JPH07258318A - 重合触媒 - Google Patents

重合触媒

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JPH07258318A
JPH07258318A JP6129840A JP12984094A JPH07258318A JP H07258318 A JPH07258318 A JP H07258318A JP 6129840 A JP6129840 A JP 6129840A JP 12984094 A JP12984094 A JP 12984094A JP H07258318 A JPH07258318 A JP H07258318A
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JP
Japan
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polymerization
monomer
group
complex
polymer
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JP6129840A
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Itaru Natori
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 立体障害の小さい単量体のみならず立体障害
の大きい単量体に対しても、工業的に十分満足できる重
合活性を有する新規な重合触媒及びこれを用いた重合方
法を提供する。 【構成】 IA族金属を含有する有機金属化合物の錯
体化合物であって、重合活性種である錯体化合物が、複
核もしくは多核錯体である重合触媒。 環状共役ジエン系単量体、鎖状共役ジエン系単量体、
ビニル芳香族系単量体、極性単量体、エチレン、α−オ
レフィン単量体等のアニオン重合可能な単量体を、上記
重合触媒による重合方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な重合触媒及びこ
れを用いた重合方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の高分子化学は、多様化する市場の
要求に対応するために幾つかのイノベーションを経て進
歩を続けてきた。特に、工業材料を目的とした高分子材
料の研究においては、より優れた熱的・機械的特性を発
現させるべく膨大な研究が行われ、多種・多様な材料及
び製造方法が提案されている。例えば、共役ジエン系重
合体についても従来より数多くの提案がなされており、
その幾つかは重要な工業材料として広範囲に使用されて
いる。
【0003】代表的な共役ジエン系重合体として、ポリ
ブタジエン、ポリイソプレン等の単独重合体、ブタジエ
ン−イソプレン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合
体、プロピレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソ
プレン共重合体、α−メチルスチレン−ブタジエン共重
合体、α−メチルスチレン−イソプレン共重合体、アク
リロニトリル−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル
−イソプレン共重合体、ブタジエン−メタクリル酸メチ
ル共重合体、イソプレン−メタクリル酸メチル共重合体
等のブロック、グラフト、テーパーあるいはランダム共
重合体、更にはこれらの水素化重合体などが公知の材料
として知られており、プラスチック、エラストマー、機
械部品、タイヤ、ベルト、絶縁剤、接着剤、他樹脂の改
質剤等、必要に応じて種々の目的・用途分野に用いられ
ている。
【0004】一方、共役ジエン系重合体の重合方法につ
いても、従来より数多くの提案がなされており、工業的
に極めて重要な役割を担っている。特に、熱的・機械的
特性が改良された共役ジエン系重合体を得る目的で、高
いシス1,4−結合含有率を与える数多くの重合触媒
が、研究・開発されている。例えば、リチウム、ナトリ
ウム等のアルカリ金属化合物を主成分とする触媒系、あ
るいは、ニッケル、コバルト、チタン等の遷移金属化合
物を主成分とする複合触媒系は公知であり、その中の幾
つかはすでに、ブタジエン、イソプレン等の重合触媒と
して工業的に採用されている[End.Ing.Che
m.,48,784(1956)、特公昭37−819
8号公報、参照]。
【0005】一方、更に高いシス1,4−結合含有率及
び優れた重合活性を達成すべく、希土類金属化合物とI
〜III族金属の有機金属化合物からなる複合触媒系が
研究・開発され、高立体特異性重合の研究が盛んに行わ
れるようになった[J.Polym.Sci.,Pol
ym.Chem.Ed.,18,3345(198
0)、Sci,Sinica.,2/3,734(19
80)、Makromol.Chem.Suppl,
4,61(1981)、独国特許出願2,848,96
4号、Rubber Chem.Technol.,5
8,117(1985)、参照]。
【0006】これらの触媒系の中で、ネオジウム化合物
と有機アルミニウム化合物を主成分とする複合触媒が、
高いシス1,4−結合含有率と優れた重合活性を有する
事が確認され、ブタジエン等の重合触媒としてすでに工
業化されている[Makromol.Chem.,9
4,119(1981)、Macromolecule
s,15,230(1982)、参照]。
【0007】しかしながら、近年の工業技術の進歩に伴
い、高分子材料に対する市場要求はますます高度なもの
となっており、更に高い熱的(融点、ガラス転移温度、
熱変形温度等)・機械的特性(引張り弾性率、曲げ弾性
率等)を有する高分子材料の開発が強く望まれるように
なっている。この課題を解決するための最も有力な手段
の一つとして、ブタジエン、イソプレン、スチレン等の
比較的立体障害の小さい単量体のみならず、立体障害の
大きい単量体すなわち環状共役ジエン系単量体を単独重
合あるいは共重合し、共役ジエン系重合体の高分子鎖の
構造を改良して、高度な熱的・機械的特性を有する高分
子材料を得ようとする研究活動が盛んに行われるように
なってきた。
【0008】しかしながら従来技術では、ブタジエン、
イソプレン、スチレン等の比較的立体障害の小さい単量
体に対して、ある程度満足できる重合活性を示す触媒系
が提案されているものの、立体障害の大きい単量体すな
わち環状共役ジエン系単量体に対しては、十分に満足で
きる重合活性を有する重合触媒系は未だに見いだされて
いなかった。すなわち、立体障害の小さい単量体のみな
らず立体障害の大きい単量体に対しても、工業的に十分
採用可能な高活性を有する重合触媒系は未だに見いださ
れておらずこの解決が強く望まれていた。
【0009】J.Am.Chem.Soc.,81,4
48(1959)には、環状共役ジエン系単量体である
1,3−シクロヘキサジエンを、四塩化チタンとトリイ
ソブチルアルミニウムからなる複合触媒を用いて重合し
た、シクロヘキサジエンホモポリマー及びこの重合方法
が開示されている。ここに記載されている重合方法は、
多量の重合触媒と長い反応時間を必要とするばかりでな
く、得られた重合体の分子量は極めて低いものであり、
工業的な価値はない。
【0010】J.Polym.Sci.,Pt.A,
2,3277(1964)には、1,3−シクロヘキサ
ジエンを、ラジカル、カチオン、アニオン、配位重合等
の種々の方法で重合したシクロヘキサジエンホモポリマ
ーの重合方法が開示されている。ここに記載されている
重合方法では、いずれの場合においても得られた重合体
の分子量は極めて低いものであり、工業的な価値はな
い。
【0011】英国特許出願第1,042,625号明細
書には、1,3−シクロヘキサジエンを多量の有機リチ
ウム化合物を触媒として重合した、シクロヘキサジエン
ホモポリマーの重合方法が開示されている。ここに開示
されている重合方法は、単量体に対し1〜2重量%もの
触媒を用いる必要があり、経済的に著しく不利であるば
かりでなく、得られた重合体の分子量は極めて低いもの
となってしまう。更に、共重合体が得られる可能性につ
いては示唆も教示もない。一方、この重合方法では重合
体中に多量に残存する触媒残査の除去が困難であり、こ
の重合方法で得られた重合体の商品価値はない。
【0012】J.Polym.Sci.,Pt.A,
3,1553(1965)には、1,3−シクロヘキサ
ジエンを有機リチウム化合物を触媒として重合した、シ
クロヘキサジエンホモポリマーが開示されている。ここ
で得られている重合体は、5週間も重合反応を続けたに
も関わらず、数平均分子量は20,000が限界であっ
た。
【0013】Polym.Prepr.(Amer.C
hem.Soc.,Div.Polym.Chem.)
12,402(1971)には、1,3−シクロヘキサ
ジエンを有機リチウム化合物を触媒として重合した場合
には、シクロヘキサジエンホモポリマーの数平均分子量
の限界は10,000〜15,000である事が開示さ
れており、この理由として、重合反応と同時にリチウム
カチオンの引き抜きを伴う転移反応及びリチウムハイド
ライドの脱離反応が併発する事が教示されている。
【0014】Die Makromolekulare
Chemie.,163,13(1973)には、
1,3−シクロヘキサジエンを多量の有機リチウム化合
物を触媒として重合した、シクロヘキサジエンホモポリ
マーが開示されている。ここで得られているオリゴマー
状の重合体は数平均分子量として6,500にすぎな
い。
【0015】European Polymer
J.,9,895(1973)には、π−アリルニッケ
ル化合物を重合触媒とした、1,3−シクロヘキサジエ
ンとブタジエン、イソプレンとの共重合体が記載されて
いる。しかしながら、ここで得られている重合体は、極
めて低分子量のオリゴマーであり、ランダム共重合体を
示唆する単一のガラス転移温度を有している事が報告さ
れている。
【0016】高分子論文集,Vol.34,No.5,
333(1977)には、塩化亜鉛を重合触媒とした、
1,3−シクロヘキサジエンとアクリロニトリルの共重
合体が記載されている。ここで得られている交互共重合
体は極めて低分子量のオリゴマーである。
【0017】J.Polym.Sci.,Polym.
Chem.Ed.,20,901(1982)には、
1,3−シクロヘキサジエンを有機ナトリウム化合物を
触媒として重合した、シクロヘキサジエンホモポリマー
が開示されている。ここで用いられている有機ナトリウ
ム化合物はナトリウムナフタレンであり、実際にはラジ
カルアニオンより形成されるジアニオンが重合開始点と
なっている。すなわちここで報告されているシクロヘキ
サジエンホモポリマーの数平均分子量は見かけ上38,
700であるが、実質的には数平均分子量19,350
の分子鎖が重合開始点より二方向に成長したに過ぎな
い。また、ここに開示されている重合方法は、極めて低
温下における反応であり、工業的な価値はない。
【0018】Makromol.Chem.,191,
2743(1990)には、ポリスチリルリチウムを重
合開始剤とした1,3−シクロヘキサジエンの重合方法
が記載されている。ここに記載されている重合方法で
は、重合反応と同時にリチウムカチオンの引き抜きを伴
う転移反応及びリチウムハイドライドの脱離反応がかな
り併発する事が教示されており、ポリスチリルリチウム
を開始剤として重合反応を行ったにも拘らず、常温では
スチレン−シクロヘキサジエンのブロックポリマーは得
られず、シクロヘキサジエンホモポリマーのみが得られ
た事が報告されている。
【0019】同様にポリスチリルリチウムを開始剤と
し、−10℃でブロック化を行うと極めて低収率で分子
量20,000程度のスチレン−シクロヘキサジエンの
ブロックポリマーがシクロヘキサジエンホモポリマーと
共に得られたと報告されている。しかしながら、ここで
得られている共重合体はシクロヘキサジエンブロックの
含有量が極めて微量であるばかりでなく、鎖状共役ジエ
ン系単量体とのブロック共重合や、トリブロック以上の
マルチブロック、ラジアルブロック等については示唆も
教示もない。すなわち、従来の技術では立体障害の小さ
い単量体のみならず立体障害の大きい単量体に対して
も、工業的に十分満足できる重合活性を有する重合触媒
系は未だに見いだされていなかった。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、立体障害の
小さい単量体のみならず立体障害の大きい単量体に対し
ても、工業的に十分満足できる重合活性を有する新規な
重合触媒及びこれを用いた重合方法を提供する。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するために研究を重ねた結果、従来報告された事の
ない新規な重合触媒、すなわちIA族金属を含有する有
機金属化合物の錯体化合物であって、重合活性種である
錯体化合物が、複核もしくは多核錯体である事を特徴と
する重合触媒が、立体障害の小さい単量体のみならず立
体障害の大きい単量体に対しても、工業的に十分満足で
きる重合活性を有するという驚くべき事実を発見し本発
明を完成した。
【0022】すなわち本発明は、 [1]IA族金属を含有する有機金属化合物の錯体化合
物であって、重合活性種である錯体化合物が、複核もし
くは多核錯体である事を特徴とする重合触媒。 [2]IA族金属を含有する有機金属化合物の錯体化合
物であって、有機金属化合物と錯体を形成する配位子が
アミン類を含有する事を特徴とする、[1]記載の重合
触媒。 [3]重合反応以前に形成されたIA族金属を含有する
有機金属化合物の錯体化合物である事を特徴とする、
[1]記載の重合触媒。 [4]環状共役ジエン系単量体、鎖状共役ジエン系単量
体、ビニル芳香族系単量体、極性単量体、エチレン、α
−オレフィン単量体のアニオン重合可能な単量体から選
択される一種又は二種以上の単量体を、IA族金属を含
有する有機金属化合物の錯体化合物であって、重合活性
種である錯体化合物が、複核もしくは多核錯体である錯
体化合物を重合触媒として用いる事を特徴とする、重合
方法。 [5]アニオン重合可能な単量体が、環状共役ジエン系
単量体、鎖状共役ジエン系単量体、ビニル芳香族系単量
体、極性単量体、エチレン、α−オレフィン単量体であ
る、[4]記載の重合方法。[6]有機金属化合物と錯
体を形成する配位子がアミン類を含有する事を特徴とす
る、[4]又は[5]記載の重合方法。 [7]重合反応以前に形成されたIA族金属を含有する
有機金属化合物の錯体化合物を、重合触媒として用いる
事を特徴とする、[4]又は[5]記載の重合方法。で
ある。
【0023】本発明の新規な重合触媒とは、より具体的
にはアニオン重合活性、特にリビングアニオン重合活性
能を有する重合触媒である。より具体的には、IA族金
属を含有する有機金属化合物の錯体化合物であって、重
合活性種である錯体化合物が、複核もしくは多核錯体で
ある事を特徴とするアニオン重合活性、特にリビングア
ニオン重合活性能を有する重合触媒である。従来より、
リビングアニオン重合活性能を有する種々の触媒系が提
案されており、特にIA族金属を含有する有機金属化合
物あるいは、IA族金属を含有する有機金属化合物の錯
体化合物はリビングアニオン重合触媒として幅広く採用
されている。
【0024】この中で、IA族金属を含有する有機金属
化合物の錯体化合物、特にアルキルリチウム(R−L
i)とTMEDA(テトラメチルエチレンジアミン)か
らなる錯体化合物に関する膨大な研究が行われてきた。
N.Y.Acad.Sci.27,741(1965)
に教示されているように、この錯体における重合活性種
は、下記(1)式により表されるアルキルリチウムとT
MEDAから構成される単核錯体、すなわち一錯体中に
一原子の金属を含有する錯体であるとされている。
【0025】
【化1】
【0026】従来技術においては、アルキルリチウムの
会合体にTMEDAを添加した場合、TMEDAがアル
キルリチウムと反応し錯体を形成する事によってアルキ
ルリチウム間の会合を分離し、単核の活性種が生成する
ために重合活性の向上等の効果が発現するとされてき
た。従って、従来の重合触媒を用いた場合には、それぞ
れ自由な方向に成長する高分子鎖の末端に金属カチオン
が単独で存在し、自由な方向から単量体が近付く事によ
って重合反応が進行する事が示唆されている。
【0027】この事は更に、従来の重合触媒では高分子
鎖の分子構造の制御が反応温度等の外的因子によって支
配されるために、この制御が極めて困難である事をも教
示している。すなわち従来のリビングアニオン重合触媒
は、環状共役ジエン系単量体のように、立体障害が大き
く重合困難な単量体に対して工業的に採用できる十分な
重合活性能を全く有しないばかりでなく、他の単量体に
対しても、高分子鎖構造の十分な制御の可能性は示唆も
教示もされていなかった。
【0028】本発明者は、IA族金属を含有する有機金
属化合物の錯体化合物を形成させるにあたって、IA族
金属を含有する有機金属化合物間の会合をより安定化す
る錯体構造が重合活性種として最も好ましいという、従
来のリビングアニオン重合触媒の概念を覆す驚くべき事
実を発見し、本発明の新規な重合触媒系を完成させた。
本発明が開示する新規な重合触媒は、IA族金属を含有
する有機金属化合物の錯体化合物であって、重合活性種
である錯体化合物が、複核もしくは多核錯体である事を
特徴とする重合触媒である。
【0029】より具体的にはIA族金属を含有する有機
金属化合物間の会合をより安定化し、単量体共存下にお
いても錯体構造を保持する複核もしくは多核錯体である
錯体化合物である。本発明における複核錯体とは、重合
活性種である錯体化合物中に含有されているIA金属原
子が、2原子単位で会合した錯体化合物であり、多核錯
体とは3原子単位以上で会合した錯体化合物である。
【0030】本発明の多核錯体中のIA金属原子は、3
原子単位以上で会合していればよく、IA金属原子を有
する有機金属化合物、錯化剤の種類及び目的に応じて、
最も安定な会合状体を適時選択すればよい。多核錯体中
のIA金属原子は、実用的には3〜20原子単位で会合
している事が好ましく、3〜10原子単位で会合してい
る事が特に好ましく、4〜6原子単位で会合している事
が工業的に実施するためには最も好ましい。
【0031】本発明の重合触媒は、環状共役ジエン系単
量体のように、従来の触媒系では立体障害が大きく重合
困難な単量体に対して工業的に採用できる十分な重合活
性能を有するばかりでなく、単量体共存下においても錯
体構造を保持し、リビングアニオン重合でありながら、
重合活性種である錯体上に単量体が挿入する、あたかも
配位重合的に重合反応が進行するため、環状共役ジエン
系単量体のみならず、従来技術によってアニオン重合可
能な従来公知の他の単量体に対しても、高分子鎖構造の
十分な制御の可能性を有するものである。
【0032】本発明の重合触媒に採用する事が可能なI
A族金属とは、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビ
ジウム、セシウム、フランシウムであり、好ましいIA
族金属としてリチウム、ナトリウム、カリウムを例示す
る事ができ、特に好ましいIA族金属としてリチウムを
例示する事ができる。本発明の重合触媒に用いられる錯
体化合物とは、上記IA族金属を含有する有機金属化合
物の錯体化合物であり、特に好ましい錯体化合物として
有機リチウム化合物、有機ナトリウム化合物、有機カリ
ウム化合物の複核もしくは多核錯体錯体化合物を例示す
る事ができる。最も好ましい錯体化合物として、有機リ
チウム化合物の複核もしくは多核錯体化合物を例示する
事ができる。
【0033】本発明の重合触媒に好適に用いられる有機
リチウム化合物とは、炭素原子を少なくとも一個以上含
有する有機分子叉は有機高分子に結合する、一個叉は二
個以上のリチウム原子を含有する化合物であり、例えば
メチルリチウム、エチルリチウム、n−プロピルリチウ
ム、iso−プロピルリチウム、n−ブチルリチウム、
sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、
ペンチルリチウム、ヘキシルリチウム、アリルリチウ
ム、シクロヘキシルリチウム、フェニルリチウム、ヘキ
サメチレンジリチウム、シクロペンタジエニルリチウ
ム、インデニルリチウム、ブタジエニルジリチウム、イ
ソプレニルリジチウム等あるいは、ポリブタジエニルリ
チウム、ポリイソプレニルリチウム、ポリスチリルリチ
ウム等高分子鎖の一部にリチウム原子を含有するオリゴ
マー状もしくは高分子状の従来公知の有機リチウムを例
示する事ができる。
【0034】好ましい有機リチウム化合物としては、安
定な会合状態を形成するものであれば特にその種類は制
限されないが、代表的な有機リチウム化合物としてメチ
ルリチウム、エチルリチウム、n−ブチルリチウム、シ
クロヘキシルリチウムを例示する事ができる。工業的に
採用できる最も好ましい有機リチウム化合物として、n
−ブチルリチウムを例示する事ができる。本発明におい
て採用されるIA族金属を含有する有機金属化合物は、
一種でも、必要に応じて二種類以上の混合物であっても
構わない。
【0035】本発明の重合触媒である、IA族金属を含
有する有機金属化合物と錯体を形成する化合物(錯化
剤)については、特にその種類量は制限されるものでは
ないが、IA族金属を含有する有機金属化合物間の会合
をより安定化し、単量体共存下においても錯体構造を保
持する複核もしくは多核錯体を形成する化合物である事
が必要である。より具体的には、IA族金属を含有する
有機金属化合物間の会合をより安定化するために、IA
族金属に対して電子供与能を有する有機化合物が錯化剤
としては有用であり、例えばIA族金属を含有する有機
金属化合物に配位可能な非共有電子対が存在する極性基
(RO−、R2 N−、RS−、2−オキサゾリン基等:
Rはアルキル基を表す。)を有する有機化合物を例示す
る事ができる。
【0036】更に好ましい有機化合物としてはアミン
類、エーテル類、チオエーテル類を例示する事ができ
る。これらの錯化剤は、一種でも必要に応じて二種以上
の混合物であっても構わない。工業的な観点からは、本
発明の重合触媒となるIA族金属を含有する有機金属化
合物と複核もしくは多核錯体を形成する最も好ましい錯
化剤として、アミン類を例示する事ができる。
【0037】すなわち、本発明の重合触媒においては、
IA族金属を含有する有機金属化合物とアミン類から形
成される複核もしくは多核錯体化合物が特に好ましく、
有機リチウム化合物とアミン類から形成される複核もし
くは多核錯体化合物が最も好ましい。本発明の重合触媒
における最も好ましい錯化剤であるアミン類としては、
IA族金属を含有する有機金属化合物に配位可能な、非
共有電子対が存在する極性基であるR1 R2 N−基(R
1 、R2 はアルキル基、アリール基、水素原子を表す。
これらは同一であっても異なっていてもよい。)を一個
叉は二個以上含有する有機化合物もしくは有機高分子化
合物を例示する事ができる。これらのアミン類の中で、
最も好ましいアミン類は、第三(三級)アミン化合物で
ある。
【0038】好ましい第三(三級)アミン化合物として
は、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジメチルア
ニリン、ジエチルアニリン、テトラメチルジアミノメタ
ン、テトラメチルエチレンジアミン、テトラメチル−
1,3−プロパンジアミン、テトラメチル−1,3−ブ
タンジアミン、テトラメチル−1,4−ブタンジアミ
ン、テトラメチル−1,6−ヘキサンジアミン、テトラ
メチル−1,4−フェニレンジアミン、テトラメチル−
1,8−ナフタレンジアミン、テトラメチルベンジジ
ン、テトラエチルエチレンジアミン、テトラエチル−
1,3−プロパンジアミン、テトラメチルジエチレント
リアミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、ジアザ
ビシクロ[2,2,2]オクタン、1,5−ジアザビシ
クロ[4,3,0]−5−ノネン、1,8−ジアザビシ
クロ[5,4,0]−7−ウンデセン、1,4,8,1
1−テトラメチル−1,4,8,11−テトラアザシク
ロテトラデカン、テトラキス(ジメチルアミノ)エチレ
ン、テトラエチル−2−ブテン−1,4−ジアミン、ヘ
キサメチルホスホリックトリアミド等を例示する事がで
きる。
【0039】特に好ましい第三アミン化合物としては、
テトラエチルエチレンジアミン(TEEDA)、テトラ
メチルエチレンジアミン(TMEDA)、テトラメチル
ジエチレントリアミン(TMEDTA)、ペンタメチル
ジエチレントリアミン(PMDT)、ジアザビシクロ
[2,2,2]オクタン(DABACO)、ヘキサメチ
ルホスホリックトリアミド(HMPA)を例示する事が
できる。工業的に採用できる最も好ましい第三アミン化
合物として、テトラメチルエチレンジアミン(TMED
A)を例示する事ができる。
【0040】これらの化合物は、一種叉は必要に応じて
二種以上の混合物である事も可能である。また、アミン
類と他の錯化剤を併用する事も特に制限されるものでは
なく、IA族金属を含有する有機金属化合物の会合状態
を安定化させる組み合わせを適時選択する事が好まし
い。本発明の最も好ましい重合触媒である、IA族金属
を含有する有機金属化合物とアミン類から形成される複
核もしくは多核錯体化合物の合成方法は特に制限される
ものではなく、必要に応じて従来公知の技術を応用する
事ができる。例えば、不活性ガス雰囲気下に有機金属化
合物を有機溶媒に溶解し、これにアミン類の溶液を添加
する方法。あるいは不活性ガス雰囲気下にアミン類を有
機溶媒に溶解し、これに有機金属化合物の溶液を添加す
る方法などを例示する事ができ、必要に応じて適時選択
される。
【0041】本発明の最も好ましい重合触媒である、I
A族金属を含有する有機金属化合物とアミン類から形成
される複核もしくは多核錯体化合物の調整において、配
合される、アミン化合物分子と有機金属化合物中のIA
族金属原子をそれぞれAmol、Bmolとした場合、
これらの一般的配合比は、 A/B=1000/1〜1/1000 の範囲であり、更に A/B=100/1〜1/100 の範囲である事が有利であり、特に複核以上の錯体化合
物の場合は、 A/B=60/1〜1/60 の範囲である事が好ましく、 A/B=50/1〜1/50 の範囲である事が更に好ましく、 A/B=30/1〜1/30 の範囲である事が特に好ましく、 A/B=20/1〜1/20 の範囲である事が、安定した複核もしくは多核錯体化合
物を形成し、高収率に高分子量体あるいは共重合体を得
る上で最も好ましい。
【0042】アミン化合物分子とIA族金属原子の配合
比が本発明の範囲外であると、経済的に不利になるばか
りでなく、錯体化合物が不安定になり、重合反応と同時
に転移反応あるいはIA族金属ハイドライドの脱離反応
等の副反応が併発するなどの好ましからざる結果を招く
事になる。本発明の重合触媒である、IA族金属を含有
する有機金属化合物の錯体化合物であって、重合活性種
である錯体化合物が、複核もしくは多核錯体である事を
特徴とする重合触媒は、重合反応以前すなわち単量体が
反応系に添加される以前に形成されている事が、安定な
錯体構造を保持するためには最も好ましい。
【0043】本発明の重合触媒において、錯化剤として
第三アミン化合物を用いた場合、好ましい複核もしくは
多核錯体構造として下記(2)式により表される錯体化
合物を例示する事ができる。
【化2】
【0044】上記(2)式において、IA族金属を含有
する有機金属化合物におけるアルキル基としては、例え
ばメチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロ
ピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tetr−
ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、アリル基、シクロ
ヘキシル基、フェニル基、ヘキサメチレン基、シクロペ
ンタジエニル基、インデニル基、ブタジエニル基、イソ
プレニル基、あるいはポリブタジエニル基、ポリイソプ
レニル基、ポリエチリル基等のオリゴマー状もしくは高
分子状の従来公知の有機化合物を例示する事ができる。
【0045】本発明の代表的な重合触媒として、アミン
化合物/有機リチウム化合物=1/4(mol比)から
なる錯体化合物を例示する事ができる。より具体的に
は、アミン化合物/メチルリチウム、エチルリチウム、
n−ブチルリチウムから選択される有機リチウム=1/
4からなる錯体化合物を例示する事ができる。工業的に
採用できる最も好ましい重合触媒としてTMEDA/n
−BuLi=1/4からなる多核錯体化合物を例示する
事ができる。
【0046】本発明の重合触媒によって重合可能な単量
体としては、環状共役ジエン系単量体のみならず、従来
公知の技術によりアニオン重合可能な単量体であれば特
にその種類は制限されない。本発明における環状共役ジ
エン系単量体とは、炭素−炭素結合により構成される5
員環以上の環状共役ジエンである。好ましい環状共役ジ
エン系単量体は、炭素−炭素結合により構成される5〜
8員環の環状共役ジエンである。特に好ましい環状共役
ジエン系単量体は、炭素−炭素結合により構成される6
員環の環状共役ジエンである。
【0047】例えば、1,3−シクロペンタジエン、
1,3−シクロヘキサジエン、1,3−シクロヘプタジ
エン、1,3−シクロオクタジエン及びこれらの誘導体
を例示する事ができる。好ましい環状共役ジエン系単量
体として、1,3−シクロヘキサジエン、1,3−シク
ロヘキサジエン誘導体もしくはその分子内に6員環構造
を有する環状共役ジエンを例示する事ができる。最も好
ましい環状共役ジエン系単量体は、1,3−シクロヘキ
サジエンである。
【0048】従来公知の技術によりアニオン重合可能な
単量体としては、例えば1,3−ブタジエン、イソプレ
ン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−
ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン等の鎖状共役ジエ
ン系単量体、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチ
ルスチレン、p−メチルスチレン、p−tert−ブチ
ルスチレン、1,3−ジメチルスチレン、ジビニルベン
ゼン、ビニルナフタレン、ジフェニルエチレン、ビニル
ピリジン等のビニル芳香族系単量体、メタクリル酸メチ
ル、アクリル酸メチル、アクリロニトリル、メチルビニ
ルケトン、α−シアノアクリル酸メチル等の極性ビニル
系単量体や、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、
環状ラクトン、環状ラクタム、環状シロキサン等の極性
単量体、あるいはエチレン、α−オレフィン系単量体等
を例示する事ができる。これらの単量体は必要に応じて
1種でも、あるいは2種以上であっても構わない。
【0049】本発明の重合触媒が採用される重合体の様
式は、必要に応じて種々選択されるため特に制限されな
い。例えば、単独重合あるいはジブロック、トリブロッ
ク、テトラブロック、マルチブロック、ラジアルブロッ
ク等のブロック共重合、グラフト共重合、テーパー共重
合、ランダム共重合、交互共重合などを例示する事がで
きる。また本発明の重合触媒が採用される重合方法も、
特に制限されるものではなく、気相重合、塊状重合もし
くは溶液重合などを採用する事ができ、重合反応形式と
しては例えばバッチ式、セミバッチ式、連続式などを利
用する事が可能である。
【0050】本発明の重合触媒は単独であるいは他の重
合触媒と共に重合反応に用いる事も可能であり、必要に
応じてシリカ、ゼオライト等の無機化合物に坦持して用
いる事も特に制限されるものではない。溶液重合の場合
に使用できる重合溶媒としては、ブタン、n−ペンタ
ン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、is
o−オクタン、n−ノナン、n−デカンのような脂肪族
炭化水素、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、シ
クロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘ
キサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、デカリン、
ノルボルナンのような脂環族炭化水素、ベンゼン、トル
エン、キシレン、エチルベンゼン、クメンのような芳香
族炭化水素、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランの
ようなエーテル類を例示する事ができる。これらの重合
溶媒は1種でもあるいは必要に応じて2種以上の混合物
であってもよい。
【0051】本発明の重合触媒の使用量は、目的により
種々異なったものとなるため特に限定する事はできない
が、一般的には単量体1molに対して金属原子として
1×10-6mol〜1×10-1molの範囲であり、好
ましくは5×10-6mol〜5×10-2molの範囲で
実施する事ができる。本発明の重合温度は、必要に応じ
て種々異なったものに設定されるが、一般には−100
〜150℃、好ましくは−80〜120℃、特に好まし
くは−30〜110℃、最も好ましくは0〜100℃の
範囲で実施する事ができる。更に工業的な観点からは、
室温〜80℃の範囲で実施する事が有利である。
【0052】重合反応に要する時間は、目的あるいは重
合条件によって種々異なったものになるため特に限定す
る事はできないが、通常は48時間以内であり、特に好
適には1〜10時間の範囲で実施される。また、重合系
の雰囲気は窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガス、
特に十分に乾燥した不活性ガスである事が望ましい。ま
た、重合系の圧力は、上記重合温度範囲で単量体及び溶
媒を液相に維持するのに十分な圧力の範囲で行えばよ
く、特に限定ものではない。更に、重合系内には重合触
媒及び活性末端を不活性化させるような不純物、例えば
水、酸素、炭酸ガス等が混入しないように留意する必要
がある。
【0053】本発明の重合触媒を用いた重合方法では、
重合反応が所定の重合率を達成した後に、必要に応じて
公知の末端変性剤(ハロゲンガス、一酸化炭素、エチレ
ンオキシド、プロピレンオキシドなどのアルキレンオキ
シド、アルキレンスルフィド、イソシアナート化合物、
イミノ化合物、シクロヘキセンオキシド、炭酸ガス、酸
クロライド等)、末端分岐剤(四塩化炭素、四塩化チタ
ン、四塩化ケイ素、四塩化スズ、クロロホルム、ブロモ
ホルム、チタノセントリクロライド、ジルコノセントリ
クロライド、メチルトリクロロシラン、メチルトリブロ
モシラン、エポキシ化大豆油やポリエポキシド、ポリイ
ソシアネート、ポリイミン、ポリアルデヒド、ポリケト
ン、ポリアンハライド、ポリエステル、ポリハライド等
の化合物等)、カップリング剤(ジメチルジクロロシラ
ン、ジメチルジブロモシラン、チタノセンジクロライ
ド、ジルコノセンジクロライド、塩化メチレン、臭化メ
チレン等)、更には重合停止剤、重合安定剤、酸化防止
剤等を添加する事、あるいは水素化もしくはハロゲン化
等を実施する事も特に制限されるものではない。これら
末端変性剤もしくは末端分岐剤は、それぞれ単独あるい
は2種以上組合せてもよい。
【0054】重合停止剤としては、本発明の重合触媒の
重合活性種を失活させる公知の重合停止剤を採用する事
ができる。好適なものとして、水、炭素数が1〜10で
あるアルコール、ケトン、多価アルコール(エチレング
リコール、プロピレングリコール、グリセリン等)、フ
ェノール、カルボン酸、ハロゲン化炭化水素等を例示す
る事ができる。
【0055】重合停止剤の添加量は、一般に重合体10
0wt部に対して、0.001〜10wt部の範囲で使
用される。重合停止剤は、安定剤、酸化防止剤を添加す
る以前に添加してもよいし、安定剤、酸化防止剤と同時
に添加してもよい。また、重合体の活性末端に分子状の
水素を接触させる事により失活させても構わない。本発
明の重合方法において、重合体溶液から重合体を分離回
収するためには、従来公知の技術を採用する事ができ
る。例えば反応溶液と水蒸気を直接接触させる水蒸気凝
固法、反応液に重合体の貧溶媒を添加して重合体を沈澱
させる方法、反応溶液を容器内で加熱して溶媒を留去さ
せる方法、ベント付き押出機で溶媒を留去しながらペレ
ット化まで行う方法などを例示する事ができ、系重合体
及び用いた溶媒の性質に応じて最適な方法を採用する事
ができる。
【0056】
【実施例】以下に、実施例及び重合例、比較例によって
本発明を更に具体的に説明するが、本発明の範囲はこれ
らの実施例に限定され解釈されるものではない。本発明
に用いた薬品は入手しうる最高純度のものであった。一
般の溶剤は常法に従い脱気し、不活性ガス雰囲気下、活
性金属上で還流・脱水し、次いで蒸留・精製したものを
使用した。数平均分子量は、重合体を1,2,4−トリ
クロロベンゼンに溶解し、G.P.C(ゲルパーミエー
ションクロマトグラフィー)法により測定した標準ポリ
スチレン換算の値を示した。
【0057】(実施例1) (本発明の新規な重合触媒である、IA族金属を含有す
る有機金属化合物の複核叉は多核錯体化合物の合成例
1)乾燥アルゴン雰囲気下、既知量のテトラメチルエチ
レンジアミン(TMEDA)をシクロヘキサンに溶解し
た。この溶液を−10℃に冷却・保持し、乾燥アルゴン
雰囲気下にTMEDA/n−ブチルリチウム(n−Bu
Li)=1/4となるように、所定量のn−BuLiの
n−ヘキサン溶液をゆっくりと添加した。滴下開始後こ
の溶液を徐々に−78℃まで冷却し、TMEDA/n−
BuLi=1/4である{構造は、[(TMEDA)・
(n−BuLi)4 ]∞であると推定される。}白色結
晶状の4核錯体を合成した。
【0058】(実施例2) (本発明の新規な重合触媒である、IA族金属を含有す
る有機金属化合物の複核叉は多核錯体化合物の合成例
2)乾燥アルゴン雰囲気下、既知量のテトラメチルエチ
レンジアミン(TMEDA)をシクロヘキサンに溶解し
た。この溶液を−10℃に冷却・保持し、乾燥アルゴン
雰囲気下にTMEDA/n−ブチルリチウム(n−Bu
Li)=1/1となるように、所定量のn−BuLiの
n−ヘキサン溶液をゆっくりと添加した。滴下開始後こ
の溶液を徐々に−78℃まで冷却し、TMEDA/n−
BuLi=1/1である{構造は、[(TMEDA)2
・(n−BuLi)2 ]であると推定される。}白色結
晶状の複核錯体を合成した。
【0059】(比較例1) (従来の触媒系による重合例1)常法に従い十分に乾燥
した100mlシュレンク管の内部を乾燥アルゴンで置
換した。1,3−シクロヘキサジエン5.00g、シク
ロヘキサン10.0gをシュレンク管内に注入した。溶
液の温度を室温に保持し、n−BuLiのn−ヘキサン
溶液を、リチウム原子換算として0.04mmolを添
加した。n−BuLi添加後速やかにシクロヘキサジエ
ニルアニオンの色は消失し、重合体は回収されなかっ
た。
【0060】(比較例2) (IA族金属を含有する有機金属化合物の複核叉は多核
錯体が形成されていない場合の重合例1)常法に従い十
分に乾燥した100mlシュレンク管の内部を乾燥アル
ゴンで置換した。1,3−シクロヘキサジエン5.00
g、シクロヘキサン10.0g、TMEDA0.01m
molをシュレンク管内に注入した。溶液の温度を室温
に保持し、n−BuLiのn−ヘキサン溶液を、リチウ
ム原子換算として0.04mmolを添加した。n−B
uLi添加後速やかにシクロヘキサジエニルアニオンの
色は消失し、重合体は回収されなかった。
【0061】(比較例3) (IA族金属を含有する有機金属化合物の複核叉は多核
錯体が形成されていない場合の重合例2)TMEDAを
0.04mmolとした以外は、比較例2と同様にして
重合反応を行った。n−BuLi添加後速やかにシクロ
ヘキサジエニルアニオンの色は消失し、重合体は回収さ
れなかった。
【0062】(比較例4) (IA族金属を含有する有機金属化合物の複核叉は多核
錯体が形成されていない場合の重合例3)TMEDAを
0.40mmolとした以外は、比較例2と同様にして
重合反応を行った。n−BuLi添加後速やかにシクロ
ヘキサジエニルアニオンの色は消失し、重合体は回収さ
れなかった。
【0063】(重合例1) (本発明のIA族金属を含有する有機金属化合物の複核
叉は多核錯体化合物を重合触媒とした場合の重合例1)
常法に従い十分に乾燥した100mlシュレンク管の内
部を乾燥アルゴンで置換した。1,3−シクロヘキサジ
エン5.00g、シクロヘキサン10.0g、をシュレ
ンク管内に注入した。溶液の温度を室温に保持し、実施
例1にて得られた重合触媒をリチウム原子換算として
0.04mmolを添加し、室温で5時間重合を行っ
た。重合反応終了後、BHT〔2,6−ビス(t−ブチ
ル)−4−メチルフェノール〕10wt%のメタノール
溶液を加えて反応を停止させ、更に大量のメタノール/
塩酸混合溶媒で重合体を分離させ、メタノールで洗浄
後、80℃で真空乾燥し、白色の重合体を得た。
【0064】TMEDA1当量に対してリチウム原子が
4当量存在するにも拘らず、各リチウム原子を等価な重
合活性点としてリビングアニオン重合により高分子鎖は
成長し、数平均分子量121,800、分子量分布(M
w/Mn)1.14であるシクロヘキサジエンホモポリ
マーが98.9wt%の収率で得られた。すなわち、重
合反応系においても錯体構造は保持されており、多核錯
体上で各高分子鎖が成長している事が確認された。
【0065】(重合例2) (本発明のIA族金属を含有する有機金属化合物の複核
叉は多核錯体化合物を重合触媒とした場合の重合例2)
十分に乾燥した100ml耐圧ガラスボトルを打栓し、
常法に従い乾燥アルゴンで内部を置換した。1,3−シ
クロヘキサジエン5.00g、トルエン5.00gをボ
トル内に注入した後、実施例2にて得られた重合触媒
を、リチウム原子換算として0.080mmolを添加
し、室温で5時間重合を行った。重合反応終了後、BH
T〔2,6−ビス(t−ブチル)−4−メチルフェノー
ル〕10wt%のメタノール溶液を加えて反応を停止さ
せ、更に大量のメタノール/塩酸混合溶媒で重合体を分
離させ、メタノールで洗浄後、80℃で真空乾燥し、白
色の重合体を得た。重合体の収率は96.5wt%であ
った。この重合体の数平均分子量は49,800であ
り、分子量分布[重量平均分子量/数平均分子量(Mw
/Mn)]は1.51であった。
【0066】(比較例5) (従来の触媒系による重合例2)十分に乾燥した100
ml耐圧ガラスボトルを打栓し、常法に従い乾燥アルゴ
ンで内部を置換した。1,3−シクロヘキサジエン4.
02g、トルエン4.30gをボトル内に注入した後、
重合触媒としてn−BuLiを1.01mmol添加
し、50℃で8時間重合を行った。重合反応終了後、B
HT〔2,6−ビス(t−ブチル)−4−メチルフェノ
ール〕10wt%のメタノール溶液を加えて反応を停止
させ、更に大量のメタノール/塩酸混合溶媒で重合体を
分離させ、メタノールで洗浄後、80℃で真空乾燥し
た。得られた重合体の収率は95.9wt%であり、数
平均分子量16,800にずぎなかった。分子量分布
(Mw/Mn)は1.87であった。この重合体は黄色
に着色しており、極めて脆弱であるために成形体を得る
事はできなかった。
【0067】(比較例6) (従来の触媒系による重合例3)n−BuLiの添加量
を0.101mmolとした対外は、比較例5と同様に
して重合反応を行った。比較例1に対し触媒量が1/1
0であるにもかかわらず、得られた重合体は高分子量体
とはならず、収率も45.6wt%に低下した。数平均
分子量12,500であった。分子量分布(Mw/M
n)は2.05であった。この重合体は黄色に着色して
いた。
【0068】(重合例3) (本発明のIA族金属を含有する有機金属化合物の複核
叉は多核錯体化合物を重合触媒とした場合の重合例3)
1,3−シクロヘキサジエン4.02g、トルエン4.
30gをボトル内に注入した後、実施例2にて得られた
重合触媒を、リチウム原子換算として0.101mmo
l添加し、重合例2と同様にして室温で2時間重合反応
を行った。重合体の収率は98.9wt%であった。こ
の重合体の数平均分子量は38,800であり、分子量
分布(Mw/Mn)は1.17であった。
【0069】(重合例4) (本発明のIA族金属を含有する有機金属化合物の複核
叉は多核錯体化合物を重合触媒とした場合の重合例4)
十分に乾燥した100ml耐圧ガラスボトルを打栓し、
常法に従い乾燥アルゴンで内部を置換した。イソプレン
2.31g、トルエン5.00gをボトル内に注入した
後、実施例2にて得られた重合触媒を、リチウム原子換
算として0.08mmolを添加し、室温で4時間重合
させた。この重合溶液に、更に1,3−シクロヘキサジ
エン2.72gを追添し、室温で4時間重合した。重合
反応終了後、BHT〔2,6−ビス(t−ブチル)−4
−メチルフェノール〕10wt%のメタノール溶液を加
えて反応を停止させ、更に大量のメタノール/塩酸混合
溶媒で重合体を分離させ、メタノールで洗浄後、80℃
で真空乾燥し、白色のイソプレン/シクロヘキサジエン
ジブロック共重合体を得た。
【0070】重合体の収率は97.6wt%であった。
G.P.C法により重合体の分子量を測定したところ、
重合体は単一ピークを示し、数平均分子量は38,20
0であり、分子量分布(Mw/Mn)は1.22であっ
た。1 H−NMRを測定した結果、この重合体は、単量
体の仕込組成にほぼ等しい高分子鎖の構成になっている
事を確認した。
【0071】(重合例5) (本発明のIA族金属を含有する有機金属化合物の複核
叉は多核錯体化合物を重合触媒とした場合の重合例5)
重合温度を50℃とした以外は、重合例4と同様にして
4時間重合反応を行った。イソプレン/シクロヘキサジ
エンジブロック共重合体の収率は98.0wt%であっ
た。G.P.C法により重合体の分子量を測定したとこ
ろ、重合体は単一ピークを示し、数平均分子量は30,
700であり、分子量分布(Mw/Mn)は1.20で
あった。1 H−NMRを測定した結果、この重合体は、
単量体の仕込組成にほぼ等しい高分子鎖の構成になって
いる事を確認した。
【0072】(比較例7)重合触媒をn−BuLiに代
えた以外は、重合例5と同様にして重合反応を行った。
得られた重合体は、イソプレンホモポリマーであった。
【0073】(重合例6) (本発明のIA族金属を含有する有機金属化合物の複核
叉は多核錯体化合物を重合触媒とした場合の重合例6)
1,3−シクロヘキサジエンを先に重合し、イソプレン
を追添した以外は、重合例4と同様にして重合反応を行
った。シクロヘキサジエン/イソプレンジブロック共重
合体の収率は98.5wt%であった。G.P.C法に
より重合体の分子量を測定したところ、重合体は単一ピ
ークを示し、数平均分子量は36,200であり、分子
量分布(Mw/Mn)は1.32であった。1 H−NM
Rを測定した結果、この重合体は、単量体の仕込組成に
ほぼ等しい高分子鎖の構成になっている事を確認した。
【0074】(比較例8)重合触媒をn−BuLiに代
えた以外は、重合例6と同様にして重合反応を行った。
得られた重合体は、シクロヘキサジエンホモポリマーで
あった。
【0075】(重合例7) (本発明のIA族金属を含有する有機金属化合物の複核
叉は多核錯体化合物を重合触媒とした場合の重合例7)
十分に乾燥した100ml耐圧ガラスボトルを打栓し、
常法に従い乾燥アルゴンで内部を置換した。1,3−シ
クロヘキサジエン2.50g、スチレン2.50g、シ
クロヘキサン10.0gをボトル内に注入した後、実施
例1にて得られた重合触媒を、リチウム原子換算として
0.08mmolを添加し、室温で4時間重合させた。
【0076】重合反応終了後、BHT〔2,6−ビス
(t−ブチル)−4−メチルフェノール〕10wt%の
メタノール溶液を加えて反応を停止させ、更に大量のメ
タノール/塩酸混合溶媒で重合体を分離させ、メタノー
ルで洗浄後、80℃で真空乾燥し、白色のシクロヘキサ
ジエン/スチレン共重合体を得た。重合体の収率は7
4.8wt%であった。G.P.C法により重合体の分
子量を測定したところ、重合体は単一ピークを示し、数
平均分子量は37,100であり、分子量分布(Mw/
Mn)は1.53であった。1 H−NMRを測定した結
果、この重合体の高分子鎖の組成は、シクロヘキサジエ
ン/スチレン=1/3.4から誘導される組成になって
いる事を確認した。
【0077】
【発明の効果】本発明の新規な重合触媒及び重合方法
は、環状共役ジエン系単量体のように極めて立体障害の
大きな単量体に対しても高度な重合活性を有するばかり
でなく、重合反応時においても錯体構造を保持するた
め、リビングアニオン重合触媒でありながら高分子鎖構
造の高度な制御が期待される。すなわち、環状共役ジエ
ン系重合体のみならずリビングアニオン重合による従来
公知の重合体の重合触媒・重合方法としても、工業的に
幅広く利用する事ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】重合例1にて得られた重合体の、1 H−NMR
スペクトルチャート図である。測定時の溶媒には1,2
−ジクロロベンゼンの重水素化体を用いた。
【図2】重合例4にて得られた重合体の、1 H−NMR
スペクトルチャート図である。測定時の溶媒にはクロロ
ホルムの重水素化体を用いた。
【図3】重合例7にて得られた重合体の、1 H−NMR
スペクトルチャート図である。測定時の溶媒にはクロロ
ホルムの重水素化体を用いた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 特願平6−3584 (32)優先日 平6(1994)1月18日 (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平6−10565 (32)優先日 平6(1994)2月1日 (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平6−10566 (32)優先日 平6(1994)2月1日 (33)優先権主張国 日本(JP)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 IA族金属を含有する有機金属化合物の
    錯体化合物であって、重合活性種である錯体化合物が、
    複核もしくは多核錯体である事を特徴とする重合触媒。
  2. 【請求項2】 IA族金属を含有する有機金属化合物の
    錯体化合物であって、有機金属化合物と錯体を形成する
    配位子がアミン類を含有する事を特徴とする、請求項1
    記載の重合触媒。
  3. 【請求項3】 重合反応以前に形成されたIA族金属を
    含有する有機金属化合物の錯体化合物である事を特徴と
    する、請求項1記載の重合触媒。
  4. 【請求項4】 環状共役ジエン系単量体、鎖状共役ジエ
    ン系単量体、ビニル芳香族系単量体、極性単量体、エチ
    レン、α−オレフィン単量体等のアニオン重合可能な単
    量体から選択される一種又は二種以上の単量体を、IA
    族金属を含有する有機金属化合物の錯体化合物であっ
    て、重合活性種である錯体化合物が、複核もしくは多核
    錯体である錯体化合物を重合触媒として用いる事を特徴
    とする、重合方法。
  5. 【請求項5】 アニオン重合可能な単量体が、環状共役
    ジエン系単量体、鎖状共役ジエン系単量体、ビニル芳香
    族系単量体、極性単量体、エチレン、α−オレフィン単
    量体であることを特徴とする、請求項4記載の重合方
    法。
  6. 【請求項6】 有機金属化合物と錯体を形成する配位子
    がアミン類を含有する事を特徴とする、請求項4又は5
    記載の重合方法。
  7. 【請求項7】 重合反応以前に形成されたIA族金属を
    含有する有機金属化合物の錯体化合物を、重合触媒とし
    て用いる事を特徴とする、請求項4又は5記載の重合方
    法。
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