JPH07258153A - 五環性化合物、その製造法および用途 - Google Patents

五環性化合物、その製造法および用途

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JPH07258153A
JPH07258153A JP5390894A JP5390894A JPH07258153A JP H07258153 A JPH07258153 A JP H07258153A JP 5390894 A JP5390894 A JP 5390894A JP 5390894 A JP5390894 A JP 5390894A JP H07258153 A JPH07258153 A JP H07258153A
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acid
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salt
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JP5390894A
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English (en)
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Yasushi Shintani
靖 新谷
Yasunori Funahashi
康昇 舟橋
Ryuichi Tozawa
隆一 兎沢
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Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Takeda Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 微小管重合阻害活性、スクアレン合成酵素阻
害活性、細胞増殖阻害活性および腫瘍転移抑制活性を有
する新規化合物の提供。 【構成】 一般式(I): 【化1】 (式中、R1はエステル化またはアミド化されていてもよ
いカルボキシル基を、R2、R3、R4、R5およびR6
それぞれエーテル化またはエステル化されていてもよい
水酸基を示す)で表される化合物またはその塩、その製
造法、その製造に用いる微生物ストレプトマイセス・ロ
セオグリセウスAL−28015、それを含有する微小
管重合阻害剤、スクアレン合成酵素阻害剤および腫瘍転
移抑制剤。 【効果】 本発明化合物は低毒性であり、微小管重合阻
害剤、スクアレン合成酵素阻害剤および腫瘍転移抑制剤
として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は微小管重合阻害活性、ス
クアレン合成酵素阻害活性、細胞増殖阻害活性および腫
瘍転移抑制活性を有する五環性化合物、その製造法およ
び用途に関する。
【0002】
【従来の技術】微小管は、アルファーチューブリンとベ
ーターチューブリン各1分子から成るヘテロ二量体を基
本単位として重合した、すべての真核生物に存在する細
胞内構造体であり、通常13本のプロトフィラメントか
らなる管状構造をもつ。細胞内の微小管の重合は、微小
管末端のチューブリンに結合したグアニンヌクレオチド
の水解反応に支配されており、この動的不安定性(微小
管ダイナミクス)が、有糸分裂、鞭毛・せん毛運動、オ
ルガネラの輸送、分泌機能、細胞骨格形成、生体膜機能
などの多岐にわたり中枢的な機能を果たす上で重要であ
ることが知られている[アニュアル・レビュー・オブ・
セル・バイオロジー(Annual Review ofCell Bio
logy)、、93(1991);アニュアル・レビュー・オ
ブ・バイオフィジックス・アンド・バイオモレキュラー
・ストラクチャー(Annual Review of Biophysics
and Biomolecular Structure)、21、145(1
992)]。
【0003】特に、真核生物の有糸分裂期(M期)の進行
において、微小管ダイナミクスの変化は生物現象におけ
る根幹的役割を担っている。すなわち、長くて安定な間
期型微小管はM期において不安定となり消失して、代わ
りに短くて不安定な紡錘体微小管が出現するのである
が、この微小管の再構築による紡錘体形成が起こらない
と真核生物細胞は有糸分裂を行えないからである[サイ
エンス(Science)、246、622(1989);セル(C
ell)、71、547(1992)]。微小管系に作用し有
糸分裂を阻害する薬剤は、少数の例外を除いてチューブ
リン結合能を有するが、臨床的にも有用な抗癌剤が多
い。植物由来の微小管作用剤のうち、微小管重合阻害剤
としてはコルヒチン(Colchicine)、ポドフィロトキシ
ン(Podophyllotoxin)、ビンブラスチン(Vinblastine)
類など[キャンサー・メディシン(Cancer Medicin
e)、、782(1993)]が、微小管重合促進剤とし
ては最近その優れた治療効果により注目されているタキ
ソール(Taxol)[ジャーナル・オブ・ザ・ナショナル・キャンサー・インスティチュート(J
ournal of the National Cancer Institute)、
82、1247(1990)]がある。さらに、微生物由
来の微小管重合阻害剤としては、アンサマイトシン(An
samitocin)類[ネイチャー(Nature)、270、721
(1977)]、リゾキシン(Rhizoxin)類[ジャーナル・
オブ・ザ・ナショナル・キャンサー・インスティチュー
ト(Journal of the National Cancer Institu
te)、84、494(1992)]、フォモプシンA(Phom
opsin A)[バイオケミカル・ファーマコロジー(Bioch
emical Pharmacology)、43、219(1992)]な
どがある。さらに海産動物由来のものとしてドラスタチ
ン(Dolastatin)類[バイオケミカル・ファーマコロジー
(Biochemical Pharmacology)、43、2637(19
92)]、ハリコンドリン(Halichondorin)[バイオケミ
カル・ファーマコロジー(Biochemical Pharmacolog
y)、45、421(1993)]なども報告されている。
【0004】一方、高コレステロール血症は、一般に、
高血圧、喫煙とともに虚血性心疾患の三大危険因子とし
て知られており、血中コレステロール値の適切なコント
ロールは、この虚血性心疾患の予防または治療の他に、
冠動脈硬化症の予防または治療に極めて重要である。血
中コレステロール値を低下させる薬剤としては、メリナ
ミド(Melinamide)(フランス特許第1476596号)
等のアシルコエンザイムAコレステロールアシル転移酵
素(ACAT)を阻害してコレステロールの生合成を抑制
する薬剤が注目されている。コレステロールの生合成抑
制薬剤として、特に3−ヒドロキシ−3−メチルグルタ
リルコエンザイムA(HMG−CoA)還元酵素を阻害す
るロバスタチン(Lovastatin)(米国特許第423193
8号)、シンバスタチン(Simvastatin)(米国特許第44
44784号)、プラバスタチン(Pravastatin)(米国特
許第4346227号)等が医薬に供されている。しか
し、HMG−CoA還元酵素を阻害するとコレステロー
ルの生合成以外に、ユビキノン、ドリコールやヘムAの
様な、その他の生体に必要な成分の生合成も阻害される
ため、それらに起因する副作用が懸念されている。
【0005】スクアレン合成酵素は、新たなコレステロ
ール生合成経路の必須段階に関与する酵素である。この
酵素は、2分子のファルネシルピロリン酸の還元二量化
を触媒してスクアレンを形成する酵素である。一方、ス
クアレン合成酵素を阻害することによるコレステロール
の生合成阻害が期待される化合物としては、含リン化合
物[ジャーナル・オブ・メディカル・ケミストリー(Jo
urnal of Medical Chemistry)、51、No.10、
1869−1871頁、1988年、特開平1−213
288号公報等]、キヌクリジン誘導体(WO9215
579号)などの合成化合物およびザラゴジック酸(米
国特許5,096,923号)などの天然物が知られてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】微小管重合阻害作用を
有する新規物質を見いだすことができれば、さらに毒性
の低い有用な抗腫瘍作用、腫瘍転移抑制作用あるいは多
剤耐性を獲得した癌種に対して有効な抗腫瘍作用を有す
る新しい抗癌剤の開発や、該新規物質を中間原料として
さらに優れた活性を示す新規物質の開発が期待される。
また、コレステロール生合成経路において、ファルネシ
ルピロリン酸以降の酵素系、特にスクアレン合成酵素を
特異的に阻害する新規物質を見いだすことができれば、
コレステロール生合成経路の上のファルネシルピロリン
酸から生合成されるユビキノン、ドリコール、ヘムA等
の欠損による副作用をなくすることができる。
【0007】
【課題を解決するための手段】このような事情に鑑み、
本発明者らは、強力で副作用の少ない微小管重合阻害剤
およびスクアレン合成酵素阻害剤を微生物代謝産物の中
に求め、後述する方法で鋭意探索した結果、ある種の五
環性新規化合物を培養液中より単離することに成功し、
これが微小管重合阻害作用、スクアレン合成酵素阻害作
用、細胞増殖阻害作用および腫瘍転移抑制作用を有する
ことを見いだした。これらの知見に基づき、さらに検討
した結果、本発明を完成するに至った。すなわち、本発
明は、(1)一般式(I):
【0008】
【化4】
【0009】(式中、R1はエステル化またはアミド化さ
れていてもよいカルボキシル基を、R2、R3、R4、R5
およびR6はエーテル化またはエステル化されていても
よい水酸基をそれぞれ示す)で表される化合物またはそ
の塩、(2)R1がカルボキシル基である上記(1)記
載の化合物、(3)式(I−A):
【0010】
【化5】
【0011】で表される上記(1)記載の化合物、
(4)式(I−B):
【0012】
【化6】
【0013】で表される上記(1)記載の化合物、
(5)ストレプトマイセス属に属し、式(I−A)で表
される化合物および/または式(I−B)で表される化
合物を生産する能力を有する微生物を培地に培養し、式
(I−A)で表される化合物および/または式(I−
B)で表される化合物を培地に生成蓄積せしめ、これを
採取することを特徴とする式(I−A)で表される化合
物および/または式(I−B)で表される化合物または
これらの塩の製造法、(6)微生物がストレプトマイセ
ス・ロセオグリセウスに属する微生物である上記(5)
記載の製造法、(7)微生物ストレプトマイセス・ロセ
オグリセウスAL−28015、(8)上記(1)記載
の化合物またはその塩を含有してなる微小管重合阻害
剤、(9)上記(1)記載の化合物またはその塩を含有
してなるスクアレン合成酵素阻害剤、および(10)上
記(1)記載の化合物またはその塩を含有してなる転移
抑制剤に関する。
【0014】上記一般式(I)中、R1で表されるエス
テル化またはアミド化されたカルボキシル基としては、
例えば合成中間体として用いられるもの、薬理学的に享
受しうるもの、あるいは生体内においてはじめて薬理学
的に享受しうるものに変化するもの等が用いられ、例え
ば一般式: −COOR7 (式中、R7は、エステル残基、例えばアルキル基、ア
リール基、アラルキル基、複素環基等を示す)で表され
る基、一般式: −CONR89 (式中、R8およびR9はそれぞれ、例えば水素、アルキ
ル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、
アシル基等を示し、R8、R9は隣接する窒素原子ととも
に複素環を形成してもよい)で示される基などがそれぞ
れ挙げられる。R7で示されるアルキル基としては、例
えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチ
ル、イソブチル、ペンチル、ヘキシル等の炭素数1ない
し6の直鎖もしくは分枝状のアルキル基等が挙げられ
る。好ましくは、炭素数1ないし3のアルキル基であ
る。R7で示されるアリール基としては、例えばフェニ
ル、トリル、キシリル、ビフェニル、1−または2−ナ
フチル、1−、2−または9−アントリル、1−、2
−、3−、4−または9−フェナントリル、1−、2
−、4−、5−または6−アズレニル等の炭素数6ない
し14のアリール等が挙げられる。好ましくは、炭素数
6ないし10のアリール基である。
【0015】R7で示されるアラルキル基としては、例
えば上記R7で示されるアリール基とアルキル基よりな
るアラルキル基、好ましくは炭素数7ないし19のアラ
ルキル基が挙げられる。具体的には、例えばベンジル、
1−フェニルエチル、2−フェニルエチル、1−フェニ
ルプロピル、2−フェニルプロピル、3−フェニルプロ
ピル、ジフェニルメチル、α−またはβ−ナフチル等、
さらにo−,m−またはp−メチルベンジル、o−,m−また
はp−エチルベンジル、o−,m−またはp−イソプロピル
ベンジル、o−,m−またはp−tert−ブチルベンジル、
2,3−、2,4−、2,5−、2,6−、3,4−または
3,5−ジメチルベンジル、2,3,4−、3,4,5−ま
たは2,4,6−トリメチルベンジル、5−イソプロピル
−2−メチルベンジル、2−イソプロピル−5−メチル
ベンジル、2−メチル−5−tert−ブチルベンジル、
2,4−、2,5−または3,5−ジイソプロピルベンジ
ル、3,5−ジ−tert−ブチルベンジル、1−(2−メチ
ルフェニル)エチル、1−(3−メチルフェニル)エチ
ル、1−(4−メチルフェニル)エチル、1−(2−イソ
プロピルフェニル)エチル、1−(3−イソプロピルフェ
ニル)エチル、1−(4−イソプロピルフェニル)エチ
ル、1−(2−tert−ブチルフェニル)エチル、1−(4
−tert−ブチルフェニル)エチル、1−(2−イソプロピ
ル−4−メチルフェニル)エチル、1−(4−イソプロピ
ル−2−メチルフェニル)エチル、1−(2,4−ジメチ
ルフェニル)エチル、1−(2,5−ジメチルフェニル)エ
チル、1−(3,5−ジメチルフェニル)エチル、1−
(3,5−ジ−tert−ブチルフェニル)エチル等が挙げら
れる。好ましくは、炭素数7ないし12のアラルキル基
である。
【0016】R7で示される複素環基としては、1〜4
個の窒素原子、酸素原子および/または硫黄原子を含
み、炭素原子上で結合する5または6員の複素環基が挙
げられる。その具体例としては、例えば、ピロリジニ
ル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、フリル、チ
エニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾ
リル、チアゾリル、ピペリジニル、ピリジル、ピリダジ
ニル、ピラジニル、ピペラジニル、ピリミジニル、イン
ドリル、1,2,3−トリアゾリル、1,2,4−トリアゾ
リル、1,3,4−トリアゾリル、テトラゾリル、1,3
−ジオキソラニル、モルホリニルなどが挙げられる。さ
らに該複素環基は、5または6員環(例、ベンゼン、ピ
リジン、シクロヘキサンなど)と縮合して2環性縮合環
基(例、8−キノリル、8−プリニルなど)を形成してい
てもよい。
【0017】R8またはR9で示されるアルキル基、アリ
ール基およびアラルキル基としては、それぞれ上記R7
で示される基として例示したものが挙げられる。R8
たはR9で示されるシクロアルキル基としては、例えば
炭素数3〜8のシクロアルキル基が挙げられる。その具
体例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロ
ペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオ
クチルなどが挙げられる。好ましくは、炭素数3〜6の
シクロアルキル基、例えばシクロプロピル、シクロブチ
ル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどである。
【0018】R8またはR9で示されるアシル基として、
好ましくは有機カルボン酸から誘導されるアシル基が挙
げられる。好ましい例としては、ホルミル基、アルカノ
イル基、アリールカルボニル基、アラルキルカルボニル
基、アルキルオキシカルボニル基、複素環カルボニル基
などが挙げられる。上記アシル基は、好ましくは、アル
カノイル基、アリールカルボニル基およびアルキルオキ
シカルボニル基である。アルカノイル(アルキルカルボ
ニル)基およびアルキルオキシカルボニル基におけるア
ルキル基、アリールカルボニル基におけるアリール基、
アラルキルカルボニル基におけるアラルキル基、および
複素環カルボニル基における複素環基としては、それぞ
れ例えば上記R7で示される基として例示したものが挙
げられる。該アシル基はさらに好ましくは炭素数2ない
し7のもの(例、アセチル、プロピオニル、ブチリル、
イソブチリル、バレリル、イソバレリル、ピバロイル、
ベンゾイル、ホルミルオキシ、メトキシカルボニル、エ
トキシカルボニル、プロポキシカルボニル、イソプロポ
キシカルボニル、ブトキシカルボニル、tert−ブトキシ
カルボニル、イソブトキシカルボニルなど)である。R8
とR9が隣接する窒素原子とともに形成される複素環基
としては1〜4個の窒素原子、酸素原子、硫黄原子を含
む5または6員の複素環基が挙げられる。その具体例と
しては、モルホリノ、ピペラジノ等が挙げられる。
【0019】上記R7、R8またはR9で示される各置換
基は、さらに適当な置換基(例、水酸基、C1-6アルキル
基で置換されていてもよいチオール基、カルボキシル
基、カルバモイル基、アミジノ基、グアニジノ基、複素
環基、C1-6アルキルでモノまたはジ置換されていても
よいアミノ基など)で1または2個置換されていてもよ
い。置換されていてもよいアミノ基および置換されてい
てもよいチオール基における置換基は、好ましくは、ア
ルキル基またはアラルキル基、さらに好ましくは、アル
キル基である。そのうちC1-6アルキル基(例、メチ
ル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブ
チル、ペンチル、ヘキシルなど)またはC7-12アラルキ
ル基(例、ベンジル、1−フェニルエチル、2−フェニ
ルエチルなど)がより好ましい。複素環基としては上記
7で示される基の−NR89で表される基として例示
したものが挙げられる。
【0020】上記R1としてはカルボキシル基が好まし
い。上記一般式(I)において、R2、R3、R4、R5また
はR6で示されるエーテル化された水酸基としては、例
えば一般式: −OR10 (式中、R10は、例えばアルキル基、アリール基、アラ
ルキル基、複素環基等を示す)で表される基が、エステ
ル化された水酸基としては、例えば一般式 −OR
11(式中、R11はアシル基等を示す)で表される基がそ
れぞれ挙げられる。R10で示されるアルキル基、アリー
ル基、アラルキル基、複素環基およびR11で示されるア
シル基としては、それぞれ、例えば上記R7で示される
基として例示したものがそれぞれ挙げられる。上記
2、R3、R4およびR6は水酸基が好ましい。上記R5
は水酸基またはC1-3アルコキシ基が好ましい。
【0021】上記一般式(I)で表される化合物またはそ
の塩には立体異性体が存在するが、それらの各異性体お
よびそれらの混合物も本発明に含まれる。また一般式
(I)で表される化合物は、塩を形成していてもよい。例
えば分子中にアミノ基等の塩基性基を有する場合、酸付
加塩を形成し、またカルボキシル基等の酸性基を有する
場合、塩基塩を形成してもよい。酸付加塩を形成する場
合の酸としては、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リ
ン酸などの無機酸;酢酸、安息香酸、コハク酸、酒石
酸、マレイン酸などの有機酸などが挙げられる。塩基塩
を形成する場合の塩基としては、例えば、ナトリウム、
カリウムなどのアルカリ金属;マグネシウム、カルシウ
ムなどのアルカリ土類金属;アンモニア、アルキルアミ
ン(例、メチルアミン、ジメチルアミン、トリエチルア
ミンなど)、ピリジンなどのアミン類などが挙げられ
る。
【0022】本発明の一般式(I)において、特に、R
1がカルボキシル基、R2、R3、R4およびR6がそれぞ
れ水酸基、およびR5がメトキシ基である上記式(I−
A)で表される化合物(以下、化合物(I−A)または
TAN−1532Aと称することがある)、およびR1
がカルボキシル基、およびR2、R3、R4、R5およびR
6がそれぞれ水酸基である上記式(I−B)で表される
化合物(以下、化合物(I−BまたはTAN−1532
B)と称することがある)が好ましい。
【0023】以下、一般式(I)で表される化合物また
はその塩の製造法について説明する。本発明の一般式
(I)で表される化合物またはその塩、特に化合物(I
−A)、化合物(I−B)およびそれらの塩は、好まし
くは、ストレプトマイセス属に属し、化合物(I−A)
および/または化合物(I−B)を生産する能力を有す
る微生物を培地に培養し、化合物(I−A)および/ま
たは化合物(I−B)を培地に生成蓄積せしめ、これを
採取することにより製造される。本発明の化合物(I−
A)または(I−B)の製造に用いることができる微生
物としては、例えばストレプトマイセス(Streptomyce
s)属に属する放線菌、好ましくは、ストレプトマイセス
・ロセオグリセウスに属する微生物が挙げられる。該微
生物として例えばインドの土壌から新たに分離された菌
株AL−28015が挙げられる。AL−28015株
について、インターナショナル・ジャーナル・オブ・シ
ステマティック・バクテリオロジー(International
Journal of SystematicBacteriology)、16、3
13−340(1966)記載の方法に準じて検討した菌
学的性状は下記のとおりである。尚、培地上の所見は特
に記載のないかぎり、28℃において14日間培養し、
観察したものである。
【0024】(i) 形態的特徴 気菌糸は、よく伸長分枝した基生菌糸から単純分枝状に
伸長しており、その先端に形成された胞子連鎖(通常1
0〜50個以上)は直線状ないし波状を呈する。輪生糸
は認められない。胞子は円筒計(φ1.1〜1.4×0.5
μm)を示し、その表面は平滑である。 (ii) 各種培地上で生育状態 各種培地における生育の程度(G)、気菌糸の生育および
色調(AM)、裏面の色調(R)、可溶性色素の有無および
色調(SP)などについて以下に列記する。色の記載につ
いて( )で示す標準色調記号は、コンティナー・コーポ
レーション・オブ・アメリカ(Container Corporatio
n of America)のザ・カラー・ハーモニー・マニュア
ル(The Color Harmony Manual)第4版、195
8年によった。
【0025】
【表1】
【0026】(iii) 生理的性質 (a) 生育温度範囲 : 14〜43℃ 最適生育温度範囲 : 24〜34℃ (b) 硝酸塩の還元 : 陰性 (c) ゼラチンの液化 : 陽性 (グルコース・ペプトン・ゼラチン培地) (d) 澱粉の加水分解 : 弱い陽性 (e) 脱脂乳の凝固 : 陰性 脱脂乳のペプトン化 : 陽性 (f) メラニン様色素の生成 チロシン寒天培地 : 陽性 ペプトン・酵母エキス・ 鉄寒天培地 : 陽性 (g) 炭素源の資化性 (プリードハム・ゴットリープ寒
天培地) L−アラビノース : ++ D−キシロース : ++ D−グルコース : ++ D−フラクトース : ++ シュクロース : ++ イノシトール : ++ L−ラムノース : ++ ラフィノース : ++ D−マンニット : ++ 対照 : − (注)++ : 比較的良好な生育 + : 生育を認める ± : +又は−の判定が困難 − : 生育せず
【0027】(iv) 菌体分析 長谷川らの方法(ジャーナル・オブ・ジェネラル・アプ
ライド・マイクロバイオロジー(Journal of Gener
al Applied Microbiology)29、319−322
(1983))に準じて分析したところ、菌体の塩酸加水
分解液中のジアミノピメリン酸は、LL−体であった。
【0028】以上の結果から本菌株は、気菌糸の色はや
や赤みを帯びた灰色を呈し、胞子連鎖は直線状ないし波
状であり、胞子表面は平滑、メラニン色素を産生し、可
溶性色素を産生しないこと、およびジアミノピメリン酸
がLL−体であるなどの諸性質から判断するとストレプ
トマイセス(Streptomyces)属に属することが明らかで
あり、ストレプトマイセス・エスピー・AL−2801
5(Streptomyces sp.AL−28015)と称すること
ができる。上記の性状を基にISP(International St
reptomyces Project)記載菌株を検索すると、本菌株に
類似な菌株として、グレーシリーズのストレプトマイセ
ス・フェオビリディス(phaeoviridis)、ストレプ
トマイセス・ノボリトエンシス(noboritoensi
s)、ストレプトマイセス・ナシュビレンシス(nas
hvillensis)、ストレプトマイセス・プルペオフスカス
purpeofuscus)、ストレプトマイセス・シネレオ
ルバー(cinereoruber)、ストレプトマイセス・ザ
ントファエウス(xanthophaeus)、ストレプトマイ
セス・ロセオグリゼウス(roseogriseus)、および
ストレプトマイセス・アクツオスス(actuosus)な
どの8株が挙げられる。これら8株と本菌株AL−28
015とを比較した結果、ストレプトマイセス・ロセオ
グリセウス(roseogriseus)IFO 13406が
もっとも近縁であると判断されたので以下にその結果を
示す。
【0029】
【表2】
【0030】
【表3】
【0031】
【表4】
【0032】
【表5】
【0033】AL−28015とIFO−13406を
比較すると、シュウクロース硝酸塩寒天培地、スターチ
無機塩寒天培地、ペプトン・イースト・鉄寒天培地等に
おける気菌糸の着生に差が認められ、またゼラチンの液
化およびD−キシロース、L−アラビノース、D−フル
クトースの資化性にも違いが認められたが、各種培地の
生育状態および生理的性状などを総合的に考えると、A
L−28015とIFO−13406は同種の菌株であ
ると判断された。従って本菌株は、ストレプトマイセス
・ロセオグリセウス(S.roseogriseus)AL−280
15と同定された。
【0034】本菌株は平成6年1月31日に財団法人発
酵研究所(IFO)に受託番号IFO15646として、
また平成6年3月9日に工業技術院生命工業技術研究所
(NI)に、受託番号FERM P−14224としてそ
れぞれ寄託されている。本発明の化合物は、これらの菌
株に限らず、遺伝子操作技術を含め、自体公知の方法に
より、それらから誘導される本化合物の生産能を有する
変異株をはじめ、当該生産能を有する微生物を培地中で
培養し、本化合物を培地中に生成蓄積せしめ、それを採
取することにより製造できる。
【0035】本発明の化合物生産菌の培養に用いる培地
は、該菌が利用し得る栄養源を含むものなら液状でも固
体状でもよいが、大量に処理するときに液体培地を用い
るのがより適当である。培地には、当該化合物生産菌が
同化し得る炭素源、窒素源、無機物質、微量栄養源を適
宜配合する。炭素源としては、例えばブドウ糖、乳糖、
ショ糖、麦芽糖、デキストリン、澱粉、グリセリン、マ
ンニトール、ソルビトール、油脂類(例、大豆油、ラー
ド油、チキン油など)、n−パラフィンなどが用いられ
る。窒素源としては、例えば、肉エキス、酵母エキス、
乾燥酵母、大豆粉、コーン・スティープ・リカー、ペプ
トン、綿実粉、廃糖蜜、尿素、アンモニウム塩類(例、
硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、硝酸アンモニウ
ム、酢酸アンモニウムなど)などが用いられる。
【0036】さらに、ナトリウム、カリウム、カルシウ
ム、マグネシウムなどを含む塩類、鉄、マンガン、亜
鉛、コバルト、ニッケルなどの金属塩類、リン酸、ホウ
酸などの塩類や酢酸、プロピオン酸などの有機酸の塩類
を適宜用いてもよい。その他、アミノ酸(例、グルタミ
ン酸、アスパラギン酸、アラニン、リジン、メチオニ
ン、プロリンなど)、ペプチド(例、ジペプチド、トリペ
プチドなど)、ビタミン類(例、B1、B2、ニコチン酸、
12、Cなど)、核酸類(例、プリン、ピリミジン、その
誘導体など)などを含有させてもよい。もちろん、培地
のpHを調整する目的で無機または有機の酸またはアル
カリ類、緩衝剤などを加え、あるいは消泡の目的で油脂
類、界面活性剤などの適量を添加して差し支えない。液
体培養に際しては、培地のpHは中性付近、特にpH6〜
8が好ましい。培養温度は約24℃〜30℃、培養時間
は約48時間〜144時間が好ましい。
【0037】培養の経過に伴って生産される化合物(I
−A)および化合物(I−B)の定量は、細胞増殖阻害
作用を指標として、ヒーラ(HeLa)細胞を用い、モスマ
ン(Mossman)の方法[ジャーナル・オブ・イミュノロジ
カル・メソッド(Journal of Immunological Meth
ods)、65、55(1983)]を改変した方法で行うこ
とができる。例えば、ヒーラ(HeLa)細胞を2×10
4cells/mlの濃度で培地に懸濁し、96穴平底プレート
(ヌンク社)の各ウェルに0.1mlずつ分注する。HeL
a細胞にはイーグルのミニマム・エッセンシャル・メデ
ィウム(ウイッタッカー・バイオプロダクト社、米国)
に牛胎児血清(ウイッタッカー・バイオプロダクト社)
を10%添加した培地を使用する。上記プレートを37
℃,5%CO2に設定した炭酸ガスインキュベーターで
1日間培養後、あらかじめ種々の濃度の化合物(I−
A)および化合物(I−B)を溶かしたリン酸生理食塩
水を細胞懸濁液を分注した各ウェルに10μlずつ添加
する。添加後さらに3日間培養した後、テトラゾリウム
塩MTT(シグマ社、米国)を5mg/mlとなるようにP
BSに溶かした溶液を25μl添加し、上記炭酸ガスイ
ンキュベーター中にて保温する。4時間後に0.01N
の塩酸に10%となるようにSDSを加えた溶液を各ウ
ェルに0.1mlずつ加え、上記炭酸ガスインキュベータ
ーにて一晩保温し、620nmでの吸光度をタイターテッ
ク・マルチスキャン吸光度計(フロー社、米国)を用い
て測定する。PBSのみを10μl加えた場合の吸光度
を対照として、各濃度での化合物(I−A)および化合
物(I−B)の細胞増殖阻害率(%)を算出する。通
常、4ないし6日の培養で化合物(I−A)および化合
物(I−B)の生産量は最高に達する。
【0038】培養物から目的とする化合物(I−A)ま
たは化合物(I−B)を採取する方法を以下に述べる。
これらは脂溶性物質で酸性を示すため、この性質を利用
する一般的手段を採用すればよい。またこれら各成分は
菌体および濾液中に含まれるため、例えば次のような精
製法が採用される。まず、培養液をpH1.5ないし10
好ましくはpH2ないし8に調整後、水と混和しない有
機溶媒、例えばクロロホルム、酢酸エチル、メチルイソ
ブチルケトンあるいはブタノールなどを加え、10分な
いし10時間、好ましくは30分ないし2時間攪拌混和
し、ろ過助剤を加えてろ過、あるいは遠心分離によって
菌体を除去する。得られた有機溶媒層を水で洗浄後、濃
縮することによって、或は得られた有機層を適当な無機
酸類(例、塩酸、硫酸、燐酸など)の水溶液、あるいは
適当な無機塩類(例、食塩、炭酸水素ナトリウム、塩化
アンモニウムなど)の水溶液により適宜洗浄後、水洗、
濃縮して化合物(I−A)または化合物(I−B)を含
有する粗物質が得られる。
【0039】粗物質をさらに精製し、純粋な化合物(I
−A)または化合物(I−B)を得るには種々の一般的
なクロマトグラフィー法が有利に用いられる。担体とし
てはシリカゲル、結晶セルロース、吸着性樹脂、例えば
ダイヤイオンHP−20(三菱化成社製)、アンバーライ
トXAD−IまたはII(ローム・アンド・ハース社
製、米国)、セファデックスLH−20(ファルマシア社
製、スウエーデン)などが用いられ、これらは通常カラ
ムクロマトグラフィー法で行なわれる。担体から活性物
質を溶出するには担体の種類によって異なるが、適当な
有機溶媒、例えばジクロロエタン、トルエン、酢酸エチ
ル、アセトン、2−プロパノール、メタノールなどの単
独あるいは混合溶媒が、または、水と混和し得る有機溶
媒(例、アセトン、アセトニトリル、メタノールなど)
と水溶液(例、水、希アルカリ水、希酸水、緩衝液な
ど)との混合溶媒が用いられる。
【0040】また、分取用高速液体クロマトグラフィー
(HPLC)によっても、化合物(I−A)または化合物
(I−B)を精製することができる。担体としてオクタ
デシルシラン(ODS)系およびシリカゲル系のものが有
利に用いられる。例えばODSの場合、メタノールまた
はアセトニトリルと、水または塩類含有水溶液との混合
溶液が有利に用いられる。活性物質を含む有機溶媒溶出
液を濃縮、あるいは水溶液を含む場合は水と混和しない
適当な有機溶媒で抽出して濃縮乾固すると純粋な化合物
(I−A)または化合物(I−B)が黄色あるいは黄橙
色の粉末として得られる。また、本物質は溶媒に対する
溶解度が低いので、結晶化により精製することが好まし
い。結晶溶媒としてはメタノール、酢酸エチル、アセト
ン、ジクロロメタン、クロロホルム、トルエン、ジエチ
ルエーテル、ヘキサンの一種あるいはこれらの混合溶媒
が有利に用いられる。
【0041】化合物(I−A)および化合物(I−B)
は酸性脂溶性物質で、共通する性状として、呈色反応で
は過マンガン酸カリウム、リンモリブデン酸、硫酸、バ
ートン、ヨウ素に対して陽性を示し、ドラーゲンドル
フ、ニンヒドリンに対して陰性を示す。また以下の分析
用HPLCおよび薄層クロマトグラフィー(TLC)にお
ける挙動を表6に示す。
【0042】
【表6】
【0043】HPLC条件: 担体; ODS,YMC
−Pack A−312 移動相; 70% アセトニトリル/0.01Mリン酸緩
衝液 (pH3.0) 流速; 2ml/min 検出法; UV 吸収:214,254nm TLC条件: 担体; シリカゲル60 F254
(E.Merck AG.) 展開溶媒; ジクロロメタン:メタノール:酢酸(24:1:
0.5)
【0044】以下の実施例1で得られた化合物(I−
A)および化合物(I−B)の物理化学的性質を以下に
示す。 化合物(I−A),(TAN−1532A): (1) 外観: 黄色粉末 (2) 旋光度: [α]D(18℃) +54.6°(c 0.1
30,メタノール中) (3) 分子量: m/z 519(M+H)、(SI−マスス
ペクトルより) (4) 元素分析値: (%) (水分1.5モルとして) 実測値;C,66.04; H,6.10 計算値:C,66.01; H,6.02 (5) 分子式: C30308 (6) 紫外部吸収(UV)スペクトル:メタノール中、(図
1) 極大値:227nm(ε48,800)、395nm(ε38,4
00) (7) 赤外部吸収(IR) スペクトル:KBr錠剤中、
(図2) 主な吸収を示す(波数,cm-1) 3260,2950,1710,1600,1450,13
80,1280,1190 (8) 13C核磁気共鳴(NMR)スペクトル:75MHz,
重ジメチルスルホキシド中、(図3) δppm;189.0(Q),173.7(Q),165.9(Q),1
65.0(Q),160.2(Q),157.9(Q),149.8
(Q),146.7(Q),145.5(Q),142.8(Q),1
39.8(Q),123.9(Q),121.9(CH),119.
1(Q),117.0(CH),112.4(Q),112.4(Q),1
07.9(Q),106.0(CH),102.0(CH),76.
3(Q),51.9(CH3),37.6(CH3),35.6(C
2),31.5(CH2),31.1(CH2),28.7(CH2),
21.9(CH2),19.3(CH2),13.9(CH3)。
【0045】化合物(I−B),(TAN−1532
B): (1) 外観: 黄色粉末 (2) 旋光度: [α]D(18℃) +152°(c 0.13
3、メタノール中) (3) 分子量: m/z 505(M+H)、(SI−マスス
ペクトルより) (4) 元素分析値: (%) (水分0.5モルとして) 実測値;C,67.65; H,5.74 計算値:C,67.83; H,5.69 (5) 分子式: C29288 (6) 紫外部吸収(UV)スペクトル:メタノール中、(図
4) 極大値:215nm(sh,ε21,800)、393nm(ε3
2,400) (7) 赤外部吸収(IR) スペクトル:KBr錠剤中、
(図5) 主な吸収を示す(波数,cm-1) 3430,2930,1710,1600,1470,13
70,1280,1180,1050 (8) 13C核磁気共鳴(NMR)スペクトル:75MHz,
重ジメチルスルホキシド中、(図6) δppm;189.0(Q),173.6(Q),165.6(Q),1
64.6(Q),160.2(Q),157.4(Q),155.0
(Q),148.2(Q),146.5(Q),145.4(Q),1
39.7(Q),123.1(Q),121.8(CH),119.
2(Q),116.9(CH),112.4(Q),110.9
(Q),106.4(Q),106.1(CH),101.2(C
H),69.6(Q),38.9(CH3),35.5(CH2),3
1.5(CH2),31.1(CH2),28.9(CH2),21.9
(CH2),19.3(CH2),13.8(CH3)。 上記した物理化学的および生物学的性質より、化合物
(I−A)および化合物(I−B)は新規化合物である
ことが判明した。
【0046】本発明の化合物のうち、R2、R3、R4
5またはR6がエーテル化された水酸基である化合物
は、例えば、対応するR2、R3、R4、R5またはR6
水酸基である一般式(I)の化合物またはその塩(例、
化合物(I−A)、化合物(I−B)またはこれらの塩
など)を原料化合物として用いて、自体公知の方法でエ
ーテル化することにより製造してもよい。例えば原料化
合物と、ハロゲン化物および塩基とを反応させる方
法、それぞれ置換されていてもよい低級アルコール
類、アリールアルカノール類またはベンズヒドロール類
等の対応する各スルホン酸エステルおよび塩基とを反応
させる方法、ジアゾ化合物とを反応させる方法、硫
酸エステル類とを反応させる方法、または原料化合物
をアセタール型エーテル化反応やグルコシル反応に付す
方法等が採用される。
【0047】上記方法におけるハロゲン化物として
は、例えばハロゲン化アルキル(例、ヨウ化メチル、ヨ
ウ化エチル、ヨウ化プロピル、臭化tert−ブチルなどの
ハロゲン化C1-6アルキルなど)、ハロゲン化アルケニ
ル(例、臭化アリル、臭化ブテニル、臭化2−メチルプ
ロペニルなどのハロゲン化C3-6アルケニルなど)、ハ
ロゲン化アラルキル(例、臭化ベンジル、臭化ジフェニ
ルメチル、臭化トリフェニルメチル、臭化p−ニトロベ
ンジル、臭化p−ブロモベンジルなどのハロゲン化C
6-18アリール−C1-3アルキルなど)、ハロゲン化アル
コキシアルキル(例、塩化メトキシメチル、塩化エトキ
シメチル、塩化メトキシエトキシメチル、塩化t−ブト
キシメチル、2,2,2−トリクロロエトキシメチルなど
のハロゲン化C1-6アルコキシ−C1-3アルキルなど)、
ハロゲン化アルキルチオアルキル(例、塩化メチルチオ
メチル、塩化エチルチオメチル、塩化t−ブチルチオメ
チルなどのハロゲン化C1-6アルキル−C1-3アルキルな
ど)、ハロゲン化環状エーテル(例、塩化テトラヒドロ
ピラニルなど)、ハロゲン化シリル(例、塩化トリメチル
シリル、塩化トリエチルシリル、塩化トリイソプロピル
シリル、塩化−tert−ブチルジメチルシリル、塩化−te
rt−ブチルジフェニルシリルなど)などが挙げられる。
【0048】上記方法におけるスルホン酸エステルと
しては、例えば置換されていてもよい低級(C1-8)ア
ルコール類(例、メタノール、エタノール、イソプロパ
ノール、tert−ブタノール、シアノメチルアルコール、
ベンゾイルメチルアルコールなど)、置換されていても
よいアリールアルカノール類(例、低級(C1-6)アルキル
基、低級(C1-6)アルコキシ基もしくはハロゲン原子に
よって置換されていてもよいベンジルアルコール類)、
または置換されていてもよいベンズヒドロール類(例、
ベンズヒドロール、p−ニトロベンジルアルコール、p−
メトキシベンジルアルコール、2,4,6−トリメチルベ
ンジルアルコールなど)などの対応するスルホン酸エス
テル(例、ベンゼンスルホン酸エステル、p−トルエンス
ルホン酸エステル、メタンスルホン酸エステル、トリフ
ルオロメタンスルホン酸エステルなど)等が挙げられ
る。これらハロゲン化物およびスルホン酸エステルの使
用量は、それぞれ原料化合物に対し、約0.1ないし5
0当量、好ましくは約1ないし10当量である。
【0049】上記方法またはにおける塩基として
は、例えば無機塩基(例、炭酸ナトリウム、炭酸カリウ
ム等の炭酸のアルカリ金属またはアルカリ土類金属塩、
水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム
等のアルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物、
水素化ナトリウム、水素化カルシウム等のアルカリ金属
またはアルカリ土類金属の水素化物など)、有機塩基
(例、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、
カリウムtert−ブトキシドなどのアルカリ金属アルコキ
シド類、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムビス
トリメチルシリルアミド、リチウムジシクロヘキシルア
ミド、リチウムシクロヘキシルイソプロピルアミドなど
のリチウムアミド類、メチルリチウム、エチルリチウ
ム、n−、sec−、およびtert−ブチルリチウム、フェニ
ルリチウムなどのアルキルリチウム類、メチルマグネシ
ウムブロミド、エチルマグネシウムブロミド、ブチルマ
グネシウムブロミド、フェニルマグネシウムブロミドな
どのグリニヤ試薬類、ピリジン、2,4,6−トリメチル
ピリジン、ピコリン、4−ジメチルアミノピリジン、
2,6−ルチジン、イミダゾールなどの芳香族アミン
類、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、
ジメチルアニリンなどの3級アミン類)等が用いられ
る。塩基の使用量としては、通常原料化合物に対して、
約0.1ないし50当量、好ましくは約1ないし10当
量である。
【0050】上記方法におけるジアゾ化合物として
は、例えばジアゾメタン、トリメチルシリルジアゾメタ
ン、ジフェニルジアゾメタンなどが挙げられる。上記方
法における硫酸エステル類としては、例えばジメチル
硫酸、ジエチル硫酸などが挙げられる。これらジアゾ化
合物および硫酸エステル類の使用量は、それぞれ原料化
合物に対し、約1ないし100当量、好ましくは約2な
いし30当量である。
【0051】また、上記方法におけるアセタール型エ
ーテル化反応は自体公知の方法により行われる。例えば
原料化合物に酸触媒下、例えばヘミアセタール類(例、
ジヒドロピラン、2−メトキシプロペン、エチルビニル
エーテル、イソプロピルビニルエーテルなど)、保護さ
れていてもよい糖残基のヘミアセタール類(例、保護さ
れていてもよいグルカール類、保護されていてもよいガ
ラクタール類など)等を反応させる方法が挙げられる。
触媒として用いられる酸としては、例えばハロ酢酸
(例、トリフルオロ酢酸など)、ハロゲン化水素酸(例、
塩化水素酸、臭化水素酸など)、スルホン酸(例、ベンゼ
ンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホ
ン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、D−カンファー
スルホン酸など)、ルイス酸(例、亜鉛−酢酸、三フッ化
ホウ素エーテル錯体、ヨードトリメチルシラン、トリフ
ルオロメタンスルホン酸トリメチルシリルエステル、四
フッ化チタン、四塩化チタン、塩化第1スズ、過塩素酸
銀、トリフルオロメタンスルホン酸無水物など)等が用
いられる。
【0052】上記方法におけるグルコシル化反応は自
体公知の方法により行われる[例、有機合成化学協会
誌、50、378−390(1992)]。例えば原料化
合物に酸触媒下、保護されていてもよいグルコシル供与
体(例、ハロゲン化糖、チオグリコシド、1−O−アシ
ル糖、炭酸エステル化糖、リン酸エステル化糖、糖イミ
デート、4−ペンテニルチオグリコシド等)などと反応
させる方法が挙げられる。触媒として用いられる酸とし
ては、上記の酸と同様のものが用いられる。これら触媒
の使用量は原料化合物のエーテル化を促進し得る触媒量
程度でよく、通常原料化合物1モルに対して約0.00
1ないし10モル、好ましくは約0.001ないし5モ
ルである。
【0053】上記からのエーテル化反応は溶媒の存
在下に行うことができる。溶媒としては、反応を阻害し
ないものであれば特に限定されない。例えば無水ホルム
アミド、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン
などのアミド類、ジメチルスルホキサイドなどのスルホ
キシド類、ピリジンなどの芳香族アミン類、ジエチルエ
ーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレング
リコールジメチルエーテルなどのエーテル類、アセトニ
トリルなどのニトリル類、ペンタン、ヘキサン、ベンゼ
ン、トルエンなどの炭化水素類、ジクロロメタン、クロ
ロホルムなどのハロゲン化炭化水素類、アセトン、エチ
ルメチルケトンなどのケトン類、あるいはこれらの適宜
の割合の混合物などが挙げられる。反応温度は、反応に
使用され得ることが知られている範囲から適宜選択され
る。具体的には、例えば通常約−100℃〜+100℃
の範囲から適宜選択される。反応時間は、反応に要する
ことが知られている範囲から適宜選択される。具体的に
は、例えば数分から7日程度反応させる。
【0054】本発明の化合物のうち、R2、R3、R4
5またはR6がエステル化された水酸基である化合物
は、対応するR2、R3、R4、R5またはR6が水酸基で
ある一般式(I)の化合物またはその塩(例、化合物
(I−A)、化合物(I−B)またはこれらの塩など)
を、自体公知の方法によりエステル化反応、例えばアシ
ル化反応に付すことにより製造してもよい。本アシル化
反応に用いられるアシル化剤としては、例えば有機カル
ボン酸またはその反応性誘導体が用いられる。有機カル
ボン酸としては、例えば一般式: R7−COOH (式中、R7は上記と同意義を有する)で表されるカル
ボン酸が挙げられる。
【0055】これら有機カルボン酸をアシル化剤として
用いる場合、適当な縮合剤と反応させることによりアシ
ル化することができる。縮合剤としては、ジシクロヘキ
シルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド、
1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カル
ボジイミド塩酸塩などのジミド類、または上記縮合剤と
ペンタクロロフェノール、2,4,5−トリクロロフェノ
ール、2,4−ジニトロフェノール、シアノメチルアル
コール、p−ニトロフェノール、N−ヒドロキシ−5−
ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド、N−ヒド
ロキシスクシイミド、N−ヒドロキシフタルイミド、N
−ヒドロキシベンズトリアゾールなどとの混合物などが
用いられる。あるいは、アゾジカルボン酸エステル類
(例、アゾジカルボン酸ジエチルエステルなど)とトリ
アルキルホスフィン(例、トリフェニルホスフェン、ト
リブチルホスフェンなど)の混合物が用いられる。
【0056】上記縮合反応は溶媒の存在下で行うことが
できる。溶媒としては、縮合反応に使用しうることが知
られているものから適宜選択されうる。例えば、無水の
ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロ
リジンなどのアミド類、ジメチルスルホキシドなどのス
ルホキシド類、ピリジンなどの芳香族アミン類、クロロ
ホルム、ジクロロメタンなどのハロゲン化炭化水素類、
テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類、ア
セトニトリルなどのニトリル類、酢酸エチル、ギ酸エチ
ルなどのエステル類、あるいはこれらの適宜の割合の混
合物などが挙げられる。反応温度は、縮合反応に使用さ
れうることが知られている範囲から適宜選択される。具
体的には、例えば、通常、−20℃〜+50℃の範囲か
ら適宜選択される。反応時間は、縮合反応に要すること
が知られている範囲から適宜選択される。具体的には、
例えば、数分から7日間程度反応させる。
【0057】有機カルボン酸の反応性誘導体をアシル化
剤として用いる場合、これら反応性誘導体としては、例
えば常法に従って製造することができる酸ハライド、酸
無水物、活性アミド、活性エステル、活性チオエステル
等が用いられる。このような反応性誘導体を具体的に述
べると次のとおりである。
【0058】1) 酸ハライド:例えば酸クロリド、酸ブ
ロミド等が用いられる。 2) 酸無水物:例えば対称型酸無水物、モノC1-6アルキ
ル炭酸混合無水物、脂肪族カルボン酸(例、酢酸、ピバ
ル酸、吉草酸、イソ吉草酸、トリクロル酢酸等)からな
る混合酸無水物、芳香族、芳香族カルボン酸(例、安息
香酸等)からなる混合酸無水物等が用いられる。対称型
酸無水物としては、例えば無水酢酸、無水プロピオン
酸、無水ブタン酸等のC1-6アルキルカルボン酸無水物
などが挙げられる。 3) 活性アミド:例えばピラゾール、イミダゾール、4
−置換イミダゾール、ジメチルピラゾール、ベンゾトリ
アゾール等とのアミドが用いられる。
【0059】4) 活性エステル:例えばメトキシメチル
エステル、1−ヒドロキシベンゾトリアゾールエステ
ル、N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカ
ルボキシイミドエステル、4−ニトロフェニルエステ
ル、2,4−ジニトロフェニルエステル、トリクロロフ
ェニルエステル、プロパルギルエステル、ペンタクロロ
フェニルエステル等のエステルのほか、1−ヒドロキシ
−1H−2−ピリドン、N−ヒドロキシサクシンイミ
ド、N−ヒドロキシフタルイミド等とのエステル等が用
いられる。 5) 活性チオエステル:例えば2−ピリジルチオール、
2−ベンゾチアゾリルチオールなどの複素環チオール等
とのチオエステル等が用いられる。以上のような各種反
応性誘導体は、カルボン酸の種類によって適宜選択され
る。
【0060】また、該アシル化剤として、スルホン酸ア
シルを導入しうるスルホン酸の反応性誘導体、例えば、
メタンスルホニルクロリド、ベンジルスルホニルクロリ
ド、p−トルエンスルホニルクロリド等の酸ハライド、
無水メタンスルホン酸、無水p−トルエンスルホン酸等
の対称型無水物を用いてもよい。カルボン酸、その反応
性誘導体またはスルホン酸の反応性誘導体等のアシル化
剤は、原料化合物(例、化合物(I−A)、化合物(I
−B)など)の各1モルに対し、例えば約1モル以上使
用してもよく、約1ないし30モル程度が好ましい。本
反応は反応を阻害しない溶媒中、あるいは溶媒の非存在
下に行われる。反応を阻害しない溶媒としては、例えば
アセトン等のケトン類; ジエチルエーテル、テトラヒド
ロフラン、ジオキサン等のエーテル類; 酢酸、プロピオ
ン酸等のカルボン酸類; アセトニトリル等のニトリル
類; ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素類; ジ
クロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン
等のハロゲン化炭化水素類; 酢酸エチル等のエステル
類; ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等の
アミド類; トリエチルアミン、トリブチルアミン、N−
メチルモルホリン、N−メチルピペリジン、N,N−ジ
メチルアニリン等の三級アミン; ピリジン、ピコリン、
ルチジン、コリジン等のピリジン類等が用いられる。こ
れらは1種のみで、または2種以上適当な割合で混合し
て用いてもよい。
【0061】本アシル化反応は、原料化合物のアシル化
を促進しうる触媒を用いることによりさらに有利に進行
する。そのような触媒としては、例えば塩基触媒、酸触
媒が用いられる。塩基触媒としては、例えば三級アミン
[例、トリエチルアミンのような脂肪族三級アミン、ピ
リジン、α−、β−またはγ−ピコリン、2,6−ルチ
ジン、4−ジメチルアミノピリジン、4−(1−ピロリ
ジニル)ピリジン、ジメチルアニリン、ジエチルアニリ
ンのような芳香族三級アミン等]、ハロゲン化アルカリ
金属(例、フッ化カリウム、無水ヨウ化リチウム等)、有
機酸塩(例、酢酸ナトリウム)などが用いられる。酸触媒
としては、例えばルイス酸(例、無水塩化亜鉛、無水塩
化アルミニウム(AlCl3)、四塩化チタン(TiCl4)、四
塩化錫(SnCl4)、五塩化アンチモン、塩化コバルト、
塩化第二銅、三フッ化ホウ素エーテラート等)、無機強
酸(例、硫酸、過塩素酸、塩化水素、臭化水素等)、有機
強酸(例、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン
酸、トリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸、カンファース
ルホン酸等)、酸性イオン交換樹脂(例、ポリスチレンス
ルホン酸)などが用いられる。上記の触媒のなかでもカ
ンファースルホン酸、ピリジン、4−ジメチルアミノピ
リジンなどが好ましい。
【0062】触媒の使用量は原料化合物のカルボン酸に
よるアシル化を促進し得る触媒量程度でよく、通常原料
化合物1モルに対して約0.001ないし10モル、好
ましくは約0.001ないし1モルである。反応温度は
特に限定されないが、通常約−30から+100℃、好
ましくは約10から50℃である。反応時間は数分から
数十時間程度(例えば約5分から30時間など)である。
【0063】本発明化合物のうち、R1がエステル化さ
れたカルボキシル基である化合物は、R1がカルボキシ
ル基である一般式(I)の化合物またはその塩(例、化
合物(I−A)、化合物(I−B)またはそれらの塩)
を、自体公知の方法でエステル化することにより製造す
る。例えば、原料化合物として用いるR1がカルボキシ
ル基である一般式(I)の化合物またはその塩(例、化
合物(I−A)、化合物(I−B)またはそれらの塩
等)にハロゲン化物を反応させる方法が挙げられる。用
いるハロゲン化物としてはハロゲン化アルキル(例、ヨ
ウ化メチル、ヨウ化エチル、ヨウ化プロピル、臭化アリ
ル、臭化ベンジル、臭化tert−ブチル、臭化トリフェニ
ルメチル、塩化メトキシメチル、塩化メチルチオメチ
ル、塩化テトラヒドロピラニルなど)、ハロゲン化シリ
ル(例、塩化トリメチルシリル、塩化トリエチルシリ
ル、塩化トリイソプロピルシリル、塩化tert−ブチルジ
メチルシリル、塩化tert−ブチルジフェニルシリルな
ど)などが挙げられる。
【0064】本反応は通常塩基の存在下実施される。用
いる塩基としては、例えば、トリメチルアミン、トリエ
チルアミン、トリプロピルアミン、トリ−n−ブチルア
ミンなどの脂肪族三級アミン、ジイソプロピルエチルア
ミン、N−メチルピペリジン、N−メチルピロリジン、
シクロヘキシルジメチルアミン、N−メチルモルホリン
などの三級アミン、ジ−n−ブチルアミン、ジイソブチ
ルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシル
アミンなどのジアルキルアミン、イミダゾール、ピリジ
ン、4−ジメチルアミノピリジン、ルチジン、ジアザビ
シクロノナン、ジアザビシクロウンデセン、γ−コリジ
ンなどの芳香族アミン、例えば、リチウム、ナトリウ
ム、カリウムなどのアルカリ金属または、例えば、カル
シウム、マグネシウムなどのアルカリ土類金属等の水酸
化物または炭酸塩などが挙げられる。また、上記のうち
液体のものは溶媒を兼ねて使用することもできる。
【0065】本反応においては、原料化合物1モルに対
してハロゲン化物を通常、約1〜100モル用いるが、
反応に支障のないかぎり過剰に用いることもできる。塩
基を用いる場合、塩基の使用量は、ハロゲン化物の種
類、他の反応条件によって異なるが、原料化合物に対し
て通常、約1当量〜30当量、好ましくは約3当量〜1
0当量である。あるいは、上記一般式(I)の原料化合
物と、置換されていてもよい一般式: R7−OH (式中、R7は上記と同意義を有する)で表されるアル
コール類と適当な縮合剤とを反応させることによりエス
テル化することができる。かかるアルコール類の具体例
としては、低級(C1-6)アルコール(例、メタノー
ル、エタノール、イソプロパノール、tert−ブタノー
ル、シアノメチルアルコール、ベンゾイルメチルアルコ
ールなど)、アリールアルカノール[例、低級(C1-6
アルキル基、低級(C1-6)アルコキシ基もしくはハロ
ゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)によって
置換されていてもよいベンジルアルコール又はベンズヒ
ドロール類(例、ベンズヒドロール、p−ニトロベンジ
ルアルコール、p−メトキシベンジルアルコール、2,
4,6−トリメチルベンジルアルコールなど)]などを
が挙げられる。縮合剤としてはジシクロヘキシルカルボ
ジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド、1−エチル
−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド
塩酸塩などのジイミド類、または上記縮合剤とペンタク
ロロフェノール、2,4,5−トリクロロフェノール、
2,4−ジニトロフェノール、シアノメチルアルコー
ル、p−ニトロフェノール、N−ハイドロキシ−5−ノ
ルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド、N−ハイド
ロキシスクシイミド、N−ハイドロキシフタルイミド、
N−ハイドロキシベンズトリアゾールなどとの混合物な
どが用いられる。またはアゾジカルボン酸エステル類
(例、アゾジカルボン酸ジエチルエステルなど)とトリ
アルキルホスフィン(例、トリフェニルホスフィン、ト
リブチルホスフィンなど)の混合物が用いられる。
【0066】あるいは、R1がカルボキシル基である一
般式(I)で表される化合物またはその塩(例、化合物
(I−A)、化合物(I−B)またはそれらの塩等)を
適当な酸触媒下、上記アルコール類などと反応させるこ
とによりエステル化することができる。これらアルコー
ル類は溶媒として用いてもよい。あるいは、R1がカル
ボキシル基である一般式(I)で表される化合物または
その塩(例、化合物(I−A)、化合物(I−B)また
はそれらの塩等)を適当な酸触媒下、上記アルコール類
の低級カルボン酸エステル類、例えばギ酸エステル、酢
酸エステル、プロピオン酸エステルなどと反応させるこ
とによりエステル化することができる。これら低級カル
ボン酸エステル類は溶媒として用いてもよい。また、R
1がカルボキシル基である一般式(I)で表される化合
物またはその塩(例、化合物(I−A)、化合物(I−
B)またはそれらの塩等)を適当な酸触媒下、置換され
ていてもよいエチレン類、例えば2−メチルプロペン、
2−メチルブテン、2−エチルブテン、2,3−ジメチ
ルブテン、2−フェニルプロペン、2−フェニルスチレ
ンなどと反応させることによりエステル化することがで
きる。これらエチレン類が常温で気体である場合、反応
は通常密閉下で行われる。上記の酸触媒下でのエステル
化に用いる酸触媒としては、例えば塩酸、臭化水素酸、
硫酸、リン酸、塩素酸、過塩素酸、臭素酸、過臭素酸、
ヨウ素酸、過ヨウ素酸などの無機酸類、p−トルエンス
ルホン酸、ベンゼンスルホン酸、メタンスルホン酸、カ
ンファースルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸な
どのスルホン酸類、トリフルオロ酢酸、トリクロロ酢
酸、ギ酸、酢酸などの有機カルボン酸類、塩化アルミニ
ウム、塩化亜鉛、四塩化チタン、三フッ化ホウ素エーテ
ラートなどのルイス酸類などが挙げられる。
【0067】あるいは、R1がカルボキシル基である一
般式(I)で表される化合物またはその塩(例、化合物
(I−A)、化合物(I−B)またはそれらの塩等)
を、上記アルコール類などのイソ尿素誘導体またはN,
N−ジアルキルホルムアミドアセタール誘導体を自体公
知の方法[例、シンテシス(Synthesis)、561(197
9)等]により反応させることによりエステル化すること
ができる。上記のエステル化反応は、通常反応を阻害し
ない溶媒中で行われる。該溶媒としては、例えば、ジオ
キサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジイ
ソプロピルエーテルなどのエーテル類、酢酸エチル、ギ
酸エチルなどのエステル類、クロロホルム、ジクロロメ
タン、1,2−ジクロロエタン、1,1,1−トリクロル
エタンなどのハロゲン化炭化水素類、ベンゼン、トルエ
ン、n−ヘキサンなどの炭化水素類、N,N−ジメチルホ
ルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどのアミ
ド類、アセトニトリルなどのニトリル類、ジメチルスル
ホキシドなどのスルホキシド類など通常の有機溶媒が単
独または2種以上混合して用いられる。反応温度は、反
応が進行するかぎり特に限定されないが、通常、約−5
0℃〜+150℃、好ましくは約−30℃〜+50℃で
行われる。反応時間は、用いられる原料、塩基、反応温
度、溶媒の種類等により異なるが、通常数十分間から数
十時間で反応は終了するが、ときに数十日を要すること
もある。
【0068】本発明の化合物のうち、R1がアミド化さ
れているカルボキシル基である化合物は、R1がカルボ
キシル基である一般式(I)の化合物またはその塩
(例、化合物(I−A)、化合物(I−B)またはこれ
らの塩など)またはそのカルボキシル基における反応性
誘導体(例、上記のような酸ハライド、酸無水物、活性
エステル、活性チオエステルなど)を、一般式: HNR89 (式中、各記号は上記と同意義を有する)で表されるア
ミン類と反応させてアミド化することにより製造しても
よい。例えば、R1がカルボキシル基である一般式
(I)の化合物を、適当な縮合剤の存在下で上記アミン
類と反応させることによりアミド化することができる。
縮合剤としては、ジシクロヘキシルカルボジイミド、ジ
イソプロピルカルボジイミド、1−エチル−3−(3−
ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩などの
ジミド類、または上記縮合剤とペンタクロロフェノー
ル、2,4,5−トリクロロフェノール、2,4−ジニト
ロフェノール、シアノメチルアルコール、p−ニトロフ
ェノール、N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3
−ジカルボキシイミド、N−ヒドロキシスクシイミド、
N−ヒドロキシフタルイミド、N−ヒドロキシベンズト
リアゾールなどとの混合物などが用いられる。
【0069】本反応は塩基の存在下実施される場合があ
る。用いる塩基としては、例えばトリメチルアミン、ト
リエチルアミン、トリプロピルアミン、トリ−n−ブチ
ルアミンなどの脂肪族三級アミン、ジイソプロピルエチ
ルアミン、N−メチルピペリジン、N−メチルピロリジ
ン、シクロヘキシルジメチルアミン、N−メチルモルホ
リンなどの三級アミン、ジ−n−ブチルアミン、ジイソ
ブチルアミン、ジシクロヘキシルアミンなどのジアルキ
ルアミン、ピリジン、ルチジン、γ−コリジンなどの芳
香族アミン、リチウム、ナトリウム、カリウムなどのア
ルカリ金属またはカルシウム、マグネシウムなどのアル
カリ土類金属等の水酸化物または炭酸塩などが挙げられ
る。また、上記のうち液体のものは溶媒を兼ねて使用す
ることもできる。
【0070】本アミド化反応において、原料化合物1モ
ルに対してアミン類を通常約1〜100モル用いるが、
反応に支障のない限り過剰に用いることもできる。塩基
を用いる場合、塩基の使用量は、用いられる原料化合物
またはその塩、カルボン酸の反応性誘導体の種類、他の
反応条件によって異なるが、原料化合物に対して通常、
約1〜30当量、好ましくは約1〜10当量である。
【0071】本アミド化反応は、通常反応を阻害しない
溶媒中で行われる。該溶媒としては、例えばジオキサ
ン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジイソプ
ロピルエーテルなどのエーテル類、酢酸エチル、ギ酸エ
チルなどのエステル類、クロロホルム、ジクロロメタ
ン、1,2−ジクロロエタン、1,1,1−トリクロロエ
タンなどのハロゲン化炭化水素類、ベンゼン、トルエ
ン、n−ヘキサンなどの炭化水素類、N,N−ジメチルホ
ルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどのアミ
ド類、アセトニトリルなどのニトリル類など通常の有機
溶媒が単独または2種以上混合して用いられる。反応温
度は、反応が進行する限り特に限定されないが、通常、
約−50℃〜+150℃、好ましくは約−30℃〜+5
0℃で行われる。反応時間は、用いる原料、塩基、反応
温度、溶媒の種類等により異なるが、通常数十分間から
数十時間で反応は終了するが、ときに数日を要すること
もある。
【0072】かくして得られる所望の一般式(I)で表さ
れる化合物またはその塩は、自体公知の手段、例えば濃
縮、液性変換、転溶、溶媒抽出、凍結乾燥、結晶化、再
結晶、分留、クロマトグラフィーなどにより単離精製す
ることができる。
【0073】次に、一般式(I)で表される化合物、特
に化合物(I−A)または化合物(I−B)の生物活性
について記載する。 試験例 1 微小管重合阻害活性測定試験 化合物(I−A)または化合物(I−B)の微小管重合
阻害活性は、ブタ脳由来微小管を用い、岩崎らの方法
[ジャーナル・オブ・アンチバイオティクス(Journal
of Antibiotics)、40、66(1987)]に従って測
定した。微小管の調製は以下のように行った。ブタ脳大
脳部7個を細断した後、1mM[エチレングリコール−
O,O'−ビス(2−アミノエチル)−N,N,N'N'−テ
トラアセチックアシド](EGTA)、0.5mM MgS
4、1mM 2−メルカプトエタノールを含む100mM
[2−(N−モルホリノ)エタンスルホニックアシド,
モノヒドレート](MES)(pH6.5)[以下、緩衝液A
と称する]400mlで洗浄し、さらに1mM GTPを含
む緩衝液A[以下、緩衝液Bと称する]200mlを加えて
ブレンダーでホモジナイズした後、これを18,000r
pm、4℃で30分間遠心し、上清を採取した。この上清
に上清と同量の8Mグリセロールを含む緩衝液B[以
下、緩衝液Cと称する]を混合し、これを37℃で30
分間保温した後、36,000rpm、30℃で45分間遠
心して、微小管沈澱物を採取した。これに70mlの緩衝
液Bを加えて、4℃で30分間放置することにより沈澱
物を解重合させた。再度、4℃、36,000rpmで1時
間遠心し、採取した上清に緩衝液Cを加えて沈澱物を回
収する操作を繰り返し、精製させた微小管画分を採取し
た。回収した微小管画分は6mg/ml濃度になるように緩
衝液Bで希釈した後−80℃にて保存し、以後の測定に
供することとした。
【0074】上記の部分精製した微小管に、緩衝液Bを
微小管濃度が2mg/mlになるように加え、同希釈液50
0mlにあらかじめ種々の濃度になるよう希釈した化合物
(I−A)または化合物(I−B)を20μlずつ添加
した後、37℃での微小管重合度を分光光度計にて吸光
度400nmで経時的に測定した。化合物を添加しなかっ
た場合(コントロール)の微小管重合度を100%と
し、その重合度を50%阻害する濃度を各々求めた。 [結果]化合物(I−A)および化合物(I−B)は各々
8.23μg/mlおよび15.3μg/mlでコントロールの
微小管の重合度の50%阻害を示した。
【0075】試験例2 スクアレン合成酵素阻害活性の測定法 5μM[1−3H]ファルネシルピロリン酸(比活性25
μCi/mole)、1mMの還元型ニコチアミドアデニンジ
ヌクレオチドリン酸(NADPH)、5mMのMgCl2
6mMのグルタチオン、100mMのリン酸カリウム緩衝
液(pH7.4)および被験薬剤の化合物(I−A)または
化合物(I−B)を含む水溶液(全量50μl)に、下記
の各酵素液(蛋白量0.8μg)を添加し、37℃で45分
間反応させた。150μlのクロロホルム・メタノール
(1:2)混液を添加して反応を停止させ、ついで50μl
のクロロホルムおよび50μlの3N水酸化ナトリウム
溶液を添加した。スクアレンを主成分とした反応生成物
を含むクロロホルム層(下層)50μlとトルエン系液体
シンチレータ3mlを混合し、液体シンチレーションカウ
ンターでその放射活性を測定した。スクアレン合成酵素
阻害活性は、クロロホルム層へ取り込まれる放射活性を
50%阻害する濃度(IC50、モル濃度(M))で示し
た。
【0076】ラット酵素含有酵素液の調製 ラット系雄性ラット(6週令)を放血致死させた後、肝臓
を摘出した。肝臓10gを氷冷生理食塩水で洗浄後、1
5ml氷冷緩衝液[100mMリン酸カリウム(pH7.4)、
15mMニコチンアミド、2mMのMgCl2]中でホモジナ
イズし、10,000gで20分間(4℃)遠心した。得ら
れた上清を、さらに105,000gで90分間(4℃)遠
心し、次いで沈澱物を氷冷100mMリン酸カリウム緩
衝液(pH7.4)に懸濁した後、再度105,000gで9
0分間(4℃)遠心した。このようにして得られた沈澱物
(ミクロソーム画分)を氷冷100mMリン酸カリウム緩
衝液(pH7.4)に懸濁(蛋白濃度約40mg/ml、ピアス
社BCAプロテインアッセイキットで測定)し、これを
酵素液とした。
【0077】ヒト酵素含有酵素液の調製 10%牛胎児血清を含むダルベッコ改変イーグル培地で
培養(37℃,5%CO2存在下)して得られたヒト肝癌細
胞Hep G2(約1×109cells)を10ml氷冷緩衝液
[100mMリン酸カリウム緩衝液(pH7.4)、30mM
ニコチンアミド、2.5mMのMgCl2]に懸濁した後、超
音波処理(30秒間、2回)によって細胞を破砕した。得
られたソニケートより、上記ラット酵素と同様の操作に
よってミクロソーム画分を得た。これを氷冷100mM
リン酸カリウム緩衝液(pH7.4)に懸濁(蛋白濃度約4m
g/ml)し、これを酵素液とした。 [結果]化合物(I−A)はラット酵素およびヒト酵素に
対して各々9.3μg/mlおよび6.9μg/mlでスクアレ
ン合成酵素の50%阻害を示した。一方、化合物(I−
B)はラットおよびヒト酵素に対して各々11.0μg/
mlおよび8.2μg/mlでスクアレン合成酵素の50%
阻害を示した。
【0078】試験例3 細胞増殖阻害試験 ヒーラ(HeLa)細胞を2×104cells/mlの濃度で培
地に懸濁し、96穴平底プレート(ヌンク社)の各ウエル
に0.1mlずつ分注した。HeLa細胞にはイーグルのミ
ニマム・エッセンシャル・メディウム(ウイッタッカー
・バイオプロダクト社、米国)に牛胎児血清(ウイッタッ
カー・バイオプロダクト社)を10%添加した培地を使
用した。上記プレートを37℃、5%CO2に設定した
炭酸ガスインキュベーターで1日間培養後、あらかじめ
種々の濃度の化合物(I−A)または化合物(I−B)
を溶かしたリン酸生理食塩水を、細胞懸濁液を分注した
各ウエルに10μlずつ添加した。添加後さらに3日間
培養した後、テトラゾリウム塩MTT(シグマ社、米国)
を5mg/mlとなるようにPBSに溶かした溶液を25μ
l添加し、上記炭酸ガスインキュベーター中にて保温し
た。4時間後に0.01Nの塩酸に10%となるように
SDSを加えた溶液を各ウエルに0.1mlずつ加え、上
記炭酸ガスインキュベーターにて一晩保温し、620nm
での吸光度をタイターテック・マルチスキャン吸光度計
(フロー社、米国)を用いて測定した。PBSのみを10
μl加えた場合の吸光度を対照として、各濃度での化合
物(I−A)および化合物(I−B)の細胞増殖の阻害
率(%)を算出した。 [結果]化合物(I−A)および化合物(I−B)はヒー
ラ(HeLa)細胞の増殖を各々7.5μg/mlおよび29.
5μg/mlで50%阻害した。
【0079】試験例4 インビボ(in vivo)マウス肺癌転移抑制試験 8週齢のCrj:C57BL/6雌マウスに対するルイス
肺癌細胞の、化合物(I−A)による肺転移の抑制活性
を以下の方法により測定した。まず、ルイス肺癌細胞を
マウスの皮下にトロカール移植した後、そのうちの5匹
をA群として5日目から9日目まで毎日化合物(I−
A)を30mg/kgの用量で皮下投与した。また別の5匹
の1群(B群)については、5日目と6日目のそれぞれに
100mg/kgの用量の化合物(I−A)を腹腔内に投与
した。転移抑制活性は、癌細胞を投与した後18日目に
肺臓を摘出し、肺組織に生じた癌細胞コロニーをカウン
トすることにより測定した。転移抑制率は、未処理のコ
ントロール群10匹の肺臓におけるコロニー数を100
%とし、A群またはB群の肺組織における癌細胞コロニ
ー数をカウントし、コントロール群に対するパーセント
で示した。 [結果]A群、およびB群において、それぞれ34%、お
よび51%の肺癌転移抑制率を示した。
【0080】以上の試験例に示すように、本発明の一般
式(I)で表される化合物またはその塩、特に化合物
(I−A)および化合物(I−B)またはその塩は、微
小管重合阻害活性、スクアレン合成酵素阻害活性、細胞
増殖阻害活性および転移抑制活性を示す。しかも、これ
らの本発明化合物は低毒性である。例えば、化合物(I
−A)100mg/kgをCrj:C57BL/6雌マウスに
1日1回ずつ、2回腹腔内に投与しても死亡例は認めら
れなかった。
【0081】本発明の一般式(I)で表される化合物ま
たはその塩を有効成分とする微小管重合阻害剤、腫瘍転
移抑制剤またはスクアレン合成酵素阻害剤は、哺乳動物
(例、ラット、マウス、ウシ、ウマ、サル、ヒト等)に投
与して、微小管重合阻害薬、転移抑制剤またはスクアレ
ン合成酵素阻害薬として有用であり、例えば、哺乳動物
の腫瘍の治療あるいは転移防止または虚血性心疾患の予
防または治療や冠動脈硬化症の予防または治療に用いる
ことができる。該薬剤は、一般式(I)で表される化合
物またはその塩を、自体公知の方法により、薬理学的に
許容される担体と混合することにより得られる。本剤
は、非経口剤として、例えば注射剤、点滴剤、外用剤
(例、経鼻投与製剤、経皮製剤など)、坐剤(例、直腸坐
剤、膣坐剤など)、または、経口剤として、例えばカプ
セル剤、錠剤、シロップ剤、散剤および顆粒剤またはそ
のほかの医薬組成物として非経口的または経口的に投与
することができる。
【0082】これらの製剤は、製剤工程において通常一
般に用いられる自体公知の方法により製造することがで
きる。例えば、本発明の一般式(I)で表される化合物
またはその塩は分散剤(例、ツィーン(Tween)80(アト
ラスパウダー社製、米国)、HCO60(日光ケミカルズ
製)ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロ
ース、アルギン酸ナトリウムなど)、保存剤(例、メチル
パラベン、ベンジルアルコール、クロロブタノールな
ど)、等張化剤(例、塩化ナトリウム、グリセリン、ソル
ビトール、ブドウ糖など)などと共に水性注射剤に、あ
るいはオリーブ油、ゴマ油、ラッカセイ油、綿実油、コ
ーン油などの植物油、プロピレングリコールなどに溶
解、懸濁あるいは乳化して油性注射剤に成形し、注射剤
とすることができる。
【0083】例えば、外用剤とするには、自体公知の方
法に従い、本発明の一般式(I)で表される化合物また
はその塩を固状、半固状または液状の外用投与剤とする
ことができる。例えば、上記固状のものとしては、一般
式(I)で表される化合物またはその塩をそのまま、あ
るいは賦形剤(例、グリコール、マンイトール、デンプ
ン、微結晶セルロースなど)、増粘剤(例、天然ゴム類、
セルロース誘導体、アクリル酸重合体など)などを添
加、混合して粉状の組成物とする。上記液状のものとし
ては、注射剤の場合とほとんど同様で、油性あるいは水
性懸濁剤とする。半固状の場合は、水性または油性のゲ
ル剤、あるいは軟膏状のものがよい。また、これらはい
ずれも、pH調節剤(例、炭酸、リン酸、クエン酸、塩
酸、水酸化ナトリウムなど)、防腐剤(例、パラオキシ安
息香酸エステル類、クロロブタノール、塩化ベンザルコ
ニウムなど)などを加えても良い。
【0084】例えば、坐剤とするには、自体公知の方法
に従い、本発明の一般式(I)で表される化合物または
その塩を油性または水性の固状、半固状あるいは液状の
坐剤とすることができる。上記組成物に用いる油性基剤
としては、例えば高級脂肪酸のグリセリド[例、カカオ
脂、ウイテプゾル類(ダイナマイトノーベル社製)な
ど]、あるいは植物油(例、ゴマ油、大豆油、綿実油な
ど)などが挙げられる。また、水性基剤としては、例え
ばポリエチレングリコール類、プロピレングリコール、
水性ゲル基剤としては、例えば天然ゴム類、セルロース
誘導体、ビニル重合体、アクリル酸重合体などが挙げら
れる。
【0085】例えば、経口投与製剤にするには、自体公
知の方法に従い、本発明の一般式(I)で表される化合
物またはその塩を、例えば賦形剤(例、乳糖、白糖、デ
ンプンなど)、崩壊剤(例、デンプン、炭酸カルシウムな
ど)、結合剤(例、デンプン、アラビアゴム、カルボキシ
メチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシ
プロピルセルロースなど)または滑沢剤(例、タルク、ス
テアリン酸マグネシウム、ポリエチレングリコール60
00など)などを添加して圧縮成形し、次いで必要によ
り、味のマスキング、直溶性あるいは持続性の目的のた
め自体公知の方法でコーティングすることにより経口投
与製剤とすることができる。そのコーティング剤として
は、例えばヒドロキシプロビルメチルセルロース、エチ
ルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ポリオキ
シエチレングリコール、ツィーン80、プルロニツクF
68、セルロースアセテートフタレート、ヒドロキシプ
ロビルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシメチル
セルロースアセテートサクシネート、オイドラギット
(ローム社製、西ドイツ、メタアクリル酸・アクリル酸
共重合)および酸化チタン、ベンガラ等の色素が用いら
れる。
【0086】一般式(I)で表される化合物またはその
塩をヒトに用いる場合の投与量は、対象疾病の種類、程
度、患者の年齢などで変動し得るが、通常、一般式
(I)で表される化合物またはその塩の含量として、1
日成人(体重50kg)1人当たり約1mgないし40mg、と
りわけ約2mgないし30mgが疾患の治療に用いられる事
が好ましい。これらの製剤は、1日1ないし3回に分け
て投与することができる。一般式(I)で表される化合
物またはその塩を、注射剤として非経口的に皮下、静脈
内または筋肉内に投与する場合、その投与量は約0.5
ないし50mg/kg/日、好ましくは1ないし50mg/kg
/日である。
【0087】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を更に詳しく説
明するが、これによって本発明が限定されるものではな
い。尚、培地におけるパーセント(%)は、特に断りのな
い限り、重量/容量パーセントを表示する。また、溶媒
の混合比率は、特に断りのない限り、容量比を表示す
る。13C核磁気共鳴(NMR)スペクトルは内部標準とし
てテトラメチルシランを用いて(75MHz)型スペクト
ルメーターで測定し、全δ値をppmで示した。実施例中
Qは4級炭素を意味する。 実施例1 化合物(I−A)および化合物(I−B)の製造 デキストリン50g、グルコース5g、生大豆粉35g、
炭酸カルシウム7g、寒天20gおよび水1リットルから
なる斜面培地上で、28℃で、7日間培養したストレプ
トマイセス・ロセオグリセウスAL−28015株を2
%ブドウ糖、3%麦芽糖、1.0%生大豆粉、0.3%コ
ーン・スティープ・リカー、0.5%ペプトン、0.5%
炭酸カルシウム、0.3%塩化ナトリウムを含む40ml
の種培地(pH7.0)に接種し、200ml容三角フラスコ
中で、28℃、48時間回転振盪機上で培養し、種培養
を得た。得られた種培養液1mlを200ml容フラスコ内
の40mlの0.5%ブドウ糖、5.0%デキストリン、
3.5%生大豆粉、0.7%炭酸カルシウムを含む発酵培
地(pH7.0)に移植し、28℃、5日間振盪機上で培養
した。
【0088】得られた培養液(4.0リットル)をpH3.
0に補正し、酢酸エチル(4.0リットル)を加えて30
分間攪拌抽出し、ハイフロース−パーセル(ジョンス−
マンビル社製、米国)を加えて濾過した。得られた有機
層(3.6リットル)を水で洗浄した後、無水硫酸ナトリ
ウムを用いて乾燥し、減圧下濃縮、乾固して油状物(2
7.9g)を得た。この一部(24.0g)をメタノール、酢
酸エチルの混液(200ml)に溶解し、シリカゲル(50
g)を加え、溶媒を除去してシリカゲルに吸着させた。こ
れをシリカゲル60(エー・メルク社、独国)のカラムク
ロマトグラフィー(450g)に付し、クロロホルム:メタ
ノール:酢酸(98:1:1,2.0リットル次いで97:2:
1,1.0リットル)で洗浄後、化合物(I−A)を含む
活性画分をクロロホルム:メタノール:酢酸(97:2:1,
1.0リットル)で溶出した。更に、クロロホルム:メタ
ノール:酢酸(96:3:1, 1.0リットル)で洗浄した
後、化合物(I−B)を含む活性画分をクロロホルム:
メタノール:酢酸(96:3:1,1.0リットル、次いで9
5:4:1, 1,2リットル、次いで92:7:1, 0.5リ
ットル)で溶出した。溶出画分をそれぞれ減圧下濃縮
し、化合物(I−A)の粗粉末(1.64g)および化合物
(I−B)の粗粉末(1.13g)を得た。化合物(I−
A)の粗粉末を酢酸エチル、メタノールの混液(20ml)
に溶解し、シリカゲル(6.0g)を加え、溶媒を除去して
シリカゲルに吸着させた。これをシリカゲル60のカラ
ムクロマトグラフィー(44g)に付し、ジクロロメタン:
メタノール:酢酸(98:1:1, 800ml)で洗浄後、化
合物(I−A)を含む活性画分をジクロロメタン:メタ
ノール:酢酸(98:1:1, 200ml、次いで96:3:
1, 100ml)で溶出した。溶出画分を濃縮乾固し、酢
酸エチル(200ml)に溶解し、0.2N塩酸および水に
て洗浄後、無水硫酸ナトリウムを用い乾燥し濃縮した
後、酢酸エチル−ヘキサンから結晶化し、化合物(I−
A)の黄色結晶(408mg)を得た。化合物(I−B)の
粗粉末をメタノール(10ml)に溶解し濃縮した後、酢酸
エチル(200ml)に溶解し、0.2N塩酸および水(各1
00ml)にて洗浄した。酢酸エチル層を無水硫酸ナトリ
ウムを用いて乾燥し濃縮した後、酢酸エチル−ヘキサン
から結晶化して、化合物(I−B)の黄色結晶(1.12
g)を得た。
【0089】製剤例1 実施例1によって得られた化合物(I−A)および化合
物(I−B)を用いて、下記に示す処方の全成分を混和
し、ゼラチンカプセルに充填し、カプセル1個当たり、
30mgの化合物(I−A)または化合物(I−B)を含
有するカプセル剤をそれぞれ製造した。 化合物(I−A)または化合物(I−B) 30mg 乳糖 100mg コーンスターチ 40mgステアリン酸マグネシウム 10mg 合計 180mg
【0090】製剤例2 実施例1によって得られた化合物(I−A)または化合
物(I−B)とステアリン酸マグネシウムを可溶性デン
プンの水溶液で顆粒化し、乾燥後、乳糖およびコーンス
ターチと混合した。混合物を圧縮成型し、下記に示す処
方の錠剤を製造した。 化合物(I−A)または化合物(I−B) 30mg 乳糖 65mg コーンスターチ 30mg 可溶性デンプン 35mgステアリン酸マグネシウム 20mg 合計 180mg
【0091】製剤例3 実施例1で得られた化合物(I−A)または化合物(I
−B)(500mg)をメタノール(40ml)に溶解し、炭酸
ナトリウム(163mg,1.1当量)、水(30ml)を加え、
室温にて10分間攪拌した。その後、メタノールを除去
し、凍結乾燥すると化合物(I−A)または化合物(I
−B)のナトリウム塩(550mg)が得られた。得られた
化合物(I−A)または化合物(I−B)のナトリウム
塩を30%(W/V)ポリエチレングリコール400を含
む生理食塩水に溶解して化合物(I−A)または化合物
(I−B)のナトリウム塩の0.05%溶液を調製し、
滅菌濾過して、バイアルに30mlずつ分注した。バイア
ル1個当たり、15mgの化合物(I−A)または化合物
(I−B)のナトリウム塩を含有する静注剤を製造し
た。
【0092】
【発明の効果】本発明によれば、微小管重合阻害活性、
スクアレン合成酵素阻害活性および細胞増殖阻害活性を
有する新規五環性化合物、その製造法、その製造に用い
る新規微生物菌株並びにそれを含有してなる微小管重合
阻害剤、スクアレン合成酵素阻害剤および腫瘍転移抑制
剤が提供される。本発明化合物は低毒性であり安全に投
与される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 化合物(I−A)の紫外線吸収(UV)スペ
クトルを示す。
【図2】 化合物(I−A)の赤外部吸収(IR)スペ
クトルを示す。
【図3】 化合物(I−A)の13C核磁気共鳴(NM
R)スペクトルを示す。
【図4】 化合物(I−B)の紫外線吸収(UV)スペ
クトルを示す。
【図5】 化合物(I−B)の赤外部吸収(IR)スペ
クトルを示す。
【図6】 化合物(I−B)の13C核磁気共鳴(NM
R)スペクトルを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 235/84 7106−4H C12N 1/20 A 8828−4B C12P 7/50 8114−4B //(C12N 1/20 C12R 1:465) (C12P 7/50 C12R 1:465)

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I): 【化1】 (式中、R1はエステル化またはアミド化されていてもよ
    いカルボキシル基を、R2、R3、R4、R5およびR6
    エーテル化またはエステル化されていてもよい水酸基を
    それぞれ示す)で表される化合物またはその塩。
  2. 【請求項2】 R1がカルボキシル基である請求項1記
    載の化合物。
  3. 【請求項3】 式(I−A): 【化2】 で表される請求項1記載の化合物。
  4. 【請求項4】 式(I−B): 【化3】 で表される請求項1記載の化合物。
  5. 【請求項5】 ストレプトマイセス属に属し、式(I−
    A)で表される化合物および/または式(I−B)で表
    される化合物を生産する能力を有する微生物を培地に培
    養し、式(I−A)で表される化合物および/または式
    (I−B)で表される化合物を培地に生成蓄積せしめ、
    これを採取することを特徴とする式(I−A)で表され
    る化合物および/または式(I−B)で表される化合物
    またはこれらの塩の製造法。
  6. 【請求項6】 微生物がストレプトマイセス・ロセオグ
    リセウスに属する微生物である請求項5記載の製造法。
  7. 【請求項7】 微生物ストレプトマイセス・ロセオグリ
    セウスAL−28015。
  8. 【請求項8】 請求項1記載の化合物またはその塩を含
    有してなる微小管重合阻害剤。
  9. 【請求項9】 請求項1記載の化合物またはその塩を含
    有してなるスクアレン合成酵素阻害剤。
  10. 【請求項10】 請求項1記載の化合物またはその塩を
    含有してなる腫瘍転移抑制剤。
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