JPH07240170A - 四重極質量分析装置 - Google Patents

四重極質量分析装置

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JPH07240170A
JPH07240170A JP6052998A JP5299894A JPH07240170A JP H07240170 A JPH07240170 A JP H07240170A JP 6052998 A JP6052998 A JP 6052998A JP 5299894 A JP5299894 A JP 5299894A JP H07240170 A JPH07240170 A JP H07240170A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 四重極17のロッドホルダの温度変化等に起
因する質量分析カーブのマス軸のズレを自動的に補正す
る。 【構成】 トランス15の1次側コイルL1の電圧V1
と、1次側コイルL1の電圧と電流との間の位相差θを
検出し、これらに基づいて、1次側コイルL1に供給す
る高周波電流の補正を行なう。 【効果】 四重極17のロッドホルダの発熱がV1及び
θの変化により検出され、それに対応した適切なRF電
圧を印加することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、四重極質量分析装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】四重極質量分析装置は、図7に示すよう
に、z軸を中心に回転対称的に配置された4本の電極棒
41、42、43、44と、その出口側に置かれたイオ
ン検出器46で構成される。x軸方向に配置された一対
の電極棒42、44とy軸方向に配置された一対の電極
棒41、43との間に直流電圧U及び高周波電圧V・cos
(ω・t)を重畳して印加しておき、z軸に沿ってイオン
を四重極の中心に入射すると、電圧U及びVにより定ま
る特定質量のイオンのみが安定的に四重極を通過するこ
とができ、他の質量のイオン45は途中で発散してしま
う。従って、電圧U及びVを、互いに所定の関係を持た
せつつ変化させることにより、四重極を通過する質量を
軽いものから重いものまで順に走査することができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】四重極質量分析装置に
よって正確な質量分析を行なうためには、4本の電極棒
(ロッド)41、42、43、44を正しく軸対称に配
置しておかなければならない。そのため、従来より四重
極質量分析装置では、4本のロッド41、42、43、
44の相互の位置ズレが生じないように、これらの両端
を1対のセラミック製のロッドホルダ48により保持し
ていた。
【0004】ところが、4本のロッド41、42、4
3、44に上記の通り高周波(約1MHz)が印加され
ると、セラミック製のロッドホルダ48に誘電損が生
じ、熱が発生する。これによりロッドホルダ48が膨張
し、図8に示すように、四重極の中心軸zと各ロッド4
1、42、43、44との距離(内接円半径)r0が変
化する。また、周囲の温度の変化によっても内接円半径
r0は変化する。この場合、四重極に印加する電圧(の
振幅)を一定のままとしておくと、イオンの通過路であ
るz軸における電場E0がr0に応じて変化し、正確な質
量分析を行なうことができなくなる。
【0005】これに対し、ロッド41、42、43、4
4とロッドホルダ48の熱膨張係数が或る一定の関係と
なるように両者の材質を選択し、温度変化によってもr
0が変化しないようにするという方法も考えられるが、
この場合、加工性の良い材料や電気的に損失の少ない材
料等を使用することができず、コスト、性能等の面で問
題が生じる。また、同一材料を使ったとしても、個々の
ユニット間では熱膨張係数のバラツキが生じ、質量分析
に誤差が生じる可能性がある。
【0006】本発明はこのような課題を解決するために
成されたものであり、その目的とするところは、ロッド
ホルダの温度変化等に起因する質量分析の誤差を自動的
に補正する機能を備えた四重極質量分析装置を提供する
ことにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に成された本発明に係る四重極質量分析装置は、トラン
スの2次側コイルに接続された四重極に所定の目標高周
波電圧が印加されるようにトランスの1次側コイルに供
給する高周波電流を制御する四重極駆動回路を備えた四
重極質量分析装置において、 a)トランスの1次側コイルの電圧を検出する1次側電圧
検出手段と、 b)トランスの1次側コイルの電圧と電流との間の位相差
を検出する位相差検出手段と、 c)上記1次側電圧及び位相差の検出結果に基づき、四重
極駆動回路が供給する上記高周波電流の補正を行なう補
正手段とを備えることを特徴としている。
【0008】
【作用】四重極駆動回路は、四重極に印加される電圧を
検出する手段を備えており、その四重極電圧が所定の目
標高周波電圧となるように、トランスの1次側コイルに
供給する高周波電流を制御する。ところが、この高周波
による誘電損により四重極の4本のロッドを保持するセ
ラミック製のロッドホルダが発熱すると、ロッドホルダ
の誘電率(又は誘電正接)が変化し、四重極の負荷容量
が変化する。また、周囲の温度の変化によっても四重極
の負荷容量は変化する。トランスの2次側コイルに接続
されたこの負荷容量の変化は、1次側コイルの電圧及び
位相差を変化させるため、1次側電圧検出手段及び位相
差検出手段でこれらを検出することにより、ロッドホル
ダの温度変化を検出することができる。なお、位相差
は、プラス又はマイナスのいずれであるかを検出するの
みでも十分である。
【0009】そこで予め、既知の質量パターンを有する
試料を用いて、四重極で検出される質量数が正しいもの
となるようにしたときの四重極の目標高周波電圧と1次
側コイルの電圧及び位相差との関係を求めておく。この
関係を記憶しておき、実際の測定の際にトランスの1次
側コイルの電圧及び位相差を両検出手段で検出し、四重
極に印加される電圧が、それらに対応する目標高周波電
圧となるように四重極駆動回路の制御目標を補正するこ
とにより、常に正しい質量数の分析が行なえるようにな
る。
【0010】
【実施例】本発明の一実施例である四重極質量分析装置
を図1〜図4により説明する。本実施例の四重極分析装
置は、従来の四重極分析装置に後述のRF電圧補正用の
諸回路を付加したものである。そこでまず、従来の四重
極質量分析装置の部分について説明する。4本のロッド
で構成される四重極17は、トランス15の2次側コイ
ルL2に接続されている。トランス15の1次側コイル
L1には、発振器11、変調器12、RFアンプ13に
より高周波(RF)電流が流され、これにより2次側コ
イルL2に高周波(RF)電圧が生成されて四重極17
に印加される。四重極17に印加されるRF電圧は、整
流・平滑回路16により検出され、誤差増幅器21を介
して変調器12にフィードバックされる。従って、誤差
増幅器21に目標RF電圧を与えることにより、四重極
17に印加されるRF電圧の制御が可能となっている。
質量走査のため、誤差増幅器21に与えられる目標RF
電圧は、CPU30が時間的に変化するように生成す
る。四重極17を通過したイオンは、イオン検出器18
で検出され、検出器アンプ19を介してレコーダ20に
より、目標RF電圧の走査に同期したマス軸を横軸とし
て記録される(図4)。なお、説明の簡略化のために、
図1では四重極17に印加する直流電圧を生成するため
の回路は図示を省略している。
【0011】本実施例の四重極質量分析装置は、上記従
来の回路に、まず、トランス15の1次側コイルL1の
電圧を検出するための電圧検出器22、及び、1次側コ
イルL1における電圧と電流の位相差を検出するための
位相差検出器14を設けている。また、四重極の目標R
F電圧を補正するための回路として、加算器23、掛算
器24及びRF補正用D/Aコンバータ26を付加して
いる。以下、本実施例の四重極質量分析装置の動作原理
及び実際の動作を説明する。
【0012】上述の通り、四重極17にRF電圧を印加
すると、セラミック製のロッドホルダの誘電損によりロ
ッドホルダが発熱し、ロッド間の距離(図8のr0×
2)が変化する。また、周囲の温度の変化によってもロ
ッド間距離が変化する。これにより、四重極17を通過
するイオンのピークが、レコーダの横軸(マス軸)のそ
のイオンの真の質量を表わす点からズレる(図4点
線)。本実施例の四重極分析装置では、ロッドホルダの
温度が上昇するとロッドホルダの誘電率が変化すること
に着目し、これを指標として検出することにより、その
ズレを適切に補正するようにしたものである。
【0013】誘電体であるロッドホルダにより4本の電
極(ロッド)が保持された四重極17は、図2に示すよ
うに、抵抗R及び容量Cとして表わすことができる。ロ
ッドホルダの温度変化によりこれら負荷抵抗R及び負荷
容量Cが変化すると、トランス15の1次側コイルL1
から見た入力インピーダンスが変化することになる。L
1に加えられる電圧V1と四重極17の2対のロッド間に
印加されるRF電圧V2との関係は次の通りである。 V1=j・ω・C{R+j・(ω・L−1/(ω・C))}・V2 (LはコイルL1、L2の相互インダクタンス)
【0014】この式より、|V2|を一定にしようとす
るときの、負荷容量C及び負荷抵抗Rの変化に対するV
1の値、及び、電圧V1とL1に流れる高周波電流との位
相差θは、図3のグラフに示すようになる。このグラフ
は、負荷容量C及び負荷抵抗Rの変化は、トランス15
の一次電圧V1とその位相差θ(図3に示すように、V1
は極小点を境に対称的であるため、位相差θにより、そ
の方向を特定する)を検出することにより知ることがで
きる、ということを示している。
【0015】そこで本実施例の四重極質量分析装置では
まず、未知試料の分析を行なう前に、既知の質量パター
ンを有する試料を用いて、四重極17の温度変化による
質量数のズレを補正するための補正量を決定する。すな
わち、四重極17に既知試料を入力し、レコーダ20に
より記録されるカーブの各ピークが、記録されたグラフ
の横軸(マス軸)上の正しい位置にくるように(すなわ
ち、図4の点線のカーブが実線のカーブへ正しく移動す
るように)、目標RF電圧を補正する。四重極17の周
辺の温度を変化させることにより、各種温度において、
この目標RF電圧の補正量と、各温度における1次電圧
V1と位相差θの値を検出しておく。このように決定し
た目標RF電圧の補正量は、V1及びθと組にしてメモ
リ31に記憶しておく。
【0016】未知試料の分析を行なう際は、電圧検出器
22により検出される1次側コイルL1の電圧V1と、位
相差検出器14により検出される位相差θが、マルチプ
レクサ25及びA/Dコンバータ28を介してCPU3
0に入力される。CPU30は、検出されたこれらの値
V1及びθを基に、メモリ31より対応する補正量を読
み出す。そして、CPU30は、所定の目標RF電圧V
2をRF設定用D/Aコンバータ27を介して誤差増幅
器21に送る他、メモリ31から読み出した補正量をR
F補正用D/Aコンバータ26を介して掛算器24に送
る。掛算器24では、RF設定用D/Aコンバータ27
から入力される走査情報(V2)を基に、現時点での検
出質量に応じた係数を補正量に乗じる。これは、ピーク
とマス軸との間のズレは検出質量が大きいほど大きくな
るためである。掛算器24において生成された補正量
は、加算器23においてRF設定用D/Aコンバータか
らの目標RF電圧V2に加算され、誤差増幅器21に入
力される。これにより、レコーダからは、未知試料の各
質量ピークが常にマス軸に対してズレることなく正確に
出力される。
【0017】本発明の第2実施例を図5及び図6により
説明する。本実施例の四重極質量分析装置では、上記第
1実施例のような掛算器24、加算器23、RF補正用
D/Aコンバータ26等を使用せず、メモリ31に記憶
された補正量を基に、CPU30が直接、補正された目
標RF電圧を誤差増幅器21に入力する。また、既知試
料による補正量検出の際も、検出カーブを検出器アンプ
19からCPU30に入力することにより、CPU30
が自動的に補正量を算出し、メモリ31に記憶させる。
【0018】本実施例におけるCPU30の動作を図6
のフローチャートにより説明する。まず補正データ採取
作業を行なう(図6(a))。ここでは、四重極17の
周囲の温度を室温から上昇させ(ステップS1)、その
温度に保持した状態で既知の質量パターンを有する試料
の分析を行なう(ステップS2)。CPU30は、検出
器アンプ19を介してイオン検出器18から入力される
検出カーブのピークを検出し、各ピークの実際の質量数
と、その時に四重極17に印加した目標RF電圧に対応
する質量数との差に基づき、目標RF電圧の補正量を算
出する(ステップS3)。そして、こうして算出された
補正量を加えたRF電圧を四重極17に印加したときの
1次電圧V1及び位相差θを入力し(ステップS4)、
補正量(又は補正されたRF電圧)と組にしてメモリ3
1に記憶する。このような処理を段階的に、ロッドホル
ダの考え得る温度の上限まで行なった後(ステップS
5)、補正データ採取処理を終了する。
【0019】次に、未知試料の分析を行なう際は、図6
(b)に示すように、まず所定の初期目標RF電圧を四
重極17に印加し(ステップS11)、その時に検出さ
れるコイルL1の1次電圧V1及び位相差θを入力する
(ステップS12)。そして、検出されたV1及びθに
対応する補正量をメモリ31から読み出し、それに応じ
て四重極17に印加するRF電圧を補正する(ステップ
S13)。その後、測定を行なう(ステップS14)こ
とにより、レコーダ20において、マス軸とのズレがな
い出力カーブが得られる。
【0020】本実施例では、従来の四重極質量分析装置
に付加する回路の数も少なく、比較的低コストで本発明
の装置を構成することができる。また、単純な掛算では
なく、マス軸とRF電圧との関係をより正確に反映した
複雑な補正を行なうことができる。
【0021】
【発明の効果】本発明に係る四重極質量分析装置では、
周囲の温度の変化又はロッドホルダの発熱による検出カ
ーブのマス軸のズレを自動的に補正し、常にマス軸と一
致した正確な検出カーブを出力することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施例である四重極質量分析
装置の構成を示すブロック図。
【図2】 四重極周辺の回路の等価回路図。
【図3】 四重極の容量、抵抗変化に伴う1次電圧と位
相差の変化を示すグラフ。
【図4】 レコーダに記録される質量ピークのズレを示
す平面図。
【図5】 本発明の第2の実施例である四重極質量分析
装置の構成を示すブロック図。
【図6】 第2実施例の四重極質量分析装置のCPUが
行なう処理の流れを示すフローチャート。
【図7】 四重極による質量分析の原理を説明する説明
図。
【図8】 四重極ユニットの正面図。
【符号の説明】
11…発振器 12…変調器 13…RFアンプ 14…位相差検出器 15…トランス 16…整流・平滑回路 17…四重極 18…イオン検出器 19…検出器アンプ 20…レコーダ 21…誤差増幅器 22…電圧検出器 23…加算器 24…掛算器 25…マルチプレクサ 26…RF補正用D/Aコンバータ 27…RF設定用D/Aコンバータ 28…A/Dコンバータ 30…CPU 31…メモリ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トランスの2次側コイルに接続された四
    重極に所定の目標高周波電圧が印加されるようにトラン
    スの1次側コイルに供給する高周波電流を制御する四重
    極駆動回路を備えた四重極質量分析装置において、 a)トランスの1次側コイルの電圧を検出する1次側電圧
    検出手段と、 b)トランスの1次側コイルの電圧と電流との間の位相差
    を検出する位相差検出手段と、 c)上記1次側電圧及び位相差の検出結果に基づき、四重
    極駆動回路が供給する上記高周波電流の補正を行なう補
    正手段とを備えることを特徴とする四重極質量分析装
    置。
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