JPH07252290A - 1−n−(5−アミノ−4−フルオロ−2−ヒドロキシバレリル)カナマイシン類 - Google Patents

1−n−(5−アミノ−4−フルオロ−2−ヒドロキシバレリル)カナマイシン類

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JPH07252290A
JPH07252290A JP6798494A JP6798494A JPH07252290A JP H07252290 A JPH07252290 A JP H07252290A JP 6798494 A JP6798494 A JP 6798494A JP 6798494 A JP6798494 A JP 6798494A JP H07252290 A JPH07252290 A JP H07252290A
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fluoro
amino
hydroxyl group
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Tomio Takeuchi
富雄 竹内
Sumio Umezawa
純夫 梅澤
Osamu Tsuchiya
修 土屋
Yoshiaki Takahashi
良昭 高橋
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Microbial Chemistry Research Foundation
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 各種の細菌に対してすぐれた抗菌活性と広い
抗菌スペクトルを有し、急性毒性が著るしく低い新規な
カナマイシン誘導体を提供する。 【構成】 一般式(I)で示される化合物及びそれらの
酸付加塩、当該化合物又はその製薬学的に許容できる酸
付加塩を有効成分として含む抗菌剤組成物、及び一般式
(I)で示される化合物の製造法ならび当該製造法に利
用できる中間体化合物。 〔式において、(i)R1=R2=R3=OH、そして
R4・R5=HF;(ii)R1=H,F,R2=R5=
H,R3=R4=OH;(iii)R1=NH2で(a)
R2=R3=R4=OH,R5=H,(b)R2=R3
=OH,R4・R5=HF,(c)R2=H,R3=R
4=OH,R5=H;等である〕

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な半合成抗生物質
として、カナマイシンA又はB、あるいはデオキシカナ
マイシンA又はB、あるいはデオキシ−フルオロカナマ
イシンA又はBの1−N−〔(2S,4R)−又は(2S,4S)−
5−アミノ−4−フルオロ−2−ヒドロキシバレリル〕
誘導体とその製造法に関する。
【0002】本発明による前記の新規なカナマイシン類
の1−N−〔(2S,4R)−又は(2S,4S) −5−アミノ−
4−フルオロ−2−ヒドロキシバレリル〕誘導体は各種
の細菌に対してすぐれた抗菌活性と広い抗菌スペクトル
を有し、しかも著るしく低減された急性毒性を有するの
で細菌感染症の治療に有用な抗菌剤である。
【0003】更に、本発明は上記の新規なカナマイシン
誘導体を有効成分とする抗菌剤組成物に関し、また上記
の新規なカナマイシン誘導体の製造に利用できる新規な
中間体化合物にも関する。
【0004】
【従来の技術】カナマイシンA及びBから誘導された種
々なデオキシカナマイシン誘導体とデオキシ−フルオロ
カナマイシン誘導体はすでに知られており、有用な抗菌
活性を有する。また、カナマイシンA又はB、あるいは
デオキシカナマイシンA又はB、あるいはデオキシ−フ
ルオロカナマイシンA又はBの1−N−〔(S)−4−
アミノ−2−ヒドロキシブチリル〕誘導体類が有用な抗
菌活性を有することも知られる。
【0005】例えば、3′−デオキシ−3′−フルオロ
カナマイシンA(特開昭61-40297号及び米国特許第4,63
4,688 号)及び3′−デオキシ−3′−フルオロカナマ
イシンB(特開昭61-140597 号)、3′,4′−ジデオ
キシ−3′−フルオロカナマイシンB(特開昭62-51694
号及び米国特許第4,845,082 号)、並びに1−N−
〔(S)−4−アミノ−2−ヒドロキシブチリル〕−
3′−デオキシ−3′−フルオロカナマイシンA又はB
(特開昭61-236791 号)、2′,3′−ジデオキシ−
2′−フルオロカナマイシンA(特開昭61-143393 号)
及び1−N−〔(S)−4−アミノ−2−ヒドロキシブ
チリル〕−2′,3′−ジデオキシ−2′−フルオロカ
ナマイシンA(特開昭62-93296号及び米国特許第4,661,
474 号)が知られる。
【0006】また、4″−デオキシ−4″−フルオロ−
4″−エピカナマイシンA(「Journal of Carbohydrat
e Chemistry 」、1巻289 頁(1982))、並びに6″−
デオキシ−6″−フルオロカナマイシンA、5,6″−
ジデオキシ−5,6″−ジフルオロ−5−エピカナマイ
シンA及び5−デオキシ−5−フルオロ−5,4″−ジ
エピカナマイシンA〔「Tetrahedron Letters 」24巻、
17号、1763〜1766頁(1983)〕)も知られる。
【0007】また、「ケミカル・アブストラクツ」90
巻, 104, 301(1979)には、5−デオキシ−5−エピ−
5−フルオロカナマイシンAが記載される。
【0008】更に、5−デオキシ−5−フルオロ−又は
5−エピ−5−フルオロカナマイシンB、 5,3′−
ジデオキシ−5−フルオロ−又は5−エピ−5−フルオ
ロカナマイシンB、 5,4′−ジデオキシ−5−フル
オロカナマイシンB及び5,3′,4′−トリデオキシ
−5−フルオロ−又は5−エピ−5−フルオロカナマイ
シンB(特開昭63-39891号及び欧州特願公開第0 259 01
4A2 号)も知られる。
【0009】1−N−〔(S)−4−アミノ−2−ヒド
ロキシブチリル〕−3′,4′−ジデオキシカナマイシ
ンB(特公昭52-33629号及び米国特許第4,107,424 号)
はハベカシン又はアルベカシンとして知られて臨床に広
く用いられる抗菌剤である。
【0010】更に、1−N−〔(2R,3R)−4−アミノ−
3−フルオロ−2−ヒドロキシブチリル〕カナマイシン
A又はB、あるいはそれらのデオキシ誘導体がすぐれた
抗菌活性を有することが知られる(特開昭63-208598
号、米国特許第4,873,225 号及び欧州特願公開第0 285
526 A2号)。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】従来、アミノ配糖体抗
生物質は水溶性である故に人体組織に対する浸透性がよ
く、他の抗生物質に比べて、臨床上で細菌感染症に良好
な治療効果を示した。その為、しばしば他の抗生物質が
有効でない重篤な細菌感染症の患者の治療に用いられて
きた。しかし、この治療では、アミノ配糖体抗生物質の
水溶液の静脈注射を主体として行うため、患者に対する
急性毒性の発現が急速であり、そのため投与量の縮少、
投与の中断をしばしば余儀なくされている。現在、アミ
ノ配糖体抗生物質は毒性が高いと考える傾向がある。
【0012】上記のハベカシン又はアルベカシンも、毒
性の点では完全に満足できるものではない。従って、す
ぐれた抗菌活性を有するが低減された毒性を示す新規な
カナマイシン誘導体を創製することは常に要望されてい
る。本発明者らは過去多年以上にわたり、このアミノ配
糖体抗生物質の毒性を低下させる課題で研究にとりくん
できた。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、近年の研
究の経緯から、カナマイシンA又はB、あるいはそれら
のデオキシ誘導体あるいはデオキシ−フルオロ誘導体の
1位アミノ基を5−アミノ−4−フルオロ−2−ヒドロ
キシ吉草酸でアシル化することを含む方法によって、新
規なカナマイシン誘導体を合成することを着想した。
この着想に基づいて、L−リンゴ酸を出発原料として用
いて、特定の立体構造をもつ5−アミノ−4−フルオロ
−2−ヒドロキシ吉草酸を多段の工程を経て合成する研
究を重ねた。その結果、(2S,4R)−又は(2S,4S)−5−
アミノ−4−フルオロ−2−ヒドロキシ吉草酸とそれの
O−ベンジル保護誘導体を合成することに成功した。こ
れに関連して、前駆体として、(2S,4R)−又は(2S,4S)
−5−アジド−4−フルオロ−2−ヒドロキシ吉草酸と
これのO−ベンジル保護誘導体を合成することに成功し
た。
【0014】更に研究の結果として、上記の(2S,4R)−
又は(2S,4S)−5−アジド−4−フルオロ−2−ヒドロ
キシ吉草酸、あるいは(2S,4R)−又は(2S,4S)−5−ア
ミノ−4−フルオロ−2−ヒドロキシ吉草酸又はそれら
のO−ベンジル保護体を用いて、カナマイシン類の1位
アミノ基を選択的にアシル化することを含む方法によっ
て、後記の一般式(I)で総括的に示される1−N−
〔(2S,4R)−又は(2S,4S)−5−アミノ−4−フルオロ
−2−ヒドロキシバレリル〕カナマイシン類を新規化合
物として合成することに成功した。しかも、後記の一般
式(I)で示される新規カナマイシン誘導体が各種の広
範の細菌に対してすぐれた抗菌活性を有するばかりでな
く、哺乳類に対してアルベカシンよりも著るしく低減さ
れた毒性(LD50)を示すことが知見された。
【0015】従って、第1の本発明によると、次の一般
式(I) 〔式中、(i) R1 、R2 及びR3 の各々が水酸基であ
り、R4 が水酸基又はフルオロ基であってR5 が水素原
子であるか、又はR4 が水素原子であってR5 がフルオ
ロ基であり、もしくは(ii)R1 が水素原子又はフルオ
ロ基であり、R2 及びR5 の各々が水素原子であってR
3 及びR4 の各々が水酸基であり、もしくは(iii) R1
がアミノ基であり、R2 、R3 及びR4 の各々が水酸基
であってR5が水素原子であるか、又はR2 及びR3 の
各々が水酸基であってR4 及びR5 の何れか一方がフル
オロ基で他方が水素原子であり、もしくは(iv)R1 がア
ミノ基であり、R2 が水素原子であり、R3 及びR4 の
各々が水酸基であってR5 が水素原子であるか、又はR
3 が水酸基であってR4 及びR5 の何れか一方がフルオ
ロ基で他方が水素原子であり、もしくは(v) R1 がアミ
ノ基であり、R2 、R3及びR5 の各々が水素原子であ
ってR4 が水酸基であるか、又はR2 及びR3 の各々が
水素原子であってR4 及びR5 の何れか一方がフルオロ
基で他方が水素原子である〕で示される1−N−〔(2
S,4R)−又は(2S,4S)−5−アミノ−4−フルオロ−2
−ヒドロキシバレリル〕カナマイシンA又はBあるいは
その誘導体、及びそれらの酸付加塩が提供される。
【0016】第1の本発明による一般式(I)の新規カ
ナマイシン誘導体は、大別すると、下記の5群(1)〜
(5)のカナマイシンA又はB誘導体に区分けできる。
【0017】(1)次の一般式(I−i) (式中、R4 が水酸基であってR5 が水素原子である
か、又はR4 がフルオロ基でR5 が水素原子であるか、
又はR4 が水素原子でR5 がフルオロ基である)で示さ
れる1−N−〔(2S,4R)−又は(2S,4S)−5−アミノ−
4−フルオロ−2−ヒドロキシバレリル〕−カナマイシ
ンA又は−5−デオキシ−5−フルオロカナマイシンA
又は−5−デオキシ−5−エピ−5−フルオロカナマイ
シンA、及びその酸付加塩。
【0018】(2)次の一般式(I−ii) (式中、R1 は水素原子又はフルオロ基である)で示さ
れる1−N−〔(2S,4R)−又は(2S,4S)−5−アミノ−
4−フルオロ−2−ヒドロキシバレリル〕−2′,3′
−ジデオキシカナマイシンAまたは−2′,3′−ジデ
オキシ−2′−フルオロカナマイシンA、及びその酸付
加塩。
【0019】(3) 次の一般式(I−iii ) (式中、R4 が水酸基でR5 が水素原子であるか、又は
R4 がフルオロ基でR5が水素原子であるか、又はR4
が水素原子でR5 がフルオロ基である)で示される1−
N−〔(2S,4R)−又は(2S,4S)−5−アミノ−4−フル
オロ−2−ヒドロキシバレリル〕−カナマイシンB又は
−5−デオキシ−5−フルオロカナマイシンB又は−5
−デオキシ−5−エピ−5−フルオロカナマイシンB、
及びその酸付加塩。
【0020】(4) 次の一般式(I−iv) (式中、R4 が水酸基でR5 が水素原子であるか、又は
R4 がフルオロ基でR5が水素原子であるか、又はR4
が水素原子でR5 がフルオロ基である)で示される1−
N−〔(2S,4R)−又は(2S,4S)−5−アミノ−4−フル
オロ−2−ヒドロキシバレリル〕−3′−デオキシカナ
マイシンB又は−5,3′−ジデオキシ−5−フルオロ
カナマイシンB又は−5,3′−ジデオキシ−5−エピ
−5−フルオロカナマイシンB、及びその酸付加塩。
【0021】(5) 次の一般式(I−v) (式中、R4 は水酸基でR5 が水素原子であるか、又は
R4 がフルオロ基でR5が水素原子であるか、又はR4
が水素原子でR5 がフルオロ基である)で示される1−
N−〔(2S,4R)−又は(2S,4S)−5−アミノ−4−フル
オロ−2−ヒドロキシバレリル)−3′,4′−ジデオ
キシカナマイシンB又は−5,3′,4′−トリデオキ
シ−5−フルオロカナマイシンB又は−5,3′,4′
−トリデオキシ−5−エピ−5−フルオロカナマイシン
B、及びその酸付加塩。
【0022】なお、上記の一般式(I)、あるいは一般
式(I−i)〜一般式(I−v)の化合物における (2
S,4R)−又は(2S,4S)−5−アミノ−4−フルオロ−2
−ヒドロキシバレリル基は次式 で表される(2S,4R)−5−アミノ−4−フルオロ−2−
ヒドロキシバレリル基であるか、又は次式 で表される(2S,4S)−5−アミノ−4−フルオロ−2−
ヒドロキシバレリル基であることができる。
【0023】本発明による一般式(I)の又は一般式
(I−i)〜(I−v)の新規カナマイシン誘導体は、
遊離の塩基または水和物または炭酸塩の形で得られる
が、通常の方法により薬学的に許容できる酸付加塩とす
ることができる。そのような酸付加塩には、例えば塩
酸、硫酸、燐酸、硝酸などの薬学的に許容できる無機酸
あるいは酢酸、リンゴ酸、クエン酸、アスコルビン酸、
メタンスルホン酸などの薬学的に許容できる有機酸との
塩がある。
【0024】第1の本発明による新規なカナマイシンA
又はB誘導体の例には、下記の14種の化合物(a)〜
(n)があり、これらの化合物はすべて明確な融点を示
さない塩基性の無色粉末状物質である。以下に、それら
の化合物名を挙げて且つそれら化合物の比旋光度の値を
付す。
【0025】化合物(a):1−N−〔(2S,4R)−5−
アミノ−4−フルオロ−2−ヒドロキシバレリル〕カナ
マイシンA〔一般式(I−i)で1−N−アシル基が
(2S,4R)−5−アミノ−4−フルオロ−2−ヒドロキシ
バレリル基であり、R4 がヒドロキシル基でR5 が水素
である場合の化合物〕 〔α〕D 24+82°(c 0.5,水) 化合物(b):1−N−〔(2S,4R)−5−アミノ−4−
フルオロ−2−ヒドロキシバレリル〕−5−デオキシ−
5−フルオロカナマイシンA〔一般式(I−i)で1−
N−アシル基が(2S,4R)−5−アミノ−4−フルオロ−
2−ヒドロキシバレリル基であり、R4 がフッ素でR5
が水素である場合の化合物〕 〔α〕D 24+80°(c 0.5,水) 化合物(c):1−N−〔(2S,4R)−5−アミノ−4−
フルオロ−2−ヒドロキシバレリル〕−5−デオキシ−
5−エピ−5−フルオロカナマイシンA〔一般式(I−
i)で1−N−アシル基が(2S,4R)−5−アミノ−4−
フルオロ−2−ヒドロキシバレリル基であり、R4 が水
素でR5 がフッ素である場合の化合物〕〔α〕D 23+82
°(c 1,水)
【0026】化合物(d):1−N−〔(2S,4R)−5−
アミノ−4−フルオロ−2−ヒドロキシバレリル〕−
2′,3′−ジデオキシカナマイシンA〔一般式(I−
ii)で1−N−アシル基が(2S,4R)−5−アミノ−4−
フルオロ−2−ヒドロキシバレリル基でR1 が水素であ
る場合の化合物〕 〔α〕D 23+85°(c 1,水) 化合物(e):1−N−〔(2S,4R)−5−アミノ−4−
フルオロ−2−ヒドロキシバレリル〕−2′,3′−ジ
デオキシ−2′−フルオロカナマイシンA〔一般式(I
−ii)で1−N−アシル基が(2S,4R)−5−アミノ−4
−フルオロ−2−ヒドロキシバレリル基であり、R1 が
フッ素である場合の化合物〕 〔α〕D 22+83°(c 1,水)
【0027】化合物(f):1−N−〔(2S,4R)−5−
アミノ−4−フルオロ−2−ヒドロキシバレリル〕カナ
マイシンB〔一般式(I−iii)で1−N−アシル基が
(2S,4R)−5−アミノ−4−フルオロ−2−ヒドロキシ
バレリル基であり、R4 がヒドロキシル基でR5 が水素
である場合の化合物〕 〔α〕D 24+81°(c 1,水) 化合物(g):1−N−〔(2S,4R)−5−アミノ−4−
フルオロ−2−ヒドロキシバレリル〕−5−デオキシ−
5−フルオロカナマイシンB〔一般式(I−iii)で1−
N−アシル基が(2S,4R)−5−アミノ−4−フルオロ−
2−ヒドロキシバレリル基であり、R4 がフッ素でR5
が水素である場合の化合物〕 〔α〕D 23+79°(c 1,水) 化合物(h):1−N−〔(2S,4R)−5−アミノ−4−
フルオロ−2−ヒドロキシバレリル〕−3′−デオキシ
カナマイシンB〔一般式(I−iv)で1−N−アシル基
が(2S,4R)−5−アミノ−4−フルオロ−2−ヒドロキ
シバレリル基であり、R4 がヒドロキシル基でR5 が水
素である場合の化合物〕 〔α〕D 22+75°(c 0.5,水)
【0028】化合物(i):1−N−〔(2S,4R)−5−
アミノ−4−フルオロ−2−ヒドロキシバレリル〕−
5,3′−ジデオキシ−5−フルオロカナマイシンB
〔一般式(I−iv)で1−N−アシル基が(2S,4R)−5
−アミノ−4−フルオロ−2−ヒドロキシバレリル基で
あり、R4 がフッ素でR5 が水素である場合の化合物〕 〔α〕D 24+78°(c 1,水) 化合物(j):1−N−〔(2S,4R)−5−アミノ−4−
フルオロ−2−ヒドロキシバレリル〕−5,3′−ジデ
オキシ−5−エピ−5−フルオロカナマイシンB〔一般
式(I−iv)で1−N−アシル基が(2S,4R)−5−アミ
ノ−4−フルオロ−2−ヒドロキシバレリル基であり、
R4 が水素でR5 がフッ素である場合の化合物〕 〔α〕D 24+77°(c 1,水)
【0029】化合物(k):1−N−〔(2S,4R)−5−
アミノ−4−フルオロ−2−ヒドロキシバレリル〕−
3′,4′−ジデオキシカナマイシンB〔一般式(I−
v)で1−N−アシル基が(2S,4R)−5−アミノ−4−
フルオロ−2−ヒドロキシバレリル基であり、R4 がヒ
ドロキシル基でR5 が水素である場合の化合物〕 〔α〕D 22+81°(c 1,水) 化合物(l):1−N−〔(2S,4S)−5−アミノ−4−
フルオロ−2−ヒドロキシバレリル〕−3′,4′−ジ
デオキシカナマイシンB〔一般式(I−v)で1−N−
アシル基が(2S,4S)−5−アミノ−4−フルオロ−2−
ヒドロキシバレリル基であり、R4 がヒドロキシル基で
R5 が水素である場合の化合物〕 〔α〕D 23+71°(c 1,水)
【0030】化合物(m):1−N−〔(2S,4R)−5−
アミノ−4−フルオロ−2−ヒドロキシバレリル〕−
5,3′,4′−トリデオキシ−5−フルオロカナマイ
シンB〔一般式(I−v)で1−N−アシル基が(2S,4
R)−5−アミノ−4−フルオロ−2−ヒドロキシバレリ
ル基であり、R4 がフッ素でR5 が水素である場合の化
合物〕 〔α〕D 23+81°(c 1,水) 化合物(n):1−N−〔(2S,4R)−5−アミノ−4−
フルオロ−2−ヒドロキシバレリル〕−5,3′,4′
−トリデオキシ−5−エピ−5−フルオロカナマイシン
B〔一般式(I−v)で1−N−アシル基が(2S,4R)−
5−アミノ−4−フルオロ−2−ヒドロキシバレリル基
であり、R4 が水素でR5 がフッ素である場合の化合
物〕 〔α〕D 22+80°(c 0.5,水)。
【0031】本発明による一般式(I)の新規カナマイ
シン誘導体の抗菌活性は、各種の細菌に対する最低生育
阻止濃度(MIC、mcg/ml)をミューラー・ヒントン寒
天培地で37℃で18時間培養した場合につき倍数希釈
法で測定することによって調べた。測定される培地はpH
7であった。
【0032】特に、次式 で示される1−N−〔(2S,4R)−5−アミノ−4−フル
オロ−2−ヒドロキシバレリル〕−3′,4′−ジデオ
キシカナマイシンB(前記化合物k)と1−N−〔(2
S,4S)−5−アミノ−4−フルオロ−2−ヒドロキシバ
レリル〕−3′,4′−ジデオキシカナマイシンB(前
記化合物l)とのMIC(mcg/ml) を詳しく測定した。
測定された抗菌スペクトルを後記の表1に示す。また、
比較のため、1−N−〔(S)−4−アミノ−2−ヒド
ロキシブチリル〕−3′,4′−ジデオキシカナマイシ
ンB(すなわちハベカシン又はアルベカシン:略号AB
K)の抗菌スペクトルを同様に測定して表1に示す。
【0033】
【0034】 上記の表1の抗菌データから判るように、本発明の新規
カナマイシン誘導体の例である化合物(k)すなわち1
−N−〔(2S,4R)−5−アミノ−4−フルオロ−2−ヒ
ドロキシバレリル〕−3′,4′−ジデオキシカナマイ
シンB〔略号:(2S,4R)-4-F-Val-DKB〕と、化合物
(l)すなわち1−N−〔(2S,4S)−5−アミノ−4−
フルオロ−2−ヒドロキシバレリル〕−3′,4′−ジ
デオキシカナマイシンB〔略号:(2S,4S)-4-F-Val-DK
B〕とは多種にわたる細菌に、また耐性菌に対しても高
い抗菌活性を有し、幅広い抗菌スペクトルを示す。
【0035】更に、本発明による一般式(I)のカナマ
イシン誘導体の急性毒性を評価するために、本発明化合
物の数例の水溶液(pH7に塩酸の添加により調整)をdd
系マウス(雄、4週令、1群4匹)に静脈内注射し、半
数致死投与量(LD50)(mg/kg)を算定したところ、(2S,4
R)-4-F-Val-DKB〔化合物(k)〕のLD50値は135mg/kgで
あり、(2S,4S)-4-F-Val-DKB〔化合物(l)〕のLD50値
は 125mg/kg であった。比較のため同様に試験したアル
ベカシン(略号:ABK)のLD50値の 80mg/kgに比べ
て、毒性がよく低減されているのが認められた。
【0036】また、本発明による一般式 (I)のカナマイ
シン誘導体の例である前記の化合物(a)、(b)、
(c)、(d)、(e)、(f)、(g)、(h)、
(i)、(j)、(k)、(l)、(m)及び(n)の
抗菌活性を評定するため、エシェリヒア・コリ(大腸
菌)K−12とシュードモナス・エルギノーサ(緑膿菌)
A3に対する上記の各化合物のMIC(mcg/ml)を、ア
ルベカシン(略号:ABK)と比較して、前記と同じ倍
数希釈法で測定した。その結果を次の表2に示す。
【0037】
【0038】本発明による一般式 (I)の新規カナマイシ
ン誘導体又はこれの酸付加塩は、製薬的に許容できる液
体又は固体状の担体と配合して抗菌剤組成物に調合でき
る。
【0039】従って、第2の本発明によると、次の一般
式(I) (式中、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 は夫々に前記と
同じ意味をもつ)で示される1−N−〔(2S,4R)−又は
(2S,4S)−5−アミノ−4−フルオロ−2−ヒドロキシ
バレリル〕カナマイシンA又はBあるいはその誘導体又
はそれらの製薬学的に許容できる酸付加塩を有効成分と
して含み且つ該有効成分と混和して製薬学的に許容でき
る担体を含むことを特徴とする抗菌剤組成物が提供され
る。
【0040】一般式(I)の本発明のカナマイシン誘導
体の投与形態は注射によることができる。注射剤を調製
する場合には、有効成分として式(I)の本発明化合物
又はその塩にpH調整剤、緩衝剤、安定化剤、賦形剤等
を添加し、凍結乾燥して凍結乾燥注射剤を製造すること
ができる。また本発明化合物にpH調整剤、緩衝剤、安定
化剤、等張剤、局麻剤等を添加し、常法により皮下、筋
肉内、静脈内用注射剤を製造できる。
【0041】本発明化合物の投与量は治療すべき疾患と
その症状により異なるが、適当な常法の予備試験によっ
て適量を決定できる。
【0042】次に、本発明による一般式(I)の新規カ
ナマイシン誘導体の合成、特に一般式(I−i)、一般
式(I−ii)、一般式(I−iii)、一般式(I−iv)又
は一般式(I−v)のカナマイシン誘導体の合成を説明
する。
【0043】第3の本発明によると、次の一般式(II)
【0044】〔式中、(i) R1 、R2 及びR3 の各々が
水酸基であり、R4 が水酸基又はフルオロ基であってR
5 が水素原子であるか、又はR4 が水素原子であってR
5 がフルオロ基であり、もしくは(ii)R1 が水素原子
又はフルオロ基であり、R2 及びR5 の各々が水素原子
であってR3 及びR4 の各々が水酸基であり、もしくは
(iii) R1 がアミノ基であり、R2 、R3 及びR4 の各
々が水酸基であってR5が水素原子であるか、又はR2
及びR3 の各々が水酸基であってR4 及びR5 の何れか
一方がフルオロ基で他方が水素原子であり、もしくは(i
v)R1 がアミノ基であり、R2 が水素原子であり、R3
及びR4 の各々が水酸基であってR5 が水素原子である
か、又はR3 が水酸基であってR4 及びR5 の何れか一
方がフルオロ基で他方が水素原子であり、もしくは(v)
R1 がアミノ基であり、R2 、R3及びR5 の各々が水
素原子であってR4 が水酸基であるか、又はR2 及びR
3 の各々が水素原子であってR4 及びR5 の何れか一方
がフルオロ基で他方が水素原子である〕で示されるカナ
マイシンA又はBあるいはその誘導体、もしくは一般式
(II)の誘導体の1位アミノ基以外のアミノ基の全部又
は一部をアミノ保護基で保護されたアミノ保護誘導体の
1位のアミノ基を、次の一般式(III) (式中、Yは水素原子であるか、あるいは接触還元で脱
離できるヒドロキシル保護基である)で示される(2S,4
R)−又は(2S,4S)−5−アジド−4−フルオロ−2−ヒ
ドロキシ吉草酸又はそれのヒドロキシル基を保護された
誘導体、あるいは一般式(III) の吉草酸誘導体又はこれ
の保護誘導体の活性エステルでアシル化し、これによっ
て次の一般式(IV)
【0045】(式中、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 及
びYは前記に定義された意味をもつ)で示される1−N
−アシル化生成物又はこれの保護誘導体を生成し、次い
でこれを接触還元に付して式(IV)の化合物のアジド基
(−N3 )をアミノ基に転化し且つYが接触還元で脱離
できるヒドロキシ保護基である場合には基Yをも脱離
し、これによって次の一般式(V) (式中、R1 、R2 、R3 、R4 及びR5 は前記に定義
された意味をもつ)の化合物又はこれのアミノ保護誘導
体を生成し、次に、一般式(V)の化合物が残留したア
ミノ保護基を有する場合には、一般式(V)の化合物の
アミノ保護誘導体から、残留したアミノ保護基を脱離す
ることから成る、次の一般式(I)
【0046】〔式中、(i) R1 、R2 及びR3 の各々が
水酸基であり、R4 が水酸基又はフルオロ基であってR
5 が水素原子であるか、又はR4 が水素原子であってR
5 がフルオロ基であり、もしくは(ii)R1 が水素原子
又はフルオロ基であり、R2 及びR5 の各々が水素原子
であってR3 及びR4 の各々が水酸基であり、もしくは
(iii) R1 がアミノ基であり、R2 、R3 及びR4 の各
々が水酸基であってR5が水素原子であるか、又はR2
及びR3 の各々が水酸基であってR4 及びR5 の何れか
一方がフルオロ基で他方が水素原子であり、もしくは(i
v)R1 がアミノ基であり、R2 が水素原子であり、R3
及びR4 の各々が水酸基であってR5 が水素原子である
か、又はR3 が水酸基であってR4 及びR5 の何れか一
方がフルオロ基で他方が水素原子であり、もしくは(v)
R1 がアミノ基であり、R2 、R3及びR5 の各々が水
素原子であってR4 が水酸基であるか、又はR2 及びR
3 の各々が水素原子であってR4 及びR5 の何れか一方
がフルオロ基で他方が水素原子である〕で示される1−
N−〔(2S,4R)−又は(2S,4S)−5−アミノ−4−フル
オロ−2−ヒドロキシバレリル〕カナマイシンA又はB
あるいはその誘導体の製造法が提供される。
【0047】第3の本発明の方法で出発化合物として用
いられる一般式(II)のカナマイシンA又はB又はその
デオキシ誘導体又はデオキシ−フルオロ誘導体の例に
は、次の既知の化合物、すなわち(i) カナマイシンA、
5−デオキシ−5−フルオロカナマイシンA及び5−デ
オキシ−5−エピ−5−フルオロカナマイシンA;(ii)
2′,3′−ジデオキシカナマイシンA及び2′,3′
−ジデオキシ−2′−フルオロカナマイシンA;(iii)
カナマイシンB、5−デオキシ−5−フルオロカナマイ
シンB及び5−デオキシ−5−エピ−5−フルオロカナ
マイシンB;(iv)3′−デオキシカナマイシンB(すな
わちトブラマイシン)、5,3′−ジデオキシ−5−フ
ルオロカナマイシンB及び5,3′−ジデオキシ−5−
エピ−5−フルオロカナマイシンB、並びに(v) 3′,
4′−ジデオキシカナマイシンB(すなわちジベカシ
ン)、5,3′,4′−トリデオキシ−5−フルオロカ
ナマイシンB(すなわち5−デオキシ−5−フルオロジ
ベカシン)及び5,3′,4′−トリデオキシ−5−エ
ピ−5−フルオロカナマイシンB(すなわち5−デオキ
シ−5−エピ−5−フルオロジベカシン)がある。
【0048】第3の本発明方法に用いられる出発化合物
は、一般式(II)のカナマイシン誘導体の1位アミノ基
以外のアミノ基のすべて又は一部を保護されたアミノ保
護誘導体であることもできる。ここに用いうるアミノ保
護基としては、通常のアミノ保護基がある。例えば、第
三ブトキシカルボニル基などのアルコキシカルボニル
基、ベンジルオキシカルボニル基などのアラルキルオキ
シカルボニル基、トリフルオロアセチル基などの、加水
分解で脱離し易い置換された低級アルカノイル基を含め
て一価のアミノ保護基並びに二価のアミノ保護基として
フタロイル基を用い得る。
【0049】これらのアミノ保護基の導入はペプチド合
成等で公知の方法により、例えば酸ハライド、活性エス
テル、などのアシル化剤の形の公知のアミノ保護基導入
剤を一般式(II)のカナマイシン化合物に反応させて実
施できる。
【0050】上記の第3の本発明方法では、一般式(I
I)の出発カナマイシン化合物の1位アミノ基以外のア
ミノ基のすべて又は一部が保護されたアミノ保護誘導体
としては、例えば3,2′,6′,3″−テトラ−N−
保護体、3,2′,6′−トリ−N−保護体、3,6′
−又は、6′,3″−ジ−N−保護体、又は6′−モノ
−N−保護体が使用できる。
【0051】第3の本発明方法で一般式(I)の目的化
合物を高い収率で製造するには、基本的には、一般式
(II)の出発カナマイシン化合物の1位アミノ基を選択
的に式(III)の5−アジド−4−フルオロ−2−ヒドロ
キシ吉草酸でアシル化し、その後にアジド基の還元をす
れば良い。従って、1位アミノ基以外のすべてのアミノ
基がアミノ保護基で閉塞される式(II)の出発カナマイ
シン化合物のアミノ保護誘導体を出発物質として用いる
のが好ましい。
【0052】一般式(II)のカナマイシン化合物の1位
アミノ基以外のすべてのアミノ基が保護されたアミノ保
護誘導体を調製するには、例えば次の方法を利用でき
る。すなわち、式(II)のカナマイシン化合物を二価遷
移金属、例えば亜鉛のカチオンと反応させて金属錯体を
形成させ、この錯体にアミノ保護基導入剤を作用させて
錯体のカナマイシン部分の1位と3″位の2個のアミノ
基(これらは二価金属イオンと錯結合して閉塞されてい
る)以外のすべてのアミノ基をアミノ保護基で保護し、
その後に、上記錯体から二価金属カチオンを例えばカチ
オン交換樹脂又はアンモニア水で処理することで脱除す
ることによる特公昭63−1319号又は米国特許第4,297,48
5 号のクレーム1に記載のN−保護方法の応用によっ
て、先づ3,6′−ジ−N−保護誘導体又は3,2′,
6′−トリ−N−保護誘導体を高収率で生成する。
【0053】次いで、特公昭63-32799号又は米国特許第
4,297,485 号のクレーム15に記載されたアミノ保護誘導
体の製造方法の応用によって、化合物(II)の1位アミ
ノ基以外のすべてのアミノ基が保護されたトリ−N−保
護又はテトラ−N−保護誘導体を調製できる。すなわ
ち、この特公昭63-32799号又は米国特許第4,297,485 号
の方法によると、1位及び3″位アミノ基以外のアミノ
基のすべてを保護されたカナマイシンのN−保護体に
3″位アミノ基の選択的アシル化剤として、例えばトリ
ハロゲン化アルカン酸エステル、特に、トリフルオロ酢
酸エチルエステルを作用せしめる。これによってカナマ
イシン化合物の1位アミノ基をアシル化することなく、
3″位アミノ基をトリハロアルカノイル基で選択的に保
護できる。
【0054】第3の本発明方法では、一般式(III)の2
位ヒドロキシル基を保護された又はされてない5−アジ
ド−4−フルオロ−2−ヒドロキシ吉草酸で上記の出発
カナマイシン化合物(II)又はそれの部分アミノ保護誘
導体の1位アミノ基をアシル化することからなる1−N
−アシル化反応を先づ行う。この反応は一般式(III)の
5−アジド−4−フルオロ−2−ヒドロキシ吉草酸又は
これの保護体の反応誘導体をジシクロヘキシルカルボジ
イミド法又は活性エステル法などで出発化合物(II)に
反応温度0℃〜30℃で作用させて実施できる。式(I
I)の出発カナマイシン化合物のN−保護誘導体のアミ
ノ保護基は、酸で容易に脱保護できる第三ブトキシカル
ボニル基やパラメトキシベンジルオキシカルボニル基、
あるいは接触還元で脱保護できるベンジルオキシカルボ
ニル基が好ましい。
【0055】上記の1−N−アシル化反応は含水有機溶
媒中で活性エステル法で行われることが好ましい。例え
ば、式(III)の吉草酸化合物のN−ヒドロキシコハク酸
イミドを溶媒としてジオキサン、ジメトキシエタン、ジ
メチルホルムアミド、テトラヒドロフラン中で反応させ
る。
【0056】こうして生成された一般式(IV)の1−N
−アシル化反応生成物の1−N−アシル基の末端のアジ
ド基(-N3 )を次に接触還元によりアミノ基(-NH2 )に
転化する。この際、ヒドロキシ保護基(Y)があると、
これも脱離できる。
【0057】得られた一般式(V)の還元生成物にアミ
ノ保護基が残留する場合、更にアミノ保護基を常法で脱
離せしめる。すなわち、上記のアルキルオキシカルボニ
ル基型のアミノ保護基は含水トリフルオロ酢酸中で加水
分解により脱離される。またアミノ保護基がベンジルオ
キシカルボニル基などのアラルキルオキシカルボニル基
の場合には、先行の接触還元(水添分解)工程ですでに
脱離できるので、特別のアミノ保護基脱離を行う必要が
ない。
【0058】前記の一般式(III)の(2S,4R)−又は(2
S,4S)−5−アジド−4−フルオロ−2−ヒドロキシ吉
草酸又はその2−O−ベンジル化体は、本発明者が今回
合成した新規化合物である。これら化合物をL−リンゴ
酸から多段階で合成する方法は後記の通りである。
【0059】次に、(2S,4R)−又は(2S,4S)−5−アジ
ド−2−ベンジルオキシ−4−フルオロ吉草酸、並びに
(2S,4R)−又は(2S,4S)−5−アミノ−4−フルオロ−
2−ヒドロキシ吉草酸の合成法を簡略に説明する。各反
応工程の反応の詳細は後記の参考例1〜2に示される。
【0060】(1) 次式 のL-リンゴ酸から「Journal of Molecular Structure」
12巻、71−78頁(1972)記載の方法により次式の(2R,5S)
−5−メチルカルボキシ−2−トリクロロメチル−1,
3−ジオキソラン−4−オン〔化合物 (1)〕を合成す
る。
【0061】(2) 化合物 (1)から「Justus Liebigs A
nnalen der Chemie 」677 巻、200-208 頁(1964)に記載
の方法により諸文献に記載の次式の(2R,5S)−5−(2
−クロロ−2−オキソエチル)−2−トリクロロメチル
−1,3−ジオキソラン−4−オン〔化合物 (2)〕を合
成する。
【0062】(3) 化合物 (2)をジアゾメタンと反応さ
せることにより炭素鎖の伸長を行って、次式の(2R,5S)
−5−(3−クロロ−2−オキソプロピル)−2−トリ
クロロメチル−1,3−ジオキソラン−4−オン〔化合
物 (3)〕を合成する〔後記の参考例1(イ)参照〕。
【0063】(4) 化合物 (3)をアジ化ナトリウムでア
ジド化して次式の(2R,5S)−5−(3−アジド−2−オ
キソプロピル)−2−トリクロロメチル−1,3−ジオ
キソラン−4−オン〔化合物 (4)〕を合成する〔参考例
1(ロ)参照〕。
【0064】(5) 化合物 (4)を水素化ホウ素亜鉛と反
応させてケトンの還元及びトリクロロエチリデン基の脱
離と、それに伴う環化を行う。これにより、2種のラク
トンとして、次式の(2S,4S)−4−アジドメチル−2−
ヒドロキシ−4−ブタノリド〔化合物 (5)〕と、その4
位エピマー即ち(2S,4R)−4−アジドメチル−2−ヒド
ロキシ−4−ブタノリド〔化合物 (6)〕を合成する〔参
考例1参照〕。
【0065】(6) 化合物 (5)を臭化ベンジルと反応さ
せてベンジル化すると、次式の(2S,4S)−4−アジドメ
チル−2−ベンジルオキシ−4−ブタノリド〔化合物
(7)〕が生成する〔参考例1(ニ)参照〕。 (式中、Bzl はベンジル基を示す、以下同様)。
【0066】(7) 化合物 (7)を塩化水素のメタノール溶
液で処理してラクトンの開環とメチルエステル化を行う
と、次式の(2S,4S)−5−アジド−2−ベンジルオキシ
−4−ヒドロキシ吉草酸メチル〔化合物 (8)〕が生成さ
れる〔参考例1(ホ)参照〕。 (式中、Meはメチル基を示す、以下同様)。
【0067】(8) 化合物 (8)の4位ヒドロキシル基を
ジエチルアミノサルファートリフルオリド又はその他の
弗素化剤で弗素化させ、次式の(2S,4R)−5−アジド−
2−ベンジルオキシ−4−フルオロ吉草酸メチル〔化合
物 (9)〕を生成する〔参考例1(ヘ)参照〕。
【0068】(9) 化合物 (9)を水酸化アルカリ金属水
溶液で加水分解すると、次式の(2S,4R)−5−アジド−
2−ベンジルオキシ−4−フルオロ吉草酸〔化合物(1
0)〕が生成される〔参考例1(ト)参照〕。
【0069】(10) 化合物(10)をパラジウム触媒の存在
下に水素で十分な時間接触還元することによりアジド基
の還元とベンジル基の脱離を行う。次式の(2S,4R)−5
−アミノ−4−フルオロ−2−ヒドロキシ吉草酸〔化合
物(13)〕が生成される〔参考例1(チ)参照〕。
【0070】(11) また別に、前記 (5)項の化合物 (6)
を、化合物 (5)の場合と同様に、臭化ベンジルと反応さ
せて、次式の(2S,4R)−4−アジドメチル−2−ベンジ
ルオキシ−4−ブタノリド〔化合物(14)〕を生成する
〔後記の参考例2(イ)参照〕。
【0071】(12) 化合物(14)を、化合物 (7)の場合と
同様に、塩化水素のメタノール溶液で処理させ、次式の
(2S,4R)−5−アジド−2−ベンジルオキシ−4−ヒド
ロキシ吉草酸メチル〔化合物(15)〕を生成する〔後記
の参考例2(ロ)参照〕。
【0072】(13) 化合物(15)の4位ヒドロキシル基を
ジエチルアミノサルファートリフルオリド又はその他の
弗素化剤で弗素化すると、次式の(2S,4S)−5−アジド
−2−ベンジルオキシ−4−フルオロ吉草酸メチル〔化
合物(16)〕が生成される〔参考例2(ハ)参照〕。
【0073】(14) 化合物(16)をアルカリ加水分解す
ると、次式の(2S,4S)−5−アジド−2−ベンジルオキ
シ−4−フルオロ吉草酸〔化合物(17)〕が生成される
〔参考例2(ニ)参照〕。
【0074】(15) 化合物(17)を水素で十分な時間接触
還元すると、次式の(2S,4S)−5−アミノ−4−フルオ
ロ−2−ヒドロキシ吉草酸〔化合物(18)〕が生成され
る〔参考例2(ホ)参照〕。
【0075】なお、前記化合物(10)の水素接触還元と
化合物(17)の水素接触還元の反応時間を調節すると、
次式の(2S,4R)−5−アミノ−2−ベンジルオキシ−4
−フルオロ吉草酸〔化合物(19)〕と次式の(2S,4S)−
5−アミノ−2−ベンジルオキシ−4−フルオロ吉草酸
〔化合物(20)〕を夫々生成できる〔後記の参考例1
(チ)及び参考例2(ホ)参照〕。
【0076】更に、一般式(I)のカナマイシン誘導体
の別の製法として、第4の本発明によると、次の一般式
(II)
【0077】〔式中、(i) R1 、R2 及びR3 の各々が
水酸基であり、R4 が水酸基又はフルオロ基であってR
5 が水素原子であるか、又はR4 が水素原子であってR
5 がフルオロ基であり、もしくは(ii)R1 が水素原子
又はフルオロ基であり、R2 及びR5 の各々が水素原子
であってR3 及びR4 の各々が水酸基であり、もしくは
(iii) R1 がアミノ基であり、R2 、R3 及びR4 の各
々が水酸基であってR5が水素原子であるか、又はR2
及びR3 の各々が水酸基であってR4 及びR5 の何れか
一方がフルオロ基で他方が水素原子であり、もしくは(i
v)R1 がアミノ基であり、R2 が水素原子であり、R3
及びR4 の各々が水酸基であってR5 が水素原子である
か、又はR3 が水酸基であってR4 及びR5 の何れか一
方がフルオロ基で他方が水素原子であり、もしくは(v)
R1 がアミノ基であり、R2 、R3及びR5 の各々が水
素原子であってR4 が水酸基であるか、又はR2 及びR
3 の各々が水素原子であってR4 及びR5 の何れか一方
がフルオロ基で他方が水素原子である〕で示されるカナ
マイシンA又はBあるいはその誘導体、もしくは一般式
(II)の誘導体の1位アミノ基以外のアミノ基の全部又
は一部をアミノ保護基で保護されたアミノ保護誘導体の
1位のアミノ基を、次の一般式(VI)
【0078】(式中、Yは水素原子であるか、あるいは
接触還元で脱離できるヒドロキシル保護基であり、Zは
水素原子又はアミノ保護基である)で示される(2S,4R)
−又は(2S,4S)−5−アミノ−4−フルオロ−2−ヒド
ロキシ吉草酸又はそれのヒドロキシル基及び(又は)ア
ミノ基を保護された誘導体、あるいは一般式(VI)の吉
草酸誘導体又はこれの保護誘導体の活性エステルでアシ
ル化し、これによって次の一般式(VII) (式中、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 、Y及びZは前
記に定義された意味をもつ)で示される1-N-アシル化生
成物又はこれのアミノ保護誘導体を生成し、また一般式
(VII) の化合物のアミノ保護誘導体が生成した場合にこ
れから、残留したヒドロキシル保護基とアミノ保護基を
脱離することから成る、次の一般式(I) (式中、R1 、R2 、R3 、R4 及びR5 は前記に定義
された意味をもつ)で示される1−N−〔(2S,4R)−又
は(2S,4S)−5−アミノ−4−フルオロ−2−ヒドロキ
シバレリル〕カナマイシンA又はBあるいはその誘導体
の製造法が提供される。
【0079】第4の本発明方法で用いられる一般式(I
I)の出発カナマイシン化合物は第3の本発明方法で用
い得るものと同じである。一般式(II)の出発カナマイ
シン化合物を一般式(VI)の(2S,4R)−又は(2S,4S)−
5−アミノ−4−フルオロ−2−ヒドロキシ吉草酸又は
その保護誘導体で1−N−アシル化する反応は第3の本
発明方法のそれと同じ要領で実施できる。
【0080】一般式(VI)の5−アミノ−4−フルオロ
−2−ヒドロキシ吉草酸は、その2位ヒドロキシル基を
接触還元で脱離できるヒドロキシル保護基、例えばベン
ジル基で保護してあることができる。また、一般式(V
I)の吉草酸化合物の5位アミノ基は、酸加水分解で容
易に脱離できるアミノ保護基、例えば第三ブトキシカル
ボニルの如きアルコキシカルボニル基又は還元により脱
離できるアミノ保護基例えばベンジルオキシカルボニル
基で保護してあることができる。
【0081】こうして生成された一般式(VII)の1−N
−アシル化反応生成物が残留のアミノ保護基(Z等)を
有する場合、アミノ保護基を脱離せしめるが、この脱離
は常法で行い得る。すなわち、アルコキシカルボニル基
型のアミノ保護基はトリフロロ酢酸、酢酸又は希塩酸で
加水分解により脱離される。またアミノ保護基がベンジ
ルオキシカルボニル基などのアラルキルオキシカルボニ
ル基の場合には通常の接触還元(水添分解)によって脱
離できる。また、一般式(VII)の1−N−アシル化生成
物が残留するヒドロキシル保護基(Y)を有する場合に
は、これを接触還元で脱離できる。
【0082】こうして残留のアミノ保護基及びヒドロキ
シル保護基のすべてを除去すると、本発明による目的と
する前記の一般式(I) のカナマイシン誘導体が生成され
る。
【0083】この目的カナマイシン誘導体を単離、精製
するには、CM−セファデックスC-25の如き分子篩剤を用
いてアンモニア水で勾配溶出するクロマトグラフィ法が
適する。
【0084】前記の5−アジド−2−ベンジルオキシ−
4−フルオロ吉草酸、5−アジド−4−フルオロ−2−
ヒドロキシ吉草酸、5−アミノ−4−フルオロ−2−ヒ
ドロキシ吉草酸及び5−アミノ−2−ベンジルオキシ−
4−フルオロ吉草酸は本発明者らによって初めて合成さ
れた新規な化合物であり、それら自体は抗菌活性をもた
ないけれども、一般式(I)の新規カナマイシン誘導体
の製造に有用である中間体化合物である。
【0085】従って、第5の本発明によると、次式(VI
II) (式中、Y′は水素原子又はベンジル基である)で示さ
れる(2S,4R)−又は(2S,4S)−5−アジド−4−フルオ
ロ−2−ヒドロキシ吉草酸あるいは(2S,4R)−又は (2
S,4S)−2−ベンジルオキシ−4−フルオロ吉草酸が提
供される。
【0086】また、第6の本発明によると、次式(IX) (式中、Y″は水素原子又はベンジル基である)で示さ
れる(2S,4R)−又は(2S,4S) −5−アミノ−4−フルオ
ロ−2−ヒドロキシ吉草酸あるいは(2S,4R)−又は(2
S,4S)−5−アミノ−2−ベンジルオキシ−4−フルオ
ロ吉草酸が提供される。
【0087】次に、本発明を一般式(VIII)又は一般式(I
X)の新規な吉草酸誘導体の合成を例示する参考例1〜
2、ならびに一般式(I)の新規カナマイシン誘導体の
製造を例示する実施例について具体的に説明する。
【0088】参考例1 (イ)(2R,5S)−5−(2−クロロ−2−オキソエチ
ル)−2−トリクロロメチル−1,3−ジオキソラン−
4−オン〔化合物(2)〕より(2R,5S)−5−(3−ク
ロロ−2−オキソプロピル)−2−トリクロロメチル−
1,3−ジオキソラン−4−オン〔化合物 (3)〕の合成 文献既知の(2R,5S)−5−(2−クロロ−2−オキソエ
チル)−2−トリクロロメチル−1,3−ジオキソラン
−4−オン、すなわち前記化合物(2)の5.0gをジエチ
ルエーテル50mlに溶解し、これを0.05規定ジアゾメタン
−ジエチルエーテル溶液730ml に加えて5分間放置後、
この溶液に 1.2規定塩化水素−ジエチルエーテル溶液70
mlを加え室温で15分間反応せしめた(炭素鎖の伸長)。
反応液を濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィー(展開系;トルエン−酢酸エチル=6:
1)にて精製し、無色結晶として表題の化合物 (3)の4.
9gを得た。収率93% mp.75−76℃ 〔α〕D 24+33°(c 1、クロロホルム)。
【0089】(ロ)(2R,5S)−5−(3−アジド−2−
オキソプロピル)−2−トリクロロメチル−1,3−ジ
オキソラン−4−オン〔化合物 (4)〕の合成 前項(イ)の化合物 (3)の20.0gを塩化メチレン200ml
に溶解し、ここに0℃冷却下にアジ化ナトリウム6.4g、
テトラエチルアンモニウムブロミド20.6g、およびアセ
トニトリル140ml を加え、混合物を前記温度にて9時間
攪拌し反応せしめた。
【0090】反応液にクロロホルム1.2Lを加えた後、こ
れを水洗し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し濃縮した。得
られた残渣をシリカゲルカラムクマトグラフィー(展開
系;トルエン−酢酸エチル=6:1)にて精製し、無色
結晶として表題の化合物 (4)の17.6gを得た。収率86% IR:2110cm-1(N3 ) mp.105-106 ℃ 〔α〕D 23+38°(c 1 、クロロホルム)。
【0091】(ハ)(2S,4S)−4−アジドメチル−2−
ヒドロキシ−4−ブタノリド〔化合物(5) 〕及びその4
位エピマーすなわち(2S,4R)−4−アジドメチル−2−
ヒドロキシ−4−ブタノリド〔化合物 (6)〕の合成 前項(ロ)の化合物 (4)の3.00gを無水テトラヒドロフ
ラン80mlに溶解し、この溶液に−20℃冷却下に過剰の水
素化ホウ素亜鉛のジエチルエーテル溶液を加え、還元せ
しめた〔ケトン還元、およびトリクロロエチリデン基の
脱保護が進行、この結果生じたヒドロキシル基と遊離し
たカルボキシル基との間で環化が起り、2種のラクトン
として化合物(5)及び(6)が得られる〕。
【0092】反応液に酢酸を加え過剰の試薬を分解し、
ついで酢酸エチル300ml を加え、この溶液を硫酸ナトリ
ウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥し濃
縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムを用いた高速
液体クロマトグラフィー(展開系;ヘキサン−酢酸エチ
ル=1:3)にて精製し、無色シロップの表題の化合物
(5)の0.54gを得た。収率35%。また同時に、無色シロ
ップ状の化合物(6) の0.87gを得た。収率56%。
【0093】化合物 (5): 〔α〕D 22+59°(c 1 、クロロホルム) IR:2110cm-1(N3 )1 H-NMR スペクトル(重クロロホルム中、TMS 内部標
準) δ2.10(1H, dt, H-3a) 2.67(1H, ddd, H-3b) 3.51(1H, dd, H-5a) 3.62(1H, dd, H-5b) 4.62(1H, dd, H-2) 化合物 (6): 〔α〕D 22-137°(c 1 、クロロホルム)。
【0094】(ニ)(2S,4S)−4−アジドメチル−2−
ベンジルオキシ−4−ブタノリド〔化合物(7)〕の合成 前項(ハ)の化合物(5)の1.1gを無水DMF22mlに溶解
し、ここに酸化銀3.2gおよび臭化ベンジル1.6ml を加
え、室温で攪拌した。3時間後、反応液を濾過し、濾液
を濃縮した。得られた残渣にクロロホルム150ml を加
え、この溶液を0.05規定塩酸、水で順次洗浄し、無水硫
酸ナトリウムで乾燥後、濃縮した。得られた残渣をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィー(展開系;ヘキサン−
酢酸エチル=5:2)にて精製し、無色シロップ状の表
題化合物(7)の1.38gを得た。収率80%。
【0095】〔α〕D 24+4 °(c 1 、クロロホルム)1 H-NMR スペクトル(重クロロホルム中、TMS 内部標
準) δ2.09(1H, dt, H-3a) 2.52(1H, ddd, H-3b) 4.26(1H, dd, H-2) 。
【0096】(ホ)(2S,4S)−5−アジド−2−ベンジ
ルオキシ−4−ヒドロキシ吉草酸メチル〔化合物(8)〕
の合成 前項(ニ)の化合物(7)の2.0gを無水メタノール27mlに
溶解し、この溶液に1規定塩化水素−メタノール溶液3
mlを加え、室温で10分間反応せしめた(ラクトンの開
環、メチルエステル化が進行)。
【0097】反応液にクロロホルム200ml を加えた後、
これを中性になるまで水洗し、無水硫酸ナトリウムで乾
燥し濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマ
トグラフィー(展開系;トルエン−酢酸エチル=6:
1)にて精製し、無色シロップ状の表題化合物(8)の1.
80gを得た。収率80%1 H-NMR スペクトル(重クロロホルム中、TMS 内部標
準) δ3.77(3H, s, COOMe) 4.24(1H, dd, H-2) 。
【0098】(ヘ)(2S,4R)−5−アジド−2−ベンジ
ルオキシ−4−フルオロ吉草酸メチル〔化合物(9)〕の
合成 前項(ホ)の化合物(8)の1.01gを無水ベンゼン24mlに
溶解し、これを、無水ベンゼン−無水ピリジン(8:
1)の混液27mlにジエチルアミノサルファートリフルオ
リド1.4ml を加えた溶液に加え、室温で1時間静置後、
60℃で2時間加熱した。
【0099】反応液を5%炭酸水素ナトリウム水溶液23
0ml に加え攪拌後、ここにトルエン230ml を加え有機層
を水洗し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し濃縮した。得ら
れた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開
系;シクロヘキサン−クロロホルム−アセトン=10:2:
1)にて精製し無色シロップ状の表題の化合物(9)の51
2mg を得た。収率50%。
【0100】〔α〕D 23 -61°(c 1, クロロホルム) IR:2110cm-1(N 3 )1 H-NMR スペクトル(重クロロホルム中、TMS 内部標
準) δ 3.78(3H, s, COOMe) 4.10(1H, t, H-2) 4.87(1H, double m, H-4 ) J 2,3a=J2,3b= 〜6Hz, J4,F =48Hz 。
【0101】(ト)(2S,4R)−5−アジド−2−ベンジ
ルオキシ−4−フルオロ吉草酸〔化合物(10)〕の合成 前項(ヘ)の化合物(9)の350mg をメタノール72mlに溶
解し、ここに1規定水酸化ナトリウム水溶液1.8ml を加
え室温で1時間反応して加水分解した。
【0102】反応液を濃縮し、少量となったところに水
35mlを加え、氷冷下さらにここに1規定塩酸の少量を加
え、水溶液を酸性(pH1)とした。この水溶液を酢酸エ
チルで抽出し、得られた酢酸エチル溶液を無水硫酸ナト
リウムで乾燥後、濃縮した。無色シロップとして表題の
化合物(10)の315mg を得た。収率95%。
【0103】元素分析 実測値 C 54.15 %, H 5.37%, F 7.12%, N 15.87 % C12H14FN3 O3 としての 計算値 C 53.93 %, H 5.28%, F 7.11%, N 15.72 % 〔α〕D 22 -49°(c 1, クロロホルム) IR:2110cm-1(N3 )1 H-NMR スペクトル(重クロロホルム中、TMS 内部標
準) δ 2.13(1H, m, H-3a) 2.32(1H, m, H-3b) 4.15(1H, t, H-2) 4.93(1H, double m, H-4 ) J 2,3a=J 2,3b=6Hz, J4,F =48Hz。
【0104】(チ)(2S,4R)−5−アミノ−4−フルオ
ロ−2−ヒドロキシ吉草酸〔化合物(13)〕の合成 前項(ト)の化合物(10)の72mgをメタノール−水
(3:2)の混液2.5ml に溶解し、パラジウム黒を触媒
として加え室温にて水素を吹き込み9時間接触還元し
た。反応液を濾過後、濾液を濃縮した。得られた固体を
メタノール−酢酸エチル(1:2)の混液で洗浄し(3
ml×2回)、無色固体の表題の化合物(13)の37mgを得
た。収率91%。
【0105】〔α〕D 23 -10°(c 0.5, 水)1 H-NMR スペクトル(重水中、TMS 内部標準) δ 4.15(1H, t, H-2) 5.04(1H, double m, H-4 ) J 4,F =50Hz。
【0106】なお、化合物(10)の接触還元の反応時間を
1時間に短縮して上記の還元工程を同様に行い、その反
応液を上記と同様に処理すると、無色固体として次式の
(2S,4R)−5−アミノ−2−ベンジルオキシ−4−フル
オロ吉草酸〔化合物(19)〕を得た。収率95%。
【0107】 参考例2 (イ)(2S,4R)−4−アジドメチル−2−ベンジルオキ
シ−4−ブタノリド〔化合物(14)〕の合成 参考例1(ハ)の化合物(6)の390mg を無水DMF 8ml に
溶解し、ここに酸化銀1.2gおよび臭化ベンジル 0.6mlを
加え、室温で攪拌した。3時間後反応液を濾過し、濾液
を濃縮した。得られた残渣にクロロホルム60mlを加え、
この溶液を0.05規定塩酸、水で順次洗浄し、無水硫酸ナ
トリウムで乾燥後、濃縮した。得られた残渣をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー(展開系;ヘキサン−酢酸
エチル=5:2)により精製し、無色シロップ状の表題
の化合物(14)の485mg を得た。収率79% 〔α〕D 21 -161 °(c 1, クロロホルム)。
【0108】(ロ)(2S,4R)−5−アジド−2−ベンジ
ルオキシ−4−ヒドロキシ吉草酸メチル〔化合物(1
5)〕の合成 前項(イ)の化合物(14)の4.5gを無水メタノール63ml
に溶解し、この溶液に1規定塩化水素−メタノール溶液
7mlを加え、室温で10分間反応せしめた(ラクトンの開
環、メチルエステル化が進行)。
【0109】反応液にクロロホルム500ml を加えた後、
これを中性になるまで水洗し無水硫酸ナトリウムで乾燥
し濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマト
グラフィー(展開系;トルエン−酢酸エチル=6:1)
により精製し、無色シロップ状の表題の化合物(15)の
4.17g を得た。収率82%。
【0110】(ハ)(2S,4S)−5−アジド−2−ベンジ
ルオキシ−4−フルオロ吉草酸メチル〔化合物(16)〕
の合成 前項(ロ)の化合物(15)の1.65gを無水ベンゼン38ml
に溶解し、これを、無水ベンゼン−無水ピリジン(8:
1)の混液45mlにジエチルアミノサルファートリフルオ
リド 2.2mlを加えた溶液に加え、室温で1時間静置後、
60℃で2時間加熱した。
【0111】反応液を5%炭酸水素ナトリウム水溶液 3
50mlに加え攪拌後、ここにトルエン300ml を加え、有機
層を水洗し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し濃縮した。得
られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展
開系;シクロヘキサン−クロロホルム−アセトン=10:
2:1)にて精製し無色シロップ状の表題の化合物(1
6)の1.18g を得た。収率71% 〔α〕D 23 -74°(c 1, クロロホルム) IR:2110cm-1(N3 ) 。
【0112】(ニ)(2S,4S)−5−アジド−2−ベンジ
ルオキシ−4−フルオロ吉草酸〔化合物(17)〕の合成 前項(ハ)の化合物(16)の1.80g をメタノール36mlに
溶解し、ここに1規定水酸化ナトリウム水溶液9mlを加
え室温で1時間反応して加水分解した。
【0113】反応液を濃縮し、少量となったところに水
180ml を加え、氷冷下さらにここに1規定塩酸の少量を
加え、水溶液を酸性(pH 1)とした。この水溶液を酢酸エ
チルで抽出し、得られた酢酸エチル溶液を無水硫酸ナト
リウムで乾燥後、濃縮した。無色結晶として表題の化合
物(17)の1.66g を得た。収率97%。
【0114】元素分析 実測値 C 53.74 %, H 5.18%, F 6.89%, N 15.92 % C12H14FN3 O3 としての 計算値 C 53.93 %, H 5.28%, F 7.11%, N 15.72 % 〔α〕D 22 -81°(c 1, クロロホルム) IR:2110cm-1(N3 ) mp.99〜 100 ℃1 H-NMR スペクトル(重クロロホルム中、TMS 内部標
準) δ 4.24(1H, dd, H-2) 4.90(1H, double m, H-4 ) J2,3a=11Hz, J2,3b=3Hz,J4,F =49Hz 。
【0115】(ホ)(2S,4S)−5−アミノ−4−フルオ
ロ−2−ヒドロキシ吉草酸〔化合物(18)〕の合成 前項(ニ)の化合物(17)を参考例1(チ)と同様にパ
ラジウム触媒の存在下に9時間接触還元し、そして反応
液を同様に処理すると、表題の化合物(18)を得た。収
率88% 〔α〕D 21−25°(c 0.5, 水) 。
【0116】なお、化合物(17)の接触還元の反応時間
を1時間に短縮して上記の還元工程を同様に行い、その
反応液を同様に処理すると、無色固体として次式の(2
S,4S)−5−アミノ−2−ベンジルオキシ−4−フルオ
ロ吉草酸〔化合物(20)〕を得た。収率92%
【0117】実施例1 (イ)(2S,4R)−5−アジド−2−ベンジルオキシ−4
−フルオロ吉草酸のN−ヒドロキシスクシンイミドエス
テル〔化合物(11)〕の合成
【0118】参考例1(ト)の化合物(10)の300mg 及
びN-ヒドロキシスクシンイミド130mgを無水酢酸エチル1
2mlに溶解し、ここに攪拌しつつジシクロヘキシルカル
ボジイミド460mg を加え、室温にて1.5 時間攪拌せしめ
た(活性エステル化)。
【0119】得られた白色懸濁液を濾過し、不溶物を無
水酢酸エステルにて洗浄し、この濾液及び洗液を濃縮し
て無色シロップとして表題の化合物(11)の400mg を得
た。
【0120】(ロ)1−N−〔(2S,4R)−5−アジド−
2−ベンジルオキシ−4−フルオロバレリル〕−3,
2′,6′−トリス(N−ベンジルオキシカルボニル)
−3′,4′−ジデオキシ−3″−N−トリフルオロア
セチルカナマイシンB〔化合物(22)〕の調製 式中、Bzl はベンジル基、Zはベンジルオキシカルボニ
ル基をまた TFAはトリフルオロアセチル基を示す。
【0121】3,2′,6′−トリス(N−ベンジルオ
キシカルボニル)−3′,4′−ジデオキシ−3″−N
−トリフルオロアセチルカナマイシンB〔化合物(2
1)〕の800mg 及び炭酸ナトリウム130mg をテトラヒド
ロフラン−水(1:1)の混液60mlに溶解した。この溶
液に前項(イ)で得られた化合物(11)の370mg をテト
ラヒドロフラン10mlに溶解した溶液を加えた。1時間
後、さらに化合物(11)の180mgをテトラヒドロフラン5m
lに溶解した溶液を加えこれより室温で1時間放置して
反応させた(1−N−アシル化反応)。その後、反応液
を濃縮した。得られた残渣を水、酢酸エチルにて順次洗
浄し、無色固体の表題の化合物(22)の610mgを得た。
収率60%。
【0122】(ハ)1−N−〔(2S,4R)−5−アミノ−
4−フルオロ−2−ヒドロキシバレリル〕−3′,4′
−ジデオキシカナマイシンB〔化合物(k)〕の製造
【0123】前項(ロ)の化合物(22)の450mg を3規
定アンモニア水−テトラヒドロフラン(1:2)の混液
27mlに溶解した。室温にて1日加水分解せしめ3″−N
−トリフルオロアセチル基の脱離を行なった。その後、
反応液を濃縮して得られた固体を酢酸−ジオキサン−水
(1:16:32)の混液24.5mlに溶解した。その溶液にパ
ラジウム黒を触媒として加え、室温にて水素を吹き込み
5時間接触還元してアジド基のアミノ基への変換を行な
い、かつO−ベンジル基とN−ベンジルオキシカルボニ
ル基を脱離せしめた。
【0124】反応液を濾過後、濃縮した。得られた固体
を水に溶解し、CM−セファデックスC-25のカラム70mlに
通し、0〜0.15規定アンモニア水により、そのアンモニ
ア濃度を次第に増大しつつ展開した。ニンヒドリン呈色
を示す目的化合物を含む溶離液を集め濃縮し無色固体と
して表題の化合物(k) の 197.8mgを得た。収率80%。
【0125】〔α〕D 22 +81°(c 1, 水)1 H-NMR スペクトル(重塩酸−重水中、pD 2.5, TMS 内
部標準) δ 4.40(1H, dd, H-2''') 5.12(1H, double m, H-4''') 5.20(1H, d, H-1″) 5.81(1H, d, H-1′) J 4''',F= 〜50Hz 元素分析(C23H45FN6 O10・H2 CO3 ・0.5
H2 Oとして) 実測値 C 43.94, H 7.51, F 3.04, N 13.07 % 計算値 C 43.96, H 7.38, F 2.90, N 12.82 %実施例2 (イ)(2S,4S)−5−アジド−2−ベンジルオキシ−4
−フルオロ吉草酸のN−ヒドロキシスクシンイミドエス
テル〔化合物(12)〕の合成
【0126】参考例2(ニ)の化合物(17)の200mg 及
びN−ヒドロキシスクシンイミド86mgを無水酢酸エチル
8mlに溶解し、ここに攪拌しつつジシクロヘキシルカル
ボジイミド270mg を加え、室温にて1.5 時間攪拌せしめ
た(活性エステル化)。
【0127】得られた白色懸濁液を濾過し、不溶物を無
水酢酸エチルにて洗浄し、この濾液及び洗液を濃縮して
無色シロップとして表題の化合物(12)の270mg を得
た。
【0128】(ロ)1−N−〔(2S,4S)−5−アジド−
2−ベンジルオキシ−4−フルオロバレリル〕−3,
2′,6′−トリス(N−ベンジルオキシカルボニル)
−3′,4′−ジデオキシ−3″−N−トリフルオロア
セチルカナマイシンB〔化合物(23)〕の調製 3,2′,6′−トリス(N−ベンジルオキシカルボニ
ル)−3′,4′−ジデオキシ−3″−N−トリフルオ
ロアセチルカナマイシンB〔化合物(21)〕の370mg 及
び炭酸ナトリウム60mgをテトラヒドロフラン−水(1:
1)の混液20mlに溶解した。この溶液に前項(イ)で得
られた化合物(12)の200mg をテトラヒドロフラン5ml
に溶解した溶液を加えた。反応1時間後、さらに化合物
(12)の70mgをテトラヒドロフラン2mlに溶解した溶液
を加え、これにより室温で2時間放置して反応を終了し
た(1-N-アシル化反応)。その後、反応液を濃縮した。
得られた残渣を、水、酢酸エチルにて順次洗浄し、無色
固体の表題の化合物(23)の280mg を得た。収率60%。
【0129】(ハ)1−N−〔(2S,4S)−5−アミノ−
4−フルオロ−2−ヒドロキシバレリル〕−3′,4′
−ジデオキシカナマイシンB〔化合物(l)〕の製造
【0130】前項(ロ)の化合物(23)の400mg を3規
定アンモニア水−テトラヒドロフラン(1:2)の混液
25mlに溶解した。室温にて1日加水分解せしめ3″−N
−トリフルオロアセチル基の脱離を行なった。その後、
反応液を濃縮して得られた固体を酢酸−ジオキサン−水
(1:20:40)の混液18.3mlに溶解した。その溶液にパ
ラジウム黒を触媒として室温にて水素を吹き込み5時間
接触還元してアジド基のアミノ基への変換を行ない、か
つO−ベンジル基とN−ベンジルオキシカルボニル基を
脱離せしめた。
【0131】反応液を濾過後、濃縮した。得られた固体
を水に溶解し、CM- セファデックスC-25のカラム70mlに
通し、0〜0.15規定アンモニア水により、そのアンモニ
ア濃度を次第に増大しつつ展開した。ニンヒドリン呈色
を示す目的化合物を含む溶離液を集め濃縮し無色固体と
して表題の化合物(l)の163mg を得た。
【0132】〔α〕D 23 +71°(c 1, 水)1 H-NMR スペクトル(重塩酸−重水中、pD 2.8, TMS 内
部標準) δ 4.38(1H, dd, H-2''') 5.08(1H, double m, H-4''') 5.19(1H, d, H-1″) 5.81(1H, d, H-1′)。
【0133】実施例3 1−N−〔(2S,4R)−5−アミノ−4−フルオロ−ヒド
ロキシバレリル〕−3′,4′−ジデオキシカナマイシ
ンB〔化合物(k)〕の製造 (1) 3,2′,6′−トリス(N−ベンジルオキシ
カルボニル)−3′,4−ジデオキシ−3″−N−トリ
フルオロアセチルカナマイシンB〔化合物(21)〕の 2
10mg及び炭酸ナトリウム30mgをテトラヒドロフラン−水
(1:1)の混液10mlに溶解した。この溶液に対して、
参考例1(チ)で得られた(2S,4R)−5−アミノ−4−
フルオロ−2−ヒドロキシ吉草酸〔化合物(13)〕から
作られた(2S,4R)−5−ベンジルオキシカルボニルアミ
ノ−4−フルオロ−2−ヒドロキシ吉草酸のN−ヒドロ
キシスクシンイミドエステル 220mgのテトラヒドロフラ
ン溶液(5ml)を加えた。これより室温で2時間放置し
て反応を終了した。その後、反応液を濃縮した。得られ
た残渣を、水、酢酸エチルにて順次洗浄し、無色固体を
得た。
【0134】上記の無色固体は3,2′,6′−トリス
(N−ベンジルオキシカルボニル)−1−N−〔(2S,4
R)−5−ベンジルオキシカルボニルアミノ−4−フルオ
ロ−2−ヒドロキシバレリル〕−3′,4′−ジデオキ
シ−3″−N−トリフルオロアセチルカナマイシンBの
粗生成物である。
【0135】(2)この固体の 215mgを、3規定アンモ
ニア水−テトラヒドロフラン(1:2)の混液15mlに溶解し
た。室温にて1日加水分解せしめ3″−N−トリフルオ
ロアセチル基の脱離を行った。その後、反応液を濃縮し
て得られた固体を酢酸−ジオキサン−水(1:20:20)の
混液12.3mlに溶解した。その溶液にパラジウム黒を触媒
として室温にて水素を吹き込み 1.5時間接触還元してN
−ベンジルオキシカルボニル基を脱離せしめた。
【0136】反応液を濾過後、濃縮した。得られた固体
を水に溶解し、CM- セファデックスC-25のカラム35mlに
通し、0〜0.15規定アンモニア水により、そのアンモニ
ア濃度を次第に増大しつつ展開した。ニンヒドリン呈色
を示す目的化合物を含む溶離液を集め濃縮し無色固体と
して表題の化合物(k)の80mgを得た。 〔α〕D 22 +81°(c 1, 水)。
【0137】実施例4 1−N−〔(2S,4R)−5−アミノ−4−フルオロ−2−
ヒドロキシバレリル〕−5,3′,4′−トリデオキシ
−5−フルオロカナマイシンB〔化合物 (m)〕の合成 実施例1(ロ)に示された3,2′,6′−トリス(N
−ベンジルオキシカルボニル)−3′,4′−ジデオキ
シ−3″−N−トリフルオロアセチルカナマイシンB
〔化合物(21)〕に代えて、3,2′,6′−トリス
(N−ベンジルオキシカルボニル)−5,3′,4′−
トリデオキシ−5−フルオロ−3″−N−トリフルオロ
アセチルカナマイシンB(米国特許4,873,225 号明細書
に記載の化合物)120mg を用いて、実施例1(ロ)及び
(ハ)の方法を反復した。表題の化合物(m)の48mgを
無色固体として得た。 〔α〕D 23 +81°(c 1, 水)。
【0138】実施例5 1−N−〔(2S,4R)−5−アミノ−4−フルオロ−2−
ヒドロキシバレリル〕カナマイシンA〔化合物(a)〕
の合成 実施例1(ロ)に示された3,2′,6′−トリス(N
−ベンジルオキシカルボニル)−3′,4′−ジデオキ
シ−3″−N−トリフルオロアセチルカナマイシンB
〔化合物(21)〕に代えて、3,6′−ビス(N−ベンジ
ルオキシカルボニル)−3″−N−トリフルオロアセチ
ルカナマイシンA(米国特許第4,297,485号明細書に記
載の化合物)150mg を用いて、実施例1(ロ)及び
(ハ)の方法を反復した。表題の化合物(a)の60.2mg
を無色固体として得た。 〔α〕D 24 +82°(c 0.5, 水)。
【0139】実施例6 1−N−〔(2S,4R)−5−アミノ−4−フルオロ−2−
ヒドロキシバレリル〕−5−デオキシ−5−フルオロカ
ナマイシンA〔化合物(b)〕の合成 実施例1(ロ)に示された3,2′,6′−トリス(N
−ベンジルオキシカルボニル)−3′,4′−ジデオキ
シ−3″−N−トリフルオロアセチルカナマイシンB
〔化合物(21)〕に代えて、3,6′−ビス(N−ベン
ジルオキシカルボニル)−5−デオキシ−5−フルオロ
−3″−N−トリフルオロアセチルカナマイシンAの17
2mg を用いて、実施例1(ロ)及び(ハ)の方法を反復
した。表題の化合物(b)の70.3mgを無色固体として得
た。 〔α〕D 24 +80°(c 0.5, 水)。
【0140】実施例7 1−N−〔(2S,4R)−5−アミノ−4−フルオロ−2−
ヒドロキシバレリル〕−5−デオキシ−5−エピ−5−
フルオロカナマイシンA〔化合物(c)〕の合成 実施例1(ロ)に示された3,2′,6′−トリス(N
−ベンジルオキシカルボニル)−3′,4′−ジデオキ
シ−3″−N−トリフルオロアセチルカナマイシンB
〔化合物(21)〕に代えて、3,6′−ビス(N−ベン
ジルオキシカルボニル)−5−デオキシ−5−エピ−5
−フルオロ−3″−N−トリフルオロアセチルカナマイ
シンAの125mg を用いて、実施例1(ロ)及び(ハ)の
方法を反復した。表題の化合物(c)の47mgを無色固体
として得た。 〔α〕D 23 +82°(c 1, 水)。
【0141】実施例8 1−N−〔(2S,4R)−5−アミノ−4−フルオロ−2−
ヒドロキシバレリル〕−2′,3′−ジデオキシカナマ
イシンA〔化合物(d)〕の合成 実施例1(ロ)に示された3,2′,6′−トリス(N
−ベンジルオキシカルボニル)−3′,4′−ジデオキ
シ−3″−N−トリフルオロアセチルカナマイシンB
〔化合物(21)〕に代えて、3,6′−ビス(N−ベン
ジルオキシカルボニル)−2′,3′−ジデオキシ−
3″−N−トリフルオロアセチルカナマイシンAの210m
g を用いて、実施例1(ロ)及び(ハ)の方法を反復し
た。表題の化合物(d)の86.7mgを無色固体として得
た。 〔α〕D 23 +85°(c 1, 水)。
【0142】実施例9 1−N−〔(2S,4R)−5−アミノ−4−フルオロ−2−
ヒドロキシバレリル〕−2′,3′−ジデオキシ−2′
−フルオロカナマイシンA〔化合物(e)〕の合成 実施例1(ロ)に示された3,2′,6′−トリス(N
−ベンジルオキシカルボニル)−3′,4′−ジデオキ
シ−3″−N−トリフルオロアセチルカナマイシンB
〔化合物(21)〕に代えて、3,6′−ビス(N−ベン
ジルオキシカルボニル)−2′,3′−ジデオキシ−
2′−フルオロ−3″−N−トリフルオロアセチルカナ
マイシンAの183mg を用いて、実施例1(ロ)及び
(ハ)の方法を反復した。表題の化合物(e)の81.7mg
を無色固体として得た。 〔α〕D 22 +83°(c 1, 水)。
【0143】実施例10 1−N−〔(2S,4R)−5−アミノ−4−フルオロ−2−
ヒドロキシバレリル〕カナマイシンB〔化合物(f)〕
の合成 実施例1(ロ)に示された3,2′,6′−トリス(N
−ベンジルオキシカルボニル)−3′,4′−ジデオキ
シ−3″−N−トリフルオロアセチルカナマイシンB
〔化合物(21)〕に代えて、3,2′,6′−トリス
(N−ベンジルオキシカルボニル)−3″−N−トリフ
ルオロアセチルカナマイシンBの95mgを用いて、実施例
1(ロ)及び(ハ)の方法を反復した。表題の化合物
(f)の31mgを無色固体として得た。 〔α〕D 24 +81°(c 1, 水)。
【0144】実施例11 1−N−〔(2S,4R)−5−アミノ−4−フルオロ−2−
ヒドロキシバレリル〕−5−デオキシ−5−フルオロカ
ナマイシンB〔化合物(g)〕の合成 実施例1(ロ)に示された3,2′,6′−トリス(N
−ベンジルオキシカルボニル)−3′,4′−ジデオキ
シ−3″−N−トリフルオロアセチルカナマイシンB
〔化合物(21)〕に代えて、3,2′,6′−トリス
(N−ベンジルオキシカルボニル)−5−デオキシ−5
−フルオロ−3″−N−トリフルオロアセチルカナマイ
シンBの118mg を用いて、実施例1(ロ)及び(ハ)の
方法を反復した。表題の化合物(g)の39.5mgを無色固
体として得た。 〔α〕D 23 +79°(c 1, 水)。
【0145】実施例12 1−N−〔(2S,4R)−5−アミノ−4−フルオロ−2−
ヒドロキシバレリル〕−3′−デオキシカナマイシンB
〔化合物(h)〕の合成 実施例1(ロ)に示された3,2′,6′−トリス(N
−ベンジルオキシカルボニル)−3′,4′−ジデオキ
シ−3″−N−トリフルオロアセチルカナマイシンB
〔化合物(21)〕に代えて、3,2′,6′−トリス
(N−ベンジルオキシカルボニル)−3′−デオキシ−
3″−N−トリフルオロアセチルカナマイシンBの250m
g を用いて、実施例1(ロ)及び(ハ)の方法を反復し
た。表題の化合物(h)の87.6mgを無色固体として得
た。 〔α〕D 22 +75°(c 0.5, 水)。
【0146】実施例13 1−N−〔(2S,4R)−5−アミノ−4−フルオロ−2−
ヒドロキシバレリル〕−5,3′−ジデオキシ−5−フ
ルオロカナマイシンB〔化合物(i)〕の合成 実施例1(ロ)に示された3,2′,6′−トリス(N
−ベンジルオキシカルボニル)−3′,4′−ジデオキ
シ−3″−N−トリフルオロアセチルカナマイシンB
〔化合物(21)〕に代えて、3,2′,6′−トリス
(N−ベンジルオキシカルボニル)−5,3′−ジデオ
キシ−5−フルオロ−3″−N−トリフルオロアセチル
カナマイシンBの230mg を用いて、実施例1(ロ)及び
(ハ)の方法を反復した。表題の化合物(i)の75.8mg
を無色固体として得た。 〔α〕D 24 +78°(c 1, 水)。
【0147】実施例14 1−N−〔(2S,4R)−5−アミノ−4−フルオロ−2−
ヒドロキシバレリル〕−5,3′−ジデオキシ−5−エ
ピ−5−フルオロカナマイシンB〔化合物(j)〕の合
成 実施例1(ロ)に示された3,2′,6′−トリス(N
−ベンジルオキシカルボニル)−3′,4′−ジデオキ
シ−3″−N−トリフルオロアセチルカナマイシンB
〔化合物(21)〕に代えて、3,2′,6′−トリス
(N−ベンジルオキシカルボニル)−5,3′−ジデオ
キシ−5−エピ−5−フルオロ−3″−N−トリフルオ
ロアセチルカナマイシンBの105mg を用いて、実施例1
(ロ)及び(ハ)の方法を反復した。表題の化合物
(j)の33mgを無色固体として得た。 〔α〕D 24 +77°(c 1, 水)。
【0148】実施例15 1−N−〔(2S,4R)−5−アミノ−4−フルオロ−2−
ヒドロキシバレリル〕−5,3′,4′−トリデオキシ
−5−エピ−5−フルオロカナマイシンB〔化合物
(n)〕の合成 実施例1(ロ)に示された3,2′,6′−トリス(N
−ベンジルオキシカルボニル)−3′,4′−ジデオキ
シ−3″−N−トリフルオロアセチルカナマイシンB
〔化合物(21)〕に代えて、3,2′,6′−トリス
(N−ベンジルオキシカルボニル)−5,3′,4′−
トリデオキシ−5−エピ−5−フルオロ−3″−N−ト
リフルオロアセチルカナマイシンBの370mg を用いて、
実施例1(ロ)及び(ハ)の方法を反復した。表題の化
合物(n)の124mg を無色固体として得た。 〔α〕D 22 +80°(c 0.5, 水)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 良昭 東京都大田区矢口1−14−2 矢口ハイム 201

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の一般式(I) 〔式中、(i) R1 、R2 及びR3 の各々が水酸基であ
    り、R4 が水酸基又はフルオロ基であってR5 が水素原
    子であるか、又はR4 が水素原子であってR5 がフルオ
    ロ基であり、もしくは(ii)R1 が水素原子又はフルオ
    ロ基であり、R2 及びR5 の各々が水素原子であってR
    3 及びR4 の各々が水酸基であり、もしくは(iii) R1
    がアミノ基であり、R2 、R3 及びR4 の各々が水酸基
    であってR5が水素原子であるか、又はR2 及びR3 の
    各々が水酸基であってR4 及びR5 の何れか一方がフル
    オロ基で他方が水素原子であり、もしくは(iV)R1 がア
    ミノ基であり、R2 が水素原子であり、R3 及びR4 の
    各々が水酸基であってR5 が水素原子であるか、又はR
    3 が水酸基であってR4 及びR5 の何れか一方がフルオ
    ロ基で他方が水素原子であり、もしくは(v) R1 がアミ
    ノ基であり、R2 、R3及びR5 の各々が水素原子であ
    ってR4 が水酸基であるか、又はR2 及びR3 の各々が
    水素原子であってR4 及びR5 の何れか一方がフルオロ
    基で他方が水素原子である〕で示される1−N−〔(2
    S,4R)−又は(2S,4S)−5−アミノ−4−フルオロ−2
    −ヒドロキシバレリル〕カナマイシンA又はBあるいは
    その誘導体、及びそれらの酸付加塩。
  2. 【請求項2】 次の一般式(I−i) (式中、R4 が水酸基であってR5 が水素原子である
    か、又はR4 がフルオロ基でR5 が水素原子であるか、
    又はR4 が水素原子でR5 がフルオロ基である)で示さ
    れる1−N−〔(2S,4R)−又は(2S,4S)−5−アミノ−
    4−フルオロ−2−ヒドロキシバレリル〕−カナマイシ
    ンA又は−5−デオキシ−5−フルオロカナマイシンA
    又は−5−デオキシ−5−エピ−5−フルオロカナマイ
    シンAである請求項1に記載の化合物、及びその酸付加
    塩。
  3. 【請求項3】次の一般式(I−ii) (式中、R1 は水素原子又はフルオロ基である)で示さ
    れる1−N−〔(2S,4R)−又は(2S,4S)−5−アミノ−
    4−フルオロ−2−ヒドロキシバレリル〕−2′,3′
    −ジデオキシカナマイシンAまたは−2′,3′−ジデ
    オキシ−2′−フルオロカナマイシンAである請求項1
    に記載の化合物、及びその酸付加塩。
  4. 【請求項4】 次の一般式(I−iii ) (式中、R4 が水酸基でR5 が水素原子であるか、又は
    R4 がフルオロ基でR5が水素原子であるか、又はR4
    が水素原子でR5 がフルオロ基である)で示される1−
    N−〔(2S,4R)−又は(2S,4S)−5−アミノ−4−フル
    オロ−2−ヒドロキシバレリル〕−カナマイシンB又は
    −5−デオキシ−5−フルオロカナマイシンB又は−5
    −デオキシ−5−エピ−5−フルオロカナマイシンBで
    ある請求項1に記載の化合物、及びその酸付加塩。
  5. 【請求項5】 次の一般式(I−iv) (式中、R4 が水酸基でR5 が水素原子であるか、又は
    R4 がフルオロ基でR5が水素原子であるか、又はR4
    が水素原子でR5 がフルオロ基である)で示される1−
    N−〔(2S,4R)−又は(2S,4S)−5−アミノ−4−フル
    オロ−2−ヒドロキシバレリル〕−3′−デオキシカナ
    マイシンB又は−5,3′−ジデオキシ−5−フルオロ
    カナマイシンB又は−5,3′−ジデオキシ−5−エピ
    −5−フルオロカナマイシンBである請求項1に記載の
    化合物、及びその酸付加塩。
  6. 【請求項6】 次の一般式(I−v) (式中、R4 は水酸基でR5 が水素原子であるか、又は
    R4 がフルオロ基でR5が水素原子であるか、又はR4
    が水素原子でR5 がフルオロ基である)で示される1−
    N−〔(2S,4R)−又は(2S,4S)−5−アミノ−4−フル
    オロ−2−ヒドロキシバレリル〕−3′,4′−ジデオ
    キシカナマイシンB又は−5,3′,4′−トリデオキ
    シ−5−フルオロカナマイシンB又は−5,3′,4′
    −トリデオキシ−5−エピ−5−フルオロカナマイシン
    Bである請求項1に記載の化合物、及びその酸付加塩。
  7. 【請求項7】 請求項1に示された一般式(I)、ある
    いは請求項2〜6にそれぞれ示された一般式(I−i)
    〜一般式(I−v)の化合物における(2S,4R)−又は
    (2S,4S)−5−アミノ−4−フルオロ−2−ヒドロキシ
    バレリル基が次式 で表される(2S,4R)−5−アミノ−4−フルオロ−2−
    ヒドロキシバレリル基であるか、又は次式 で表される(2S,4S)−5−アミノ−4−フルオロ−2−
    ヒドロキシバレリル基である請求項1〜6の何れかに記
    載の化合物。
  8. 【請求項8】 次式 で示される1−N−〔(2S,4R)−又は(2S,4S)−5−ア
    ミノ−4−フルオロ−2−ヒドロキシバレリル〕−
    3′,4′−ジデオキシカナマイシンBである請求項6
    に記載の化合物、及びそれの酸付加塩。
  9. 【請求項9】 次の一般式(I) 〔式中、(i) R1 、R2 及びR3 の各々が水酸基であ
    り、R4 が水酸基又はフルオロ基であってR5 が水素原
    子であるか、又はR4 が水素原子であってR5 がフルオ
    ロ基であり、もしくは(ii)R1 が水素原子又はフルオ
    ロ基であり、R2 及びR5 の各々が水素原子であってR
    3 及びR4 の各々が水酸基であり、もしくは(iii) R1
    がアミノ基であり、R2 、R3 及びR4 の各々が水酸基
    であってR5が水素原子であるか、又はR2 及びR3 の
    各々が水酸基であってR4 及びR5 の何れか一方がフル
    オロ基で他方が水素原子であり、もしくは(iv)R1 がア
    ミノ基であり、R2 が水素原子であり、R3 及びR4 の
    各々が水酸基であってR5 が水素原子であるか、又はR
    3 が水酸基であってR4 及びR5 の何れか一方がフルオ
    ロ基で他方が水素原子であり、もしくは(v) R1 がアミ
    ノ基であり、R2 、R3及びR5 の各々が水素原子であ
    ってR4 が水酸基であるか、又はR2 及びR3 の各々が
    水素原子であってR4 及びR5 の何れか一方がフルオロ
    基で他方が水素原子である〕で示される1−N−〔(2
    S,4R)−又は(2S,4S)−5−アミノ−4−フルオロ−2
    −ヒドロキシバレリル〕カナマイシンA又はBあるいは
    その誘導体又はそれらの製薬学的に許容できる酸付加塩
    を有効成分として含み且つ該有効成分と混和して製薬学
    的に許容できる担体を含むことを特徴とする抗菌剤組成
    物。
  10. 【請求項10】 次の一般式(II) 〔式中、(i) R1 、R2 及びR3 の各々が水酸基であ
    り、R4 が水酸基又はフルオロ基であってR5 が水素原
    子であるか、又はR4 が水素原子であってR5 がフルオ
    ロ基であり、もしくは(ii)R1 が水素原子又はフルオ
    ロ基であり、R2 及びR5 の各々が水素原子であってR
    3 及びR4 の各々が水酸基であり、もしくは(iii) R1
    がアミノ基であり、R2 、R3 及びR4 の各々が水酸基
    であってR5が水素原子であるか、又はR2 及びR3 の
    各々が水酸基であってR4 及びR5 の何れか一方がフル
    オロ基で他方が水素原子であり、もしくは(iv)R1 がア
    ミノ基であり、R2 が水素原子であり、R3 及びR4 の
    各々が水酸基であってR5 が水素原子であるか、又はR
    3 が水酸基であってR4 及びR5 の何れか一方がフルオ
    ロ基で他方が水素原子であり、もしくは(v) R1 がアミ
    ノ基であり、R2 、R3及びR5 の各々が水素原子であ
    ってR4 が水酸基であるか、又はR2 及びR3 の各々が
    水素原子であってR4 及びR5 の何れか一方がフルオロ
    基で他方が水素原子である〕で示されるカナマイシンA
    又はBあるいはその誘導体、もしくは一般式(II)の誘
    導体の1位アミノ基以外のアミノ基の全部又は一部をア
    ミノ保護基で保護されたアミノ保護誘導体の1位のアミ
    ノ基を、次の一般式(III) (式中、Yは水素原子であるか、あるいは接触還元で脱
    離できるヒドロキシル保護基である)で示される(2S,4
    R)−又は(2S,4S)−5−アジド−4−フルオロ−2−ヒ
    ドロキシ吉草酸又はそれのヒドロキシル基を保護された
    誘導体、あるいは一般式(III)の吉草酸誘導体又はこれ
    の保護誘導体の活性エステルでアシル化し、これによっ
    て次の一般式(IV) (式中、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 及びYは前記に
    定義された意味をもつ)で示される1−N−アシル化生
    成物又はこれの保護誘導体を生成し、次いでこれを接触
    還元に付して式(IV)の化合物のアジド基(−N3 )をア
    ミノ基に転化し且つYが接触還元で脱離できるヒドロキ
    シ保護基である場合には基Yをも脱離し、これによって
    次の一般式(V) (式中、R1 、R2 、R3 、R4 及びR5 は前記に定義
    された意味をもつ)の化合物又はこれのアミノ保護誘導
    体を生成し、次に、一般式(V)の化合物が残留したア
    ミノ保護基を有する場合には、一般式(V)の化合物の
    アミノ保護誘導体から、残留したアミノ保護基を脱離す
    ることから成る、次の一般式(I) 〔式中、(i) R1 、R2 及びR3 の各々が水酸基であ
    り、R4 が水酸基又はフルオロ基であってR5 が水素原
    子であるか、又はR4 が水素原子であってR5 がフルオ
    ロ基であり、もしくは(ii)R1 が水素原子又はフルオ
    ロ基であり、R2 及びR5 の各々が水素原子であってR
    3 及びR4 の各々が水酸基であり、もしくは(iii) R1
    がアミノ基であり、R2 、R3 及びR4 の各々が水酸基
    であってR5が水素原子であるか、又はR2 及びR3 の
    各々が水酸基であってR4 及びR5 の何れか一方がフル
    オロ基で他方が水素原子であり、もしくは(iV)R1 がア
    ミノ基であり、R2 が水素原子であり、R3 及びR4 の
    各々が水酸基であってR5 が水素原子であるか、又はR
    3 が水酸基であってR4 及びR5 の何れか一方がフルオ
    ロ基で他方が水素原子であり、もしくは(v) R1 がアミ
    ノ基であり、R2 、R3及びR5 の各々が水素原子であ
    ってR4 が水酸基であるか、又はR2 及びR3 の各々が
    水素原子であってR4 及びR5 の何れか一方がフルオロ
    基で他方が水素原子である〕で示される1−N−〔(2
    S,4R)−又は(2S,4S)−5−アミノ−4−フルオロ−2
    −ヒドロキシバレリル〕カナマイシンA又はBあるいは
    その誘導体の製造法。
  11. 【請求項11】 次の一般式(II) 〔式中、(i) R1 、R2 及びR3 の各々が水酸基であ
    り、R4 が水酸基又はフルオロ基であってR5 が水素原
    子であるか、又はR4 が水素原子であってR5 がフルオ
    ロ基であり、もしくは(ii)R1 が水素原子又はフルオ
    ロ基であり、R2 及びR5 の各々が水素原子であってR
    3 及びR4 の各々が水酸基であり、もしくは(iii) R1
    がアミノ基であり、R2 、R3 及びR4 の各々が水酸基
    であってR5が水素原子であるか、又はR2 及びR3 の
    各々が水酸基であってR4 及びR5 の何れか一方がフル
    オロ基で他方が水素原子であり、もしくは(iv)R1 がア
    ミノ基であり、R2 が水素原子であり、R3 及びR4 の
    各々が水酸基であってR5 が水素原子であるか、又はR
    3 が水酸基であってR4 及びR5 の何れか一方がフルオ
    ロ基で他方が水素原子であり、もしくは(v) R1 がアミ
    ノ基であり、R2 、R3及びR5 の各々が水素原子であ
    ってR4 が水酸基であるか、又はR2 及びR3 の各々が
    水素原子であってR4 及びR5 の何れか一方がフルオロ
    基で他方が水素原子である〕で示されるカナマイシンA
    又はBあるいはその誘導体、もしくは一般式(II)の誘
    導体の1位アミノ基以外のアミノ基の全部又は一部をア
    ミノ保護基で保護されたアミノ保護誘導体の1位アミノ
    基を、次の一般式(VI) (式中、Yは水素原子であるか、あるいは接触還元で脱
    離できるヒドロキシル保護基であり、Zは水素原子又は
    アミノ保護基である)で示される(2S,4R)−又は(2S,4
    S)−5−アミノ−4−フルオロ−2−ヒドロキシ吉草酸
    又はそれのヒドロキシル基及び(又は)アミノ基を保護
    された誘導体、あるいは一般式(VI)の吉草酸誘導体又
    はこれの保護誘導体の活性エステルでアシル化し、これ
    によって次の一般式(VII) (式中、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 、Y及びZは前
    記に定義された意味をもつ)で示される1−N−アシル
    化生成物又はこれのアミノ保護誘導体を生成し、また、
    一般式(VII)の化合物のアミノ保護誘導体が生成した場
    合にこれから、残留したヒドロキシル保護基とアミノ保
    護基を脱離することから成る、次の一般式(I) 〔式中、(i) R1 、R2 及びR3 の各々が水酸基であ
    り、R4 が水酸基又はフルオロ基であってR5 が水素原
    子であるか、又はR4 が水素原子であってR5 がフルオ
    ロ基であり、もしくは(ii)R1 が水素原子又はフルオ
    ロ基であり、R2 及びR5 の各々が水素原子であってR
    3 及びR4 の各々が水酸基であり、もしくは(iii) R1
    がアミノ基であり、R2 、R3 及びR4 の各々が水酸基
    であってR5が水素原子であるか、又はR2 及びR3 の
    各々が水酸基であってR4 及びR5 の何れか一方がフル
    オロ基で他方が水素原子であり、もしくは(iv)R1 がア
    ミノ基であり、R2 が水素原子であり、R3 及びR4 の
    各々が水酸基であってR5 が水素原子であるか、又はR
    3 が水酸基であってR4 及びR5 の何れか一方がフルオ
    ロ基で他方が水素原子であり、もしくは(v) R1 がアミ
    ノ基であり、R2 、R3及びR5 の各々が水素原子であ
    ってR4 が水酸基であるか、又はR2 及びR3 の各々が
    水素原子であってR4 及びR5 の何れか一方がフルオロ
    基で他方が水素原子である〕で示される1−N−〔(2
    S,4R)−又は(2S,4S)−5−アミノ−4−フルオロ−2
    −ヒドロキシバレリル〕カナマイシンA又はBあるいは
    その誘導体の製造法。
  12. 【請求項12】 次式(VIII) (式中、Y′は水素原子又はベンジル基である)で示さ
    れる(2S,4R)−又は(2S,4S) −5−アジド−4−フルオ
    ロ−2−ヒドロキシ−吉草酸あるいは(2S,4R)−又は(2
    S,4S) −5−アジド−2−ベンジルオキシ−4−フルオ
    ロ吉草酸。
  13. 【請求項13】 次式(IX) (式中、Y″は水素原子又はベンジル基である)で示さ
    れる(2S,4R)−又は(2S,4S) −5−アミノ−4−フルオ
    ロ−2−ヒドロキシ吉草酸あるいは(2S,4R)−又は(2
    S,4S)−5−アミノ−2−ベンジルオキシ−4−フルオ
    ロ吉草酸。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP1710248A4 (en) * 2004-01-21 2009-05-27 Meiji Seika Kaisha NEW AMINOGLYCOSIDE ANTIBIOTICS WITH EFFECT ON METHICILLIN-RESISTANT STAPHYLOCOCCUS AUREUS (MRSA)

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