は図1に示す実施例1と同様
な遮蔽体、34、35a及び35bは図5に示す実施例
2と同様な多層膜ミラーとこの多層膜ミラーへの入出射
角を規定するスリットであり、さらに、新たな符号とし
て、1Iはこの薄膜形成装置により二酸化珪素SiO2
薄膜が形成される試料、47はバルブである。
【0101】上記のように構成された薄膜形成装置にお
いて、まず、半導体X線検出器6は、検出器の前面で真
空容器6bの一部を開閉する開閉機構6fを閉じた状態
で真空に保たれていて、排気機構11で真空槽10を真
空引きし、真空になった状態で開閉機構6fを開け、検
出器の前面を開放する。このとき、バルブ47は開放さ
れている。製造機構12で薄膜形成中に、真空槽10内
に発生する蒸気やガスを導入するプロセスでは該蒸気や
該ガスが検出器に影響を与えるので、それを防ぐために
バルブ47を閉める。
【0102】その状態で、励起源2から出た電子線が試
料1Iに照射される。これにより、試料1Iの元素は励
起され、励起された元素が放出する特性X線7aは遮蔽
体33を通過し、さらに、強度調整機構であるスリット
32を通過し、半導体X線検出器6で検出される。ま
た、同様に、励起された元素が放出する特性X線7bは
遮蔽体33を通過し、スリット35a、35bで規定さ
れた入出射角で多層膜ミラー34に反射された後、半導
体X線検出器6で検出される。半導体X線検出器6で検
出されたこれら特性X線は信号処理回路(図示せず)で
処理され、スペクトルとして記憶・表示される。
【0103】メインテナンス等で真空槽10を大気に曝
すときには、開閉機構6fを閉じて半導体X線検出器6
の真空を保ち検出器を保護する。また、遮蔽体33にか
かる差圧をなくすためにバルブ47を開放にしてから真
空槽10を大気に曝す。
【0104】そして、例えば、薄膜形成装置で二酸化珪
素SiO2 薄膜を形成する場合、測定対象の元素が放出
する特性X線の波長における所定の入反射角度で多層膜
ミラー34に入反射させることで、試料1Iから放出さ
れた特性X線の内、強度の強い珪素Siからの特性X線
を多層膜ミラー34で減衰させると共に、低エネルギー
の酸素Oの特性X線を反射させることが可能で、多層膜
ミラー34で反射された特性X線7bは低エネルギーの
酸素Oの特性X線が大部分となる。そして、多層膜ミラ
ー34で反射された後の酸素Oの特性X線7bの強度と
珪素Siからの特性X線の強度7aをスリット32を用
いてほぼ等しくすることで、珪素Siからの特性X線に
より計数率が律速されることがないようにする。
【0105】この際、遮蔽体33により製造機構12か
ら発生される光や熱を遮蔽することで、半導体X線該検
出器6に与える影響を防ぐことができ、また、該遮蔽体
33は耐熱性があるので、薄膜形成中の基板加熱などに
よる輻射熱により変形したり溶けたりすることがないた
め、薄膜形成プロセス中、上記特性X線を逐一測定する
ことができる。このように、酸素Oのような特性X線の
発生効率の低い軽元素を含む薄膜を形成する際にも、試
料1Iの組成の測定を薄膜形成速度に追従することがで
きると共に、薄膜形成プロセス中に発生する光や熱が半
導体X線検出器6に与える影響を防ぐことができるの
で、試料の組成を形成プロセス中に逐一測定することが
可能となる。
【0106】従って、上記実施例7によれば、薄膜形成
中に、励起源2からの電子線を試料1Iに照射して励起
された試料1Iの元素から特性X線を放出させ、多層膜
ミラー34で反射された特性X線7bとスリット32に
より強度が調整された特性X線7aとを同一の半導体X
線検出器6で検出するようにしたので、強度比が大きい
複数の元素の特性X線を測定する際に微弱な特性X線を
も検出可能にして、薄膜形成中に組成の変化を逐一測定
することができると共に、その際、遮蔽体33により薄
膜を形成するための製造機構12から発生される光や熱
を遮蔽することで、半導体X線該検出器6に与える影響
を防ぐことができ、特性X線の発生効率の低い軽元素を
含む薄膜を形成する際にも、試料の組成の測定を薄膜形
成速度に追従させることができる。
【0107】実施例8.次に、図16は実施例8に係る
薄膜形成装置を示す構成図である。図16において、図
14及び図15に示す実施例6及び7と同一部分は同一
符号を付し、その説明は省略する。また、45と46a
及び46bは図12に示す実施例5と同様な有機物結晶
とこの有機物結晶への入出射角を規定するソーラスリッ
トであり、さらに、新たな符号として、1Jはこの薄膜
形成装置で窒化チタンTiN薄膜が形成される試料、4
8はゲートバルブ、49は排気機構、50は真空箱を示
し、真空槽10の焼き出しを行う場合に、上記ゲートバ
ルブ48により焼き出し不可能な部分を脱着可能とした
場合を示しており、装着路には該真空槽10の排気機構
11とは独立した排気機構49で脱着部分の真空箱50
を真空に引き、その後、上記ゲートバルブ48を開放す
るようになっている。
【0108】上記のように構成された薄膜形成装置にお
いては、励起源2から出た電子線が試料1Jに照射され
る。これにより、試料1Jの元素は励起され、励起され
た元素が放出する特性X線7aは強度調整機構であるス
リット32を通過し、さらに、遮蔽体33を通過し、半
導体X線検出器6で検出される。また、同様に、励起さ
れた元素が放出する特性X線7bはソーラスリット46
a、46bで規定された入出射角で有機物結晶45に反
射された後、遮蔽体33を通過し、半導体X線検出器6
で検出される。半導体X線検出器6で検出されたこれら
特性X線は信号処理回路(図示せず)で処理され、スペ
クトルとして記憶・表示される。
【0109】例えば、薄膜形成装置で窒化チタンTiN
薄膜を形成する場合、試料1Jから放出された特性X線
の内、有機物結晶45で測定対象の元素が放出する特性
X線を高い反射率で反射させると共に、それ以外の元素
の特性X線の反射率を低くして減衰させるべく、上記有
機物結晶への入反射角度を設定することで、強度の強い
チタンTiからのK線の特性X線を有機物結晶45によ
って減衰させると共に、窒素Nの低エネルギーの特性X
線を反射させることが可能で、有機物結晶45で反射さ
れた特性X線7bは窒素Nの低エネルギーの特性X線が
大部分となる。そして、有機物結晶45で反射された後
の窒素Nの特性X線7bの強度とチタンTiからのK線
の特性X線7aの強度とをスリット32を用いてほぼ等
しくすることで、チタンTiからの特性X線により計数
率が律速されることがなく、微弱な元素の特性X線をも
同時に検出でき、両元素を測定することができる。
【0110】この際、遮蔽体33により薄膜を形成する
ための製造機構12から発生される光や熱を遮蔽するこ
とで、該半導体X線検出器6に与える影響を防ぐことが
でき、また、該遮蔽体33は耐熱性があるので、薄膜形
成中の基板加熱などによる輻射熱により変形したり溶け
たりすることがないため、薄膜形成プロセス中、熱によ
る影響を受けることなく、上記特性X線を逐一測定する
ことができる。また、ソーラスリット46a、46bで
規定された入出射角で有機物結晶45に反射させている
ので、窒素NのK線とチタンTiのL線を分離すること
が可能である。
【0111】従って、上記実施例8によれば、有機物結
晶45で反射された窒素Nの特性X線7bの強度とチタ
ンTiからのK線の特性X線7aの強度とをスリット3
2を用いてほぼ等しくすることで、チタンTiからの特
性X線により計数率が律速されることがなく両元素を同
一の半導体X線検出器6で検出することにより、強度比
が大きい複数の元素の特性X線を測定する際に微弱な特
性X線をも検出可能にして、薄膜形成中に組成の変化を
逐一測定することができると共に、その際、遮蔽体33
により製造機構12から発生される光や熱を遮蔽するこ
とで、半導体X線該検出器6に与える影響を防ぐことが
でき、特性X線の発生効率の低い軽元素を含む薄膜を形
成する際にも、試料の組成の測定が薄膜形成速度に追従
することができる。また、ソーラスリット46a、46
bで規定された入出射角で有機物結晶45に反射させて
いるので、窒素NのK線とチタンTiのL線を分離する
ことができる。
【0112】実施例9.次に、図17は実施例9に係る
スパッタリング現象を用いて薄膜を形成する薄膜形成装
置を示す構成図である。図17において、前述した各実
施例と同一部分は同一符号を付し、その説明は省略す
る。また、新たな符号として、1Kは基板上に窒化チタ
ンTiN薄膜が形成される試料、51はガス導入機構、
52はプラズマを発生させるための電源、53はターゲ
ット材、54、55はゲートバルブ、56は図12に示
す実施例5の有機物結晶45と同様な回折現象を用いた
光学素子としての複数の無機物結晶である。
【0113】上記のように構成された薄膜形成装置にお
いては、まず、ガス導入機構51によりアルゴン等のガ
スを導入し、電源52によりアルゴンガスのプラズマを
発生させる。プラズマ中のアルゴンイオンがターゲット
材53をスパッタリングすることにより、試料1Kの基
板上に薄膜が形成される。スパッタリング中はゲートバ
ルブ54、55を閉じておき、薄膜形成後、ゲートバル
ブ54、55を開放し、励起源2から出た電子線をター
ゲット材53に照射する。これにより、ターゲット材5
3の元素は励起され、励起された元素が放出する特性X
線7aは強度調整機構であるスリット32を通過し、半
導体X線検出器6で検出される。また、同様に、励起さ
れた元素が放出する特性X線7bは、複数の無機物結晶
56で反射・集光された後、半導体X線検出器6で検出
される。半導体X線検出器6で検出されたこれら特性X
線は信号処理回路(図示せず)で処理され、スペクトル
として記憶・表示される。
【0114】例えば、この薄膜形成装置で窒化チタンT
iN薄膜を形成する場合、ターゲット材53の炭素Cや
酸素Oの不純物がスパッタ率を変化させたり、薄膜中に
不純物として入り込んだりする。そこで、ターゲット材
53の不純物汚染をときどき調べる必要がある。ターゲ
ット材53から放出された特性X線の内、測定対象の元
素が放出する特性X線の波長におけるブラック条件を満
足する角度で複数の無機物結晶56に特性X線を入反射
させることで、この複数の無機物結晶56で酸素Cや炭
素Oの特性X線をそれぞれ反射させ、強度の強いチタン
TiからのK線や窒素Nの特性X線を減衰させることが
できる。そして、複数の無機物結晶56で反射された後
の炭素Cや酸素Oの特性X線強度とチタンTiからのK
線の特性X線強度をスリット32を用いてほぼ等しくす
ることで、効率よく不純物元素を同時に測定することが
可能となる。
【0115】また、酸素Oや炭素Cの特性X線のみでな
く、チタンTiからの特性X線も同時に測定できるの
で、入射電子線の変動をチタンTiからの特性X線を使
って正規化することが可能となる。また、複数の無機物
結晶56で酸素Oや炭素Cの特性X線を反射させ集光す
ることにより、不純物元素に対して感度を上げることが
可能となる。
【0116】従って、上記実施例9によれば、スパッタ
リング現象を用いて薄膜を形成する際に、励起源2によ
り励起されたターゲット材53中の元素が放出する特性
X線を検出するようにしたので、基板上に形成される薄
膜の組成物によっては直接電子線やX線を照射した場合
ダメージを受けることがあるが、このような場合に、薄
膜にダメージを与えることなく、薄膜形成中の組成の変
化を逐一測定することができ、ターゲット材53の組成
の変化により試料1Kに形成された薄膜の組成が変化す
ることを防ぐことできる。
【0117】実施例10.次に、図18は実施例10に
よるスパッタリング現象を用いて薄膜を形成する薄膜形
成装置を示す構成図である。図18において、前述した
各実施例と同一符号は同一部分を示し、その説明は省略
する。新たな符号として、1Lはこの薄膜形成装置で高
温超電導物質であるイットリウムバリウム銅酸化物(Y
Ba2 Cu38-x )薄膜が形成される試料、57は排
気機構、58はガス導入機構である。
【0118】上記のように構成された薄膜形成装置にお
いては、まず、ガス導入機構51によりアルゴン等のガ
スを導入し、電源52によりアルゴンガスのプラズマを
発生させる。プラズマ中のアルゴンイオンがターゲット
材53をスパッタリングすることにより、試料1Lの基
板上に薄膜が形成される。薄膜形成中に励起源2から出
た電子線をターゲット材53に照射する。これにより、
ターゲット材53の元素は励起され、励起された元素が
放出する特性X線7aは強度調整機構であるスリット3
2を通過し、半導体X線検出器6で検出される。また、
同様に、励起された元素が放出する特性X線7bは、全
反射ミラー31で反射された後、半導体X線検出器6で
検出される。半導体X線検出器6で検出されたこれら特
性X線は信号処理回路(図示せず)で処理され、スペク
トルとして記憶・表示される。
【0119】例えば、この薄膜形成装置で高温超電導物
質であるイットリウムバリウム銅酸化物(YBa2 Cu
38-x )薄膜を形成する場合、ターゲット材53の組
成のずれが形成される薄膜の組成のずれに影響を与える
ためにターゲット材53の組成をモニタする必要があ
る。測定対象の元素が放出する特性X線を選択的に反射
させるべく所定の入反射角度で全反射ミラー31に入反
射させることで、ターゲット材53から放出された特性
X線の内、全反射ミラー31で酸素Oの特性X線を反射
させ、強度の強いイットリウムYやバリウムBaや銅C
uからの特性X線を減衰させることができる。そして、
全反射ミラー31で反射された後の酸素Oの特性X線7
bの強度とイットリウムYやバリウムBaや銅Cuから
の特性X線7aの強度をスリット32を用いてほぼ等し
くすることで、効率よくターゲット材53の組成を測定
することが可能となる。
【0120】また、排気機構57で励起源2を差動排気
することにより、薄膜形成中のアルゴンガス等が導入さ
れた状態でも測定可能にすることができる。また、ガス
導入機構58を用いて遮蔽体33に差圧がかからないよ
うにガスを流し、スパッタされた粒子が遮蔽体33に付
着することを防止できる。そして、遮蔽体33によりプ
ラズマから発生される光や熱を遮蔽することで、半導体
X線検出器6に与える影響を防ぐことができ、また、該
遮蔽体33は耐熱性があるので輻射熱等により変形した
り溶けたりすることがないため、薄膜形成プロセス中、
上記特性X線を逐一測定することができる。
【0121】従って、上記実施例10によれば、スパッ
タリング現象を用いて薄膜を形成する際に、励起源2に
より励起されたターゲット材53中の元素が放出する特
性X線を検出するようにしたので、基板上に形成される
薄膜の組成物によっては直接電子線やX線を照射した場
合ダメージを受けることがあるが、このような場合に、
薄膜にダメージを与えることなく、薄膜形成中の組成の
変化を逐一測定することができ、ターゲット材53の組
成の変化により試料1Lに形成された薄膜の組成が変化
することを防ぐことできると共に、排気機構57で励起
源2を差動排気することにより薄膜形成中のアルゴンガ
ス等が導入された状態でも測定可能にし、また、ガス導
入機構58を用いて遮蔽体33に差圧がかからないよう
にガスを流し、スパッタされた粒子が遮蔽体33に付着
することを防止でき、遮蔽体33によりプラズマから発
生される光や熱を遮蔽することで、半導体X線検出器6
に与える影響を防ぐことができる。
【0122】実施例11.次に、図19は実施例11に
係るドライクリーニングを行うエッチング装置を示す構
成図である。図19において、前述した各実施例と同一
部分は同一符号を付し、その説明は省略する。新たな符
号として、1Mは珪素Si基板上の自然酸化膜による酸
素や炭素等の軽元素の不純物が混入された試料、59は
プラズマを発生させるための電極である。
【0123】上記のように構成されたエッチング装置に
おいては、電子線源やX線源等の励起源2からでた電子
線やX線が試料1Mに照射される。これにより、試料1
Mの元素は励起され、励起された元素が放出する特性X
線7aは強度調整機構であるスリット32を通過し、半
導体X線検出器6で検出される。また、同様に、励起さ
れた元素が放出する特性X線7bは全反射ミラー31で
反射された後、半導体X線検出器6で検出される。半導
体X線検出器6で検出された特性X線は信号処理回路8
で処理されスペクトルとして記憶・表示される。
【0124】試料1Mの珪素Si基板上の自然酸化膜に
よる酸素や炭素等の軽元素の不純物をエッチング除去す
る場合、ガス導入機構51によりエッチングガスを導入
し、プラズマを発生するための電源52により試料1M
と電極59間にプラズマを発生させて、上記不純物をエ
ッチング除去する。その後、ゲートバルブ54、55を
開け、励起源2により、試料1M中の元素を励起する。
測定対象の元素が放出する特性X線を選択的に反射させ
るべく所定の入反射角度で全反射ミラー31に入反射さ
せることで、試料1Mから放出された特性X線のうち、
強度の強い珪素Siからの特性X線は全反射ミラー31
で減衰させることができ、全反射ミラー31で反射され
た特性X線は酸素や炭素などの低エネルギーの特性X線
が大部分となる。
【0125】そして、珪素Siからの特性X線強度をス
リット32を用いて、信号処理回路8が正常に動作する
強度にすることで、エッチング後、除去できなかった極
々微量の酸素や炭素の不純物元素を効率良く測定するこ
とができる。しかも、試料1Mを真空層10内でエッチ
ング処理して大気に曝すことがないので、基板表面が酸
化されることがなく、エッチングで除去された量を正確
に測定することができる。
【0126】従って、上記実施例11によれば、試料1
Mの珪素Si基板上の自然酸化膜による酸素や炭素等の
軽元素の不純物をエッチング除去する場合に、上記不純
物のエッチング除去後、励起源2により、上記試料1M
中の元素を励起し、試料1Mから放出された特性X線の
うち、全反射ミラー31で反射された酸素や炭素などの
不純物の特性X線強度と珪素Siからの特性X線強度を
スリット32を用いてほぼ等しくして信号処理回路8が
正常に動作する強度にすることで、エッチング後、除去
できなかった極々微量の酸素や炭素の不純物元素を効率
良く測定することができ、しかも、試料1Mを大気に曝
すことがないので、基板表面が酸化されることがなく、
エッチングで除去された量を正確に測定することができ
る。
【0127】実施例12.次に、図20は実施例12に
係るイオン注入装置を示す構成図である。図20におい
て、前述した各実施例と同一部分は同一符号を付し、そ
の説明は省略する。新たな符号として、1Nは珪素Si
基板上にリンPが注入される試料、60は注入するイオ
ンを発生させ加速・質量分離等を行いイオンビーム61
を試料1Nに照射するための加速器、62は試料基板の
回転機構、63は回折現象を利用した光学素子としての
単結晶を用いた回折格子である。
【0128】上記のように構成されたイオン注入装置に
おいては、加速器60により発生されたイオンビーム6
1が試料1Nに照射される。このイオンビーム61が加
速エネルギーをもつため試料1L中の元素は励起され、
励起された元素が放出する特性X線(蛍光X線)7aは
強度調整機構であるスリット32を通過し、半導体X線
検出器6で検出される。また、同様に、励起された元素
が放出する特性X線(蛍光X線)7bは回折格子63で
回折された後、半導体X線検出器6で検出される。半導
体X線検出器6で検出された特性X線(蛍光X線)は信
号処理回路8で処理されスペクトルとして記憶・表示さ
れる。
【0129】例えば珪素Si基板にリンPを注入する場
合を取り上げる。リンPが加速器60により生成されリ
ンPのイオンビーム61が珪素Si基板に照射される。
リンイオンは珪素Si基板内で減速され所定の深さ付近
に注入される。このとき、リンイオンには数十から数百
eVのエネルギーが与えられているため珪素Siの元素
は励起する。また、先に注入したリンP元素も同様に励
起するため、イオンビーム61が照射されると、珪素S
iやリンPが特性X線(蛍光X線)を放出する。珪素S
i基板の原子数に比べれば、リンP元素の原子は非常に
小さいので、リンPの特性X線(蛍光X線)は非常に弱
い。そこで、回折格子63とソーラスリット46a、4
6bを介してリンPの特性X線(蛍光X線)7bのみを
反射するようにして半導体X線検出器6に導く。強度の
強い珪素Siからの特性X線(蛍光X線)7aはスリッ
ト32を用いてリンPの特性X線(蛍光X線)7bと同
程度の強度にし、半導体X線検出器6に導く。これによ
り、珪素Siの特性X線(蛍光X線)も同時に測定する
ことができ、入射X線の変動を珪素Siの特性X線(蛍
光X線)の強度を使って正規化することができる。
【0130】従って、上記実施例12によれば、珪素S
i基板上にリンP元素をイオン注入する場合に、イオン
ビーム61の照射によって試料1L中の元素を励起し、
試料1Nから放出された特性X線(蛍光X線)のうち、
回折格子63とソーラスリット46a及び46bを介し
たリンPの特性X線(蛍光X線)とスリット32を介し
た珪素Siからの特性X線(蛍光X線)を、上記スリッ
ト32を用いて同程度の強度にして半導体X線検出器6
に導くようにしたので、イオン注入時に、リンPと珪素
Siの特性X線(蛍光X線)を同時に測定することがで
きる。
【0131】
【発明の効果】以上のように、この発明の請求項1によ
れば、試料中の元素が発生する複数の波長の電磁波を検
出する検出器を有する電磁波検出装置において、上記試
料と上記検出器との間に設置されて上記試料から発生す
る複数の波長の電磁波の内少なくとも1つ以上の波長を
選択的に反射または透過する光学素子と、上記試料と上
記検出器との間に設置されて電磁波の強度を調整する強
度調整機構とを備え、上記光学素子により反射または透
過された電磁波と上記強度調整機構により強度が調整さ
れた電磁波を上記検出器で検出することにより、強度比
が大きい複数の電磁波を測定する際に微弱な電磁波をも
検出することができるという効果を奏する。
【0132】また、請求項2に係る電磁波検出装置によ
れば、強度比が大きい複数の電磁波を測定する際に上記
電磁波の波長をX線領域とすることにより、X線のエネ
ルギー値に基づき元素の種類の識別を容易にすることが
できるという効果を奏する。
【0133】また、請求項3に係る電磁波検出装置によ
れば、上記検出器を、エネルギー分散型検出器とするこ
とによって、強度比の大きい複数の電磁波を検出する場
合に強度の大きい電磁波により計数率が律速されること
なく微弱な電磁波をも同時に検出することができるとい
う効果を奏する。
【0134】また、請求項4に係る電磁波検出装置によ
れば、上記検出器に入る光や熱を遮蔽すると共に1ke
V以下の軟X線を含むX線を透過する耐熱性のある遮蔽
体を備えたことにより、光や熱が検出器に与える悪影響
を防ぎ、1keV以下の軟X線を含むX線を放出する軽
元素も検出可能にすることができるという効果を奏す
る。
【0135】また、請求項5に係る電磁波検出装置によ
れば、上記強度調節機構を、スリットで構成することに
よって、スリットの開口率を変化させて簡便な強度調整
を可能にすることができるという効果を奏する。
【0136】また、請求項6に係る電磁波検出装置によ
れば、光学素子として全反射現象を利用した光学素子を
用いることにより、所定の入反射角度で電磁波を入反射
させることで、複数の電磁波の内、所定のエネルギーよ
りも低いエネルギーの電磁波を放出する複数の元素から
放出される電磁波を同時に反射させることができ、その
反射された電磁波を放出する元素を同時に測定すること
ができるという効果を奏する。
【0137】また、請求項7に係る電磁波検出装置によ
れば、光学素子として回折現象を利用した光学素子を用
いることにより、所定の入反射角度で電磁波を入反射さ
せ、または所定の焦点位置に試料と検出器をおき試料か
ら放出される測定対象の元素の電磁波を検出器に集光さ
せることで、強度の弱い電磁波と強度の強い電磁波のエ
ネルギーの高低を問わずに特定の元素の電磁波を選択的
に取り出すことが可能で、全反射現象を利用した光学素
子を用いた場合と異なり、強度の強い電磁波よりもエネ
ルギーの高い電磁波を放出する元素が不純物として存在
し量が微量なため強度が弱い場合においても、エネルギ
ーの高い電磁波を放出する元素の電磁波のみを選択的に
取り出すことができるという効果を奏する。
【0138】また、請求項8に係る基板加工装置によれ
ば、加工機構による基板の加工中に、光学素子により反
射または透過された電磁波と強度調整機構により強度が
調整された電磁波を検出器で検出することにより、基板
の加工中に、強度比が大きい複数の電磁波を測定する際
に微弱な電磁波をも検出可能にして、組成の変化を測定
可能にすることができるという効果を奏する。
【0139】また、請求項9に係る基板加工装置によれ
ば、薄膜形成機構により、基板にスパッタリング現象を
用いて薄膜を形成する際、スパッタリングされるターゲ
ット材中の元素を励起源によって励起し、検出器によっ
て励起された元素が放出する電磁波を検出することによ
り、ターゲット材の組成の変化を検出可能にすることが
できるという効果を奏する。
【0140】また、請求項10に係る基板加工装置によ
れば、光学素子により、ターゲット材中の元素が発生す
る電磁波の内少なくとも1つ以上の波長を選択的に反射
すると共に、強度調整機構により、電磁波の強度を調整
することによって、上記光学素子により反射または透過
された電磁波と上記強度調整機構により強度が調整され
た電磁波が検出器で検出されて、ターゲット材中の元素
が発生する強度比が大きい複数の電磁波を測定する際に
微弱な電磁波をも検出可能にすることができるという効
果を奏する。
【0141】また、請求項11に係る基板加工装置によ
れば、請求項8ないし10のいずれかにおいて、基板加
工中に、強度比が大きい複数の電磁波を測定する際に、
上記電磁波の波長をX線領域とすることにより、X線の
エネルギー値に基づき試料となる基板またはターゲット
材の元素の種類の識別を容易にすることができるという
効果を奏する。
【0142】また、請求項12に係る基板加工装置によ
れば、請求項8ないし11のいずれかにおいて、上記検
出器を、エネルギー分散型検出器とすることによって、
強度比の大きい複数の電磁波を検出する場合に強度の大
きい電磁波により計数率が律速されることなく微弱な電
磁波をも同時に検出することを可能にすることができる
という効果を奏する。
【0143】また、請求項13に係る基板加工装置によ
れば、請求項8ないし12のいずれかにおいて、上記検
出器に入る光や熱を遮蔽すると共に1keV以下の軟X
線を含むX線を透過する耐熱性のある遮蔽体を備えたこ
とにより、光や熱が検出器に与える悪影響を防ぎ、1k
eV以下の軟X線を含むX線を放出する軽元素も検出可
能にすることができるという効果を奏する。
【0144】また、請求項14に係る基板加工装置によ
れば、請求項8ないし13のいずれかにおいて、上記強
度調節機構を、スリットで構成することによって、スリ
ットの開口率を変化させて簡便な強度調整を可能にする
ことができるという効果を奏する。
【0145】また、請求項15に係る基板加工装置によ
れば、請求項8ないし14のいずれかにおいて、光学素
子として全反射現象を利用した光学素子を用いることに
より、所定の入反射角度で電磁波を入反射させること
で、複数の電磁波の内、所定のエネルギーよりも低いエ
ネルギーの電磁波を放出する複数の元素から放出される
電磁波を同時に反射させることができ、その反射された
電磁波を放出する元素を同時に測定することができると
いう効果を奏する。
【0146】また、請求項16に係る基板加工装置によ
れば、請求項8ないし14のいずれかにおいて、光学素
子として回折現象を利用した光学素子を用いることによ
り、所定の入反射角度で電磁波を入反射させ、または所
定の焦点位置に試料と検出器をおき試料から放出される
測定対象の元素の電磁波を検出器に集光させることで、
強度の弱い電磁波と強度の強い電磁波のエネルギーの高
低を問わずに特定の元素の電磁波を選択的に取り出すこ
とが可能で、全反射現象を利用した光学素子を用いた場
合と異なり、強度の強い電磁波よりもエネルギーの高い
電磁波を放出する元素が不純物として存在し量が微量な
ため強度が弱い場合においても、エネルギーの高い電磁
波を放出する元素の電磁波のみを選択的に取り出すこと
ができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例1に係るX線検出装置の主要
部分を示す構成図である。
【図2】図1の光学素子としての全反射ミラーの一例を
示す構造模式図と特性曲線図である。
【図3】図1の強度調整機構であるスリットの一例を示
す説明図である。
【図4】図1の遮蔽体の一例を示す構造図である。
【図5】この発明の実施例2に係るX線検出装置の主要
部分を示す構成図である。
【図6】図5の光学素子としての多層膜ミラーの一例を
示す構造模式図である。
【図7】この発明の実施例3に係るX線検出装置の主要
部分を示す構成図である。
【図8】図7の光学素子としての透過型回折格子の一例
を示す構造模式図である。
【図9】この発明の実施例4に係る元素分析装置を示す
構成図である。
【図10】図9の光学素子としての回折格子の一例を示
す構造模式図である。
【図11】図9の超伝導体における接合を用いた検出器
の一例を示す構造模式図である。
【図12】この発明の実施例5に係るX線検出装置の主
要部分を示す構成図である。
【図13】図12の光学素子としての有機物結晶の一例
を示す構造模式図である。
【図14】この発明の実施例6に係る薄膜形成装置と半
導体X線検出器を示す構成図である。
【図15】この発明の実施例7に係る薄膜形成装置を示
す構成図である。
【図16】この発明の実施例8に係る薄膜形成装置を示
す構成図である。
【図17】この発明の実施例9に係るスパッタリング現
象を用いて薄膜を形成する薄膜形成装置を示す構成図で
ある。
【図18】この発明の実施例10に係るスパッタリング
現象を用いて薄膜を形成する薄膜形成装置を示す構成図
である。
【図19】この発明の実施例11に係るドライクリーニ
ングを行うエッチング装置を示す構成図である。
【図20】この発明の実施例12に係るイオン注入装置
を示す構成図である。
【図21】従来のX線検出装置を示す構成図である。
【図22】図21の半導体X線検出器と信号処理回路内
の波高分析器におけるX線検出原理を示す説明図と電流
パルス及びその波高分析結果を示す説明図である。
【図23】従来の薄膜形成装置と半導体X線検出器を示
す構成図である。
【図24】従来のX線検出装置において特性X線のエネ
ルギーの強度が強いときに検出器より出力された電流パ
ルスP3列の一例を示す模式図である。
【符号の説明】
1C 試料 1D 試料 1E 試料 1F 試料 1G 試料 1H 試料 1I 試料 1J 試料 1K 試料 1L 試料 1M 試料 1N 試料 2 励起源 5 X線 6 半導体X線検出器 7a 特性X線 7b 特性X線 8 信号処理回路 12 製造機構 31 全反射ミラー 32 スリット 33 遮蔽体 34 多層膜ミラー 35a スリット 35b スリット 36 透過型回折格子 43 回折格子 44 回折格子 45 有機物結晶 53 ターゲット材 56 複数の無機物結晶 60 超伝導体におけるトンネル接合を用いた検出器 63 回折格子

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試料中の元素が発生する複数の波長の電
    磁波を検出する検出器を有する電磁波検出装置におい
    て、上記試料と上記検出器との間に設置されて上記試料
    から発生する複数の波長の電磁波の内少なくとも1つ以
    上の波長を選択的に反射または透過する光学素子と、上
    記試料と上記検出器との間に設置されて電磁波の強度を
    調整する強度調整機構とを備え、上記光学素子により反
    射または透過された電磁波と上記強度調整機構により強
    度が調整された電磁波を上記検出器で検出することを特
    徴とする電磁波検出装置。
  2. 【請求項2】 上記電磁波の波長は、X線領域であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の電磁波検出装置。
  3. 【請求項3】 上記検出器は、エネルギー分散型検出器
    であることを特徴とする請求項1または2記載の電磁波
    検出装置。
  4. 【請求項4】 上記検出器に入る光や熱を遮蔽すると共
    に1keV以下の軟X線を含むX線を透過する耐熱性の
    ある遮蔽体を備えたことを特徴とする請求項1ないし3
    のいずれかに記載の電磁波検出装置。
  5. 【請求項5】 上記強度調整節機構は、スリットである
    ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の
    電磁波検出装置。
  6. 【請求項6】 上記光学素子は、全反射現象を利用する
    光学素子であることを特徴とする請求項1ないし5のい
    ずれかに記載の電磁波検出装置。
  7. 【請求項7】 上記光学素子は、回折現象を利用する光
    学素子であることを特徴とする請求項1ないし5のいず
    れかに記載の電磁波検出装置。
  8. 【請求項8】 基板を加工する加工機構と、上記加工中
    の基板に含まれる複数の元素を励起する励起源と、上記
    励起源により励起された元素が放出する複数の波長の電
    磁波を検出する検出器と、上記加工中の基板と上記検出
    器との間に設置されて上記複数の波長の電磁波の内少な
    くとも1つ以上の波長を選択的に反射または透過する光
    学素子と、上記加工中の基板と上記検出器の間に設置さ
    れて電磁波の強度を調整する強度調整機構とを備え、上
    記加工機構による基板の加工中に、上記光学素子により
    反射または透過された電磁波と上記強度調整機構により
    強度が調整された電磁波を上記検出器で検出することを
    特徴とする基板加工装置。
  9. 【請求項9】 基板にスパッタリング現象を用いて薄膜
    を形成するための薄膜形成機構と、スパッタリングされ
    るターゲット材中の元素を励起する励起源と、この励起
    源により励起された元素が放出する電磁波を検出する検
    出器とを備えたことを特徴とする基板加工装置。
  10. 【請求項10】 上記ターゲット材と上記検出器との間
    に設置されて上記電磁波を透過または反射する光学素子
    と、上記ターゲット材と上記検出器の間に設置されて電
    磁波の強度を調整する強度調整機構とを備えたことを特
    徴とする請求項9記載の基板加工装置。
  11. 【請求項11】 上記電磁波の波長は、X線領域である
    ことを特徴とする請求項8ないし10のいずれかに記載
    の基板加工装置。
  12. 【請求項12】 上記検出器は、エネルギー分散型検出
    器であることを特徴とする請求項8ないし11のいずれ
    かに記載の基板加工装置。
  13. 【請求項13】 上記検出器に入る光や熱を遮蔽すると
    共に1keV以下の軟X線を含むX線を透過する耐熱性
    のある遮蔽体を備えたことを特徴とする請求項8ないし
    12のいずれかに記載の基板加工装置。
  14. 【請求項14】 上記強度調整機構は、スリットである
    ことを特徴とする請求項8ないし13のいずれかに記載
    の基板加工装置。
  15. 【請求項15】 上記光学素子は、全反射現象を利用す
    る光学素子であることを特徴とする請求項8ないし14
    のいずれかに記載の基板加工装置。
  16. 【請求項16】 上記光学素子は、回折現象を利用する
    光学素子であることを特徴とする請求項8ないし14の
    いずれかに記載の基板加工装置。
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