JPH03875B2 - - Google Patents
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- JPH03875B2 JPH03875B2 JP57193436A JP19343682A JPH03875B2 JP H03875 B2 JPH03875 B2 JP H03875B2 JP 57193436 A JP57193436 A JP 57193436A JP 19343682 A JP19343682 A JP 19343682A JP H03875 B2 JPH03875 B2 JP H03875B2
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- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07H—SUGARS; DERIVATIVES THEREOF; NUCLEOSIDES; NUCLEOTIDES; NUCLEIC ACIDS
- C07H15/00—Compounds containing hydrocarbon or substituted hydrocarbon radicals directly attached to hetero atoms of saccharide radicals
- C07H15/20—Carbocyclic rings
- C07H15/22—Cyclohexane rings, substituted by nitrogen atoms
- C07H15/222—Cyclohexane rings substituted by at least two nitrogen atoms
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- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61P—SPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
- A61P31/00—Antiinfectives, i.e. antibiotics, antiseptics, chemotherapeutics
- A61P31/04—Antibacterial agents
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- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
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- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
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Description
本発明は半合成アミノ配糖体抗生物質として有
用な新規化合物である3−デメトキシイスタマイ
シンBおよび3−デメトキシ−2″−N−ホルムイ
ミドイルイスタマイシンBに関するものである。 本発明者らは、放線菌に属する新菌株ストレプ
トミセス・テンジマリエンシスSS−939号株が生
産する新アミノ配糖体抗生物質イスタマイシン
A,B,AoおよびBoを発見した(特開昭55−
145697号および特開昭56−43295号)。また、本発
明者らが合成したジ−N6′,O3−デメチルイスタ
マイシンA(特開昭56−138180号)は、緑膿菌に
対してイスタマイシンAより強い抗菌力を示し
た。そこで、本発明者らはイスタマイシンAより
抗菌力の強いイスタマイシンBの3−O−デメチ
ル誘導体を合成し、3−O−デメチルイスタマイ
シンBおよび3−O−デメチル−2″−N−ホルム
イミドイルイスタマイシンBが緑膿菌のみなら
ず、各種の耐菌性に有効であることを見いだした
(特開昭57−50996号)。 さらに今回、本発明者らは、これらの3−O−
デメチル誘導体合成の際の中間体として用いられ
た次式() で表わされる3−O−デメチルイスタマイシン
Bo(前出の特開昭57−50996号公報参照)を出発
原料として利用して、新規化合物として3−デメ
トキシイスタマイシンBおよび3−デメトキシ−
2″−N−ホルムイミドイルイスタマイシンBを合
成することに成功し、これら新規化合物が緑膿菌
のみならず、アミノ配糖体抗生物質の各種の耐性
菌を含むグラム陽・陰性菌の発育を強力に阻止す
ることを確認して本発明を完成した。 すなわち、本発明は、新規化合物としての一般
式() 〔式中Rは水素原子またはホルムイミドイル基
を示す〕で表わされる3−デメトキシイスタマイ
シンB(Rが水素原子の場合)および3−デメト
キシ−2″−N−ホルムイミドイルイスタマイシン
B(Rがホルムイミドイル基(HN=CH−)の場
合)、およびそれらの酸付加塩に関する。 一般式()のこれらの新規化合物の理化学的
ならびに生物学的性状は次のとおりである。 (イ) 3−デメトキシイスタマイシンBの2水和物
は吸湿性の白色粉末で、分解点88〜92℃、〔α〕
24 D+147゜(c0.35、水)を示した。元素分析値は
C49.02%、H9.85%、N17.41%を示し、
C16H33N5O4・2H2Oの理論値(C48.59%、
H9.43%、N17.71%)に合致した。 (ロ) 3−デメトキシ−2″−N−ホルムイミドイル
イスタマイシンBの2硫酸塩4水和物は白色粉
末で、分解点201〜220℃、〔α〕24 D+89゜(c0.5、
水)を示した。元素分析値はC31.22%,H6.70
%、N12.13%,S9.90%を示し、C17H34N6O4・
2H2SO4・4H2Oの理論値(C31.19%,H7.08
%,N12.83%,S9.77%)に合致した。 本発明で得られた3−デメトキシイスタマイシ
ンB・2水和物(DB)および3−デメトキシ−
2″−N−ホルムイミドイルイスタマイシンB・2
硫酸塩・4水和物(DFB)の抗菌スペクトル
(MIC(mcg/ml)但し最低発育阻止濃度は遊離
塩基換算値で示す)をイスタマイシンB(B)のそれ
と比較して第一表に示した。その結果、両物質と
もイスタマイシンBよりすぐれた抗菌力を有する
ことが確認された。
用な新規化合物である3−デメトキシイスタマイ
シンBおよび3−デメトキシ−2″−N−ホルムイ
ミドイルイスタマイシンBに関するものである。 本発明者らは、放線菌に属する新菌株ストレプ
トミセス・テンジマリエンシスSS−939号株が生
産する新アミノ配糖体抗生物質イスタマイシン
A,B,AoおよびBoを発見した(特開昭55−
145697号および特開昭56−43295号)。また、本発
明者らが合成したジ−N6′,O3−デメチルイスタ
マイシンA(特開昭56−138180号)は、緑膿菌に
対してイスタマイシンAより強い抗菌力を示し
た。そこで、本発明者らはイスタマイシンAより
抗菌力の強いイスタマイシンBの3−O−デメチ
ル誘導体を合成し、3−O−デメチルイスタマイ
シンBおよび3−O−デメチル−2″−N−ホルム
イミドイルイスタマイシンBが緑膿菌のみなら
ず、各種の耐菌性に有効であることを見いだした
(特開昭57−50996号)。 さらに今回、本発明者らは、これらの3−O−
デメチル誘導体合成の際の中間体として用いられ
た次式() で表わされる3−O−デメチルイスタマイシン
Bo(前出の特開昭57−50996号公報参照)を出発
原料として利用して、新規化合物として3−デメ
トキシイスタマイシンBおよび3−デメトキシ−
2″−N−ホルムイミドイルイスタマイシンBを合
成することに成功し、これら新規化合物が緑膿菌
のみならず、アミノ配糖体抗生物質の各種の耐性
菌を含むグラム陽・陰性菌の発育を強力に阻止す
ることを確認して本発明を完成した。 すなわち、本発明は、新規化合物としての一般
式() 〔式中Rは水素原子またはホルムイミドイル基
を示す〕で表わされる3−デメトキシイスタマイ
シンB(Rが水素原子の場合)および3−デメト
キシ−2″−N−ホルムイミドイルイスタマイシン
B(Rがホルムイミドイル基(HN=CH−)の場
合)、およびそれらの酸付加塩に関する。 一般式()のこれらの新規化合物の理化学的
ならびに生物学的性状は次のとおりである。 (イ) 3−デメトキシイスタマイシンBの2水和物
は吸湿性の白色粉末で、分解点88〜92℃、〔α〕
24 D+147゜(c0.35、水)を示した。元素分析値は
C49.02%、H9.85%、N17.41%を示し、
C16H33N5O4・2H2Oの理論値(C48.59%、
H9.43%、N17.71%)に合致した。 (ロ) 3−デメトキシ−2″−N−ホルムイミドイル
イスタマイシンBの2硫酸塩4水和物は白色粉
末で、分解点201〜220℃、〔α〕24 D+89゜(c0.5、
水)を示した。元素分析値はC31.22%,H6.70
%、N12.13%,S9.90%を示し、C17H34N6O4・
2H2SO4・4H2Oの理論値(C31.19%,H7.08
%,N12.83%,S9.77%)に合致した。 本発明で得られた3−デメトキシイスタマイシ
ンB・2水和物(DB)および3−デメトキシ−
2″−N−ホルムイミドイルイスタマイシンB・2
硫酸塩・4水和物(DFB)の抗菌スペクトル
(MIC(mcg/ml)但し最低発育阻止濃度は遊離
塩基換算値で示す)をイスタマイシンB(B)のそれ
と比較して第一表に示した。その結果、両物質と
もイスタマイシンBよりすぐれた抗菌力を有する
ことが確認された。
【表】
【表】
本発明における3−デメトキシイスタマイシン
Bおよび3−デメトキシ−2″−N−ホルムイミド
イルイスタマイシンBは、いずれも硫酸塩の形
で、マウスに対する静脈内投与による急性毒性試
験(14日間観察)をおこなつたところ、いずれも
100mg/Kg(遊離塩基換算値)の投与量でマウス
は生存し、低毒性であることが示された。 本発明における3−デメトキシイスタマイシン
Bおよび3−デメトキシ−2″−N−ホルムイミド
イルイスタマイシンBは、遊離塩基または水和物
または炭酸塩として得ることができるが、通常の
方法により薬学的に許容できる酸を加えけてそれ
らの任意の無毒性の酸付加塩とすることが、それ
らの安定性に関連して、より好ましい。付加すべ
き酸としては、塩酸、臭化水素酸、硫酸、燐酸、
硝酸などの無機酸、酢酸、リンゴ酸、クエン酸、
アスコルビン酸、メタンスルホン酸などの有機酸
が用いられる。 なお、渡辺らの出願に係かる特開昭56−164197
号公報には、KA−6606,KA−6606,KA−
6606の夫々の5−デメトキシ体、KA−6606
の5−デメトキシ−4−N−グリシル体ならびに
KA−7038,KA−7038の夫々の5−デメト
キシ体が記載され、これら5−デメトキシ体は次
の一般式 で包括的に表現されているが、この明細書中には
イスタマイシンBについて全く触れる処がなく、
本発明の3−デメトキシイスタマイシンBはその
一般式()における1位アミノ基の立体配位お
よび/または5′位の置換基の種類の点で特開昭56
−164197号公報に示された具体例化合物と明らか
に区別される。また、渡辺らの出願になる特開昭
57−7493号公報には、KA−6606の4−N−
(N−ホルムイミドイルグリシル)体、4−N−
(N−ホルムイミドイルグリシル)−5−デメトキ
シ体、4−N−(N−アミジノグリシル)−5−デ
メトキシ体及びその他が記載され、これらは次の
一般式 で包括的に表現されているが、この明細書はイス
タマイシンBに全く触れず、本発明の3−デメト
キシ−2″−N−ホルムイミドイルイスタマイシン
Bが特開昭57−7493号公報に示された具体例化合
物と区別されることは前記の場合と同様である。 本発明による一般式() 〔式中Rは水素原子またはホルムイミドイル基
を示す〕で表わされる3−デメトキシイスタマイ
シンB〔Rが水素原子の場合〕の製造は、次式
() で表わされる3−O−デメチルイスタマイシン
Bo(前出の特開昭57−50996号公報参照)を出発
原料として、その1位,2′位および6′位のアミノ
基またはメチルアミノ基を公知のアミノ保護基で
保護し、続いて4位のメチルアミノ基とシスの関
係にある5位の水酸基を同時に保護して、3位の
水酸基を除くすべてのアミノ基、メチルアミノ基
および水酸基を保護したのち、残る3位の水酸基
をデオキシ化し、さらに4位、5位の保護基を除
去して次式() 〔式中Rは1価のアミノ保護基を示す〕で表わ
される化合物を生成し、4位のメチルアミノ基
を、アミノ基を保護したグリシンでアシル化し、
次いですべてのアミノ保護基を脱離することによ
つて実施できる。 また、本発明における3−デメトキシ−2″−N
−ホルムイミドイルイスタマイシンB〔一般式
()においてRがHN=CH−である場合〕の製
造は、上記の式()の化合物の4位のメチルア
ミノ基を、1位、2′位および6′位のアミノ基また
はメチルアミノ基に使用したアミノ保護基と異な
るアミノ保護基で保護したグリシンでアシル化
し、次いでそのグリシンのアミノ基を保護したア
ミノ保護基のみを選択的に脱保護し、一般式
() 〔式中Rは1価のアミノ保護基を示す〕で表わ
される化合物とし、その2″位のアミノ基をアミジ
ン基に変換し、さらに1位、2′位および6′位のア
ミノ保護基を脱離することによつて実施できる。 次に本発明の方法の好ましい実施法を述べる。 3−O−デメチルイスタマイシンBoの1位、
2′位および6′位のアミノ基またはメチルアミノ基
を保護する通常の1価のアミノ保護基としては、
第三ブトキシカルボニル基および第三アミロキシ
カルボニル基などのアルコキシカルボニル基、シ
クロヘキシルオキシカルボニル基などのシクロア
ルキルオキシカルボニル基、ベンジルオキシカル
ボニル基などのアラルキルオキシカルボニル基、
トリフロロアセチル基などのアシル基などがあげ
られる。これらのアミノ保護基の導入はペプチド
合成などで用いられる公知の方法により、例えば
酸ハライド、酸アジド、活性エステル、酸無水物
などの形で公知のアミノ保護基導入剤を用いるこ
とができる。これらのアミノ保護基導入剤を3−
O−デメチルイスタマイシンBoに対して2.5〜3.5
モル当量の範囲で用いることにより、各アミノ基
またはメチルアミノ基の反応性の差異により、
1,2′,6′−トリ−N−保護体を優先的に得るこ
とができる。好ましくは、3−O−デメチルイス
タマイシンBoを1〜3モル当量の銅、ニツケル、
コバルト、亜鉛などの2価の金属カチオンと反応
させて金属錯体を形成させ、これにアミノ保護導
入剤を3〜5モル当量作用させることにより、高
収率で1,2′,6′−トリ−N−保護体を得ること
ができる。 相隣る4位のメチルアミノ基と5位の水酸基は
シス関係にあり、この両者を同時に保護するには
環状カルバメートの形で保護する技法を使用する
ことが最も好ましい。無水溶媒中で当モルのカル
ボニルジイミダゾールによつて、また、アルキル
またはアリルクロロホーメートと水素化ナトリウ
ムなどの塩基の反応によつて高収率に4,5−環
状カルバメート体を得ることができる。 3位の水酸基のデオキシ化反応は、アミノ配糖
体抗生物質に用いられる通常の方法で実施され
る。例えば水酸基をアルキルスルホニル化または
アリールスルホニル化したのち、ナトリウムハラ
イドによつてハロゲン化し、さらに接触還元また
は水素化金属によつて還元することによつて容易
にデオキシ化される。さらに好ましくは、無水ピ
リジン中塩化スルフリルの反応によつて直接クロ
ル化し、続いて接触還元または水素化金属によつ
て還元して脱クロル化してデオキシ化することが
できる。水素化金属としては水素化トリブチル錫
などが好んで用いられる。 4,5−環状カルバメート基を脱離するには、
水酸化バリウムなどによるアルカリ加水分解で容
易に行なうことができる。かくして得られた式
()で表わされる3−デメトキシイスタマイシ
ンBoの1,2′,6′−トリ−N−保護体は、本発明
における重要な中間体である。 この1,2′,6′−トリ−N−保護体の4位のメ
チルアミノ基をグリシル化する反応はジシクロヘ
キシルカルボジイミド法、混合酸無水物法、アジ
ド法、活性エステル法などあらゆる既知のペプチ
ド合成法を適用してグリシンまたはその反応性誘
導体を作用させて実施できる。グリシンのアミノ
基は、このアシル化反応のためには、あらかじめ
通常のアミノ保護基で保護されることが好まし
く、3−デメトキシイスタマイシンBの製造の際
には1位、2′位および6′位のアミノ基またはメチ
ルアミノ基を保護するのに使用した同じアミノ保
護基を用いるのが便利である。しかし、3−デメ
トキシ−2″−N−ホルムイミドイルイスタマイシ
ンBの製造の際には、1位、2′位および6′位のア
ミノ基またはメチルアミノ基を保護したアミノ保
護基とは区別して容易に脱離することができるア
ミノ保護基でなければならない。 アミノ保護基の脱離反応によつて、アラルキル
オキシカルボニル基の場合には、パラジウム、酸
化白金などを触媒とする加水分解によつて、その
他のアミノ保護基の場合には一般に、トリフロロ
酢酸、酢酸などの水溶液、または塩酸などの希薄
溶液中で処理する加水分解によつて行なわれる。
これらの各アミノ保護基の脱離条件によつて、グ
リシンのアミノ基の保護基が選択される。 2″位のアミノ保護基の選択的脱離によつて得ら
れた3−デメトキシイスタマイシンBの1,2′,
6′−トリ−N−保護体〔一般式()〕の2″位の
アミノ基をアミジン基に変換するに当つては、エ
チルホルムイミデード塩酸塩やベンジルホルムイ
ミデート塩酸塩などのイミノエーテルの塩酸塩
(R′OCH=NH・HCl)を使用してジオキサン、
メタノールなどの有機溶媒中、または水溶液中で
30℃以下の温度で反応せしめる公知の方法で行な
うことができる。 得られた3−デメトキシ−2″−N−ホルムイミ
ドイルイスタマイシンBの1,2′,6′−トリ−N
−保護体のアミノ保護基は上述のごとき方法で脱
離して、目的とする3−デメトキシ−2″−N−ホ
ルムイミドイルイスタマイシンBを得ることがで
きる。3−デメトキシ−2″−N−ホルムイミドイ
ルイスタマイシンBはその安定性から任意の酸塩
として得ることが好ましい。 次に実施例を示して本発明を説明する。また、
本発明の原料となる3−O−デメチルイスタマイ
シンBは、本発明者らの特開昭57−50996号明細
書に記載の方法で製造することができ、これを参
考例として示した。 実施例 1 1,2′,6′−トリ−N−第三ブトキシカルボニ
ル−3−デメトキシイスタマイシンBoの合
成: (イ) 後記の参考例で示した方法で得られた3−O
−デメチルイスタマイシンBo2炭酸塩510mg
(1.16ミリモル)をメタノール20mlにとかし、
酢酸ニツケル4水和物〔Ni(OCOCH3)2・
4H2O〕680mg(2.72ミリモル)を加え、室温で
4.5時間撹拌した。これに2−(第三ブトキシカ
ルボニルオキシイミノ)−2−フエニルアセト
ニトリル(BOC−ON、米国アルドリツチ社
製)1.34g(5.45ミリモル)を加え室温で一夜
撹拌した反応液に濃アンモニア水2mlを加え、
30分撹拌したのち、減圧濃縮した。残渣をクロ
ロホルム40mlにとかし、同量の1Nアンモニア
水で3回、水で1回洗浄し、クロロホルム層を
無水硫酸ナトリウムで脱水したのち減圧濃縮し
た。残渣をシリカゲル(ワコーゲルC−200、
和光純薬製、100g)のカラムクロマトグラフ
イー(クロロホルム−メタノール−17%アンモ
ニア水、80:10:1で展開)で精製して1,
2′,6′−トリ−N−第三ブトキシカルボニル−
3−O−デメチルイスタマイシンBoの白色粉
末617mgを得た。収率86%。 (ロ) 前記(イ)で得られた1,2′,6′−トリ−N−第
三ブトキシカルボニル−3−O−デメチルイス
タマイシンBo560mg(0.906ミリモル)を無水
トルエン10mlにとかし、カルボニルジイミダゾ
ール162mg(0.997ミリモル)を加え、60℃で
2.5時間反応させた。トルエン20mlを加え、1N
アンモニア水で2回、水で1回洗浄し、トルエ
ン層を無水硫酸ナトリウムで脱水したのち、減
圧濃縮した。残渣をシリカゲル(ワコーゲルC
−200,80g)のカラムクロマトグラフイー
(酢酸エチル−トルエン、10:1で展開)で精
製して1,2′,6′−トリ−N−第三ブトキシカ
ルボニル−3−O−デメチルイスタマイシン
Bo−4,5−カルバメートの白色粉末472mgを
得た。収率81%。IR:1755cm-1(5員環カルバ
メート)。 (ハ) 前項(ロ)で得られた1,2′,6′−トリ−N−第
三ブトキシカルボニル−3−O−デメチルイス
タマイシンBo−4,5−カルバメート352mg
(0.547ミリモル)を無水ピリジン10mlにとか
し、アルゴン中−30℃に冷却し、塩化スルフリ
ル(SO2Cl2)0.12ml(1.62ミリモル)を滴加し
た。温度を徐々に−10℃まで上昇させ3.5時間
反応させた。反応溶液に水1.0mlを加えて0℃
で30分撹拌したのち減圧濃縮した。残渣をクロ
ロホルム30mlにとかし、10%硫酸水素カリウム
水溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、つづ
いて水で洗浄し、クロロホルム層を無水硫酸ナ
トリウムで脱水したのち、減圧濃縮した。残渣
をシリカゲル(ワコーゲルC−200,50g)の
カラムクロマトグラフイー(クロロホルム−メ
タノール、80:1で展開)で精製して1,2′,
6′−トリ−N−第三ブトキシカルボニル−3−
デメトキシ−3−エピ−クロロイスタマイシン
Bo−4,5−カルバメートの白色粉末360mgを
得た。収率99%。 (ニ) 前記(ハ)で得られた1,2′,6′−トリ−N−第
三ブトキシカルボニル−3−デメトキシ−3−
エピ−クロロイスタマイシンBo−4,5−カ
ルバメートの白色粉末347mg(0.523ミリモル)
を無水トルエン12mlにとかし、水素化トリブチ
ル錫0.6mlと触媒量のα,α−アゾビスイソブ
チロニトリルを加え、アルゴン気流中120℃で
3時間撹拌した。反応液をシリカゲル(ワコー
ゲルc−200,70g)のカラムにかけ、トルエ
ン100mlで洗浄したのち、酢酸エチル−トルエ
ン(3:1)で溶出し、1,2′,6′−トリ−N
−第三ブトキシカルボニル−3−デメトキシイ
スタマイシンBo−4,5−カルバメートの白
色粉末306mgを得た。収率93%。 (ホ) 前項(ニ)で得られた1,2′,6′−トリ−N−第
三ブトキシカルボニル−3−デメトキシイスタ
マイシンBo−4,5,−カルバメート293mg
(0.466ミリモル)をジオキサン10mlにとかし、
0.2M水酸化バリウム5mlを加え、100℃で一夜
撹拌した。炭酸ガスで中和後、不溶物を別
し、ジオキサンで洗浄した。液と洗液を合し
て減圧濃縮し、残渣をシリカゲル(ワコーゲル
C−200,30g)のカラムクロマトグラフイー
(クロロホルム−メタノール−17%アンモニア
水、80:10:1で展開)で精製して1,2′,
6′−トリ−N−第三ブトキシカルボニル−3−
デメトキシイスタマイシンBoの白色粉末255mg
を得た。収率90%。分解点131〜135℃、〔α〕20 D
+70゜(c0.3、クロロホルム)。 実施例 2 3−デメトキシイスタマイシンBの合成: 実施例1で得られた1,2′,6′−トリ−N−第
三ブトキシカルボニル−3−デメトキシイスタマ
イシンBo242mg(0.401ミリモル)をジオキサン
5mlにとかし、トリエチルアミン0.1mlおよびN
−(N−第三ブトキシカルボニルグリシルオキシ)
コハク酸イミド164mg(0.602ミリモル)を加え、
60℃で一夜撹拌した。反応液を濃縮乾固したの
ち、クロロホルム10mlにとかし、5%アンモニア
水および水で洗浄し、クロロホルム層を無水硫酸
ナトリウムで脱水し、濃縮乾固して1,2′,
6′2″−テトラ−N−第三ブトキシカルボニル−3
−デメトキシイスタマイシンBの粗粉末を得た。
これを90%トリフロロ酢酸2.2mlにとかし、室温
で45分間撹拌したのち、濃縮して得られた油状物
質をエーテルで洗浄して粉末を得た。これを水10
mlにとかし、アンバーライトCG−50(米国ロー
ム・アンド・ハース社製、NH4 +,20ml)のカラ
ムにかけ、水洗後、0.1,0.2,0.4,0.6,0.7Nア
ンモニア水各60mlで順次溶出した。0.6Nアンモ
ニア水で溶出した分画を集めて濃縮乾固し、3−
デメトキシイスタマイシンB(2水和物)78mgを
得た。収率49%。 実施例 3 3−デメトキシ−2″−N−ホルムイミドイルイ
スタマイシンBの合成: (イ) 実施例1の方法で得られた1,2′,6′−トリ
−N−第三ブトキシカルボニル−3−デメトキ
シイスタマイシンBo730mg(1.21ミリモル)を
ジオキサン12mlにとかし、トリエチルアミン
0.15mlおよびN−(ベンジルオキシカルボニル
グリシルオキシ)コハク酸イミド742mg(2.42
ミリモル)を加え、60℃で一夜撹拌した。反応
液を濃縮乾固したのち、クロロホルム20mlにと
かし、5%アンモニア水および水で洗浄し、ク
ロロホルム層を無水硫酸ナトリウムで脱水し、
濃縮乾固した。残渣をシリカゲル(ワコーゲル
C−200,50g)のカラムクロマトグラフイー
(酢酸エチル−トルエン、5:1で展開)で精
製して2″−N−ベンジルオキシカルボニル−
1,2′,6′−トリ−N−第三ブトキシカルボニ
ル−3−デメトキシイスタマイシンBの白色粉
末468mgを得た。収率49%。 (ロ) 前項(イ)で得られた2″−N−ベンジルオキシカ
ルボニル−1,2′,6′−トリ−N−第三ブトキ
シカルボニル−3−デメトキシイスタマイシン
B450mg(0.567ミリモル)をメタノール12ml、
水3ml、酢酸0.1mlの混液にとかし、5%パラ
ジウム−炭素触媒で水素気流中4時間加水分解
した。触媒を別し、液を減圧濃縮し、残渣
をクロロホルム30mlにとかし、1N水酸化ナト
リウムおよび水で洗浄後、クロロホルム層を無
水硫酸ナトリウムで脱水し、濃縮乾固して1,
2′,6′−トリ−N−第三ブトキシカルボニル−
3−デメトキシイスタマイシンB374mgを得た。
収率100%。 (ハ) 前項(ロ)で得られた1,2′,6′−トリ−N−第
三ブトキシカルボニル−3−デメトキシイスタ
マイシンB364mg(0.551ミリモル)をエタノー
ル10mlにとかし、エチルホルムイミデート塩酸
塩250mg(2.2ミリモル)を0℃で加えて1時間
撹拌し、さらに室温で一夜撹拌した。反応液を
濃縮乾固し、残渣を酢酸エチルで抽出した。不
溶分を別し、液を濃縮乾固した。残渣をセ
フアデツクスLH−20(スエーデン・フアルマ
シア社製、100ml)のカラムにかけ、酢酸エチ
ル−メタノール(5:1)の混液で展開し、
1,2′,6′−トリ−N−第三ブトキシカルボニ
ル−3−デメトキシ−2″−N−ホルムイミドイ
ルイスタマイシンB268mgを得た。これを90%
トリフロロ酢酸にとかし、室温で45分間撹拌し
たのち、減圧濃縮して得られた油状物質をエー
テルで洗浄して粉末を得た。これを水1mlにと
かし、アンバーライトIRA−400(米国ローム・
アンド・ハース社製、SO4 2-,12ml)のカラム
に通し、水で展開し、ニンヒドリン反応陽性の
分画を集めて濃縮乾固して硫酸塩の粗粉末を得
た。これをさらにカーボン(10ml)のカラムに
かけ、水で展開するクロマトグラフイーで精製
して、3−デメトキシ−2″−N−ホルムイミド
イルイスタマイシンB(2硫酸塩・4水和物)
の白色粉末112mgを得た。収率31%。 参考例 3−O−デメチルイスタマイシンBoの合成: イスタマイシンBo一炭酸塩500mg(1.27ミリモ
ル)を48%臭化水素酸50mlにとかし、封管中90〜
93℃で4時間加熱した。反応液を減圧下に濃縮乾
固したのち、50mlの水にとかし、7Mアンモニア
水でPH8.5とし、CM−セフアデツクスC−25(フ
アルマシア社製、NH4型)200mlを充填した塔
(21×550mm)にかけ、続いて0.15Mアンモニア水
(1120ml)と0.70Mアンモニア水(1120ml)によ
るグラジエント溶出を行なつた。溶出液を16mlづ
つ分画85〜102を集めて減圧下に濃縮乾固して3
−O−デメチルイスタマイシンBo・2炭酸塩の
白色粉末275mgを得た。収率49%。
Bおよび3−デメトキシ−2″−N−ホルムイミド
イルイスタマイシンBは、いずれも硫酸塩の形
で、マウスに対する静脈内投与による急性毒性試
験(14日間観察)をおこなつたところ、いずれも
100mg/Kg(遊離塩基換算値)の投与量でマウス
は生存し、低毒性であることが示された。 本発明における3−デメトキシイスタマイシン
Bおよび3−デメトキシ−2″−N−ホルムイミド
イルイスタマイシンBは、遊離塩基または水和物
または炭酸塩として得ることができるが、通常の
方法により薬学的に許容できる酸を加えけてそれ
らの任意の無毒性の酸付加塩とすることが、それ
らの安定性に関連して、より好ましい。付加すべ
き酸としては、塩酸、臭化水素酸、硫酸、燐酸、
硝酸などの無機酸、酢酸、リンゴ酸、クエン酸、
アスコルビン酸、メタンスルホン酸などの有機酸
が用いられる。 なお、渡辺らの出願に係かる特開昭56−164197
号公報には、KA−6606,KA−6606,KA−
6606の夫々の5−デメトキシ体、KA−6606
の5−デメトキシ−4−N−グリシル体ならびに
KA−7038,KA−7038の夫々の5−デメト
キシ体が記載され、これら5−デメトキシ体は次
の一般式 で包括的に表現されているが、この明細書中には
イスタマイシンBについて全く触れる処がなく、
本発明の3−デメトキシイスタマイシンBはその
一般式()における1位アミノ基の立体配位お
よび/または5′位の置換基の種類の点で特開昭56
−164197号公報に示された具体例化合物と明らか
に区別される。また、渡辺らの出願になる特開昭
57−7493号公報には、KA−6606の4−N−
(N−ホルムイミドイルグリシル)体、4−N−
(N−ホルムイミドイルグリシル)−5−デメトキ
シ体、4−N−(N−アミジノグリシル)−5−デ
メトキシ体及びその他が記載され、これらは次の
一般式 で包括的に表現されているが、この明細書はイス
タマイシンBに全く触れず、本発明の3−デメト
キシ−2″−N−ホルムイミドイルイスタマイシン
Bが特開昭57−7493号公報に示された具体例化合
物と区別されることは前記の場合と同様である。 本発明による一般式() 〔式中Rは水素原子またはホルムイミドイル基
を示す〕で表わされる3−デメトキシイスタマイ
シンB〔Rが水素原子の場合〕の製造は、次式
() で表わされる3−O−デメチルイスタマイシン
Bo(前出の特開昭57−50996号公報参照)を出発
原料として、その1位,2′位および6′位のアミノ
基またはメチルアミノ基を公知のアミノ保護基で
保護し、続いて4位のメチルアミノ基とシスの関
係にある5位の水酸基を同時に保護して、3位の
水酸基を除くすべてのアミノ基、メチルアミノ基
および水酸基を保護したのち、残る3位の水酸基
をデオキシ化し、さらに4位、5位の保護基を除
去して次式() 〔式中Rは1価のアミノ保護基を示す〕で表わ
される化合物を生成し、4位のメチルアミノ基
を、アミノ基を保護したグリシンでアシル化し、
次いですべてのアミノ保護基を脱離することによ
つて実施できる。 また、本発明における3−デメトキシ−2″−N
−ホルムイミドイルイスタマイシンB〔一般式
()においてRがHN=CH−である場合〕の製
造は、上記の式()の化合物の4位のメチルア
ミノ基を、1位、2′位および6′位のアミノ基また
はメチルアミノ基に使用したアミノ保護基と異な
るアミノ保護基で保護したグリシンでアシル化
し、次いでそのグリシンのアミノ基を保護したア
ミノ保護基のみを選択的に脱保護し、一般式
() 〔式中Rは1価のアミノ保護基を示す〕で表わ
される化合物とし、その2″位のアミノ基をアミジ
ン基に変換し、さらに1位、2′位および6′位のア
ミノ保護基を脱離することによつて実施できる。 次に本発明の方法の好ましい実施法を述べる。 3−O−デメチルイスタマイシンBoの1位、
2′位および6′位のアミノ基またはメチルアミノ基
を保護する通常の1価のアミノ保護基としては、
第三ブトキシカルボニル基および第三アミロキシ
カルボニル基などのアルコキシカルボニル基、シ
クロヘキシルオキシカルボニル基などのシクロア
ルキルオキシカルボニル基、ベンジルオキシカル
ボニル基などのアラルキルオキシカルボニル基、
トリフロロアセチル基などのアシル基などがあげ
られる。これらのアミノ保護基の導入はペプチド
合成などで用いられる公知の方法により、例えば
酸ハライド、酸アジド、活性エステル、酸無水物
などの形で公知のアミノ保護基導入剤を用いるこ
とができる。これらのアミノ保護基導入剤を3−
O−デメチルイスタマイシンBoに対して2.5〜3.5
モル当量の範囲で用いることにより、各アミノ基
またはメチルアミノ基の反応性の差異により、
1,2′,6′−トリ−N−保護体を優先的に得るこ
とができる。好ましくは、3−O−デメチルイス
タマイシンBoを1〜3モル当量の銅、ニツケル、
コバルト、亜鉛などの2価の金属カチオンと反応
させて金属錯体を形成させ、これにアミノ保護導
入剤を3〜5モル当量作用させることにより、高
収率で1,2′,6′−トリ−N−保護体を得ること
ができる。 相隣る4位のメチルアミノ基と5位の水酸基は
シス関係にあり、この両者を同時に保護するには
環状カルバメートの形で保護する技法を使用する
ことが最も好ましい。無水溶媒中で当モルのカル
ボニルジイミダゾールによつて、また、アルキル
またはアリルクロロホーメートと水素化ナトリウ
ムなどの塩基の反応によつて高収率に4,5−環
状カルバメート体を得ることができる。 3位の水酸基のデオキシ化反応は、アミノ配糖
体抗生物質に用いられる通常の方法で実施され
る。例えば水酸基をアルキルスルホニル化または
アリールスルホニル化したのち、ナトリウムハラ
イドによつてハロゲン化し、さらに接触還元また
は水素化金属によつて還元することによつて容易
にデオキシ化される。さらに好ましくは、無水ピ
リジン中塩化スルフリルの反応によつて直接クロ
ル化し、続いて接触還元または水素化金属によつ
て還元して脱クロル化してデオキシ化することが
できる。水素化金属としては水素化トリブチル錫
などが好んで用いられる。 4,5−環状カルバメート基を脱離するには、
水酸化バリウムなどによるアルカリ加水分解で容
易に行なうことができる。かくして得られた式
()で表わされる3−デメトキシイスタマイシ
ンBoの1,2′,6′−トリ−N−保護体は、本発明
における重要な中間体である。 この1,2′,6′−トリ−N−保護体の4位のメ
チルアミノ基をグリシル化する反応はジシクロヘ
キシルカルボジイミド法、混合酸無水物法、アジ
ド法、活性エステル法などあらゆる既知のペプチ
ド合成法を適用してグリシンまたはその反応性誘
導体を作用させて実施できる。グリシンのアミノ
基は、このアシル化反応のためには、あらかじめ
通常のアミノ保護基で保護されることが好まし
く、3−デメトキシイスタマイシンBの製造の際
には1位、2′位および6′位のアミノ基またはメチ
ルアミノ基を保護するのに使用した同じアミノ保
護基を用いるのが便利である。しかし、3−デメ
トキシ−2″−N−ホルムイミドイルイスタマイシ
ンBの製造の際には、1位、2′位および6′位のア
ミノ基またはメチルアミノ基を保護したアミノ保
護基とは区別して容易に脱離することができるア
ミノ保護基でなければならない。 アミノ保護基の脱離反応によつて、アラルキル
オキシカルボニル基の場合には、パラジウム、酸
化白金などを触媒とする加水分解によつて、その
他のアミノ保護基の場合には一般に、トリフロロ
酢酸、酢酸などの水溶液、または塩酸などの希薄
溶液中で処理する加水分解によつて行なわれる。
これらの各アミノ保護基の脱離条件によつて、グ
リシンのアミノ基の保護基が選択される。 2″位のアミノ保護基の選択的脱離によつて得ら
れた3−デメトキシイスタマイシンBの1,2′,
6′−トリ−N−保護体〔一般式()〕の2″位の
アミノ基をアミジン基に変換するに当つては、エ
チルホルムイミデード塩酸塩やベンジルホルムイ
ミデート塩酸塩などのイミノエーテルの塩酸塩
(R′OCH=NH・HCl)を使用してジオキサン、
メタノールなどの有機溶媒中、または水溶液中で
30℃以下の温度で反応せしめる公知の方法で行な
うことができる。 得られた3−デメトキシ−2″−N−ホルムイミ
ドイルイスタマイシンBの1,2′,6′−トリ−N
−保護体のアミノ保護基は上述のごとき方法で脱
離して、目的とする3−デメトキシ−2″−N−ホ
ルムイミドイルイスタマイシンBを得ることがで
きる。3−デメトキシ−2″−N−ホルムイミドイ
ルイスタマイシンBはその安定性から任意の酸塩
として得ることが好ましい。 次に実施例を示して本発明を説明する。また、
本発明の原料となる3−O−デメチルイスタマイ
シンBは、本発明者らの特開昭57−50996号明細
書に記載の方法で製造することができ、これを参
考例として示した。 実施例 1 1,2′,6′−トリ−N−第三ブトキシカルボニ
ル−3−デメトキシイスタマイシンBoの合
成: (イ) 後記の参考例で示した方法で得られた3−O
−デメチルイスタマイシンBo2炭酸塩510mg
(1.16ミリモル)をメタノール20mlにとかし、
酢酸ニツケル4水和物〔Ni(OCOCH3)2・
4H2O〕680mg(2.72ミリモル)を加え、室温で
4.5時間撹拌した。これに2−(第三ブトキシカ
ルボニルオキシイミノ)−2−フエニルアセト
ニトリル(BOC−ON、米国アルドリツチ社
製)1.34g(5.45ミリモル)を加え室温で一夜
撹拌した反応液に濃アンモニア水2mlを加え、
30分撹拌したのち、減圧濃縮した。残渣をクロ
ロホルム40mlにとかし、同量の1Nアンモニア
水で3回、水で1回洗浄し、クロロホルム層を
無水硫酸ナトリウムで脱水したのち減圧濃縮し
た。残渣をシリカゲル(ワコーゲルC−200、
和光純薬製、100g)のカラムクロマトグラフ
イー(クロロホルム−メタノール−17%アンモ
ニア水、80:10:1で展開)で精製して1,
2′,6′−トリ−N−第三ブトキシカルボニル−
3−O−デメチルイスタマイシンBoの白色粉
末617mgを得た。収率86%。 (ロ) 前記(イ)で得られた1,2′,6′−トリ−N−第
三ブトキシカルボニル−3−O−デメチルイス
タマイシンBo560mg(0.906ミリモル)を無水
トルエン10mlにとかし、カルボニルジイミダゾ
ール162mg(0.997ミリモル)を加え、60℃で
2.5時間反応させた。トルエン20mlを加え、1N
アンモニア水で2回、水で1回洗浄し、トルエ
ン層を無水硫酸ナトリウムで脱水したのち、減
圧濃縮した。残渣をシリカゲル(ワコーゲルC
−200,80g)のカラムクロマトグラフイー
(酢酸エチル−トルエン、10:1で展開)で精
製して1,2′,6′−トリ−N−第三ブトキシカ
ルボニル−3−O−デメチルイスタマイシン
Bo−4,5−カルバメートの白色粉末472mgを
得た。収率81%。IR:1755cm-1(5員環カルバ
メート)。 (ハ) 前項(ロ)で得られた1,2′,6′−トリ−N−第
三ブトキシカルボニル−3−O−デメチルイス
タマイシンBo−4,5−カルバメート352mg
(0.547ミリモル)を無水ピリジン10mlにとか
し、アルゴン中−30℃に冷却し、塩化スルフリ
ル(SO2Cl2)0.12ml(1.62ミリモル)を滴加し
た。温度を徐々に−10℃まで上昇させ3.5時間
反応させた。反応溶液に水1.0mlを加えて0℃
で30分撹拌したのち減圧濃縮した。残渣をクロ
ロホルム30mlにとかし、10%硫酸水素カリウム
水溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、つづ
いて水で洗浄し、クロロホルム層を無水硫酸ナ
トリウムで脱水したのち、減圧濃縮した。残渣
をシリカゲル(ワコーゲルC−200,50g)の
カラムクロマトグラフイー(クロロホルム−メ
タノール、80:1で展開)で精製して1,2′,
6′−トリ−N−第三ブトキシカルボニル−3−
デメトキシ−3−エピ−クロロイスタマイシン
Bo−4,5−カルバメートの白色粉末360mgを
得た。収率99%。 (ニ) 前記(ハ)で得られた1,2′,6′−トリ−N−第
三ブトキシカルボニル−3−デメトキシ−3−
エピ−クロロイスタマイシンBo−4,5−カ
ルバメートの白色粉末347mg(0.523ミリモル)
を無水トルエン12mlにとかし、水素化トリブチ
ル錫0.6mlと触媒量のα,α−アゾビスイソブ
チロニトリルを加え、アルゴン気流中120℃で
3時間撹拌した。反応液をシリカゲル(ワコー
ゲルc−200,70g)のカラムにかけ、トルエ
ン100mlで洗浄したのち、酢酸エチル−トルエ
ン(3:1)で溶出し、1,2′,6′−トリ−N
−第三ブトキシカルボニル−3−デメトキシイ
スタマイシンBo−4,5−カルバメートの白
色粉末306mgを得た。収率93%。 (ホ) 前項(ニ)で得られた1,2′,6′−トリ−N−第
三ブトキシカルボニル−3−デメトキシイスタ
マイシンBo−4,5,−カルバメート293mg
(0.466ミリモル)をジオキサン10mlにとかし、
0.2M水酸化バリウム5mlを加え、100℃で一夜
撹拌した。炭酸ガスで中和後、不溶物を別
し、ジオキサンで洗浄した。液と洗液を合し
て減圧濃縮し、残渣をシリカゲル(ワコーゲル
C−200,30g)のカラムクロマトグラフイー
(クロロホルム−メタノール−17%アンモニア
水、80:10:1で展開)で精製して1,2′,
6′−トリ−N−第三ブトキシカルボニル−3−
デメトキシイスタマイシンBoの白色粉末255mg
を得た。収率90%。分解点131〜135℃、〔α〕20 D
+70゜(c0.3、クロロホルム)。 実施例 2 3−デメトキシイスタマイシンBの合成: 実施例1で得られた1,2′,6′−トリ−N−第
三ブトキシカルボニル−3−デメトキシイスタマ
イシンBo242mg(0.401ミリモル)をジオキサン
5mlにとかし、トリエチルアミン0.1mlおよびN
−(N−第三ブトキシカルボニルグリシルオキシ)
コハク酸イミド164mg(0.602ミリモル)を加え、
60℃で一夜撹拌した。反応液を濃縮乾固したの
ち、クロロホルム10mlにとかし、5%アンモニア
水および水で洗浄し、クロロホルム層を無水硫酸
ナトリウムで脱水し、濃縮乾固して1,2′,
6′2″−テトラ−N−第三ブトキシカルボニル−3
−デメトキシイスタマイシンBの粗粉末を得た。
これを90%トリフロロ酢酸2.2mlにとかし、室温
で45分間撹拌したのち、濃縮して得られた油状物
質をエーテルで洗浄して粉末を得た。これを水10
mlにとかし、アンバーライトCG−50(米国ロー
ム・アンド・ハース社製、NH4 +,20ml)のカラ
ムにかけ、水洗後、0.1,0.2,0.4,0.6,0.7Nア
ンモニア水各60mlで順次溶出した。0.6Nアンモ
ニア水で溶出した分画を集めて濃縮乾固し、3−
デメトキシイスタマイシンB(2水和物)78mgを
得た。収率49%。 実施例 3 3−デメトキシ−2″−N−ホルムイミドイルイ
スタマイシンBの合成: (イ) 実施例1の方法で得られた1,2′,6′−トリ
−N−第三ブトキシカルボニル−3−デメトキ
シイスタマイシンBo730mg(1.21ミリモル)を
ジオキサン12mlにとかし、トリエチルアミン
0.15mlおよびN−(ベンジルオキシカルボニル
グリシルオキシ)コハク酸イミド742mg(2.42
ミリモル)を加え、60℃で一夜撹拌した。反応
液を濃縮乾固したのち、クロロホルム20mlにと
かし、5%アンモニア水および水で洗浄し、ク
ロロホルム層を無水硫酸ナトリウムで脱水し、
濃縮乾固した。残渣をシリカゲル(ワコーゲル
C−200,50g)のカラムクロマトグラフイー
(酢酸エチル−トルエン、5:1で展開)で精
製して2″−N−ベンジルオキシカルボニル−
1,2′,6′−トリ−N−第三ブトキシカルボニ
ル−3−デメトキシイスタマイシンBの白色粉
末468mgを得た。収率49%。 (ロ) 前項(イ)で得られた2″−N−ベンジルオキシカ
ルボニル−1,2′,6′−トリ−N−第三ブトキ
シカルボニル−3−デメトキシイスタマイシン
B450mg(0.567ミリモル)をメタノール12ml、
水3ml、酢酸0.1mlの混液にとかし、5%パラ
ジウム−炭素触媒で水素気流中4時間加水分解
した。触媒を別し、液を減圧濃縮し、残渣
をクロロホルム30mlにとかし、1N水酸化ナト
リウムおよび水で洗浄後、クロロホルム層を無
水硫酸ナトリウムで脱水し、濃縮乾固して1,
2′,6′−トリ−N−第三ブトキシカルボニル−
3−デメトキシイスタマイシンB374mgを得た。
収率100%。 (ハ) 前項(ロ)で得られた1,2′,6′−トリ−N−第
三ブトキシカルボニル−3−デメトキシイスタ
マイシンB364mg(0.551ミリモル)をエタノー
ル10mlにとかし、エチルホルムイミデート塩酸
塩250mg(2.2ミリモル)を0℃で加えて1時間
撹拌し、さらに室温で一夜撹拌した。反応液を
濃縮乾固し、残渣を酢酸エチルで抽出した。不
溶分を別し、液を濃縮乾固した。残渣をセ
フアデツクスLH−20(スエーデン・フアルマ
シア社製、100ml)のカラムにかけ、酢酸エチ
ル−メタノール(5:1)の混液で展開し、
1,2′,6′−トリ−N−第三ブトキシカルボニ
ル−3−デメトキシ−2″−N−ホルムイミドイ
ルイスタマイシンB268mgを得た。これを90%
トリフロロ酢酸にとかし、室温で45分間撹拌し
たのち、減圧濃縮して得られた油状物質をエー
テルで洗浄して粉末を得た。これを水1mlにと
かし、アンバーライトIRA−400(米国ローム・
アンド・ハース社製、SO4 2-,12ml)のカラム
に通し、水で展開し、ニンヒドリン反応陽性の
分画を集めて濃縮乾固して硫酸塩の粗粉末を得
た。これをさらにカーボン(10ml)のカラムに
かけ、水で展開するクロマトグラフイーで精製
して、3−デメトキシ−2″−N−ホルムイミド
イルイスタマイシンB(2硫酸塩・4水和物)
の白色粉末112mgを得た。収率31%。 参考例 3−O−デメチルイスタマイシンBoの合成: イスタマイシンBo一炭酸塩500mg(1.27ミリモ
ル)を48%臭化水素酸50mlにとかし、封管中90〜
93℃で4時間加熱した。反応液を減圧下に濃縮乾
固したのち、50mlの水にとかし、7Mアンモニア
水でPH8.5とし、CM−セフアデツクスC−25(フ
アルマシア社製、NH4型)200mlを充填した塔
(21×550mm)にかけ、続いて0.15Mアンモニア水
(1120ml)と0.70Mアンモニア水(1120ml)によ
るグラジエント溶出を行なつた。溶出液を16mlづ
つ分画85〜102を集めて減圧下に濃縮乾固して3
−O−デメチルイスタマイシンBo・2炭酸塩の
白色粉末275mgを得た。収率49%。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 一般式() 〔式中Rは水素原子またはホルムイミドイル基
を示す〕で表わされる3−デメトキシイスタマイ
シンBまたは3−デメトキシ−2″−N−ホルムイ
ミドイルイスタマイシンBおよびそれらの酸付加
塩。 2 3−デメトキシイスタマイシンB〔一般式
()においてRが水素原子の場合〕である特許
請求の範囲第1項記載の化合物。 3 3−デメトキシ−2″−N−ホルムイミドイル
イスタマイシンB〔一般式()においてRがホ
ルムイミドイル基(HN=CH−)の場合〕であ
る特許請求の範囲第1項記載の化合物。
Priority Applications (4)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP57193436A JPS5984899A (ja) | 1982-11-05 | 1982-11-05 | 3−デメトキシイスタマイシンb誘導体 |
| US06/545,686 US4479943A (en) | 1982-11-05 | 1983-10-26 | 3-Demethoxyistamycin B, the 2"-N-formimidoyl derivative thereof and pharmaceutical composition containing same |
| EP83306537A EP0108563B1 (en) | 1982-11-05 | 1983-10-27 | 3-demethoxyistamycin b and its 2"-n-formimidoyl derivative |
| DE8383306537T DE3372775D1 (en) | 1982-11-05 | 1983-10-27 | 3-demethoxyistamycin b and its 2"-n-formimidoyl derivative |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP57193436A JPS5984899A (ja) | 1982-11-05 | 1982-11-05 | 3−デメトキシイスタマイシンb誘導体 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS5984899A JPS5984899A (ja) | 1984-05-16 |
| JPH03875B2 true JPH03875B2 (ja) | 1991-01-09 |
Family
ID=16307949
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP57193436A Granted JPS5984899A (ja) | 1982-11-05 | 1982-11-05 | 3−デメトキシイスタマイシンb誘導体 |
Country Status (4)
| Country | Link |
|---|---|
| US (1) | US4479943A (ja) |
| EP (1) | EP0108563B1 (ja) |
| JP (1) | JPS5984899A (ja) |
| DE (1) | DE3372775D1 (ja) |
Families Citing this family (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS59216898A (ja) * | 1983-05-25 | 1984-12-06 | Microbial Chem Res Found | 3−デメトキシイスタマイシンbの低毒性誘導体 |
| JPS6042394A (ja) * | 1983-08-18 | 1985-03-06 | Kowa Co | 新規なアミノグリコシド及びその製法 |
| US4567165A (en) * | 1984-05-08 | 1986-01-28 | Zaidan Hojin Biseibutsu Kagaku Kenkyu Kai | N-Methanesulfonic acid derivatives of 3-demethoxyistamycin B |
Family Cites Families (7)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US4232147A (en) * | 1979-09-26 | 1980-11-04 | Abbott Laboratories | 4-N-Acylfortimicin B-1,5-carbamates |
| US4382926A (en) * | 1980-04-01 | 1983-05-10 | Zaidan Hojin Biseibutsu Kagaku Kenkyu Kai | Formimidoyl A and B useful as semi-synthetic aminoglycosidic antibiotics |
| EP0040764B1 (en) * | 1980-05-22 | 1983-07-20 | Kowa Company, Ltd. | Novel aminoglycosides, and antibiotic use thereof |
| JPS56164197A (en) * | 1980-05-22 | 1981-12-17 | Kowa Co | Novel aminoglycoside |
| JPS577493A (en) * | 1980-06-17 | 1982-01-14 | Kowa Co | Novel aminoglycoside |
| JPS5740496A (en) * | 1980-08-22 | 1982-03-06 | Microbial Chem Res Found | Low toxic derivative of istamycin antibiotic |
| JPS5750996A (en) * | 1980-09-11 | 1982-03-25 | Microbial Chem Res Found | 3-o-demthylistamycin b derivative |
-
1982
- 1982-11-05 JP JP57193436A patent/JPS5984899A/ja active Granted
-
1983
- 1983-10-26 US US06/545,686 patent/US4479943A/en not_active Expired - Fee Related
- 1983-10-27 DE DE8383306537T patent/DE3372775D1/de not_active Expired
- 1983-10-27 EP EP83306537A patent/EP0108563B1/en not_active Expired
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| US4479943A (en) | 1984-10-30 |
| JPS5984899A (ja) | 1984-05-16 |
| EP0108563B1 (en) | 1987-07-29 |
| EP0108563A1 (en) | 1984-05-16 |
| DE3372775D1 (en) | 1987-09-03 |
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| JPS631949B2 (ja) |